JP2001153869A - 診断試薬用ラテックス、その製造方法、および診断試薬 - Google Patents

診断試薬用ラテックス、その製造方法、および診断試薬

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JP2001153869A
JP2001153869A JP33694299A JP33694299A JP2001153869A JP 2001153869 A JP2001153869 A JP 2001153869A JP 33694299 A JP33694299 A JP 33694299A JP 33694299 A JP33694299 A JP 33694299A JP 2001153869 A JP2001153869 A JP 2001153869A
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diagnostic reagent
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core
emulsion
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Satoshi Nagahata
敏 長畑
Toshitaka Koyama
俊隆 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スチレンラテックスを使用していた従来の試薬
化方法が転用でき、試薬化後にも粒子同士の融着等が生
じない高安定性であり、分散液の吸光度が十分小さく高
精度の測定値を得ることができ、自動化機器試薬用ラテ
ックスとして使用するのに好適な診断試薬用ラテック
ス、その製造方法、および診断試薬を提供する。 【解決手段】ラジカル重合可能な含ふっ素モノマーを主
成分とするモノマー類を水性媒体中で乳化重合させるこ
とによって、コア部としてのふっ素樹脂粒子を懸濁させ
たエマルションを形成し、このエマルション中に、スチ
レンを主成分とするモノマー類を添加してさらに乳化重
合を行い、上記ふっ素樹脂粒子の表面にスチレン重合体
のシェル部を形成してコア・シェル型樹脂粒子とする。
こうして製造されたラテックスの表面に、免疫活性基を
担持させ、緩衝液中に分散させて診断試薬用ラテックス
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア・シェル型樹
脂粒子を使用した診断試薬用ラテックス、その製造方
法、およびこのラテックスを原料とする診断試薬に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン等からなるラテックス(臨
床検査材料分野では、樹脂粒子そのものをラテックスと
呼んでいる)に抗原、抗体等の免疫活性基を担持させ、
ラテックスの凝集度で検体中の抗体、抗原等の濃度を測
定する方法はラテックス・イムノアッセイ法と呼ばれて
自動化機器用診断試薬として実用化されている。しか
し、従来のラテックス・イムノアッセイ法では、検体中
の抗体、抗原等の濃度が高い領域において、シグナル値
が低下して濃度測定ができなくなるプロゾーン現象が生
じるため、測定値の信頼性が低かった。
【0003】この現象を回避するための一つの手段は診
断試薬中に存在するラテックス量を増やすことである。
しかし、ラテックス量を増やすとその濃度が高くなるた
め、吸光度が大きくなり初期濁度すなわちゼロ点濁度が
上昇する。一般に測定できる吸光度は原理的に上限があ
るため、ゼロ点濁度の上昇により測定に利用できる吸光
度幅が狭くなってしまい、結果的に測定できる濃度幅や
測定レンジが狭まってしまう。また、もし測定レンジが
十分であったとしても、吸光度の絶対値が大きい部分で
の測定値は精度が低いという問題もある。
【0004】上記問題を解決するために、屈折率の低い
ふっ素樹脂によって吸光度の小さいラテックスを製造
し、これを使用することが提案されている。たとえば特
開昭61−155959号公報にはアクリル酸フルオロ
アルキルエステル誘導体と、アクリル酸誘導体と多官能
性内部架橋用単量体からなる単量体混合物を水性媒体中
で乳化重合させてなる水分散型高分子重合体粒子を用い
た免疫学的診断試薬が開示されている。また、特開昭6
1−247966号公報には、たんぱく質を吸着させた
屈折率1.42以下の含ふっ素高分子ラテックスからな
る抗原抗体反応測定用試薬が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのラテックス
は、確かに試薬初期濁度を下げることが可能であり、濁
度の面から見れば望ましいものである。しかし、ふっ素
樹脂ラテックスの表面状態は、本分野で従来から使用さ
れてきたスチレンを主体とするラテックスの表面とは異
なるために、今までの試薬化手法ではシグナル値の十分
高い試薬が得られにくいという不具合がある。この理由
は明らかではないが、ふっ素重合体の撥水、撥油性また
は強い極性が免疫活性物質の付着を阻害するため、もし
くは担持させた免疫活性基に影響を与え、抗原・抗体反
応を阻害する方向に働くため、シグナル値が十分出ない
ものと考えられる。
【0006】また、ふっ素樹脂ラテックスは、原料の含
ふっ素モノマー類のガラス転移点が低いため柔らかい。
そのため試薬化作業時の遠心分離工程で融着し易く、ま
た試薬化後も、経時で凝集し易い等の問題点がある。ラ
テックスを硬くするために架橋モノマーを共重合する等
の改良方法が上記公開公報等に記載されているが、融着
が完全に避けられる十分な表面硬度を得ることは困難で
あり、また架橋モノマーの量を増すとラテックス合成時
にブツが発生しやすくなる問題もあった。
【0007】本発明の目的は、スチレンを主体とするラ
テックスを使用していた従来の試薬化方法が転用でき、
試薬化後にも粒子同士の融着等が生じない高安定性であ
り、分散液の吸光度が十分小さく高精度の測定値を得る
ことができ、自動化機器試薬用ラテックスとして使用す
るのに好適な診断試薬用ラテックス、その製造方法、お
よび診断試薬を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の診断試薬用ラテ
ックスは、免疫活性基を担持させて診断試薬に供するた
めのラテックスであって、コア部がラジカル重合可能な
含ふっ素モノマーを主成分とするモノマー類から得られ
たふっ素樹脂、シェル部がスチレンを主成分とするモノ
マー類から得られた重合体によって形成されたコア・シ
ェル型樹脂粒子である。また、上記コア部は、ラジカル
重合可能な含ふっ素モノマーを90〜100質量%含有
するモノマー類から形成されていることが好ましく、上
記シェル部は、スチレンを90〜100質量%含有する
モノマー類から形成されていることが好ましい。
【0009】また、本発明の診断試薬用ラテックスの製
造方法は、ラジカル重合可能な含ふっ素モノマーを主成
分とするモノマー類を水性媒体中で乳化重合させること
によって、コア部としてのふっ素樹脂粒子を懸濁させた
エマルションを形成し、このエマルション中に、スチレ
ンを主成分とするモノマー類を添加してさらに乳化重合
を行い、前記ふっ素樹脂粒子の表面にスチレン重合体の
シェル部を形成してコア・シェル型樹脂粒子とする。上
記コア・シェル型樹脂粒子に使用するラジカル重合可能
な含ふっ素モノマーを主成分とするモノマー類(a)
と、スチレンを主成分とするモノマー類(b)との質量
比a:bは95:5〜50:50であることが好まし
い。
【0010】本発明の診断試薬用ラテックスは上記製造
方法によって製造されたものでもあり、本発明の診断試
薬は、これら本発明の診断試薬用ラテックスの表面に、
免疫活性基を担持させたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に述べ
る。
【0012】本発明の診断試薬用ラテックスは、コア・
シェル型樹脂粒子であり、コア部は含ふっ素モノマー単
独または含ふっ素モノマーと他のモノマーとを共重合さ
せたふっ素樹脂、シェル部はスチレン単独またはスチレ
ンと他のモノマーとを共重合させた重合体である。な
お、コア部が共重合体で形成される場合は、含ふっ素モ
ノマーが全モノマー中の90質量%以上を占める必要が
あり、また、シェル部が共重合体の場合はスチレン全モ
ノマー中の90質量%以上を占める必要がある。上記含
ふっ素モノマーが90質量%未満で形成されたラテック
スは透過率が不足し、スチレンが90質量%未満で形成
されたラテックスはシグナル値が低くなる。
【0013】上記コア部(および必要に応じてシェル
部)に使用できる含ふっ素モノマーは、製造される樹脂
粒子の水中における透過率が十分に高いものであり、か
つ乳化重合可能なものであればどのようなものでも良
い。そのような含ふっ素モノマーの例としては、トリフ
ルオロメチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、テトラフルオロエチル(メ
タ)アクリレート、テトラフルオロブチル(メタ)アク
リレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート
類、ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、テトラフルオロ
エテン、ヘキサフルオロプロパン等のふっ素化オレフィ
ン類が挙げられる。
【0014】上記コア部には、含ふっ素モノマーと共
に、その他のモノマーを10質量%未満の含有量で併用
することができる。その例としては、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプ
ロラクトン開環付加物類、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シブチル、N−メチロールアクリルアミド等の水酸基含
有(メタ)アクリル酸エステルモノマー類、(メタ)ア
クリル酸グリシジル等のオキシラン環含有モノマー類、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有するエチレン性
不飽和モノマー類、および(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、
(メタ)アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルモノマー類を挙げることができる。
【0015】さらに、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジビ
ニルベンゼン等の架橋性モノマー類、その他(メタ)ア
クリロニトリル、(メタ)アクリル酸アミド、ジメチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルア
ミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、α−メチル
スチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等も併
用することができる。また、シェル部の形成に用いられ
るスチレンも使用することができる。
【0016】上記コア部となるふっ素樹脂粒子は乳化重
合によって製造する。その方法は、乳化剤を含有する水
性媒体中に上記含ふっ素モノマーの1種または2種以上
(および必要に応じてその他のモノマー)を添加し、さ
らに重合開始剤を添加して乳化重合を行い、ふっ素樹脂
製のコア部を得るものである。含ふっ素モノマー(およ
びその他のモノマー)は、水性媒体量に対して0.1〜
50質量%程度の濃度で(共)重合させることができ
る。
【0017】上記乳化剤の使用は、含ふっ素モノマーや
その他のモノマーとの分散性を向上して、その均一化お
よび微粒子化を行い、形成されたコア粒子の水性媒体中
における分散安定化を助けるものである。しかし、乳化
剤を使用しないソープフリー乳化重合法で重合すること
もできる。本発明に用いることができる乳化剤の例とし
ては、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩、ア
ルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等の
アニオン活性剤単独、または、これらアニオン活性剤
と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル等のノニオン活性剤との組み
合わせが挙げられ、これら乳化剤は、疎水性のふっ素樹
脂をエマルション化するのに都合が良い。また、フルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、モノパーフルオロアルキルエチルりん酸エステル
等のふっ素系乳化剤も好適に使用できる。さらに、ラジ
カル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤は含ふっ素
モノマーやその他のモノマーと共重合可能なため、反応
後に水溶媒中での残存量が少なく、次のシェル部形成が
容易となるので特に好ましい。乳化剤の添加量は重合さ
せるモノマー量の0.001〜5質量%が好ましい。
【0018】上記重合開始剤は水溶性のラジカル重合開
始剤であり、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化アンモニウ
ム等の過酸化塩、これらの塩とチオ硫酸ナトリウム、塩
化鉄、塩化銅等の還元剤を組み合わせたレドックス触媒
系の重合開始剤が挙げられる。重合開始剤の添加量は重
合させるモノマー量の0.01〜30質量%が好まし
い。
【0019】なお、上記コア部は、ふっ素樹脂粒子の形
成を多段で行うこともできる。すなわち、核となるエマ
ルション粒子を形成後、さらにその表面にふっ素樹脂層
を形成させてコア部とすることができる。この多段によ
る形成方法は、粒径を調整しやすいという特徴がある。
【0020】上記方法によって形成されたコア粒子が分
散されたエマルション中へ、スチレン(および、必要に
応じて10質量%未満のその他のモノマー)、さらに必
要により重合開始剤を添加して乳化重合を行い、コア部
がふっ素樹脂、シェル部がスチレン(共)重合体からな
るコア・シェル型のラテックスを形成する。また、コア
部と同様にこのシェル部についても多段で形成すること
ができる。なお、重合開始剤、その他のモノマー(含ふ
っ素モノマーも含む)はコア部に使用する上述のものを
同様の添加量範囲で使用することができる。また、上記
シェル部を構成するモノマーに加えて、カルボキシル
基、アミノ基、水酸基等の活性基を有するラジカル重合
性モノマーを適宜併用すれば、免疫活性基を共有結合さ
せることもできるため好ましい。
【0021】上記コア・シェル型樹脂粒子に使用する含
ふっ素モノマーを主成分とするモノマー類(a)と、ス
チレンを主成分とするモノマー類(b)との質量比a:
bは95:5〜50:50が好ましい。コア部(および
シェル部)に使用される含ふっ素モノマーの質量比が9
5を超えると、免疫活性基の担持状態が不十分となり、
シグナル値の十分高い試薬の製造が困難となる。また、
上記含ふっ素モノマーの質量比が50未満では、吸光度
低下の効果が得にくい。
【0022】上記方法によって得られるコア・シェル型
樹脂粒子をからなるラテックスは、平均粒子径が50〜
1000nmの範囲にあり、粒度分布も狭い(粒径が揃
っている)ため診断試薬用として最適である。
【0023】次に、上記ラテックスに免疫活性基を担持
させて診断試薬を製造する。この場合、上記のカルボキ
シル基、アミノ基、水産基等の活性基を含むラジカル重
合可能なモノマーを共重合させていない場合は物理的担
持となる。物理的担持、化学的担持のいずれにしても、
担持させる免疫活性基は、血液、血清、リンパ液、唾
液、尿等の検体に含まれる抗原、抗体等の標的物質に担
持または配位可能なものとする。このような免疫活性基
の例としては、C反応性タンパク(CRP)、α‐フェ
トプロテイン、肝炎ウイルス、細菌、真菌、梅毒トレポ
ネーマ、トキソプラズマ等の抗原類、抗反応性タンパ
ク、抗フィブリノーゲン、γ‐グロブリン等の抗体類、
ヒト免疫グロブリン、ヤギ等動物免疫グロブリン、変性
免疫グロブリン等の免疫グロブリン類、アルブミン補体
成分等の血漿タンパク成分類、エストロゲン、ヒト絨毛
性ゴナドトロピン等のホルモン類、コレステロール、尿
酸等等の基質類、その他ヘモグロビン誘導体、糖誘導体
が挙げられる。
【0024】上記水性媒体としては純水が好ましく、こ
の純水中に緩衝液を添加することでpHを6〜9に調整
する。水性媒体中に分散させるラテックスの濃度は0.
01〜5質量%である。また、水性媒体中への添加物と
しては防腐剤としてのアジ化ナトリウム、非特異反応を
防御するための安定剤として牛血清アルブミンや界面活
性剤、その他必要に応じて凝集促進剤等公知の添加剤を
加えることができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。なお、配合量は特に断りのな
いかぎり質量部を示す。 実施例1ラテックスの合成 撹拌機、温度計、モノマー滴下ロート、還流冷却器、加
熱装置、窒素ガス導入管を有する重合反応容器に、イオ
ン交換水710部を仕込み、83℃に昇温した。そし
て、この中にトリフルオロエチルメタクリレート(「ラ
イトエステルM−3F」、共栄社化学社製)66部と過
硫酸アンモニウム0.3部を脱イオン水10部に溶解し
たものを添加し、1時間加熱撹拌してエマルション化し
た。
【0026】続いて、スチレン13部を30分かけて滴
下し、滴下終了後、83℃で1.5時間撹拌してコア部
がトリフルオロエチルメタクリレート単重合体、シェル
部がスチレンからなるコア・シェル型のラテックスを調
製した。
【0027】上記方法によって得られたラテックスは、
動的光散乱法による粒子径測定で、粒子径350nmを
示し、走査型電子顕微鏡でほぼ粒子径が揃っていること
が確認された。次に、このラテックスを脱イオン水中で
透析し、精製した。このラテックスの濃度0.05%純
水分散液の吸光度(700nm)は0.31であった。
【0028】抗体担持 上記純水分散液(ラテックスとして2g)に、ヤギ由来
抗ヒトCRP抗体1gを含む50mMのリン酸緩衝液
(pH7.4)50mlを37℃で2時間インキュベー
トして抗体を担持し、遠心分離によって上澄みを除い
て、さらにリン酸緩衝液を使用して遠心洗浄した。その
後、抗体担持ラテックス0.2%、牛血清アルブミン
0.1%、アジ化ナトリウム0.05%の50mMリン
酸緩衝液(pH7)溶液を調製し、ラテックス試薬(R
2)とした。
【0029】CRP濃度測定 C反応性タンパク(CRP)を80mg/dl含有する
標準検体を準備し、倍々希釈で種々濃度の検体液を調製
した。またこれと別に、希釈用緩衝液として牛血清アル
ブミン0.1%、塩化ナトリウム0.1%、アジ化ナト
リウム0.05%を含む50mMトリス−HCl緩衝液
(pH7.4)(R1)を調製した。そして上記検体2
0μlとR1を混合撹拌した後、初期吸光度が1.5、
トータル液量が3mlになるようにR2を加えて、撹拌
しながら分光光度計(「UV2200」、島津製作所
製)により700nmにおける吸光度の時間変化を測定
した。そしてR2を加えて3分後の吸光度から30秒後
の吸光度を差し引いたものをシグナルとし、各濃度の検
体についてシグナルをプロットして図1の検量線を描い
た。
【0030】比較例1 実施例1のラテックス合成中、トリフルオロエチルメタ
クリレート66部を添加し、その後スチレンを滴下する
工程に代えて、トリフルオロエチルメタクリレート80
部を添加し、トリフルオロエチルメタクリレート単重合
体からなるラテックスを形成した。得られたラテックス
は、平均粒子径が340nm、粒子径はほぼ揃ってお
り、純水分散液の吸光度は0.20と高い透明性を示し
た。このラテックスを使用して、実施例1と同様に抗体
担持およびCRP濃度測定を行った。得られた検量線を
図1に示す。
【0031】比較例2 撹拌機、温度計、モノマー滴下ロート、還流冷却器、加
熱装置、窒素ガス導入管を有する重合反応容器に、イオ
ン交換水720部を仕込み、83℃に昇温した。そし
て、この中にスチレン80部と過硫酸アンモニウム0.
4部を脱イオン水10部に溶解したものを添加し、2時
間加熱撹拌してエマルション化した。
【0032】上記方法によって得られたスチレンラテッ
クスは、平均粒子径が330nm、粒子径はほぼ揃って
いたが、純水分散液の700nmにおける吸光度は1.
76と光透過性が低かった。このスチレンラテックスを
使用して、実施例1と同様に抗体担持およびCRP濃度
測定を行った。得られた検量線を図1に示す。
【0033】図1の検量線から明らかなように、本実施
例のコア・シェル樹脂粒子を使用した抗体担持ラテック
スは、検体濃度と良好に相関したシグナルを発するた
め、免疫測定用診断試薬として好適に使用できる。一
方、比較例1のふっ素樹脂単独ラテックスを使用した場
合はシグナルが十分に出ない。これは、抗体がふっ素樹
脂表面に担持しにくいことが原因と思われる。また、比
較例2のスチレンラテックスを使用した場合、検体濃度
が低ければ良好なシグナルを発するが、検体濃度が高く
なるとプロゾーン現象が生じて使用できなくなった。
【0034】
【発明の効果】本発明の診断試薬用ラテックスは、コア
部がふっ素樹脂、シェル部がスチレン重合体から形成さ
れたコア・シェル型樹脂粒子であり、水分散媒中での吸
光度が十分小さい。したがって、免疫活性基を担持させ
て検体中の抗体等と反応させるときの初期濁度を低くす
ることができ、試薬として使用する場合にダイナミック
レンジを広くとれる。また、本発明の診断試薬は、スチ
レンを主体とするラテックスに用いていた従来の方法に
よって試薬化でき、十分なシグナル値を示す。さらに、
試薬化後のラテックス粒子間の融着、沈降が生じず安定
性が高い。したがって自動化機器試薬用ラテックスとし
て好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例および比較例の検体濃度−シグナル値
図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】免疫活性基を担持させて診断試薬に供する
    ためのラテックスであって、コア部がラジカル重合可能
    な含ふっ素モノマーを主成分とするモノマー類から得ら
    れたふっ素樹脂、シェル部がスチレンを主成分とするモ
    ノマー類から得られた重合体によって形成されたコア・
    シェル型樹脂粒子であることを特徴とする診断試薬用ラ
    テックス。
  2. 【請求項2】前記コア部が、ラジカル重合可能な含ふっ
    素モノマーを90〜100質量%含有するモノマーから
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の診断
    試薬用ラテックス。
  3. 【請求項3】前記シェル部が、スチレンを90〜100
    質量%含有するモノマー類から形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の診断試薬用ラテックス。
  4. 【請求項4】ラジカル重合可能な含ふっ素モノマーを主
    成分とするモノマー類を水性媒体中で乳化重合させるこ
    とによって、コア部としてのふっ素樹脂粒子を懸濁させ
    たエマルションを形成し、このエマルション中に、スチ
    レンを主成分とするモノマー類を添加してさらに乳化重
    合を行い、前記ふっ素樹脂粒子の表面にスチレン重合体
    のシェル部を形成してコア・シェル型樹脂粒子とするこ
    とを特徴とする診断試薬用ラテックスの製造方法。
  5. 【請求項5】前記コア・シェル型樹脂粒子に使用するラ
    ジカル重合可能な含ふっ素モノマーを主成分とするモノ
    マー類(a)と、スチレンを主成分とするモノマー類
    (b)との質量比a:bは95:5〜50:50である
    請求項4に記載の診断試薬用ラテックスの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載の製造方法によっ
    て製造された診断試薬用ラテックス。
  7. 【請求項7】請求項1〜3または6のいずれかに記載の
    ラテックス表面に、免疫活性基を担持させたことを特徴
    とする診断試薬。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013064705A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Hitachi High-Technologies Corp 自動分析装置及び分析方法
CN113677993A (zh) * 2019-03-29 2021-11-19 积水医疗株式会社 免疫测定试剂和免疫测定方法

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