JP2001150011A - 金属帯の圧延制御方法 - Google Patents

金属帯の圧延制御方法

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JP2001150011A JP34019899A JP34019899A JP2001150011A JP 2001150011 A JP2001150011 A JP 2001150011A JP 34019899 A JP34019899 A JP 34019899A JP 34019899 A JP34019899 A JP 34019899A JP 2001150011 A JP2001150011 A JP 2001150011A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属帯の圧延制御において、デジタル補償器
の制御周期を、ロール圧下装置あるいはミルモータの制
御応答性を発揮するのに必要かつ十分な値に定めること
により、安価で高精度な制御方法を提供する。 【解決手段】 金属帯圧延材の板厚測定値、板厚推定
値、圧延荷重、張力測定値、ルーパ装置のループ量測定
値等のデータに基づき、デジタル補償器11または12
によって一定の制御周期毎にロール圧下位置および/ま
たはロール速度を制御する際、デジタル補償器の制御周
期を、操作端(ロール圧下装置50またはミルモータ6
0)の制御応答周波数に応じた所定の式で与えられる上
下限の範囲内とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯を圧延する
際の圧延制御技術に係り、特に、ロール圧下装置および
/またはミルモータの制御応答性を十分に活用し、板厚
精度の向上と金属帯の安定製造を可能とする制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】圧延中の金属帯の板厚を所望の厚さに制
御する方法として、従来よりつぎのような方法が知られ
ている。
【0003】(1) 圧延機の入側に備えられた板厚計で測
定した圧延材の入側板厚測定値、あるいは板厚推定手段
によって推定された入側板厚推定値に応じて、入側板厚
変動の影響が出側板厚に現れないように、ロール圧下位
置および/またはロール速度を操作するフィードフォワ
ード板厚制御方法。
【0004】(2) 圧延機の出側に備えられた板厚計で測
定した圧延材の出側板厚測定値、あるいは板厚推定手段
によって推定された出側板厚推定値に応じて、ロール圧
下位置および/またはロール速度を操作するフィードバ
ック板厚制御方法。
【0005】上記の板厚推定手段としては、ロール圧下
位置と圧延荷重をゲージメータ式に代入して、いわゆる
ゲージメータ厚を算出する方法や、板厚推定位置におけ
る圧延材の移動速度と、推定位置とは別の位置における
圧延材の移動速度と板厚をマスフロー一定則に代入し
て、いわゆるマスフロー厚を算出する方法などが知られ
ており、特にフィードバック板厚制御方法においてゲー
ジメータ厚を用いた制御方法はゲージメータAGC、フ
ィードバック板厚制御方法においてマスフロー厚を用い
た制御方法はマスフローAGCと呼ばれているものであ
る。
【0006】(3) 荷重計で測定した圧延荷重に応じて、
圧延機の伸びによるロール間隙変化を補正するようにロ
ール圧下位置を操作する方法で、ビスラAGCあるいは
ミル剛性可変制御と呼ばれる板厚制御方法。
【0007】また、圧延材の張力が変動すると圧延材の
通板が不安定になるだけでなく、圧延荷重変化を介して
圧延機の弾性変形量を変化させ、板厚変動を助長させる
ので、圧延材の張力を制御することも重要である。圧延
材の張力制御方法としては次のような方法が知られてい
る。
【0008】(4) 張力計で測定した圧延材の張力測定値
に応じて、ロール圧下位置および/またはロール速度を
操作するフィードバック張力制御方法。
【0009】(5) ルーパを備えた圧延設備において、圧
延材の目標張力に釣り合うようにルーパの支持力を与え
ておき、張力変動によって変動したループ量変動(ルー
パ角度で測定)に応じて、ロール速度を操作するフィー
ドバックルーパ角度(高さ)制御による間接的な張力制
御方法。
【0010】上記(1) 〜(5) の制御方法は組み合わせて
用いることが可能であり、それぞれの制御によって決定
された操作量は同一のロール圧下装置の圧下位置および
同一の圧延ロールのロール速度毎に加算して最終的な操
作量としている。
【0011】これらの圧延制御方法においては、近年の
システム技術、デジタル技術の発展により、アナログ制
御回路に比べて制御精度に優れたデジタル制御を使用す
るのが一般的である。
【0012】図2は一般的なデジタル制御の系統を表す
ブロック図である。
【0013】同図に示すように、デジタル補償器10は
あらかじめ定められた制御周期毎に板厚や張力などの制
御に必要な圧延データをサンプラ20を介してサンプリ
ングし、ロール圧下位置あるいはロール速度の操作量を
演算し、ホールド回路30によって制御周期毎の離散信
号である操作量を連続信号に変換し、ロール圧下装置あ
るいはミルモータ等の操作端40に、ロール圧下位置変
更指令やロール速度変更指令等の操作量として与える。
【0014】同図は圧延データの入力ないし操作量の出
力を1本の系統線で示しているが、実際には圧延データ
として多種多数の入力があり、出力も多種多数にわたる
ため、前記1本の系統線は多数のデータ(信号)が束ね
られたものを意味している。また、サンプラ20も多数
のサンプラ(必ずしも同期してサンプリングするとは限
らない)を意味している。
【0015】上記制御方法において、操作端であるロー
ル圧下装置あるいはミルモータの制御応答性は、当然、
速ければ速いほど制御精度が向上する。
【0016】例えば、特開平4−237506号公報に
は、40rad/s以上の交差周波数をもつ交流モータ
を用いて圧延材の張力、ルーパ角度を制御する方法が開
示されており、高応答交流モータを用いることにより圧
延材の張力が安定し、板厚精度が向上すると述べられて
いる。
【0017】また、特開平7−16607号公報には、
圧延材の温度外乱周期の1/100以下の制御周期のも
と、0.8〜1.0のチューニング率でミル剛性可変制
御をおこなう方法が開示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧延制
御の操作端となるロール圧下装置やミルモータの制御応
答性とデジタル補償器の制御周期の関係には何ら知見が
なく、前記特開平4−237506号公報で開示されて
いるような制御応答性の速い操作端を用いても、制御周
期が長いために十分な制御効果が得られないことがあっ
た。また、制御周期を不必要に短くしようとして、1制
御周期内で演算処理する計算量が制限されて高度な演算
ができなくなり、デジタル補償器には少数回の四則演算
などの単純な制御ロジックしか実装できなくなることが
あった。
【0019】これを避けるためには、複数のデジタル補
償器に演算処理内容を分割するか、デジタル補償器に演
算速度の速いCPU(中央処理装置)を用いなければな
らず、設備費が増大するという問題がある。例えば前記
特開平7−16607号公報に開示された技術におい
て、制御周期が操作端の制御応答性と比較して短かくな
りすぎると、制御装置が操作指令を出力しても操作端は
操作量を変更することができず、上記のような制御周期
を短くするデメリットだけが現れることになる。
【0020】本発明の課題は上記のような問題に鑑み、
デジタル補償器の制御周期を、ロール圧下装置あるいは
ミルモータの制御応答性を発揮するのに必要かつ十分な
値に定めることにより、安価で高精度かつ安定した板厚
制御が可能な金属帯の圧延制御方法を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は実際の圧延機
における板厚の挙動の観察および計算機モデルによるシ
ミュレーションを行ない下記の知見を得た。以下、デジ
タル補償器の制御周期の設定根拠について詳述する。
【0022】一般に、ロール圧下装置やミルモータ等の
操作端の応答性は、操作端の周波数応答のゲインが−3
dB(0.71)以上、位相が−π/4[rad]以上
となる周波数の最大値(以下、制御応答周波数と呼ぶ)
で表される。すなわち、制御応答周波数は、操作端に単
位振幅の正弦波を入力したときの出力正弦波の振幅が
0.71以上、位相遅れがπ/4[rad]以下となる
入力正弦波の最大周波数である。
【0023】例えば、操作端の伝達関数が、
【0024】
【数5】
【0025】ただし、T:時定数[s]、s:ラプラシ
アン のように一次遅れで表されるときは、入力正弦波の周波
数をf' とすると、(1)式の伝達関数のゲインと位相は
(2) および(3) 式で表される。
【0026】
【数6】
【0027】制御応答周波数は、(4) 式で表される。
【0028】
【数7】
【0029】デジタル制御の場合、図2のようにデジタ
ル補償器10の出力がホールド回路30を通じて操作端
40へ入力されるので、ホールド回路を含めた操作端の
制御応答周波数を考慮しなければならない。これには、
デジタル補償器30から離散時間の正弦波信号が出力さ
れたときの操作端の応答のゲインと位相を調べればよ
い。デジタル補償器10の出力は下記(5) 式のように表
せる。
【0030】 ui=sin(2πf'iΔ) (i=0,1,2・・・) (5) ただし、f' :周波数[Hz]、Δ:制御周期[s]で
ある。
【0031】時刻tにおけるホールド回路30の出力は
(6) 式で表せ、この出力は操作端に与えられる。
【0032】 x(t)=sin(2πf't) (iΔ≦t<(i+1)Δ) (6) 操作端40の出力は厳密な正弦波とはならないが、(7)
式のように正弦波で近似し、ゲインkと位相αを求める
ことにより、ホールド回路を含めた操作端の制御応答周
波数が求められる。
【0033】 y(t)=k sin(2πf't+ α) (7) 図3は操作端が一次遅れ系であって、その制御応答周波
数が25Hzの場合、ホールド回路を含めた系の周波数
特性を上記(7) 式の計算方法により求めたグラフであ
り、同図(a) はゲイン特性、同図(b) は位相特性を示
す。同図(a) および同図(b) とも、制御周期が0.00
5sの場合と0.01sの場合とを併記している。同図
(a) に示すようにゲイン特性はホールド回路を含めても
大差はないが、同図(b) のように、位相特性は制御周期
が長いほど遅れる。
【0034】また、位相遅れの許容範囲を−π/4[r
ad]すると、ホールド回路を含めた操作端の制御応答
周波数は、制御周期が0.005sの場合は15Hz、
制御周期が0.01sの場合は9.4Hzであり、ホー
ルド回路を含まない操作端の制御応答周波数25Hzよ
りも小さくなる。
【0035】図4は、制御応答周波数が25Hzの一次
遅れ系の操作端の場合、制御周期とホールド回路を含め
た操作端の制御応答周波数の関係を示すグラフである。
同図からわかるように、制御周期を短くするほどホール
ド回路を含めた操作端の制御応答周波数は大きくなり、
操作端本来の制御応答周波数に近づく。
【0036】一般に、制御応答周波数がf[Hz]の操
作端をもつ制御系を設計する場合、制御応答周波数f
[Hz]で操作端を操作することを前提にした制御系と
はせず、安定余裕または位相余裕と呼ばれる余裕を持た
せることが知られている。板厚制御や張力制御などの一
定の目標値に被制御量を整定させるプロセス制御系の場
合、位相余裕はπ/9[rad]以上とすることが望ま
しいとされている。特に、デジタル補償器に入力される
測定または推定されたデータに、制御応答周波数fにお
いてπ/9[rad]以上に相当する時間遅れが生じて
いる場合は位相余裕をπ/9rad以上にしなければ制
御系は不安定になる。
【0037】制御応答周波数がfの一次遅れ系操作端の
場合、周波数fにおける位相(すなわち−π/4[ra
d])よりも、さらに位相がπ/9[rad]遅れる一
次遅れ系の制御応答周波数g[Hz]は下記(8) 式の関
係から(9) 式のように導出できる。
【0038】
【数8】
【0039】
【数9】
【0040】従って、操作端のホールド回路も含めた制
御応答周波数が、操作端の制御応答周波数の0.47倍
以上になるようにデジタル補償器の制御周期を設定すれ
ば、概ね操作端の応答性を損なうことなく制御を実現で
きる。
【0041】一方、制御周期を短くすると、既に述べた
ように、複雑な制御ロジックがデジタル補償器に実装で
きなくなったり、複数のデジタル補償器が必要で設備費
が高くなる等の弊害があるので、適切な値にする必要が
ある。この場合、ホールド回路を含めた操作端の制御応
答周波数は、操作端の制御応答周波数の0.9倍あれば
十分である。ホールド回路を含めた操作端の制御応答周
波数をこれ以上に上げて、操作端の制御応答周波数に等
しくなるようにするにはサンプル・ホールドの制御周期
を短縮して、連続時間に等しくなるほどにしなければな
らず、設備費が増大する反面、効果が乏しい。
【0042】以上をまとめると、操作端の制御応答周波
数f[Hz]に対して、ホールド回路を含めた操作端の
制御応答周波数g[Hz]は下記(10)式の関係となるよ
うに制御周期を決定すれば、ロール圧下装置やミルモー
タ等の操作端の制御能力を必要かつ十分に活用できるこ
とになる。
【0043】 0.47f≦g≦0.9f (10) ホールド回路を含めた操作端の制御応答周波数g[H
z]は、制御周期Δだけでなく、操作端の制御応答周波
数fにも依存している。制御周期Δの設計には(10)式を
満たす制御周期Δを操作端の制御応答周波数fの陽関数
で表すのがよい。
【0044】図1は操作端の制御応答周波数fとデジタ
ル補償器の制御周期Δの関係示すグラフである。
【0045】例えば、操作端の制御応答周波数fが25
Hzの場合では、(10)式を満たす制御周期は図4より
0.0008s以上0.008s以下であることがわか
る。同様に、操作端の制御応答周波数fを変えて、(10)
式を満たす制御周期Δをプロットしたものが図1の斜線
部に示す範囲である。同図の斜線部分の境界曲線に適合
する関係式を検討した結果、下記(11)式を得た。すなわ
ち、(11)式の範囲であれば、概ね(10)式が成立し、ロー
ル圧下装置やミルモータ等の操作端の制御能力を必要か
つ十分に活用できる。
【0046】
【数10】
【0047】また、ロール圧下位置とロール速度の両者
を操作する制御方法においては、両者が応答可能な操作
周波数、すなわちデジタル補償器が制御応答周波数の小
さい方の周波数までしか操作量を出力しないように構成
されるので、制御周期は制御応答周波数の小さい方の周
波数fが(11)式を満足すればよい。
【0048】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、その要旨は以下(1) 〜(4) のとおりである。
【0049】(1) 圧延材の板厚測定値、ゲージメータ式
またはマスフロー一定則により推定した圧延材の板厚推
定値、圧延荷重測定値、圧延材の張力測定値およびルー
パ装置のループ量測定値のうち、少なくとも1つのデー
タに基づいてデジタル補償器によって一定の制御周期毎
にロール圧下位置および/またはロール速度の操作量を
演算し、該操作量に追従するようにロール圧下位置およ
び/またはロール速度を操作する金属帯の圧延制御方法
であって、上記デジタル補償器の制御周期を次式の範囲
に設定することを特徴とする金属帯の圧延制御方法。
【0050】
【数11】
【0051】ただし、Δはデジタル補償器の制御周期
[s]、fはロール圧下位置のみを操作する場合はロー
ル圧下位置の制御応答周波数、ロール速度のみを操作す
る場合はロール速度の制御応答周波数、ロール圧下位置
とロール速度の両者を操作する場合はロール圧下位置と
ロール速度の制御応答周波数の小さい方の周波数[H
z]である。
【0052】(2) 圧延材の板厚測定値、ゲージメータ式
またはマスフロー一定則により推定した圧延材の板厚推
定値、圧延荷重測定値、圧延材の張力測定値およびルー
パ装置のループ量測定値のうちの少なくとも1つのデー
タを、周波数fにおける位相遅れがπ/9[rad]以
上に相当する時間遅れを伴う計測器あるいは推定器で測
定または推定し、該測定又は推定したデータに基づいて
デジタル補償器によって一定の制御周期毎にロール圧下
位置および/またはロール速度の操作量を演算し、該操
作量に追従するようにロール圧下位置および/またはロ
ール速度を操作する金属帯の圧延制御方法であって、上
記デジタル補償器の制御周期を次式の範囲に設定するこ
とを特徴とする金属帯の圧延制御方法。
【0053】
【数12】
【0054】ただし、Δはデジタル補償器の制御周期
[s]、fはロール圧下位置のみを操作する場合はロー
ル圧下位置の制御応答周波数、ロール速度のみを操作す
る場合はロール速度の制御応答周波数、ロール圧下位置
とロール速度の両者を操作する場合はロール圧下位置と
ロール速度の制御応答周波数の小さい方の周波数[H
z]である。
【0055】(3) 圧延材の板厚測定値、ゲージメータ式
またはマスフロー一定則により推定した圧延材の板厚推
定値、圧延荷重測定値、圧延材の張力測定値およびルー
パ装置のループ量定値のうち、少なくとも2つのデータ
を複数のデータ群に分類して、それぞれのデータ群を異
なるデジタル補償器に入力し、該デジタル補償器にて一
定の制御周期毎にデータ群に共通したロール圧下位置お
よび/またはデータ群に共通したロール速度の制御量を
演算し、上記異なるデジタル補償器によって演算された
ロール圧下位置および/またはロール速度の操作量をロ
ール圧下位置、ロール速度別に加算し、加算された操作
量に追従するようにロール圧下位置および/またはロー
ル速度を操作する金属帯の圧延制御方法であって、上記
デジタル補償器の制御周期を、それぞれのデジタル補償
器で制御する制御帯域の周波数が低いものほど長くなる
ように設定し、最も制御帯域の周波数が高いデジタル補
償器の制御周期を次式の範囲に設定することを特徴とす
る金属帯の圧延制御方法。
【0056】
【数13】
【0057】ただし、Δは最も制御帯域の周波数が高い
デジタル補償器の制御周期[s]、fはロール圧下位置
のみを操作する場合はロール圧下位置の制御応答周波
数、ロール速度のみを操作する場合はロール速度の制御
応答周波数、ロール圧下位置とロール速度の両者を操作
する場合はロール圧下位置とロール速度の制御応答周波
数の小さい方の周波数[Hz]である。
【0058】(4) 圧延荷重測定値を第1デジタル補償器
に入力し、圧延機の出側の板厚測定値を第2デジタル補
償器に入力し、第1デジタル補償器で一定の制御周期毎
に第1ロール圧下位置操作量を演算し、第2デジタル補
償器で一定の制御周期毎に第2ロール圧下位置操作量を
演算し、第1ロール圧下位置操作量と第2ロール圧下位
置操作量を加算し、加算された操作量に追従するように
ロール圧下位置を操作する金属帯の圧延制御方法であっ
て、第2デジタル補償器の制御周期を第1デジタル補償
器の制御周期よりも長くなるように設定し、第1デジタ
ル補償器の制御周期を次式の範囲に設定することを特徴
とする金属帯の圧延制御方法。
【0059】
【数14】
【0060】ただし、Δは第1デジタル補償器の制御周
期[s]、fはロール圧下位置の制御応答周波数[H
z]である。
【0061】なお、本発明において、デジタル補償器の
制御する制御対象はロール圧下位置および/またはロー
ル速度のほか、ループ量(ルーパ角度)設定変更など他
の制御が含まれていてもよい。
【0062】
【発明の実施の形態】本発明は圧延機入側の板厚計を用
いたフィードフォワード板厚制御、ゲージメータAG
C、マスフローAGC、張力計を用いたフィードバック
張力制御、ループ量(ルーパ角度)フィードバック制御
などの公知の圧延制御方法に適用することができる。な
ぜなら、本発明はこれらの制御に用いられるデジタル補
償器に関するものであり、検出端または操作端の種類に
は依存しないからである。よって、本発明の実施の形態
を、ミル剛性可変制御と圧延機出側の板厚計を用いたフ
ィードバック板厚制御とを併用した圧延制御に適用した
場合を例に説明する。
【0063】図5は本発明の実施に使用する圧延設備と
制御系統の一例を示す構成図である。圧延材1は白抜き
矢印の方向に供給される。上下1対のワークロール2、
3はロール圧下装置50によって間隙が調整されるが、
圧延材1はこの間を通過することによって圧延される。
圧延中には荷重計6によって圧延荷重を測定することが
でき、また、圧延機出側に設置された板厚計5によって
圧延材1の圧延後の板厚を測定できるように構成されて
いる。荷重計6によって測定された圧延荷重は制御周期
Δ1 秒毎にサンプラ20−1を介して第1デジタル補償
器11に与えられ、第1ロール圧下位置変更指令が演算
される。
【0064】一方、板厚計5によって測定された圧延材
1の板厚は制御周期Δ2 秒毎にサンプラ20−2を介し
て第2デジタル補償器12に与えられ、第2ロール圧下
位置変更指令が演算される。離散時間信号である第1ロ
ール圧下位置変更指令は第1ホールド回路31によって
第1デジタル補償器11の次の制御周期まで保持される
ことにより連続時間信号に変換されてロール圧下装置5
0に与えられ、また、離散時間信号である第2ロール圧
下位置変更指令は第2ホールド回路32によって第2デ
ジタル補償器12の次の制御周期まで保持されることに
より連続時間信号に変換されてロール圧下装置50に与
えられる。ロール圧下装置50は、連続時間信号に変換
された第1ロール圧下位置変更指令と第2ロール圧下位
置変更指令とを加算し、この加算値に一致するようにロ
ール圧下位置を制御することによってワークロール2、
3の間隙を調整して圧延材1の板厚を制御する。
【0065】なお、図5は第1ロール圧下位置変更指令
と第2ロール圧下位置変更指令の加算を、ロール圧下装
置50でおこなう例を示しているが、加算器を別途設置
して第1ロール圧下位置変更指令と第2ロール圧下位置
変更指令を加算器に与え、加算した結果をロール圧下装
置50に与えるように構成してもよい。
【0066】第1デジタル補償器11において求められ
る第1ロール圧下位置変更指令ΔS1は、ミル剛性可変制
御の公知の方法により次式で演算する。
【0067】
【数15】
【0068】ここで、Pは荷重計6から与えられる圧延
荷重、P0 は制御開始時の圧延荷重の記憶値、ka はチ
ューニング率、Mはミル剛性係数であり、ka 、Mは圧
延材1の圧延を開始する前に決定しておく。
【0069】第2デジタル補償器12において求められ
る第2ロール圧下位置変更指令ΔS2は、比例積分制御の
公知の方法により次式で演算する。
【0070】
【数16】
【0071】ここで、h は板厚計5から与えられる板
厚、hrefは板厚目標値、kPSは比例ゲイン、kISは積分
ゲイン、zはデジタル制御のシフトオペレータである。
ref、kPS、kISは圧延材1の圧延を開始する前に決
定しておく。
【0072】このように構成された圧延設備を用いて、
本発明を実施する際の第1デジタル補償器11の制御周
期Δ1 、第2デジタル補償器12の制御周期Δ2 の決定
方法を説明する。
【0073】第1デジタル補償器11の制御周期Δ1
は、操作端であるロール圧下装置50の制御応答周波数
s [Hz]に応じて、下記(14)式のように設定してお
く。
【0074】
【数17】
【0075】また、第2デジタル補償器12の制御周期
Δ2 は、操作端であるロール圧下装置50の制御応答周
波数fs [Hz]に応じて、下記(15)式のように設定し
ておく。
【0076】
【数18】
【0077】以上の説明では、Δ1 、Δ2 の設定方法の
それぞれに対して、本発明を適用した場合であるが、下
記の理由で一方のみに適用してもよい。
【0078】すなわち、ミル剛性可変制御は圧延荷重の
検出無駄時間が無視できるほど小さいため、制御帯域を
ロール圧下装置の制御応答周波数近くまで高くすること
ができ、板厚精度が向上する効果が大きい。これに対
し、フィードバック板厚制御は制御帯域をロール圧下装
置の制御応答周波数に比べてかなり低くしなければなら
ない。これは、ワークロール2、3の位置から板厚計5
の位置までに圧延材1が移送される時間だけ板厚の検出
無駄時間があるためである。したがって、第1デジタル
補償器の制御周期Δ1 は(14)式を満足するように設定
し、第2デジタル補償器の制御周期Δ2 はΔ1 よりも小
さくし、設備費を節約することも有効な方法である。
【0079】図6は本発明の実施に使用する圧延設備と
制御系統の他の例を示す構成図である。同図は板厚をロ
ール速度で制御する制御装置に本発明を適用した場合の
図である。同図において図5と同一要素は同一符号で示
す。
【0080】フィードバック板厚制御では図5のような
ロール圧下位置制御以外に、図6のようなロール速度を
操作する方法も可能である。第2デジタル補償器12の
演算値はロール速度変更指令となって、ロール速度変更
指令が第2ホールド回路32に与えられる。第2ホール
ド回路32は離散時間信号であるロール速度変更指令を
第2デジタル補償器12の次の制御周期まで保持して連
続時間信号に変換し、ミルモータ60に与え、ミルモー
タ60は第2ホールド回路32から与えられるロール速
度変更指令に応じてワークロール2、3の回転速度を調
整しながら圧延材1を圧延するように構成されている。
【0081】第2デジタル補償器12において求められ
るロール速度変更指令ΔVは、比例積分制御の公知の方
法により次式で演算する。
【0082】
【数19】
【0083】ここで、kPVは比例ゲイン、kIVは積分ゲ
インであり、これらの値は圧延材1の圧延を開始する前
に決定しておく。
【0084】このように構成された圧延設備を用いて本
発明を実施する際には、第1デジタル補償器11の制御
周期Δ1 は上述した通り(14)式を満足する範囲で設定し
ておき、第2デジタル補償器12の制御周期Δ2 は、操
作端であるミルモータ60の制御応答周波数fV [H
z]に応じて、下記(17)式の範囲で設定しておく。
【0085】
【数20】
【0086】なお、Δ1 とΔ2 の一方だけに本発明を適
用してもよいのは図5の場合と同様である。
【0087】フィードバック板厚制御ではロール圧下位
置とロール速度を同時に操作する方法も知られている。
【0088】図7は本発明の実施に使用する圧延設備と
制御系統の他の例を示す構成図である。同図はロール圧
下位置とロール速度を同時に操作する圧延装置に本発明
を適用する場合である。同図において、図5〜6と同一
要素は同一符号で示す。
【0089】同図の場合、第2デジタル補償器にてフィ
ードバック板厚制御の操作量指令である第2ロール圧下
位置変更指令とロール速度変更指令とが演算されて、第
2ホールド回路32に与えられる。第2ホールド回路3
2は離散時間信号である第2ロール圧下位置変更指令と
ロール速度変更指令とを第2デジタル補償器12の次制
御周期まで保持して連続時間信号に変換し、第2ロール
圧下位置変更指令をロール圧下装置50に、ロール速度
変更指令をミルモータ60に与える。ロール圧下装置5
0は、連続時間信号に変換された第1ロール圧下位置変
更指令と第2ロール圧下位置変更指令を加算し、ロール
圧下位置が加算値に一致するように制御することによっ
てワークロール2、3の間隙を調整する。一方、ミルモ
ータ60は第2ホールド回路32から与えられるロール
速度変更指令に応じてワークロール2、3の回転速度を
調整しながら圧延材1を圧延するように構成されてい
る。
【0090】第2デジタル補償器12において求められ
る第2ロール圧下位置変更指令ΔS2、ロール速度変更指
令ΔVは、比例積分制御の公知の方法により次式で演算
する。
【0091】
【数21】
【0092】
【数22】
【0093】ここで、kPSV1、kPSV2は比例ゲイン、k
ISV1、kISV2は積分ゲインであり、圧延材1の圧延を開
始する前に決定しておく。
【0094】このように構成された圧延設備を用いて本
発明を実施する際には、第1デジタル補償器11の制御
周期Δ1 は上述した通り(14)式を満足する範囲で設定し
ておき、第2デジタル補償器12の制御周期Δ2 は、操
作端であるロール圧下装置50およびミルモータ60の
それぞれの制御応答周波数fS [Hz]、fV [Hz]
に応じて下記(20)式の範囲で設定しておく。
【0095】
【数23】
【0096】なお、Δ1 とΔ2 の一方だけに本発明を適
用してもよいのは前記と同様である。
【0097】以上の説明では、ミル剛性可変制御と、板
厚計の測定板厚に基づいたフィードバック板厚制御の操
作量の演算を第1デジタル補償器と第2デジタル補償器
の別々のデジタル補償器で実施する場合について説明し
たが、ミル剛性可変制御とフィードバック板厚制御の操
作量を1つのデジタル補償器を用い、同一制御周期の元
で演算することも可能である。以下、このような場合の
本発明の実施方法を説明する。
【0098】図8は本発明の実施に使用する圧延設備と
制御系統の一例を示す構成図である。同図は図5で示し
たミル剛性可変制御とフィードバック板厚制御の演算を
1つのデジタル補償器10で行う場合である。同図にお
いて、図5〜7と同一要素は同一符号で示す。
【0099】デジタル補償器10には板厚計5から圧延
材1の板厚、荷重計6から圧延荷重の測定値が離散時間
信号として与えられる。デジタル補償器10の内部に
は、ミル剛性可変制御による第1ロール圧下位置変更指
令を(12)式によって演算する第1演算回路21、フィー
ドバック板厚制御による第2ロール圧下位置変更指令を
(13)式によって演算する第2演算回路22が備えられて
おり、第1ロール圧下位置変更指令と第2ロール圧下位
置変更指令は加算されてロール圧下位置変更指令として
第1ホールド回路31に与えられる。第1ホールド回路
31は離散時間信号であるロール圧下位置変更指令をデ
ジタル補償器10の次制御周期まで保持して連続時間信
号に変換してロール圧下装置50に与え、ロール圧下装
置50は第1ホールド回路31から与えられるロール圧
下位置変更指令に応じてワークロール2、3の間隙を調
整しながら圧延材1を圧延するように構成されている。
【0100】このように構成された圧延設備を用いて本
発明を実施する際には、デジタル補償器10の制御周期
Δは、ロール圧下装置50の制御応答周波数fS [H
z]に応じて、
【0101】
【数24】
【0102】の範囲で設定しておく。図9は本発明の実
施に使用する圧延設備と制御系統の一例を示す構成図で
ある。同図は図6で示したミル剛性可変制御とフィード
バック板厚制御の演算を、1つのデジタル補償器10で
おこなう場合である。同図において、図5〜8と同一要
素は同一符号で示す。
【0103】同図において、デジタル補償器10には板
厚計5から圧延材1の板厚、荷重計6から圧延荷重の測
定値が離散時間信号として与えられる。デジタル補償器
10の内部には、ミル剛性可変制御によるロール圧下位
置変更指令を(12)式によって演算する第1演算回路2
1、フィードバック板厚制御によるロール速度変更指令
を(16)式によって演算する第2演算回路22が備えられ
ており、ロール圧下位置変更指令は第1ホールド回路3
1に、ロール速度変更指令は第2ホールド回路32に与
えられる。第1ホールド回路31は離散時間信号である
ロール圧下位置変更指令をデジタル補償器10の次回の
制御周期まで保持して連続時間信号に変換してロール圧
下装置50に与え、第2ホールド回路32は離散時間信
号であるロール速度変更指令をデジタル補償器10の次
回の制御周期まで保持して連続時間信号に変換してミル
モータ60に与える。ロール圧下装置50は第1ホール
ド回路31から与えられるロール圧下位置変更指令に応
じてワークロール2、3の間隙を調整し、一方ミルモー
タ60は第2ホールド回路32から与えられるロール速
度変更指令に応じてワークロール2、3の回転速度を調
整しながら圧延材1を圧延するように構成されている。
【0104】このように構成された圧延設備を用いて本
発明を実施する際には、デジタル補償器10の制御周期
は、ロール圧下装置50とミルモータ60のそれぞれの
制御応答周波数fS [Hz]、fV [Hz]に応じて、
下記(22)式の範囲で設定しておく。
【0105】
【数25】
【0106】図10は本発明の実施に使用する圧延設備
と制御系統の一例を示す構成図である。同図は図7で示
したミル剛性可変制御とフィードバック板厚制御の演算
を、1つのデジタル補償器10でおこなう場合である。
同図において、図5〜9と同一要素は同一符号で示す。
【0107】同図において、デジタル補償器10の内部
には、ミル剛性可変制御による第1ロール圧下位置変更
指令を(12)式によって演算する第1演算回路21、フィ
ードバック板厚制御による第2ロール圧下位置変更指令
とロール速度変更指令を(18)、(19)式によって演算する
第2演算回路22が備えられており、第1ロール圧下位
置変更指令と第2ロール圧下位置変更指令は加算されて
第1ホールド回路31に与えられ、ロール速度変更指令
は第2ホールド回路32に与えられる。第1ホールド回
路31は離散時間信号であるロール圧下位置変更指令を
デジタル補償器10の次制御周期まで保持して連続時間
信号に変換してロール圧下装置50に与え、第2ホール
ド回路32は離散時間信号であるロール速度変更指令を
デジタル補償器10の次制御周期まで保持して連続時間
信号に変換してミルモータ60に与える。ロール圧下装
置50は第1ホールド回路31から与えられるロール圧
下位置変更指令に応じてワークロール2、3の間隙を調
整し、一方ミルモータ60は第2ホールド回路32から
与えられるロール速度変更指令に応じてワークロール
2、3の回転速度を調整しながら圧延材1を圧延するよ
うに構成されている。
【0108】このように構成された圧延設備を用いて本
発明を実施する際には、デジタル補償器10の制御周期
Δは、ロール圧下装置50とミルモータ60のそれぞれ
の制御応答周波数fS [Hz]、fV [Hz]に応じて
下記(23)式の範囲で設定しておく。
【0109】
【数26】
【0110】
【実施例】制御応答周波数fS が15Hzであるロール
圧下装置を図8に示す圧延設備に適用し、デジタル補償
器10の制御周期を変更して低炭素鋼を熱間圧延した。
この場合、(21)式より計算されるデジタル補償器10の
望ましい制御周期は1.3ms〜12.7msであっ
た。制御結果は板厚目標値に対する板厚偏差の変動の大
きさ(最大−最小)で評価した。
【0111】図11は本実施例におけるデジタル補償器
の制御周期と板厚偏差の変動との関係を示すグラフであ
る。
【0112】同図に示すように、デジタル補償器の制御
周期が望ましい範囲より大きい(12.7ms超)場合
は板厚偏差が大きく、望ましい範囲(1.3ms以上、
12.7ms以下)では板厚偏差はほぼ同等であった。
【0113】一方、制御周期を望ましい範囲より小さく
しても(1.3ms未満)、板厚偏差に改善はみられな
かった。以上のことから、本発明の制御方法の有効性を
確認できた。
【0114】
【発明の効果】本発明の制御方法により、金属帯の圧延
制御におけるロール圧下装置やミルモータ等の操作端の
制御応答性を十分に活用することが可能になり、不必要
に設備費を増加させることなく板厚精度や圧延安定性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】操作端の制御応答周波数とデジタル補償器の制
御周期Δの関係示すグラフである。
【図2】一般的なデジタル制御の系統を表すブロック図
である。
【図3】一次遅れ系の操作端のホールド回路を含めた系
の周波数特性を示すグラフであり、同図(a) はゲイン特
性、同図(b) は位相特性を示す。
【図4】一次遅れ系の操作端の制御周期とホールド回路
を含めた系の制御応答周波数の関係を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の実施に使用する圧延設備と制御系統の
一例を示す構成図である。
【図6】本発明の実施に使用する圧延設備と制御系統の
一例を示す構成図である。
【図7】本発明の実施に使用する圧延設備と制御系統の
一例を示す構成図である。
【図8】本発明の実施に使用する圧延設備と制御系統の
一例を示す構成図である。
【図9】本発明の実施に使用する圧延設備と制御系統の
一例を示す構成図である。
【図10】本発明の実施に使用する圧延設備と制御系統
の一例を示す構成図である。
【図11】本発明の実施例におけるデジタル補償器の制
御周期と板厚偏差の変動との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:圧延材 2、3:ワークロール 5:板厚計 6:荷重計 10:デジタル補償器 11:第1デジタル補償器 12:第2デジタル補償器 20、20−1、20−2:サンプラ 21:第1演算回路 22:第2演算回路 30:ホールド回路 31:第1ホールド回路 32:第2ホールド回路 40:操作端 50:ロール圧下装置 60:ミルモータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延材の板厚測定値、ゲージメータ式また
    はマスフロー一定則により推定した圧延材の板厚推定
    値、圧延荷重測定値、圧延材の張力測定値およびルーパ
    装置のループ量測定値のうち、少なくとも1つのデータ
    に基づいてデジタル補償器によって一定の制御周期毎に
    ロール圧下位置および/またはロール速度の操作量を演
    算し、該操作量に追従するようにロール圧下位置および
    /またはロール速度を操作する金属帯の圧延制御方法で
    あって、上記デジタル補償器の制御周期を次式の範囲に
    設定することを特徴とする金属帯の圧延制御方法。 【数1】 ただし、Δはデジタル補償器の制御周期[s]、fはロ
    ール圧下位置のみを操作する場合はロール圧下位置の制
    御応答周波数、ロール速度のみを操作する場合はロール
    速度の制御応答周波数、ロール圧下位置とロール速度の
    両者を操作する場合はロール圧下位置とロール速度の制
    御応答周波数の小さい方の周波数[Hz]である。
  2. 【請求項2】圧延材の板厚測定値、ゲージメータ式また
    はマスフロー一定則により推定した圧延材の板厚推定
    値、圧延荷重測定値、圧延材の張力測定値およびルーパ
    装置のループ量測定値のうちの少なくとも1つのデータ
    を、周波数fにおける位相遅れがπ/9[rad]以上
    に相当する時間遅れを伴う計測器あるいは推定器で測定
    または推定し、該測定又は推定したデータに基づいてデ
    ジタル補償器によって一定の制御周期毎にロール圧下位
    置および/またはロール速度の操作量を演算し、該操作
    量に追従するようにロール圧下位置および/またはロー
    ル速度を操作する金属帯の圧延制御方法であって、上記
    デジタル補償器の制御周期を次式の範囲に設定すること
    を特徴とする金属帯の圧延制御方法。 【数2】 ただし、Δはデジタル補償器の制御周期[s]、fはロ
    ール圧下位置のみを操作する場合はロール圧下位置の制
    御応答周波数、ロール速度のみを操作する場合はロール
    速度の制御応答周波数、ロール圧下位置とロール速度の
    両者を操作する場合はロール圧下位置とロール速度の制
    御応答周波数の小さい方の周波数[Hz]である。
  3. 【請求項3】圧延材の板厚測定値、ゲージメータ式また
    はマスフロー一定則により推定した圧延材の板厚推定
    値、圧延荷重測定値、圧延材の張力測定値およびルーパ
    装置のループ量定値のうち、少なくとも2つのデータを
    複数のデータ群に分類して、それぞれのデータ群を異な
    るデジタル補償器に入力し、該デジタル補償器にて一定
    の制御周期毎にデータ群に共通したロール圧下位置およ
    び/またはデータ群に共通したロール速度の制御量を演
    算し、上記異なるデジタル補償器によって演算されたロ
    ール圧下位置および/またはロール速度の操作量をロー
    ル圧下位置、ロール速度別に加算し、加算された操作量
    に追従するようにロール圧下位置および/またはロール
    速度を操作する金属帯の圧延制御方法であって、上記デ
    ジタル補償器の制御周期を、それぞれのデジタル補償器
    で制御する制御帯域の周波数が低いものほど長くなるよ
    うに設定し、最も制御帯域の周波数が高いデジタル補償
    器の制御周期を次式の範囲に設定することを特徴とする
    金属帯の圧延制御方法。 【数3】 ただし、Δは最も制御帯域の周波数が高いデジタル補償
    器の制御周期[s]、fはロール圧下位置のみを操作す
    る場合はロール圧下位置の制御応答周波数、ロール速度
    のみを操作する場合はロール速度の制御応答周波数、ロ
    ール圧下位置とロール速度の両者を操作する場合はロー
    ル圧下位置とロール速度の制御応答周波数の小さい方の
    周波数[Hz]である。
  4. 【請求項4】圧延荷重測定値を第1デジタル補償器に入
    力し、圧延機の出側の板厚測定値を第2デジタル補償器
    に入力し、第1デジタル補償器で一定の制御周期毎に第
    1ロール圧下位置操作量を演算し、第2デジタル補償器
    で一定の制御周期毎に第2ロール圧下位置操作量を演算
    し、第1ロール圧下位置操作量と第2ロール圧下位置操
    作量を加算し、加算された操作量に追従するようにロー
    ル圧下位置を操作する金属帯の圧延制御方法であって、
    第2デジタル補償器の制御周期を第1デジタル補償器の
    制御周期よりも長くなるように設定し、第1デジタル補
    償器の制御周期を次式の範囲に設定することを特徴とす
    る金属帯の圧延制御方法。 【数4】 ただし、Δは第1デジタル補償器の制御周期[s]、f
    はロール圧下位置の制御応答周波数[Hz]である。
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