JP2001149940A - 浴水改質装置 - Google Patents

浴水改質装置

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JP2001149940A JP2000239565A JP2000239565A JP2001149940A JP 2001149940 A JP2001149940 A JP 2001149940A JP 2000239565 A JP2000239565 A JP 2000239565A JP 2000239565 A JP2000239565 A JP 2000239565A JP 2001149940 A JP2001149940 A JP 2001149940A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、且つ取り扱いが容易な浴水改質装置
の提供。 【解決手段】 浴水改質装置Aは、マグネシウム電極1
1とステンレス電極12とを配した電解槽1と、浴水往
管22中に配される浴水ポンプ2と、マグネシウム電極
11に正の電圧を印加しステンレス電極12に負の電圧
を印加する電源回路3とを備え、マグネシウム電極11
から浴水にMg2+イオンを溶解させて浴水をアルカリ性
に改質する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入浴効果を高める
ために浴槽内の浴水をアルカリ性に改質する浴水改質装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】浴槽内の浴水をアルカリ性に改質する場
合、一般的に、浴槽内に入浴剤を投入している。しか
し、入浴する毎に入浴剤を投入する必要があり面倒であ
る。また、改質度合が変動し易く、改質度合を目標範囲
内に維持するのに手間がかかるという不具合を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、発明者らは、
陰イオン交換膜を使用した浴水改質装置を出願(特願平
11- 82879号)した。しかし、陰イオン交換膜、
電解を促進させるための助剤、および流量センサ等が必
要で、且つ複雑な制御を行う必要がある。また、陰イオ
ン交換膜は破損し易く、また常に湿った状態を保持する
必要があり扱いが面倒である。更に、陰イオン交換膜や
電極(Ti- Pt)を使用するためコスト高を招いてい
た。
【0004】本発明の目的は、安価で、且つ取り扱いが
容易な浴水改質装置の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔請求項1について〕電
解槽には、マグネシウムで形成した第1電極と、マグネ
シウムまたは他の導電性金属で形成した第2電極とを配
している。つまり、第2電極は、マグネシウムで形成し
ても良く、ステンレス等の他の導電性金属で形成しても
良い。浴槽と電解槽とは、水配管で接続されている。電
圧印加手段により、第1電極に正の電圧を印加し、第2
電極に負の電圧を印加すると、第1電極から浴水にMg
2+イオンが溶解する。浴水中にMg2+イオンが溶解し、
下記の様にOH- と反応してMg(OH)2が生成され
浴水に混じるので浴水がアルカリ性に改質される。 Mg2++2OH- →Mg(OH)2
【0006】浴水改質装置は、陰イオン交換膜、助剤、
および流量センサ等が不要で、且つ電極に高価な材料を
使用しないので安価に製造することができる。また、陰
イオン交換膜を使用していないので、取り扱いが容易で
ある。
【0007】〔請求項2について〕電解槽には、マグネ
シウムで形成した第1、第2電極を配している。浴槽と
電解槽とは、水配管で接続されている。電圧印加手段
は、第1電極に正の電圧を印加し、第2電極に負の電圧
を印加する第1通電モードと、第1電極に負の電圧を印
加し、第2電極に正の電圧を印加する第2通電モードと
を交互に切り替える。
【0008】正の電圧を印加した方の電極から浴水にM
2+イオンが溶解する。浴水中にMg2+イオンが溶解
し、下記の様にOH- と反応してMg(OH)2が生成
され浴水に混じるので浴水がアルカリ性に改質される。 Mg2++2OH- →Mg(OH)2
【0009】第1通電モードと第2通電モードとを交互
に切り替える理由を、以下に示す。正の電圧を印加して
Mg2+イオンを放出し続けると、正の電圧を印加してい
る方の電極(マグネシウム製)の表面に微小な凸凹が形
成されて電極表面が荒れる現象が起きる。この電極表面
の荒れにより、電極から微小なマグネシウムのかけらが
剥がれ、浴水に混入して浴槽内へ運ばれ、浴槽内に居る
入浴者を不快にする虞がある。
【0010】浴水改質装置は、陰イオン交換膜、助剤、
および流量センサ等が不要で、且つ電極に高価な材料を
使用しないので安価に製造することができる。また、陰
イオン交換膜を使用していないので、取り扱いが容易で
ある。また、電極表面の荒れが防止できるので、電極剥
がれを阻止できる。
【0011】〔請求項3について〕第1通電モードおよ
び第2通電モードの持続時間を同じ時間とし、下記の理
由により各持続時間を0.1秒〜10分の間に設定す
る。Mg2+イオンが電極から放出されるが、各持続時間
が0.1秒未満であると、放出されて未だ電極近傍に漂
っている、Mg2+イオンが再び、電極に引き戻されるの
で電解効率の低下を招く。また、マグネシウムが、押出
し成形やロール成形等で製造した圧延材である場合は、
圧延組織に起因してマグネシウムの溶解が不均一に起こ
り易く、各持続時間が10秒を超えると、正の電圧を印
加している方の電極の表面に微小な凸凹が形成されて電
極表面が荒れる現象が起きる。一方、マグネシウムが重
力鋳造法やダイカスト法等で製造した鋳造材である場合
は、各持続時間が10分以内であれば電極表面が荒れる
ことはない。
【0012】〔請求項4について〕浴槽内の浴水のpH
を測定するpH測定手段を設け、電圧印加手段は、pH
測定手段が測定したpHに基づいて、通電量(印加電圧
や電流)および通電時間(間欠通電や通電停止)の少な
くとも一方を制御する。これにより、足し湯をしても浴
水が所定pHに維持される。
【0013】〔請求項5について〕マグネシウムで形成
した第1電極と、ステンレスで形成した第2電極とを浴
槽の浴水に浸し、該浴水から絶縁した導線で第1電極と
第2電極とを繋ぐ。これにより、第1電極- 第2電極間
に電位差が生じるので、マグネシウムで形成した第1電
極から浴水にMg2+イオンが溶解する。浴水中にMg2+
イオンが溶解し、下記の様にOH- と反応してMg(O
H)2が生成され浴水に混じるので浴水がアルカリ性に
改質される。 Mg2++2OH- →Mg(OH)2 水に対するMg(OH)2 の溶解度からpHの上昇は1
0.5程度で止まる。
【0014】浴水改質装置は、電解槽、電圧印加手段、
陰イオン交換膜、助剤、および流量センサ等が不要で、
且つマグネシウムとステンレスを電極に使用しているの
で安価に製造することができる。また、陰イオン交換膜
を使用していないので、取り扱いが容易である。
【0015】〔請求項6について〕第1、第2電極は、
電解槽内に配されている。このため、入浴の際に、入浴
の邪魔にならないとともに、第1、第2電極を引き上げ
る必要がないので手間がかからない。
【0016】〔請求項7について〕第1電極に正の電圧
を印加し、陽極溶解によりMg2+イオンが生成して浴水
をアルカリ性に改質する。この時、大容量の浴水を短時
間で改質する場合には、大面積のマグネシウム電極と、
該マグネシウム電極と略同じ寸法の第2電極とが必要に
なる。これを1対の電極で行うと、その電極対を収納す
る大容積の電解槽が必要になる。また、図10に示す櫛
歯構造を採用すると、電極を結線する必要がある。しか
し、第1電極と第2電極との間に、マグネシウムで形成
したマグネシウム電極を、少なくとも一つ配するバイポ
ーラ構造とした構成であると、第1電極-第2電極間に
電源を結線すれば、バイポーラ構造としたマグネシウム
電極を結線せずとも電圧を印加することができる。
【0017】つまり、浴水の電気抵抗が通常の電解液に
比べて桁違いに大きいので、第1電極- 第2電極間に電
源を結線して電圧を印加すると短絡的に流れず、結線し
ていないマグネシウム電極間を電流が順に流れるので、
プラス側の電極でMg2+イオンが溶解する。このよう
に、バイポーラ構造にすることにより、小容積で且つ簡
便に浴水改質装置を形成することができる。また、結線
されていないマグネシウム電極が消耗しても簡単に取り
替えることができる。
【0018】〔請求項8について〕電極に使用するマグ
ネシウムは、いかなる製造法で製造したものを用いても
良く、例えば、押出し成形やロール成形等で製造した圧
延材、重力鋳造やダイカスト等で製造した鋳造材を用い
ることができる。中でも鋳造材では、マグネシウムの溶
解が均一に起こるため、通電モードを交互に切り替える
請求項2の構成の浴水改質装置では、各持続時間をより
長く設定することができる。各持続時間が長い程、Mg
2+イオンの生成効率は高くなるため、上記鋳造材は特に
好ましい。
【0019】〔請求項9について〕電極を形成するマグ
ネシウムの組成は、純マグネシウム以外に、マグネシウ
ムの自然腐食を著しく加速しないものであり、天然温泉
に含まれる元素を含有する合金であっても良い。例え
ば、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属、または、
ストロンチウムやカルシウムやバリウム等のアルカリ土
類金属があげられる。中でもマグネシウムと同族のアル
カリ土類金属との合金の場合は、Mg2+イオンと共に、
よりアルカリ性の強いSr2+イオン、Ca2+イオン、B
2+イオン等が生成して浴水を効率的にアルカリ性に改
質できる。合金化するアルカリ土類金属の含有量は、合
計で0.1重量%〜20重量%が良い。含有量が0.1
重量%未満では上記効果に乏しく、20重量%を越えて
合金化すると材料が脆くなるため好ましくない。
【0020】〔請求項10について〕電極を形成するマ
グネシウムがアルカリ土類金属のカルシウムとの合金の
場合は、Mg2+イオンと同時にアルカリ性のCa2+イオ
ンが生成して浴水を効率的にアルカリ性に改質し、また
印加電圧を低くできる結果、電気代の節約が図れ、浴水
改質装置を小型化することができる。更に、電極を鋳造
法で製造する場合には、Mg- Ca合金は、燃焼する虞
がないので特に好ましい合金である。
【0021】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の第1実施例(請
求項1、4に対応)を図1、図2に基づいて説明する。
浴水改質装置Aは、電解槽1と、浴水ポンプ2と、電源
回路3と、浴水のpHを検出するpHセンサ41と、電
源回路3を制御する制御器4とを備える。
【0022】電解槽1は、アルカリに強いプラスチック
で形成され、浴槽21より上方に設置されている。この
電解槽1内には、板状のマグネシウム電極11と、ステ
ンレス電極12とが対向して配置されている。
【0023】浴水ポンプ2は、浴槽21から電解槽1へ
浴水を汲み上げるものであり、本実施例では、浴槽21
と電解槽1の上部とを接続する浴水往管22の浴水吸込
口に配設されている。なお、電解槽1内の浴水は、電解
槽1の下部と浴槽21とを接続する浴水戻管23を通っ
て浴槽21へ戻る。また、浴水戻管23に浴水ポンプ2
を配設しても良い。
【0024】電源回路3は、マグネシウム電極11に正
の直流電圧を印加し、ステンレス電極12に負の直流電
圧を印加する。なお、電極に印加する電圧は、浴水中を
流れる電流が所定値となる様に制御器4によりコントロ
ールされる。
【0025】pHセンサ41は、浴水往管22の途中に
配されている。このpHセンサ41が出力するセンサ信
号は制御器4のpH測定回路(図示せず)に送られ、p
Hが求められる。制御器4は、検出pHを監視し、浴水
がpH10に到達すると、電源回路3の作動を止める。
【0026】図2に、実験モデル(浴水1リットル、浴
水温42℃、マグネシウム電極表面積0.3dm2 )を
使用して行った、異なる電流値における経過時間- pH
の上昇を測定したグラフを示す。このグラフから、実際
のモデルの浴水(200リットル)を30分程度でpH
10にするには、表面積が10dm2 のマグネシウム電
極を使用した場合、流す電流が3.3A程度必要である
ことが判る。
【0027】浴水改質装置Aは、以下の利点を有する。 [ア]マグネシウム電極11から浴水にMg2+イオンが
溶解し、OH- と反応してMg(OH)2 が生成され浴
水に混じるので浴槽21内の浴水がアルカリ性に改質さ
れる。これにより、入浴者は入浴効果を高めることがで
きる。なお、浴水改質装置Aは、陰イオン交換膜、助
剤、および流量センサ等が不要で、且つ電極に高価な材
料を使用しないので安価に製造することができる。ま
た、陰イオン交換膜を使用していないので、取り扱いが
容易である。
【0028】[イ]浴水がpH10に到達すると、制御
器4が電源回路3の作動を止める構成であるので、浴水
のpHが上がり過ぎず、入浴者は、入浴に適したpHで
快適に入浴することができる。
【0029】つぎに、本発明の第2実施例(請求項2、
3、4に対応)を図3、図4に基づいて説明する。浴水
改質装置Bは、下記に示す点が浴水改質装置Aと異な
る。電解槽1内には、板状の、マグネシウム電極11と
マグネシウム電極13とが対向して配置されている。マ
グネシウム電極11、13は、純度99.9%のマグネ
シウムを用い、押出し成形で製造した板材を使用してい
る。
【0030】電源回路3は、図4に示す様に、マグネシ
ウム電極11に正の電圧を印加しマグネシウム電極13
に負の電圧を印加する第1通電モード(3.5秒間)
と、マグネシウム電極11に負の電圧を印加しマグネシ
ウム電極13に正の電圧を印加する第2通電モード
(3.5秒間)とを交互に切り替えて通電を行う。な
お、電極に印加する電圧は、浴水中を流れる平均電流値
を参照して制御器4によりコントロールされる。
【0031】本実施例の浴水改質装置Bは、上記
[ア]、[イ]以外に、つぎの利点を有する。 [ウ]印加する電圧の極性を3.5秒間毎に切り替えて
いるので、電極表面に微小な凸凹が形成されず、電極表
面が荒れず、マグネシウムが剥がれない。このため、マ
グネシウムが剥がれて浴水に混入する現象が防止でき、
浴槽21内に居る入浴者を不快にさせない。また、放出
されて未だ電極近傍に漂っている、Mg2+イオンが再
び、電極に引き戻されないので電解効率の低下を招かな
い。なお、電解効率および電極表面の荒れ防止のために
は、第1通電モードと第2通電モードとの切替周期を、
0.1秒〜10秒の範囲に設定する必要がある。特に好
ましい切替周期の範囲は2秒〜5秒である。
【0032】つぎに、本発明の第3実施例(請求項5に
対応)を図5、図6に基づいて説明する。浴水改質装置
Cは、下記に示す点が浴水改質装置Aと異なる。
【0033】浴水改質装置Cは、電解槽1、浴水ポンプ
2、電源回路3、pHセンサ41、および制御器4を持
たない。板状のマグネシウム電極11と板状のステンレ
ス電極12とを離して懸下した電気絶縁性のフロート5
を浴槽21内に浮かしている。そして、マグネシウム電
極11とステンレス電極12とをフロート5内の導線5
1で繋いでいる。
【0034】図6に、実験モデル(浴水1リットル、マ
グネシウム電極表面積0.3dm2、短絡電流2mA)
を使用して行った経過時間- pHの上昇を測定したグラ
フを示す。このグラフから、実際のモデルの浴水(20
0リットル程度)をpH10にするには、表面積が10
dm2 のマグネシウム電極を使用した場合、数十時間か
かることが判る。
【0035】本実施例の浴水改質装置Cは、つぎの利点
を有する。 [エ]マグネシウム電極11- ステンレス電極12間に
電位差が生じるので、マグネシウム電極11から浴水に
Mg2+イオンが溶解し、OH- と反応してMg(OH)
2 が生成され浴水に混じるので浴槽21内の浴水が次第
にアルカリ性に改質される。水に対するMg(OH)2
の溶解度からpHの上昇は10.5程度で止まるので、
制御装置は不要である。
【0036】[オ]浴水改質装置Cは、電解槽、電圧印
加手段、陰イオン交換膜、助剤、および流量センサ等が
不要で、且つマグネシウムとステンレスを電極に使用し
ているので安価に製造することができる。また、陰イオ
ン交換膜を使用していないので、取り扱いが容易であ
る。
【0037】つぎに、本発明の第4実施例(請求項3、
7、8に対応)を図4、図7、および表1に基づいて説
明する。浴水改質装置Dは、下記に示す点が浴水改質装
置Bと異なる。まず、電解槽1は、給湯装置(図示せ
ず)と浴槽との間に接続され、給湯装置から浴槽へ一方
向に流れる温水をアルカリ性に改質する。電圧を印加す
る両端の電極14にはマグネシウム板、電極15には不
溶性電極である白金めっきチタン板を使用している。電
極14およびマグネシウム電極16、…16には、純度
99.9%のマグネシウムを用い、押出し成形で製造し
た板材を使用している。なお、電極14およびマグネシ
ウム電極16、…16として、他に、ロール成形材、重
力鋳造材、およびダイカストも試した(表1参照)。
【表1】 電極14およびマグネシウム電極16の寸法は、120
mm×150mm、厚さ5mmであり、電解槽1内の電
極14- 電極15間に、図7に示す様に3mm間隔で四
枚バイポーラ配置した。
【0038】この電解槽1に浴水として温度40℃の温
水を10リットル/分の流量で通過させながら、図4と
同じ電源回路で25Vの電圧を両端の電極14- 電極1
5間に印加した。
【0039】第1通電モードと第2通電モードの持続時
間は同じとし、10秒、3分、15分の三条件で電解を
行った。その結果、何れの場合も約1.2Aの電解電流
が流れ、浴水のpHが7.2から9.3に上昇し、アル
カリ性に改質されていた。その後、電解槽1から電極1
4およびマグネシウム電極16、…16を引き上げて表
面形状を観察したところ、表1に示す表面状態であっ
た。
【0040】即ち、押出しおよびロール成形した圧延材
では、通常モードの持続時間が10秒を越えると表面が
荒れ、異常腐食の様相を呈していた。これに対して、重
力鋳造やダイカスト材では、15分の持続時間の場合に
若干の異常腐食が認められただけであり、鋳造材が電極
材料として好ましいことが確認された。そして、マグネ
シウムが重力鋳造やダイカスト法等で製造した鋳造材で
ある場合、第1および第2の通電モードの持続時間が1
0分以内であれば電極表面が荒れることを防止できる。
【0041】つぎに、本発明の第5実施例(請求項9、
10に対応)を図4、図8、図9、および表1に基づい
て説明する。浴水改質装置Eは、下記に示す点が浴水改
質装置Bと異なる。マグネシウム電極16、…16に
は、純度99.9%のマグネシウムを用い、押出し成形
で製造した板材を使用している。なお、マグネシウム電
極16…16として、他に、重力鋳造法で製造した5重
量%のカルシウムを含有する合金も試した。
【0042】これらのマグネシウム電極16…16を第
4実施例と同じバイポーラ配置し、通常モード持続時間
3分(印加電圧18V一定)で浴水改質を行った。この
時、観測された電解電流のグラフを図9に示す。Mg-
5Ca合金では、純マグネシウムよりも大きな電流が流
れ、これに対応して浴水のpHは9.5になり、純マグ
ネシウムの場合(pHが9.3)よりも強いアルカリ性
に改質された。
【0043】本発明は、上記実施例以外につぎの実施態
様を含む。 a.アルカリ改質中は、水素が発生し、浴水中に電流が
流れるので、アルカリ改質が完了した後に入浴すること
が好ましい。
【0044】b.第3実施例の電気絶縁性のフロート5
を電解槽1内に浮かす構成でも良い(請求項6に対
応)。こうすれば、フロート5が入浴の邪魔にならな
い。
【0045】c.第4実施例において、電解槽1は、給
湯装置の上流側に接続されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る浴水改質装置の説明
図である。
【図2】実験モデルを使用して行った、異なる電流値に
おける経過時間- pHの上昇を測定したグラフである。
【図3】本発明の第2実施例に係る浴水改質装置の説明
図である。
【図4】第1通電モードと第2通電モードの切り替えを
説明するための説明図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る浴水改質装置の説明
図である。
【図6】実験モデルを使用して行った経過時間- pHの
上昇を測定したグラフである。
【図7】本発明の第4実施例に係る浴水改質装置の説明
図である。
【図8】本発明の第5実施例に係る浴水改質装置の説明
図である。
【図9】本発明の第5実施例に係る浴水改質装置におい
て、通電時間- 電流曲線を示すグラフである。
【図10】櫛歯構造を採用した浴水改質装置の説明図で
ある。
【符号の説明】
A、B、C、D、E 浴水改質装置 1 電解槽 2 浴水ポンプ 3 電源回路(電圧印加手段) 11 マグネシウム電極(第1電極) 12 ステンレス電極(第2電極) 13 マグネシウム電極(第2電極) 14、15 電極 16 マグネシウム電極 21 浴槽 22 浴水往管 23 浴水戻管 41 pHセンサ(pH測定手段) 51 導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀切 貴子 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 徳島 一雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 鈴木 憲一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 清水 富美男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2D005 FA00 4D061 DA07 DB09 EA02 EB01 EB05 EB14 EB19 EB20 EB28 EB30 EB31 EB33 EB37 EB38 EB39 GA09 GB11 GB22 GC12 GC14 GC15 GC16 4K011 AA01 AA06 AA17 AA21 AA22 AA44 AA49 CA04 CA10 DA07 4K021 AB03 BA02 BB02 BB03 BC03 CA06 CA08 DA03 DA09 DA13 DC15 EA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムで形成した第1電極と、マ
    グネシウムまたは他の導電性金属で形成した第2電極と
    を配した電解槽と、 浴槽と前記電解槽とを接続する水配管と、 前記第1電極に正の電圧を印加し、前記第2電極に負の
    電圧を印加する電圧印加手段とを備え、 前記第1電極から浴水にMg2+イオンを溶解させて浴水
    をアルカリ性に改質することを特徴とする浴水改質装
    置。
  2. 【請求項2】 マグネシウムで形成した第1、第2電極
    を配した電解槽と、 浴槽と前記電解槽とを接続する水配管と、 前記第1電極に正の電圧を印加し、前記第2電極に負の
    電圧を印加する第1通電モードと、前記第1電極に負の
    電圧を印加し、前記第2電極に正の電圧を印加する第2
    通電モードとを交互に切り替える電圧印加手段とを備
    え、 正の電圧が印加された側の電極から浴水にMg2+イオン
    を溶解させて浴水をアルカリ性に改質することを特徴と
    する浴水改質装置。
  3. 【請求項3】 前記第1通電モードおよび前記第2通電
    モードの持続時間を同じ時間とし、各持続時間を前記マ
    グネシウムの材質に応じて0.1秒〜10分の間に設定
    した請求項2記載の浴水改質装置。
  4. 【請求項4】 浴槽内の浴水のpHを測定するpH測定
    手段を設け、 前記電圧印加手段は、前記pH測定手段が測定したpH
    に基づいて、通電量および通電時間の少なくとも一方を
    制御し、浴槽内の浴水を所定pHに維持することを特徴
    とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の浴水改質
    装置。
  5. 【請求項5】 マグネシウムで形成した第1電極と、ス
    テンレスで形成した第2電極とを浴槽の浴水に配し、該
    浴水から絶縁した導線で前記第1電極と第2電極とを繋
    ぎ、 前記第1電極から浴水にMg2+イオンを溶解させて浴水
    をアルカリ性に改質することを特徴とする浴水改質装
    置。
  6. 【請求項6】 マグネシウムで形成した第1電極とステ
    ンレスで形成した第2電極とを槽内に配し、これら第
    1、第2電極を、槽内の浴水から絶縁した導線で接続し
    た電解槽と、 浴槽と前記電解槽とを接続する浴水戻管および浴水往管
    の何れかに配される浴水ポンプと、 前記第1電極から浴水にMg2+イオンを溶解させて浴水
    をアルカリ性に改質することを特徴とする浴水改質装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1電極と前記第2電極との間に、
    マグネシウムで形成したマグネシウム電極を、少なくと
    も一つ配するバイポーラ構造としたことを特徴とする請
    求項1、2、5、6の何れかに記載の浴水改質装置。
  8. 【請求項8】 前記マグネシウム電極の前記マグネシウ
    ムが鋳造材であることを特徴とする請求項1、2、5、
    6、7の何れかに記載の浴水改質装置。
  9. 【請求項9】 前記マグネシウム電極の前記マグネシウ
    ムは、該マグネシウムを除く、アルカリ金属またはアル
    カリ土類金属の1種類以上を合計で0.1重量%〜20
    重量%含有することを特徴とする請求項1、2、5、
    6、7、8の何れかに記載の浴水改質装置。
  10. 【請求項10】 前記マグネシウムを除くアルカリ土類
    金属は、カルシウムであることを特徴とする請求項1、
    2、5、6、7、8、9の何れかに記載の浴水改質装
    置。
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