JP2001149462A - 手術用モノフィラメント縫合糸 - Google Patents

手術用モノフィラメント縫合糸

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JP2001149462A
JP2001149462A JP33530999A JP33530999A JP2001149462A JP 2001149462 A JP2001149462 A JP 2001149462A JP 33530999 A JP33530999 A JP 33530999A JP 33530999 A JP33530999 A JP 33530999A JP 2001149462 A JP2001149462 A JP 2001149462A
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JP
Japan
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suture
copolymer
caprolactone
monofilament
lactic acid
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JP33530999A
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English (en)
Inventor
Kenji Tomihata
賢司 富畑
Masakazu Suzuki
昌和 鈴木
Ikuo Sasaki
郁男 佐々木
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、縫合操作時の操作性を向上させた
医療用縫合糸を得たものである。 【解決手段】 縫合糸を構成するポリマーを選択し、曲
げ癖のつき易い糸を作製することにより縫合糸としての
操作時の操作性を向上させた医療用縫合糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結節安定性に優れ
た手術用縫合糸に関する。
【0002】
【従来の技術】手術用縫合糸は古くから用いられている
医療用具の一つであるが、近年では手術後の抜糸が不要
である生体内分解吸収性の縫合糸が多用されるようにな
ってきている。かかる吸収性縫合糸としては、ポリグリ
コール酸を原料としたマルチフィラメント縫合糸が歴史
的に古い。
【0003】しかしながら、マルチフィラメント糸で構
成された縫合糸の場合、組織貫通時に組織を傷めること
もあり、また、キャピラリー性から、消化器あるいは表
皮の縫合に使用した場合、細菌感染の恐れもある。
【0004】かかる点に鑑み、最近では組織貫通性に優
れ、細菌感染の恐れの少ないモノフィラメント糸より成
る生体内分解吸収性縫合糸、例えば、ポリジオキサノ
ン、グリコール酸とカプロラクトンの共重合体、あるい
はグリコール酸とトリメチレンカーボネートの共重合
体、さらに最近ではグリコール酸とジオキサノンとトリ
メチレンカーボネートの三元共重合体から成る縫合糸が
実用化されている。
【0005】しかしながら、かかる縫合糸においては、
非吸収性のナイロンやポリプロピレン等の合成繊維製モ
ノフィラメント縫合糸と同様に硬い、結び目が作りにく
く解けやすい、従って、結び目を数多く作る必要がある
など、縫合糸としての操作性に関して解決すべき課題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、モノフィラ
メント糸で、かつ曲げ癖のつき易い、即ち、結び目を作
り易く、形成された結び目が解け難い縫合糸を開発する
ことにより、従来の欠点を克服すると共にマルチフィラ
メントの長所をも兼ね備えたモノフィラメント縫合糸を
提供するものである。即ち、本発明は以下の特徴を有す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】項1.温度22±3°
C,湿度60±10%の環境下において、30cmの糸
長の中間位を支点として半折し、夫々の糸端に均等に1
00〜500gの荷重を1分間かけ、かかる荷重を除去
して後、1分後における支点を基点とした糸の開き角度
が60〜120°の範囲にあるモノフィラメント糸にて
構成された手術用縫合糸。 項2.モノフィラメント糸が生体内分解吸収性の高分子
を素材としたものである項1記載の手術用縫合糸。 項3.生体内分解吸収性の高分子が乳酸とε−カプロラ
クトンの共重合体である項2記載の手術用縫合糸。 項4.乳酸の二量体であるラクチドとε-カプロラクト
ンとの共重合体の組成比が、モル比において70〜80
〜30〜20モル%の範囲にある項3記載の手術用縫合
糸。
【0008】
【発明実施の形態】曲げ癖のつき易さは糸の素材によっ
ておおむね決まる特徴であり、ホモポリマーの場合には
一般的にその構成成分により決まるが、分子量や分子量
分布が異なることにより、糸としての性質が変わること
もあり得る。一方、素材が共重合体ポリマーの場合に
は、糸の性質は構成要素が最も影響を与える。更に、共
重合体の場合には分子量や分子量分布は勿論、構成要素
の組成比率や平均連鎖長も影響する。以上のことから、
曲げ癖のつき易さというような特徴は素材のみによって
予測することが困難である。
【0009】本発明は、曲げ戻り角度と実際の医療現場
での取り扱い易さ、即ち、結び目の作り易さとの間には
相関関係があるとの知見をもとに、これを実際にモノフ
ィラメント縫合糸に適用した際、ある特定の範囲にある
ものが優れた効果を有することを究明し、達成した。
【0010】本発明に用いる縫合糸の素材は特に限定す
るものではないが、一般にモノフィラメント糸として紡
糸が可能であって縫合糸として用いることのできる素材
であれば、非吸収性、吸収性いずれの素材であっても構
わない。しかしながら、特に、生体内吸収性という性質
を有し、上記特定の数値範囲の構成が可能で、従来の吸
収性縫合糸の欠点を解消できるという観点より、繰り返
し単位として乳酸及びε−カプロラクトンからなる共重
合体であり、使用する乳酸およびε−カプロラクトン共
重合体の組成比率が、乳酸の二量体であるラクチドとε
−カプロラクトンのモル%で表すとき、ラクチド:ε−
カプロラクトン=70〜80:30〜220モル%であ
る素材が好ましい。なお、乳酸としてはL-乳酸、D−乳
酸、D,L-乳酸(ラセミ体)のいずれを用いてもよいが、
好ましくはL-乳酸を用いる。
【0011】上記構成において、更に、H−NMRで
測定したスペクトルより求められるε−カプロラクトン
の平均連鎖長が好ましくは2.5以上、より好ましくは
2.7以上、特に好ましくは2.8〜4程度のものが望
ましい。かかる平均連鎖長が小さすぎると強度が低下
し、大きすぎると縫合糸として硬すぎる。なお、平均連
鎖長の上限は、ブロック共重合体のようなε−カプロラ
クトンのみが重合した部分を含まない限り特に制限はな
いが、好ましくは約10以下、より好ましくは約6以
下、特に好ましくは約4以下である。また、かかる共重
合体の分子量は15万〜50万程度、好ましくは25万
〜35万程度のものが適する。
【0012】また、本発明に係わる乳酸とε−カプロラ
クトン共重合体より成る縫合糸は例えば、以下の工程に
従い製造することができる。 (工程A)溶融紡糸及び水中延伸 温度170〜240°Cで溶融紡糸し、温度60〜90
°Cで8〜12倍に水中延伸する。 (工程B)再延伸 温度90〜140°C,延伸倍率1.2〜2.5倍程度
に熱風延伸する。 (工程C)緊張下での熱セット 緊張下、即ち熱により収縮が起らない(長さに変化を生
じない)状況下で温度90〜130°C,時間0.2〜
24時間程度処理する。 (工程D)弛緩処理 60〜110°Cの恒温槽中で4〜20時間処理する。
以下、実施例を挙げて説明する。
【0013】
【実施例1】(工程A)溶融紡糸及び水中延伸 共重合比がラクタイド:ε-カプロラクトン=76:2
4モル%、分子量(Mw)=550,000の共重合体を
温度238°Cで溶融紡糸し、温度88°Cの温水中で
9倍に水中延伸した。 (工程B)再延伸 温度125°C,延伸倍率1.53倍に熱風延伸した。 (工程C)緊張下での熱セット 緊張下、即ち熱により収縮が起らない(長さに変化を生
じない)状況下で温度130°C,時間0.8時間程度
処理した。 (工程D)弛緩処理 80°Cの恒温槽中で12時間処理した。以上により得
た本発明縫合糸を、30cmの長さに切断し、これを直
径1mmのフックに均等の長さとなるよう2つ折りして
掛け、左右の糸端に夫々等しい重さの錘をぶら下げる。
1分後、錘を取り除き1分間放置し、これを紙の上に置
き、半切部の頂点を基点として、折り曲げた糸の角度
(開き角度)を測定した。なお、錘の重さは100,2
00,500gの3種類とした。
【0014】同様に対照区として、市販されている非吸
収性モノフィラメント縫合糸2種類(E社のポリプロピ
レン製縫合糸(対照区1)、E社のナイロン製縫合糸
(対照区2))と生体吸収性モノフィラメント縫合糸4
種類(E社のグリコール酸-カプロラクトン共重合体製
縫合糸(対照区3)、E社のポリジオキサノン製縫合糸
(対照区4)、D社のグリコール酸-トリメチレンカー
ボネート共重合体製縫合糸(対照区5)、U社のグリコ
ール酸-1,4ジオキサノン-トリメチレンカーボネート三
元共重合体製縫合糸(対照区6))について同様に評価
した。なお、糸の直径をできるだけあわせるために、非
吸収性縫合糸はUSPサイズ1,2−0,4−0号を、
吸収性縫合糸はUSPサイズ0,3−0,5−0の糸を
用いた。結果を表1、表2に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】以上の結果から、本発明縫合糸は曲げ戻り
角度が市販のモノフィラメント縫合糸と比べて小さいこ
とが明らかになった。
【0018】(実用評価)各縫合糸を外科結びあるいは男
結びで結び目を作った。本発明に係わる縫合糸は時間が
経っても結び目が解けることはなかったが、対照とした
縫合糸はいずれも時間の経過とともに結び目が解けてゆ
き、結び目を多数作る必要があった。また、実際に外科
医が結び目を作ったところ、やや硬い感じがするにもか
かわらず糸が素直に動き、結び目を作っている間に解け
てくるようなこともなかった。これらのことから、本発
明に係わる縫合糸は、モノフィラメントであるにもかか
わらず、従来品に比べて扱い易さが改善され、特に結び
目の安定性が飛躍的に向上しているとの評価ができる。
なお、開き角度が60°未満であると、剛直であり手術
操作が困難となるため、手術用縫合糸として適さない。
【0019】
【発明の効果】従来の、特に吸収性モノフィラメント縫
合糸の欠点は曲げ癖がつきにくいために結び目が作りに
くく、解けやすい為に結び目を多数作る必要があり、こ
のために、縫合の為の時間が長引くという欠点に加え、
結び目が大きくなってしまうために皮膚に近い部分など
では使いづらい欠点があったが、本発明においては、か
かる欠点が解消できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C060 BB30 4C081 AC02 BA16 BB08 BB09 BC02 CA171 CC01 DA04 DB01 EA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度22±3°C,湿度60±10%の
    環境下において、30cmの糸長の中間位を支点として
    半折し、夫々の糸端に均等に100〜500gの荷重を
    1分間かけ、かかる荷重を除去して後、1分後における
    支点を基点とした糸の開き角度が60〜120°の範囲
    にあるモノフィラメント糸にて構成したことを特徴とす
    る手術用縫合糸。
  2. 【請求項2】 モノフィラメント糸が生体内分解吸収性
    の高分子を素材としたものである請求項1記載の手術用
    縫合糸。
  3. 【請求項3】 生体内分解吸収性の高分子が乳酸とε−
    カプロラクトンの共重合体である請求項2記載の手術用
    縫合糸。
  4. 【請求項4】 乳酸の二量体であるラクチドとε-カプ
    ロラクトンとの共重合体の組成比が、モル比において7
    0〜80:30〜20モル%の範囲にある請求項3記載
    の手術用縫合糸。
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WO2022092014A1 (ja) 2020-10-26 2022-05-05 三菱瓦斯化学株式会社 生体吸収性繊維状医療材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022092014A1 (ja) 2020-10-26 2022-05-05 三菱瓦斯化学株式会社 生体吸収性繊維状医療材料
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