JP2001054563A

JP2001054563A - 縫合糸

Info

Publication number: JP2001054563A
Application number: JP2000209664A
Authority: JP
Inventors: Jeroen Mattijs Bezemer; マチイスベゼマージェローン; Wijn Joost Robert De; ロベルトドゥヴィーンヨースト; Jan Nieuwenhuis; ニューヴェンヒュイスジャン
Original assignee: Isotis BV
Current assignee: Isotis BV
Priority date: 1999-07-12
Filing date: 2000-07-11
Publication date: 2001-02-27
Also published as: US6500193B1; AU4518400A; CA2313759A1

Abstract

(57)【要約】【課題】優れた機械的特性を有する、生分解性の生体
適合性の縫合糸を提供する。【解決手段】ポリエチレングリコールテレフタレート
より成るところの縫合糸。とポリブチレンテレフタレー
トのコポリマーを含む縫合糸において、該コポリマー
が、コポリマー重量に対して４５〜６０重量%のポリエ
チレングリコールテレフタレート、およびコポリマー重
量に対して５５〜４０重量%のポリブチレンテレフタレ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外科補助品の分野
に関する。より詳しくは、本発明は縫合糸に関する。

【０００２】

【従来の技術】縫合糸は、組織を互いに一体に保つため
に用いられる、糸又は糸類似の物質からなる。それら
は、大きな傷を処置するために事故の犠牲者の皮膚で用
いられ得る。それらは又、一般に外科手術の間又は後
で、内部で用いられ得る。後者の場合、通常、他のタイ
プの組織、例えば筋肉組織が互いに縫い合わされるべき
である。

【０００３】慣用的に、縫合糸は、非分解性材料、例え
ばナイロンおよびポリプロピレン、或いは分解性材料、
例えばポリグリコール酸およびグリコール酸と乳酸のコ
ポリマーから作られてきた。これらの物質は、感染など
の危険を許容限界内に保つべく十分に生体適合性であ
る。他方、それらは、それらの目的を達成すべく十分に
強い。

【０００４】非分解性の慣用の縫合糸の欠点は、それら
がある時間後、通常、縫い目がもはや必要でない程度に
傷が回復したときに、除去されなければならないことで
ある。外部使用の場合、これは外科医を再訪問する形で
の面倒を起こす。縫合糸の内部使用の場合、これはより
重大な問題をなす。

【０００５】米国特許第4,224,946号明細書において、
非吸収性外科縫合糸が開示され、それはセグメント化さ
れたポリエーテルーエステルブロックコポリマーから導
かれる。コポリマーは、ソフトブロックとハードブロッ
クを有する。ソフトブロックは例えば、（テトラメチレ
ンエーテル）グリコールである事が出来、500〜3,000の
数平均分子量を持つ。ハードブロックは例えば、ニ酸例
えばテレフタル酸または1,4-シクロヘキサンジカルボン
酸であることが出きる。ハードブロックは好ましくは50
〜85％の量でコポリマー内に存在する。コポリマーの全
体的数平均分子量は、25〜30,000である。上記したよう
に、記載される縫合糸は非吸収性であり、このことはそ
れがインビボで分解しない事を意味する。

【０００６】米国特許第5,102,419号明細書は、セグメ
ント化されたコポリエーテル／エステルよりなる外科縫
合糸材料を開示する。コポリマーは、ソフトセグメント
とハードセグメントを有する。実施例でコポリマーは、
1,4-ブタンジオール、ジメチルフタレート、およびポリ
テトラメチレンエーテルグリコールから作られる。即
ち、ハードセグメントは、ブチレンテレフタレートブロ
ックであり、ソフトセグメントは非親水性ポリテトラメ
チレンエーテルテレフタレートセグメントである。コポ
リマー中に存在するソフトセグメントの量は、40％以下
である。ソフトセグメントの重量平均分子量は、好まし
くは1,000である。

【０００７】過去に、生分解性縫合糸が開発された。こ
れらは、患者の組織環境内で、望ましくはそれらの強度
がもはや必要でない程度に傷回復が起こった後で、分解
する。これは、患者の安楽にとって大きな改善である。
なぜならば、患者は縫い糸を取ってもらうために外科医
に戻る必要がないからである。

【０００８】市販入手できる縫合糸の製造にもちいられ
る生分解性ポリマーは、ポリグリコライドおよびポリラ
クチドである。これら物質は十分な分解性プロファイル
を有するが、それらは多様性の余地が少ない。縫合糸の
適用における種々の環境は、種々のプロファイルを要求
する。縫合糸の適用のタイプに依存して適応されるべき
重要な特性は、結び目強度、スリップ、引張強度、曲げ
やすさ等である。ポリグリコライドおよびポリラクチド
を用いると、乳酸およびグリコール酸を共重合する事に
よりならびに他のα―ヒドロキシ酸成分の共重合によ
り、多量の変化が可能ではあるが、望む特性プロファイ
ルを有する縫合糸をデザインする事は困難であるとわか
った。

【０００９】本発明は、従来の縫合糸の問題を有さな
い、生分解性の生体適合性材料の新規な縫合糸を提供す
る事を目的とする。

【００１０】驚くべき事に、これらのゴールは縫合糸を
製造するために特定のコポリマーを用いる事によって達
成される事が見出された。従って、本発明は、ポリエチ
レングリコールテレフタレートとポリブチレンテレフタ
レートのコポリマーを含む縫合糸において、該コポリマ
ーが、コポリマー重量に対して４５〜６０重量%のポリ
エチレングリコールテレフタレート、およびコポリマー
重量に対して５５〜４０重量%のポリブチレンテレフタ
レートより成るところの縫合糸に関する。

【００１１】本発明の縫合糸は、高度に生体適合性であ
り、かつきわめて良好な生分解性を有する。ポリエチレ
ングリコールテレフタレートとポリブチレンテレフタレ
ートの比を選ぶ事により、および両成分の分子量を選ぶ
事により、縫合糸の特性を精密にあつらえる事が出き
る。即ち、該材料は、或る適用に要求される特性を有す
る縫合糸を得るために、良好に規定された操作空間を提
供する。

【００１２】一般に、縫合糸の特性は、下記のように変
えられ得る。材料中において、ポリブチレンテレフタレ
ートの量を一定に保ちながらポリエチレングリコールテ
レフタレートの量を多くすると、縫合糸の弾性が高くな
り、結び目強度が低くなる。縫合糸の特性が変えられ得
る他のパラメーターは、コポリマーの成分の分子量であ
る。コポリマーを作るためにより高い分子量を持つポリ
エチレングリコールテレフタレートを用いれば、縫合糸
の柔軟性が増す。

【００１３】上記したように、本縫合糸が基づく材料
は、ポリアルキレングリコールと芳香族ポリエステルの
コポリマーである。該コポリマーは、４５〜６０重量
%、好ましくは５０〜５５重量％のポリエチレングリコ
ールテレフタレート、および５５〜４０重量%、好まし
くは５０〜４５重量％のポリブチレンテレフタレートよ
り成る。これらの比は、一方で良好な柔軟性を達成する
ために、他方では好都合な分解挙動を達成するために選
択される。ブロックコポリマーのこの群が本発明に従う
コポリマーの好ましいタイプをなす。

【００１４】好ましくは、ポリエチレングリコールテレ
フタレートは、約150〜約600、より好ましくは約200〜5
00の重量平均分子量を有する。上記範囲の重量平均分子
量を有するポリエチレングリコールテレフタレートを用
いる事によって、良好な(即ち低い)膨潤性、および伸縮
挙動を有する縫合糸が提供される事が見出された。この
成分の重量平均分子量の増加は、縫合糸がインビボであ
まりにも膨潤し、且つあまりにも弾性である効果を有し
得る。又、そのような縫合糸は、いくつかの適用のため
にあまりにも早く分解するかもしれない。

【００１５】コポリマーの重量平均分子量は、好ましく
は約10,000〜200,000、より好ましくは約50,000〜約12
0,000の間にある。さらに好ましくは、コポリマーの重
量平均分子量は、約70,000〜約90,000の範囲にあり、こ
れは約35,000〜45,000の数平均分子量にほぼ対応する。
一般に、最適の状況が達成されるまで、コポリマーの重
量平均分子量が増加するとき、縫合糸の特性は改善す
る。

【００１６】重量平均分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー（GPC）によって適切に測定でき
る。自体公知のこの技術は、例えば溶媒としてクロロフ
ォルム、外部標準としてポリスチレンを用いて実行され
うる。あるいは、重量平均分子量の測定は、粘度測定
（ＮＥＮ−ＥＮ−ＩＳＯ 1628-1を参照）を用いて得ら
れる。この技術は、例えば溶媒としてクロロフォルムを
用いて２５℃で実施できる。好ましくは、コポリマーの
固有粘度は、0.2289〜1.3282dl/gの間にあり、これは1
0,000〜200,000の重量平均分子量に対応する。同様に、
上記のGPCにより測定された重量平均分子量のためのよ
り好ましい範囲は、固有粘度によって表現される事がで
きる。

【００１７】コポリマーの調製を、以下で実施例を参照
しながら説明する。この記載に基づいて、上記クラス内
の任意の所望のコポリマーを当業者は調製できるであろ
う。これらコポリマ−を調製する別の方法は、米国特許
第3,908,201号明細書に開示されている。

【００１８】ポリエチレングリコールテレフタレート／
ポリブチレンテレフタレートコポリマーは、ジメチルテ
レフタレート、ブタンジオール(過剰の)、ポリエチレン
グリコール、酸化防止剤、及び触媒の混合物から合成さ
れ得る。混合物は、反応容器に入れられ、約180℃に加
熱され、エステル交換反応の進行と共にメタノールが蒸
留される。エステル交換反応の間、メチルとのエステル
結合が、ブチレンとのエステル結合により置き換えられ
る。この工程において、ポリエチレングリコールは実質
的に反応しない。エステル交換反応の後で、温度がゆっ
くりと約245℃に上げられ、減圧(最終的に０．１ｍｂａ
ｒ未満)が達成される。過剰のブタンジオールは蒸留さ
れ、ブタンジオールテレフタレートのプレポリマーがポ
リエチレングリコールと縮合して、ポリエチレングリコ
ール／ポリブチレンテレフタレートコポリマーを形成す
る。テレフタレート部分は、コポリマーのポリエチレン
グリコール単位をポリブチレンテレフタレートに結合
し、したがってそのようなコポリマーはポリエチレング
リコールテレフタレート／ポリブチレンテレフタレート
コポリマー(PEGT/PBTコポリマー)としばしば呼ばれる。

【００１９】上記コポリマーは、押し出しなどの任意の
公知方法で所望の形状に便宜に加工され得る。目的とさ
れる形及びサイズは、縫合糸の意図される用途に依存す
る。コポリマーの縫合糸を調製する為に用い得る方法の
例は、米国特許第5,102,419号、並びに4,246,904号に種
々のポリマーの為に記載され、引用する事によりその内
容を本明細書に取り込む。

【００２０】縫合糸は、モノフィラメントタイプの縫合
糸に、又はマルチフィラメントの編み組タイプ縫合糸に
形成され得る。モノフィラメント縫合糸タイプの為に、
コポリマーのペレットのストレート押し出しにより縫合
糸が作られ、その後で針が縫合糸の或長さに付けられ得
る。マルチフィラメント糸を作る為には、慣用のポリマ
ー加工装置を用いて、コポリマーはマルチフィラメント
糸へと紡糸され、次に編み組される事が出来る。縫合糸
は好ましくは、0.01〜1mmの太さを有する糸より成る。

【００２１】好ましい態様において、本発明に従う縫合
糸はモノフィラメント縫合糸である。マルチフィラメン
ト縫合糸と比べて、このタイプの縫合糸は糸の単位長さ
当りの表面積が有意に小さい。従って、感染の危険が著
しく低減される。モノフィラメント縫合糸が殆どの適用
の為に十分な機械的強度を有する事が、本発明の大きな
利点である。

【００２２】本発明を、下記の限定的でない実施例によ
り説明する。

【００２３】

【実施例】ポリエチレングリコール(Mw３００)、１,４-
ブタンジオール、およびジメチルテレフタレートから誘
導されたコポリマー(約５５重量％のポリ（エチレング
リコール）テレフタレート（ＰＥＧＴ）単位と約４５重
量％のポリ(ブチレンテレフタレート)（ＰＢＴ）単位)
から誘導されたコポリマーを、米国特許第5,102,419号
及び4,246,904号明細書記載の手順と同様にして、押し
出し、０．２８mmモノフィラメントへと延伸した。コポ
リマーの固有粘度は、０．６４ｄＬ／ｇであった。得た
フィラメントの物理的特性は、European Pharmacopeia
Suppl. 2000,pp1228-1231にしたがって測定される。一
つの結び目を含む70cm長さの縫合糸の機械的特性を示す
典型的なカーブが、図1に示される。表1に、上記のよう
に作成された５つの縫合糸のテスト結果を示す。縫合糸
の特性は、European Pharmacopeiaに示される要求と一
致する事が分かる。

【００２４】

【表１】

【００２５】

【図面の簡単な説明】

【図１】伸長‐負荷曲線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ジャンニューヴェンヒュイスオランダ国，4207 ケーディーゴリンケム，アージェデケンストラート６

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ポリエチレングリコールテレフタレート
とポリブチレンテレフタレートのコポリマーを含む縫合
糸において、該コポリマーが、コポリマー重量に対して
４５〜６０重量%のポリエチレングリコールテレフタレ
ート、およびコポリマー重量に対して５５〜４０重量%
のポリブチレンテレフタレートより成るところの縫合
糸。
【請求項２】ポリエチレングリコールテレフタレート
の重量平均分子量が１５０〜６００であるところの請求
項１記載の縫合糸。
【請求項３】ポリエチレングリコールテレフタレート
の重量平均分子量が２００〜５００であるところの請求
項２記載の縫合糸。
【請求項４】コポリマーの重量平均分子量が１０，０
００〜２００，０００であるところの請求項１〜3の何
れか1項に記載の縫合糸。
【請求項５】コポリマーの重量平均分子量が５０，０
００〜１２０，０００であるところの請求項４記載の縫
合糸。
【請求項６】モノフィラメント構造を有する請求項１
〜５の何れか1項に記載の縫合糸。
【請求項７】縫合糸を製造するためにポリエチレング
リコールテレフタレートとポリブチレンテレフタレート
のコポリマーを使用する方法において、該コポリマー
が、コポリマー重量に対して４５〜６０重量%のポリエ
チレングリコールテレフタレート、およびコポリマー重
量に対して５５〜４０重量%のポリブチレンテレフタレ
ートより成るところの方法。