JP2001147434A - 液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents

液晶表示パネルの製造方法

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JP2001147434A JP2000281100A JP2000281100A JP2001147434A JP 2001147434 A JP2001147434 A JP 2001147434A JP 2000281100 A JP2000281100 A JP 2000281100A JP 2000281100 A JP2000281100 A JP 2000281100A JP 2001147434 A JP2001147434 A JP 2001147434A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラックマトリクスオンアレイ技術での遮光
層の段差による異常配向を低減し、光漏れの発生やディ
スクリネーションラインの発生を抑制できる液晶表示パ
ネルを実現する。 【解決手段】 アレイ基板において、画素電極206の
端部,TFT素子202,ゲート線203,ソース線2
04上に遮光層205を形成した後、遮光層205およ
び画素電極206上に、ポリアミック酸溶液またはポリ
イミド溶液を用いて配向膜210を形成する。配向膜2
10のポリアミック酸溶液またはポリイミド溶液の粘度
を25mPa・s以上40mPa・s以下に設定するこ
とによって、遮光層205側面での配向膜210の塗れ
性を向上させ、遮光層205側面での配向膜210の表
面を画素電極206面に対して緩やかな斜面状に形成で
きるため、配向膜210がラビングされやすくなり、異
常配向領域を減少することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶の電気光学
特性を利用したアクティブマトリックス型の液晶表示パ
ネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶の電気光学特性を利用した液晶表示
パネルは、大画面化、大容量化によりOA機器への応用
が盛んに進められている。現在一般に実用化されている
液晶表示パネルの動作モードとして、2枚のガラス基板
間で液晶分子が90゜ねじれた配向状態を呈するツイス
テッドネマティック(TN)型、180゜〜270゜の
捻れた配向状態を呈するスーパーツイステッドネマティ
ック(STN)型がある。TN型は主としてアクティブ
マトリックス型液晶表示パネルに、STN型は単純マト
リックス型液晶表示パネルに用いられている。
【0003】特に近年、アクティブマトリックス型液晶
表示パネルの使用用途が飛躍的に拡大し、それに伴い広
視野角化、高輝度化、低反射化、高精細化、フルカラー
化に対する要望が増大している。このような要望に対し
て、高輝度化、低反射化を実現する技術としてブラック
マトリックス オン TFTアレイ技術(例えば、エッ
チ・ヤマナカ、ティー・フクナガ、ティー・コセキ、ケ
イ・ナガヤマ、ティ・ウエキ:エスアイディー ’92
ダイジェスト、789頁−792頁、1992年;H.
Yamanaka, T.Fukunaga, T. Koseki, K. Nagayama, T.
Ueki:SID '92 Digest,pp789-792,(1992)や、野崎、朝
倉、日経BP社刊「フラットパネル・ディスプレイ19
94年」、PP50−63、1993年12月)が実用
化されている。ブラックマトリックス オン TFTア
レイ技術(以下「BMオンアレイ技術」と呼ぶ)は、ア
レイ基板上のアクティブ素子上やソース線上やゲート線
上に黒色樹脂からなる遮光層を形成するものである。
【0004】従来のカラーフィルタ基板(以下「CF基
板」と呼ぶ)上にブラックマトリックス(以下「BM」
と呼ぶ)層を形成する技術と比較すると、BMオンアレ
イ技術ではBMが直接アレイ基板上に形成されているた
め、パネル組立時のアレイ基板とCF基板との貼合わせ
マージンが不要となり、BMの幅を狭くすることが可能
となる。このBM幅の細線化により画素電極部の開口率
を向上させることができ、CF基板上にBM層を形成す
る技術に比べて高輝度化を図ることが可能になる。更
に、BMオンアレイ技術では、顔料分散型の黒色レジス
トをBM層の材料にしているため反射率が低く、金属材
料を用いた従来のBMに比べると、大幅に表面反射を抑
えることができ、表示品位を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、BMオ
ンアレイ技術では、アクティブ素子やソース線やゲート
線上にBM層を形成するために、画素電極部との間に数
μmの段差が発生する。この段差近傍での液晶の異常配
向の発生が、BMオンアレイ技術では問題になる。一般
に工業的には液晶の配向処理は、ラビング法により行わ
れる。ラビング法は基板上に形成されたポリイミド等か
らなる配向膜をレーヨン布等の合成繊維で一方向に擦る
方法である。ラビングでの合成繊維と配向膜との接触に
より配向膜を構成するポリマーの主鎖が一方向に延伸さ
れ、ポリマーと液晶との相互作用により液晶がポリマー
の延伸方向に束縛され、液晶がラビング方向に配向する
と考えられている。BM等の段差を有する基板に対して
ラビングを行った場合、段差近傍では配向膜がラビング
されにくい。なぜなら、一般に用いられるレーヨン布の
繊維の長さは数mm程度、直径は15〜20μm程度で
あり、段差の高さと比較するとそのサイズが余りにも大
き過ぎるためである。
【0006】図8に段差がある場合でのラビングの状態
を模式的に示す。基板505上に段差部501がある場
合、段差部501近傍ではラビング布繊維502と配向
膜503とが接触しない領域504が発生し、この領域
504の配向膜503は未延伸状態となる。特に、ラビ
ング布繊維502の回転方向が段差に対して擦り下げる
状態では、未延伸状態の領域504が拡大する傾向にあ
る。このため未延伸状態の領域504上では、液晶は正
規のラビング方向とは異なる方向に配向し、異常配向領
域を形成する。
【0007】異常配向領域では正規のTN配向領域とは
異なる光学的特性を示し、表示特性を悪化させる問題を
有している。異常配向領域では、液晶のダイレクターが
BM樹脂辺に沿って平行配向しているために、そのツイ
スト角は正規のTN配向した領域のツイスト角とは異な
る。このため異常配向領域を通過する光は複屈折的な挙
動を示し、電圧−透過率特性における急峻性が悪化し、
正規TN配向領域とは異なる透過率を持つ。具体的に
は、ノーマリホワイト構成の偏光板配置をしたTN型液
晶セルの場合、画素内に段差に伴う異常配向が発生する
と、電圧印加時に異常配向領域での複屈折効果による光
漏れが発生し、コントラストを大きく低下させるという
問題を有する。
【0008】さらに、電圧印加時に、異常配向領域と正
規TN配向領域間で、ディスクリネーションラインが発
生しやすく、ディスクリネーションによる残像等の問題
を有する。
【0009】この発明は、上記問題を解決し、BMオン
アレイ技術での遮光層の段差による異常配向を低減し、
光漏れの発生やディスクリネーションラインの発生を抑
制することができる液晶表示パネルの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液晶表示
パネルの製造方法は、画素電極,配線電極およびスイッ
チング素子を有するアレイ基板と、対向電極を有する対
向基板との間に、液晶を挟持した液晶表示パネルの製造
方法であって、アレイ基板の画素電極の端部,配線電極
およびスイッチング素子上に遮光層を形成した後、遮光
層および画素電極上に、粘度を25mPa・s以上40
mPa・s以下(以降、mPa・sをcpと記す)に設
定したポリアミック酸溶液またはポリイミド溶液を用い
て配向膜を形成することを特徴とする。配向膜のポリア
ミック酸溶液またはポリイミド溶液の粘度を25〜40
cpに設定することによって、遮光層側面での配向膜の
塗れ性を向上させ、遮光層側面での配向膜の表面を画素
電極面に対して緩やかな斜面状に形成できるため、配向
膜がよりラビングされやすくなり、異常配向領域を減少
することができる。
【0011】請求項2記載の液晶表示パネルの製造方法
は、請求項1記載の液晶表示パネルの製造方法におい
て、ポリアミック酸溶液またはポリイミド溶液は、γブ
チルラクトン、N−メチル−2−ピロリドンを主溶媒と
し、ポリマー濃度を3%以上10%以下としている。こ
のようにすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下では、本発明を適用して作製
した構成を、第1の実施の形態および第2の実施の形態
として説明する。また、各実施の形態の前に提案を行っ
た形態として、第1の提案の形態および第2の提案の形
態を説明する。なお、本発明についての詳しい説明は後
述の実施例で説明する。
【0013】〔第1の提案の形態〕図1は第1の提案の
形態のアクティブマトリックス型液晶表示パネルの構成
を示す断面図である。図1において、101はアレイ側
ガラス基板、102はスイッチング素子である薄膜トラ
ンジスタ(TFT)素子、103は配線電極であるゲー
ト線、104は配線電極であるソース線、105は感光
性の黒色樹脂からなる遮光層、106は画素電極、10
7は窒化シリコンからなる保護膜、108は対向側ガラ
ス基板、109は対向電極、110は配向膜、111は
液晶層、112は偏光板である。また、図2は同液晶表
示パネルの平面図であり、図3は同液晶表示パネルのア
レイ基板のソース線部分の断面図である。
【0014】この提案の形態では、アレイ基板上に、マ
トリックス状に配置されたTFT素子102、ゲート線
103、ソース線104および画素電極106が形成さ
れ、感光性の黒色樹脂からなる遮光層105が、保護膜
107を介してTFT素子102、ゲート線103、ソ
ース線104上に形成されるとともに、画素電極106
の端部上にも形成されている。遮光層105はその側面
が画素電極106に対して斜面状であり、その断面は概
ね台形状となっている。さらに、遮光層105上および
画素電極106上には配向膜110が形成されており、
図2の矢印121で示す方向にラビングされている。そ
して、対向電極109を形成した対向基板と、アレイ基
板との間に液晶層111を挟持し、その両外側に偏光板
112を配置している。
【0015】この提案の形態によれば、遮光層105の
側面を斜面状(断面形状を概ね台形状)としているの
で、遮光層105と画素電極106との段差は緩和さ
れ、垂直状の段差と比べると、遮光層105と画素電極
106を被覆する配向膜110がラビングされやすい緩
やかな斜面を有する形状となる。これによりラビング不
良により起因する異常配向を抑制させることができるた
め、異常配向によるコントラスト低下を防ぐことがで
き、ディスクリネーションラインの発生も抑制すること
ができる。
【0016】さらに、配向膜110としてプレチルト角
が6゜以上10゜以下の高プレチルト配向膜を用い、遮
光層105の膜厚を0.5μm以上1.5μm以下とす
ることにより、電圧印加時での正規TN配向領域での液
晶分子の立ち上がりを早め、ディスクリネーションライ
ンの消失を早めることができ、残像を抑制する効果があ
る。
【0017】〔第1の実施の形態〕図4はこの発明の第
1の実施の形態のアクティブマトリックス型液晶表示パ
ネルの構成を示す断面図である。図4において、201
はアレイ側ガラス基板、202はスイッチング素子であ
る薄膜トランジスタ(TFT)素子、203は配線電極
であるゲート線、204は配線電極であるソース線、2
05は感光性の黒色樹脂からなる遮光層、206は画素
電極、207は窒化シリコンからなる保護膜、208は
対向側ガラス基板、209は対向電極、210は配向
膜、211は液晶層、212は偏光板である。また、図
5は同液晶表示パネルのアレイ基板のソース線部分の断
面図である。
【0018】この実施の形態における第1の提案の形態
との主な相違は、遮光層205の断面形状が概ね逆台形
状であり、遮光層205の側面に配向膜210を充填
し、遮光層205の上部から画素電極206上にかけて
配向膜210が緩やかな斜面状になっていることであ
る。この構成によっても、第1の提案の形態と同様の効
果を得られる。
【0019】〔第2の提案の形態〕図6は第2の提案の
形態のアクティブマトリックス型液晶表示パネルの構成
を示す断面図である。図6において、301はアレイ側
ガラス基板、302はスイッチング素子である薄膜トラ
ンジスタ(TFT)素子、303は配線電極であるゲー
ト線、304は配線電極であるソース線、305は感光
性の黒色樹脂からなりTFT素子302,ゲート線30
3,ソース線304の保護膜を兼ねた絶縁性遮光層、3
06は画素電極、307は対向側ガラス基板、308は
対向電極、309は配向膜、310は液晶層、311は
偏光板である。
【0020】この提案の形態における第1の提案の形態
との主な相違は、図1の保護膜107を設けずに、TF
T素子302,ゲート線303,ソース線304の保護
膜としても作用する絶縁性遮光層305を設けたことで
あり、その他の構成は図1の構成と同様である。この構
成によれば、第1の提案の形態と同様の効果が得られ、
さらに、例えば図1の保護膜107を設けないため、工
程の簡素化を図ることができる。
【0021】〔第2の実施の形態〕図7はこの発明の第
2の実施の形態のアクティブマトリックス型液晶表示パ
ネルの構成を示す断面図である。図7において、401
はアレイ側ガラス基板、402はスイッチング素子であ
る薄膜トランジスタ(TFT)素子、403は配線電極
であるゲート線、404は配線電極であるソース線、4
05は感光性の黒色樹脂からなりTFT素子402,ゲ
ート線403,ソース線404の保護膜を兼ねた絶縁性
遮光層、406は画素電極、407は対向側ガラス基
板、408は対向電極、409は配向膜、410は液晶
層、411は偏光板である。
【0022】この実施の形態における第1の実施の形態
との主な相違は、図4の保護膜207を設けずに、TF
T素子402,ゲート線403,ソース線404の保護
膜としても作用する絶縁性遮光層405を設けたことで
あり、その他の構成は図4の構成と同様である。この構
成によれば、第2の提案の形態と同様の効果を得られ
る。
【0023】
【実施例】〔第1の提案例〕この第1の提案例では、第
1の提案の形態の具体例として図1〜図3を参照しなが
ら、その構成および製造方法について説明する。
【0024】図1に示すように、アレイ側ガラス基板
(7059:コーニング社製)101上に、アモルファ
スシリコンTFT素子102、Al/Taからなるゲー
ト線103、Ti/Alからなるソース線104、酸化
インジュウム錫(ITO)からなる画素電極106を形
成し、画素電極106以外の領域に窒化シリコンからな
る保護膜107を形成してアレイ基板を作製した。
【0025】次に、遮光層105を形成するために、ア
レイ基板上に、感光性の黒色樹脂(例えば、ブラックレ
ジスト CK−S092B:富士ハントテクノロジィー
株式会社製)をスピンコーターによりアライメントマー
カー以外の部分に全面に塗布した。その後、110℃で
20分間プリベークした後、所定のマスクでアライメン
トした後、プロキシミティー露光方式で2μmの間隙を
設けて160mJのパワーで露光を行い、所定の条件に
て現像を行った。
【0026】その後、250℃で30分間ホットプレー
ト上でポストベークを行い、遮光層105をTFT素子
102、ゲート線103、ソース線104の全面と画素
電極106の一部に形成した。なお、画素電極106上
には画素電極端部より3μm内側の領域まで遮光層10
5を形成した。遮光層105の膜厚は1.5μmであっ
た。
【0027】また、対向基板として、対向側ガラス基板
108上に対向電極109を形成した。
【0028】次に、固形分濃度6%のポリイミドワニス
(例えばSE−7210:日産化学工業株式会社製)を
アレイ基板と対向基板上にスピンコーターにより塗布し
た後、230℃で30分間ホットプレート上でベークし
て、配向膜110を形成した。配向膜110の膜厚は約
70nmであった。配向膜110上での液晶のプレチル
ト角は、6〜7゜である。
【0029】次に、液晶が90゜TN配向するようにア
レイ基板と対向基板にそれぞれ一方向にラビングを施し
た。ラビング布はレーヨン布(TRC−100:東英産
業株式会社製)を用いて、ラビング圧は0.3mmにし
た。
【0030】次に、アレイ基板上にプラスチックからな
る球状のスペーサ(例えばミクロパール:積水ファイン
株式会社製)を均一に分散させた。スペーサの球径は5
μmである。対向基板の周辺部に熱硬化型のシール材
(例えばストラクトボンド:三井東圧化学株式会社製)
を液晶注入口を設けて印刷形成し、アレイ基板と対向基
板を貼り合わせ、所定の温度でシール材を完全硬化さ
せ、液晶セルを作製した。
【0031】次に、屈折率異方性が0.097であるネ
マチック液晶(例えばZLI−4792:メルクジャパ
ン株式会社製)に左捻れのカイラル物質(例えばS−8
11:メルクジャパン株式会社製)を添加して、ねじれ
ピッチが80μmになるように濃度調整した。このよう
な条件で作製したカイラルネマチック液晶を液晶層11
1として真空注入法で液晶セルに注入し、カイラルネマ
チック液晶が完全に充填された後、液晶注入口を封止樹
脂により封口する。その後、アレイ基板と対向基板の表
面に、偏光板112をその吸収軸がラビング方向に平行
になるように貼り付け、液晶表示パネルを作製した。
【0032】次に、作製した液晶表示パネルの配向観察
を行った。液晶表示パネルを容量結合方式で駆動し、O
N(オン)/OFF(オフ)状態での配向を観察した。
図2は液晶表示パネルを上部より観察した図である。1
21はラビング方向である。122はラビングの擦り下
げ部分であり、最もラビングされにくく、かつソース線
104による横電界を最も受けやすい領域である。12
3は画素開口部である。この提案例では、ラビングの擦
り下げ部分122の領域でもON状態で異常配向の発生
による光漏れが発生していないことが確認でき、遮光層
105側面でもラビングが施され、正規にTN配向して
いることが分かった。
【0033】また、ソース線104の横電界の影響によ
って通常発生するディスクリネーションラインも、この
提案例の場合は瞬時に消失した。これは、液晶のプレチ
ルト角と、遮光層105側面での配向性と、遮光層10
5の膜厚とが関係している。プレチルト角が高い場合に
は正規TN配向部での液晶分子の立ち上がりが早く、遮
光層105側面が正規配向することによりディスクリネ
ーションの発生領域が狭くなり、遮光層105の膜厚が
薄い場合には、段差でのディスクリネーションのひっか
かりが少なくなることから、より消失は早くなるものと
考えられる。
【0034】また、遮光層105の光透過率が1%以下
であれば、TFT特性の光劣化は見られなかった。
【0035】次に、作製した液晶表示パネルの電気光学
特性の測定を行った。測定は液晶評価装置(LCD−7
000:大塚電子株式会社製)を用い、ON/OFF状
態でのコントラストの測定を行った。この提案例でのコ
ントラストは120であり、良好な特性を得ることがで
きた。
【0036】次に、遮光層105の断面形状の観察を走
査型電子顕微鏡により行った。図3にアレイ基板のソー
ス線部分の断面形状を示す。ソース線104上に形成さ
れた遮光層105の断面形状は、概ね台形状になってお
り、その端部は画素電極106の一部を覆うようになっ
ていた。遮光層105は画素電極106の端部より3μ
m内側まで存在していた。遮光層105の側面と画素電
極106とのなす角度は、約40゜であった。配向膜1
10は、遮光層105の上部および側面と画素電極10
6上に形成されていた。
【0037】この提案例によれば、遮光層105の断面
形状を概ね台形状とし、遮光層105側面と画素電極1
06とのなす角度を60゜以下とすることで、異常配向
による光漏れを大きく低減でき、更に遮光層105の膜
厚、プレチルト角を最適化することにより、ディスクリ
ネーションラインによる残像等の悪影響をなくせること
ができた。
【0038】なお、この提案例の場合、従来の対向基板
側にCrからなる遮光層を設けた液晶パネルと比較する
と、開口率は1.4倍、反射率は1/5にすることがで
き、性能面での大きな向上が図れた。
【0039】〔第1の比較例〕第1の提案例と同様のア
レイ基板に、同様の感光性の黒色樹脂を用いて遮光層の
形成して、液晶表示パネルを作製した。配向膜、液晶等
は第1の提案例と全く同じである。ただし、感光性の黒
色樹脂の露光をコンタクト露光として、照射強度を15
0mJ〜200mJまで変化させ、ポストベーク温度を
200℃で1時間とした。
【0040】この比較例での遮光層の断面形状を観察し
たところ、その断面はほとんど垂直に近い形状であり、
遮光層側面と画素電極とのなす角度はおよそ70〜85
゜であった。遮光層側面では配向膜が剥がれたような状
態にあり、均一には形成されていなかった。ON状態で
の配向状態の観察を行ったところ、各画素内で画素電極
の一部、特にラビングの擦り下げ部に相当する遮光層近
傍で光漏れが見られた。これは、遮光層端部では遮光層
と画素電極間の段差により配向膜にラビングがされず、
異常配向が発生したためであると考えられる。各画素で
はソース線に沿って規則的に光漏れが発生しており、光
漏れの領域は遮光層端部から5〜6μmであった。
【0041】この比較例でのコントラストを測定したと
ころ、光漏れのためにコントラストは最大で45であっ
た。
【0042】〔第2の比較例〕第1の提案例と全く同様
にアレイ基板に、同様の感光性の黒色樹脂を用いて遮光
層を形成して、液晶表示パネルを作製した。ただし、遮
光層の膜厚を0.5μm、2μm、2.5μmとした。
この比較例の場合、遮光層の断面形状は概ね台形状とな
り、遮光層側面には配向膜が形成されていた。しかし、
ON状態で配向観察を行うと、遮光層の膜厚に比例し
て、光漏れ領域が拡大しているのが認められた。遮光層
の膜厚が2μmの場合、ラビング擦り下げ部分で約2μ
m幅で光漏れ領域が発生し、更に2.5μmの膜厚では
3〜4μm幅で光漏れが発生した。このためコントラス
ト測定を行うと、それぞれ70、50程度の値であっ
た。
【0043】一方、遮光層の膜厚が0.5μmの場合に
は、光漏れは全く観察されなかったが、遮光層自体の光
透過率が2%程度あり、TFT特性の光劣化が見られ、
好ましくなかった。
【0044】〔第3の比較例〕第1の提案例と全く同様
にアレイ基板上に遮光層を形成した後、アレイ基板と対
向基板にポリイミドワニス(SE−7311:日産化学
工業株式会社製)を塗布して、配向膜を形成した。その
後、第1の提案例と全く同様の構成で液晶表示パネルを
作製した。この比較例の場合、液晶のプレチルト角は3
〜4゜程度である。
【0045】ON状態で配向を観察したところ、ソース
線による横電界の影響を受けてディスクリネーションが
発生し、消失するのに約3秒を要した。このため、画像
としては残像現象が見られ、表示品位が低下していた。
【0046】〔第4の比較例〕第1の提案例と全く同様
にアレイ基板上に遮光層を形成した後、アレイ基板と対
向基板にポリイミドワニス(PSI−A−5404:チ
ッソ石油化学工業株式会社製)を塗布して、配向膜を形
成した。その後、第1の提案例と全く同様の構成で液晶
表示パネルを作製した。この比較例の場合、液晶のプレ
チルト角は11〜12゜程度である。
【0047】ON状態で配向を観察したところ、ディス
クリネーションは瞬時に消失したが、ラビングムラによ
る筋状の表示ムラが発生し、表示品位が低下していた。
【0048】以上の比較例より、第1の提案例におい
て、遮光層105の形状は概ね台形状とし、遮光層10
5側面と画素電極306とのなす角度を60゜以下とす
るのがが好ましい。遮光層105の膜厚は0.5μm以
上1.5μm以下が好ましい。また、配向膜110とし
てはプレチルト角が6゜以上10゜以下、特に表示品位
と視野角特性の関係から8゜程度が最も好ましい。ま
た、遮光層105の光透過率は1%以下が好ましい。
【0049】〔第1の実施例〕この第1の実施例では、
第1の実施の形態の具体例として図4,図5を参照しな
がら、その構成および製造方法について説明する。
【0050】図4に示すように、第1の提案例と同様
に、アレイ側ガラス基板201上に、アモルファスシリ
コンTFT素子202、ゲート線203、ソース線20
4、画素電極206および保護膜207を形成し、アレ
イ基板を作製した。
【0051】次に、アレイ基板に感光性の黒色樹脂(ブ
ラックレジスト CK−S092B:富士ハントテクノ
ロジィー株式会社製)をスピンコーターによりアライメ
ントマーカー以外の部分に全面に塗布した。その後、1
10℃で20分プリベークした後、所定のマスクでアラ
イメントした後、コンタクト露光方式で100mJのパ
ワーで露光を行い、所定の条件にて現像を行った。
【0052】その後、220℃で30分間ホットプレー
ト上でポストベークを行い、遮光層205を、TFT素
子202、ゲート線203、ソース線204の全面と画
素電極206の一部に形成した。なお、画素電極206
上には画素電極端部より3μm内側の領域まで遮光層2
05を形成した。遮光層205の膜厚は1.5μmであ
った。
【0053】また、対向基板として、対向側ガラス基板
208上に対向電極209を形成した。
【0054】次に、固形分濃度6%のポリイミドワニス
(例えばSE−7210:日産化学工業株式会社製)の
溶媒組成を変更して、γブチルラクトンを主溶媒にして
Nメチル2ピロリドン、ブチルセルソルブを添加して、
ワニスの粘度を20℃で約30cpに調整した。このよ
うに溶媒変更したポリイミドワニスをアレイ基板と対向
基板上にスピンコーターにより塗布した後、220℃で
30分間ホットプレート上でベークして、配向膜210
を形成した。配向膜210の膜厚は約70nmであっ
た。配向膜210上での液晶のプレチルト角は、6〜7
゜である。
【0055】次に、アレイ基板と対向基板に液晶が90
゜TN配向するようにそれぞれラビングを施した。ラビ
ング布はレーヨン布(例えばTRC−100:東英産業
株式会社製)を用いて、ラビング圧は0.3mmにし
た。
【0056】次に、アレイ基板上にプラスチックからな
る球状のスペーサ(例えばミクロパール:積水ファイン
株式会社製)を均一に分散させた。スペーサの球径は5
μmである。対向基板の周辺部に熱硬化型のシール材
(例えばストラクトボンド:三井東圧化学株式会社製)
を液晶注入口を設けて印刷形成し、アレイ基板と対向基
板を貼り合わせ、所定の温度でシール材を完全硬化さ
せ、液晶セルを作製した。
【0057】次に、屈折率異方性が0.097であるネ
マチック液晶(例えばZLI−4792:メルクジャパ
ン株式会社製)に左捻れのカイラル物質(例えばS−8
11:メルクジャパン株式会社製)を添加して、ねじれ
ピッチが80μmになるように濃度調整した。このよう
な条件で作製したカイラルネマチック液晶を液晶層21
1として真空注入法で液晶セルに注入し、カイラルネマ
チック液晶が完全に充填された後、液晶注入口を封止樹
脂により封口する。その後、アレイ基板と対向基板の表
面に、偏光板212をその吸収軸がラビング方向に平行
になるように貼り付け、液晶表示パネルを作製した。
【0058】図5にアレイ基板のソース線部分の断面形
状を示す。断面形状の観察は第1の提案例と同様に走査
型電子顕微鏡により行った。ソース線204上に形成さ
れた遮光層205の断面形状は、逆台形状になってお
り、画素電極206上の端部がよりエッチングされた形
になっていた。遮光層205側面と画素電極206との
なす角度(遮光層205の内角)は、約110゜であっ
た。これは、画素電極206を構成するITOと遮光層
205を構成する感光性の黒色樹脂との密着性が弱いた
め、オーバーエッチング状態になったと考えられる。
【0059】配向膜210は、遮光層205の側面のオ
ーバーエッチング部221を完全に埋めるように形成さ
れ、遮光層205側面の配向膜210の表面は画素電極
206に対して緩やかな斜面状に形成されていた。
【0060】次に、作製した液晶表示パネルの配向観察
を行った。液晶表示パネルを容量結合方式で駆動して、
ON/OFF状態での配向を観察した。この実施例で
も、第1の提案例と同様、ON状態で異常配向の発生に
よる光漏れが発生していないことを確認できた。これ
は、配向膜210によって遮光層205と画素電極20
6の段差が緩和され、遮光層205近傍でのラビングが
十分されたためであると考えられる。
【0061】また、ディスクリネーションも瞬時に消失
し、残像等の表示品位の低下は見られなかった。コント
ラストも100であった。
【0062】〔第5の比較例〕第1の実施例と同様のア
レイ基板に、同様の感光性の黒色樹脂を用いて、その現
像時間を黒色樹脂が剥離しない程度まで長くして、逆台
形状の遮光層を形成して、液晶表示パネルを作製した。
配向膜、液晶等は第1の実施例と同様である。遮光層の
側面と画素電極とのなす角度(遮光層の内角)は約13
0゜であり、遮光層側面のオーバーエッチング部は配向
膜で完全には充填されていなかった。このためON状態
で光漏れが発生した。
【0063】〔第6の比較例〕第1の実施例と同様にア
レイ基板上に逆台形状の遮光層を形成した後、ポリイミ
ドワニス(SE−7210:日産化学工業株式会社製)
の溶媒組成を変更して、ワニス粘度が約40cp、50
cpのポリイミドワニスを用意し、これらのポリイミド
ワニスをアレイ基板と対向基板上に塗布して、その後、
第1の実施例と全く同様の方法で液晶表示パネルを作製
した。
【0064】これらの液晶表示パネルでは、ON状態の
時に共に光り漏れが発生していたが、低粘度ワニスを用
いた方がその程度は軽かった。遮光層側面での配向膜形
成の状態を観察したところ、遮光層側面のオーバエッチ
ング部には配向膜が充填されておらず、遮光層と画素電
極間の段差は緩和されていないことが分かった。
【0065】溶液粘度が20cp以下では、ポリイミド
の膜厚均一性が悪く、好ましくなかった。
【0066】第5,第6の比較例から、第1の実施例で
は、断面が逆台形状の遮光層205の斜面と画素電極2
06とのなす角(遮光層205の内角)は、90°以上
130°以下が好ましい。また、配向膜210は、芳香
族ポリイミドまたは脂肪族ポリイミドまたはその混合系
から構成され、ポリアミック酸溶液またはポリイミド溶
液は、γブチルラクトン、N−メチル−2−ピロリドン
を主溶媒とし、ポリマー濃度は3%以上10%以下であ
り、溶液粘度が25〜40cpであることが好ましく、
30cpが最も好ましい。
【0067】また、第1の実施例においても、第1の提
案例同様、遮光層205の膜厚は0.5μm以上1.5
μm以下が好ましく、遮光層205の光透過率は1%以
下が好ましい。また、配向膜210としてはプレチルト
角が6゜以上10゜以下、特に表示品位と視野角特性の
関係から8゜程度が最も好ましい。
【0068】〔第2の提案例〕この第2の提案例では、
第2の提案の形態の具体例として図6を参照しながら、
その構成および製造方法について説明する。
【0069】図6に示すように、第1の提案例と同様、
アレイ側ガラス基板301上に、アモルファスシリコン
TFT素子302、Al/Taからなるゲート線30
3、Ti/Alからなるソース線304、酸化インジュ
ウム錫(ITO)からなる画素電極306を形成し、ア
レイ基板を作製した。ただし、TFT素子302、ゲー
ト線303、ソース線304上に、無機の絶縁膜(図1
の保護膜107に相当)は形成しなかった。
【0070】次に、アレイ基板をOAP雰囲気中に10
分間暴露した後、感光性の黒色樹脂(CX225N:ヘ
キストジャパン株式会社製)をコーターによりアライメ
ントマーカー以外の部分に全面に塗布した。その後、1
00℃で1分間プリベークした後、所定のマスクでアラ
イメントした後、プロキシミティー露光方式で2μmの
間隙を設けて480mJのパワーで露光を行い、所定の
条件にて現像を行った。
【0071】その後、250℃で60分間ホットプレー
ト上でポストベークを行い、保護膜を兼ねた絶縁性遮光
層305を、TFT素子302、ゲート線303、ソー
ス線304の全面と画素電極306の一部に直接形成し
た。画素電極306上には画素電極端部より3μm内側
の領域まで絶縁性遮光層305を形成した。絶縁性遮光
層305の膜厚は1.2μmであった。また、絶縁性遮
光層305の抵抗率は1014Ω・cmであり、光透過率
は0.5%以下であった。その後、第1の提案例と全く
同一の材料、条件で液晶表示パネルを作製した。
【0072】この提案例の液晶表示パネルを駆動したと
ころ、ON状態では全く光り漏れが発生せず、またディ
スクリネーションラインの消失も瞬時であり、高コント
ラストで残像のない良好な表示を得た。
【0073】また、感光性の黒色樹脂からなる絶縁性遮
光層305を、直接、TFT素子302、ゲート線30
3、ソース線304上に形成したことによる電気的な劣
化現象(例えば、短絡、TFT素子302の劣化等)は
発生しなかった。
【0074】次に、絶縁性遮光層305の断面形状を走
査型電子顕微鏡により観察したところ、第1の提案例と
同様に台形状になっており、絶縁性遮光層305と画素
電極306との段差が緩和されているのが分かった。ま
た、配向膜309は、絶縁性遮光層305の上部および
側面と画素電極306上に形成されていた。
【0075】またラビング中にTFT素子302、ゲー
ト線303およびソース線304が破壊されることはな
く、絶縁性遮光層305は保護膜としての機能を有する
ことが分かった。
【0076】しかし、絶縁性遮光層305の抵抗率が1
10Ω・cm以下になると、電気的劣化が発生し、表示
品位が悪化することが分かった。
【0077】この提案例によれば、第1の提案例と同様
の効果があり、さらに、絶縁性遮光層305が保護膜と
して作用するため、TFT素子302、ゲート線303
およびソース線304上に無機の保護膜(例えば、図1
の保護膜107)を設ける必要がなく、工程の簡素化を
図ることができる。
【0078】この提案例において、絶縁性遮光層305
の抵抗率は1011Ω・cm以上であることが好ましい。
また、第1の提案例同様、絶縁性遮光層305の断面形
状を概ね台形状とし、絶縁性遮光層305側面と画素電
極306とのなす角度(絶縁性遮光層305の内角)を
60゜以下とするのが好ましい。また、絶縁性遮光層3
05の膜厚は0.5μm以上1.5μm以下、光透過率
は1%以下が好ましい。また、配向膜309としてはプ
レチルト角が6゜以上10゜以下、特に表示品位と視野
角特性の関係から8゜程度が最も好ましい。
【0079】〔第2の実施例〕この第2の実施例では、
第2の実施の形態の具体例として図7を参照しながら、
その構成および製造方法について説明する。
【0080】図7に示すように、第1の提案例と同様、
アレイ側ガラス基板401上に、アモルファスシリコン
TFT素子402、Al/Taからなるゲート線40
3、Ti/Alからなるソース線404、酸化インジュ
ウム錫(ITO)からなる画素電極406を形成し、ア
レイ基板を作製した。ただし、TFT素子402、ゲー
ト線403、ソース線404上に、無機の絶縁膜(図1
の保護膜107に相当)は形成しなかった。
【0081】次に、アレイ基板上に、感光性の黒色樹脂
(ブラックレジスト CK−S092B:富士ハントテ
クノロジィー株式会社製)をコーターによりアライメン
トマーカー以外の部分に全面に塗布した。その後、11
0℃で1分間プリベークした後、所定のマスクでアライ
メントした後、コンタクト露光方式で300mJのパワ
ーで露光を行い、所定の条件にて現像を行った。
【0082】その後、220℃で60分間ホットプレー
ト上でポストベークを行い、保護膜を兼ねた絶縁性遮光
層405を、TFT素子402、ゲート線403、ソー
ス線404の全面と画素電極406の一部に直接形成し
た。画素電極406上には画素電極端部より3μm内側
の領域まで絶縁性遮光層405を形成した。絶縁性遮光
層405の膜厚は1.1μmであった。絶縁性遮光層4
05の抵抗率は1013Ω・cmであり、光透過率は約
1.0%であった。
【0083】また、対向基板として、対向側ガラス基板
407上に対向電極408を形成した。
【0084】次に、ポリイミドワニス(RN−102
4:日産化学工業株式会社製)をアレイ基板と対向基板
に塗布して、220℃で10分間ホットプレート上でベ
ークした後、第1の提案例と全く同一の材料、条件で液
晶表示パネルを作製した。ポリイミドワニスの溶液粘度
は約30cpであった。
【0085】この実施例の液晶表示パネルを駆動したと
ころ、ON状態でも異常配向による光り漏れが発生せ
ず、またディスクリネーションラインの消失も瞬時であ
り、高コントラストで残像のない良好な表示を得た。配
向膜409上での液晶のプレチルト角は約8゜であっ
た。
【0086】また、感光性の黒色樹脂からなる絶縁性遮
光層405を、直接、TFT素子402、ゲート線40
3、ソース線404上に形成したことによる電気的な劣
化現象(例えば、短絡、TFT素子402の劣化等)は
発生しなかった。
【0087】次に、絶縁性遮光層405の断面形状観察
を走査型電子顕微鏡により行った。ソース線404上に
形成された絶縁性遮光層405の断面形状は、逆台形状
になっており、画素電極406上の端部がよりエッチン
グされた形になっていた。絶縁性遮光層405と画素電
極406とのなす角度(絶縁性遮光層405の内角)
は、約110゜程度であった。これは、画素電極406
を構成するITOと絶縁性遮光層405を構成する感光
性の黒色樹脂との密着性が弱いため、オーバーエッチン
グ状態になったと考えられる。
【0088】配向膜409は、絶縁性遮光層405の側
面のオーバーエッチング部を完全に埋めるように形成さ
れ、絶縁性遮光層405側面の配向膜409の表面は画
素電極406に対して緩やかな斜面状に形成されてい
た。
【0089】またラビング中にTFT素子402、ゲー
ト線403、ソース線404が破壊されることはなく、
絶縁性遮光層405は保護膜としての機能を有すること
が分かった。
【0090】しかし、第2の提案例と同様、絶縁性遮光
層405の抵抗率が1010Ω・cm以下になると、電気
的劣化が発生し、表示品位が悪化することが分かった。
【0091】この実施例によれば、第1の提案例と同様
の効果があり、さらに、絶縁性遮光層405が保護膜と
して作用するため、TFT素子402、ゲート線403
およびソース線404上に無機の保護膜(例えば、図1
の保護膜107)を設ける必要がなく、工程の簡素化を
図ることができる。
【0092】この実施例においても、第2の提案例同
様、絶縁性遮光層405の抵抗率は1011Ω・cm以上
であることが好ましい。また、第1の実施例同様、断面
が逆台形状の絶縁性遮光層405の斜面と画素電極40
6とのなす角(絶縁性遮光層405の内角)は、90°
以上130°以下が好ましい。また、配向膜409は、
芳香族ポリイミドまたは脂肪族ポリイミドまたはその混
合系から構成され、ポリアミック酸溶液またはポリイミ
ド溶液は、γブチルラクトン、N−メチル−2−ピロリ
ドンを主溶媒とし、ポリマー濃度は3%以上10%以下
であり、溶液粘度が25〜40cpであることが好まし
い。
【0093】また、絶縁性遮光層405の膜厚は0.5
μm以上1.5μm以下、光透過率は1%以下が好まし
い。また、配向膜409としてはプレチルト角が6゜以
上10゜以下、特に表示品位と視野角特性の関係から8
゜程度が最も好ましい。
【0094】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、アレイ
基板の画素電極の端部,配線電極およびスイッチング素
子上に遮光層を形成した後、遮光層および画素電極上に
ポリアミック酸溶液またはポリイミド溶液を用いて配向
膜を形成し、この配向膜のポリアミック酸溶液またはポ
リイミド溶液の粘度を25〜40cpに設定することに
よって、遮光層側面での配向膜の塗れ性を向上させ、遮
光層側面での配向膜の表面を画素電極面に対して緩やか
な斜面状に形成できるため、配向膜がよりラビングされ
やすくなり、異常配向領域を減少することができる。そ
の結果、光漏れの発生やディスクリネーションラインの
発生を抑制できる液晶表示パネルを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の提案の形態の液晶表示パネルの構成を示
す断面図である。
【図2】第1の提案の形態の液晶表示パネルの平面図で
ある。
【図3】第1の提案の形態の液晶表示パネルのアレイ基
板のソース線部分の断面図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態の液晶表示パネル
の構成を示す断面図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態の液晶表示パネル
のアレイ基板のソース線部分の断面図である。
【図6】第2の提案の形態の液晶表示パネルの構成を示
す断面図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態の液晶表示パネル
の構成を示す断面図である。
【図8】従来の問題点を説明するためのラビング状態を
示す模式図である。
【符号の説明】
101 アレイ側ガラス基板 102 TFT素子 103 ゲート線 104 ソース線 105 遮光層 106 画素電極 107 保護膜 108 対向側ガラス基板 109 対向電極 110 配向膜 111 液晶層 112 偏光板 121 ラビング方向 122 ラビング擦り下げ部分 123 画素開口部 201 アレイ側ガラス基板 202 TFT素子 203 ゲート線 204 ソース線 205 遮光層 206 画素電極 207 保護膜 208 対向側ガラス基板 209 対向電極 210 配向膜 211 液晶層 212 偏光板 221 オーバーエッチング部 301 アレイ側ガラス基板 302 TFT素子 303 ゲート線 304 ソース線 305 絶縁性遮光層 306 画素電極 307 対向側ガラス基板 308 対向電極 309 配向膜 310 液晶層 311 偏光板 401 アレイ側ガラス基板 402 TFT素子 403 ゲート線 404 ソース線 405 絶縁性遮光層 406 画素電極 407 対向側ガラス基板 408 対向電極 409 配向膜 410 液晶層 411 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 浩史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山本 義則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 望月 秀晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素電極,配線電極およびスイッチング
    素子を有するアレイ基板と、対向電極を有する対向基板
    との間に、液晶を挟持した液晶表示パネルの製造方法で
    あって、 前記アレイ基板の前記画素電極の端部,前記配線電極お
    よび前記スイッチング素子上に遮光層を形成した後、前
    記遮光層および前記画素電極上に、粘度を25mPa・
    s以上40mPa・s以下に設定したポリアミック酸溶
    液またはポリイミド溶液を用いて配向膜を形成すること
    を特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミック酸溶液またはポリイミド溶
    液は、γブチルラクトン、N−メチル−2−ピロリドン
    を主溶媒とし、ポリマー濃度を3%以上10%以下とし
    た請求項1記載の液晶表示パネルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8493540B2 (en) 2008-12-15 2013-07-23 Samsung Display Co., Ltd. Display panel and method of manufacturing the same
JP2016085476A (ja) * 2016-02-04 2016-05-19 株式会社ジャパンディスプレイ 液晶表示装置
CN113126370A (zh) * 2021-04-23 2021-07-16 成都天马微电子有限公司 传输线结构及其制作方法、移相器和液晶天线

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