JP2001147397A - レーザスキャナにおいて露光時間を延長するための方法及び装置 - Google Patents

レーザスキャナにおいて露光時間を延長するための方法及び装置

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JP2001147397A
JP2001147397A JP32092599A JP32092599A JP2001147397A JP 2001147397 A JP2001147397 A JP 2001147397A JP 32092599 A JP32092599 A JP 32092599A JP 32092599 A JP32092599 A JP 32092599A JP 2001147397 A JP2001147397 A JP 2001147397A
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Daniel Gelbart
ゲルバート ダニエル
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CLEO Srl
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高出力レーザによるサーモグラフィック材料の
走査において、コストや画像の質において妥協すること
なく露光時間を延長する。 【解決手段】高データ速度単スポットレーザスキャナに
おける露光時間をTDIモードを用いて延長してサーモ
グラフィック材料(1)を露光する。サーマルプリンテ
ィングプレートなどの多くのサーモグラフィック材料
(1)は内面円筒走査型スキャナなどの単スポットスキ
ャナでは単一のスポットの露光時間が短いことにより適
当に露光することができないが、TDI走査を用いて露
光時間が長くなることによりこれを適当に露光すること
が可能である。TDIの一方法としてスコフォニーモー
ドを用いることも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ走査に関し、
より詳細にはサーモグラフィック材料としても知られる
感熱材料を高出力レーザにて走査して画像を形成するこ
とに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ走査システムが高速である場合、
1個の画素の露光時間は際立って短くなるが、露光時間
が短すぎると露光された材料中で所望の化学反応が起こ
らない場合がある。出力を大きくしても、材料の表層が
過熱して融除あるいは分解される一方で表面下の材料は
低温のままであるため、この問題の解決にはつながらな
い。
【0003】例として、サーマルプリンティングプレー
トを露光するために用いられる内面円筒走査型の最新の
レーザスキャナでは10ナノ秒程度の露光時間が用いら
れているが、この露光時間は一般的なプレートにおける
プレート活性ポリマ層の熱時定数である約1μ秒と比較
して大幅に短い。露光時間が熱時定数の約100分の1
程度であることにより、(熱がポリマ層全体に拡散した
後の)平均温度を約100℃とするためにはポリマの表
面は数千度にまで加熱されなければならない。このよう
に温度のピークが高いことにより、ポリマは所望の変化
を起こす代りに分解あるいは融除される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この問題に対する一般
的な解決策としてはマルチビームシステムがある。マル
チビームシステムでは、データ速度が一定に保たれてい
る場合、各スポットの露光時間はビームの数に比例して
長くなる。しかしマルチビームシステムはレーザスキャ
ナのコストを増大させるため、単ビームシステムにおい
て露光時間を延ばすことが望ましいが、単にスポット径
を大きくすることによって露光時間を延ばすことは解像
度の低下につながるために現実的ではない。
【0005】サーマルイメージングシステムでは高出力
の高価なIRレーザが用いられ、通常はワット数の大き
なダイオードポンプYAGレーザが用いられる。広領域
レーザダイオード発振器などの安価なレーザを用いるこ
とが望ましいが、こうしたレーザ光線の質は既存のサー
マルイメージングシステムにおいて用いるうえで低すぎ
ることがしばしばである。
【0006】したがって本発明の目的は、サーモグラフ
ィック材料の高出力レーザによる走査において、コスト
や画像の質において妥協することなく露光時間を長くす
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では直線状に配列された光源からの光線を走
査して露光される材料上にスポットを形成する。請求項
1に記載の発明では、データは光源を動作させるドライ
バを介して光源の配列(アレイ)において順々にシフト
され、TDI(TimeDomainIntegrat
ion)として知られるモードを利用して材料上に光源
の配列による像が形成される。
【0008】このモードでは材料上の各スポットの全露
光時間は光源の数を乗じた長さとなる(例 上述の内面
円筒走査型スキャナにおいて10個の光源が用いられて
いるものとするとシステムは単ビームシステムとしたま
まで露光時間は10n秒から100n秒に長くなる)。
TDIイメージングを可能とするうえで、スポットの配
列を通じてデータを順々にシフトさせる速度は走査速度
に一致させられ、これにより露光される材料上でシフト
するデータによるほぼ静止した画像が得られる。
【0009】こうした画像形成のTDIモードは電荷結
合素子(CCD)などの画像センサにおいてよく知られ
たものであり、露光時間が長くなるように積分を行って
解像度を低下させることなく感度を向上させる。光を積
分するTDI走査のこうした性質が本発明において利用
されており、解像度を低下させることなく単一の走査線
による露光時間を長くする。
【0010】本発明に基づく単チャンネルスキャナにお
いて複数の光源が用いられる場合、複数の光源の間にお
いて強度を一致させる必要がない。これは強度を一致さ
せることが非常に重要である、互いに平行な複数のスポ
ットを用いたシステムと比較して有利である。
【0011】請求項2に記載の発明は、画像形成するた
めに延長された露光時間を必要とするサーモグラフィッ
ク材料を露光する方法であり、スコフォニーモード走査
を利用することをその要旨とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、画像形成するた
めにサーモグラフィック材料を均一に露光するための方
法であり、不規則な光線プロファイルを有する高出力レ
ーザを用いることと、該光線プロファイルを前記画像の
各要素上に走査するうえでTDIを利用することとをそ
の要旨とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、画像形成するた
めにサーモグラフィック材料を均一に露光するための方
法であり、不規則な光線プロファイルを有する高出力レ
ーザを用いることと、該光線プロファイルを前記画像の
各要素上に走査するうえでスコフォニーモード走査を利
用することとをその要旨とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、露光時間を延長
するためにTDI走査を利用することをその要旨とする
サーモグラフィック材料のための内面円筒走査型スキャ
ナである。
【0015】請求項6に記載の発明は、露光時間を延長
するためにスコフォニー走査を利用することをその要旨
とするサーモグラフィック材料のための内面円筒走査型
スキャナである。
【0016】請求項7に記載の発明は、サーモグラフィ
ック材料に画像形成するための方法であり、(a)サー
モグラフィック材料の層を設けることと、(b)サーモ
グラフィック材料の表面上の線に沿って複数の光源の像
を含む光線を第1の方向に走査し、該複数の像は全て前
記の線上に位置することと、(c)該線上に位置するス
ポットに与えられるべき露光量を表すデータを提供する
ことと、(d)該線に沿った光線の走査に同期するよう
に前記のデータに応じて各光源を変調して、(i)複数
の光源の内の第1の光源の像がスポット上にある滞留時
間の間において前記のデータに応じて第1の光源が変調
され、(ii)複数の光源の後続の光源のそれぞれの像
がスポット上にある滞留時間の間において前記のデータ
に応じて後続の光源のそれぞれが変調されることとを含
む。
【0017】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、前記の線に沿った光線の走査速度は、
複数の像のそれぞれの滞留時間がスポット近傍のサーモ
グラフィック材料に損傷を与えない程度に短くなるよう
な速度であることをその要旨とする方法である。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の発明において、前記の線に沿った光線の走査速度は、
複数の像のそれぞれの滞留時間がスポット近傍のサーモ
グラフィック材料が完全に露光しない程度に短くなるよ
うな速度であることをその要旨とする方法である。
【0019】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の発明において、サーモグラフィック材料の層は円筒
部の内面上に設けられ、該サーモグラフィック材料の表
面上の線に沿った光線の走査は円筒内面の中心軸上に配
置される回転式偏向器によって光線を偏向することを含
む方法である。
【0020】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の発明において、シフトレジスタは複数の光源のそ
れぞれに対応したビットを有し、データをシフトレジス
タに入力することと複数の光源を順次変調するために前
記シフトレジスタをクロッキングすることとを含む方法
である。
【0021】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の発明において、シフトレジスタのクロッキングは
光線偏向器の回転に応じて発生するクロックパルスをシ
フトレジスタに与えることを含むことをその要旨とする
方法である。
【0022】請求項13に記載の発明は、請求項10に
記載の発明において、光源が直線状に配列された複数の
レーザ発生装置を含むことをその要旨とする方法であ
る。請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発
明において、複数のレーザ発生装置は異なる強度を有す
ることをその要旨とする方法である。
【0023】請求項15に記載の発明は、請求項8に記
載の発明において、シフトレジスタは複数の光源のそれ
ぞれに対応したビットを有し、該データをシフトレジス
タに入力することと複数の光源を順次変調するためにシ
フトレジスタをクロッキングすることとを含む方法であ
る。
【0024】請求項16に記載の発明は、請求項15に
記載の発明において、光源が直線状に配列された複数の
レーザ発生装置を含むことをその要旨とする方法であ
る。請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の発
明において、複数のレーザ発生装置は異なる強度を有す
ることをその要旨とする方法である。
【0025】請求項18に記載の発明は、請求項15に
記載の発明において、複数の光源はそれぞれ単一のレー
ザ光線から別れた光線と変調器とを含むことをその要旨
とする方法である。
【0026】請求項19に記載の発明は、請求項18に
記載の発明において、単一の光線のプロファイルが不均
一であり、個々の光線の強度は異なっていることをその
要旨とする方法である。
【0027】請求項20に記載の発明は、請求項15に
記載の発明において、複数の光源はAOMから射出され
る光線の一部を含み、該複数の光源の内の1つの光源の
変調は、データに応じてAOMのRF変調器を作動する
ことと、得られた音波を複数の光源の内の前記の1つの
光源に対応したAOMの一部に伝播させることとを含む
方法である。
【0028】請求項21に記載の発明は、請求項8に記
載の発明において、複数の光源の強度は異なることをそ
の要旨とする方法である。請求項22に記載の発明は、
請求項7に記載の発明において、複数の光源は直線状に
配列された複数のレーザ発生装置を含み、各レーザ発生
装置の強度は異なることをその要旨とする方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明をその方法と装置につい
て、図1〜図8に基づき以下に詳細に説明する。
【0030】従来の高速スキャナは、図1に示されるよ
うな内面円筒走査型のものとマルチチャンネル(または
マルチビームあるいはマルチスポット)外面円筒走査型
のものとに大別される。内面円筒走査型のスキャナでは
光線8はレンズ5によって集束されて円筒表面2上にス
ポットを形成する。集束光のスポットはモータ4によっ
て駆動される走査ミラー3によって材料1上に走査され
る。全走査アッセンブリ6が直線位置決め要素7によっ
て材料1に沿って移動する。この種のスキャナでは光線
8が形成する像は、矢印10の矢印9への回転にて示さ
れるように回転する。このため光線8は回転によって影
響されない円形光線を用いなければならない。
【0031】従来のスキャナの別の一般的な方式として
図2に示されるようなマルチスポット外面円筒走査型レ
コーダがある。この種のスキャナでは、複数のレーザ1
1がレンズ5によって円筒部2上に配される材料1に複
数のスポット12を形成する。複数のレーザ光は各々変
調され、材料1上にそれぞれ1つの軌跡を描く。
【0032】内面円筒走査型スキャナと比較した場合の
マルチスポットドラムレコーダの長所として、各スポッ
トの露光時間を短縮することなく大きな書き込み速度が
得られる点がある。N個のスポットを有するシステムで
は、スポットが1個であるシステムと比較して露光時間
はN倍である。このことは特に感熱材料などの特定の材
料上に画像形成するうえで有利である。この種のスキャ
ナの難点は各スポットの光強度及び形状を注意深く調整
しなければならないことである。図3には、本発明を利
用して、マルチスポットシステムの長い露光時間を保ち
つつシングルスポットシステムの利点を得るように図2
のレーザ走査システムを改変したものが示されている。
本発明は内面円筒走査型スキャナにおいてその効果をよ
り発揮するが作動原理の説明の便宜上、外面円筒走査シ
ステムに基づいて先ず説明する。
【0033】図3を参照すると、サーモグラフィック材
料1がドラム2上に配されている。レーザ光源の配列1
1からの光線がレンズ5によって材料1上に配列に対応
した一連のスポット12を形成する。複数のスポット1
2は1本の線上に形成されるため各スポット12は先の
スポットの軌跡を辿り、材料1上に1本の線を形成す
る。記録されるデータはシフトレジスタ15を介してレ
ーザ光源11に伝送される。シフトレジスタ15はシャ
フトエンコーダ13を介して円筒部2の位置に同期させ
られたクロック発振器14によってクロック動作する。
シフトレジスタ15をシャフトエンコーダ13からの出
力によって直接的に動作させない理由は、書き込みクロ
ック(ピクセルクロックとしても知られる)がシャフト
エンコーダ13の出力の整数倍であったりそうでなかっ
たりするためである。クロック発振器14は、位相同期
ループ型、シンセサイザ型、または公知のクロック発振
方法のいずれを用いることも可能である。
【0034】クロック発振器14の周期は、材料1の表
面が2個の隣り合うスポット間の距離を移動する間にシ
フトレジスタ15がデータを1ビット動かすような周期
に設定される。この距離を図3にXとして示した。この
ようにデータをクロッキングすることにより、与えられ
たデータビットの画像がレーザ光源11によって順々に
照射され材料1に対して静止画となる。この画像形成の
モードはTDI(TimeDomainIntegra
tion)方式として知られ、通常、露光量を増大させ
るために用いられる。例として、米国特許出願第5,0
49,901号及び同第5,132,723号ではTD
Iを用いて露光エネルギーを増大させている。本発明で
はTDIを用いて露光時間を長くすることにより、エネ
ルギーを増大させることなく特定の感熱材料を使用する
ことを可能にしている。
【0035】本発明の効果が最も著明となるのは図4に
示されるような内面円筒走査型レーザスキャナにおいて
である。レーザ光源の配列11からの光線は一線上に位
置する複数のスポット12を形成する。モータ4によっ
てミラー3が回転させられ、サーモグラフィック材料1
上にスポット12が走査される。直線位置決め要素7に
より走査機構6が材料1に沿って動かされる。この走査
機構は前述の像の回転の問題を避けるため図1に示され
るものとは異なっている。複数のレーザ11を通じて順
々にデータをシフトさせる点は図3に基づく説明と同様
であるので理解を助けるため図4においてこの説明は省
いた。像の回転を生じない内面円筒走査型レコーダのた
めの走査機構に関する更なる詳細が米国特許出願第4,
206,482号及び同第4,595,957号に開示
されている。広く知られるドーブプリズムや米国特許出
願第5,184,246号に開示される方法などの他の
像回転を生じない装置を用いることも可能である。図5
は、図4の構成を断面図にて示したものである。シャフ
トエンコーダ(図に示されていない)からのデータはモ
ータ4に伝送され、複数のレーザ光源11を通じてデー
タのシフトを同期させることにより複数のスポット12
の走査速度が一致する。この同期化はクロック発振器1
4及びシフトレジスタ15を介して行われる。
【0036】本発明は、単一のレーザ光源を複数に分割
して用いる場合においても、別々のレーザ光源を用いた
場合と同様に効果的である点は重要である。別々のレー
ザ光源の例として以下のものが挙げられる。すなわち、 1. 光学素子と組み合わせたレーザダイオード、 2. レーザダイオードと組み合わせた光ファイバ、及
び、 3. 発光ダイオードなどである。
【0037】高出力のレーザダイオードやYAGレーザ
などの単一光源を、例として以下の方法を用いて別々の
光源に分割することが可能である。すなわち、 1. 変調器と組み合わせたビームスプリッタ、 2. マルチスポット変調器として用いられる音響光学
変調器(AOM)、 3. 電気光学変調器(EOM)などの、データを順々
にシフトすることが可能な他の変調器である。
【0038】TDIモードにおける音響光学変調器や電
気光学変調器の使用は、よく知られているスコフォニー
効果にも関係している。スコフォニーイメージングで
は、TDI法によって照射される材料上に静止画が形成
されることを利用して、連続的に動くデータに基づく像
の不鮮明化を防止する。TDIという語句は専ら離散的
な動作に関連して用いられ、スコフォニーイメージング
という語句はAOMにおけるような連続的に動くデータ
パターンに関連して専ら用いられる。米国特許出願第
4,357,627号及び同第4,639,073号に
スコフォニー/TDI技術の一例を見ることができる。
これらの特許はいずれも、本発明の要旨であるところの
露光時間の増大ではなく、スキャナの解像度を向上させ
ることを目的としてスコフォニー/TDI効果を利用し
ている。更に、これらの特許のいずれにおいても不均一
なレーザ光の利用は考慮されていない。図6及び図7
(a)乃至(d)には、不均一な光線を利用した本発明
に基づくスコフォニー/TDI効果の応用が示されてい
る。不均一なレーザ光線とそれぞれに出力が異なる複数
のレーザの配列との間には本質的な差はない。いずれの
場合も本発明において利用されるスコフォニー/TDI
効果によって均一なスポットが形成され、記録材料の露
光時間が長くなる。
【0039】図6を参照すると、高出力レーザダイオー
ド光源16からの光線がレンズ21によって部分的に集
束されている。光源16からの光線はAOM17に照射
される。AOMドライバ18を介してAOM17に与え
られるデータは所定の速さにてAOMを伝播する。この
速さは用いられるAOMの種類によって異なるが通常は
約4km/秒である。AOMはよく知られた装置であ
り、その動作についての詳しい説明はここでは省略す
る。AOM17の活動開口はレンズ5によって材料1上
に結像する。0次回折光19または回折光20を用いる
ことが可能である(0次回折光19が用いられる場合に
はデータを反転させなければならないことは明らかであ
る)。
【0040】AOM17内を伝播する音波は一連のデー
タパターンの複製であり、RFドライブに基づく進行波
が存在する場合にのみ回折が生じる。伝播するビットパ
ターンの大きさがAであるものとし、そのパターンの像
の大きさがB、これに対応する音波の速度がv、走査速
度がVであるものとすると(A,B,v及びVの定義に
ついては図6参照)、A/B=v/Vである場合にビッ
ト像は材料1に対して静止画となる。これがよく知られ
ているスコフォニー条件である。この時、各ビットの露
光時間はA/vで与えられる。一般的なAOMでは
「A」を約10mm、vを約4mm/μ秒とすることが
容易に可能であり、このとき露光時間は2.5μ秒とな
る。これは多くの感熱材料に対して充分な値である。
【0041】図7(a)乃至(d)には、不均一なレー
ザ光源を使用して画素を均一に露光するうえでの本発明
の利用が示されている。図7(a)は図6のレーザダイ
オード16の放射プロファイルを示したものである。多
くの広帯域レーザダイオードと同様、このプロファイル
は複数の「暗点」を有する不均一なパターンとなってい
る。図7(b)はAOM内を伝播する音波の特定の時刻
における波形を示したものである。特定の時刻における
回折光(図6中、参照符合20にて示される)の露光プ
ロファイルは図7(a)と図7(b)との積として与え
られ、図7cに示されている。このプロファイルは不均
一であり、レーザダイオードと同様の「暗点」を有す
る。スコフォニー走査モードにより、材料上の各画素
は、全画素の走査が完了した時点で、AOMの活動開口
「A」によって捉えられるレーザダイオードの完全なプ
ロファイル、すなわちデータパターンの全露光によって
走査されたことになる。高度に不均一な光源から、レー
ザ出力を無駄にすることなく、また露光量を調整するた
めの格別の努力をすることなく、高度に均一な露光を得
ることが可能である。本発明のこの特徴によれば低コス
トのレーザ光源の利用が可能である。同様の方法はAO
Mのみばかりでなく、任意の変調器またはレーザ光源の
配列に対して用いることが可能である。
【0042】図8は、平面走査における本発明の使用を
示したものである。この実施例では、発明を説明するう
えで、例えば米国特許出願第4,639,073号に開
示される変調器のような電気光学変調器17が選択され
ている。米国特許出願第4,639,073号では解像
度を向上させる目的でスコフォニー効果を利用している
が、同様の構成を利用して感熱材料の露光時間を長くす
ることが可能であり、また低コストで光線の質の低いレ
ーザ光源を使用することが可能である。この実施例で
は、モータ4によりポリゴンミラー3が回転させられ
る。レーザダイオード16からの光線はレンズ21によ
って集められ、変調器17を通過し、ポリゴン3によっ
て反射され、レンズ5によって材料1上に結像する。上
述の例と同様、スコフォニー/TDI条件はシャフトエ
ンコーダ13及びクロック発振器14を用い、シフトレ
ジスタ15を介してシフト速度を同期させることによっ
て満たされる。
【0043】以上、本発明をシングルチャンネルシステ
ムに基づいて説明してきたが、サーマルプリンティング
プレートを露光するために必要な時間はプリンティング
プレート上の2以上の部分を同時に照射することによっ
て短縮することが可能である。光源11の2次元的な配
列が用いられる場合、同様の光学系を用いて本発明に基
づくプリンティングプレート上で複数の平行な軌跡を照
射することが可能である。
【0044】明らかであるが、本発明は任意の走査シス
テム、レーザ光源、及び変調器と共に使用することが可
能であり、ここに示した3つの走査システムはあくまで
例に過ぎない。
【0045】以上の開示に鑑みれば当業者にとっては自
明であるが、本発明の実施に際しては、発明の精神及び
範囲から逸脱することなく多くの変更及び改変が可能で
ある。したがって、発明の範囲は請求の範囲において定
義される実質に基づいて解釈されるべきものである。
【0046】
【発明の効果】本発明に基づく装置及び方法により、コ
ストや画像の質において妥協することなく、サーモグラ
フィック材料の高出力レーザによる走査における露光時
間を長くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に基づく内面円筒走査型のレーザスキ
ャナを示す概略斜視図。
【図2】従来技術に基づくマルチビーム外面円筒走査型
のレーザスキャナを示す概略斜視図。
【図3】外面円筒走査型スキャナにおいて実施された本
発明を示す概略図。
【図4】内面円筒走査型スキャナにおいて実施された本
発明を示す概略図。
【図5】図4の内面円筒走査型スキャナの5−5線に沿
った断面図。
【図6】音響光学変調器を使用して実施された本発明を
示す概略図。
【図7】(a)均一な露光を得るために不均一なレーザ
光源に対して使用される本発明を示すグラフ。(b)均
一な露光を得るために不均一なレーザ光源に対して使用
される本発明を示すグラフ。(c)均一な露光を得るた
めに不均一なレーザ光源に対して使用される本発明を示
すグラフ。(d)均一な露光を得るために不均一なレー
ザ光源に対して使用される本発明を示すグラフ。
【図8】電気光学変調器を使用して実施された本発明を
示す概略図。この実施例では発明を説明するうえで平面
走査型スキャナが用いられている。
【符号の説明】
1…サーモグラフィック材料、2…円筒部、11…レー
ザ、12…スポット、13…シフトエンコーダ、14…
クロック発振器、15…シフトレジスタ、17…音響光
学変調器(AOM)、18…AOMドライバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 AA02 AA03 AA14 AA16 AA32 BA04 BA14 BA25 BA54 BA59 BA60 BA70 CB67 2H045 AG09 BA02 BA22

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延長された露光時間を必要とするサーモ
    グラフィック材料に画像形成するために露光する方法で
    あって、TDI走査を利用することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 延長された露光時間を必要とするサーモ
    グラフィック材料に画像形成するために露光する方法で
    あって、スコフォニーモード走査を利用することを特徴
    とする方法。
  3. 【請求項3】 画像形成するためにサーモグラフィック
    材料を均一に露光するための方法であって、不規則な光
    線プロファイルを有する高出力レーザを用いることと、
    該光線プロファイルを前記画像の各要素上に走査するう
    えでTDIを利用することとを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 画像形成するためにサーモグラフィック
    材料を均一に露光するための方法であって、不規則な光
    線プロファイルを有する高出力レーザを用いることと、
    該光線プロファイルを前記画像の各要素上に走査するう
    えでスコフォニーモード走査を利用することとを特徴と
    する方法。
  5. 【請求項5】 露光時間を延長するためにTDI走査を
    利用することを特徴とするサーモグラフィック材料のた
    めの内面円筒走査型スキャナ。
  6. 【請求項6】 露光時間を延長するためにスコフォニー
    走査を利用することを特徴とするサーモグラフィック材
    料のための内面円筒走査型スキャナ。
  7. 【請求項7】 サーモグラフィック材料に画像形成する
    ための方法であって、(a)サーモグラフィック材料の
    層を設けることと、(b)サーモグラフィック材料の表
    面上の線に沿って複数の光源の像を含む光線を第1の方
    向に走査し、該複数の像は全て前記線上に位置すること
    と、(c)前記線上に位置するスポットに与えられるべ
    き露光量を表すデータを提供することと、(d)前記線
    に沿った光線の走査に同期するように前記データに応じ
    て各光源を変調して、(i)前記複数の光源の内の第1
    の光源の像が前記スポット上にある滞留時間の間におい
    て前記データに応じて前記第1の光源が変調され、(i
    i)前記複数の光源の後続の光源のそれぞれの像が前記
    スポット上にある滞留時間の間において前記データに応
    じて前記後続の光源のそれぞれが変調されることとを含
    む方法。
  8. 【請求項8】前記線に沿った光線の走査速度は、前記複
    数の像のそれぞれの滞留時間が前記スポット近傍のサー
    モグラフィック材料に損傷を与えない程度に短くなるよ
    うな速度であることを特徴とする請求項7に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】前記線に沿った光線の走査速度は、前記複
    数の像のそれぞれの滞留時間が前記スポット近傍のサー
    モグラフィック材料が完全に露光しない程度に短くなる
    ような速度であることを特徴とする請求項8に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】前記サーモグラフィック材料の層は円筒
    部の内面上に設けられ、該サーモグラフィック材料の表
    面上の線に沿った光線の走査は前記円筒内面の中心軸上
    に配置される回転式偏向器によって光線を偏向すること
    を含む請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】シフトレジスタは前記複数の光源のそれ
    ぞれに対応したビットを有し、データをシフトレジスタ
    に入力することと前記複数の光源を順次変調するために
    前記シフトレジスタをクロッキングすることとを含む請
    求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記シフトレジスタのクロッキングは前
    記光線偏向器の回転に応じて発生するクロックパルスを
    シフトレジスタに与えることを含むことを特徴とする請
    求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記光源は直線状に配列された複数のレ
    ーザ発生装置を含むことを特徴とする請求項10に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】前記複数のレーザ発生装置は異なる強度
    を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】シフトレジスタは前記複数の光源のそれ
    ぞれに対応したビットを有し、該データをシフトレジス
    タに入力することと前記複数の光源を順次変調するため
    に前記シフトレジスタをクロッキングすることとを含む
    請求項8に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記光源は直線状に配列された複数のレ
    ーザ発生装置を含むことを特徴とする請求項15に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】前記複数のレーザ発生装置は異なる強度
    を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記複数の光源はそれぞれ単一のレーザ
    光線から別れた光線と変調器とを含むことを特徴とする
    請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記単一の光線のプロファイルは不均一
    であり、個々の光線の強度は異なっていることを特徴と
    する請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記複数の光源はAOMから射出される
    光線の一部を含み、該複数の光源の内の1つの光源の変
    調は、データに応じてAOMのRF変調器を作動するこ
    とと、得られた音波を複数の光源の内の前記1つの光源
    に対応したAOMの一部に伝播させることとを含む請求
    項15に記載の方法。
  21. 【請求項21】前記複数の光源の強度は異なることを特
    徴とする請求項8に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記複数の光源は直線状に配列された複
    数のレーザ発生装置を含み、各レーザ発生装置の強度は
    異なることを特徴とする請求項7に記載の方法。
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JP2013045110A (ja) * 2011-08-19 2013-03-04 Orbotech Ltd ダイレクトイメージングシステムおよび方法

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JP2013045110A (ja) * 2011-08-19 2013-03-04 Orbotech Ltd ダイレクトイメージングシステムおよび方法
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