JP2001146672A - 荷電不織布 - Google Patents
荷電不織布Info
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Abstract
荷電不織布を提供することを課題とする。 【解決手段】平均繊維径が0.1〜20μmの脂肪族ポ
リエステルを主成分とするポリマーの繊維よりなる荷電
処理された不織布を含む、高温での荷電特性に優れた荷
電不織布。
Description
つ生分解処理可能な不織布に関する。更に詳しくは、被
濾過ガスが、40℃以上の高温になる可能性がある場所
で、低い圧力損失で高い濾過精度を得ることが可能な生
分解性フィルターに関する。具体的には、厨房用ダクト
フィルター、エアコン用フィルター、空気清浄機用フィ
ルター、ケミカルフィルター前処理用フィルターなどと
して好適な不織布に関する。あるいは、40℃以上の高
温での埃取りワイパーなどとして好適な不織布に関す
る。ここでいう生分解処理可能とは、土壌中に不織布を
埋設して6ヶ月後に分解状態を目視にて評価して、元の
形態が失われていることを意味する。
を利用して、低圧力損失で濾過精度の高いエアーフィル
ターなどに用いられてきた。ポリプロピレンを中心とし
た汎用のポリオレフィン樹脂によりなる不織布が、荷電
性が良く一般的に用いられてきた。しかしながら、ポリ
プロピレンなどの汎用オレフィン樹脂はガラス転移温度
が低いことなどが原因で、40℃以上の環境下で荷電性
能が低下したりするという問題点があった。それらの対
策として、特開昭63−280408号公報などに開示
されているようにポリマーに種々の添加物を練り込むな
どの対策などがとられてきたがその効果は十分ではな
く、高温に長時間さらされると性能が低下するという問
題があった。
乾燥して水分を含まない状態では良好な荷電性能を有す
るが、平衡含水率がオレフィンに比べて高いため、室内
に放置すると、経時的に吸湿によると推定される静電気
力の低下が認められ好ましくなかった。
電気力が高く、経時変化の少ない荷電不織布を提供する
ことを課題とする。
解決するために以下の手段をとる。第1の発明は、平均
繊維径が0.1〜20μmの脂肪族ポリエステルを主成
分とするポリマーの繊維よりなる荷電処理された不織布
を含む、高温での荷電特性に優れた荷電不織布であり、
高温で使用可能なフィルターやワイパーに好適な不織布
である。
荷電処理された脂肪族ポリエステルを主成分とする不織
布であって、平均繊維径が0.1〜10μmであり、目
付が5〜80g/m2である荷電処理された不織布であ
る。
に記載の不織布を含むフィルターであって、40〜13
0℃の間の温度で濾過速度1〜50cm/秒で濾過した
際に静電気力によりサブミクロン粒子を捕集することが
可能な高温荷電フィルターである。
肪族ポリエステルを主成分とすることが必要である。脂
肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸および/またはポ
リ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂であることが好まし
い。ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂としては、乳酸
にε−カプロラクトンなどの環状ラクトン類、α−ヒド
ロキシ酪酸、α−ドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉
草酸などのα−オキシ酸類、エチレングリコール、1,
4−ブタンジオールなどのグリコール類、コハク酸、セ
パチン酸などのジカルボン酸類が1種あるいは2種以上
共重合されたものを用いることができる。共重合体に
は、ランダム共重合体および/またはブロック共重合体
を用いることができる。また、分子末端にカルボキシル
基をもつ化合物でポリマー分子末端をエステル化処理す
る事が好ましく、このことにより熱成形時の安定性を改
善することが可能である。
気力の安定化のため、融点が130℃以上であることが
好ましい。本発明における脂肪族ポリエステルは、融点
の極近傍までトラップした電荷が安定に存在しており、
融点が170℃近傍のポリプロピレンが、融点よりかな
り低い100℃程度の温度になると電荷が消滅してしま
うのとは非常に異なっている。また、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートなどの芳香族
ポリエステルでは、荷電処理直後に得られる静電気力
は、ポリプロピレンと同等であるが数日でトラップされ
た電荷が消失する。しかしながら、本発明における脂肪
族ポリエステルはポリマーの比抵抗が大きいためか融点
近い高温までトラップされた電荷がほとんど消失しな
い。
いが、通常の短繊維をカード処理して不織布化すること
が可能である。長繊維の不織布の製造方法であるスパン
ボンド法やメルトブロー法なども繊維の脱落のないリン
トフリー性が求められるフィルターやワイパー用途に好
ましい。
る場合は、繊維径が0.1〜20μmの間にあることが
好ましい。20μmを越えると、濾過精度やワイピング
性が低下するので好ましくない。特に好ましくは、0,
1〜10μmの間にあることが好ましい。10μm以下
の繊維を用いる場合は、メルトブロー法を適用すること
が特に好ましい。短繊維の不織布として用いる場合は、
レーヨンや綿などの天然繊維を混ぜて不織布化しても良
い。また、別の織布、不織布やフィルムなどと積層して
使用しても良い。
は、通常の直流コロナ処理を用いる事が可能である。印
加する電圧は高い方がより高い静電気力を付与すること
が可能であるが、スパーク等の問題を生じる可能性があ
るため20kV前後が好ましい。
であるが、時間が長すぎてもあまり性能差がなく、適当
な処理時間を選択することが可能である。通常の処理す
る温度は20℃前後の室温からポリマーの融点の間の温
度を適用することが可能であるが、脂肪族ポリエステル
では、高温で処理したほど高温での静電気力の安定性が
向上するため50〜130℃くらいの温度で処理を行う
のが好ましい。
ことが好ましい。目付が高すぎると、フィルターとして
使用した場合の圧力損失が大きくなったり、ワイパーと
して使用した場合に嵩高になりすぎて好ましくない。
場合は、40〜130℃の間の温度で濾過速度1〜50
cm/秒で濾過した際に静電気力によりサブミクロン粒
子を捕集することが好ましい。40℃以下の温度でも使
用可能であるが、本発明の不織布の高温での静電気力の
安定性を考えると、40〜130℃で使用するのが有効
である。室温において使用する場合も、トラップされた
電荷の安定性が良く長期にわたり安定した性能が得られ
るためクリーンルームなどでの使用に好適である。ま
た、本発明における脂肪族ポリエステルを主成分として
いるフィルターは、トラックなどで運搬する際に車内の
温度が40℃を越える場合にも安心して使用可能であ
る。もちろん、使用後のフィルターは捕集粒子が環境に
影響を与えるような有害物質でない限り、使用後に土壌
中に埋設することで生分解処理されるため環境にやさし
いものである。
合は、静電気力で机などのゴミを集めて保持するためワ
イピング性能がよくなる。概してフィルター性能が高い
ほど、ワイピング性能も良くなる。
価は以下の方法により測定した値を採用した。 (還元比粘度)溶媒をクロロホルムとして、試料ポリマ
ーを0.5g/dl秤量し、溶かした試料溶液により、
ウベローデ粘度計を用い測定した。 (酸価)試料ポリマーをクロロホルム/メタノール(体
積比1:1)混合溶媒に溶解し、この溶液をナトリウム
メトキシド/メタノール溶液で滴定することにより測定
した。
り出し重量を測定した後、1m2あたりに換算した。 (平均繊維径)不織布の表面像を走査型電子顕微鏡で1
500倍の倍率で撮影した。繊維断面が円形であると仮
定して、各繊維側面の端部間の距離を測定して繊維径と
した。100本の繊維をランダムに選んで測定を実施
し、算術平均した値を平均繊維径(μm)とした。
織布を通過させ、入口側および出口側の0.3〜0.5
μmの大気塵をダスト粒子濃度(個/cc)を光散乱方
式の粒子濃度計により測定し、以下の式により濾過精度
を測定した。 濾過精度(%)=(1−((出口濃度)/(入口濃
度)))×100 (圧力損失)上述のように濾過精度を測定したときの入
口側と出口側の圧力を測定して、その差より圧力損失
(mmAq)を計算した。
g)の分子末端カルボキシル基をラウリルアルコールで
エステル化したポリ乳酸よりなる平均繊維径2.6μ
m、目付30g/m2の不織布を210℃の温度でメル
トブロー法により紡糸して作成した。得られた不織布を
80℃の雰囲気温度で20kVの電界で15秒処理をし
て荷電処理を行った。得られた不織布そのもの、および
120℃で24時間熱処理を行ったのち室温まで冷却
し、24時間60%RHの雰囲気下においてから不織布
のエアーフィルター性能を測定し、結果を表1に示し
た。不織布の濾過精度は、熱処理の前後でほとんど低下
しておらず良好なフィルター特性を示した。
フィルター性能を測定した。結果を表1に示した。熱処
理しても濾過精度はあまり変わらないが、これは静電気
力によるフィルトレーション効果がをほとんどないため
であり、実施例1と比べると濾過精度が低くフィルター
としての特性にかなり劣るため問題であった。
なる平均繊維径2.6μm、目付30g/m2の不織布
を250℃の温度でメルトブロー法により紡糸して作成
した。得られた不織布を80℃の雰囲気温度で20kV
の電界で15秒処理をして荷電処理を行った。得られた
不織布そのもの、および120℃で24時間熱処理を行
ったのち室温まで冷却し、24時間60%RHの雰囲気
下においておいてから不織布のエアーフィルター性能を
測定した。結果を表1に示した。常温での性能は、実施
例1とかわらず、静電気力による濾過が行われているこ
とがわかる。しかしながら、熱処理後は未荷電のポリ乳
酸の濾過精度並となっており、静電気力による捕集が起
こっていないことがわかる。
の高温での安定性が良く、長期にわたり安定した性能が
得られるため、フィルターやワイパー用途に好適であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】平均繊維径が0.1〜20μmの脂肪族ポ
リエステルを主成分とするポリマーの繊維よりなる荷電
処理された不織布を含む、高温での荷電特性に優れた荷
電不織布。 - 【請求項2】平均繊維径が0.1〜10μmであり、目
付が5〜80g/m2である請求項1記載の荷電不織
布。 - 【請求項3】請求項1あるいは2に記載の不織布を含む
フィルターであって、40〜130℃の間の温度で濾過
速度1〜50cm/秒で濾過した際に、静電気力により
サブミクロン粒子を捕集することが可能な高温荷電フィ
ルター。
Priority Applications (1)
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JP33241899A JP3716969B2 (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 荷電不織布 |
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Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
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WO2003103801A1 (ja) * | 2002-06-06 | 2003-12-18 | 東洋紡績株式会社 | エレクトレット濾材、及びその製造方法 |
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-
1999
- 1999-11-24 JP JP33241899A patent/JP3716969B2/ja not_active Expired - Fee Related
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