JP2001145828A - 真空チャンバー構成部材 - Google Patents

真空チャンバー構成部材

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JP2001145828A JP33194199A JP33194199A JP2001145828A JP 2001145828 A JP2001145828 A JP 2001145828A JP 33194199 A JP33194199 A JP 33194199A JP 33194199 A JP33194199 A JP 33194199A JP 2001145828 A JP2001145828 A JP 2001145828A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐食性に優れ、部品寿命が長く、高いスループ
ットに寄与すると同時に、ばらつきのない安定した真空
チャンバー構成部材を提供する。 【解決手段】ラマン分光分析において、波数1333c
-1付近に第1のピーク1と波数1550cm-1付近に
第2のピーク2とを有し、前記第1のピークに対する前
記第2のピークの強度比Rが0.2以下であり、かつ第
1のピークの半値幅Wが20cm-1以下であるダイヤモ
ンド多結晶薄膜を表面に設けてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系または塩
素系腐食性ガス或いはそれらのガスのプラズマに対して
高い耐食性を有し、不純物の発生が少なく、半導体素子
の製造装置に適した真空チャンバー構成部材に関するも
のであり、特に、プラズマ処理装置における内壁部材や
シリコンウエハの外周部分に設けられるフォーカスリン
グ、シングルリング、シールドリング、カラーリングお
よびクランプリングとして好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子や液晶などの高集積回路形成
においてプラズマの利用が近年急速に進んでいる。この
分野におけるプラズマプロセスとしては、薄膜形成、エ
ッチングおよびクリーニングなどがある。中でも、フッ
素または塩素等を含むハロゲン系腐食性ガスの反応性が
高く、特にドライエッチングやプラズマクリーニングに
おいて、真空チャンバー構成部材(以下、単に部材とい
うことがある。)が過酷な使用環境に置かれている。
【0003】したがって、上記の腐食性ガスおよびその
プラズマに接触する部材は、高い耐食性が要求され、例
えば従来から腐食性ガスプラズマに接触する部材は、一
般にガラスや石英やステンレス、モネル等の金属、およ
び、セラミック材料としてアルミナや窒化アルミニウム
が使用されている。特に、アルミナは高純度の焼結体が
比較的安価に製造でき、耐食性にも優れることから耐食
性部材として半導体製造プロセスに用いられている。
【0004】しかし、真空チャンバー構成部材表面の材
料を、従来から用いられているガラス、石英または金属
で構成すると、フッ素系または塩素系プラズマに接した
部材表面の材料が蒸発して消耗が非常に激しく、部材の
寿命が短くなる。さらには、金属不純物がウエハ表面を
汚染し、熱処理行程などを通し、デバイス内部まで拡散
し、デバイスの特性を劣化させてしまう恐れがあった。
【0005】また、アルミナ、窒化アルミニウム等のセ
ラミック材料は、ガラス、石英および金属に比較してフ
ッ素系ガスに対する耐食性に優れるものの、プラズマと
接すると腐食が徐々に進行し、ウエハ表面をアルミニウ
ムが汚染し、同様にデバイスの特性劣化を招く危険があ
った。
【0006】そこで、腐食されてもウエハ表面の汚染の
影響が小さい材料としてカーボンが注目され、カーボン
を部材に使用することが提案されている。例えば、特開
平10−96082号公報では、ダイヤモンドやダイヤ
モンド状炭素などの炭素をベースとした被膜を有した基
板処理装置が開示されている。これらの炭素は、エッチ
ングやクリーニング時にプラズマプロセスで使用するエ
ッチングガスが分解または活性化して生成した反応物質
への耐性が高く、処理チャンバーの構成部材の寿命を延
ばすことができる。
【0007】したがって、真空チャンバー構成部材表面
を炭素ベースの被膜とすることにより、腐食性の高いプ
ラズマに対する耐性が改善され、かつプラズマとの接触
により部材から炭素が蒸発してもウエハ汚染の影響は小
さいため、デバイスの特性を劣化させる危険は減少し
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−96082号公報で開示された炭素からなる薄膜
を半導体素子の製造工程、例えば塩素系ガスプラズマま
たはフッ素系ガスプラズマを使用するエッチング工程で
は、ダイヤモンド状炭素薄膜やダイヤモンド多結晶薄膜
が治具に用いられると、その治具がプラズマおよびアフ
ターグローに接触する位置にある場合には、耐食性が十
分ではなく、部材の寿命が不十分なために、製造プロセ
スを停止して部品を頻繁に交換する必要があり、スルー
プットが悪くなるという問題があった。
【0009】また、ダイヤモンド多結晶薄膜が製造方法
や製造条件によっても塩素系またはフッ素系プラズマに
対する耐食性にばらつきを生じ、ダイヤモンド多結晶薄
膜の結晶構造や不純物と耐食性との因果関係が不明であ
るために、特性が不安定であるという問題があった。
【0010】したがって、本発明は、耐食性に優れ、部
品寿命が長く、高いスループットに寄与すると同時に、
ばらつきの少ない安定した真空チャンバー構成部材を提
供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の真空チャンバー
構成部材は、ラマン分光分析において、波数1333c
-1付近に第1のピークと波数1550cm-1付近に第
2のピークとを有し、前記第1のピークに対する前記第
2のピークの強度比が0.2以下であり、かつ第1のピ
ークの半値幅が20cm-1以下であるダイヤモンド多結
晶薄膜を基体表面に設けてなることを特徴とするもので
あり、これによりダイヤモンド結晶よりも腐食性の高い
非晶質炭素またはグラファイト質炭素の量を少なくで
き、部材の耐腐食性が向上して部品としての寿命が長く
なり、スループットを高めることができる。
【0012】すなわち、ダイヤモンド多結晶薄膜におい
て、結合エネルギーの高いダイヤモンド結晶の割合が増
えてダイヤモンド結晶性が向上すると、耐食性の劣る非
晶質やグラファイト質の炭素が塊状で存在せず、主とし
てダイヤモンド多結晶薄膜の結晶粒子の2面間や3重点
などの粒界相に存在するようになるが、ラマン分光分析
の前記第1のピークに対する前記第2のピークの強度比
(以下、単にピーク比ということがある。)を0.2以
下とし、かつ第1のピークの半値幅を20cm -1以下と
することにより、粒界相の非晶質やグラファイト質の炭
素を減らすことができ、急激で部分的な粒界腐食がなく
なり、腐食は徐々に進行するために特性が安定する。
【0013】特に、ダイヤモンド多結晶薄膜の結晶粒子
の平均粒径が10μm以上であることが、粒界の総面積
を減らし、粒界に形成される非晶質相が減少して耐食性
が向上するので好ましい。
【0014】また、ダイヤモンド多結晶薄膜の厚みが5
0μm以上であることが、結晶粒径を大きくでき、また
腐食によって膜厚が徐々に減少してもより長い時間連続
して製造プロセスを維持することができるので好まし
い。
【0015】さらに、少なくともウエハと接触する面の
表面粗さRaが0.8μm以下であることが、ウエハに
与えるダメージを減少し、またウエハとの摩擦で発生す
るパーティクルの量を低く抑制するので好ましい。
【0016】さらにまた、基体が珪素または珪素化合物
からなることが、珪素を主体とするために、薄膜との密
着性が向上するので好ましい。
【0017】また、ダイヤモンド多結晶薄膜をプラズマ
ジェット法により作製することが、高速で成膜が可能で
あるとともに、ダイヤモンド多結晶薄膜の結晶性が高
く、ラマン分光分析において波数1333cm-1付近に
第1のピークと波数1500cm-1付近に第2のピーク
とを有し、ピーク比が0.2以下であり、第1のピーク
の半値幅が20cm-1以下となるダイヤモンド多結晶薄
膜を安定して得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、ダイヤモンド多結晶薄
膜の耐食性にダイヤモンド結晶の結晶性が大きく影響し
ているという知見に基づくもので、ダイヤモンド多結晶
薄膜の結晶粒子の2面間や3重点などの粒界相に存在す
るダイヤモンド結晶以外の非ダイヤモンド質炭素、例え
ば、非晶質炭素、グラファイト質炭素またはダイヤモン
ドライクカーボンなどを排除することにより、耐食性に
優れ、部品寿命が長く、高いスループットに寄与し、ば
らつきのない安定した部材を提供できるとの知見に基づ
く。
【0019】すなわち、本発明の真空チャンバー構成部
材は、図1に示すようにラマン分光分析において、波数
1333cm-1付近に第1のピーク1と波数1550c
-1付近に第2のピーク2とを有し、第1のピーク1に
対する第2のピーク2の強度比が0.2以下であり、か
つ第1のピーク1の半値幅が20cm-1以下であるダイ
ヤモンド多結晶薄膜を所定の基体表面に設けてなること
を特徴とするものである。
【0020】ただし、ピーク強度は、各ピークの両側の
極小点を結んで基準線とし、ピークの頂点から縦軸と水
平に直線を引いた時に、基準線と交わった点から頂点ま
での長さがピーク強度であり、ピーク強度の1/2高さ
の位置におけるピーク幅を半値幅とした。例えば、図1
において、第1のピーク1と第2のピーク2の基準線は
それぞれ基準線3、基準線4とした時、半値幅は18c
-1となり、ピーク強度比は0.08であった。
【0021】また、図2に示すように、従来の部材のラ
マンスペクトルにおいて波数1333cm-1付近に第1
のピーク11と波数1550cm-1付近に第2のピーク
12とがあるが、いずれもピークはブロードである。波
数1333cm-1付近の第1のピーク11はダイヤモン
ドに起因するもので、波数1550cm-1付近の第2の
ピーク12はダイヤモンド状炭素に起因するものであ
る。したがって、ダイヤモンド結晶が少ない、またはダ
イヤモンド結晶の結晶性が悪い場合に図2のようなスペ
クトルが見られる。
【0022】図2において、ピークの両側にある極小点
を結ぶと、基準線13および基準線14が得られる。こ
れらの基準線は横軸に対して並行にならないが、極小点
同士を結べば、基準線が斜めになっても差し支えない。
この時、半値幅は64cm-1で、ピーク強度比は0.5
であった。
【0023】なお、ピーク位置は所定の位置よりずれる
ことがある。特に、ブロードになるほどばらつきが大き
くなる傾向がある。しかし、第1のピークは1333c
-1±50cm-1、第2のピークは1550cm-1±5
0cm-1の範囲内であれば、ピーク位置がずれていても
何ら差し支えない。
【0024】本発明によれば、前記ピーク比が0.2以
下であると、非ダイヤモンド質炭素の量が少なくなり、
耐食性が良好となる。この比が、0.1以下であるとさ
らに好ましく、腐食量が一層少なくなり、部材の寿命が
延び、スループットを向上する効果が期待できる。
【0025】また、第1のピーク1の半値幅が20cm
-1以下であると、ダイヤモンド結晶粒子の結晶性が十分
高く、腐食性の強いガスプラズマに対しても高い耐食性
を示すことが可能となる。この半値幅が15cm-1以下
であると、さらに好適である。逆に、半値幅が20cm
-を越えるとダイヤモンドの結晶性が低くなり、結晶粒
子も細かくなって、薄膜の耐腐食性が低下し、部品寿命
が短くなる。
【0026】ダイヤモンド薄膜の結晶粒子の平均粒径は
10μm以上、好ましくは20μm以上とすることが好
ましい。これは、10μmより小さいと、粒界の量が増
加し、粒界に形成される非晶質相も増加するために耐食
性が低下する傾向にあるためである。
【0027】また、ダイヤモンド多結晶薄膜の厚みを5
0μm以上、好ましくは60μm以上とすることが好ま
しい。すなわち、基体上にダイヤモンドを成膜するとき
に初期段階では粒子サイズが小さく、膜が厚くなるに従
って大きくなる傾向があり、大きな粒径を得るために、
膜が厚い方が好ましい。したがって、平均粒径を10μ
m以上として、長時間の部品寿命を得るためには、50
μm以上の膜厚が必要となる。
【0028】さらに、少なくともウエハと接触する面の
表面粗さRaを0.8μm以下、好ましくは0.5μm
以下、さらには0.1μmにすることが望ましい。0.
8μmを越えると表面が粗れており、ウエハに接した
時、ダメージを与えるとともに、ウエハとの摩擦でパー
ティクルが発生してしまう。また、ウエハに接触しない
面の表面粗さRaも0.8μm以下であることが、耐食
性を高める上で好ましい。
【0029】特に、0.5μm以下、さらに0.1μm
にすることで、より耐食性を向上でき好ましい。これ
は、表面に凹凸があると、その凹凸を強調するようにエ
ッチングが進行し、表面粗さが悪くなると共に、耐食性
が極端に低下するためである。
【0030】さらにまた、基体が珪素または珪素化合物
からなることが好ましい。すなわち、珪素を主体とする
ために、ダイヤモンド多結晶薄膜との熱膨張差が小さ
く、残留応力が小さいため剥離やクラックを抑制でき
る。
【0031】基体として珪素を用いる場合、単結晶シリ
コン、多結晶シリコンのどちらを用いて良い。また、珪
素化合物を用いる場合、窒化珪素、酸窒化珪素、炭化珪
素、二酸化珪素のいずれでも良い。窒化珪素は、窒化珪
素粉末に希土類酸化物等の焼結助剤を添加し、各種の成
形方法で所定の形状に成形した後、雰囲気焼成にて焼成
する。酸窒化珪素も酸窒化珪素粉末に希土類酸化物等の
焼結助剤を添加し焼成する。これらの焼結体表面を加工
後、更にCVD法などの薄膜形成法により密着性を向上
させるために、炭化珪素膜を形成させても良い。
【0032】基体として用いる炭化珪素は、炭化珪素粉
末に硼素および炭素を添加した焼結体、または、酸化ア
ルミニウムおよび希土類酸化物等の焼結助剤を添加した
焼結体などがある。なお、薄膜形成法、特に熱CVD法
により、数mmの炭化珪素膜をカーボン等の基体の上に
形成させ、形成後に基体を除去したものを用いても良
い。
【0033】二酸化珪素基体には、石英ガラス、焼結石
英を用いる。二酸化珪素はダイヤモンド多結晶薄膜との
熱膨張差が大きいため、窒化珪素膜を形成させた後炭化
珪素膜をコーティングするなどの応力緩和層を設けるこ
とが好ましい。
【0034】ところで、ダイヤモンド多結晶薄膜は結晶
性の高いものが安定して得られる方法であれば特定の方
法に限定するものではない。しかし、メタンガス、水素
ガス、アルゴンガスを所定の流量で流し、電圧と電流を
制御したプラズマジェットを利用したアーク放電プラズ
マジェット法により作製することが、高速で成膜が可能
であるとともに、ダイヤモンド多結晶膜の結晶性が高
く、結晶粒子も大きくできるので特に好ましい。
【0035】例えば、アーク放電プラズマジェット装置
は、図3に示すように真空容器21の中に、筒状の陽極
22と棒状の陰極23とが一体となった電極間24に、
原料ガスのメタンと水素と放電を安定化させるためのア
ルゴンガスを流し、陽極22と棒状の陰極23の間に直
流電圧27を印加し、陰極23の先端部でアーク放電を
発生させる。このアーク放電でプラズマ化した原料ガス
は、冷却されている基板ホルダー25に載置された基体
26に達して、ダイヤモンド多結晶薄膜が形成される。
【0036】したがって、薄膜の耐腐食性を向上させる
ためには、ガス流量、ガス組成、直流電圧、直流電流、
圧力を制御することで、前記第1のピークに対する前記
第2のピークの強度比を0.2以下、第1のピークの半
値幅を20cm-1以下、結晶粒子の大きさを10μm以
上とすることができ、結晶性の高いダイヤモンド多結晶
薄膜を安定して得ることができる。
【0037】なお、本発明の部材が曝されるフッ素系及
び塩素系腐食ガスまたはプラズマとは、SF6,CF4
ClF3,NF3,HF等のフッ素系ガス、またはC
2,BCl3,HCl等の塩素系ガスが挙げられ、特
に、これらのガスが導入された雰囲気にマイクロ波や高
周波等を導入してこれらのガスがプラズマ化されたもの
であり、所望によりArなどの不活性ガスを加えること
ができる。
【0038】
【実施例】基体として、単結晶シリコン、多結晶シリコ
ン、炭化珪素焼結体、窒化珪素焼結体、石英を用いた。
比較のため、アルミナ焼結体を使用した。
【0039】ダイヤモンド多結晶薄膜の作製は、図3の
アーク放電プラズマジェット装置(A)を用いて行っ
た。また、比較として、マイクロ波プラズマCVD法
(B)を用いた。
【0040】アーク放電プラズマジェット法では、メタ
ンガス30slm、水素ガス40slm、アルゴンガス
5slmの流量、放電電圧80kV、放電電流30A、
基体温度80℃、圧力20Pa、スキャン速度50mm
/minで試料を動かして直径150mmの基体上に2
時間析出し、ダイヤモンド多結晶薄膜を作製した。
【0041】また、マイクロ波プラズマCVD法では、
予め、基板表面をダイヤモンド砥粒で前処理をした後、
更にCVD装置内でダイヤモンド核形成処理をした後、
メタンガス0.2slm、二酸化炭素0.03slmの
流量、圧力6Pa、マイクロ波出力3.5kWで、直径
150mmの基体上に50時間ダイヤモンド多結晶薄膜
を形成した。
【0042】作製したダイヤモンド多結晶薄膜の評価
は、ラマン分光装置を用いて分光スペクトルを測定し
た。波数1333cm-1付近の第1ピークのピーク強度
と、波数1550cm-1付近の第2ピークのピーク強度
を算出した。そして、ピーク比Rと第1ピークの半値幅
をWとを算出した。
【0043】また、膜厚は、光学顕微鏡で薄膜の断面を
写真撮影して3箇所の厚みを測定して平均値を算出し
た。さらに、ダイヤモンド結晶の大きさは、走査型電子
顕微鏡にて、表面を観察し、ダイヤモンド結晶の四角錐
の大きさを30個平均して求めた。さらにまた、表面粗
さRaは、ウエハと接する面を触針式表面粗さ計にて測
定した。
【0044】さらに、エッチングテストを行って耐食性
を評価した。すなわち、各材料を一辺が20mm×20
mmで厚みが1mmの試験片を作製し、加工後に表面を
鏡面加工してRaを0.3μm以下とし、RIE(反応
性イオンエッチング)装置を用いて、フッ素系ガスCF
4+CHF3+Arにてプラズマエッチング試験を行い、
テスト前後の重量変化からエッチング率を算出した。ま
た、膜厚とエッチング率から製品の寿命を予測した。エ
ッチング試験は、ガス流量100sccm、内圧5P
a、RF出力0.8w/cm2、エッチング時間を5時
間とした。
【0045】また、各種基体(直径150mm、厚み2
mm)上にシリコンウエハを置き、さらにその上に1k
gの重りをのせてこすり合わせ、パーティクルの有無を
Siウエハの接触面の凹凸をレーザー散乱によって検出
し、パーティクルカウンターにて0.3μm以上のパー
ティクル個数をカウントした。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】半値幅が20cm-1以下である本発明の試
料No.3〜5は、エッチング率が5nm/min以
下、寿命が308時間以上、パーティクルが20個以下
であった。また、ピーク比が0.2以下である本発明の
試料No.7〜10は、エッチング率が5nm/min
以下、寿命が256時間以上、パーティクルが25個以
下であった。
【0048】さらに、ダイヤモンド多結晶結晶の粒子径
が5〜30μmである本発明の試料No.11〜15
は、エッチング率が5nm/min以下、寿命が250
時間以上、パーティクルが27個以下であった。特に、
粒子径が10μm以上である試料No.12〜15は、
エッチング率が3nm/min、寿命が300時間以
上、パーティクルが25個以下であった。また、表面粗
さが0.01〜0.8μmである本発明の試料No.1
6〜19は、エッチング率が3nm/min以下、寿命
が335時間以上、パーティクルが25個以下であっ
た。
【0049】基体が多結晶シリコンである本発明の試料
No.20、窒化珪素を基板に用いた本発明の試料N
o.21、窒化珪素基体にCVDにより炭化珪素を被覆
したものを基体として用いた試料No.22、および炭
化珪素を基体として用いた試料No.23は、エッチン
グ率が3nm/min以下、寿命が420時間以上、パ
ーティクルが14または15個であった。
【0050】一方、ピーク比が0.3と0.2より大き
く、半値幅が50cm-1と20cm -1より大きな試料N
o.1は、エッチング率が12nm/min、寿命が1
44時間、パーティクルが55個であった。また、半値
幅が25cm-1と20cm-1より大きな試料No.2
は、エッチング率が10nm/min、寿命が153時
間、パーティクルが45個であった。さらに、ピーク比
が0.25の試料No.6は、エッチング率が10nm
/min、寿命が149時間、パーティクルが38個で
あった。
【0051】また、基体がダイヤモンド多結晶薄膜を設
けてない基体のみの試料No.24〜26は、エッチン
グ率が18nm/min以上、寿命が105時間以下で
あった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、結晶性の高いダイヤモ
ンド多結晶薄膜を用いることによって、耐食性に優れ、
部品寿命が長く、高いスループットに寄与すると同時
に、ばらつきのない安定した真空チャンバー構成部材を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空チャンバー構成部材のラマン分光
分析スペクトルである。
【図2】従来の真空チャンバー構成部材のラマン分光分
析スペクトルである。
【図3】アーク放電プラズマジェット装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1・・・第1のピーク 2・・・第2のピーク 3・・・第1のピークの基準線 4・・・第2のピークの基準線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラマン分光分析において、波数1333c
    -1付近に第1のピークと波数1550cm-1付近に第
    2のピークとを有し、前記第1のピークに対する前記第
    2のピークの強度比が0.2以下であり、かつ第1のピ
    ークの半値幅が20cm-1以下であるダイヤモンド多結
    晶薄膜を基体表面に設けてなることを特徴とする真空チ
    ャンバー構成部材。
  2. 【請求項2】ダイヤモンド多結晶薄膜の結晶粒子の平均
    粒径が10μm以上であることを特徴とする請求項1記
    載の真空チャンバー構成部材。
  3. 【請求項3】ダイヤモンド薄膜の厚みが50μm以上で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の真空チャ
    ンバー構成部材。
  4. 【請求項4】前記薄膜の表面粗さRaが0.8μm以下
    であり、該薄膜表面にウエハが搭載されることを特徴と
    する請求項1乃至3のうちいずれかに記載の真空チャン
    バー構成部材。
  5. 【請求項5】基体が珪素または珪素化合物からなること
    を特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の真
    空チャンバー構成部材。
  6. 【請求項6】ダイヤモンド多結晶薄膜がプラズマジェッ
    ト法により作製されてなることを特徴とする請求項1乃
    至5のうちいずれかに記載の真空チャンバー構成部材。
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