JP2001143220A - 磁気ヘッドの形成方法及び薄膜堆積装置 - Google Patents

磁気ヘッドの形成方法及び薄膜堆積装置

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JP2001143220A
JP2001143220A JP32163599A JP32163599A JP2001143220A JP 2001143220 A JP2001143220 A JP 2001143220A JP 32163599 A JP32163599 A JP 32163599A JP 32163599 A JP32163599 A JP 32163599A JP 2001143220 A JP2001143220 A JP 2001143220A
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convex portion
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forming
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Masatoshi Yoshikawa
川 将 寿 吉
Susumu Hashimoto
本 進 橋
Michiko Hara
通 子 原
Tomohiko Nagata
田 友 彦 永
Takeo Sakakubo
武 男 坂久保
Hiroaki Yoda
田 博 明 與
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルフアライメント的な製造方法で形成され
るトレンチポール構造の磁気ヘッドの形成方法及びこの
方法に用いて好適な薄膜堆積装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】 絶縁膜の形成の途中において、間欠的に
基体を180度回転し、または、間欠的に90度刻みで
回転し、または、十分に大きいターゲットに対向させつ
つ平行移動させることにより、飛来粒子数の入射角度分
布を基板面全面において等しくし、優れた凸部形状基板
面内均一性・再現性・制御性と、下磁極凸部とトレンチ
により形成される上磁極先端部の優れたアライメント性
・基板面内均一性と、および優れたスループットとを同
時に満足することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドの形成
方法及び薄膜堆積装置に関する。より詳細には、本発明
は、凸形状を有する下磁極と、それに自己整合するよう
に開口されたトレンチを利用して形成された先端部を有
する上磁極と、を有するいわゆるセルフアライメント・
トレンチポール構造の磁気ヘッドの形成方法及びその絶
縁層を堆積するために用いて好適な薄膜堆積装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化が進み、HD
D(Hard Disc Drive)では10Gbpsi(Giga bit per s
quare inch)を越える高記録密度を有する磁気記録再生
システムが実用化されようとしている。今後さらなる高
記録密度化が要求されている。このように高記録密度に
なるに従い、記録ビットサイズはますます小さくなる。
【0003】記録密度を上げるためにはビット長および
トラック幅を小さくすることが必要となる。近年、ビッ
ト長を小さくすることは記録媒体の熱擾乱の問題から限
界にきている。従って、トラック幅を狭くすることが今
後の高記録密度化には必須となる。
【0004】高密度磁気記録再生システムにおいて、再
生ヘッドには異方性磁気抵抗効果(anisotropic magnet
oresistance effect)を利用した磁気抵抗効果型ヘッド
が用いられていたが、近年では、さらに巨大磁気抵抗効
果(giant magnetoresistance effect)を利用したさら
に高感度なスピンバルブ型磁気抵抗効果型ヘッドが部分
的に実用化され始めており、狭トラック化に対しては一
応の目処は立っている。
【0005】一方、記録ヘッドについても狭トラック化
に対応するために様々な構造およびその製造方法が提案
されている。
【0006】図13は、狭トラック化に対応した記録ヘ
ッドの要部構成を概念的に表す斜視図である。すなわ
ち、記録ヘッド100は、基板102の上に下磁極10
4、絶縁層106、上磁極108がこの順に積層された
構成を有する。図13は、図示しない記録媒体に対向す
る媒体対向面側から眺めた斜視図であり、下磁極104
と上磁極108は、媒体と対向する先端部において互い
に突出した先端部(凸部)104P、108Pを有す
る。これら凸部104P、108Pの先端は、磁気ギャ
ップとして作用する絶縁層106を介して近接対向して
いる。そして、コイル110により発生された磁界は凸
部104P、108Pに集中され、磁気ギャップの外側
に漏洩した磁束成分によって記録媒体に対する書き込み
がなされる。そして、凸部104P、108Pの幅Wに
よって記録媒体のトラック幅が決定される。
【0007】また、図13の構成は、再生ヘッドの場合
についても適用が可能であり、磁気ギャップにおいて高
い空間分解能により検出した媒体の磁界をコイル110
または、図示しないGMR素子などを用いて電気信号に変
換して出力することが可能である。
【0008】さて、図13に例示したような磁気ヘッド
における近年の最重要課題は、狭トラック化に伴い、上
磁極の先端部108Pと下磁極の先端部104Pとを正
確に位置合わせする技術の開発である。これに対して
は、いくつかの方法がすでに提案されている。中でも上
磁極の先端部108Pと下磁極の先端部104Pとを自
己整合させる、いわゆる「セルフ・アライメント」的な
製造方法が注目を集めており、今後の狭トラック化に対
応する記録ヘッドの作製方法としては主流になると考え
られる。
【0009】本発明者らは、すでに特開平10―214
407号において狭トラック化に対応可能なトレンチポ
ール構造を有する記録ヘッド構造を提案し、さらに、そ
の記録ヘッドにおいて上下磁極先端部を自己整合させ
る、すなわちセルフアライメント的な製造方法を提案し
ている。
【0010】図14及び図15は、本発明者が提案した
セルアライメント製法によるトレンチポール構造を有す
る磁気ヘッドの形成プロセスの要部を表す概略工程断面
図である。同図を参照しつつそのプロセスについて説明
すると以下の如くである。
【0011】まず、図14(a)に表したように、基板
102の上に下磁極104に相当する磁性体膜を成膜す
る。そして、その磁性体膜の上にフォトリソグラフィ工
程を用いて、凸部形成用レジストマスク200を形成す
る。
【0012】次に、図14(b)に表したように、磁性
体膜104をエッチングして下磁極凸部104Pを形成
する。エッチングの方法としては、イオンミリングやR
IE(リアクティブ・イオン・エッチング)などの方法
を用いることができる。
【0013】次に、図14(c)に表したように、下磁
極104の上にストッパー層106Aおよび絶縁膜10
6Bを成膜する。ここで、これらの絶縁膜は、凸形状に
加工された下磁極104の先端部104Pの上にその形
状が転写されるように形成しなければならない。つま
り、絶縁膜106Bの表面には、下磁極の凸部104P
を反映した凸部106Pが形成されるようにする。な
お、絶縁膜106Bの材料としては、SiOxやAlO
xなどの酸化物やAlNxやSiNxなどの窒化物また
はこれらを合わせたAl―O―N、Si−O−Nなどの
酸窒化物を用いることができる。また、ストッパー層1
06Aも絶縁物からなり、後の工程におけるトレンチ形
成の際にエッチングの終点を規定する役割を有する。同
時にストッパー層106Aは、磁気ギャップとしても兼
用される。
【0014】次に、図14(d)に表したように、平坦
化処理を行う。すなわち、粘度の低いフォトレジスト、
あるいは液化ガラスなどの平坦化剤を絶縁膜上に形成す
る。この処理によって表面はほぼ平坦化層202で覆わ
れ、ある程度平坦となる。
【0015】次に、図 15(a)に表したように、表
面をエッチングして、さらに平坦化を進める。この時
に、絶縁膜の凸部106Pと平坦化層202のエッチン
グ速度が等しくなるようにエッチングのガス種、流量、
圧力などを調節して、エッチングを行う。そして、絶縁
膜の凸部106Pを所定の位置までエッチングしたとこ
ろでエッチングを終了する。
【0016】次に、図15(b)に表したように、平坦
化層202をマスクとして利用して、絶縁膜106Bを
エッチングし、所望のトレンチTを形成する。このエッ
チング工程において、ストッパー層106Aは、エッチ
ングの終点を規定する役割を有する。
【0017】次に、図15(c)に表したように、平坦
化層202を除去し、トレンチT内に磁性体を埋め込ん
で上磁極108を形成する。磁性体の堆積は、メッキ法
やスパッタ法などにより行うことができる。このように
して、上磁極の凸部108Pを下磁極の凸部104Pと
をセルフアライメント的に整合させて形成することがで
きる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上説明した
一連のプロセスから分かるように、絶縁膜に形成される
凸部106Pが下磁極の凸部104Pの位置からずれた
り、絶縁膜の凸部106Pの側面の傾斜角度が左右対称
でない場合には、セルフアライメントしないことにな
る。
【0019】図16は、絶縁膜の凸部106Pと下磁極
の凸部104Pとの関係を表す概念図である。すなわ
ち、同図(a)は、両者が適正に形成された場合の断面
構造を表し、同図(b)は、絶縁膜の凸部106Pの位
置が下磁極の凸部104Pに対して、ΔWだけずれた場
合を例示した断面図である。磁気ヘッドの下磁極と上磁
極とを所定の幅で対向させるためには、絶縁膜の凸部1
06Pの上下の幅Wt、Wbや、側面の角度α、βをそ
れぞれ適正な範囲にする必要がある。同時に、絶縁膜の
凸部106Pが下磁極の凸部104Pの直上に正確に形
成される必要がある。
【0020】これに対して、同図(b)に例示したよう
に両者がずれると、絶縁膜の凸部106Pの形状が仕様
を満たしていたとしても、その後のトレンチ形成の段階
で、下磁極凸部104Aと自己整合(セルフアライメン
ト)できなくなる。このように、上述したセルフアライ
メント的な製造方法においては、トレンチポールを形成
するための絶縁膜106の成膜がキーポイントとなる。
【0021】凸部の上に形成されるSiOxなどの絶縁
膜の凸部の形状の堆積に伴う変化は、半導体などの分野
において詳しく研究されている。その詳細はすでにJ.Va
c.Sci.Technol.,15(3),1105(1978)などにおいて報告さ
れている。一般的には、凸部を有する下地の上に堆積す
る薄膜の表面形状は、その堆積速度とエッチング速度の
イオン入射角度依存性の相関関係により決定される。従
って、凸部上のSiOx等の絶縁膜形成には堆積とエッ
チングが同時に生ずる方法が必要となる。半導体分野で
は、制御性および製造効率などの理由からRFバイアス
を印加可能なスパッタリング装置が推奨されている。し
かし、従来の技術の殆どは、凸部を有する下地の上にい
かに平坦な薄膜層を形成するかという点に注目したもの
であり、薄膜層の表面に形成される凸部の形状対称性、
さらには形状対称性の基板内均一性については、全く議
論されていない。
【0022】現在、装置産業もめざましく発展してお
り、世の中には様々な成膜装置が現存する。スパッタリ
ング装置についていえば、現存の成膜装置は、大きく分
けて2種類に分けられる。基板とターゲットとの相対的
位置が変化しない静止対向型成膜装置と、基板とターゲ
ットの相対的位置が変化する動的成膜装置である。
【0023】静止対向型成膜装置としては、カソードと
してDCマグネトロンスパッタ装置、RF/DCマグネ
トロンスパッタ装置、RFマグネトロンスパッタリング
装置と、ダイオード(2極)スパッタリング装置があ
る。いずれの装置も基板バイアスの印加ができ、カソー
ド制御とは独立に制御可能である。
【0024】一方、動的成膜装置の代表例である基板回
転型成膜装置としては、基板自転型、公転型、自公転型
の3種類がある。一般的に、カソードにはDC/RFマ
グネトロンが用いられる。また、いずれの装置も基板バ
イアス印加が可能である。
【0025】しかし、本発明者らが提案するセルアライ
メント的な製法に上述したような従来の成膜装置により
実施した結果、いずれの形式の装置を用いても、下磁極
の凸部104Pと上磁極の凸部108Pとを十分に正確
に整合させることは困難であった。そして、本発明者
は、独自の検討を進めた結果、この理由は、下磁極の凸
部104Pの上に、その位置と形状とを正確に再現した
絶縁層の凸部106Pを形成することが困難だからであ
ることを知得するに至った。
【0026】つまり、本発明者らが提案するセルフアラ
イメント的な製法を用いたトレンチポール構造の磁気ヘ
ッドの製造工程において、従来の成膜装置では粒子の飛
来方向の制御ができないために、凸形状に加工された下
磁極の直上に凸部の形状を左右対称な形状で転写し、か
つ、転写される絶縁膜の凸部形状が磁気ヘッド製造工程
から決定される両側面の傾斜角度および凸上部の幅など
の仕様を御された状態で満足し、かつ、それらが基板の
所望の範囲内で均一に形成されることは非常に困難であ
った。
【0027】本発明は、かかる課題の認識に基づいてな
されたものである。すなわち、その目的は、前記絶縁膜
の形成装置の飛来粒子数の入射角度分布を基板面全面に
おいて等しくすることにより、優れた凸部形状基板面内
均一性・再現性・制御性と、下磁極凸部とトレンチによ
り形成される上磁極先端部の優れたアライメント性・基
板面内均一性と、および優れたスループットとを同時に
満足する、前記セルフアライメント的な製造方法で形成
されるトレンチポール構造の磁気ヘッドの形成方法及び
この方法に用いて好適な薄膜堆積装置を提供することに
ある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の磁気ヘッドの形成方法は、第1の磁
極の凸部と第2の磁極の凸部とが絶縁層を介して近接対
向してなる磁気ヘッドの形成方法であって、基板上に前
記第1の磁極を形成する工程と、前記第1の磁極の上に
前記第1の磁極の凸部の形状を反映した凸部を有する絶
縁層を堆積する絶縁層堆積工程と、前記絶縁層の表面に
おいて前記凸部の周囲にマスクを形成する工程と、前記
マスクに覆われていない前記絶縁層の凸部をエッチング
してトレンチを形成する工程と、前記トレンチを磁性材
料で充填することにより前記第2の磁極の凸部を形成す
る工程と、を備え、前記絶縁層堆積工程において、前記
第1の磁極が形成された基体を薄膜堆積装置内に導入し
前記凸部のいずれかの側面が公転の半径方向に対して平
行になるように前記基体を支持して前記基体を公転させ
つつ前記絶縁層を堆積し、且つ前記堆積の途中におい
て、前記基体をその主面の垂線を中心として少なくとも
一回間欠的に180度反転させることにより、前記第1
の磁極の凸部の形態を反映させた凸部が表面に形成され
た前記絶縁層を前記第1の磁極の上に堆積することを特
徴とする。
【0029】ここで、凸部のいずれかの側面とは、記録
媒体に対向するABS(Air Bearing Surface)面に対
して垂直な方向の側面であることが望ましい。
【0030】また、本発明の第2の磁気ヘッドの形成方
法は、第1の磁極の凸部と第2の磁極の凸部とが絶縁層
を介して近接対向してなる磁気ヘッドの形成方法であっ
て、基板上に前記第1の磁極を形成する工程と、前記第
1の磁極の上に前記第1の磁極の凸部の形状を反映した
凸部を有する絶縁層を堆積する絶縁層堆積工程と、前記
絶縁層の表面において前記凸部の周囲にマスクを形成す
る工程と、前記マスクに覆われていない前記絶縁層の凸
部をエッチングしてトレンチを形成する工程と、前記ト
レンチを磁性材料で充填することにより前記第2の磁極
の凸部を形成する工程と、を備え、前記絶縁層堆積工程
において、前記第1の磁極が形成された基体を薄膜堆積
装置内に導入し堆積粒子生成源の中心の法線上にはない
点を中心として間欠的に90度刻みで回転させ、再配置
しつつ前記絶縁層を堆積することにより、前記第1の磁
極の凸部の形態を反映させた凸部が表面に形成された前
記絶縁層を前記第1の磁極の上に堆積することを特徴と
する。
【0031】また、本発明の第3の磁気ヘッドの形成方
法は、第1の磁極の凸部と第2の磁極の凸部とが絶縁層
を介して近接対向してなる磁気ヘッドの形成方法であっ
て、基板上に前記第1の磁極を形成する工程と、前記第
1の磁極の上に前記第1の磁極の凸部の形状を反映した
凸部を有する絶縁層を堆積する絶縁層堆積工程と、前記
絶縁層の表面において前記凸部の周囲にマスクを形成す
る工程と、前記マスクに覆われていない前記絶縁層の凸
部をエッチングしてトレンチを形成する工程と、前記ト
レンチを磁性材料で充填することにより前記第2の磁極
の凸部を形成する工程と、を備え、前記絶縁層堆積工程
において、前記第1の磁極が形成された基体を薄膜堆積
装置内に導入しターゲットと前記基体との間にバイアス
電圧を印加してスパッタリングを生じさせることにより
前記ターゲットからの堆積粒子を前記基体の主面上に堆
積させ、且つ前記堆積の途中において、前記基体を前記
ターゲットと対向させつつ回転させることなく平行移動
させ、再配置することにとより、前記第1の磁極の凸部
の形態を反映させた凸部が表面に形成された前記絶縁層
を前記第1の磁極の上に堆積することを特徴とする。
【0032】前記第3の形成方法においては、ターゲッ
トのサイズが基体よりも大きいことが必要とされ、ター
ゲット端部からそれに最も近い基体の端部のでの水平距
離が、成膜時のスパッタリングガス圧におけるスパッタ
リングガスの平均自由行程よりも大きいとが望ましい。
さらには、前記水平距離は、前記平均自由行程の1.5
倍以上であることが望ましい。このようにすれば、ター
ゲット端部付近で発生する極端に乱れてる飛来粒子数の
分布を最小限にとどめることができる。
【0033】また、上記第1乃至第3の形成方法は、
前記絶縁層堆積工程において、前記基体に独立したバイ
アス電圧を印加しつつ前記堆積を行うことが望ましい。
【0034】一方、本発明の第1の薄膜堆積装置は、凸
部を主面上に有する基体上に薄膜を堆積する薄膜堆積装
置であって、前記基体を公転させる公転機構と、前記凸
部のいずれかの側面が前記公転の半径方向に対して平行
になるように前記基体をアライメントするアライメント
機構と、前記基体の前記主面の垂線を中心として前記基
体を間欠的に180度反転させる回転機構と、を備え、
前記アライメント機構により前記基体をアライメントし
前記公転機構により前記基体を公転させつつ前記基体上
に薄膜を堆積する工程の途中において、前記回転機構に
より前記基体を少なくとも一回反転させることにより、
前記凸部の形態を反映させた凸部が表面に形成された薄
膜を前記基体の上に堆積可能としたことを特徴とする。
【0035】ここで、「アライメント機構」とは、後に
詳述するように、成膜室とは別途設けられたアライメン
ト室において、基体Sのオリフラを利用して機械的に凸
部の方向を所定の向きに揃えるものや、光学的手段によ
り凸部の方向を所定の向きに揃えるものであっても良
い。また、これらの機構は、もちろん成膜室に設けられ
ていても良い。また、成膜室の基板テーブルの上に、所
定の「切り欠き」などを設け、この「切り欠き」に基板
ホルダをはめ込むことにより、基体の凸部が所定の方向
に向くようにしても良い。
【0036】また、本発明の第2の薄膜堆積装置は、凸
部を主面上に有する基体上に薄膜を堆積する薄膜堆積装
置であって、前記薄膜を堆積するための堆積粒子生成源
と、前記基体を前記堆積粒子生成源の中心の法線上には
ない点を中心として間欠的に90度刻みで回転させ、再
配置する再配置機構と、を備え、前記堆積粒子生成源か
ら堆積粒子を放出させて前記基体上に薄膜を堆積する工
程の途中において、前記再配置機構により前記基体を間
欠的に回転、再配置することにより、前記凸部の形態を
反映させた凸部が表面に形成された薄膜を前記基体の上
に堆積可能としたことを特徴とする。
【0037】また、本発明の第3の薄膜堆積装置は、凸
部を主面上に有する基体上に薄膜を堆積する薄膜堆積装
置であって、スパッタリングにより前記基体に薄膜を堆
積するための堆積粒子を供給するためのターゲットと、
前記ターゲットと対向した前記基体を前記基板を回転さ
せることなく平行移動させ、前記ターゲットと対向させ
つつ再配置する再配置機構と、前記ターゲットと前記基
体との間にバイアス電圧を印加するバイアス源と、を備
え、前記ターゲットと前記基体との間に前記バイアス電
圧を印加しつつスパッタリングを生じさせることにより
前記ターゲットから前記堆積粒子を前記基体の前記主面
上に堆積する工程の途中において、前記再配置機構によ
り前記基体を平行移動させることにとより、前記凸部の
形態を反映させた凸部が表面に形成された薄膜を前記基
体の上に堆積可能としたことを特徴とする。
【0038】前記第3の薄膜堆積装置においては、ター
ゲットのサイズが基体よりも大きいことが必要とされ、
ターゲット端部からそれに最も近い基体の端部のでの水
平距離が、成膜時のスパッタリングガス圧におけるスパ
ッタリングガスの平均自由行程よりも大きいとが望まし
い。さらには、前記水平距離は、前記平均自由行程の
1.5倍以上であることが望ましい。このようにすれ
ば、ターゲット端部付近で発生する極端に乱れてる飛来
粒子数の分布を最小限にとどめることができる。
【0039】前記第1乃至第3の薄膜堆積装置は、前記
基体に独立したバイアス電圧を印加する基体バイアス源
をさらに備えたものであることが望ましい。
【0040】以下、上記した本発明の構成に至る過程で
本発明者が実施した実験結果についてまず説明する。
【0041】本発明者は、まず、本発明者らが提案する
セルアライメント的な製法を従来の成膜装置の代表的な
ものを用いて実施した。
【0042】図17は、静止対向型のRFマグネトロン
スパッタ装置の概略構成を表す概念図である。すなわ
ち、同図(a)は、その要部構成を表し、同図(b)
は、基体Sの平面構成を例示する。同図のスパッタ装置
においては、ターゲット502と基板ホルダ504とが
それぞれの中心を対向して配置され、バイアス電源50
6、508によりそれぞれにバイアス電圧が印加され
る。薄膜を堆積する基体Sは、基板ホルダ504の上に
載置される。ここで、カソードがDC、RF、DC/R
Fマグネトロンスパッタでも同じ構成が用いられる。ま
た、基体Sは、図14(b)に表した状態のものに対応
し、表面に下磁極の凸部104Pが形成されている。
【0043】このようなスパッタ装置では、基板ホルダ
504の上方空間に形成されるプラズマの広がり分布に
応じた飛来粒子数の角度分布が発生する。さらに、ター
ゲット表面に形成されるエロージョン、すなわちターゲ
ットの浸食により飛来粒子数の角度分布が経時的に変化
する。このように上述のマグネトロン型の静止対向型で
は飛来するスパッタ粒子数の飛来角度分布が基板位置に
より異なる。
【0044】図18は、図17に表したスパッタ装置に
より絶縁膜106Bを堆積した後のA−A線方向の断面
構造を表す概念図である。ここで、同図(a)〜(d)
は、それぞれ図17の〜に対応する。
【0045】図18(a)から、の位置においては、
凸部104Pの上に左右対称な絶縁膜凸部106Pが形
成されていることが分かる。
【0046】一方、図18(b)及び(c)から、と
の位置においては、絶縁膜の凸部106Pの両側、す
なわち、基体Sの半径方向に飛来角度が明らかに幾何学
的にも異なるために、凸部106Pの左右の対称性が維
持できず、かつ、下磁極の凸部104Pと絶縁膜の凸部
106Pとの位置がΔWだけずれてしまう。
【0047】さらに、図18(d)から、の位置にお
いては、飛来粒子数の角度分布は凸部106Pの両側で
等しくなるが、やはり、全方位については等しくないた
めに凸部側壁の傾斜角度がと異なってしまう。
【0048】図19は、飛来粒子数の角度分布を模式的
に表すグラフ図である。すなわち、同図(a)は、図1
7のの位置における分布を表し、同図(b)は、図1
7の、及びの位置における分布を表す。
【0049】図19(a)に表したように、の位置に
おいては凸部の左右の分布は対象であり、凸部の両側に
均等に堆積が生ずることが分かる。
【0050】これに対して、図19(b)に表したよう
に、、及びの位置においては凸部の左右の分布が
異なり、非対称な形状が形成されることが分かる。斜線
で表した全飛来粒子数をすべての位置で同じにすれば、
膜厚は均一になるが、飛来粒子数の分布が異なると、基
板上の凸部への成膜のされ方が異なり、形状や位置のず
れが生じてしまう。
【0051】このように従来の静止対向型スパッタ装置
を使用すると飛来粒子数の角度分布を回避できないとい
う大きな問題が生ずることが判明した。
【0052】一方、ダイオード(2極)型スパッタリン
グ装置では、原理的に言ってターゲット中心部ではほと
んど飛来粒子数の角度分布はないものの、ターゲット端
部では電界が減衰するので飛来粒子数の角度分布を生じ
る。今後の基板サイズの大口径化を考慮した場合、ター
ゲットサイズをかなり大きくする必要があり、ターゲッ
ト使用効率の面からも量産が困難となると考えられる。
従って、現状のままのターゲットサイズを維持したまま
では、前述のDC/RFマグネトロンスパッタ装置と同
様に飛来粒子数の飛来方向分布を回避できないので、大
きな問題となる。
【0053】一方、動的成膜装置の代表例である基板回
転型成膜装置としては、基板自転型、公転型、自公転型
の3種類がある。一般的に、カソードにはDC/RFマ
グネトロンが用いられる。また、いずれの装置も基板バ
イアス印加が可能である。
【0054】基板自転型は、ターゲット中心と基板回転
中心とが同じ法線上にある。従って、前述の静止対向型
と同様にスパッタ粒子数の飛来角度分布の影響を受ける
という課題を有している。さらに、成膜中連続的に基板
が回転するためにダストの問題が顕著になる。
【0055】公転型の場合は、基板内の公転半径方向に
おけるに位置の違いにより、飛来粒子数の飛来角度分布
の影響を受けるという問題がある。
【0056】自公転型の場合は、基本的には公転型の問
題は回避される。しかしながら、従来の自公転型の成膜
装置は、成膜室内に駆動機構が多く、自転運動と公転運
動が連動して成膜中に連続的に動作するのでダストの問
題が顕著になるという問題を有する。この点に関して、
本発明者は、従来の自公転型のスパッタ装置を用いて絶
縁膜の堆積を試みたが、いずれの場合においても、ダス
トの発生が顕著であった。
【0057】ダストの発生は、磁気ヘッドの製造歩留ま
りに対して直接的な影響を与える。そして、磁気ヘッド
の製造工程中で、特に成膜工程において最もダストが発
生しやすい。ダストの発生に起因する問題としては、例
えば、絶縁膜にダストによる欠陥やピンホールが形成さ
れると記録電流あるいは再生電流が素子中にリークして
しまい、結果的には素子破壊も生ずることがある。さら
に、サイズの大きいダストが磁気ヘッド素子のどこかに
付着した場合には、凹凸の影響によりその素子を使うこ
とができなくなる。
【0058】このように、成膜装置を多用する磁気ヘッ
ドの製造工程においては、ダストの問題は深刻であり、
特に磁気ヘッド構造の微細化が進む近年において、ダス
トの発生は致命的な問題を生ずるものとなりつつある。
【0059】以下に詳述する本発明は、上記した背景の
もとになされたものである。
【0060】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は、本
発明の第1の実施の形態にかかる磁気ヘッド形成方法に
用いて好適な薄膜堆積装置を表す概念図である。すなわ
ち、同図(a)は、薄膜堆積装置の内部構成を表し、同
図(b)は、基板テーブルの平面図である。同図に表し
た薄膜堆積装置は、RFマグネトロン・RFバイアスス
パッタ装置であり、ターゲット602と基体Sと基板テ
ーブル604とが図示したような位置関係で配置されて
いる。それぞれには、バイアス源602、606が接続
され、バイアス電圧を印加可能とされている。基板テー
ブル604は、その中心軸を中心として回転可能とされ
ている。つまり、基体Sは公転する。ターゲット602
の位置は、基板テーブル604に対して前述した飛来粒
子角度分布範囲を満たせばどこでもよい。たとえば、基
板テーブル604の中心、すなわち公転中心の法線上に
あってもよい。
【0061】この装置を用いて膜厚約1.5μmのSi
Ox膜をリアクティブスパッタ法により成膜した。成膜
条件は以下のように決定した。
【0062】 基板・ターゲット間距離:200mm Arガス圧 :2mTorr Arガス供給量 :40sccm 酸素供給量 :10sccm 基板公転速度 :20rpm、 使用ターゲット :純Si(5インチ) 使用基板サイズ :直径4インチ RF投入電力 :800W RFバイアス投入電力 :150W 成膜中は、基板テーブルは水冷した。基体Sは、図14
(b)に表した状態のものであり、その主面には、下磁
極104として、Ni80Fe20(at%)膜を約1.
0μm成膜され、上部幅(Wt)が約1.0μm、長さ
が約10.0μm、側面の傾斜角度(β)が約45度、
凸部高さが約1.0μmの凸部104Pがフォトリソグ
ラフィ工程およびイオンミリングによるエッチング工程
によって基体Sの表面一面に形成されている。また、図
1において、符号、、は、それぞれ、公転中心に
対して外側部、中心部、内側部の凸部104Pの位置を
示している。
【0063】図2は、図1の構成において基体Sの上で
の凸部104Pの形成方向を表す平面図である。すなわ
ち、図2(a)においては、公転半径方向に対して平行
に凸部104Pの長手方向を形成し、図2(b)におい
ては、公転半径方向に対して垂直に形成している。それ
ぞれの、、の符号は図1の符号に対応する。
【0064】図2に示したように基体Sの方向を決め、
基板テーブル604の上にそれぞれの配置の基体を2枚
ずつセットして、成膜をした。
【0065】まず、SiOx膜を0.75μmの膜厚だ
け成膜した後の絶縁膜凸部106Pの上幅(Wt)につ
いて、測長SEM(scanning electron microscope)を
用いて、基体Sの全面について測定した。この時のSE
M観察による凸幅(Wt)の分布幅は、0.45−0.
75μmであった。
【0066】さらに、各サンプルについてFIB(focu
sed ion beam)による加工を施し、その断面をFE−S
EM(field emission-scanning electron microscop
e)により観察した。
【0067】図3は、図2(a)に表した配列により得
られた各サンプルの断面構造を表す模式図である。すな
わち、図3(a)〜(c)は、それぞれ図2(a)の
〜の位置における断面構造を表す。図3から分かるよ
うに、図2(a)の凸部配列の場合は、アライメント誤
差(ΔW)は基体Sの全面でほぼ仕様内に収まってい
る。さらに絶縁膜凸部106Pの左右の側面傾斜角度
α、βは、ほぼ等しく、凸部は対称形状であった。
【0068】一方、図4は、図2(b)に表した配列に
より得られた各サンプルの断面構造を表す模式図であ
る。図4に表したように、図2(b)の配列のサンプル
においては、すべて公転中心側にΔWだけシフトし、ア
ライメント誤差を生ずることが判明した。
【0069】そこで、次に、図2(a)及び(b)に表
した2種類の基体Sをそれぞれ180度回転して、再度
基板テーブル604の上に載置し直し、絶縁膜106の
合計膜厚が1.5μmになるまで成膜した。
【0070】その後、再度FIBにて断面を形成し、断
面をFE−SEMにて観察した。その結果、図2(a)
の配列のものは、基体Sの主面全体に亘って図3(b)
のような絶縁膜凸部106P形状が形成されていた。ま
た、その側面の傾斜角度α、βは、約45°±1°の範
囲に収まっていた。さらに、凸部106Pの上端の幅
(Wt)は、基体Sの全体に亘って0.6〜0.7μm
の範囲に収まり、非常に均一性に優れることが明らかと
なった。また、再現性を調べるための成膜実験を行った
結果、優れた再現性を示し、再現性は凸部幅(Wt)に
おいて、3σで3%以内を維持した。
【0071】一方、図2(b)の配列をしたものは、凸
部106Pのアライメントずれが修正されず、図4に表
した模式的な形状を残していることが分かった。
【0072】本発明者は、この原因を考えるために、基
体Sに対する飛来粒子の入射角度とその飛来粒子の全体
に占める割合の相関について検討した。
【0073】図5は、基体Sに対する飛来粒子の入射角
度とその飛来粒子の全体に占める割合との相関を表す模
式図である。図5から、図2(a)の配列の場合は、飛
来粒子数の角度分布がとで打ち消し合い、の飛来
粒子数の角度分布とほぼ等しくなったものと考えられ
る。従って、この装置の場合、半径方向の飛来粒子数の
角度分布は、基板回転により回避できるが、半径方向と
は垂直な方向、すなわち、凸部の長手方向と垂直な方向
の飛来粒子数の角度分布が存在した時には、図17及び
図19に関して前述したように、凸部での飛来粒子数の
非対称な角度分布を回避できない。
【0074】このことから基板公転型の成膜装置におい
ては、公転半径方向とは垂直の方向の粒子飛来方向分布
を低減することが重要となる。すなわち、公転半径が基
板半径に対して十分大きくとることが必要である。公転
半径が基板半径の1.5倍以上あることが望ましく、さ
らには、2倍以上であることが好ましい。
【0075】次に、本発明の第1実施形態の変型例につ
いて説明する。
【0076】図6は、本発明の第1の実施の形態に係る
磁気ヘッドの形成方法に用いて好適な薄膜堆積装置の構
成を表す概略図である。この装置は、カセット室70
2、基体搬送室704、基板アライメント室706及び
成膜室708を有する。成膜室708の内部は、図1に
例示したものと同様の構成とされている。カセット室7
02には基体Sが複数枚収納できるカセット(図示せ
ず)が配置できるようにされている。
【0077】本装置を用いてSiOx等の絶縁膜を成膜
する際の装置の動き、すなわち、絶縁層堆積工程を図6
を用いて説明する。
【0078】まず、複数枚の基体Sを図示しないカセッ
トに装填してカセット室702にセットし、所定の真空
度まで真空引きした後、図6(a)に表したように、基
体Sをカセット室702から基板アライメント室704
に搬送する。基板アライメント室704において基体S
の方向を所定の向きにそろえる。
【0079】ここで、基体Sが丸基板の場合は、例えば
オリフラ基板のオリフラ部分を利用することより、基体
Sの上に形成された凸部104Pの方向を所定の向きに
揃えることができる。一方、基体Sが角基板の場合は、
例えば所定の一辺を基準にしてアライメントすることが
できる。
【0080】ここで、基体S上の凸部104Pを所定の
向きに揃えるアライメント精度は±10°以下であるこ
とが望ましい。この条件を満たすために、光やレーザの
反射あるいは遮蔽を利用したアライメント機構を設ける
こともできる。この場合にアライメントの基準となる対
象物(マーカ)としては、オリフラだけでなく、基体S
の上にアライメントマーカを形成しそれを検出するよう
にしてもよい。あるいは、基体Sの上のいずれかの凸部
104Pをアライメントマーカとして利用してもよい。
そのほかにも、基板アライメント室に高精度・高解像度
のCCDカメラなどを設置し、基体Sの上の凸部104
Pの配列を画像を取り込み処理する画像処理によりアラ
イメントしてもよい。また、ガイドを取り付け、機械的
に押しつけることによりオリフラにアライメントする方
法もある。
【0081】次に、図6(a)に表したように、基体搬
送室706を経由して成膜室708の基板テーブル上に
基体Sを搬送・設置する。この時、基板テーブル上に
は、複数枚の基体Sを搬送・設置することもできる。そ
して、次に、図6(b)に表したように基体Sを公転さ
せつつ絶縁膜106の成膜を行う。成膜する膜厚は、時
間により制御してもよいが、さらに精度を上げるために
は、光の干渉効果または反射率や屈折率を利用した膜厚
モニタ、あるいは水晶振動子などによる膜厚モニタなど
のモニタ機構を成膜室708内に取り付け、成膜しなが
ら測定し、成膜工程にリアルタイムでフィードバックを
かけることもできる。
【0082】次に、所定の膜厚まで成膜した後、図6
(c)に表したように搬送室706を経由してアライメ
ント室704に基体Sを戻し、ここで180度だけ機械
的に回転させる。この時の回転角の精度は180°±1
0°以内であることが望ましい。基板アライメント機構
は上述したアライメント機構をそのまま利用できる。
【0083】そして、図6(d)に表したように、基体
Sを成膜室708に再び導入し、180度反転した状態
で絶縁膜106の成膜を再開する。
【0084】この後、上記の基板アライメント・回転工
程および成膜工程を所定の回数繰り返した後、搬送室7
06、基板アライメント室704を経由してカセット室
702に戻ることにより、絶縁膜堆積工程が終了する。
【0085】以上説明したように、図6の構成によれ
ば、成膜の途中で基体Sを基板アライメント室704に
戻して180度反転させた後に再び成膜室に導入して成
膜を再開することができる。その結果として、図3
(b)に例示したように、下磁極の凸部104Pの直上
に形状対称性が良好な絶縁膜の凸部106Pを形成し、
セルフアライメント的なプロセスにより狭トラックに対
応する磁気ヘッドを確実に形成することができるように
なる。
【0086】なお、図6(c)に表したような基体Sの
回転操作は、図7に例示したように、成膜室708の基
板テーブル上で行ってもよい。つまり、基板テーブル7
04に、基体Sを回転させるための機械的機構を設ける
ことにより可能となる。
【0087】但し、図7の構成は、従来の自公転型(プ
ラネタリー型)の機構とは異なる。つまり、従来の自公
転型の機構は、基体の自転と公転とが連動するものであ
り、公転運動と自転運動とを独立して制御することは困
難であった。これに対して、本発明の構成においては、
公転と自転とは独立して行われ、しかも、基体Sの自転
運動は、連続的な回転ではなく、間欠的な180度の反
転運動のみである。
【0088】また、図7の構成において、基体Sを18
0度回転させる間は、アライメント精度をあげるため
に、成膜を中断することが望ましい。
【0089】(第2の実施の形態)図8は、本発明の第
2の実施の形態に係る磁気ヘッドの形成方法に用いて好
適な薄膜堆積装置の要部構成を表す概略図である。すな
わち、同図(a)は薄膜堆積装置の内部構成を表し、同
図(b)は基体Sの平面図である。この薄膜堆積装置
は、ターゲット802と基板テーブル804とが対向
し、基体Sは自転する静止対向型スパッタリング装置で
あり、基体Sが間欠的に90度刻みに自転できる機構を
備えている。また、バイアス源806と808とにより
それぞれバイアスが印加される。
【0090】基体Sの間欠的な回転運動の中心は、ター
ゲット802の中心からのびる法線上にはない。つま
り、ターゲット802と基体Sとは、オフセットされた
位置関係にある。この位置関係において、基体Sを90
度刻みに間欠的に自転させることにより、図示した位置
、、における飛来粒子方向の分布を基体Sの全面
において均一とすることができる。
【0091】この装置を用いて第1実施形態に関して前
述したものと同様の凸部104Pを形成した基体Sの上
に膜厚1.5μmのAlOx膜を成膜した。成膜後、F
IB加工し、凸部の断面をSEM観察した結果、絶縁膜
のの凸部106Pの上端の幅は、基体Sの全面に亘っ
て、0.5〜0.6μmの範囲内にあり、極めて優れた
均一性を示した。また、凸部106Pの側面の傾斜角度
α、βも、基体Sの全面において45°±3°以下に収
まっていた。
【0092】図8に表した装置においては、ターゲット
802の中心軸を基準にして基体Sを対称な複数の位置
に配置することにより、複数枚の基体Sを一度に成膜す
ることが可能となり、絶縁膜堆積工程のスループットを
向上させることができる。
【0093】(第3の実施の形態)図9は、本発明の第
3の実施の形態にかかる磁気ヘッドの形成方法に用いて
好適な薄膜堆積装置の要部構成を例示する概略図であ
る。すなわち、この装置は、ダイオード型スパッタリン
グ装置であり、ターゲット902と基板テーブル904
とが対向し、バイアス源906により両者の間にバイア
スが印加されるとともに、バイアス源908により基体
Sに独立にバイアスを印加することができる。る。そし
て、基体Sは、基板テーブル904の上において、初期
の位置から回転せずに所定の位置まで平行移動可能とさ
れている。
【0094】この装置を用いて、第1実施形態に関して
前述したものと同様の凸部104Pを形成した基体Sの
上に膜厚1.5μmのSiN膜を成膜した。成膜後、F
IB加工し、凸部断面をSEM観察した結果、絶縁膜の
凸部106Pの上端の幅は、基体Sの前面に亘って0.
55〜0.65umの範囲にあり、極めて優れた均一性
を示した。また、凸部106Pの側面の傾斜角度α、β
も、基体Sの全面に亘って45°±2°の範囲内に収ま
っていた。さらに、再現性を調べた結果、第1実施形態
の場合と同様にきわめて良好であった。
【0095】以上、本発明の第1乃至第3の実施の形態
について説明した。
【0096】次に、これらの実施形態に関して、さらに
具体的な形態について補足する。
【0097】(基板バイアスについて)本発明において
は、絶縁膜の堆積に際して、基板すなわち基体Sにバイ
アスを印加することが望ましい。この基板バイアスは、
基体S内における分布が3σで5%以内であることが望
ましく、3%以下であることがより望ましい。但し、前
述した本発明の第1と第3の形態においては、バイアス
分布を基板の再設置前の値で定義する。従って、基板の
再配置後の段階では、基板のバイアス分布は、基板全面
において3σで3%以下が望ましく、さらには、1%以
下であることがより望ましい。この場合、基板バイアス
の分布は、絶縁膜形成後の凸形状の分布に反映されるの
で、基板再配置前後で基板バイアス分布が基板全面にお
いて平均化されることが望ましい。従って、基板面内に
おいて基板バイアスによるエッチング速度がピークを有
するような基板テーブル上の位置に、基板を設置するこ
とは望ましくない。
【0098】図10は、基体S内のバイアス分布を小さ
くするための基板ホルダ(あるいは基板テーブル)を例
示した概念図である。理想的には、図10(a)に例示
したように基板テーブル1002の上面と基体Sの表面
と基板ホルダ1004の表面が一致していることが望ま
しい。突出部は、電界の集中を招くからである。但し、
現実的には、図10(b)〜(d)に例示した構成を用
いることができる。
【0099】図10(b)に例示した構成においては、
基板ホルダ1004を用いて基体Sを基板テーブル10
02に固定したときに、ホルダ1004の突出部dが基
体Sの表面から、所定の高さ以下であり、且つ基体Sに
接するホルダ1004の傾斜角度θが所定の値よりも小
さいように構成されている。これらの条件は、いずれも
基体Sに近接した場所においてバイアス電界を乱すよう
な突出部の形成を避けるためである。
【0100】本発明者の経験上、磁気ヘッドの絶縁層を
堆積する際には、突出部dは、0<d<5mmの範囲に
ある、かつ、傾斜角度θは0°以上45°以下の範囲で
あることが望ましい。
【0101】一方、図10(c)に例示した構成におい
ては、基板ホルダ1004が基体Sに対して点接触で固
定している。点接触とすることにより、基板ホルダ10
04と基体Sとを電気的に隔絶することができる。従っ
て、基板ホルダ1004にバイアス電界が偏って印加さ
れるような場合にも、基体Sへの影響を最小限に抑制す
ることができる。
【0102】また、図10(d)に例示した構成におい
ては、図10(b)と類似した形状の基板ホルダ100
4を用いて基体Sを固定し、かつ、基体Sの周辺におい
て、基板テーブル1002には基体Sと相似形の凹凸が
同心状に形成されている。このように同心状に相似形の
凹凸を形成すると、凸部への偏ったバイアス電界のかか
り方、すなわちバイアス電界分布を基板テーブル内及び
基体内においてほぼ平均化することが可能となる。な
お、このような同心状の凹凸は、基板ホルダ1004に
設けても良い。
【0103】(基体Sの再配置の回数について)前述し
た第1及び第3の実施の形態に関しては、絶縁膜の堆積
の途中で行う基体Sの再配置の回数は奇数回であり、か
つ、基板再配置前後の成膜条件および成膜時間あるいは
成膜膜厚は同様であることが望ましい。その他の組み合
わせによる成膜も可能ではあるが、成膜前後で成膜速度
分布および基板バイアスによるエッチング分布が異なる
と、凸部106Pの最終的な形状あるいは位置の制御が
困難となる。
【0104】(ターゲットの形状と基板の設置方向につ
いて)前述した第1乃至第3の実施の形態に関しては、
複数枚の基体Sを基板テーブル上に配置することが可能
である。本発明の第1の実施の形態においては、丸ター
ゲットおよび角ターゲットの場合、複数の基体Sを公転
面の同心円上に配置することが望ましい。
【0105】また、本発明の第2の実施の形態において
は、丸ターゲットの場合、ターゲットの中心軸を中心と
する同心円上に複数枚の基体Sを配置することが望まし
い。角ターゲットの場合は、ターゲットのある辺の方向
にのみ配置することが望ましい。
【0106】一方、本発明の第3の実施の形態にかかる
ダイオード型スパッタ装置の場合は、角ターゲットすな
わち、矩形状のターゲットを使用することが望ましい。
角ターゲットの場合は、平行移動方向と同じ方向のター
ゲットの長さに応じて、複数の基体Sの配置が可能であ
る。丸ターゲットの場合は飛来方向分布を回避すること
が容易でない。
【0107】(成膜速度とエッチング速度の関係につい
て)本発明の第1乃至第3の実施の形態にかかる薄膜堆
積装置は、その絶縁膜成膜速度とエッチング速度とが独
立に制御が可能であり、かつ、成膜速度(D)がエッチ
ング速度(E)よりも大きく(D>E)なければならな
い。ここで、D>Eが成り立たなければならないのは、
基板に対するあらゆる入射角度においてである。
【0108】図11は、飛来粒子の入射角度と成膜速度
及びエッチング速度との関係を模式的に示したグラフ図
である。すなわち、同図においてD1〜D3は成膜速度
を表し、E1はエッチング速度を表す。また、飛来粒子
あるいはイオンの入射角度は、飛来粒子が堆積する平面
の法線と粒子入射方向とのなす角度と定義される。
【0109】上述した条件は、図11に示したE1とD
1において成立する。成膜速度D2とエッチング速度E
1との間には、入射角度θ1において交点が存在する。
つまり、θ1より大きい入射角度においては、エッチン
グが優先的に進行する。そのエッチング速度は、(E1
−D2)と表される。
【0110】絶縁膜凸部106Pの側面の傾斜角度α、
βは、成膜速度とエッチング速度の交点における入射角
度θ1に最終的には近づく。従って、磁気ヘッド製造の
下磁極凸部104Pの形成工程においては、θ1より大
きい角度を有する部分は削られることになり、その凸形
状が崩れる恐れがあり、かつ、凸部の磁気特性にイオン
衝突によるダメージによる劣化が生じる。
【0111】成膜速度D3とエッチング速度E1との場
合には、あらゆる入射角度に対して、E1>D3とな
り、常にエッチングが優先的に進行する。従って、下磁
極凸部104Pの形成工程には、適用できない。
【0112】上述したE<Dなる条件下で下磁極凸部1
04P上に絶縁膜を形成する場合には、入射角度が90
°での成膜速度(D90)が0°での成膜速度(D0)
に対して、0.05<D90/D0<0.45の関係を
満たし、かつ、0°でのエッチング速度(E0)が、E
0/D0<0.1の関係を満たすことが望ましく、さら
には、0.15<D90/D0<0.4であることが好
ましい。これにより下磁極凸部104Pの磁気特性の劣
化を最小限にすることができる。さらに、上記の条件を
満たすことにより、基体Sの全面にわたり下磁極凸部1
04Pの上の絶縁膜形成の仕様である、W1≧Wt、W
1≦Wbを達成することが可能になる。
【0113】(ターゲットと基体Sとの位置的関係につ
いて)絶縁膜凸部106Pの形成に際して、その側面の
傾斜角度(γ)を制御性よく、仕様内の範囲に形成する
には、飛来するスパッタ粒子の入射角度の分布におい
て、その割合の内、0度以上78度以下の角度の範囲内
に50%以上あることが望ましく、さらには、70%で
あることがより望ましい。
【0114】従って、上述した第1乃至第3の実施の形
態においては、ターゲット端部と基体Sの端部とがなす
角(γ)の範囲が、0度以上78度以下となることが望
ましい。この条件は、基体Sとターゲットとの相対的位
置が変化する場合も同様である。
【0115】(ターゲット表面のエロージョンについ
て)本発明の第1乃至第3の実施の形態においては、タ
ーゲットのエロージョンの開口角度(θ)が100度以
上180度以下となることが好ましい。
【0116】図12は、ターゲットのエロージョンを説
明するための概念図である。すなわち、同図(a)に表
したように、ターゲット(カソード)の裏面に磁石(マ
グネット)が配置されている場合に、磁力線に応じたス
パッタリングが生ずる結果として、ターゲットが部分的
に浸食される。これを「エロージョン」と称する。
【0117】エロージョンの開口角度を上記の範囲内に
抑えるには、マグネトロン型カソードにおいては、図1
2(b)及び(c)に表したように、カソード中のマグ
ネット形状を工夫することが重要である。図12(b)
においては、マグネット配列をひょうたん状にしてい
る。また、図12(c)においては、楕円形型にマグネ
ットを配列し、それら2つ、あるいはそれ以上設けて回
転させている。
【0118】基板とターゲットの相対的位置関係を考え
ると、エロージョンが形成された場合にも上記の飛来粒
子入射角度を維持する必要がある。従って、基板とター
ゲットの相対位置関係を決める場合には、エロージョン
開口角度の経時変化を考慮する必要がある。
【0119】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具
体例に限定されるものではない。例えば、本発明の磁気
ヘッドの形成方法は、記録ヘッドのみならず、同様の磁
気ギャップを有する再生ヘッドあるいは記録再生一体型
磁気ヘッドの形成に際しても同様に適用して同様の効果
を得ることができる。
【0120】また、本発明の薄膜堆積装置は、磁気ヘッ
ドの形成に限定されず、その他、凸部の上にその形状を
反映した薄膜を堆積するあらゆる用途に対して同様に適
用して同様の効果を得ることができる。
【0121】その他、本願明細書の開示の範囲から当業
者が容易に選択しうるすべての事項を包含する。
【0122】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
凸部を形成した基体の上にその凸部の形状を精密に反映
した絶縁膜を堆積するに際して、飛来粒子の入射角度の
分布を基体面の全面に亘って均一化でき、凸部形状の基
体面内における均一性・再現性・制御性が極めて優れ、
下磁極凸部とトレンチにより形成される上磁極凸部との
優れたアライメント性・基体面内均一性と、および優れ
たスループットとを同時に満足することが可能となる。
【0123】その結果として、セルフアライメント的な
製造方法で形成されるトレンチポール構造の磁気ヘッド
を歩留まり良く、量産することが可能となり、産業上の
メリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる磁気ヘッド
形成方法に用いて好適な薄膜堆積装置を表す概念図であ
る。
【図2】図1の構成において基体Sの上での凸部104
Pの形成方向を表す平面図である。
【図3】図2(a)に表した配列により得られた各サン
プルの断面構造を表す模式図である。
【図4】図2(b)に表した配列により得られた各サン
プルの断面構造を表す模式図である。
【図5】基体Sに対する飛来粒子の入射角度とその飛来
粒子の全体に占める割合との相関を表す模式図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの
形成方法に用いて好適な薄膜堆積装置の構成を表す概略
図である。
【図7】成膜室708の基板テーブル上で行ってもよ
い。つまり、基板テーブル704に、基体Sを回転させ
るための機械的機構を設けた構成を表す概念図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの
形成方法に用いて好適な薄膜堆積装置の要部構成を表す
概略図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態にかかる磁気ヘッド
の形成方法に用いて好適な薄膜堆積装置の要部構成を例
示する概略図である。
【図10】基体S内のバイアス分布を小さくするための
基板ホルダ(あるいは基板テーブル)を例示した概念図
である。
【図11】飛来粒子の入射角度と成膜速度及びエッチン
グ速度との関係を模式的に示したグラフ図である。
【図12】ターゲットのエロージョンを説明するための
概念図である。
【図13】狭トラック化に対応した記録ヘッドの要部構
成を概念的に表す斜視図である。
【図14】本発明者が提案したセルアライメント製法に
よるトレンチポール構造を有する磁気ヘッドの形成プロ
セスの要部を表す概略工程断面図である。
【図15】本発明者が提案したセルアライメント製法に
よるトレンチポール構造を有する磁気ヘッドの形成プロ
セスの要部を表す概略工程断面図である。
【図16】絶縁膜の凸部106Pと下磁極の凸部104
Pとの関係を表す概念図である。
【図17】静止対向型のRFマグネトロンスパッタ装置
の概略構成を表す概念図である。
【図18】図17に表したスパッタ装置により絶縁膜1
06Bを堆積した後のA−A線方向の断面構造を表す概
念図である。
【図19】飛来粒子数の角度分布を模式的に表すグラフ
図である。
【符号の説明】
100 磁気ヘッド 102 基板 104 下磁極(第1の磁極) 104P 凸部 106A ストッパ層 106B 絶縁膜 106P 凸部 108 上磁極(第2の磁極) 108P 凸部 110 コイル 602、802、902 ターゲット 604、804、904 基板テーブル 606、608、806、808、906、908 バ
イアス源 702 カセット室 704 基板アライメント室 706 搬送室 708 成膜室 1002 基板テーブル 1004 基板ホルダ S 基体 10A〜10D、100A〜D 磁気抵抗効果型ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 通 子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 永 田 友 彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 坂久保 武 男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 與 田 博 明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5D033 BA13 DA03 DA07 DA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の磁極の凸部と第2の磁極の凸部とが
    絶縁層を介して近接対向してなる磁気ヘッドの形成方法
    であって、 基板上に前記第1の磁極を形成する工程と、 前記第1の磁極の上に前記第1の磁極の凸部の形状を反
    映した凸部を有する絶縁層を堆積する絶縁層堆積工程
    と、 前記絶縁層の表面において前記凸部の周囲にマスクを形
    成する工程と、 前記マスクに覆われていない前記絶縁層の凸部をエッチ
    ングしてトレンチを形成する工程と、 前記トレンチを磁性材料で充填することにより前記第2
    の磁極の凸部を形成する工程と、 を備え、 前記絶縁層堆積工程において、前記第1の磁極が形成さ
    れた基体を薄膜堆積装置内に導入し前記凸部のいずれか
    の側面が公転の半径方向に対して平行になるように前記
    基体を支持して前記基体を公転させつつ前記絶縁層を堆
    積し、且つ前記堆積の途中において、前記基体をその主
    面の垂線を中心として少なくとも一回間欠的に180度
    反転させることにより、前記第1の磁極の凸部の形態を
    反映させた凸部が表面に形成された前記絶縁層を前記第
    1の磁極の上に堆積することを特徴とする磁気ヘッドの
    形成方法。
  2. 【請求項2】第1の磁極の凸部と第2の磁極の凸部とが
    絶縁層を介して近接対向してなる磁気ヘッドの形成方法
    であって、 基板上に前記第1の磁極を形成する工程と、 前記第1の磁極の上に前記第1の磁極の凸部の形状を反
    映した凸部を有する絶縁層を堆積する絶縁層堆積工程
    と、 前記絶縁層の表面において前記凸部の周囲にマスクを形
    成する工程と、 前記マスクに覆われていない前記絶縁層の凸部をエッチ
    ングしてトレンチを形成する工程と、 前記トレンチを磁性材料で充填することにより前記第2
    の磁極の凸部を形成する工程と、 を備え、 前記絶縁層堆積工程において、前記第1の磁極が形成さ
    れた基体を薄膜堆積装置内に導入し堆積粒子生成源の中
    心の法線上にはない点を中心として間欠的に90度刻み
    で回転させ、再配置しつつ前記絶縁層を堆積することに
    より、前記第1の磁極の凸部の形態を反映させた凸部が
    表面に形成された前記絶縁層を前記第1の磁極の上に堆
    積することを特徴とする磁気ヘッドの形成方法。
  3. 【請求項3】第1の磁極の凸部と第2の磁極の凸部とが
    絶縁層を介して近接対向してなる磁気ヘッドの形成方法
    であって、 基板上に前記第1の磁極を形成する工程と、 前記第1の磁極の上に前記第1の磁極の凸部の形状を反
    映した凸部を有する絶縁層を堆積する絶縁層堆積工程
    と、 前記絶縁層の表面において前記凸部の周囲にマスクを形
    成する工程と、 前記マスクに覆われていない前記絶縁層の凸部をエッチ
    ングしてトレンチを形成する工程と、 前記トレンチを磁性材料で充填することにより前記第2
    の磁極の凸部を形成する工程と、 を備え、 前記絶縁層堆積工程において、前記第1の磁極が形成さ
    れた基体を薄膜堆積装置内に導入しターゲットと前記基
    体との間にバイアス電圧を印加してスパッタリングを生
    じさせることにより前記ターゲットからの堆積粒子を前
    記基体の主面上に堆積させ、且つ前記堆積の途中におい
    て、前記基体を前記ターゲットと対向させつつ回転させ
    ることなく平行移動させ、再配置することにとより、前
    記第1の磁極の凸部の形態を反映させた凸部が表面に形
    成された前記絶縁層を前記第1の磁極の上に堆積するこ
    とを特徴とする磁気ヘッドの形成方法。
  4. 【請求項4】前記絶縁層堆積工程において、前記基体に
    独立したバイアス電圧を印加しつつ前記堆積を行うこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気
    ヘッドの形成方法。
  5. 【請求項5】凸部を主面上に有する基体上に薄膜を堆積
    する薄膜堆積装置であって、 前記基体を公転させる公転機構と、 前記凸部のいずれかの側面が前記公転の半径方向に対し
    て平行になるように前記基体をアライメントするアライ
    メント機構と、 前記基体の前記主面の垂線を中心として前記基体を間欠
    的に180度反転させる回転機構と、 を備え、 前記アライメント機構により前記基体をアライメントし
    前記公転機構により前記基体を公転させつつ前記基体上
    に薄膜を堆積する工程の途中において、前記回転機構に
    より前記基体を少なくとも一回反転させることにより、
    前記凸部の形態を反映させた凸部が表面に形成された薄
    膜を前記基体の上に堆積可能とした薄膜堆積装置。
  6. 【請求項6】凸部を主面上に有する基体上に薄膜を堆積
    する薄膜堆積装置であって、 前記薄膜を堆積するための堆積粒子生成源と、 前記基体を前記堆積粒子生成源の中心の法線上にはない
    点を中心として間欠的に90度刻みで回転させ、再配置
    する再配置機構と、 を備え、 前記堆積粒子生成源から堆積粒子を放出させて前記基体
    上に薄膜を堆積する工程の途中において、前記再配置機
    構により前記基体を間欠的に回転、再配置することによ
    り、前記凸部の形態を反映させた凸部が表面に形成され
    た薄膜を前記基体の上に堆積可能とした薄膜堆積装置。
  7. 【請求項7】凸部を主面上に有する基体上に薄膜を堆積
    する薄膜堆積装置であって、 スパッタリングにより前記基体に薄膜を堆積するための
    堆積粒子を供給するためのターゲットと、 前記ターゲットと対向した前記基体を前記基板を回転さ
    せることなく平行移動させ、前記ターゲットと対向させ
    つつ再配置する再配置機構と前記ターゲットと前記基体
    との間にバイアス電圧を印加するバイアス源と、 を備え、 前記ターゲットと前記基体との間に前記バイアス電圧を
    印加しつつスパッタリングを生じさせることにより前記
    ターゲットから前記堆積粒子を前記基体の前記主面上に
    堆積する工程の途中において、前記再配置機構により前
    記基体を平行移動させることにとより、前記凸部の形態
    を反映させた凸部が表面に形成された薄膜を前記基体の
    上に堆積可能とした薄膜堆積装置。
  8. 【請求項8】前記基体に独立したバイアス電圧を印加す
    る基体バイアス源をさらに備えたことを特徴とする請求
    項5〜7のいずれか1つに記載の薄膜堆積装置。
JP32163599A 1999-11-11 1999-11-11 磁気ヘッドの形成方法及び薄膜堆積装置 Pending JP2001143220A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010061717A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Hitachi Ltd エッチング装置及び磁気ディスクのエッチング方法

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