JP2001140773A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

Info

Publication number
JP2001140773A
JP2001140773A JP32785899A JP32785899A JP2001140773A JP 2001140773 A JP2001140773 A JP 2001140773A JP 32785899 A JP32785899 A JP 32785899A JP 32785899 A JP32785899 A JP 32785899A JP 2001140773 A JP2001140773 A JP 2001140773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
rotary compressor
bearing
piston
drive shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32785899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001140773A5 (ja
Inventor
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
Masayuki Tsunoda
昌之 角田
Minoru Ishii
稔 石井
Eiji Watanabe
英治 渡辺
Masao Tani
谷  真男
Takashi Yamamoto
隆史 山本
Susumu Kawaguchi
進 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP32785899A priority Critical patent/JP2001140773A/ja
Publication of JP2001140773A publication Critical patent/JP2001140773A/ja
Publication of JP2001140773A5 publication Critical patent/JP2001140773A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレードがピストンから離間しないようにスプ
リングにより付勢されるロータリ圧縮機において、シリ
ンダへッドの軸受を廃止して、フレームにのみ軸受を形
成する、いわゆる片持ち軸受構造を採用すると、フレー
ムに形成された軸受やピストンの内周面に形成された軸
受に対するガス圧縮荷重Fgによる駆動軸の軸傾斜角が
増大してしまう。従って軸受の負荷容量が低下するので
油膜が形成されにくくなり、軸受の信頼性は大きく損な
われてしまう問題があった。 【解決手段】ブレード12とピストン9を一体化すると
ともに、ブレード12を往復且つ揺動自在に支持するガ
イド17、シリンダ8の端面開口部を閉塞し駆動軸を回
転自在に支持するフレーム10、他方の端面開口部を閉
塞するシリンダヘッド11を備えるとともに、シリンダ
8を扁平化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍空調装置に用
いる、ロータリ圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、例えば特開平3−242491
号公報に示された従来のロータリ圧縮機の縦断面図であ
り、図8は図7のA−A断面図である。図7において、
従来のロータリ圧縮機は固定子2a及び回転子2bから
なる電動機部2及びこの電動機部2により駆動される圧
縮機構部1とにより構成される。これら電動機部2、及
び圧縮機構部1は密閉容器3内に潤滑油4とともに収納
されている。
【0003】駆動軸5は主軸部5aと偏心軸部5bとに
より構成されており、8aはシリンダ室で、シリンダ
8、ピストン9、軸受10aが形成されたフレーム1
0、シリンダヘッド11、ブレード12により構成され
る。また、ブレード12はピストン9に対してスプリン
グ13により付勢されており、シリンダ室8aを圧縮室
6と低圧室7とに区画している。14は吸入管であり、
15は吐出バルブ、16は吐出管である。
【0004】次にその動作原理を説明する。冷媒ガス
は、吸入管14より導かれシリンダ8内の低圧室7に至
る。そして、冷媒ガスは電動機部2の回転に伴う駆動軸
5の偏心軸部5bの回転によりピストン9が公転運動し
て漸次圧縮され、吐出バルブ15より密閉容器3内へ一
旦吐出された後、吐出管16より吐出される。また、図
9aに示す如く、冷媒ガスを圧縮する際に駆動軸5の偏
心軸部5bに作用するガス圧縮荷重Fgは、フレーム1
0に形成された軸受10aのみにより軸受反力Fb1と
軸受反力Fb2とで支持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7、図8、図9aに
示す例えば特開平3−242491号公報に示されたロ
ータリ圧縮機の構成によれば、上記のように冷媒ガスを
圧縮する際に駆動軸5の偏心軸部5bに作用するガス圧
縮荷重Fgを支持する軸受をシリンダヘッド11には形
成せず、フレーム10にのみ軸受10aを形成する、い
わゆる片持ち軸受構造を採用しているので、圧縮機の全
長が短くなり、よりコンパクトなロータリ圧縮機を得る
ことが可能となる。(シリンダヘッド11にも軸受を形
成する、いわゆる両持ち軸受構造を採用すると、その分
の空間が必要となるので、図9bにおいてΔn分だけ圧
縮機の全長が長くなってしまう。)
【0006】しかしながら、図9aに示すようにシリン
ダへッド11の軸受を廃止して、フレーム10にのみ軸
受10aを形成する、いわゆる片持ち軸受構造を採用す
ると、図9bに示すようなシリンダヘッド11にも軸受
11aを形成する、いわゆる両持ち軸受構造と比較して
図10に示す計算結果の如くガス圧縮荷重Fgによる駆
動軸5の軸傾斜角αa(変形)は、両持ち軸受構造より
も片持ち軸受構造の方が大きくなる。なお、図10は、ガ
ス圧縮荷重Fgによる軸傾斜角αaを、有限要素法を用
いたCAE解析により計算したものである。図11に示
すように、軸受に対する軸の傾斜角αが大きくなるほ
ど、軸受の負荷容量Wが低下するので油膜が形成されに
くくなり、軸受の信頼性は大きく損なわれてしまう。加
えて図9aに示すようにフレーム10に形成された軸受
10aの軸受クリアランスδ分の軸傾斜角αbも上記の
ガス圧縮荷重Fgによる軸傾斜角αaに加算されるの
で、実際の運転状態での軸傾斜角αはαa+αbとなり
更に軸受の負荷容量Wは低下する。(図9bに示す両持
ち軸受構造を採用する場合には、軸受クリアランスδ分
の軸傾斜角αbは考慮する必要がないので、ガス圧縮荷
重Fgによる駆動軸5の軸傾斜角αaのみを考慮すれば
良い。)従って、フレーム10に形成された軸受10a
やピストン9の内周面に形成された軸受9bには、油膜
が殆ど形成されなくなり軸受の信頼性が著しく低下する
不具合が発生した。また、この不具合を解消すべくガス
圧縮荷重Fgによる駆動軸5の軸傾斜角αaを小さく
し、軸受の負荷容量Wを増加させて油膜を形成しようと
しても、ブレード12の側面12aが焼き付いたり、ピ
ストン9の外周9aやブレード12の先端12bが異常
摩耗したりする不具合や性能が大幅に低下する問題が発
生した。以下詳細に説明する。
【0007】ブレード12がピストン9から離間しない
ようにスプリング13により付勢される例えば特開平3
−242491号公報に示されたロータリ圧縮機におい
て、ガス圧縮荷重Fgによる駆動軸5の軸傾斜角αaを
小さくするには、ガス圧縮荷重Fgを小さくする方法
や、駆動軸5の軸径を大きくして駆動軸5の曲げ剛性を
高める方法などがある。まず、ガス圧縮荷重Fgを小さ
くして駆動軸5の軸傾斜角αaを小さくした場合に発生
する不具合について以下に記す。従来のロータリ圧縮機
において、ピストン9の外径をdp、シリンダ8の高さ
をhとすると、ガス圧縮荷重Fgはおよそ式(1)で表
される。 Fg∝dp×h (1)従って、ガス圧縮荷重Fgを小さくするには、ピ
ストン9の外径dpやシリンダ8の高さhを小さくすれ
ば良いことが判るが、ピストン9の外径dpを小さくす
ると、ピストン9の端面9cにおけるシール長さmが短
くなるので、図8中の矢印(A)に示すように高圧雰囲
気であるピストン9の内周の軸受9bから低圧室7や圧
縮室6へのガス漏れが大きくなり性能が大幅に低下して
しまう。従って実際には性能確保の観点からピストン9
の外径dpを小さくすることは不可能となる。故にシリ
ンダ高さhを小さくすることによってガス圧縮荷重Fg
を小さくすることとなる。
【0008】次に、ロータリ圧縮機のストロークボリュ
ームVstは、シリンダ8の内径をdとすると式(2)
で表される。 Vst=(π/4)×(d2−dp2)×h (2)ここで、冷凍空調機器に搭載される圧縮機に要求
される冷凍能力は決まっているので、つまり圧縮機のス
トロークボリュームVstを大幅に変更することはでき
ないので、ガス圧縮荷重Fgを小さくするという観点か
らシリンダ8の高さhを小さくする場合には、式(2)
より必然的にシリンダ8の内径dを大きくする必要があ
る。ピストン9の外径dpを一定のままシリンダ8の内
径dを大きくすると、式(3)で表される駆動軸5の偏
心軸部の偏心量eが大きくなり、ブレード12のシリン
ダ室8aへの突出量が大きくなる。 e=(d−dp)/2 (3)ブレード12のシリンダ室8aへの突出量が大き
くなると、図12に示すようにシリンダ8に形成された
溝8bにより片持ち支持されているブレード12の支持
反力Fvが非常に大きくなるので、シリンダ8に形成さ
れた溝8bとブレード12の側面12aの片当たり摩耗
が発生し致命的欠陥となってしまう。即ち、図12におい
て、(a)駆動軸の偏心量がeの場合であり、(b)駆動
軸の偏心量がe+Δeと増えた場合である。偏心量が増
えた場合の方がブレ−ド12の支持反力が大きくなる
(F'v1>Fv1)。
【0009】また、ピストン9とブレード12とが一体
的に形成されていない従来のロータリ圧縮機において
は、通常ピストン9は公転運動を行い冷媒ガスを圧縮す
るが、図13に示すように、ピストン9の内周に形成さ
れた軸受9bでの粘性摩擦力の影響等により、ピストン
9は駆動軸5の回転方向と同じ方向に自身の自転速度V
pを持つこととなり、駆動軸5の回転速度をVjとする
と駆動軸5の偏心軸部5bとピストン9の軸受9bとの
すべり速度はVj−Vpとなる。従ってピストン9の自
転速度Vp分だけすべり速度が低下してしまうので、ピ
ストン9の軸受9bにおける油膜の形成能力が低くなり
信頼性に問題が生じてしまう。また、ブレード12の先
端12bとピストン9の外周9aの当接部においてすべ
りが発生し、ブレード12の先端12bとピストン9の
外周9aが直接摺動するので、ブレード12の先端12
bやピストン9の外周9aが摩耗する問題も前記不具合
に加えて併発する。
【0010】加えて、特開平3−242491号公報に
示す従来のロータリ圧縮機によれば、スプリング13に
よりブレード12をピストン9に押圧していることに加
えて、密閉容器3内と連通しているブレード12の運動
空間18が高圧であるので、図12に示すように、シリ
ンダ室8a(低圧〜高圧まで変化する)とブレード12
の運動空間18との圧力差に起因するブレード押付荷重
Fnが駆動軸5の偏心軸部5bに作用することとなる。
従ってガス圧縮荷重Fgに加えて前記ブレード押付荷重
Fnも駆動軸5の偏心軸部5bに作用するので、さらに
駆動軸5の軸傾斜角αが増大し、該摺動部での潤滑状態
はより悪いものとなってしまう。
【0011】また、従来のロータリ圧縮機によれば、冷
媒ガスは、吸入管14より導かれシリンダ8内の低圧室
7(圧縮室6)に至る。そして、冷媒ガスは電動機部2
の回転に伴う駆動軸5の偏心軸部5bの回転によりピス
トン9が公転運動して漸次圧縮され、吐出バルブ15よ
り密閉容器3内へ一旦吐出された後、吐出管16より吐
出されるので、必然的に密閉容器3内は高圧雰囲気とな
る。このような構成のもとで、従来のロータリ圧縮機は
高圧雰囲気である密閉容器3内の圧力と低圧から高圧ま
で変化するシリンダ8のシリンダ室8aとの圧力差を利
用して、高圧雰囲気に曝される給油孔11b(図7に記
載)から各軸受へ潤滑油4を供給する、いわゆる差圧給
油方式を採用しているが、差圧給油方式による各軸受へ
の給油量は、いわゆる遠心式の給油ポンプや容積型の給
油ポンプに比べてその給油量が極端に少なくなるので、
軸受の信頼性上好ましくない。従って上記の要因に加え
て更に軸受の異常摩耗を加速する要因となってしまう。
【0012】前記の如く、密閉容器3内と連通している
ブレード12の運動空間18が高圧であるので、図12
に示すように、シリンダ室8a(低圧〜高圧まで変化す
る)とブレード12の運動空間18との圧力差に起因す
るブレード押付荷重Fnが駆動軸5の偏心軸部5bに作
用することとなり、ガス圧縮荷重Fgに加えて前記ブレ
ード押付荷重Fnも駆動軸5の偏心軸部5bに作用する
ので、更に駆動軸5の軸傾斜角αが大きくなり、該摺動
部での潤滑状態はより悪いものとなってしまうが、この
不具合を解消すべく、ブレード押付荷重Fnを無くすた
めに、密閉容器3内を低圧雰囲気とした場合には、図7
に示す給油孔11bは低圧雰囲気に曝されるので、低圧
から高圧まで変化するシリンダ8のシリンダ室8aとの
圧力差を利用して潤滑油4を給油孔11bより各軸受部
に供給することはできなくなる(一般的に密閉容器3内
が低圧雰囲気の場合には、上記の差圧給油は成立しな
い。)。従って、差圧給油方式を採用している従来のロ
ータリ圧縮機においては、各軸受部に全く潤滑油4が供
給されなくなるので、軸受が焼き付いたり、または軸受
が異常摩耗してしまう不具合が発生してしまう。上記の
ように、特開平3−242491号公報に示す従来のロ
ータリ圧縮機によれば、軸受負荷が両持ち軸受構造に加
えて厳しくなる片持ち軸受構造を採用しているにも関わ
らず差圧給油方式を採用しているので、各軸受部への潤
滑油4の給油量が非常に少なくなるとともに、各軸受部
の潤滑油4による冷却も殆ど期待できないので、軸受の
信頼性が著しく低下する。加えて、ブレード押付荷重F
nを無くして軸受負荷を軽減するために密閉容器3内を
低圧雰囲気とした果てには、潤滑油4を給油孔11bよ
り各軸受部に供給不可能な状態に陥ってしまう不具合を
有する。
【0013】次に、ガス圧縮荷重Fgによる駆動軸5の
軸傾斜角αaを小さくするための別手段として、駆動軸
5の軸径を大きくし駆動軸5の曲げ剛性を高めた場合に
は、フレーム10に形成された軸受10aでの摺動速度
が大きくなるので、摺動損失が増大し性能が大幅に低下
する不具合が発生してしまう。
【0014】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ブレードとピストンを一体化す
るとともに、駆動軸を支持する軸受をフレームにのみ形
成して、高い信頼性と圧縮機のコンパクト化、低振動、
低騒音を実現するものである。また、地球環境に悪影響
のない炭化水素系冷媒、及びHFC系冷媒を使用した冷
凍空調機器に搭載した場合においても、高い信頼性とオ
ゾン層の破壊回避を両立させる冷凍空調機器を得ること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成させる
ために、この発明に係わる請求項1記載のロータリ圧縮
機は、 シリンダ室を有するシリンダ、前記シリン
ダ室内で偏心して公転するピストン、前記シリンダ室内
を圧縮室と低圧室とに区画するブレード、前記ピストン
の内周面にその偏心軸部が嵌入されて前記ピストンを公
転させる駆動軸等とで構成される圧縮機構部と、前記駆
動軸を回転させる電動機部と、を密閉容器内に備えたロ
ータリ圧縮機において、前記ブレードと前記ピストンを
一体化するとともに、前記シリンダに形成した円筒穴部
に回転自在に嵌入されて前記ブレードを往復且つ揺動自
在に支持するガイドと、前記シリンダ室の一方の端面開
口部を閉塞するように配置されて前記駆動軸を回転自在
に支持するフレームと、他方の端面開口部を閉塞するシ
リンダヘッドと、を具備したものである。
【0016】また、この発明に係わる請求項2記載のロ
ータリ圧縮機は、請求項1記載の発明において、前記シ
リンダの高さhと前記シリンダの内径dとの比率h/d
を0.8以下としたものである。
【0017】また、この発明に係わる請求項3記載のロ
ータリ圧縮機は,請求項1または請求項2記載の発明に
おいて、前記密閉容器内を低圧雰囲気としたものであ
る。
【0018】また、この発明に係わる請求項4記載のロ
ータリ圧縮機は、請求項1、請求項2または請求項3記
載の発明において、前記圧縮機構部及び電動機部を密閉
容器内に弾性支持部材により保持したものである。
【0019】また、この発明に係わる請求項5記載のロ
ータリ圧縮機は、請求項1から請求項4記載の発明にお
いて、前記シリンダヘッドに形成されたボルト穴と、シ
リンダヘッド組付け時に使用するボルト外径との間隙に
より前記シリンダに対してシリンダヘッドが位置決めさ
れたものである。
【0020】また、この発明に係わる請求項6記載のロ
ータリ圧縮機は,請求項1から請求項5記載の発明にお
いて、前記駆動軸の偏心軸部にオイルパイプを装着した
ものである。
【0021】また、この発明に係わる請求項7記載のロ
ータリ圧縮機は、請求項5の発明において、 前記
オイルパイプを前記偏心軸部に装着し、かつ、前記シリ
ンダヘッド中心が駆動軸中心と一致する位置にある場合
の前記シリンダヘッドの内周面と前記オイルパイプとの
最短隙間が、前記ボルト穴とボルト外径との隙間より大
きくしたものである。
【0022】また、この発明に係わる請求項8記載のロ
ータリ圧縮機は、請求項6記載の発明において、 前
記オイルパイプを前記偏心軸部の偏心方向に装着したも
のである。
【0023】また、この発明に係わる請求項9記載のロ
ータリ圧縮機は、請求項1から請求項8の発明におい
て、使用冷媒を炭化水素系冷媒,またはHFC系冷媒と
し、前記密閉容器内に前記炭化水素系冷媒、またはHF
C系冷媒と非相溶性または相溶性の小さい冷凍機油を封
入したものである。
【0024】また、この発明に係わる請求項10記載の
ロータリ圧縮機は、請求項1から請求項8の発明におい
て、使用冷媒を炭化水素系冷媒,またはHFC系冷媒と
し、前記密閉容器内に前記炭化水素系冷媒、またはHF
C系冷媒と相溶性を有する冷凍機油を封入したものであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1について図を参考にしながら説明する。図1
は、本発明の実施の形態1を示す縦断面図、図2は図1
のA−A断面図、図3は図1の矢視図Bである。図1にお
いて、ロータリ圧縮機は固定子2a及び回転子2bから
なる電動機部2、及びこの電動機部2により駆動される
圧縮機構部1により構成されており、固定子2aは圧縮
機構部1から電動機部2に向かって軸方向に突出するフ
レーム10の脚部10bとボルト締結されている。この
ように一体的に構成された電動機部2及び圧縮機構部1
は、コイルばね等の弾性支持部材21により密閉容器3
内に支持され、密閉容器3の内壁と電動機部2及び圧縮
機構部1の間に間隙(電動機部2及び圧縮機構部1が運
転中に振動しても密閉容器3の内壁と衝突しないような
間隙)が生じるように配置されている。図1、図2にお
いて、圧縮機構部1はガイド17を回転自在に嵌入する
円筒穴部8cと、該円筒穴部8cの半径方向外側に形成
されて密閉容器3内に連通しているブレード12の運動
空間18と、吸入口8dに連通する低圧室7及び吐出口
8eに連通する圧縮室6とで構成されるシリンダ室8a
とを有し、高さhと内径dとの比率h/dが0.8以下
となるように形成されたシリンダ8、上記シリンダ室8
a内に配置されたピストン9、該ピストン9に一体的に
設けられて、シリンダ室8aを吸入口8dに通じる低圧
室7と吐出口8eに通じる圧縮室6とに区画して、その
長さが駆動軸5の回転角度180゜(下死点)の位置に
おいて、ガイド17よりもその先端が半径方向外側に突
出するように形成されたブレード12、シリンダ8に形
成された前記円筒穴部8cに回転自在に嵌入され、ブレ
ード12を往復且つ揺動自在に支持するガイド17、駆
動軸5を回転自在に支持しシリンダ室8aの一方の端面
開口部を閉塞するフレーム10、シリンダ室8aの他方
の端面開口部を閉塞するシリンダヘッド11から構成さ
れている。また、20はピストン9の軸受9bやフレー
ム10の軸受10aに密閉容器3内に封入された潤滑油
4を供給するためのオイルパイプである。
【0026】また図1、図3において、シリンダヘッド1
1は、ボルト19によりシリンダ8に固定されるが、その
際、シリンダ室8aの中心O1(駆動軸5の中心O1と
同じ)とシリンダヘッド11の中心O2との最大ずれ量
ΔLmaxは、シリンダヘッド11に形成されるボルト
穴11cの穴径db2及び使用ボルト19の外径db1
とで規制されるようにする。即ち、ボルト穴11cの穴
径db2をボルト19の外径db1より所定量大きく
し、シリンダ室8aの中心O1とシリンダヘッド11の中
心O2が一致した時、前記穴径db2の中心とボルト外
径db1の中心とが一致するようにしている。そこで、
ボルト穴11cの穴径db2とボルト19の外径db1
で決められるボルト穴11cとボルト外径との隙間であ
る(db2−db1)/2が、最大ずれ量となり、この
最大ずれ量ΔLmaxは、式(4)で決められる。 ΔLmax=(db2−db1)/2 (4)シリンダヘッド11とシリンダ室8a、偏心軸部
5bとの関係を、シリンダヘッド11が上記の最大ずれ
量ΔLmaxずれても、シリンダヘッド11がシリンダ
室8aの端面開口部を閉塞し、かつ、偏心軸部5b下端
面を支持するようにしておけば、シリンダヘッド11の
取付け時、シリンダ8に対してシリンダヘッド11の位
置決めがボルト穴11cとボルト19で行うことがで
き、シリンダヘッド11の取り付けが容易となる。ま
た、図4は、シリンダ室8aの中心O1(駆動軸5の中
心O1と同じ)とシリンダヘッド11の中心O2とが一
致した時のオイルパイプ20付近の拡大図である。オイ
ルパイプ20は、図4に示す様に、駆動軸5の偏心軸部5
bで、駆動軸5の回転軸心O1と所定量e1だけ偏心し
た位置に圧入により装着されている。シリンダヘッド1
1の内径をdh、シリンダヘッド11に形成されたボル
ト穴11cの穴径をdb2、使用するボルト19の外径
をdb1、オイルパイプ20の外径をd0とすると、シ
リンダヘッド11の内周面とオイルパイプ20との最短
隙間は、(dh−d0)/2−e1となり、この最短隙
間が、ボルト11c穴径db2及び使用ボルト19の外
径db1とで規制される上記の最大ずれ量ΔLmaxよ
り大きい関係にしてあるので、シリンダヘッド11を取
付ける際に、シリンダ8に対してシリンダヘッド11の
位置決めがボルト穴とボルトで行っても、シリンダヘッ
ド11とオイルパイプ20との干渉を回避することがで
き、シリンダヘッド11の取り付けが容易となる。これ
により、オイルパイプ20とシリンダヘッド11との干
渉回避の為に、ズレ量を測定しながら組み立てる工程は
不必要となるので組み立て性も向上し、製造性に優れた
ロータリ圧縮機を得ることができる。
【0027】上記のように構成されたロータリ圧縮機に
おいては、駆動軸5の回転によりピストン9はブレード
12を介してガイド17の回転中心位置17cを支点に
揺動運動するようにシリンダ室8aの内壁に沿って公転
運動し、この公転運動により吸入管14から一旦密閉容
器3内に導かれた冷媒ガスは、吸入マフラ22を経由し
て吸入口8dよりシリンダ室8aに流入し圧縮されて、
吐出口8eから吐出管16を経て密閉容器3内に放出さ
れることなく直接圧縮機外へ吐出される。この時、ピス
トン9は、自身の公転運動により冷媒ガスを圧縮する
が、その際主に圧縮室6と低圧室7との圧力差によるガ
ス圧縮荷重Fgはピストン9の外周面9aに作用し、こ
のガス圧縮荷重Fgをフレーム10に形成された軸受1
0aにより支持する構成となっている。従って、シリン
ダヘッド11には軸受を形成していないので、圧縮機の
全長が短くなりコンパクトなロータリ圧縮機を得ること
が可能となる。
【0028】本発明の実施の形態1では、前記の式
(1)に基づき、シリンダ8の高さhを低く設定し、ガ
ス圧縮荷重Fgを小さくすることにより駆動軸5のガス
圧縮荷重Fgによる軸傾斜角αaを減少させて、軸受の
負荷容量Wを増加させている。従ってフレーム10の軸
受10aやピストン9の軸受9bにおいて油膜が形成さ
れやすくなり、該軸受における信頼性が向上する。以下
シリンダ8の高さhの設定について具体的に記す。前述
の如く、冷凍空調機器に搭載される圧縮機に要求される
冷凍能力は決まっているので、圧縮機のストロークボリ
ュームVstを変更することはできない。従って、駆動
軸5の偏心軸部5bに作用するガス圧縮荷重Fgを小さ
くすべくシリンダ8の高さhを小さくする際には必然的
にシリンダ8の内径dを大きくしなければならない。つ
まりシリンダ8の高さhとシリンダ8の内径dとの比率
h/dを小さくし扁平化することになる。本発明の実施
の形態1ではシリンダ8の高さhとシリンダ8の内径d
との比率h/dを図5に示す軸受摩耗試験結果から0.
8以下の領域で設定している。これは図5に示す軸受摩
耗試験結果において、h/dの増加につれて、軸受摩耗
量も増加するが、シリンダ8の高さhとシリンダ8の内
径dとの比率h/dがほぼ0.8以下であれば軸受摩耗
許容レベルとして耐用年数約10年が見込まれる。また、
シリンダ8の吸入口8dの直径を、圧縮機の性能低下要
因となる吸入圧力損失が生じない最小直径とした時、必
要肉厚等の関係よりシリンダ8の高さhの下限値は約1
0mm程度は必要であり、また、この高さhとバランス
上シリンダ8の内径dの上限は約80mm程度となる。
この場合h/dは0.13となる。
【0029】また、前記のように駆動軸5の偏心軸部5
bに作用するガス圧縮荷重Fgを小さくすることと、圧
縮機のストロークボリュームVstを不変とすることの
両者を鑑みて、シリンダ8の高さhとシリンダ8の内径
dとの比率h/dを小さくすると、必然的に駆動軸5の
偏心軸部の偏心量eが増大することになる。しかしなが
ら、本発明の実施の形態1においては、図6に示すよう
にブレード12をガイド17とピストン9とにより両持
ち支持しているので、駆動軸5の偏心軸部5bの偏心量
eが増大しても、ブレード12とピストン9とを一体的
に形成していない従来のロータリ圧縮機で問題となるブ
レード12の支持反力Fvの増大がブレード12の側面
12aの異常摩耗を引き起こすという致命的な不具合は
起こり得ない。加えてブレード12の一端はガイド17
により支持されるのでブレード12の側面12aとガイ
ド17の側面17aが片当りしたとしても、円弧で形成
されたガイド17の外周面17bによりガイド17がそ
の回転中心位置17cまわりに自転運動するので、片当
りは解消されて、ブレード12の側面12aでの摺動状
態は良好となる。従ってブレード12とピストン9とを
一体的に形成したロータリ圧縮機であれば、片持ち軸受
構造を採用し駆動軸5の偏心軸部5bの偏心量eが増大
してもブレード12の側面12aにおける摺動状態が悪
化することはなく、シリンダ8の高さhを低く、ひいて
はシリンダ8を扁平化することによって駆動軸5の偏心
軸部5bに作用するガス圧縮荷重Fgを小さくできるの
で、ガス圧縮荷重Fgによる駆動軸5の軸傾斜角αaを
小さくすることができる。従ってフレーム10の軸受1
0aやピストン9の軸受9bにおいて十分な軸受の負荷
容量Wを得ることができて、油膜が形成されるので該軸
受が異常摩耗することがなく、圧縮機の信頼性が十分に
確保可能となる。
【0030】加えて、ブレード12の運動空間18は前
記のように密閉容器3内と連通しているので、ブレード
12の運動空間18は必然的に低圧雰囲気となる。従っ
て、ブレード12の運動空間18が高圧雰囲気である従
来のロータリ圧縮機とは異なり、主にシリンダ室8a
(低圧〜高圧まで変化する)とブレード12の運動空間
18との圧力差に起因するブレード押付荷重Fnは作用
せず、駆動軸5の偏心軸部5bに作用する荷重はブレー
ド12の運動空間18が高圧雰囲気である場合に比べて
ブレード押付荷重Fn分だけ小さくなるので、駆動軸5
の変形が押さえられて軸傾斜角αはより小さくなる。従
って更に油膜が形成されやすくなり、より軸受の信頼性
が向上する。
【0031】更には、ピストン9とブレード12とを一
体化したことによりピストン9の自転運動が拘束されて
ピストン9の自転速度Vpが0となるので、駆動軸5の
回転速度をVjとすると、駆動軸5の偏心軸部5bとピ
ストン9の軸受9bとのすべり速度Vは駆動軸5の回転
速度と同じくVjとなる。故に、ピストン9の自転速度
Vp分だけすべり速度が低下してしまう従来のロータリ
圧縮機とは異なり、油膜の形成能力が十分に確保される
ので更に信頼性が向上する。また、片持ち軸受構造のた
め、ガス圧縮荷重Fgにより駆動軸5の軸が両持ち軸受
け構造に比較して傾斜が増加してもピストン9の内周面
に形成された軸受の油膜形成能力が改善されるので軸受
信頼性の高いロ−タリ圧縮機が得られる。
【0032】また、本発明の実施の形態1では、固定子
2aは圧縮機構部1から電動機部2に向かって軸方向に
突出するフレーム10の脚部10bとボルト締結されて
いる。このように一体的に構成された電動機部2及び圧
縮機構部1は、コイルばね等の弾性支持部材21により
密閉容器3内に支持され、密閉容器3の内壁と電動機部
2及び圧縮機構部1の間に間隙(電動機部2及び圧縮機
構部1が運転中に振動しても密閉容器3の内壁と衝突し
ないような間隙)が生じるように配置されている。従っ
て、電動機部2及び圧縮機構部1で圧縮機の運転中に生
じる振動及び騒音が外部に伝わり難く、圧縮機のより一
層の低振動、低騒音化が図れる。しかしながら、圧縮機
の輸送時には、一体的に構成された電動機部2及び圧縮
機構部1は大きく振動するため、密閉容器3の内壁と衝
突は回避不可能である。このような場合に、仮にシリン
ダ8にボルト19により締結されているシリンダヘッド
11が密閉容器3の内壁と衝突し、その時発生する衝突
荷重によりシリンダ8に対してシリンダヘッド11がズ
レを生じたとしても、ずれ量は、ボルト19とシリンダ
ヘッド11のボルト穴11bの式(4)に示す最大ずれ
量ΔLmaxを越えてはずれない(ずれようとしてもシ
リンダヘッド11はボルト19の外径により拘束され
る)ので、シリンダヘッド11とオイルパイプ20とが
干渉することはなく、輸送により圧縮機に不具合、具体
的にはオイルパイプ20とシリンダヘッド11とが干渉
し、運転不可能となる問題は上記構成により発生し得な
い。
【0033】また、本発明の実施の形態1では、駆動軸
5の偏心軸部5bに、偏心軸部5bのほぼ偏心方向に駆
動軸5の回転軸心と所定量e1だけ偏心した位置にオイ
ルパイプ20が圧入により装着されている。この時、オ
イルパイプ20の他端の給油孔20aの中心は、駆動軸
5のほぼ回転軸心上にある。このため、油溜めの潤滑油
の流速の遅いほぼ渦中心から駆動軸5の回転によりオイ
ルパイプ20の給油孔20aにより潤滑油4が吸引され
ることになり、給油効率の高い、いわゆる遠心式の給油
ポンプとなり、前記の差圧給油方式よりも多量の潤滑油
4を各軸受に供給することが可能となる。更に、オイル
パイプ20を偏心軸部5bの偏心方向(図4で、駆動軸
5の軸心O1に対して図示と反対側)に装着することに
より、駆動軸5の回転軸心O1に対するオイルパイプ2
0の偏心量e1を最大限大きく取ることが可能となり、
偏心量e1に比例する潤滑油4の各軸受部への給油量を
更に増加させることができる(シリンダヘッド11にも
軸受を形成する、いわゆる両持ち軸受構造を採用する
と、シリンダヘッド11の軸受の幾何学的制約を受け
て、オイルパイプ20の駆動軸5の回転軸心O1に対す
る偏心量e1を大きくすることが不可能であるが、片持
ち軸受構造である本発明の実施の形態1においては上記
制約を受けない)。従って各軸受部において油膜形成に
必要な油量を十分に確保できるとともに、多量の潤滑油
4が各軸受部に搬送されるため、各軸受部で発生する摩
擦熱を除去する冷却効果も併せて得られるので、各軸受
部の信頼性はより一層確かなものとなる。
【0034】実施の形態2.次に本発明の実施の形態2
について説明する。本例のロータリ圧縮機は、実施の形
態1の様に構成された圧縮機において、密閉容器3内に
封入する潤滑油4にプロパン、イソブタン等の炭化水素
系冷媒またはHFC134a等のHFC系冷媒に対し
て、非相溶性又は相溶性の小さい潤滑油4が用いられて
いる。
【0035】このように構成されたロータリ圧縮機で
は、潤滑油4に対するプロパン、イソブタン等の炭化水
素系である可燃性冷媒の溶け込み量を小さく抑えられる
ため、潤滑油4への冷媒の溶け込み量を見越して余分な
冷媒を封入する必要が無くなり、冷凍空調機器への冷媒
封入量を減らすことが可能となる。加えて、密閉容器3
内は低圧雰囲気であるため、密閉容器3内が高圧雰囲気
の場合よりも冷凍空調機器への冷媒封入量を更に減らす
ことが可能となり封入冷媒が室内に漏洩した場合でも爆
発限界に達する可能性は極めて低くなる。
【0036】また、潤滑油4に冷媒が溶け込むことが無
いために潤滑油4の実質の粘度が低下することなく各摺
動部に供給されることに加えて、密閉容器3内が低圧雰
囲気であるので密閉容器3内が高圧雰囲気の場合よりも
潤滑油4の温度が低く潤滑油4の粘度が高くなるので、
摺動部の異常摩耗、焼き付き等を確実に防止することが
可能となる。
【0037】実施の形態3.次に本発明の実施の形態3
について説明する。本例のロータリ圧縮機は、実施の形
態1の様に構成された圧縮機において、密閉容器3内に
封入する潤滑油4にプロパン、イソブタン等の炭化水素
系冷媒またはHFC134a等のHFC冷媒に対して、
相溶性を有する潤滑油4が用いられている。
【0038】このように構成されたロータリ圧縮機で
は、たとえ密閉容器内3内から冷凍サイクル中へ潤滑油
4が持ち出され、密閉容器3内の潤滑油4の量が減少し
たとしても、プロパン、イソブタン等の炭化水素系冷
媒、またはHFC134a等のHFC系冷媒と潤滑油4
とが相溶性を有しているので、冷凍サイクル中を流れる
冷媒によって再度密閉容器3内へ返油されて、密閉容器
3内の潤滑油4が枯渇することなく、各摺動部への潤滑
油4の供給が確保される。加えて、密閉容器3内が低圧
雰囲気であるので、プロパン、イソブタン等の炭化水素
系冷媒、またはHFC134a等のHFC系冷媒が潤滑
油4に溶け込む量が、密閉容器3内が高圧雰囲気である
場合よりも少なくなるので、潤滑油4の実質の粘度が低
下することなく各摺動部に供給されて、摺動部の異常摩
耗、焼き付き等を確実に防止することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】この発明の第1の発明に係わるロータリ
圧縮機によれば、シリンダ室を有するシリンダ、前記シ
リンダ室内で偏心して公転するピストン、前記シリンダ
室内を圧縮室と低圧室とに区画するブレード、前記ピス
トンの内周面にその偏心軸部が嵌入されて前記ピストン
を公転させる駆動軸等とで構成される圧縮機構部と、前
記駆動軸を回転させる電動機部と、を密閉容器内に備え
たロータリ圧縮機において、前記ブレードと前記ピスト
ンを一体化するとともに、前記シリンダに形成した円筒
穴部に回転自在に嵌入されて前記ブレードを往復且つ揺
動自在に支持するガイドと、前記シリンダ室の一方の端
面開口部を閉塞するように配置されて前記駆動軸を回転
自在に支持するフレームと、他方の端面開口部を閉塞す
るシリンダヘッドと、を具備したので、ピストンとブレ
ードとを一体化したことによりピストンの自転速度が零
となり、駆動軸の偏心軸部とピストンの軸受とのすべり
速度は駆動軸の回転速度と同じとなる。故に、ピストン
の自転速度分だけすべり速度が低下してしまう従来のロ
ータリ圧縮機とは異なり、片持ち軸受構造により、ガス
圧縮荷重により駆動軸の軸が傾斜してもピストンの内周
面に形成された軸受の油膜形成能力が改善されるので軸
受信頼性の高いロ−タリ圧縮機が得られる。加えてシリ
ンダヘッドには軸受を形成していないので、軸受を形成
することによって生ずる空間を無くすことができ、前記
効果に加えて軸方向にコンパクトな片持ち軸受構造のロ
ータリ圧縮機を得ることができる。
【0040】この発明の第2の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第1の発明において、シリンダの高さh
とシリンダの内径dとの比率h/dを0.8以下とした
ので、駆動軸の偏心軸部に作用するガス圧縮荷重Fgを
小さくすることが可能となり、その結果、駆動軸のガス
圧縮荷重Fgによる軸傾斜角αaを減少でき、軸受の負
荷容量Wを増加させることが可能となる。従ってフレー
ムの軸受やピストンの軸受において油膜が形成されやす
くなり、該軸受における信頼性が向上するので、第1の
発明の効果に加えてより信頼性の高い片持ち軸受構造の
ロータリ圧縮機を得ることが可能となる。また、シリン
ダの高さhとシリンダの内径dとの比率h/dを小さく
すると、必然的に駆動軸の偏心軸部の偏心量eが増大す
るが、ブレードをガイドとピストンとにより両持ち支持
しているので、駆動軸の偏心軸部の偏心量eが増大して
も、ブレードとピストンとを一体的に形成していない従
来のロータリ圧縮機で問題となるブレードの支持反力F
vの増大がブレードの側面の異常摩耗を引き起こすとい
う致命的な不具合は起こり得ない。従ってブレードとピ
ストンとを一体的に形成したロータリ圧縮機であれば、
片持ち軸受構造を採用しガス圧縮荷重Fgを小さくする
為にシリンダを扁平化しても、駆動軸の偏心軸部の偏心
量eが増大することによるブレードの側面の摺動状態悪
化は起こらない。
【0041】この発明の第3の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第1または第2の発明において、密閉容
器内を低圧雰囲気としたので、ブレード押付荷重Fnは
発生しない。そこで駆動軸の偏心軸部に作用する荷重は
ブレードの運動空間が高圧雰囲気である従来のロ−タリ
圧縮機に比べてブレード押付荷重Fn分だけ小さくな
り、駆動軸の変形が押さえられて軸傾斜角αは小さくな
る。従って更に油膜が形成されやすくなり、前記効果に
加えてより軸受の信頼性の高い片持ち軸受構造のロータ
リ圧縮機を得ることが可能となる。
【0042】この発明の第4の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第1、第2または第3の発明において、
圧縮機構部及び電動機部を密閉容器内に弾性支持部材に
より保持したので、電動機部及び圧縮機構部で生じる振
動及び騒音が外部に伝わり難く、より一層の低振動、低
騒音化が図れるロータリ圧縮機を得ることができる。
【0043】この発明の第5の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第1から第4のいずれかの発明において
前記シリンダヘッドに形成されたボルト穴と、シリンダ
ヘッド組付け時に使用するボルト外径との間隙により前
記シリンダに対してシリンダヘッドが位置決めされるの
で、前記シリンダに対するシリンダヘッドの取付けが容
易となる。
【0044】この発明の第6の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第1から第5のいずれかの発明におい
て、駆動軸の偏心軸部に、オイルパイプを装着したの
で、オイルパイプは、両持ち軸受構造を採用した場合よ
りも駆動軸の回転軸心に対する偏心量を大きく取ること
が可能となる。故に、偏心量に比例する給油量を増加さ
せることができ、多量の潤滑油を各軸受部に供給するこ
とが可能となる。この構成によれば各軸受部において油
膜形成に必要な油量を十分に確保できるとともに、多量
の潤滑油が各軸受部に供給されるため、各軸受部で発生
する摩擦熱を除去する冷却効果も併せて得られるので、
各軸受部の信頼性はより一層確かなものとなる。
【0045】この発明の第7の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第5の発明において、オイルパイプを偏
心軸部に装着し、かつ、シリンダヘッド中心が駆動軸中
心と一致する位置にある場合の前記シリンダヘッドの内
周面と前記オイルパイプとの最短隙間が、前記ボルト穴
と前記ボルト外径との隙間より大きくしたので、シリン
ダに対する前記シリンダヘッドの取付け組立時、シリン
ダに対してシリンダヘッドの位置決めがボルト穴とボル
トで行っても、シリンダヘッドとオイルパイプとの干渉
を回避することができ、シリンダヘッドの取り付けが容
易となる。これにより、オイルパイプとシリンダヘッド
との干渉回避の為に、ずれ量を測定しながら組み立てる
工程は不必要となるので組み立て性も向上し、製造性に
優れたロータリ圧縮機を得ることができる。
【0046】この発明の第8の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第6の発明において、偏心軸部の偏心方
向にオイルパイプが装着されるので、駆動軸の回転軸心
に対するオイルパイプの偏心量を最大限大きく取ること
が可能となる。故に、偏心量に比例する給油量を増加さ
せることができるので、多量の潤滑油を各軸受部に供給
することが可能となる。この構成によれば、各軸受部に
おいて油膜形成に必要な油量を十分に確保できるととも
に、多量の潤滑油が各軸受部に供給されるため、各軸受
部で発生する摩擦熱を除去する冷却効果も併せて得ら
れ、各軸受部の信頼性はより一層確かなものとなる。
【0047】この発明の第9の発明に係わるロータリ圧
縮機によれば、第1から第8のいずれかの発明におい
て、使用冷媒を炭化水素系冷媒,またはHFC系冷媒と
し、前記密閉容器内に前記炭化水素系冷媒、またはHF
C系冷媒と非相溶性または相溶性の小さい冷凍機油を封
入したので、潤滑油に対するプロパン、イソブタン等の
炭化水素系である可燃性冷媒の溶け込み量を小さく抑え
られるため、潤滑油への冷媒の溶け込み量を見越して余
分な冷媒を封入する必要が無くなる。従って、冷凍空調
機器への冷媒封入量を減らすことが可能となるので封入
冷媒が室内に漏洩した場合でも爆発限界に達する可能性
は極めて低いので安全性に優れたロータリ圧縮機を得る
ことが可能となる。また、潤滑油に冷媒が溶け込むこと
が無いために潤滑油の実質の粘度が低下することなく各
摺動部に供給されるで、摺動部の異常摩耗、焼き付き等
を確実に防止することができる信頼性の高いロータリ圧
縮機を得ることができる。
【0048】この発明の第10の発明に係わるロータリ
圧縮機によれば、第1から第8のいずれかの発明におい
て、使用冷媒を炭化水素系冷媒,またはHFC系冷媒と
し、前記密閉容器内に前記炭化水素系冷媒、またはHF
C系冷媒と相溶性を有する冷凍機油を封入したので、た
とえ密閉容器内から冷凍サイクル中へ潤滑油が持ち出さ
れ、密閉容器内の潤滑油の量が減少したとしても、プロ
パン、イソブタン等の炭化水素系冷媒、またはHFC1
34a等のHFC系冷媒と潤滑油とが相溶性を有してい
るので、冷凍サイクル中を流れる冷媒によって再度密閉
容器内へ返油されて、密閉容器内の潤滑油が枯渇するこ
となく、各摺動部への潤滑油の供給が確保されるので、
摺動部の異常摩耗、焼き付き等を確実に防止することが
可能な信頼性の高いロータリ圧縮機を得ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機
の縦断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1の矢視図B
【図4】本発明の実施の形態1におけるオイルパイプ付
近の部分拡大図
【図5】本発明の実施の形態1における軸受摩耗試験結
果を示す図
【図6】本発明の実施の形態1におけるガス圧縮荷重F
gの支持形態説明図
【図7】従来のロータリ圧縮機を示す縦断面図
【図8】図7のA−A断面図
【図9】ガス圧縮荷重Fgの支持形態説明図
【図10】軸受の支持形態の違いによる駆動軸の軸傾斜
角の計算結果を示す図
【図11】駆動軸の軸傾斜角αと軸受の負荷容量Wとの
関係を示す図
【図12】従来のロータリ圧縮機におけるブレードの支
持形態説明図
【図13】従来のロータリ圧縮機におけるピストン自転
運動説明図
【符号の説明】
1圧縮機構部、2電動機部、3密閉容器、5駆動軸、5
b偏心軸部、6圧縮室、7低圧室、8シリンダ、8aシ
リンダ室、8c円筒穴部、9ピストン、10フレーム、
11シリンダヘッド、11cボルト穴、11d内周面、
12ブレード、17ガイド、19ボルト、20オイルパ
イプ、21弾性支持部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 稔 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 渡辺 英治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 谷 真男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山本 隆史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 川口 進 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ室を有するシリンダ、前記シリ
    ンダ室内で偏心して公転するピストン、前記シリンダ室
    内を圧縮室と低圧室とに区画するブレード、前記ピスト
    ンの内周面にその偏心軸部が嵌入されて前記ピストンを
    公転させる駆動軸等とで構成される圧縮機構部と、前記
    駆動軸を回転させる電動機部と、を密閉容器内に備えた
    ロータリ圧縮機において、前記ブレードと前記ピストン
    を一体化するとともに、前記シリンダに形成した円筒穴
    部に回転自在に嵌入されて前記ブレードを往復且つ揺動
    自在に支持するガイドと、前記シリンダ室の一方の端面
    開口部を閉塞するように配置されて前記駆動軸を回転自
    在に支持するフレームと、他方の端面開口部を閉塞する
    シリンダヘッドと、を具備したことを特徴とするロータ
    リ圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記シリンダの高さhと前記シリンダの
    内径dとの比率h/dを0.8以下としたことを特徴と
    する請求項1記載のロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記密閉容器内を低圧雰囲気としたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のロータリ圧
    縮機。
  4. 【請求項4】 前記圧縮機構部及び電動機部を密閉容器
    内に弾性支持部材により保持したことを特徴とする請求
    項1、請求項2または請求項3記載のロータリ圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記シリンダヘッドに形成されたボルト
    穴と、シリンダヘッド組付け時に使用するボルト外径と
    の間隙により前記シリンダに対してシリンダヘッドが位
    置決めされることを特徴とする請求項1から請求項4の
    うちいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記駆動軸の偏心軸部にオイルパイプを
    装着したことを特徴とする請求項1から請求項5のうち
    いずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記オイルパイプを前記偏心軸部に装着
    し、かつ、前記シリンダヘッド中心が駆動軸中心と一致
    する位置にある場合の前記シリンダヘッドの内周面と前
    記オイルパイプとの最短隙間が、前記ボルト穴とボルト
    外径との隙間より大きいことを特徴とする請求項5記載
    のロ−タリ圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記オイルパイプを前記偏心軸部の偏心
    方向に装着したことを特徴とする請求項6記載のロータ
    リ圧縮機。
  9. 【請求項9】 使用冷媒を炭化水素系冷媒、またはHF
    C系冷媒とし、前記密閉容器内に前記炭化水素系冷媒、
    またはHFC系冷媒と非相溶性または相溶性の小さい冷
    凍機油を封入したことを特徴とする請求項1から請求項
    8のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  10. 【請求項10】 使用冷媒を炭化水素系冷媒、またはH
    FC系冷媒とし、前記密閉容器内に前記炭化水素系冷
    媒、またはHFC系冷媒と相溶性を有する冷凍機油を封
    入したことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれ
    か1項に記載のロータリ圧縮機。
JP32785899A 1999-11-18 1999-11-18 ロータリ圧縮機 Pending JP2001140773A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32785899A JP2001140773A (ja) 1999-11-18 1999-11-18 ロータリ圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32785899A JP2001140773A (ja) 1999-11-18 1999-11-18 ロータリ圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001140773A true JP2001140773A (ja) 2001-05-22
JP2001140773A5 JP2001140773A5 (ja) 2006-02-09

Family

ID=18203769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32785899A Pending JP2001140773A (ja) 1999-11-18 1999-11-18 ロータリ圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001140773A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009243317A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Mitsubishi Electric Corp ロータリ圧縮機
KR101064374B1 (ko) 2008-02-20 2011-09-14 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 밀폐형 압축기

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101064374B1 (ko) 2008-02-20 2011-09-14 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 밀폐형 압축기
EP2093525A3 (en) * 2008-02-20 2014-11-26 Mitsubishi Electric Corporation A hermetic type compressor
JP2009243317A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Mitsubishi Electric Corp ロータリ圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3874013B2 (ja) 回転式圧縮機
US7300265B2 (en) Flanged sleeve guide
WO2005103496A1 (ja) 回転式流体機械
KR101510697B1 (ko) 회전축 및 이를 적용한 밀폐형 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
EP0978655A1 (en) Rotary compressor, refrigerating cycle using the compressor, and refrigerator using the compressor
EP1464840A1 (en) Scroll compressor
CA2441052C (en) Horizontal two stage rotary compressor with improved lubrication structure
JP3364016B2 (ja) 冷凍機用スクロール型圧縮機
JP4288741B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP3863685B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2001140773A (ja) ロータリ圧縮機
CN113482932B (zh) 旋转式压缩机及制冷设备
US5788472A (en) Hermetic rotary compressor with eccentric roller
KR101549863B1 (ko) 밀폐형 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
JP5091019B2 (ja) スクロール膨張機
JP2003286979A (ja) ヘリカルブレ−ド式圧縮機
EP3705723B1 (en) Scroll compressor
JP2000179472A (ja) ロータリ圧縮機
JP3574904B2 (ja) 密閉式容積形圧縮機
JP2008121490A (ja) 回転式圧縮機
JP2001050179A (ja) ロータリ圧縮機、この圧縮機を用いた冷凍サイクル及びこの圧縮機を用いた冷蔵庫
JP2000170677A (ja) ロータリー圧縮機
JPH09317663A (ja) スクロール圧縮機
JP2008144678A (ja) スクロール圧縮機
JP3874018B2 (ja) スクロール型流体機械

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090317