JP2001139311A - 高濃度オゾン含有ガスの貯蔵方法と高濃度オゾン含有ガスの貯蔵装置、及び酸化処理方法と酸化処理装置 - Google Patents

高濃度オゾン含有ガスの貯蔵方法と高濃度オゾン含有ガスの貯蔵装置、及び酸化処理方法と酸化処理装置

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JP2001139311A JP31803899A JP31803899A JP2001139311A JP 2001139311 A JP2001139311 A JP 2001139311A JP 31803899 A JP31803899 A JP 31803899A JP 31803899 A JP31803899 A JP 31803899A JP 2001139311 A JP2001139311 A JP 2001139311A
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Yoshiki Morikawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾンガス濃度低下を防止すると共にその強
い酸化力を有効に利用することができる高濃度オゾン含
有ガスの貯蔵方法と高濃度オゾン含有ガスの貯蔵装置、
及び酸化処理方法と酸化処理装置を得ることにある。 【解決手段】 本発明は、真空チャンバー内に配置され
たオゾンに対して不活性で且つ熱伝導性の良い材料から
成るターゲット基板を冷却し、ターゲット基板上に高純
度オゾンガスを供給することで高純度オゾンガスをター
ゲット基板上に固体オゾンとして吸着する工程とにより
高濃度オゾン含有ガスの貯蔵する。また、貯蔵した固定
オゾンを、表面へのレーザー光照射、又は加熱を行うこ
とにより、被酸化試料表面に向けてオゾンビームを照射
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度オゾン含有
ガスを貯蔵する高濃度オゾン含有ガスの貯蔵方法と高濃
度オゾン含有ガスの貯蔵装置、及び貯蔵した高濃度オゾ
ンガスを用いて効率よく各種の酸化処理を行う酸化処理
方法と酸化処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン(元素記号:O3)の強い
酸化力を利用した酸化処理が、上下水処理を始めとする
種々の分野で進展しており、中でも半導体素子の製造分
野では、Siウエーハ洗浄やTEOS−CVD( Tetra
Ethyl Ortho Silicate-Chemical Vapor Deposition)
への適用が検討されつつある。
【0003】Siウエーハ洗浄は、オゾンガスを純水に
溶かしたオゾン水を洗浄液として用いるもので、希ふっ
酸水溶液等と併用することでSiウエーハ上の重金属や
有機物を除去できることが発表されている。
【0004】また、TEOS−CVDは、半導体素子を
多層配線化する際の層間絶縁膜の形成に用いられ、電極
によるウエーハ表面の凹凸を絶縁膜で平坦化できること
が特長であり、このTEOS−CVDにオゾンを添加す
ることによって平坦化の性能が向上することが報告され
ている。
【0005】これらの発表や報告は、10%程度の比較
的低濃度のオゾンガスを利用した例であるが、80%以
上の比較的高濃度のオゾンガスを利用することで、従来
の低濃度オゾンガスの利用では考えられなかった新たな
応用の可能性が指摘され始めており、その一例として特
開平8−335576号公報に半導体デバイス等のシリ
コン酸化膜の形成が開示されている。そして、この公開
公報によれば、比較的高濃度のオゾンガスを利用するこ
とで、従来の熱酸化法では為し得ない室温等の比較的低
温での酸化膜形成が可能で、亜酸化層や欠陥構造の少な
い良質な酸化膜の形成が可能となることが紹介されてい
る。
【0006】図15に示す装置に基づいて、従来のシリ
コン酸化膜の形成方法について説明する。図中、20は
真空チャンバー、21は高純度オゾン発生装置、22は
高純度オゾンを真空チャンバー20に供給するための輸
送管である。
【0007】先ず、第一工程として、例えば白木法によ
り、被酸化試料27の表面を化学的に水素終端処理を行
う。白木法に代え、試料表面の7×7清浄面を出した
後、真空チェンバ20内で試料温度380℃に保って試
料27を水素ガスに露出し(水素ガス供給系は図示省
略)、一方で試料27に対向する位置に設けたタングス
テンフィラメント(図示せず)を高温加熱して水素分子
を原子状に解離させることでも水素終端処理が図れる。
ただし、900℃にも及ぶような従来の熱酸化法におけ
る高温環境に比せば十分に低いとは言え、380℃程度
の温度でも試料27を加熱することが望ましくない場合
には、前者の白木法等、化学的手法による方が望まし
い。このようにして水素終端処理された試料27の表面
は極めて平滑であり、原子層オーダで平坦である。
【0008】そして、第二の工程として、図15に示す
ように、オゾン発生装置21にて発生させた高純度オゾ
ンを、輸送管22を介してビーム状のオゾンジェット2
3として真空チェンバー20内に導き、被酸化試料27
に吹き付けることで酸化処理を行うことで、亜酸化層や
欠陥構造の少ない良質な酸化膜を形成することができ
る。
【0009】ここで、高純度オゾン発生装置21として
は、オゾンと酸素との低温における蒸気圧の差を利用す
ることによりほぼ100%の純オゾンを貯蔵,発生させ
る方法が知られており、その一例として、発生したオゾ
ンガスを一旦液化貯蔵して、その後気化させることによ
りほぼ100%の高濃度オゾンガスを生成する特公平5
−17164号公報に紹介されている装置を用いること
がでる。
【0010】そして、このような高純度オゾン発生装置
を用いることにより、真空チェンバー20内に導入され
た時の状態で80%以上の高いオゾン濃度を得ることが
でき、オゾンジェット23の照射時間も1mS単位で制
御可能である外、オゾンジェット23の圧力変動も10
%程度以内に抑えることができる。
【0011】なお、25は試料表面の分析等を行うXP
S(X-ray photoemission spectroscopy)解析装置であ
り、24はX線源,26はX線であり、この種酸化処理
装置の周辺機器として設けられているものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オゾン生成
装置でほぼ100%の高濃度オゾンガスを発生できたと
しても、輸送管を経由する間に20%程度は酸素に分解
してしまう。但し、ここでの分解は輸送管をできる限り
太く且つ短くすることで、ある程度のオゾン分解率を下
げることは可能である。
【0013】しかし、真空チャンバー内に吹き出したオ
ゾンガスは拡散により広がるため、実際に被酸化試料上
に衝突、反応する成分は一部である。そして、効率を上
げるためには、配管口先端から被酸化試料までの距離を
なるべく近づけるしか方法はない。
【0014】また、オゾンジェットを被酸化試料に吹き
付ける方法を用いる装置では、真空チャンバー内に取り
付けてある表面分析装置への影響等の関係から、真空度
をある値以上に悪くできない、真空ポンプなどに酸化力
の強いオゾンガスによる負荷をかけたくない等の理由で
どうしてもオゾン供給量(供給速度)に限界があり、い
くら酸化力の強いオゾンでも被酸化試料が室温では数原
子層(数nm)の酸化に10時間以上かかってしまい、
高速に酸化を起こすためには被酸化試料を数百度に過熱
することが必要となる。
【0015】以上のように、従来の吹きつけ法では一定
割合分解したオゾンガスしか供給できず、また供給量、
供給速度に制限があり、さらにガスの有効利用率が低か
ったことから、オゾンガスの強い酸化力を利用しても従
来の酸素ガスによる熱酸化膜に対して優位な酸化膜を形
成することが困難であった。
【0016】そこで本発明はこれらの問題を解決し、オ
ゾンガス濃度低下を防止すると共にその強い酸化力を有
効に利用することができる高濃度オゾン含有ガスの貯蔵
方法と高濃度オゾン含有ガスの貯蔵装置、及び酸化処理
方法と酸化処理装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1発明は、真空チャン
バー内に配置されたオゾンに対して不活性で且つ熱伝導
性の良い材料から成るターゲット基板を冷却する工程
と、ターゲット基板上に高純度オゾンガスを供給するこ
とで高純度オゾンガスをターゲット基板上に固体オゾン
として吸着する工程と、高純度オゾンガスの供給を止め
ると共にターゲット基板温度をオゾン蒸気圧が真空チャ
ンバー内の圧力と同じになるまで昇温することによりタ
ーゲット基板上に吸着していたオゾン以外のガスを除去
する工程を有することを特徴とする高濃度オゾン含有ガ
スの貯蔵方法に関する。
【0018】第2発明は、第1発明のオゾンガス以外の
ガスを除去する工程において、ターゲット基板温度を4
0〜60Kに昇温することを特徴とする。
【0019】第3発明は、第1又は第2発明のターゲッ
ト基板は透光性を有することを特徴とする。ここで使用
できる基板としては、サファイア,溶融石英,フッ化カ
ルシウム,フッ化マグネシウム,フッ化リチウム,方解
石等を用いることが可能であり、塩化カリウム,塩化ナ
トリウム,臭化カリウム,水晶,ダイアモンド,フッ化
ナトリウム,フッ化バリウム,ベリリウム等についても
使用できる可能性が考えられる。
【0020】第4発明は、第1乃至第3発明のターゲッ
ト基板として、最適と考えられるサファイア基板を用い
たことを特徴とする。
【0021】第5発明は、真空チャンバー内に配置され
たオゾンに対して不活性で且つ熱伝導性の良い材料から
成るターゲット基板と、ターゲット基板を冷却する冷却
手段と、ターゲット基板上に高純度のオゾンガスを供給
する輸送管と、ターゲット基板の温度を昇温する加熱手
段を有することを特徴とする。
【0022】第6発明は、第5発明のターゲット基板は
透光性を有することを特徴とする。ここで使用できる基
板としては、サファイア,溶融石英,フッ化カルシウ
ム,フッ化マグネシウム,フッ化リチウム,方解石等を
用いることが可能であり、塩化カリウム,塩化ナトリウ
ム,臭化カリウム,水晶,ダイアモンド,フッ化ナトリ
ウム,フッ化バリウム,ベリリウム等についても使用で
きる可能性が考えられる。 第7発明は、第5及び第6
発明の高濃度オゾン含有ガスの貯蔵装置において、最適
と考えられるサファイア基板を用いたことを特徴とす
る。
【0023】第8発明は、第1乃至第4発明の高濃度オ
ゾン含有ガスの貯蔵方法により貯蔵した固定オゾン表面
にレーザ光を照射してアブレーションを行うことによ
り、真空チャンバー内にターゲット基板と対向配置した
被酸化試料表面に向けてオゾンビームを照射する工程と
から成る酸化処理方法に関する。
【0024】第9発明は、第8発明におけるレーザ光と
して、オゾンの吸収が強く起こる紫外光付近の200〜
370nmの波長を有することを特徴とする。また、オ
ゾンの吸収スペクトルの最も強い220〜300nm
(Hartleyバンド)が更に好ましいと考えられる。
【0025】第10発明は、第7及び第8発明における
レーザ光の絞り,照射位置、又はターゲット基板と被酸
化試料との距離を調節することによって、被酸化試料の
酸化領域を調整することを特徴とする。
【0026】第11発明は、第1乃至第4発明の記載の
高濃度オゾン含有ガスの貯蔵方法により貯蔵した固定オ
ゾンを、ターゲット基板の温度をオゾン蒸気圧が真空チ
ャンバー圧力より高くなる温度まで上昇させて固体オゾ
ンを気化させることにより、オゾンガスとして真空チャ
ンバー内にターゲット基板と対向配置した被酸化試料表
面に向けて導く工程とから成る酸化処理方法に関する。
【0027】第12発明は、第5乃至第7発明の高濃度
オゾン含有ガスの貯蔵装置の真空チャンバー内にターゲ
ット基板と対向して被酸化試料を配置し、ターゲット基
板表面へレーザ光を照射するレーザ光照射装置を設けて
構成したことを特徴とする酸化処理装置に関する。
【0028】第13発明は、第12発明の酸化処理装置
において、レーザ光照射装置を真空チャンバー外に配置
し、真空チャンバーにレーザ光を透過し且つ前記真空チ
ャンバー内の真空状態を保持する窓を形成し、レーザ光
照射装置からのレーザ光をこの窓を介してターゲット基
板に照射するよう構成したことを特徴とする。
【0029】第14発明は、第12発明の酸化処理装置
において、レーザ光照射装置を真空チャンバー外に配置
し、真空チャンバー内の真空状態を保持した状態で真空
チャンバーを貫通する光ファイバーを設け、レーザー光
照射装置からのレーザ光を光ファイバーを介してターゲ
ット基板に照射するよう構成したことを特徴とする。
【0030】第15発明は、第5乃至第7発明の高濃度
オゾン含有ガスの貯蔵装置の真空チャンバー内におい
て、ターゲット基板と対向して被酸化試料を配置するこ
とを特徴とする酸化処理装置に関する。
【0031】第16発明は、第15発明の酸化処理装置
において、ターゲット基板を底面として、オゾンに対し
て不活性で且つ熱伝導性の良い材料により、上方に被酸
化試料に対応した開口部を有する拡散防止室を形成し、
前記拡散防止室と輸送管とを連通して構成したことを特
徴とする。
【0032】第17発明は、第16発明の酸化処理装置
におけるオゾンに対して不活性で且つ熱伝導性の良い材
料としてアルミニウムを用いたことを特徴とする。
【0033】第18発明は、請求項12乃至17に記載
の酸化処理装置において、真空チャンバー内で被酸化試
料を移動する移動手段を有することを特徴とする。
【0034】第19発明は、第18発明における移動手
段としてマニプレータを用いたことを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】出願人等は、組成,運動量の制御
された指向性の高いオゾンビームを被酸化試料表面に供
給することができれば、さらにオゾンの利点を引き出す
ことができると考え、高い並進エネルギーを持った粒子
放出が確認されているレーザアブレーションプロセスに
着眼した。
【0036】そして、先ずオゾンを一旦固体化し、アブ
レーション条件を変えたときに生じるビームの組成,運
動量を分析し、金属銅の酸化実験を試みた。
【0037】図1に実験装置の概略を示す。図1中、1
は真空チャンバ−であり、2はオゾン発生装置(図示省
略)にて発生させた高純度オゾンを供給する輸送管であ
る。3はレーザ光を照射するレーザ光照射装置として用
いるエキシマレーザであり、レーザ光源にはKrFエキ
シマレーザを用いた。4はターゲット基板であり、本実
施形態においてはオゾンとの相互作用が少なくレーザ光
を吸収しないサファイアを用いている。このターゲット
基板4は熱伝導度がよくオゾンガスと反応しない材質が
好ましく、ターゲット基板4の材質としてはサファイア
が最も好ましいが、溶融石英,フッ化カルシウム,フッ
化マグネシウム,フッ化リチウム,方解石等を用いるこ
とが可能であり、塩化カリウム,塩化ナトリウム,臭化
カリウム,水晶,ダイアモンド,フッ化ナトリウム,フ
ッ化バリウム,ベリリウム等についても使用できる可能
性が考えられる。また、オゾンとの反応の少ないガラ
ス,アルミニウム等を用いることも考えられる。但し、
固体オゾンが存在しない状態でのレーザー光照射の際の
影響等を考慮すると、ターゲット基板としては、レーザ
ー光を透過する透光性を有する材料である方が好まし
い。
【0038】5はターゲット基板4と熱的に結合した銅
ブロックであり、ターゲット基板4はこの銅ブロック5
を介して加熱手段であるヒーター6,冷却手段である冷
凍機を有するコールドヘッド7と各々接続され、これら
によってターゲット基板4の温度が制御される。8はタ
ーゲット基板4の温度を測定する温度計であり、9は放
出される粒子の組成,速さ分布を測定するためにターゲ
ット基板4と対向して設けられた四重極分析管(QM
S)である。10はQMS9の出力(コレクタ電流)を
増幅するプリアンプであり、11はデジタルオシロスコ
ープである。
【0039】なお、真空チャンバー1には、レーザ光を
透過し且つ真空チャンバー1内の真空状態を保持する窓
1aが形成されており、エキシマレーザ3からのレーザ
光をこの窓を介してターゲット基板4上に照射されるよ
う構成されている。
【0040】以上のように構成された実験装置を用い
て、高純度オゾン発生装置から適量のオゾンガスを真空
チャンバ−1内で50K程度に冷やされたサファイア基
板4上に供給し、その後、サファイア基板4温度を任意
の温度に保ったまま、エキシマレーザ3によりレーザ光
をサファイア基板4表面45度の方向から照射し、レー
ザパルスごとに放出される粒子の組成,速さ分布をサフ
ァイア基板4に対向した位置に設けた四重極分析管(Q
MS)9で測定を行った。QMS9の出力(コレクタ電
流)はプリアンプ10で増幅し、デジタルオシロスコー
プ11でレーザパルス印加からの時間の関数として記録
した。S/N比向上のため100パルスの積算を行っ
た。以下に、具体的な実験について説明する。
【0041】先ず、にサファイア基板4上への固体オゾ
ンを吸着させることを試み、その吸着量(成長速度),
固体オゾンの純度を調べた。サファイア基板4温度を3
3Kに冷却して高純度オゾンガスを供給し始めると、サ
ファイア基板4上に同心円状の干渉縞が出現し、時間の
経過とともに縞数が増え外へ広がっていくのが確認でき
た。
【0042】ここで、高純度オゾンを供給する高純度オ
ゾン発生装置としては、前述の特公平5−17164号
公報に紹介されている装置を用いたが、その他にモレキ
ュラーシーブ等を用いてオゾン分子を一旦吸着貯蔵し、
その後脱着気化させることで高純度オゾンを得る方法を
利用した装置等を用いることもできる。
【0043】次に、高純度オゾンガスの供給を止めその
後ゆっくりサファイア基板4の温度を上げていくと図2
に示す圧力変化が確認された。
【0044】図2において、QMS9の(m/e=)3
2と48の信号強度比及び蒸気圧により、40K付近で
の圧力上昇は(輸送管2でのオゾン分解による)酸素に
よるものであり、また、60〜80Kでの圧力上昇はオ
ゾンの気化によるものであることが確認された。また後
者のQMS9の信号強度比から、純度60%以上のオゾ
ンがサファイア基板4上に固体オゾンとして吸着してい
ることが確認できた。
【0045】十分な量の固体オゾンが吸着しているのを
確認した後、エキシマレーザ3によりアブレーションを
行い放出粒子の組成、速度分布等を調べた。その際レー
ザパワー密度、サファイア基板4温度を変えての実験も
行った。
【0046】図3にオゾン,酸素の典型的な速度分布
(信号強度とレーザー印可からの時間との関係)を示
す。図3からオゾンは略一定の速度をもって飛び出して
いるが、酸素はかなり早い成分から遅い成分までばらつ
いているのがわかる。これはサファイア基板4に吸着し
た段階で酸素に分解したもの、アブレーション時に酸素
に分解したもの、ビーム状態でQMS9に向かう途中で
分解したもの、何度も真空チャンバ1の壁に衝突した後
検出されたもの等があるためと考えられる。
【0047】図4にレーザパワー密度を変えたときのオ
ゾン速度分布の変化を示す。いずれの場合も300ms
前後にピークを持っており、この速度分布は放出粒子が
900Kという高温で熱平衡にあるものが並進してきて
いる(ボルツマン近似)と考えると、実験結果はこれに
ほぼ一致した。なお、レーザパワー密度を弱くすると全
体のオゾン放出量が減少しているが、依然として速い速
度を持つ成分は存在していることがわかる。
【0048】図5にサファイア基板4の温度を変えてレ
ーザ光照射によるアブレーションを行ったときのオゾン
と酸素の信号強度積算比の変化を示す。サファイア基板
4の温度が下がるほどこの比は減少している。これは温
度の低下に従い、サファイア基板4上の固体オゾンの純
度が下がること以外に、アブレーション時のオゾン分解
率が上がっているためと考えられる。
【0049】以上の実験結果から出願人は、先ず、前記
実験で用いたサファイア基板上への固体オゾンを吸着さ
せ、固体オゾン吸着後にターゲット基板温度をオゾン蒸
気圧が真空チャンバー内の圧力と同じになる温度(実験
では40〜60Kが最適値)まで昇温することによりタ
ーゲット基板上に吸着していたオゾン以外のガスを除去
してオゾンの濃度を向上することができ、この方法,構
成により高濃度オゾン含有ガスの貯蔵方法,貯蔵装置が
得られることを確認した。
【0050】更に、レーザ光照射によるアブレーション
の実験から、被酸化試料へ分解率の低い高温,高純度オ
ゾンガスを供給し、オゾンガスを無駄なく最大限有効利
用し、更にオゾンガス供給量、供給速度を厳密に制御で
きること、更に最適条件でオゾンガスを供給することに
より、オゾンガスの酸化力の高さを有効に引き出すこと
ができ、酸化処理装置として使用することができると考
えた。以下に本実施形態に係る酸化処理装置について説
明する。 (第1実施形態)図6に基づいて本発明に係る酸化処理
装置の第1実施形態を説明する。第1実施形態は、ター
ゲット基板上に吸着させた固体オゾンの気化にレーザ光
照射を用いた酸化処理装置に関するものである。
【0051】図中、1は真空チャンバーであり、2は高
純度オゾン発生装置から真空チャンバー1内へ高純度オ
ゾンガスを供給する輸送管である。3はレーザ光を照射
するエキシマレーザであり、4はターゲット基板(本実
施形態においてもサファイア基板を使用)、5は銅ブロ
ック、6は加熱手段として用いるヒータ、7は冷却手段
として用いる冷凍機である。なお、真空チャンバー1に
は、レーザ光を透過し且つ真空チャンバー1内の真空状
態を保持する窓1aが形成されており、エキシマレーザ
3からのレーザ光をこの窓を介してターゲット基板4に
照射されるよう構成されている。また、冷凍機7として
は、前述の実験と同様にコールドヘッドを有するものを
用いても良い。12はオゾンガスの吹き出し口、13は
高純度オゾン発生装置、14は酸化処理される被酸化試
料である。更に、被酸化試料試料表面の分析等を行うX
PS,X線源、及び真空チャンバーを真空とするための
真空ポンプ等の周辺機器については図示及び説明を省略
する。
【0052】以上の構成で先ず、前述の実験と同様に真
空チャンバー1内のオゾンガス吹き出し口12近く配置
したサファイア基板4を銅ブロック5を介して冷凍機7
によりオゾンの融点である80K以下で、かつ可能な限
り下げる。温度としては、酸素の蒸気圧が真空チャンバ
ー1内の圧力に比べ十分低くなる温度が良く、本実施形
態においては33Kであった。
【0053】そして、高純度オゾン発生装置13からの
高純度のオゾンガスを、吹き出し口12よりサファイア
基板4に向かって吹き付ける。この時、吹き出し口12
がターゲット基板4の近くに設けてあるため、吹き出し
口12から出てきたオゾンガスのほとんどを固体化して
サファイア基板4上にトラップすることができるため、
真空チャンバー1内の圧力上昇はほとんど引き起こすこ
となく、サファイア基板4上に必要十分な量のオゾン含
有ガス(酸素含む)を吸着させることができる。 サフ
ァイア基板4にオゾンを吸着させている間被酸化試料1
4は、図6中点線で示すように、サファイア基板4の対
向位置から遠ざけておくことが好ましい。なお、オゾン
含有ガスを吸着する時間,ターゲット基板の大きさを変
えるなどにより、その吸着量を調節することができる。
【0054】必要な量の吸着が完了した後バルブを閉め
てオゾンガスの供給を止め、サファイア基板4の温度を
ヒーター6により、オゾン蒸気圧が真空チャンバー1内
の圧力と同等に高くなる温度(40〜60K)までゆっ
くり温度を上げた。これによりサファイア基板4上に吸
着していたオゾン以外のガス(オゾンより融点の低いガ
ス、特に酸素)を除去し、サファイア基板4上の固体オ
ゾンの純度を上げることができる。
【0055】次に、サファイア基板4温度を一定に保っ
た状態で、エキシマレーザ3によりサファイア基板4上
の固体オゾンに一定周波数で発振(あるいは連続発振)
させたレーザ光を、真空チャンバー1に形成した窓1a
を介して照射する。照射するレーザ光としては、オゾン
の吸収がもっとも大きい紫外光付近の波長を持つものが
好ましく、具体的には200〜370nmが好ましく、
オゾンの吸収スペクトルの最も強い220〜300nm
( Hartley バンド)等が更に好ましい。
【0056】ところで、レーザ光をあるターゲットに照
射した際に飛び出してくる粒子,イオンをターゲットに
対向した基板上に成長させる方法はレーザアブレーショ
ン法として知られており、金属薄膜の形成にはよく用い
られる。この方法はターゲットに存在する化学組成その
ままの構成比の薄膜が形成できることで知られている。
そして、オゾンの場合、光を吸収するといくらかの確率
(数%)で(1)式に示す酸素への分解反応がおきてし
まう。
【0057】
【数1】O3+hn→O2+O(1D) …(1) O(1D)は励起状態の原子状酸素 従って、酸化処理の際に高純度のオゾンガスを供給する
には、図7に示すように「オゾン放出量−レーザエネル
ギー密度」,「ビームエネルギー−レーザエネルギー密
度」の関係等を事前に調べ、レーザ光のエネルギー密度
は最もオゾンの分解が起こらないところで行う必要があ
る。出願人等によるターゲット基板温度30K,照射面
積9mm2の条件での実験においては、レーザエネルギ
ー密度27mJ/cm2が最適値であることが確認でき
た。
【0058】また、レーザアブレーション時のターゲッ
ト基板の温度もオゾンの分解確率に大きく影響を与え、
出願人等の実験では前述の図5に示す結果のように、で
きる限りターゲット基板の温度を高くしたほうが分解率
の少ないオゾンビームを取り出せることが確認されてい
る。
【0059】そして、レーザ光を照射して固体オゾンを
気化させることにより、被酸化試料13にオゾンビーム
を照射して被酸化試料13の酸化処理を行ったところ、
被酸化試料13の酸化初期における酸化速度が従来と比
較して向上されていることが確認された。これは、レー
ザアブレーション法により飛び出してくる粒子群が、照
射するレーザのエネルギー密度により高い並進エネルギ
ーを持っていることから、この粒子が被酸化試料13表
面と衝突した際にエネルギー交換をして被酸化試料13
極表面温度が上昇したことにより酸化初期の酸化速度が
向上されたものと考えられる。そして、被酸化試料13
としてシリコンの酸化を行ったところ、従来の室温程度
のエネルギーを持ったオゾンガスの吹き付け方法では、
被酸化試料温度を数百℃まで上げないと現実的な時間で
の酸化は不可能であったが、このレーザアブレーション
法ではオゾンガスビームが1000K程度の並進エネル
ギーを持って衝突するため被酸化試料温度が室温でも十
分高速に初期酸化が進むことが確認できた。
【0060】次に、レーザアブレーション法で飛び出し
てくる粒子群は指向性が高いことから、レーザの照射位
置を変えることにより被酸化試料表面の一部のみを酸化
することを試みた。図8に示すように被酸化試料13を
可能な限りターゲット基板4に近づけ、ターゲット基板
4の任意の場所で一定時間アブレーションを行ったとこ
ろ、レーザの最小ビーム広がりと同程度の微細酸化膜パ
ターン形成をすることができた。
【0061】また、図9のように被酸化試料13の位置
をなるべくターゲット基板4から遠ざけ、レーザの絞り
を弱くしてターゲット基板4の広範囲でアブレーション
を起こさせたところ、大口径の被酸化試料13全面を均
一に酸化することができた。
【0062】更に、エキシマレーザ3を任意の手段を、
例えばガルバノミラー等を介在させるか、可動可能に支
持することで、レーザ光の照射位置を固体オゾンが吸着
しているターゲット基板上で走査させることができ、こ
のように構成することでより広範囲の被酸化試料表面全
体を酸化することができた。
【0063】ここで、レーザ光を照射してアブレーショ
ンを行う面積と、放出オゾン量,オゾンビーム密度との
関係を各々測定したところ、図10に示す結果が得られ
た。
【0064】なお、実験条件としては、ターゲット基板
温度30K,レーザエネルギー密度27mJ/cm2
した。図10の結果から、レーザ照射面積が4mm2よ
り大きくなると放出オゾン量が照射面積にほぼ比例して
増加すること、レーザー照射面積が大きくなると少しず
つビーム純度が低下すること、が確認できた。このビー
ム純度の低下は、レーザが照射された極周辺部も微小に
温度上昇して固体オゾンが気化を起こし、この影響によ
りビーム純度が低下したためと考えられ、この現象は単
位面積あたりの放出オゾン量を現象させる原因となるこ
とも考えられるため、実際に酸化処理等を行う際にはレ
ーザ照射面積による上記の現象について配慮が必要と考
えられる。
【0065】更にまた、レーザ光のエネルギー密度を一
定に固定すると、一回(連続発振の場合単位時間)あた
りのアブレーション量(固体オゾンが剥ぎ取られる量)
が一定であることが確認できたことから、何回(又は時
間)アブレーション反応を起こしたかにより、一意的に
被酸化試料へのオゾンガス供給量を決めることができ
る。これを利用することによって、酸化速度の変化も定
量的に制御でき、任意の酸化膜形成条件も導出すること
ができる。
【0066】以上のように本実施形態の酸化処理装置に
よれば、ターゲット基板上に吸着させた固体オゾンの気
化にレーザー照射を用い、その際レーザエネルギー密
度,ターゲット基板13温度等を適切な値とすることに
より、オゾンの分解を最小限に抑えた運動エネルギーの
高い、指向性の高いオゾンビームを被酸化試料に供給す
ることができる。そして、この運動エネルギーの高さに
よりオゾンの活性度がさらに引き出され、たとえ被酸化
試料の温度が室温程度に低くても初期酸化を高速に進め
ることができ、更に指向性の高さを利用して、大口径試
料の酸化や表面の微細加工等も可能である。
【0067】なお、本実施の形態においては、真空チャ
ンバー1にレーザ光を透過し且つ真空チャンバー1内の
真空状態を保持する窓を形成してレーザ光を照射するよ
う構成したが、図11に示すように、光ファイバー熔の
コネクタ等を介して真空チャンバー1内の真空を保持し
た状態で真空チャンバー1を貫通する光ファイバー1b
を設け、エキシマレーザ3からのレーザ光を光ファイバ
ー1bを介してターゲット基板4上に照射するよう構成
しても良い。 (第2実施形態)第2実施形態は、固体化したオゾン
を、ターゲット基板を昇温することにより気化し、酸化
処理を行おうとするものである。
【0068】次に図12に基づいて本発明の第2実施形
態を説明する。なお、図12において、図6と同一の構
成には同一の符号を付し、説明を省略する。また、XP
S,X線源、及びポンプ等の周辺機器については、第1
実施形態と同様に図示及び説明を省略する。
【0069】図中15は拡散防止室であり、拡散防止室
15は、ターゲット基板(本実施形態においてもサファ
イア基板)4を底面として、上方に被酸化試料14に対
応した開口部15aを有して形成されており、輸送管2
の吹き出し口12が連通して構成されている。拡散防止
室15を形成する材質としては、熱伝導がよくオゾンと
の反応性が低い例えばアルミニウム等が好ましい。な
お、拡散防止室15は銅ブロック5と熱的に結合されて
いる。
【0070】先ず、前記の第1実施形態と同様に、サフ
ァイア基板4上に固体オゾンを吸着させた後、オゾン以
外のガスの除去を行う。
【0071】次に、ヒータ6によりサファイア基板4の
温度をオゾンの蒸気圧が高くなる温度まで上げ、被酸化
試料14を拡散防止室15の開口部15aへ移動する。
この被酸化試料14の移動は、マニプレータ(図示省
略)を使用して行われる。
【0072】そして、サファイア基板4温度を適当な温
度に上げオゾンを気化させ、被酸化試料14の表面にオ
ゾンガスを導き、酸化処理を行う。オゾン分子の供給量
はオゾンガスの蒸気圧で一意に決まるため、サファイア
基板4の温度を調節することにより任意の値に設定する
ことができる。サファイア基板4の温度としては、酸化
の効率と、図示を省略した分析機器、真空ポンプへの負
荷のバランス等を考慮して決定されるが、ある程度以上
にサファイア基板4の温度を上げても被酸化試料14表
面上で反応律速になるだけであるため、あまり望ましく
ない。ここでの温度設定については、例えば図2に示す
オゾン吸着後の圧力変化を示すデータ等を基にして、図
13に示すように「基板にオゾンを吸着させる温度」,
「オゾン純度を上げる温度」,「被酸化試料にオゾンガ
スを供給する温度」のように適切な温度範囲を設定すれ
ばよい。
【0073】なお、被酸化試料14に気化したオゾンが
導かれる際、銅ブロック5と熱的に結合している拡散防
止室15は、サファイア基板4の温度と同様に低温とな
っていることから、オゾン分子はこの拡散防止室15の
内壁面に衝突しても酸素に分解されることはなく、オゾ
ン分子のまま効率よく被酸化試料14まで導かれる。
【0074】また、拡散防止室15は外部(真空チャン
バー1内)と略完全に遮断されることになるため、被酸
化試料14にオゾンガスを吹きかける時に、拡散防止室
15内部のサファイア基板4と被酸化試料14表面とに
は図14に示す圧力差が生じ、オゾン分子は高速で被酸
化試料14に衝突させることができる。
【0075】以上のように本実施形態に係る酸化処理装
置によれば、高純度のオゾンガスを効率よく任意の速さ
で被酸化試料表面に供給することができる。またターゲ
ット基板と被酸化試料のどちらにも低温でオゾンガスを
供給するため、室温で供給する場合に比べ真空チャンバ
ー内の真空度を悪化させることがなく、周辺機器等への
悪影響等の問題も防止することができる。
【0076】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ターゲッ
ト基板上への固体オゾンを吸着させることにより高濃度
のオゾン含有ガスを貯蔵することができ、固体オゾン吸
着後にターゲット基板温度をオゾン蒸気圧が真空チャン
バー内の圧力と同じになる温度まで昇温することでター
ゲット基板上に吸着していたオゾン以外のガスを除去
し、オゾンの濃度を向上することができる。
【0077】また、本発明の貯蔵方法又は装置によりタ
ーゲット基板上に吸着させた固体オゾンの気化にレーザ
ー照射を用いることにより、指向性及び活性度の極めて
高いオゾンビームを被酸化試料に供給して、例えば被酸
化試料の温度が室温程度に低くても初期酸化を高速に進
めることのできる効率良い酸化処理を行うことができ、
その際にレーザーエネルギー密度,ターゲット基板温度
等を適切な値とすることにより、オゾンの分解を最小限
に抑えることができ、更にその指向性の高さを利用する
ことで、大口径の被酸化試料の酸化や表面の微細加工等
を行うことも可能である。
【0078】そして、本発明の貯蔵方法又は装置により
ターゲット基板上に吸着させた固体オゾンの気化をター
ゲット基板の昇温により行うことでも、高純度のオゾン
ガスによる酸化処理を行うことができ、更に拡散防止室
を設けることにより、高純度のオゾンガスを効率よく任
意の速さで被酸化試料表面に供給することができ、この
際ターゲット基板と被酸化試料のどちらにも低温でオゾ
ンガスが供給されるため、室温で供給する場合に比べ真
空チャンバー内の真空度を悪化させることがなく、周辺
機器等への悪影響等の問題も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実験装置(高濃度オゾン含有ガス
の貯蔵装置)の概略構成図。
【図2】オゾン吸着後の圧力変化を示すグラフ。
【図3】オゾン,酸素の速度分布を示すグラフ。
【図4】レーザパワー密度を変えたときのオゾンの速度
分布を示すグラフ。
【図5】基板温度を変えたときの放出粒子の組成を示す
グラフ。
【図6】本発明の第1実施形態に係る酸化処理装置の概
略構成図。
【図7】オゾン分子と酸素分子の比とレーザエネルギー
密度の関係を示すグラフ。
【図8】レーザアブレーションを用いた被酸化試料表面
酸化の説明図。
【図9】レーザアブレーションを用いて大口径被酸化試
料の表面酸化説明図。
【図10】アブレーション面積放出オゾン量,オゾンビ
ーム密度との関係を締めかグラフ。
【図11】発明の第1実施形態に係る他のレーザー照射
方法を用いた酸化処理装置の概略構成図。
【図12】発明の第2実施形態に係る酸化処理装置の概
略構成図。
【図13】ターゲット基板温度制御方法の考え方を示す
図。
【図14】ターゲット基板温度と被酸化試料間の圧力分
布を示す図。
【図15】従来の酸化処理装置の概略構成図。
【符号の説明】
1、20…真空チャンバー 2、22…輸送管 3…エキシマレーザ 4…ターゲット基板(サファイア基板) 5…銅ブロック 6…ヒータ 7…コールドヘッド(冷凍機) 8…温度計 9…質量分析器 10…プリアンプ 11…オシロスコープ 12…吹き出し口 13、21…高純度オゾン発生装置 14、27…被酸化試料 15…拡散防止室 15a…開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 秀彦 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 西口 哲也 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 宮本 正春 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 森川 良樹 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 大石 和城 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 花倉 満 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 3E072 AA10 EA10 GA30 4G042 AA08 CB15 CE04 5F045 AA12 AA17 AF07 AF09 BB09 EJ02 EJ10 EK07 EK26 EM02 5F058 BA20 BB06 BB07 BC01 BF05 BF29 BF77 BF80 BG02 BG03 BG04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバー内に配置されたオゾンに
    対して不活性で且つ熱伝導性の良い材料から成るターゲ
    ット基板を冷却する工程と、前記ターゲット基板上に高
    純度オゾンガスを供給することで高純度オゾンガスを前
    記ターゲット基板上に固体オゾンとして吸着する工程
    と、高純度オゾンガスの供給を止めると共に前記ターゲ
    ット基板温度をオゾン蒸気圧が真空チャンバー内の圧力
    と同じになるまで昇温することによりターゲット基板上
    に吸着していたオゾン以外のガスを除去する工程を有す
    ることを特徴とする高濃度オゾン含有ガスの貯蔵方法。
  2. 【請求項2】 前記オゾンガス以外のガスを除去する工
    程において、ターゲット基板温度を40〜60Kに昇温
    することを特徴とする請求項1に記載の高濃度オゾン含
    有ガスの貯蔵方法。
  3. 【請求項3】 前記ターゲット基板は透光性を有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の高濃度オゾン含
    有ガスの貯蔵方法。
  4. 【請求項4】 前記ターゲット基板としてサファイア基
    板を用いたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の高
    濃度オゾン含有ガスの貯蔵方法。
  5. 【請求項5】 真空チャンバー内に配置されたオゾンに
    対して不活性で且つ熱伝導性の良い材料から成るターゲ
    ット基板と、前記ターゲット基板を冷却する冷却手段
    と、前記ターゲット基板上に高純度のオゾンガスを供給
    する輸送管と、前記ターゲット基板の温度を昇温する加
    熱手段を有することを特徴とする高濃度オゾン含有ガス
    の貯蔵装置。
  6. 【請求項6】 前記ターゲット基板は透光性を有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の高濃度オゾン含有ガス
    の貯蔵装置。
  7. 【請求項7】 前記ターゲット基板としてサファイア基
    板を用いたことを特徴とする請求項5又は6に記載の高
    濃度オゾン含有ガスの貯蔵装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4に記載の高濃度オゾン含
    有ガスの貯蔵方法により貯蔵した固定オゾン表面にレー
    ザ光を照射してアブレーションを行うことにより、前記
    真空チャンバー内にターゲット基板と対向配置した被酸
    化試料表面に向けてオゾンビームを照射する工程とから
    成る酸化処理方法。
  9. 【請求項9】 前記レーザ光としては、オゾンの吸収が
    強く起こる紫外光付近の200〜370nmの波長を有
    することを特徴とする請求項8記載の酸化処理方法。
  10. 【請求項10】 前記レーザ光の絞り,照射位置、又は
    ターゲット基板と被酸化試料との距離を調節することに
    よって、被酸化試料の酸化領域を調整することを特徴と
    する請求項8又は9に記載の酸化処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至4に記載の高濃度オゾン
    含有ガスの貯蔵方法により貯蔵した固定オゾンを、前記
    ターゲット基板の温度をオゾン蒸気圧が真空チャンバー
    圧力より高くなる温度まで上昇させて固体オゾンを気化
    させることにより、オゾンガスとして前記真空チャンバ
    ー内にターゲット基板と対向配置した被酸化試料表面に
    向けて導く工程とから成る酸化処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項5乃至7に記載の高濃度オゾン
    含有ガスの貯蔵装置の真空チャンバー内にターゲット基
    板と対向して被酸化試料を配置し、ターゲット基板表面
    へレーザ光を照射するレーザ光照射装置を設けて構成し
    たことを特徴とする酸化処理装置。
  13. 【請求項13】 前記レーザ光照射装置を真空チャンバ
    ー外に配置し、前記真空チャンバーにレーザ光を透過し
    且つ前記真空チャンバー内の真空状態を保持する窓を形
    成し、前記レーザ光照射装置からのレーザ光を前記窓を
    介して前記ターゲット基板に照射するよう構成したこと
    を特徴とする請求項12に記載の酸化処理装置。
  14. 【請求項14】 前記レーザ光照射装置を真空チャンバ
    ー外に配置し、前記真空チャンバーを真空チャンバー内
    の真空状態を保持した状態で貫通する光ファイバーを設
    け、前記レーザー光照射装置からのレーザ光を前記光フ
    ァイバーを介して前記ターゲット基板に照射するよう構
    成したことを特徴とする請求項12に記載の酸化処理装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項5乃至7に記載の高濃度オゾン
    含有ガスの貯蔵装置の真空チャンバー内において、ター
    ゲット基板と対向して被酸化試料を配置することを特徴
    とする酸化処理装置。
  16. 【請求項16】 ターゲット基板を底面として、オゾン
    に対して不活性で且つ熱伝導性の良い材料により、上方
    に被酸化試料に対応した開口部を有する拡散防止室を形
    成し、前記拡散防止室と輸送管とを連通して構成したこ
    とを特徴とする請求項15に記載の酸化処理装置。
  17. 【請求項17】 前記オゾンに対して不活性で且つ熱伝
    導性の良い材料としてアルミニウムを用いたことを特徴
    とする請求項16に記載の酸化処理装置。
  18. 【請求項18】 前記真空チャンバー内において、被酸
    化試料を移動する移動手段を設けたことを特徴とする請
    求項12乃至17に記載の酸化処理装置。
  19. 【請求項19】 前記移動手段としてマニプレータを用
    いたことを特徴とする請求項18に記載の酸化処理装
    置。
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JP2013256398A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 National Institute For Materials Science オゾンビーム発生装置

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