JP2001138442A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2001138442A
JP2001138442A JP32014799A JP32014799A JP2001138442A JP 2001138442 A JP2001138442 A JP 2001138442A JP 32014799 A JP32014799 A JP 32014799A JP 32014799 A JP32014799 A JP 32014799A JP 2001138442 A JP2001138442 A JP 2001138442A
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resin
ionizing radiation
matting agent
layer
paper
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JP32014799A
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Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧材の表面保護層をマット剤を含有する電
離放射線硬化性組成物を架橋硬化した構成する際に、用
いる塗料組成物中でマット剤が沈降する欠点や、耐摩耗
性向上のため、マット剤を多量に添加する必要がある点
を解消する。 【解決手段】 アルミナ、シリカ等のマット剤の表面
に、塗料組成物中の電離放射線硬化性化合物と反応し得
るアクリロイル基等等の官能基を有するものを使用し、
上記の課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内外の仕
上げ材、あるいは家具や家電製品の表面材等に使用され
る化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の外装(屋根、壁、軒天等)もし
くは内装(壁、床、天井等)、建具、家具、または、建
築物に付随して置かれる家庭電器製品の表面材等として
は、古くは天然産の石、木、泥等をそのまま素材とする
ものが多く使用されてきた。近年、天然材の枯渇、一定
品質や一定の外観が得にくい等の事情により、プラスチ
ック、金属、もしくはセメント等の工業的に得られる素
材を使用したシートや板状のものが増えてきている。
【0003】天然産の石や銘木等は、自然の模様を活か
して使用されることが多かったが、工業的に得られる素
材を使用したシートや板状のものは、特に方策を講じな
い限り、外観がそれほど美しいとは言えず、このため、
表面に様々な手段により化粧を施した人工的な化粧材と
していることが多い。
【0004】このような化粧材の一例として、紙やプラ
スチックフィルムを基材として、これらに模様を施し、
表面に塗装を施してある化粧紙もしくは化粧シートが知
られている。板状のものを基材とする場合には化粧板と
呼ぶことが多いが、ここでは、基材の素材、厚みを問わ
ず、化粧紙、化粧シート、または化粧板と呼ぶものを、
すべて含めて、化粧材と称することとする。
【0005】図1は、従来の化粧材1のごく標準的な断
面構造を示すもので、基材2上に均一一様な着色層(ベ
タ層と通称されることが多い。)3、模様層4、および
電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化して得られる表
面保護層5の各層がこの順で積層されたものであり、表
面保護層5中には、マット剤6が分散しているものであ
る。さらに、基材2、着色層3、模様層4、および表面
保護層5の各々の間には、接着性を向上させるため、プ
ライマー層を介在させたり、被接着面にコロナ放電処理
を施してあってもよい。
【0006】上記において、表面保護層5には、表面の
艶を調整する目的と、表面の耐摩耗性を向上させる目的
で、マット剤(=艶消し剤)が配合されており、マット
剤には色々な種類のものがあるが、通常、シリカ、アル
ミナ等の、透明性が高い無機質粒子が用いられることが
多い。
【0007】しかしながら、上記のようなマット剤を表
面保護層5に含有させるには、マット剤を表面保護層形
成用塗料組成物中に添加して混合し、得られた塗料組成
物を模様層4上等にコーティングする必要があるが、マ
ット剤を配合した塗料組成物を調製後、使用するまでの
間に、あるいは使用している最中に、マット剤が沈降し
て、所定の艶や耐摩耗性が得られなかったり、耐摩耗性
を向上させるためにはマット剤を多量に添加する必要が
あり、多量の添加により沈降が起きやすくなる欠点が助
長され、かつ得られる化粧材が白色味を帯びる傾向があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、マ
ット剤を含有する電離放射線硬化性組成物が架橋硬化し
た表面保護層を表面に有する化粧材を製造する際に、マ
ット剤を配合した塗料組成物中のマット剤が沈降するこ
とによって生じる欠点の解消、および耐摩耗性を向上さ
せるためにマット剤を多量に添加する必要がある欠点の
解消を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決する手段】アルミナ、シリカ等の無機質粒
子のマット剤として、それらの表面に、塗料組成物中の
電離放射線硬化性化合物と反応し得る官能基を有するも
のを使用することにより、架橋硬化していない電離放射
線硬化性組成物中においても、マット剤が沈降しにくい
ことが判明した。また、塗料組成物中の電離放射線硬化
性化合物と反応し得る官能基を有していないマット剤を
使用するときよりも、高い耐摩耗性が得られるので、同
程度の耐摩耗性を発揮させるのであれば、マット剤の配
合量を減らせることが判明した。本発明は、これらの判
明した事項に基づいてなされたものである。
【0010】第1の発明は、基材に化粧が施され、か
つ、最上面にマット剤を含有する電離放射線硬化性組成
物が架橋硬化した表面保護層が積層されており、前記マ
ット剤が、前記電離放射線硬化性組成物と反応する官能
基を表面に有する無機質粒子であることを特徴とする化
粧材に関するものである。第2の発明は、第1の発明に
おいて、前記の官能基を表面に有する無機質粒子が、ビ
ニル変性もしくはアクリロイル変性の無機質粒子である
ことを特徴とする化粧材に関するものである。第3の発
明は、第1または第2の発明において、無機質粒子がア
ルミナ粒子であることを特徴とする化粧材に関するもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材1の断面構造自体
は、従来のものと同様であり、図1を引用して既に説明
したように、例えば、下から順に、基材2、着色層3、
模様層4、および、前記電離放射線硬化性組成物と反応
する官能基を表面に有する無機質粒子をマット剤6とし
て含む電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面
保護層5の各層が積層されたものである。各々の層につ
いて、以下に、順次説明する。
【0012】基材2としては、通常、化粧材に用いられ
ている素材であれば、いずれも使用可能である。大別す
れば、各種の紙類、プラスチックフィルム又はプラスチ
ックシート、金属箔、金属シート、又は金属板、木材な
どの木質系の板、各種の窯業系素材等の各群である。こ
れら各群に含まれる素材を単独で使用してもよいが、紙
同士の複合体や紙とプラチスチックフィルムの複合体
等、これら素材の任意の組合わせによる積層体も利用で
きる。これらの基材は、次記の着色層3等の密着度を上
げるために、下地処理が施されていてもよい。基材2の
素材の各群について、次に説明する。
【0013】基材2に使用可能な各種の紙類としては、
以下のものが代表的なものとして例示される。即ち、薄
葉紙、クラフト紙、チタン紙、予め紙間の強化の目的で
樹脂を混抄した混抄紙、あるいは樹脂を含侵してある樹
脂含浸紙も使用できる。また、リンター紙、板紙、石膏
ボード用原紙、又は紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設け
たビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各
種原反が挙げられる。更には、事務分野や通常の印刷、
包装などに用いられる次の紙類も使用可能である。即
ち、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチ
メント紙、パラフィン紙、又は和紙等である。又、これ
らの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ次
のような各種繊維の織布や不織布も基材2として利用で
きる。各種繊維とは即ち、ガラス繊維、石綿繊維、チタ
ン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しく
は炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊維、若
しくはビニロン繊維などの合成繊維である。
【0014】基材2に使用可能なプラスチックフィルム
又はプラスチックシートとしては、次に例示するような
各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。各種の合成
樹脂とは、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、もしくはポリメチルペン
テン樹脂、ポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
もしくはポリエチレンナフタレート−イソフタレート共
重合樹脂、アクリル樹脂、例えば、ポリメタクリル酸メ
チル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル
酸ブチル樹脂、ポリアミド樹脂、例えばナイロン6もし
くはナイロン66、このほか、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルア
ルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹
脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又
はポリイミド樹脂等である。
【0015】基材2に使用可能な金属箔、金属シート、
又は金属板としては次に例示するような金属からなるも
のである。即ち、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又
は銅等である。しばしばめっき等を施して使用すること
がある。
【0016】基材2としては、各種の木質系の板、即
ち、木材の板、合板、パーチクルボード、又はMDFと
呼ばれる中密度繊維板等が使用できる。また基材2とし
ては、窯業系素材である、石膏ボード、珪酸カルシウム
板、もしくは木片セメント板や陶磁器、ガラス、ホウロ
ウ、もしくは焼成タイル等も使用できる。これらの他、
基材2としては、繊維強化プラスチックの板、ペーパー
ハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウ
ム板でポリエチレン樹脂をサンドウィッチしたもの等、
各種の素材の複合体も使用できる。
【0017】基材2には、通常、着色層3および模様層
4からなる化粧が施されている。化粧材の化粧として代
表的なものであるが、このほか、化粧としては、エンボ
ス、エンボス凹部へのインキの充填、透明性のある基体
に対して行われる裏面印刷、裏面印刷後の隠蔽層印刷、
表側の面に印刷した後に印刷面への透明フィルムの貼合
わせ、さらに貼合わせて得られるものに対するエンボス
等の各種の加工があり得る。これらの加工の少なくとも
一つが施されていれば、化粧を施してあると言えるが、
エンボス加工を行なう場合には、少なくとも着色を併用
した方がよいだろう。
【0018】着色層(またはベタ層)3は、基材2の色
を整えるか、もしくは隠蔽して別の色を施すためのもの
である。模様を特に要求しない場合には、着色層3を形
成した後、模様層4を形成しないこともある。着色層3
は均一一様なことが普通であるが、互いに色の異なる顔
料や粒子を配合した塗料により形成した塗膜であれば、
大まかにみて均一でも、細部まで一様ではないケースも
ある。また、スプレイ塗装の際に、粘度が高く塊状に吐
出する成分を有した塗料を使用して、凹凸のある塗装面
を形成することもある。一般の印刷では白色の紙を印刷
の対象とするので、着色層3を形成しないことも多い
が、基材2として様々な素材のものを使用するときは、
素材の持つ色が適切でない場合や、色のばらつきがある
場合もあるため、着色層3を形成することが多い。
【0019】また、化粧を印刷で行なう場合であって木
目模様を印刷するときは、着色層3を伴なうのが習慣で
ある。というのは、天然に産出する樹木の板には、樹種
によって定められた色で塗装することが多く、例えば、
チーク材は黄色系、紫檀は赤紫系の色に仕上げることが
普通であり、これらの塗装仕上げした樹木の板を模して
木目模様を印刷する際には、これら塗装色に従って、ハ
イライトの色で着色層3を形成しておき、次記の模様層
4で着色層3よりも濃い色で模様を形成するからであ
る。従って、着色層3は基材2の表側の面の全面に形成
してあるのが普通であり、また、模様層4は、必ずしも
全面を被覆しない場合がある。
【0020】模様層4は、通常、化粧の主要な部分を占
めるものである。模様層4の模様はデザイン上の観点で
決めた任意のものであってよい。従来から使用されてい
る模様としては、木目模様や大理石模様等の天然物の模
様、布目模様のような人工物のテクスチャーを模した模
様、自然の風物をオリジナルとした模様、例えば、花鳥
風月等の模様等、あるいは布やタイル等に付されている
模様を模したもの等がある。
【0021】着色層3および模様層4は、大抵の場合、
印刷版とインキを用い、印刷機により形成される。印刷
方式としては、様々な素材への対応の点から、グラビア
印刷、グラビアオフセット印刷、もしくはシルクスクリ
ーン印刷が適しているが、平版オフセット印刷、凸版印
刷、もしくはフレキソ印刷も適用可能であり、また、旧
来の印刷とは趣が異なるが、電子写真やインキジェット
も利用できる。使用するインキとしては、対象となる基
材2が様々なため、基材2との接着性を考慮して選択し
たバインダー樹脂を用いたものである必要があり、バイ
ンダー樹脂としては、次に例示するような樹脂の中から
選択する。
【0022】即ち、ロジン変成マレイン酸樹脂、ニトロ
セルロース、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、エチ
ルセルロース、ポリアミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、
ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹
脂、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等であり、1種または2種以上を用いる。これら
の中から選択されたバインダー樹脂にはさらに、顔料、
充填剤等に加えて、溶剤ないし希釈剤を用いて混練して
インキ組成物を調整して使用する。
【0023】なお、化粧材の表面の物理的および化学的
性状を向上させる意味で、着色層3および模様層4上に
次記の表面保護層5を形成するが、この着色層3や模様
層4を熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂のバインダ
ーを用いて構成し、架橋硬化させるとなおよい。熱硬化
性樹脂や電離放射線硬化性樹脂のバインダーについて
は、これらを専ら用いる次記の表面保護層5の項で述べ
る。
【0024】なお、基材2上に着色層3を積層するのに
先立って、プライマー層を形成してもよく、プライマー
層は、各層間の接着性を向上させる意味で、適宜に積層
形成する。プライマー層には又、電離放射線硬化性樹脂
組成物を用いて表面保護層を形成する際に、電離放射線
硬化性樹脂組成物が浸透して、表面に残留する割合が減
るのを防止することもできる。
【0025】プライマー層の素材としては、イソシアネ
ート化合物、ポリエチレンイミン、アルキルチタネート
等が使用でき、浸透防止の観点では、インキのバインダ
ーとして前記したものの中から選択して使用することも
できる。好ましいプライマー層の具体例としては、不飽
和ポリエステル樹脂/ウレタンポリオール=1/1のも
のが挙げられる。プライマー層の厚みとしては、2〜4
g/cm2 (乾燥時)、従って、約2〜4μmである。
【0026】表面保護層5は、化粧材の表面の耐久性を
向上させるためのもので、用途にもよるが、耐摩耗性、
生活環境において使用する各種の液体(酒・調味料等の
飲食物、香粧品、もしくは洗剤・漂白剤等)に対し、汚
染されにくい耐性を指す。
【0027】表面保護層5として、熱可塑性のものも使
用し得るが、熱硬化性樹脂を使用する熱硬化性樹脂組成
物、あるいは紫外線又は電子線照射により硬化する電離
放射線硬化性樹脂組成物を用い、塗布後に加熱したり、
電離放射線を照射して架橋硬化させることによりさらに
物理的、化学的な諸性能を向上させることができる。特
に、メラミン化粧板が従来使用されている分野にも進出
する場合には、メラミン化粧板並みの表面の耐久性、特
に耐摩耗性を要望されことが多いから、電離放射線硬化
性樹脂組成物を用い、塗布後に電離放射線、特に電子線
を照射して架橋硬化させる方法が脚光をあびている。表
面保護層5の厚みは、必要な物理的、化学的性状にもよ
るが、4〜5μm程度あった方がよい。
【0028】電離放射線硬化性樹脂組成物としては、分
子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプ
レポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜に
混合したものである。電離放射線とは、電磁波又は荷電
粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子
を有するものを指し、通常は、紫外線又は電子線を用い
る。
【0029】電離放射線硬化性樹脂組成物中のプレポリ
マー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と
多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポ
リエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレー
ト、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレー
ト等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、
エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミ
ンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポ
キシ化合物が挙げられる。
【0030】電離放射線硬化性樹脂組成物中のモノマー
の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチ
レン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル
酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メト
キシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタ
クリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリ
ル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリ
ル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリ
ル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アク
リル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の
不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミ
ド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合
物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート
等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチ
オール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチ
ロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロール
プロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトール
テトラチオグリコレート等が挙げられる。
【0031】通常、電離放射線硬化性樹脂組成物中のモ
ノマーとしては、以上の化合物を必要に応じて1種若し
くは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性樹
脂組成物に通常の塗布適性を与えるために、前記のプレ
ポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記モノマー
及び/又はポリチオール化合物を95重量%以下とする
のが好ましい。
【0032】電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、硬
化させたときのフレキシビリティーが要求されるとき
は、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のア
クリレートモノマーを使用するとよい。電離放射線硬化
性樹脂組成物を塗布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐
熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ
以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化
性樹脂組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1
のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキ
シルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙
げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクレ
リート等が挙げられる。
【0033】電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、硬
化させたときのフレキシビリティーや表面硬度等の物性
を調整するため、電離放射線硬化性樹脂組成物に、電離
放射線照射では硬化しない樹脂を添加することもでき
る。具体的な樹脂の例としては次のものがある。ポリウ
レタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂である。
【0034】電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布後の硬
化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤や
光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジ
カル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合し
て用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系
の場合は、光重合開始剤とし、芳香族ジアゾニウム塩、
芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセ
ロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又
は混合物として用いる。中でも、ポリウレタン樹脂、セ
ルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の添加がフ
レキシビリティーの向上の点で好ましい。光重合開始剤
の添加量は、電離放射線硬化性樹脂組成物100重量部
に対し、0.1〜10重量部である。
【0035】表面保護層5は、化粧材表面の艶を決める
役割も果たしていることが普通であり、化粧材表面の艶
は、デザイン的な観点、および実用上の観点から任意に
決めてよく、用途に合わせて決められる。化粧材の仕上
げ状態が良好であるときは、艶があった方が、外観上も
よい場合が多い。ピアノの表面の艶があって深みのある
塗装感は、化粧材の表面の艶を決める際に、よく引き合
いに出される。逆に化粧材の艶を消すと、模様も見えに
くくなるが、表面の仕上げが平坦でなくても分かりにく
く、概して落ちついた感じを与える。
【0036】所定の艶を実現するには、必要な粒径の透
明性の高い微粒子状のマット剤6を表面保護層5内に含
有させ、表面の光を乱反射させることにより行なうのが
普通である。マット剤6を全く含有させない「全艶」
(あるいは「全部艶」)もあり得るが、「全艶」は比較
的珍しく、また、耐摩耗性も低下するため、大抵の場合
には、「全艶」よりも艶消しにする。マット剤6を含有
させる以外に、予め所定の凹凸状態を形成した型を使用
して型押しすることによって、艶の制御を行なうことも
可能である。
【0037】本発明において、表面保護層5内に含有さ
せるマット剤6は、表面保護層形成用の電離放射線硬化
性組成物と反応する官能基を表面に有する無機質粒子で
ある。無機質粒子としては、シリカ、もしくはアルミナ
が使用される。
【0038】表面保護層形成用の電離放射線硬化性組成
物と反応する官能基を表面に有する無機質粒子とは、具
体的には、ビニル変性もしくはアクリロイル変性のもの
であり、シリカ、もしくはアルミナを作成する際に、S
i−OH、もしくはAl−OHを利用して、ビニル基も
しくは(メタ)アクリロイル基を導入する。ビニル基の
導入はビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、もしくはビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン等を使用して行な
い、(メタ)アクリロイル基の導入は、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等を用いる。あるい
は、メタクリロキシエチルシロキサン単位もしくはメタ
クリロキシエチルプロピルシロキサン単位等のオルガノ
シロキサン単位からなるポリシロキサンで被覆されたシ
リカ、あるいはアルミナも使用できる。これらの無機質
粒子と、電離放射線硬化性組成物中の、分子中に重合性
不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、
オリゴマー、及び/又はモノマー、即ち、電離放射線照
射により架橋硬化して表面保護層5の高分子マトリック
スを構成する成分との配合割合は、形成したい艶の程度
にもよるが、高分子マトリックス/無機質粒子=100
/5〜100/50程度であることが好ましい。
【0039】
【実施例】(実施例1〜3)建材化粧紙用原反である紙
(興人(株)製、GF−606)の表面に、アクリル樹
脂とニトロセルロースをバインダーとするグラビアイン
キ(ザ・インクテック(株)製、HAT)で着色層およ
び模様層を、いずれもグラビア印刷により形成して印刷
紙を作成した。得られた印刷紙の印刷面に、電子線硬化
性の塗料組成物A〜C(組成は下記の通りで、それぞれ
の組成において3番目に記載したマット剤が異なる。)
をそれぞれグラビアコーティングにより、塗布量が25
g/m2 になるようコーティングした後、加速電圧;1
75KV、照射線量;5Mradの条件で電子線を照射
し、塗膜を硬化させて化粧紙を得た。ただし、以下の組
成において、「部」とあるのは、質量であらわした部数
である。
【0040】 (塗料組成物A;実施例1用) ・ビスフェノールA(EO)4ジアクリレート 60部 ・トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート 20部 ・平均粒径20μmのアルミナ表面をアクリレート変性したもの 19部 ・微粉末シリカ 1部 (塗料組成物B;実施例2用) ・ビスフェノールA(EO)4ジアクリレート 60部 ・トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート 20部 ・平均粒径8μmのホウ酸アルミニウム表面をアクリレート変性したもの 19部 ・微粉末シリカ 1部 (塗料組成物C;実施例3用) ・ビスフェノールA(EO)4ジアクリレート 60部 ・トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート 20部 ・平均粒径5μmのシリカ表面をアクリレート変性したもの 19部 ・微粉末シリカ 1部
【0041】(比較例1〜3)塗料組成物A’〜C’に
おいて、マット剤として、いずれも対応する塗料組成物
A〜Cにおけるのと同素材で未処理のものを使った以
外、実施例1〜3と同様にして化粧紙を得た。各々にお
いて使用したマット剤は次の通りである。 比較例1;平均粒径20μmのアルミナを使用。 比較例2;平均粒径8μmのホウ酸アルミニウムを使
用。 比較例3;平均粒径5μmのシリカを使用。
【0042】評価は、塗料組成物中におけるマット剤の
沈降性、および化粧紙の表面の耐摩耗性について行っ
た。沈降性の測定は、粘度を揃えるため、各組成物を酢
酸エチルで希釈し、底が半球形で全体が円筒状のカップ
を有し、底の中心に孔の開いた簡易粘度測定用のザーン
カップ(No.3)を用いて、希釈後の組成物を満た
し、25℃の温度環境下で、底の孔から液が流出するの
に要する時間が14秒になるよう調整して粘度を揃え、
調整後の液を、試験管に10cmの深さになるよう注ぎ
入れ、1時間静置した後、上方の澄んだ部分の液の厚み
(mm)の計測によった。また、耐摩耗性の測定はテー
バー型アブレーザーを使用してJIS6902に定める
方法によって行なったときの試験片の回転数を求めるこ
とによった。両項目による評価結果を次の「表1」に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】「表1」に示すように、マット剤に処理を
した実施例の場合の表面保護層形成用の組成物は、沈降
性の項目の測定結果が、いずれも対応する同素材の未処
理のマット剤を用いたときくらべ、低い数値となってお
り、沈降しにくいことが分かる。また、耐摩耗性につい
ても、実施例で得られた化粧紙の方が、対応する比較例
で得られた化粧紙にくらべて、いずれも印刷模様が50
%消失するのに要する回転数の数値が大きく、耐摩耗性
が優れていることが分かる。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、マット剤の表
面の官能基が電離放射線硬化性組成物と反応することに
より、表面保護層に強固に結合するため、耐摩耗性が高
い化粧材が得られ、また表面保護層形成の際に用いる塗
料組成物中でのマット剤の塗料との親和性が高く、沈降
しにくいので、製造上の支障も少ない。請求項2の発明
によれば、請求項1の発明の効果に加え、ビニル変性も
しくはアクリロイル変性のマット剤を用いるので、電離
放射線硬化性組成物との反応性が高く、原料の調製や入
手が容易である。請求項3の発明によれば、請求項1ま
たは2の発明の効果に加え、アルミナ粒子の硬度がある
ため、表面の耐摩耗性がさらに高い化粧材を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧材の代表的な構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 化粧材 2 基材 3 着色層(ベタ層) 4 模様層 5 表面保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に化粧が施され、かつ、最上面にマ
    ット剤を含有する電離放射線硬化性組成物が架橋硬化し
    た表面保護層が積層されており、前記マット剤が、前記
    電離放射線硬化性組成物と反応する官能基を表面に有す
    る無機質粒子であることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】 前記の官能基を表面に有する無機質粒子
    が、ビニル変性もしくはアクリロイル変性の無機質粒子
    であることを特徴とする請求項1記載の化粧材。
  3. 【請求項3】 無機質粒子がアルミナ粒子であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧材。
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