JP2001138379A - 樹脂成形体の製造装置および製造方法 - Google Patents

樹脂成形体の製造装置および製造方法

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JP2001138379A
JP2001138379A JP32389299A JP32389299A JP2001138379A JP 2001138379 A JP2001138379 A JP 2001138379A JP 32389299 A JP32389299 A JP 32389299A JP 32389299 A JP32389299 A JP 32389299A JP 2001138379 A JP2001138379 A JP 2001138379A
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temperature
molten resin
heat exchanger
heat
resin
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JP32389299A
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English (en)
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Masaki Kimura
雅喜 木村
Masaharu Toyama
正治 遠山
Hidetoshi Okashiro
英敏 岡城
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融樹脂の温度を効率的に、かつ、均一に制御
できる樹脂成形体の製造装置および製造方法を提供す
る。 【解決手段】押出機と、ダイと、これら押出機とダイと
を連結する熱交換器と、この熱交換器に熱媒を供給する
熱媒供給手段と、前記熱交換器に供給する熱媒の温度を
制御する制御手段とを設ける。また、熱交換を行う前の
熱媒の温度をT1とし、熱交換を行った後の溶融樹脂の
温度をT2としたとき、T1とT2とが次式を満足するよ
うにT1を制御する。 T2−10≦T1<T2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸条やシートなど
の樹脂成形体の製造装置および製造方法に関し、特に、
溶融樹脂の温度を効率的に制御できる樹脂成形体の製造
装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に従来の樹脂シート製造装置を示
す。
【0003】樹脂シート製造装置28は、樹脂が流れる
方向の上流側から順に、ホッパー1、押出機2、短管
3、ギアポンプ4、短管5、濾過装置6、短管7、ダイ
8、冷却ドラム9および引き剥がしロール10が設けら
れている。樹脂原料は、ホッパー1から押出機2に供給
され、この押出機2により加熱、混練されて、溶融状態
になり短管3へ押し出される。次いで、溶融樹脂は、吐
出量の精度を向上させるために設けられたギヤポンプ4
にて計量され、定量的に押し出されて、短管5を通り、
濾過装置6に至る。この濾過装置6により、異物や熱劣
化物が除去された溶融樹脂は、短管7を通ってダイ8か
ら冷却ドラム9にシート状に押し出される。この冷却ド
ラム9はその表面が室温程度に制御されつつ、矢印A方
向に回転しており、この冷却ドラム9上にシート状に押
し出された溶融樹脂は、冷却ドラム9上に密着した後、
固化してシート状に成形される。次いで、固化したシー
ト11は、引き剥がしロール10により、冷却ドラム9
から引き剥がされ、延伸工程などの次工程へ送られる。
【0004】さて、以上のような樹脂シートの製造装置
においては、押出機2からダイ8までの工程は、樹脂を
溶融状態に保つため高温状態に制御されており、溶融樹
脂の熱劣化が発生しやすい。この熱劣化した樹脂は、シ
ートへ混入すると、シートの品質低下や延伸工程での破
れの原因となる。そこで、熱劣化樹脂を除去するため、
濾過装置6などが設けられているが、熱劣化樹脂が多い
と濾過装置6に対する負荷が増大するため、溶融樹脂の
熱劣化を抑制する必要がある。
【0005】一般に、この熱劣化を抑制するためには、
溶融樹脂の流速を大きくしたり、流動容積を小さくする
などして、溶融状態にある時間、すなわち滞留時間を短
縮することが行われる。
【0006】しかしながら、溶融樹脂の流速を大きくす
ると、圧力が上昇して濾過装置などに組み込まれている
フィルターが破損しやすくなり、また、流動容積を小さ
くしようとすると、溶融樹脂の流路を小さくするなど装
置の大規模な改造が必要になるため、滞留時間の短縮は
困難である。
【0007】また、もう一つの方法として、溶融樹脂の
温度をなるべく低く抑えることも考えられるが、溶融樹
脂は熱伝導率が低いために温度制御が困難であり、実用
化には至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題を解決し、溶融樹脂の温度を効率的
に制御できる樹脂成形体の製造装置および製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、押出機と、ダイと、これら押出機とダイと
を連結する熱交換器と、この熱交換器に熱媒を供給する
熱媒供給手段と、前記熱交換器に供給する熱媒の温度を
制御する制御手段とを備えている樹脂成形体の製造装置
を特徴とするものである。
【0010】ここで、熱交換器が多管式熱交換器である
ことも好ましく、この多管式熱交換器が攪拌手段を備え
ていることも好ましい。
【0011】また、制御手段が、熱媒の温度の経時変
動、および、熱媒の熱交換器への供給方向に直交する方
向における温度むらを±5℃以内に制御するものである
ことも好ましい。
【0012】さらに、溶融樹脂をダイを通して押し出
し、樹脂成形体を製造するに際し、前記溶融樹脂よりも
温度の低い液体を熱媒として用い、前記溶融樹脂と前記
熱媒との間で熱交換を行いながら前記溶融樹脂を押し出
す樹脂成形体の製造方法も好ましい。この場合、熱交換
を行う前の熱媒の温度をT1(℃)とし、熱交換を行っ
た後の溶融樹脂の温度をT2(℃)としたとき、T1とT
2とが次式を満足するようにT1を制御することも好まし
い。
【0013】T2−10≦T1<T2 また、熱媒の流量の経時変動を±10%以内に制御しな
がら熱交換を行うことも好ましい。
【0014】さらに、上記の樹脂成形体の製造装置また
は製造方法を用いて製造されたシートも好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の一実施態様に係
る樹脂成形体の製造装置を示す。この製造装置によれ
ば、フィルムなどのシートを製造することができる。
【0016】樹脂成形体の製造装置29は、樹脂が流れ
る方向の上流側から順に、ホッパー12、押出機13、
短管14、熱交換部25と熱媒配管24と熱媒循環装置
(熱媒供給手段)26とを備えた多管式熱交換器15、
ギアポンプ16、短管17、濾過装置18、短管19、
ダイ20、冷却ドラム21および引き剥がしロール22
が設けられ、熱媒循環装置26には熱媒の温度を制御す
るための制御装置(制御手段)27が接続されている。
熱交換部25は、図3に示すように、レジューサフラン
ジ30、30’、管板31、31’、溶融樹脂の流路と
なる管32を備えている。この管32の周囲には胴33
が設けられ、熱媒供給口34と熱媒流出口34’とが配
されて、熱媒の流路が形成されている。また、この流路
内には邪魔板35、35’が設けられ、レジューサフラ
ンジ30、30’内には溶融樹脂の流れを整える整流体
36、36’が、管32内には熱交換効率を高めるた
め、静止型攪拌器であるスタティックミキサー37(攪
拌手段)がそれぞれ設けられている。管32は、図4に
示すように、熱交換部25の中心から同心円状となるよ
うに配列されている。
【0017】さて、図1を参照するに、ポリエチレンテ
レフタレートなどの樹脂原料は、ホッパー12から押出
機13に供給され、この押出機13により加熱、混練さ
れて、溶融状態になり短管14へ押し出される。次い
で、溶融樹脂は、多管式熱交換器15により熱交換を受
けた後、吐出量の精度を向上させるために設けられたギ
ヤポンプ16にて計量され、定量的に押し出されて、短
管17を通り、濾過装置18に至る。この濾過装置18
により、異物や熱劣化物が除去された溶融樹脂は、短管
19を通ってダイ20から冷却ドラム21にシート形状
に押し出される。この冷却ドラム21はその表面が室温
程度に制御されつつ、矢印A方向に回転しており、この
冷却ドラム21上にシート形状に押し出された溶融樹脂
は、冷却ドラム21上に密着した後、固化してシート形
状に成形される。次いで、固化したシート23は、引き
剥がしロール22により、冷却ドラム21から引き剥が
され、延伸工程などの次工程へ送られる。
【0018】次に、上記の多管式熱交換器15による熱
交換について、図3により説明する。熱交換は、溶融樹
脂が管32の各管内を矢印C方向に流れている間に、そ
の流れ方向下流側に設けられた熱媒供給口34から矢印
D方向に熱媒を供給することにより行われる。溶融樹脂
流入口38から供給された溶融樹脂はレジューサフラン
ジ30により流れが径方向に拡大された後、管32に流
入し、スタティックミキサー37による混合攪拌を受け
て、ふたたびレジューサフランジ30’にて中心方向に
収束され、溶融樹脂流出口38’から流出する。一方、
所定の温度に制御された熱媒は、熱媒供給口34から供
給され、邪魔板35、35’により混合攪拌され、管3
2内を流れる溶融樹脂との間で熱交換を行いながら、熱
媒流出口34’から流出する。
【0019】本発明においては、上記のように、押出機
とダイとの間に、これらを連結する熱交換器を設け、溶
融樹脂と熱媒との間で強制的に熱交換を行うことによ
り、溶融樹脂の温度を所定の温度に効率的に制御するこ
とができる。熱交換器の設置位置は、押出機とダイとの
間であれば特に制限はないが、熱劣化をなるべく発生さ
せないためには、押出機の直後に設けることが好まし
い。これにより、溶融樹脂が所定温度以上の高温状態に
ある時間を少なくすることができるため、溶融樹脂の熱
劣化を発生しにくくさせ、濾過装置の負荷を低く抑える
ことができる。したがって、フィルターなどの濾材の寿
命を長くしたり、樹脂成形体の品質上の欠点を防止でき
るなどの効果がある。また、溶融樹脂の温度をより精度
よく制御するためには、ダイの直前に設けてもよい。こ
れにより、溶融樹脂の温度むらが軽減され、温度の精度
が向上するため、糸条やシートなど樹脂成形体の品質を
高めることができる。
【0020】熱交換器の形式としては、上記の多管式の
ほかに、蛇管式や渦巻式、平板式などのものを用いるこ
とができるが、装置構造が簡単で、剛性など強度的に優
れ、製造コストの低い多管式熱交換器を用いることが好
ましい。
【0021】熱交換器を構成する材質としては、たとえ
ば、防錆性にすぐれたステンレスを使用することが好ま
しい。
【0022】熱交換器へ供給する熱媒としては、液体を
用いると好ましく、ジベンジルトルエン系熱媒やビフェ
ニルとジフェニルエーテルとを混合した熱媒などの熱媒
油を用いると特に好ましい。また、熱媒の供給方式につ
いても、熱媒の供給量や温度を制御しながら熱媒を循環
させる方式とするとよい。熱媒の供給方向については、
溶融樹脂の流れに対して対向流としてもよいし、平行流
としてもよいが、上記のように溶融樹脂の温度をより安
定させることのできる対向流とすることが好ましい。
【0023】また、多管式熱交換器が攪拌手段を有して
いると好ましい。攪拌手段を有していることにより、攪
拌混合による均温化効果が発揮され、管内境膜伝熱係数
を大きくすることができる。したがって、管外境膜伝熱
係数とあわせて、熱交換器の総括熱伝達係数を大きくす
ることができ、さらに、攪拌手段自体の熱交換能もあわ
せて利用して必要な伝熱面積を小さくすることができる
ので、熱交換器をよりコンパクトにすることができる。
攪拌手段としては、溶融樹脂の流路となる管内に、たと
えば図6に示すようなスタティックミキサーを内蔵させ
ると好ましい。
【0024】また、スタティックミキサーの内蔵方式と
しては、管内境膜伝熱係数を大きくするためには、たと
えば、スタティックミキサーを管内に溶接固定すると好
ましく、さらに、管内の洗浄性を向上させるためには、
スタティックミキサーを管内から抜き取ることができる
ように固定しておくことも好ましい。
【0025】管の配列については、たとえば、図7に示
すように、隣接する各管の距離が一定となるようにする
こともできるし、図4で示したように同心円状とするこ
ともできる。また、周辺部分の溶融樹脂の滞留を防ぐ目
的で、図8に示すように、周辺部分により多くの管を配
置することも好ましい。
【0026】管の径は、5〜40mmの範囲内にあると
好ましい。径が5mmを下回ると、圧力損失が増大しや
すく、製造コストも高くなる傾向にある。また、40m
mを超えると、胴径が大きくなり製造コストが高くなり
やすい。
【0027】また管の肉厚は、1〜10mmの範囲内に
あると好ましい。肉厚が1mmを下回ると強度が低下し
やすく、10mmを超えると熱交換効率が低下する傾向
にある。
【0028】管の断面形状については、円形や楕円形、
多角形などとすることができるが、加工の容易性や溶融
樹脂の流れ易さなどを考慮すると、円形が好ましい。
【0029】隣接する管の外面間距離は、管の外径以下
であると好ましく、管の外径の1/2以下であるとより
好ましい。各管の外面間距離が管の外径を超えると、熱
交換器が必要以上に大きくなりやすい。
【0030】管の長さおよび胴の外径については、溶融
樹脂と熱媒との熱交換効率や溶融樹脂の多管式熱交換器
内部における圧力損失などを考慮して適宜決定すること
ができる。樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、熱交
換器が占めるスペースやメンテナンス性、ハンドリング
性、コストなどの条件を勘案すると、管の長さは0.1
〜3mの範囲内にあると好ましく、胴の外径は0.2〜
1.5mの範囲内にあると好ましい。
【0031】また、レジューサフランジには、熱交換器
の運搬性を向上させるために、フックを設けたり、運搬
用のネジ山、たとえば、アイボルト用のネジ山をきって
おくことも好ましい。
【0032】レジューサフランジ内は、溶融樹脂の滞留
が起きやすく、熱劣化物が発生しやすい。これを防ぐた
めには、レジューサフランジ内のデッドスペースを少な
くすることが効果的である。たとえば、レジューサフラ
ンジの管板に接する面の開口形状を、図3のB−B’断
面を示す図4のように、管の最外周部を構成する管群3
9に接する円40のように形成しておくと好ましい。も
ちろん、管群39の配置によって、上記の開口形状は円
のほかに、長方形などの矩形や楕円などとしてもよく、
管群39をすべて含むような最小限の形状であればよ
い。
【0033】また、レジューサフランジ内の溶融樹脂流
路容積を小さくすることにより、溶融樹脂の流速を高め
ることで、熱劣化を防ぐこともできる。たとえば、レジ
ューサフランジ内の溶融樹脂流路断面のうち最小面積と
なる断面積をamm2、最大面積となる断面積をbm
2、両断面間距離をhmmとしたとき、好ましくはh
≦((3b)1/2−(3a)1/2)/(π1/2)、より好
ましくはh≦(b1/2−a 1/2)/(3π)1/2の関係を
満たしていると好ましい。
【0034】また、円錐状の整流体36、36’などを
レジューサフランジ内部に設置し、レジューサフランジ
内部における壁面近傍の溶融樹脂流速をアップすること
も効果的である。この場合、管に均等に溶融樹脂が流れ
込むように適当な溶融樹脂流路を整流体の内部に設ける
ことも可能である。そのほかにも、溶融樹脂を管に均等
に流入させるために、図5に示すように管板41、4
1’の形状を凸形状とし、管の長さを中心部ほど長くす
るようにして、各管の管内圧力損失に差を与えることも
効果的である。
【0035】レジューサフランジと管板とを接続する際
のシール方法としては、たとえば、金属製のOリングを
用いることで、レジューサフランジおよび管板の肉厚を
薄くすることができ、ひいては、熱交換器を小型化する
ことができるため好ましい。
【0036】熱交換器へ供給する熱媒の温度は所定の温
度に制御されることが好ましい。特に、熱交換を行う前
の温度をT1(℃)とし、熱交換を行った後の溶融樹脂
の温度をT2(℃)としたとき、T1とT2とがT2−10
≦T1<T2を満足するように、より好ましくはT2−5
≦T1<T2を満足するように、供給する熱媒の温度(T
1)を制御することが好ましい。なお、T1は熱交換器に
流入する直前の温度を、T2は熱交換器から流出した直
後の温度を測定する。
【0037】制御の方式としては、用いる溶融樹脂の融
点などの特性に応じて、予め所定の制御温度(T2)を
決定しておき、T1を制御してもよいし、熱交換器から
流出する溶融樹脂の温度をモニターし、この温度に基づ
いてT1を制御するようにしてもよい。
【0038】このT1の温度は、溶融樹脂の流出温度T2
に大きく影響を及ぼすことから、高精度に制御すること
が好ましく、温度の経時変動および熱媒の熱交換器への
供給方向に対して直交する方向における温度むらを±5
℃以内、より好ましくは±0.5℃以内に制御すること
が好ましい。
【0039】溶融樹脂や熱媒の温度は高精度に測定する
ことが好ましく、たとえば、同一のロットから製造され
た熱電対を用いて測定することが好ましい。
【0040】熱交換器へ供給する熱媒の流量は、たとえ
ば、オリフィス流量計を用いて所定の流量になるように
制御すると好ましく、この場合、流量の経時変動を±1
0%以内に制御すると、溶融樹脂の温度変動や温度むら
を低く抑えることができる。
【0041】本発明に用いる樹脂としては、溶融状態や
溶液状態にして、糸条やシートなどの形態を付与できる
ものを用いることができる。たとえば、ポリプロピレン
やポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテ
レフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエ
ステルに代表される熱可塑性樹脂、メタ系アラミド、パ
ラ系アラミドなどの耐熱性樹脂を用いることができる。
中でもポリエステルを用いると好ましく、特に、ポリエ
チレンテレフタレートが好ましい。これら樹脂には、必
要に応じて、耐候剤や滑剤、帯電防止剤、顔料などの添
加剤が配合されていてもよい。
【0042】本発明の樹脂成形体の製造装置は、ダイの
形状を変えることにより、糸条を製造したり、プラスチ
ックフィルムなどのシートを製造するのに好適に用いる
ことができる。この場合、上記したように、溶融樹脂を
効率的に所定の温度に制御でき、しかも、温度むらを抑
えることができるので、糸条の特性や径、シートの厚み
など、樹脂成形体の品質を均一にすることができ、生産
性を向上させることができる。
【0043】
【実施例1】図1に示す構成の製造装置を用い、樹脂と
してポリエチレンテレフタレート(PET)を使用して
シートを製造した。熱交換器としては、図3に示すよう
な多管式熱交換器を用いた。攪拌手段としては、図6に
しめすようなスタティックミキサーを使用した。多管式
熱交換器の仕様を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】また、熱媒としては熱媒油を用い、温度制
御は、流入温度が270±1℃になるように行い、流量
を750kg/hrとして循環させ、熱交換を行った。
【0046】押出機にて、PETを300℃まで加熱溶
融し混練した後に、30kg/hrの吐出量にて多管式
熱交換器に供給した。
【0047】溶融樹脂温度の測定結果を表2に示す。測
定は、多管式熱交換器の溶融樹脂流入側と流出側とで行
った。測定位置は、多管式熱交換器の中心付近に位置す
る管1および外周部に位置する管5、および管1と管5
の径方向の距離を4等分した位置(管2、管3、管4)
とした。
【0048】
【表2】
【0049】表2に示すように、管1〜管5のいずれに
位置においても、300℃付近にある溶融樹脂の流入温
度が、一様に269℃付近まで冷却されていることが分
かる。また、流入温度の最大値である303.1℃(管
2)と最小値である296.8℃(管5)との差6.3
℃(溶融樹脂の温度むら)を、流出側では0.8℃まで
低減することができた(管1と管4との差)。
【0050】
【本発明の効果】本発明によれば、押出機とダイとの間
に、これらを連結する熱交換器を設け、溶融樹脂と熱媒
との間で強制的に熱交換を行うので、溶融樹脂の温度制
御を効率的に行うことができる。熱交換器として、多管
式熱交換器を用いれば、温度制御をより効率的に行うこ
とができ、また、熱交換器の溶融樹脂の流路内にスタテ
ィックミキサーなどの攪拌手段を設ければ、さらに温度
制御を効率的に行うことができる。
【0051】また、溶融樹脂の温度を所定温度以下に制
御しやすくなるので、溶融樹脂の熱劣化を低く抑えるこ
とができる。したがって、フィルターの交換周期を延長
することができ、樹脂成形体の生産性を向上させ、ま
た、欠点の減少による樹脂成形体の品質の向上をも図る
ことができる。
【0052】また、熱交換を行う前の熱媒の温度をT1
(℃)とし、熱交換を行った後の溶融樹脂の温度をT2
(℃)としたとき、T1とT2とがT2−10≦T1<T2
を満足するようにT1を制御すれば、溶融樹脂の目標冷
却温度に近い温度の熱媒で制御することになるので、押
出機吐出量の変動時などに、溶融樹脂が融点以下の温度
まで冷却されるおそれが少なくなり、多管式熱交換器内
で溶融樹脂が固化することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る樹脂成形体の製造装
置を示す概略図である。
【図2】従来の樹脂シート製造装置を示す概略図であ
る。
【図3】図1の多管式熱交換器の熱交換部を示す概略縦
断面図である。
【図4】図3の熱交換部のB−B’概略断面図である。
【図5】本発明の別の実施態様に係る熱交換部を示す概
略縦断面図である。
【図6】図3の熱交換部のスタティックミキサーを示す
概略斜視図である。
【図7】熱交換部における管の配列状態を示す概略断面
図である。
【図8】熱交換部における別の管の配列状態を示す概略
断面図である。
【符号の簡単な説明】
1:ホッパー 2:押出機 3:短管 4:ギアポンプ 5:短管 6:濾過装置 7:短管 8:ダイ 9:冷却ドラム 10:引き剥がしロール 11:シート 12:ホッパー 13:押出機 14:短管 15:多管式熱交換器 16:ギアポンプ 17:短管 18:濾過装置 19:短管 20:ダイ 21:冷却ロール 22:引き剥がしロール 23:シート 24:熱媒配管 25:熱交換部 26:熱媒循環装置(熱媒供給手段) 27:制御装置(制御手段) 28:樹脂シート製造装置 29:樹脂成形体の製造装置 30:レジューサフランジ 30’:レジューサフランジ 31:管板 31’:管板 32:管 33:胴 34:熱媒供給口 34’:熱媒流出口 35:邪魔板 35’:邪魔板 36:整流体 36’:整流体 37:スタティックミキサー 38:溶融樹脂流入口 38’:溶融樹脂流出口 39:管群 39’ :管群 39’’:管群 40:円 40’ :円 40’’:円 41:管板 41’:管板
フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AG01 AK01 AK13 AR06 CA27 CB02 CM90 CN01 CN14 CN22 4F207 AG01 AK01 AK13 AR06 KA01 KA17 KK12 KK45 KK64 KL01 KL38 KL51 KM06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機と、ダイと、これら押出機とダイ
    とを連結する熱交換器と、この熱交換器に熱媒を供給す
    る熱媒供給手段と、前記熱交換器に供給する熱媒の温度
    を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする樹
    脂成形体の製造装置。
  2. 【請求項2】 熱交換器が多管式熱交換器である、請求
    項1に記載の樹脂成形体の製造装置。
  3. 【請求項3】 多管式熱交換器が攪拌手段を備えてい
    る、請求項2に記載の樹脂成形体の製造装置。
  4. 【請求項4】 制御手段が、熱媒の温度の経時変動、お
    よび、熱媒の熱交換器への供給方向に対して直交する方
    向における温度むらを±5℃以内に制御するものであ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂成形体の製造
    装置。
  5. 【請求項5】 溶融樹脂をダイを通して押し出し、樹脂
    成形体を製造するに際し、前記溶融樹脂よりも温度の低
    い液体を熱媒として用い、前記溶融樹脂と前記熱媒との
    間で熱交換を行いながら前記溶融樹脂を押し出すことを
    特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱交換を行う前の熱媒の温度をT
    1(℃)とし、熱交換を行った後の溶融樹脂の温度をT2
    (℃)としたとき、T1とT2とが次式を満足するように
    1を制御する、請求項5に記載の樹脂成形体の製造方
    法。 T2−10≦T1<T2
  7. 【請求項7】 熱媒の流量の経時変動を±10%以内に
    制御しながら熱交換を行う、請求項5または6に記載の
    樹脂成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から4のいずれかに記載の樹脂
    成形体の製造装置または請求項5〜7のいずれかに記載
    の樹脂成形体の製造方法を用いて製造されたシート。
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