JP2001137247A - 生体光計測装置 - Google Patents

生体光計測装置

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JP2001137247A
JP2001137247A JP32816999A JP32816999A JP2001137247A JP 2001137247 A JP2001137247 A JP 2001137247A JP 32816999 A JP32816999 A JP 32816999A JP 32816999 A JP32816999 A JP 32816999A JP 2001137247 A JP2001137247 A JP 2001137247A
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祝善 市川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照射用及び検出用光ファイバ並びに装置本体
の検査を容易に行うことが可能な技術を提供すること。 【解決手段】 光源から光ファイバで誘導した複数波長
の光を生体に照射する誘導照射手段と、前記生体内を通
過した光を複数部位から集光する集光手段と、前記誘導
された照射光を減衰させて集光させるファントムと、前
記集光した通過光から前記被検体の生体通過光強度画像
を生成する画像生成手段とを有する生体光計測装置にお
いて、前記ファントムは、全周面が覆われており、対向
配置される一方の部材に誘導照射手段及び集光手段を挿
入する挿入口が形成され、他方の部材側に光の散乱性を
有する散乱部材が配置された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体光計測装置に
関し、特に、照射用光ファイバ及び検出用光ファイバの
検査用のファントムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、生体内部を簡便且つ生体に害を与
えずに計測する装置が臨床医学及び脳科学等の分野で切
望されていた。この要望に対し、可視から赤外の波長の
光を生体に照射し、生体を通過した光を検出することで
生体内部を計測する装置が、例えば、特開平9−989
72号公報(以下、「文献1」と記す)もしくは特開平
9−149903号公報(以下、「文献2」と記す)に
記載されていた。
【0003】これらの文献に記載の「生体光計測装置」
は、異なる変調周波数の光を発生する、及び生体通過光
から生体通過光強度画像(トポグラフィ画像)を生成し
表示させる信号処理装置と、信号処理装置で発生した光
を生体に照射し生体を通過した光を集光して信号処理装
置に出力する計測プローブとから構成されていた。
【0004】信号処理装置は、集光された光が入射され
るフォトダイオードから出力される生体通過光強度を表
す電気信号(以下、「生体通過光強度信号」と記す)か
ら波長及び照射位置に対応する反射光強度をそれぞれ分
離するロックインアンプと、ロックインアンプの出力を
デジタル信号に変換するA/D変換器と、A/D変換後
の生体通過光強度信号から計測点毎の酸化及び還元ヘモ
グロビン濃度の相対変化量を計算し、この相対変化量を
生体通過光強度画像(トポグラフィ画像)として表示す
る表示装置とから構成されていた。
【0005】計測プローブは、信号処理装置から出射さ
れる異なる変調周波数の光を生体に誘導し異なる位置に
照射する照射用光ファイバと、生体を通過した光を集光
しフォトダイオードに誘導する検出用光ファイバと、照
射用光ファイバ及び検出用光ファイバの先端を交互に格
子状配列させる光ファイバ固定部材と、この光ファイバ
固定部材を生体に固定する固定ベルトとから構成されて
いた。この光ファイバ固定部材は、例えば、四辺形をし
た厚さ3mm程度の熱可逆性プラスチックシートの基盤
を生体の計測部位の形状に沿うように曲面形状に形成す
る、あるいは熱可逆性プラスチックシートの基盤をヘル
メットあるいはキャップ形状に形成する等のように、計
測部位に応じて種々用意していた。また、光ファイバ固
定部材には、生体に光を照射・検出する複数の位置毎に
穴があけられ、この穴に光ファイバフォルダが配置され
ていた。この光ファイバフォルダは、中空状のホルダ本
体、ナットねじ、光ファイバ固定ねじから構成され、こ
のナットねじにより光ファイバ固定部材にホルダ本体が
固定して取り付けられていた。このホルダ本体の内部
に、照射用光ファイバもしくは検出用光ファイバを挿入
し、生体表面に光ファイバを軽く接触させて光ファイバ
固定ねじで固定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。従来
の生体光計測装置では、生体通過光という微弱な光を扱
うということと、複数の光ファイバ、及び照射用光ファ
イバに照射光を供給するレーザ装置、並びに検出用光フ
ァイバで誘導された通過光フォトダイオード及び増幅器
等を多数使用していたので、生体通過光計測の前には、
それぞれの特性が所定値内に収まり、使用状態での特性
が所定値以内に収まっていることを確認する必要があっ
た。さらには、光ファイバという一般的に折り曲げ等に
対する耐性が比較的弱い部材で計測プローブが形成され
ているので、照射用及び検出用光ファイバに損傷等の障
害が発生していないかを生体通過光計測の前に確認する
必要があった。この問題を解決する方法として、生体へ
の計測プローブの装着が正常に成されているかの確認に
よって、計測プローブ及び装置本体の動作確認を一緒に
行う方法が考えられるが、異常が検出された場合に、そ
の異常が装着不備に起因するものなのか、あるいは計測
プローブ及び装置本体に起因するものなのかにを特定す
る必要があるために、多くの時間が必要となり、診断効
率が低下してしまうという問題があった。
【0007】このために、従来の生体光計測装置では、
透明のアクリル容器中に10%程度の希釈牛乳を散乱体
として満たしたものをファントムとして使用していた。
このとき、従来の生体光計測装置では、外部からの光の
進入を防止すると共に、照射用光ファイバから照射され
た照射光の乱反射等を防止するために、アクリル容器の
内周面がつや消し黒等で全面塗装されていた。しかしな
がら、従来のファントムは、散乱体として希釈牛乳を使
用していたので、牛乳が腐食してしまい、長期間の連続
使用ができないという問題があった。
【0008】また、従来の照射用及び検出用光ファイバ
は、生体に設定される側の端部に、円筒状に形成された
プローブケースが配置されていた。このプローブケース
は、一方の側面が先端に近づくに従って徐々にその直径
が細くなるように形成されており、その内周部にはバネ
機構が内蔵され、このバネ機構の揺動側に光ファイバが
固定されていた。このバネ機構の力によって、光ファイ
バの先端部分を生体に接触される側に押し出す構成とな
っていた。このために、従来のファントムでは、照射用
及び検出用光ファイバの先端部分を液体中に配置した場
合に、プローブケース内のバネ機構等に希釈牛乳が進入
してしまうために、ファントムの使用後に照射用及び検
出用光ファイバの先端部分であるプローブケースを洗浄
する必要があった。このために、従来の生体光計測装置
では、複数の光ファイバ、及び照射用光ファイバに照射
光を供給するレーザ装置、並びに検出用光ファイバで誘
導された通過光フォトダイオード及び増幅器等の動作確
認及び調整に多くの時間を要してしまうという問題があ
った。このために、生体光計測装置が使用できるまでに
多くの時間を要し、診断効率が低下してしまうという問
題があった。
【0009】本発明の目的は、照射用及び検出用光ファ
イバ並びに装置本体の検査を容易に行うことが可能な生
体光計測装置用ファントムを提供することにある。本発
明の他の目的は、長期間の使用に耐え、かつ調整及び動
作確認後の洗浄を不要とすることが可能な生体光計測装
置のファントムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0011】(1)光源から光ファイバで誘導した複数
波長の光を生体に照射する誘導照射手段と、前記生体内
を通過した光を複数部位から集光する集光手段と、前記
誘導された照射光を減衰させて集光させるファントム
と、前記集光した通過光から前記被検体の生体通過光強
度画像を生成する画像生成手段とを有する生体光計測装
置において、前記ファントムは、全周面が覆われてお
り、対向配置される一方の部材に誘導照射手段及び集光
手段を挿入する挿入口が形成され、他方の部材側に光の
散乱性を有する散乱部材が配置された。
【0012】前述した手段によれば、ファントムは、全
周面が覆われており、対向配置される一方の部材に誘導
照射手段及び集光手段を挿入する挿入口が形成され、他
方の部材側に光の散乱性を有する散乱部材が配置されて
いるので、挿入口に誘導照射手段及び集光手段を配置す
るのみで、誘導照射手段から照射された光を減衰させて
集光手段に集光させることができるので、誘導照射手段
及び集光手段並びに装置本体の検査を容易に行うことが
できる。従って、診断効率を向上することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0014】図1は本発明の実施の形態1の生体光計測
装置の概略構成を説明するための図であり、1は光源
部、2は光モジュール、3は半導体レーザ、8は照射用
光ファイバ、9はファントム、10は検出用光ファイ
バ、11はフォトダイオード、12はロックインアンプ
モジュール、16はA/D変換器、17は制御部、18
は記録部、19は処理部、20は入出力部を示す。ただ
し、制御部17における計測値の処理を除く他の構成
は、周知の手段及び機構を用いる。
【0015】実施の形態1では、例えば、ファントム9
に設けた図示しない光散乱反射体に光を照射し、この光
散乱反射体で検出された通過光から照射用及び検出用光
ファイバ8,10が正常であるかを、計測チャンネルの
個数すなわち計測位置が12の場合について説明する。
もちろん、光照射位置及び光検出位置の数をさらに増減
された場合であっても、適用可能である。
【0016】図1において、光源部1は4個の光モジュ
ール2から構成されている。各光モジュール2は、可視
から赤外の波長領域中で複数の波長、例えば780nm
及び830nmの二波長の光をそれぞれ放射する2個の
半導体レーザ3から構成されている。これらの二波長の
値は、780nmと830nmとに限定されるものでは
なく、また、波長数も二波長に限定されるものではな
い。この光源部1については、半導体レーザ3の代わり
に発光ダイオードを用いてもよい。この光源1に含まれ
る全ての半導体レーザ8個は、それぞれ発振周波数の異
なる図示しない発振器で構成される発振部により、それ
ぞれ変調される。ただし、この変調として、実施の形態
1では正弦波によるアナログ変調の場合を示すが、これ
に限定されることはなく、それぞれ異なる時間間隔の矩
形波によるデジタル変調を用いてもよい。また、光モジ
ュール2には、それぞれの半導体レーザから放射された
780nm及び830nmの波長の光を1本の光ファイ
バ(照射用光ファイバ8)に導入させる図示しない光フ
ァイバ結合器とが備えられている。
【0017】従って、光源部1から放射される二波長光
を混合した光は、各光モジュール2に接続される4本の
照射用光ファイバ8の先端部分から照射対象となるファ
ントム9に照射される。このとき、各照射用光ファイバ
8は図示しない計測プローブに固定され、それぞれ異な
る位置に光を照射する。ただし、実施の形態1では、照
射用光ファイバ8及び検出用光ファイバ10の先端部分
は、交互に正方格子上に配置される。なお、計測プロー
ブの詳細については、特開平9−149903号公報に
記載される。
【0018】光散乱反射体を通過した光すなわち生体通
過光は、5本の検出用光ファイバ10でそれぞれ集光さ
れ、各検出用光ファイバ10の他端に接続される光検出
器であるフォトダイオード11で検出される。このフォ
トダイオード11としては、高感度な光計測が実現可能
な周知のアバランシェフォトダイオードが望ましい。ま
た、光検出器としては、光電子増倍管等の光電変換素子
ならば他のものでもよい。
【0019】これらのフォトダイオード11で生体通過
光は電気信号(生体通過光強度信号)に変換された後、
変調信号の選択的な検出回路、例えば複数のロックイン
アンプから構成されるロックインアンプモジュール12
で、照射位置且つ波長に対応した変調信号が選択的に検
出される。このとき、ロックインアンプモジュール12
から出力される変調信号は、波長及び照射位置に対応す
る生体通過強度信号にそれぞれ分離されたものである。
ただし、実施の形態1では、二波長の光を用いて12の
計測位置での計測を行うので、計測すべき信号数は24
となる。従って、実施の形態1のロックインアンプモジ
ュール12では、合計24個の図示しないロックインア
ンプを用いる。ただし、デジタル変調を用いた場合に
は、変調信号検出としてデジタルフィルタもしくはデジ
タルシグナルプロセッサを用いる。
【0020】ロックインアンプモジュール12からアナ
ログ出力される生体通過光強度信号は、24チャンネル
のA/D変換器(アナログデジタル変換器)16により
それぞれデジタル信号に変換される。それぞれのデジタ
ル信号は、波長及び照射位置毎の生体通過光強度信号で
ある。これらの計測は、制御部17により制御されてい
る。
【0021】デジタル信号に変換された生体通過光強度
信号は、記録部18で記録される。記録部18に記録さ
れた生体通過光強度信号は処理部19において読み出さ
れ、該処理部19において、一般の生体光計測の場合に
は、各検出位置の生体通過光強度信号から求められる脳
活動に伴う酸素化ヘモグロビン濃度変化及び脱酸素化ヘ
モグロビン濃度変化、さらにはこれらヘモグロビン濃度
総量が計算され、複数の計測位置の経時情報として入出
力部20の図示しない表示画面上に表示される、あるい
は、複数の計測位置の経時情報は記録部18に格納され
る。なお、各検出位置の生体通過光強度信号から酸素化
及び脱酸素化ヘモグロビン濃度変化並びにヘモグロビン
濃度総量を計算する方法については、文献1及び文献2
に記載されているので、詳細な説明は省略する。
【0022】一方、ファントム9を用いた生体光計測装
置での計測は、図2に示すように、計測プローブが生体
表面に正常に接触されているかを確認するモードと同
じ、照射用及び検出用光ファイバ8,10の検出光の信
号レベルを確認するモードに設定することによって行
う。
【0023】このモードに設定することによって、処理
部19は照射用及び検出用光ファイバ8,10の配列位
置と、隣接される光ファイバ間に設定される通過光強度
の計測位置とが表示される。ただし、図2に示す照射用
及び検出用光ファイバ8,10のそれぞれの位置は、フ
ァントム9に装着した照射用及び検出用光ファイバ8,
10の位置と一致するように、予め設定する。これによ
って、通過光強度の計測位置は、隣接する照射用及び検
出用光ファイバ8,10との間の位置として、設定され
る。
【0024】ここで、計測を開始することによって、例
えば、赤色で表示される信号レベルが予め設定された値
に収まらない光ファイバ位置の特定が容易となる。な
お、本実施の形態では、信号レベルが予め設定された値
に収まっている光ファイバ位置は、緑色で表示させる構
成となっている。なお、図2において、84のStart釦
をクリックすることで、信号確認を開始する。83のRe
peat Time入力部は入力した時間により信号確認を繰り
返し自動的に行うことを目的としている。繰り返し行っ
ている信号確認を止めるのは85のStop釦により行う。
検出された信号レベルが適正、弱い、強いの情報を信号
レベル表示部41に色によって識別できるように表示す
る。
【0025】本発明によるファントムで適正な信号レベ
ル表示にならない場合は、何らかの故障があると判断す
ることが可能となり、この確認を簡易的に顧客が使用前
に行うことができ、データの信頼性向上とメンテナンス
を迅速に行える。
【0026】図3は本実施の形態のファントムの概略構
成を説明するための外観図であり、図4は本実施の形態
のファントムの概略構成を説明するための断面図であ
る。
【0027】図3及び図4において、301はプローブ
ケース、302は挿入口、303はケース部材、304
は散乱反射部材、305は移動空間、306は光路確認
部材、307はスリット孔、308は光吸収体を示す。
【0028】図3に示すように、本実施の形態のファン
トムは、内面が黒色で塗装されたあるいは黒色の部材で
形成されたケース部材303の上面側に照射用及び検出
用光ファイバ8,10の一端に配置されるプローブケー
ス301を挿入する挿入口302が配置される。ケース
部材303はこれに310の蓋を設けて、部材303と
蓋310は蝶番311にて取付ける。部材306を使用
しないときは、蝶番のバネ機構によりスリット孔307
の光の進入は遮断される。この状態を常とし、部材30
6を使用するときは蓋をあけて使用する。前記挿入口3
02の内周面には、例えば、スポンジ等の柔軟性を有す
ると共に、プローブケース301の挿入時にケース部材
303とプローブケース301の外周面との間の隙間を
塞ぎ、ケース部材303の内部に外部から光が進入して
しまうことを防止する部材が配置されている。このよう
に、挿入口302の内周面にスポンジ等の柔軟性を有す
る部材を配置することによって、当該ファントムへの照
射用及び検出用光ファイバ8,10の脱着が容易となる
ので、計測前の検査に要する時間を減少させることがで
きる。
【0029】また、ケース部材303の側面部には、散
乱反射部材304の裏面側に光路確認部材306を挿入
し、移動させるためのスリット孔307が水平に形成さ
れている。このスリット孔307には、光路確認部材3
06の未挿入時にケース部材303の内部に外部からの
光の進入を防止するための遮光部材として、蓋310を
設けて、該蓋310と部材303は蝶番311にて取り
付けられる。
【0030】図4に示すように、挿入口302が配置さ
れる面と対向する面側すなわち下面側には散乱反射部材
304が配置されている。この散乱反射部材304とし
ては、例えばシリコンを含む樹脂や白濁性の樹脂で形成
された生体に近い散乱係数を有するものならば、他の物
質でもよいことはいうまでもない。
【0031】また、本実施の形態のファントムでは、ケ
ース部材303の下面と散乱反射部材304との間に
は、外部から挿入された光路確認部材306が移動可能
な空間である移動空間305が形成されている。従っ
て、この移動空間305に光吸収体を備えた光路確認部
材306を挿入し移動させることによって、光吸収体が
移動された部分では、照射用光ファイバ8の先端部から
散乱反射体304に照射された光が、対向面の光吸収体
で吸収されるので、検出用光ファイバ10での集光量が
減少することとなる。その結果、例えば、計測点毎の酸
化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量から計算され
た生体通過光強度画像を表示させるモードでの検査時に
は、生体通過光強度画像の変化から照射用光ファイバ8
から照射された光の光路を観察することができる。従っ
て、生体光計測装置の開発時等では、部材6により照射
光量を低減(光を吸収)させることにより、信号が大き
く変化するため、目的の光路部に図5に示すように光吸
収体308を配置させ信号がきちんと変化しているか、
つまり位置検出がされていることを確認することができ
る。
【0032】光路確認部材306としては、例えば、図
5に示すように、例えばアクリル樹脂等からなる平板状
の基材309に、例えば、ポリエステル、アクリルなど
が用いられる。
【0033】以上説明したように、本実施の形態の生体
光計測装置では、ケース部材303の上面側に照射用及
び検出用光ファイバを挿入する挿入口302を設けると
共に、ケース部材303内の下面側に散乱反射部材30
4が配置される構成となっているので、挿入口302に
照射用及び検出用光ファイバ8,10を配置するのみ
で、照射用光ファイバ8から照射された光を減衰させ
て、検出用光ファイバ10で集光させることができる。
従って、照射用及び検出用光ファイバ8,10並びに装
置本体の検査を容易に行うことができる。従って、診断
効率を向上することができる。
【0034】このとき、本実施の形態のファントムで
は、散乱反射部材304を固体状の部材で形成している
ので、プローブケース301の内部等に異物が挿入して
しまうことを防止することができる。従って、生体光計
測装置の調整及び動作確認後の洗浄等が不要となる。ま
た、長期間の使用に耐え得る。
【0035】さらには、本実施の形態のファントムで
は、固体状の部材で散乱反射体を構成しているので、生
体と同様に、照射用及び検出用光ファイバ8,10と散
乱反射部材304との接触面において反射現象を生じさ
せることが可能となるので、生体への装着時により近い
状態での検査が可能となる。
【0036】なお、本実施の形態のファントムでは、光
路確認部材306を散乱反射部材304の裏面側に挿入
するための移動空間305及びスリット孔307を配置
する構成としたが、これに限定されることはなく、照射
用及び検出用光ファイバ8,10の検出光の信号レベル
を確認するモード等での検査のみで使用する場合には、
光路確認部材306を散乱反射部材304の裏面側に挿
入するための移動空間305及びスリット孔307を設
ける必要がないことはいうまでもない。これによって、
ファントムの構造を簡略化できるという効果が得られ
る。
【0037】また、本実施の形態では、計測プローブが
生体表面に正常に接触されているかを確認するモードと
同じ、照射用及び検出用光ファイバ8,10の検出光の
信号レベルを確認するモードに設定することに、ファン
トム9を用いた生体光計測装置の動作確認を行う構成と
したが、これに限定されることはなく、例えば、A/D
変換後の生体通過光強度信号レベルを時系列で入出力部
20の表示画面上に直接表示させるモード、あるいは計
測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量か
ら計算された生体通過光強度画像を表示させるモードに
おいて、照射用あるいは検出用光ファイバ8,10をフ
ァントム9から取り外す等の外的要因を与え、その変化
を観察することによっても可能なことはいうまでもな
い。
【0038】また、本実施の形態では、ケース部材30
3を黒色の部材で形成する、あるいは内面に黒色の塗装
を施すこととしたが、これに限定されることはなく、明
度が低く色ならば他の色でもよいことはいうまでもな
い。
【0039】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0041】(1)照射用及び検出用光ファイバ並びに
装置本体の検査を容易に行うことができる。 (2)長期間の使用に耐え得る生体光計測装置のファン
トムを提供することができる。 (3)生体光計測装置の調整及び動作確認後の洗浄を不
要とすることができる。 (4)診断効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の生体光計測装置の概略
構成を説明するための図である。
【図2】生体に装着された計測プローブにおける照射用
及び検出用光ファイバの検出光の信号レベルを確認する
モードにおける表示の一例である。
【図3】本実施の形態のファントムの概略構成を説明す
るための外観図である。
【図4】本実施の形態のファントムの概略構成を説明す
るための断面図である。
【図5】本実施の形態の光路確認部材の概略構成を説明
するための図である。
【符号の説明】
1…光源部、2…光モジュール、3…半導体レーザ、8
…照射用光ファイバ、9…ファントム、10…検出用光
ファイバ、11…フォトダイオード、12…ロックイン
アンプモジュール、16…A/D変換器、17…制御
部、18…記録部、19…処理部、20…入出力部、3
01…プローブケース、302…挿入口、303…ケー
ス部材、304…散乱反射部材、305…移動空間、3
06…光路確認部材、307…スリット孔、308…光
吸収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G059 AA01 AA05 AA06 BB12 CC18 EE01 EE11 FF01 GG01 GG02 GG03 GG06 HH01 HH02 HH06 JJ17 KK01 KK03 MM09 MM10 PP04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から光ファイバで誘導した複数波長
    の光を生体に照射する誘導照射手段と、前記生体内を通
    過した光を複数部位から集光する集光手段と、前記誘導
    された照射光を減衰させて集光させるファントムと、前
    記集光した通過光から前記被検体の生体通過光強度画像
    を生成する画像生成手段とを有する生体光計測装置にお
    いて、 前記ファントムは、全周面が覆われており、対向配置さ
    れる一方の部材に誘導照射手段及び集光手段を挿入する
    挿入口が形成され、他方の部材側に光の散乱性を有する
    散乱部材が配置されたことを特徴とする生体光計測装
    置。
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