JP2001136314A - カラー画像評価方法 - Google Patents

カラー画像評価方法

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JP2001136314A
JP2001136314A JP31941299A JP31941299A JP2001136314A JP 2001136314 A JP2001136314 A JP 2001136314A JP 31941299 A JP31941299 A JP 31941299A JP 31941299 A JP31941299 A JP 31941299A JP 2001136314 A JP2001136314 A JP 2001136314A
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Susumu Imagawa
進 今河
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー画像におけるバックグラウンドノイズ
のうち、「カブリ」を人間の主観評価と相関良く評価す
ることが可能なカラー画像評価方法を提供する。 【解決手段】 被測定物である画像の非画像部、理想的
には色材のない部分で画像記録媒体そのものの色彩値を
計測する(S1)。色彩値は、被測定物の輝度情報と色
度情報を含んだ3〜4つの値からなる色彩情報で、カラ
ーハードコピーの色彩を表現する場合には、例えば、C
IE1976Lab表色系におけるL*,a*,b*を
使用する。被測定物の色彩値と記録媒体そのものの色彩
値(L*0,a*0,b*0)との差分を求める(S
2)。非画像部のカブリによる汚れを表わす評価値は、
dL*=L*−L*0,da*=a*−a*0,db*
=b*−b*0を変数とした関数f(dL*,da*,
db*)として算出する(S3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー画像評価方
法、より詳細には、記録媒体上に記録された画像品質の
計測方法に関し、カラーハードコピー等のカラー画像の
評価に応用可能なカラー画像評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、記録画像の非画像部の汚れを
説明するための図である。カラー記録装置において、記
録画像の非画像部の汚れは、一般に、バックグラウンド
ノイズ(地肌汚れ)と呼ばれる。バックグラウンドノイ
ズには、図12(A)に示したように、銀塩写真におけ
る「カブリ」のように非画像部全体の濃度が上昇するノ
イズと、図12(B)に示したように、電子写真記録装
置におけるトナー飛散のように微視的に濃度の上昇(カ
ラー画像では、色彩情報の明度上昇と色度変化)した部
分およびそうでない部分が混在した「粒状の地肌汚れ」
のようなノイズとが含まれる。
【0003】上記「カブリ」と「粒状の地肌汚れ」と
は、上述のように、画像構造の異なる現象であるが、飛
散した色材(トナー)の粒径が小さい場合には、「粒状
の地肌汚れ」も「カブリ」と同様、目視では非画像部全
体の濃度が上昇したかのように視認される。このような
バックグラウンドノイズは、画像の階調表現で最も重要
であるといわれるハイライト部の画質を著しく劣化させ
る画質要因であり、バックグラウンドノイズの低減は、
画像記録装置の技術課題のひとつである。
【0004】上述のようなバックグラウンドノイズの評
価方法に関する公知技術として、例えば、特開平5−2
84260号公報や特開平10−023191号公報に
開示されたものがある。上記特開平5−284260号
公報に開示されたものは、光学的情報と二次元的な位置
情報を含む被評価画像情報とを、色彩を表す情報に変換
し、その変換後の情報に、二次元直交変換を施して二次
元的な空間周波数分布を示す情報を生成し、人間の視覚
系の空間周波数特性を表す関数によって補正を施し、一
次元化処理を施した後、積分することによって画像評価
値を算出するものである。
【0005】また、上記特開平10−023191号公
報に開示されたものは、表色系変換部がカラースキャナ
ーからのR,G,B信号をL*,a*,b*に変換し、
スペクトル算出部が変換された信号から空間周波数成分
を算出し、空間周波数補正部が算出された空間周波数成
分に対して視覚系の空間周波数成分に応じた補正を行
い、評価算出部が空間周波数補正部の出力を積分して、
a*,b*成分の評価値を算出し、明度特性補正部が明
度成分の評価値を補正して出力することにより、汎用の
カラースキャナやモノクロスキャナーを用いて、画像に
含まれるノイズ(ざらつき、粒状性)を人間の感覚と相
関良く評価するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−284260号公報および上記特開平10−0
23191号公報に開示されたものは、理想的には均一
であるべき画像を高精細なスキャナで読み取り、その画
像に含まれる微細な明度,色度ノイズ(いわゆる粒状
性)を視覚特性で補正して主観的評価と対応良く評価す
る方法であり、これらの評価法では、トナー飛散による
「粒状の地肌汚れ」の評価は可能であるが、「カブリ」
のような非画像の均一な濃度上昇の評価はできなかっ
た。
【0007】また、「カブリ」のように、非画像部全体
の濃度の上昇は、濃度計によって計測が行われており、
カラー画像の場合、シアン,マゼンタ,イエローのそれ
ぞれの濃度上昇分が計測されているようであるが、個々
の濃度上昇と人が感じるバックグラウンドノイズ(主観
的な画質)との関係は明確になっておらず、「カブリ」
に対して、主観的な画質と相関の高い評価法は提案され
ていなかった。
【0008】本発明は、上述のような実情を考慮してな
されたもので、カラー画像におけるバックグラウンドノ
イズのうち、「カブリ」を人間の主観評価と相関良く評
価することが可能なカラー画像評価方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、画像
出力装置によって記録媒体上に記録された画像の非画像
部に対する色材の付着による汚れを評価するカラー画像
評価方法において、画像を記録する前の記録媒体の色彩
情報のうちの輝度成分および色度成分と、前記記録媒体
上に記録された画像の非画像部の色彩情報のうちの輝度
成分および色度成分との前記各成分の差に基づいて、前
記非画像部の汚れ量を算出することを特徴とし、カラー
画像におけるバックグラウンドノイズのうち、「カブ
リ」を人間の主観評価と相関良く評価するものである。
【0010】請求項2の発明は、画像出力装置によって
記録媒体上に記録された画像の非画像部に対する色材の
付着による汚れを評価するカラー画像評価方法におい
て、画像を記録する前の記録媒体の色彩情報のうちの輝
度成分および色度成分における黄色成分と、前記記録媒
体上に記録された画像の非画像部の色彩情報のうちの輝
度成分および色度成分における黄色成分との前記各成分
の差に基づいて、前記非画像部の汚れ量を算出すること
を特徴とし、カラー画像におけるバックグラウンドノイ
ズのうち、「カブリ」を人間の主観評価と相関良く、簡
便に評価するものである。
【0011】請求項3の発明は、画像出力装置によって
記録媒体上に記録された画像の非画像部に対する色材の
付着による汚れを評価するカラー画像評価方法におい
て、画像を記録する前の記録媒体の色彩情報のうちの輝
度成分および色度成分と、前記記録媒体上に記録された
画像の非画像部の色彩情報のうちの輝度成分および色度
成分との前記各成分の差、および、前記非画像部の2次
元的な輝度と色度分布情報から、前記非画像部の汚れ量
を算出することを特徴とし、カラー画像におけるバック
グラウンドノイズのうち、「粒状の地肌汚れ」および
「カブリ」を人間の主観評価と相関良く評価するもので
ある。
【0012】請求項4の発明は、画像出力装置によって
記録媒体上に記録された画像の非画像部に対する色材の
付着による汚れを評価するカラー画像評価方法におい
て、画像を記録する前の記録媒体の色彩情報のうちの輝
度成分および色度成分における黄色成分と、前記記録媒
体上に記録された画像の非画像部の色彩情報のうちの輝
度成分および色度成分における黄色成分との前記各成分
の差、および、前記非画像部の2次元的な輝度分布情報
から、前記非画像部の汚れ量を算出することを特徴と
し、カラー画像におけるバックグラウンドノイズのう
ち、「粒状の地肌汚れ」および「カブリ」を人間の主観
評価と相関良く、高速に評価するものである。
【0013】請求項5の発明は、画像出力装置によって
記録媒体上に記録された画像の非画像部に対する色材の
付着による汚れを評価するカラー画像評価方法におい
て、画像を記録する前の記録媒体の色彩情報のうちの色
度成分における黄色成分と、前記記録媒体上に記録され
た画像の非画像部の色彩情報のうちの色度成分における
黄色成分との差、および、前記非画像部の2次元的な輝
度分布情報から、前記非画像部の汚れ量を算出すること
を特徴とし、カラー画像におけるバックグラウンドノイ
ズのうち、「粒状の地肌汚れ」および「カブリ」を人間
の主観評価と相関良く、高速に評価するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】(請求項1)図1は、本発明によ
るカラー画像評価方法の一実施例を説明するためのフロ
ー図である。請求項1の発明は、図1に示したように、
被測定物である画像の非画像部(理想的には色材のない
部分で画像記録媒体そのもの)の色彩値を計測するよう
にしたものである。ここでいう色彩値とは、被測定物の
輝度情報と色度情報を含んだ3つ若しくは4つの値から
なる色彩情報であり、一般に、カラーハードコピーの色
彩を表現する場合には、CIE1976Lab表色系に
おけるL*,a*,b*、若しくは、カラー濃度(視感
濃度Dvと、シアンDc,マゼンタDm,イエローDy
の各濃度)が使用される。
【0015】CIE1976Lab表色系の場合は、L
*は輝度成分にほぼ相当する色度成分、a*は視覚にお
ける赤−緑方向の反対色応答にほぼ相当する色度成分、
b*は黄−青方向の反対色応答にほぼ相当する色度成分
である。カラー濃度の場合は、視感濃度Dvが輝度成分
であり、その他は、それぞれ、シアン,マゼンタ,イエ
ローに関する色度成分といえる。この測定には、光源,
受光素子,フィルタからなる市販のカラー濃度計や測色
計を使用することができる。
【0016】次に、被測定物の色彩値(ステップS1に
おいて算出された色彩情報)と記録媒体そのものの色彩
値との差分を求める(ステップS2)。例えば、色彩値
(色空間)としてCIE1976Lab表色系を用いた
場合には、 dL*=L*−L*0, da*=a*−a*0, db*=b*−b*0 を算出する。ここで、L*,a*,b*は、被測定物の
CIE1976Lab表色系における各成分で、L*
0,a*0,b*0は、記録媒体のCIE1976La
b表色系における各成分である。非画像部のカブリによ
る汚れを表わす評価値は、dL*,da*,db*を変
数とした関数f(dL*,da*,db*)として算出
される(ステップS3)。
【0017】図2は、図1に示した実施例によるカラー
画像評価方法によって算出した評価値と主観評価値との
相関を説明するための図である。図2(A)は、非画像
部のカブリによる汚れを表わす評価値を、各成分の線形
和、すなわち、 f(dL*,da*,db*)=a1・dL*+a2・
da*+a3・db*+a4 とした場合の評価値と被評価画像をパネラを用いて評価
したときの主観評価値との相関を示したグラフである。
【0018】図2(A)に示したグラフにおいて、主観
評価値は、「地肌汚れが非常に気になる」から「地肌汚
れがまったく気にならない」までの5段階評価の結果を
統計解析して求めたものである。また、ここで、a1,
a2,a3,a4は定数であり、算出した評価値と主観
評価とによる評価結果を用い、最小自乗法などによって
決定される。図2(A)に示した上記定数は、それぞ
れ、1.431,0.147,−0.183,0.922
で、主観評価値と上式から算出した評価値との相関係数
は0.935であり、グラフから明らかなように、非常
に良い相関を示している。
【0019】図2(B)は、カラー濃度(視感濃度Dv
と、シアンDc,マゼンタDm,イエローDyの各濃
度)を色彩値として用いた例のグラフで、非画像部のカ
ブリによる汚れを表わす評価値を、各成分の線形和、す
なわち、 f(dDv,dDc,dDm,dDy)=a1・dDv
+a2・dDc+a3・dDm+a4・dDy+a5 とした場合の評価値と被評価画像をパネラを用いて評価
したときの主観評価値との相関を示したグラフである。
ここで、dDv,dDc,dDm,dDyは、前述のC
IE1976Lab表色系の場合と同様、被測定物の色
彩値と記録媒体そのものの色彩値との差分である。主観
評価値と上式から算出した評価値との相関係数は0.9
25であり、非常に良い相関を示している。
【0020】図2(C)は、CIE1976Lab表色
系を用いて評価値を求める関数を、 f(dL*,da*,db*)=a1/(1+exp
(a2・dL*+a3))+a4/(1+exp(a5
・da*+a6))+a7/(1+exp(a8・db
*+a9))+a10 とした場合の評価値と被評価画像をパネラを用いて評価
したときの主観評価値との相関を示したグラフで、その
相関係数は0.988であり、さらに良い相関を示して
いる。
【0021】(請求項2)図3は、本発明によるカラー
画像評価方法の他の実施例を説明するためのフロー図で
ある。請求項2の発明は、図3に示したように、図1に
示した実施例とほぼ同様であるが、請求項2の発明にお
いては、色彩値のうち、輝度成分(CIE1976La
b表色系ではL*、カラー濃度では視感濃度Dv)と色
度成分のうちの黄色成分(CIE1976Lab表色系
ではb*、カラー濃度では視感濃度Dy)との2成分に
よって被測定物の色彩値(ステップS11において算出
された色彩情報)と記録媒体そのものの色彩値との差分
を求め(ステップS12)、これにより、評価値を算出
する(ステップS13)ようにしたものである。
【0022】図4は、図2に示した実施例によるカラー
画像評価方法によって算出した評価値と主観評価値との
相関を説明するための図である。図4(A)は、色彩値
(色空間)としてCIE1976Lab表色系を用いた
場合の例で、非画像部のカブリによる汚れを表わす評価
値を、各成分の線形和、すなわち、 f(dL*,db*)=a1・dL*+a2・db*+
a3 とした場合の評価値と被評価画像をパネラを用いて評価
したときの主観評価値との相関を示したグラフである。
ここで、a1,a2,a3は定数であり、それぞれ、
1.307,−0.179,0.870であった。また、
主観評価値と上式から算出した評価値との相関係数は
0.895であり、図1に示した実施例におけるすべて
の成分を用いた場合よりは多少悪い結果(図2を参照)
であるが、非常に良い相関を示している。
【0023】図4(B)は、カラー濃度(視感濃度Dv
とイエロー濃度Dy)を色彩値として用い、非画像部の
カブリによる汚れを表わす評価値を、各成分の線形和、
すなわち、 f(dDv,dDy)=a1・dDv+a2・dDy+
a3 とした場合の評価値と被評価画像をパネラを用いて評価
したときの主観評価値との相関を示したグラフである。
主観評価値と上式から算出した評価値との相関係数は
0.921であり、非常に良い相関を示している。
【0024】このように、輝度成分と黄色成分のみでカ
ブリの評価が可能な訳は、カラー記録に用いている色材
のシアン,マゼンタ,イエロー,黒のうち、シアン,マ
ゼンタの色材が非画像部に付着した場合には、色度変化
だけでなく輝度変化も起き、視覚的に敏感な輝度変動だ
けでも評価が可能となるためであろう(黒の場合は輝度
変化のみ発生し、イエローの場合は輝度変化がほとんど
なく色度変化のみ発生する)。
【0025】(請求項3)図5は、本発明によるカラー
画像評価方法の他の実施例を説明するためのフロー図で
ある。請求項3の発明は、図5(A)に示したように、
図1に示した実施例と同様の画像における非画像部の輝
度成分,色度成分のカブリに加え、電子写真出力装置に
おいて発生するトナー飛散による粒状の地肌汚れの評価
を可能としたものである。カブリ成分に関する評価は、
図1に示した実施例の説明と同様の方法により、被測定
物の画像における非画像部の色彩値(ステップS21に
おいて算出された色彩情報)と記録媒体そのものの色彩
値との差分より求める(ステップS22)。
【0026】地肌汚れのうち、粒状成分の算出(ステッ
プS24)には、前記特開平5−284260号公報や
発前記特開平10−023191号公報に記載の方法な
どように、画像読取り装置4によって取込まれた2次元
の画像情報から輝度成分,色度成分の空間分布を求め、
各成分を周波数解析して視覚の空間周波数特性によって
補正した後(ステップS23)、積分した値を所定の評
価式に代入して得られた粒状成分の評価値を用いること
ができる(なお、図5(B)は、特開平10−0231
91号公報の請求項1〜6における評価法のフローを示
している)。最終的な地肌汚れの評価値は、カブリ成分
と粒状成分を変数とする関数に代入して得られる(ステ
ップS25)。
【0027】図6は、図5(A)に示した実施例による
カラー画像評価方法によって算出した評価値と主観評価
値との相関を説明するための図で、CIE1976La
b表色系を用い、カブリ成分であるdL*、da*、d
b*と上記特開平10−023191号公報の請求項1
〜6に記載の方法によって求めたカラー粒状成分CGを
用いて、 f(dL*,da*,db*,CG)=a1/(1+e
xp(a2・dL*+a3))+a4/(1+exp
(a5・da*+a6))+a7/(1+exp(a8
・db*+a9))+a10/(1+exp(a11・
CG+a12))+a13 なる関数によって求めた地肌汚れ評価値と主観評価値と
の相関を示したものである。ここで、a1〜a13は定
数で、相関係数は0.90であり、十分な相関を有して
いる。
【0028】図5(A)に示した実施例において、画像
の読取りには、画像読取装置3と画像読取装置4を用い
ている。これは、画像読取装置3は平均的な色彩値を測
定すればよく、市販のカラー濃度計若しくは測色計が使
用可能であるが、粒状の地肌汚れ成分の評価には、2次
元の色情報が必要であり、カラースキャナーなどの画像
を2次元に入力可能な画像読取装置4が必要なためであ
る。
【0029】図7は、本発明によるカラー画像評価方法
の他の実施例を説明するためのフロー図で、カラースキ
ャナーなどの画像を2次元に入力可能な画像読取装置5
を用いて得られた色彩情報の平均値を求め(ステップS
26)、この情報を「カブリ」成分の評価に使用するこ
とにより、1種類の画像読取装置5でも請求項3の発明
の実現は可能である。
【0030】(請求項4)図8は、本発明によるカラー
画像評価方法の他の実施例を説明するためのフロー図で
ある。請求項4の発明は、図8(A)に示したように、
図3に示した実施例の画像における非画像部の輝度成分
と色度成分のうちの黄色成分とのカブリに加え、電子写
真出力装置において発生するトナー飛散による粒状の地
肌汚れの評価を可能としたものである。カブリ成分に関
する評価は、図3に示した実施例の説明と同様の方法に
よって記録媒体と画像における非画像部との色彩情報の
差を求める(ステップS31,S32)。地肌汚れのう
ち、粒状成分の算出(ステップS34)は、図5(A)
に示した実施例の説明と同様である。
【0031】図9は、図8(A)に示した実施例による
カラー画像評価方法によって算出した評価値と主観評価
値との相関を説明するための図で、CIE1976La
b表色系を用いた場合には、カブリ成分であるdL*,
db*と前記特開平10−023191号公報の請求項
7〜9に記載の方法における輝度(明度)成分の空間分
布のみの粒状成分CGL*とを用い(図8(A)のステ
ップS33)、 f(dL*,db*,CGL*)=a1/(1+exp
(a2・dL*+a3))+a4/(1+exp(a5
・db*+a6))+a7/(1+exp(a8・CG
L*+a9))+a10 なる関数によって求めた地肌汚れ評価値と主観評価値と
の相関を示したものである。ここで、a1〜a10は定
数で、相関係数は0.90であり、十分な相関を有して
いる(なお、図8(B)は、特開平10−023191
号公報の請求項7〜9における評価法のフローを示して
いる)。
【0032】(請求項5)図10は、本発明によるカラ
ー画像評価方法の他の実施例を説明するためのフロー図
である。請求項5の発明は、画像における非画像部の色
度成分のうちの黄色成分のカブリに加え、電子写真出力
装置において発生するトナー飛散による粒状の地肌汚れ
の評価を可能としたものである。カブリ成分に関する評
価は、図1,図3に示した実施例の説明と同様の方法
で、記録媒体と画像における非画像部の黄色成分との差
を求める(ステップS41,S42)。
【0033】図11は、図10に示した実施例によるカ
ラー画像評価方法によって算出した評価値と主観評価値
との相関を説明するための図で、地肌汚れのうち、粒状
成分の算出には(図10のステップS44)、CIE1
976Lab表色系を用いた場合は、カブリ成分である
db*と前記特開平10−023191号公報の請求項
7〜9に記載の方法における輝度(明度)成分の空間分
布のみの粒状成分CGL*とを用い(図10のステップ
S43)、 f(dL*,db*,CGL*)=a1/(1+exp
(a2・db*+a3))+a4/(1+exp(a5
・CGL*+a6))+a7 なる関数によって求めた地肌汚れ評価値と主観評価値と
の相関を示したものである。ここで、a1〜a7は定数
で、相関係数は0.90であり、十分な相関を有してい
る。
【0034】
【発明の効果】(1)請求項1の発明に対応する効果 画像における非画像部と記録媒体との輝度,色度変動量
からバックグラウンドノイズを求めるので、カラー画像
におけるバックグラウンドノイズのうち、「カブリ」に
関して、人間の主観評価と相関良く評価することができ
る。
【0035】(2)請求項2の発明に対応する効果 画像における非画像部と記録媒体との輝度変動量,色度
変動のうち黄色成分の変動量からバックグラウンドノイ
ズを求めるので、カラー画像におけるバックグラウンド
ノイズのうち、「カブリ」に関して、人間の主観評価と
相関良く、簡便に評価することができる。
【0036】(3)請求項3の発明に対応する効果 画像における非画像部と記録媒体との輝度,色度変動量
と非画像部の2次元的な輝度,色度分布とからバックグ
ラウンドノイズを求めるので、カラー画像における「粒
状の地肌汚れ」と「カブリ」とからなるバックグラウン
ドノイズに関して、人間の主観評価と相関良く評価する
ことができる。
【0037】(4)請求項4の発明に対応する効果 画像における非画像部と記録媒体との輝度変動量,色度
変動のうちの黄色成分の変動量と非画像部の2次元的な
輝度分布とからバックグランドノイズを求めるので、カ
ラー画像における「粒状の地肌汚れ」と「カブリ」とか
らなるバックグラウンドノイズに関して、人間の主観評
価と相関良く、簡便に評価することができる。
【0038】(5)請求項5の発明に対応する効果 画像における非画像部と記録媒体との色度変動のうちの
黄色成分の変動量と非画像部の2次元的な輝度分布とか
らバックグラウンドノイズを求めるので、電子写真出力
装置のような粒状ノイズが主であるカラー画像における
バックグラウンドノイズに関して、人間の主観評価と相
関良く、簡便に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるカラー画像評価方法の一実施例
を説明するためのフロー図である。
【図2】 図1に示した実施例によるカラー画像評価方
法によって算出した評価値と主観評価値との相関を説明
するための図である。
【図3】 本発明によるカラー画像評価方法の他の実施
例を説明するためのフロー図である。
【図4】 図2に示した実施例によるカラー画像評価方
法によって算出した評価値と主観評価値との相関を説明
するための図である。
【図5】 本発明によるカラー画像評価方法の他の実施
例を説明するためのフロー図である。
【図6】 図5(A)に示した実施例によるカラー画像
評価方法によって算出した評価値と主観評価値との相関
を説明するための図である。
【図7】 本発明によるカラー画像評価方法の他の実施
例を説明するためのフロー図である。
【図8】 本発明によるカラー画像評価方法の他の実施
例を説明するためのフロー図である。
【図9】 図8(A)に示した実施例によるカラー画像
評価方法によって算出した評価値と主観評価値との相関
を説明するための図である。
【図10】 本発明によるカラー画像評価方法の他の実
施例を説明するためのフロー図である。
【図11】 図10に示した実施例によるカラー画像評
価方法によって算出した評価値と主観評価値との相関を
説明するための図である。
【図12】 記録画像の非画像部の汚れを説明するため
の図である。
【符号の説明】
1〜9…画像読取装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像出力装置によって記録媒体上に記録
    された画像の非画像部に対する色材の付着による汚れを
    評価するカラー画像評価方法において、画像を記録する
    前の記録媒体の色彩情報のうちの輝度成分および色度成
    分と、前記記録媒体上に記録された画像の非画像部の色
    彩情報のうちの輝度成分および色度成分との前記各成分
    の差に基づいて、前記非画像部の汚れ量を算出すること
    を特徴とするカラー画像評価方法。
  2. 【請求項2】 画像出力装置によって記録媒体上に記録
    された画像の非画像部に対する色材の付着による汚れを
    評価するカラー画像評価方法において、画像を記録する
    前の記録媒体の色彩情報のうちの輝度成分および色度成
    分における黄色成分と、前記記録媒体上に記録された画
    像の非画像部の色彩情報のうちの輝度成分および色度成
    分における黄色成分との前記各成分の差に基づいて、前
    記非画像部の汚れ量を算出することを特徴とするカラー
    画像評価方法。
  3. 【請求項3】 画像出力装置によって記録媒体上に記録
    された画像の非画像部に対する色材の付着による汚れを
    評価するカラー画像評価方法において、画像を記録する
    前の記録媒体の色彩情報のうちの輝度成分および色度成
    分と、前記記録媒体上に記録された画像の非画像部の色
    彩情報のうちの輝度成分および色度成分との前記各成分
    の差、および、前記非画像部の2次元的な輝度と色度分
    布情報から、前記非画像部の汚れ量を算出することを特
    徴とするカラー画像評価方法。
  4. 【請求項4】 画像出力装置によって記録媒体上に記録
    された画像の非画像部に対する色材の付着による汚れを
    評価するカラー画像評価方法において、画像を記録する
    前の記録媒体の色彩情報のうちの輝度成分および色度成
    分における黄色成分と、前記記録媒体上に記録された画
    像の非画像部の色彩情報のうちの輝度成分および色度成
    分における黄色成分との前記各成分の差、および、前記
    非画像部の2次元的な輝度分布情報から、前記非画像部
    の汚れ量を算出することを特徴とするカラー画像評価方
    法。
  5. 【請求項5】 画像出力装置によって記録媒体上に記録
    された画像の非画像部に対する色材の付着による汚れを
    評価するカラー画像評価方法において、画像を記録する
    前の記録媒体の色彩情報のうちの色度成分における黄色
    成分と、前記記録媒体上に記録された画像の非画像部の
    色彩情報のうちの色度成分における黄色成分との差、お
    よび、前記非画像部の2次元的な輝度分布情報から、前
    記非画像部の汚れ量を算出することを特徴とするカラー
    画像評価方法。
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