JPH1023191A - 画像評価方法および画像評価装置 - Google Patents

画像評価方法および画像評価装置

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JPH1023191A
JPH1023191A JP8178260A JP17826096A JPH1023191A JP H1023191 A JPH1023191 A JP H1023191A JP 8178260 A JP8178260 A JP 8178260A JP 17826096 A JP17826096 A JP 17826096A JP H1023191 A JPH1023191 A JP H1023191A
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image
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lightness
evaluation
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JP8178260A
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Susumu Imagawa
進 今河
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用のカラースキャナやモノクロスキャナー
を用いて、画像に含まれるノイズ(ざらつき、粒状性)
を人間の感覚と相関良く評価する。 【解決手段】 表色系変換部1は、カラースキャナーか
らのRGB信号をL*a*b*に変換する。スペクトル
算出部2は、変換された信号から空間周波数成分を算出
し、空間周波数補正部3は算出された空間周波数成分に
対して視覚系の空間周波数成分に応じた補正を行い、評
価算出部4は空間周波数補正部3の出力を積分して、a
*、b*成分の評価値を算出する。明度特性補正部5は
明度成分の評価値を補正して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汎用のスキャナか
ら取り込んだ画像の粒状性を評価する画像評価方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像品質を評価する場合、人間が感じる
画像品質の程度を数量化する心理評価と画像自体の持つ
物理特性を測定機により評価する物理特性とがある。心
理評価は製品の最終検査などに広く用いられているが、
検査者が異なったり、検査者の疲労などによって検査結
果が変化するなどの欠点がある。
【0003】従来、画像の品質を検査する装置として、
例えば、被評価装置の光学濃度を視感分解能よりも小さ
なサンプリング幅で測定する画像検査用光学濃度測定装
置が提案されている(特開昭62ー299971号公報
を参照)。しかしながら、この従来例では光学濃度の測
定は可能であるが、カラー画像の色彩情報を検出するこ
とはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した装置を改良し
たものとして、特開平5−284260号公報に記載さ
れた画像評価方法および装置がある。この画像評価装置
は、2次元的な位置情報と光学的情報を含む被画像情報
を色彩情報に変換し、その変換された2次元情報を周波
数解析により2次元空間周波数情報に変換し、2次元空
間周波数情報を1次元化した後、人間の視覚の空間周波
数特性に対応した補正を加えるものであり、濃度(明
度)情報だけでなく色彩情報である彩度情報、色相情報
も検出することができる。
【0005】しかし、上記した画像評価装置は、XYZ
表色系における等色関数x(λ),y(λ),z(λ)
と同等の分光感度を持つ走査型測色計であり(ここでλ
は波長)、このような評価装置は市販のカラースキャナ
のような入力装置を使用することができず、専用の入力
装置を使用しなければならない。
【0006】また、上記した画像評価装置は、画像に含
まれるノイズ(明るさ、色の変動)を評価することを目
的とした装置である。画像に含まれるノイズは目視上ざ
らつきとして感じられ、粒状性ともいわれる。本発明者
らの実験によれば、前掲した公報に記載された評価式
(10)から算出された同じ値の評価値であっても、平
均明度が高い(明るい)ほどノイズが目立ちやすく、被
評価画像の平均明度を考慮していない評価式(10)
は、人間の感覚との相関があまり良くないことがわかっ
た。
【0007】本発明は上記した事情を考慮してなされた
もので、本発明の目的は、汎用のカラースキャナやモノ
クロスキャナーを用いて、画像に含まれるノイズ(ざら
つき、粒状性)を人間の感覚と相関良く評価することが
できる画像評価方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、スキャナで読み取られた
被評価画像のRGB信号を明度L*と色度a*、b*に
表色変換し、該明度成分と色度成分の評価値を算出する
画像評価方法であって、前記各成分の変動の空間周波数
成分を算出し、該算出された空間周波数成分に対して、
視覚系の空間周波数特性に応じた補正を行い、該補正さ
れた空間周波数成分を積分して前記明度成分の評価値と
色度成分の評価値を算出し、該算出された明度成分の評
価値について、平均明度に対して単調増加する重み関数
を乗じた明度特性の補正を行うことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明では、被評価画像を入
力する手段と、該画像のRGB信号を明度L*と色度a
*、b*に表色変換する手段と、該明度成分と色度成分
の評価値を算出する手段とを備えた画像評価装置であっ
て、前記各成分の変動の空間周波数成分を算出するスペ
クトル算出手段と、該スペクトル算出手段の出力に対し
て、視覚系の空間周波数特性に応じた補正を行う補正手
段と、該補正手段の出力を積分して前記明度成分の評価
値と色度成分の評価値を算出する評価値算出手段と、該
算出された明度成分の評価値について、平均明度に対し
て単調増加する重み関数を乗じた明度特性の補正を行う
明度特性補正手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明では、前記重み関数と
して、平均明度L*を変数とした指数関数f(L*)=
exp(a・L*) (aは定数)を用いることを特徴
としている。
【0011】請求項4記載の発明では、前記指数関数の
定数aは、0.005<a<0.012であることを特
徴としている。
【0012】請求項5記載の発明では、前記明度特性補
正後のL*成分の評価値、a*成分の評価値、b*成分
の評価値に対してそれぞれ所定の重みを乗じ、重み付け
られた評価値の線形和を総合的な評価値として算出する
ことを特徴としている。
【0013】請求項6記載の発明では、前記L*成分の
重みは3.5、a*成分の重みは1.5、b*成分の重
みは0.5であることを特徴としている。
【0014】請求項7記載の発明では、被評価画像を入
力する手段と、該画像信号を明度L*に変換する手段
と、該変換された明度成分の評価値を算出する手段とを
備えた画像評価装置であって、前記明度成分の変動の空
間周波数成分を算出するスペクトル算出手段と、該スペ
クトル算出手段の出力に対して、視覚系の空間周波数特
性に応じた補正を行う補正手段と、該補正手段の出力を
積分して前記明度成分の評価値を算出する評価値算出手
段と、該評価値について、平均明度に対して単調増加す
る重み関数を乗じた補正を行う明度特性補正手段とを特
徴としている。
【0015】請求項8記載の発明では、前記重み関数と
して、平均明度L*を変数とした指数関数f(L*)=
exp(a・L*) (aは定数)を用いることを特徴
としている。
【0016】請求項9記載の発明では、前記指数関数の
定数aは、0.005<a<0.012であることを特
徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
用いて具体的に説明する。 〈実施例1〉図1は、本発明の実施例1の構成を示す。
実施例1の画像評価装置は、被評価画像の入力装置であ
るカラースキャナーからの1次元または2次元のRGB
を輝度信号、色彩信号に変換する表色系変換部1と、該
変換された信号から空間周波数成分を算出するスペクト
ル算出部2と、該算出された空間周波数成分に対して視
覚系の空間周波数成分に応じた補正を行う空間周波数補
正部3と、空間周波数補正部3の出力を積分する評価算
出部4と、明度成分の評価値を補正する明度特性補正部
5から構成されている。
【0018】表色系変換部1は、入力されたRGB信号
を均等色空間であるL*a*b*表色系に変換する。L
*a*b*表色系において、L*は知覚的にほぼ均等な
明度を表わす明度指数、a*、b*は明度指数L*軸に
直交し、ほぼ均等に色彩を表わすクロマチィクネス(色
彩)指数であり、三刺激値X、Y、Zから以下の式
(1)で算出される。
【0019】L*={116・(Y/Yn)の1/3
乗}−16 a*=500・[{(X/Xn)の1/3乗}−{(Y
/Yn)の1/3乗}] b*=200・[{(Y/Yn)の1/3乗}−{(Z
/Zn)の1/3乗}] ここで、Xn,Yn,Znは基準白色に対する三刺激値
である。
【0020】カラースキャナーの光源、色分解に使用す
るフィルタ、受光素子などの分光特性で決まる総合分光
感度が、前掲した公報(特開平5−28260号)に記
載されているように、等色関数x(λ),y(λ),Z
(λ)と同等であれば、3×3のマトリクスを用いた線
形変換で三刺激値X,Y,Zを求め、上記の(1)式で
L*a*b*に変換することができる。
【0021】しかし、本発明において入力装置として用
いる汎用のカラースキャナーでは、特定の総合分光感度
にすることは難しく、測色計で測定した既知のX,Y,
ZもしくはL*a*b*をもつ多くのサンプルとそのサ
ンプルをカラースキャナーで読み取ったR,G,Bデー
タから最小二乗法を用い、予測式を求めることが必要と
なる。
【0022】簡単のためRGB→XYZの1次の予測式
を式(2)に示す。最小二乗法により式(2)おける係
数a1,b1,c1,k1,a2,b2,c2,k2,a3
3,c3,k3を求め、式(2)によりX,Y,Zを求
め、さらに式(1)によりL*,a*,b*を求めるこ
とが可能となる。
【0023】 X=a1R+b1G+c1B+k1 Y=a2R+b2G+c2B+k2 Z=a3R+b3G+c3B+k3 式(2) また、既知のL*a*b*測定値とカラースキャナーで
読み取ったR,G,Bデータから式(3)に示すような
予測式を最小二乗法により用いれば式(1)を用いずに
R,G,Bデータからから直接L*a*b*を求めるこ
とも可能となる。
【0024】 L*=a1R+b1G+c1B+k1 a*=a2R+b2G+c2B+k2 b*=a3R+b3G+c3B+k3 式(3) 以上、簡単のため1次の予測式について説明したが、よ
り高次な予測式を用いてもよい。また、最小二乗法では
なく他の方法、例えば、 (1)ニューラルネットを用いたブラックボックスモデ
ルによる変換 (2)3次元のLUT(Look Up Table)
を作成し、補間法による変換を用いてもよい。
【0025】明度(輝度)信号と色彩信号に変換された
被評価画像は、後述するように所定の演算が施されて評
価値となる。本発明の画像評価装置は、粒状性の評価を
行うものである。
【0026】図2は、本発明の実施例1の処理フローチ
ャートである。図1、2を参照して実施例1の動作を説
明する。 ステップ101;スキャナで読み取られた被評価画像の
出力信号R(x),G(x),B(x)は、表色系変換
部1によりL*(x),a*(x)b*(x)に変換さ
れる。ここで、xは被評価画像の空間画像上での位置を
表わす。
【0027】ステップ102;スペクトル算出部2は、
各成分毎に変動の空間周波数成分を算出する。すなわ
ち、粒状性は各成分L*(x),a*(x),b*
(x)の変動により発生する。まず、このL*(x),
a*(x),b*(x)の各成分から各成分の平均値を
引く。
【0028】 L’*(x)=L*(x)‐L*0 a’*(x)=a*(x)‐a*0 b’*(x)=b*(x)‐b*0 式(4) ここで、L*0,a*0,b*0,は平均値である。
【0029】各成分毎の変動の空間周波成分は以下の式
で表わされる。
【0030】 AL*(f)=|F[L’*(x)]| Aa*(f)=|F[a’*(x)]| Ab*(f)=|F[b’*(x)]| 式(5) ここで、F[ ]はフーリエ変換を表わす。
【0031】ステップ103;空間周波数補正部3は、
視覚の空間周波数特性に応じた補正を行う。人間の視覚
の空間周波数特性は、高周波の感度の低い、いわゆるロ
ーパスフィルタ的な特性を示す。従って、上記変動の空
間周波数成分のうち粒状性の原因となる変動は低周波成
分であり、高周波成分は粒状性の原因とはなりにくい。
本実施例では視覚の空間周波数特性として、Dooleyら
が“On Investigation of the FactorsInfluencing
the Perceived Sharpness of Electrophotographic
Lines”:Anual Conference of SPIE 1979
で述べた以下の式を用いた。
【0032】 VTF(ff)=5.05・exp(−0.138・ff)・(1−exp( −0.1・ff)) 式(6) ここで、ffは網膜上の空間周波数で、単位はcycl
e/degreeである。被評価画像の観察距離を35
0mmとすれば、式(6)は空間周波数(cycle/
mm)をfとして VTF(f)=5.05・[exp(−0.843・f)−exp(−1.45 1・f)] 式(6)’ で表わされる。
【0033】この視覚の空間周波数特性をスペクトル算
出部2で求めた各成分毎の変動の空間周波数成分(式
(5))に乗ずる。
【0034】 PL(f)=AL*(f)・VTF(f) Pa(f)=Aa*(f)・VTF(f) Pb(f)=Ab*(f)・VTF(f) 式(7) ステップ104;評価算出部4は、各成分毎に変動の空
間周波成分を積分する。式(7)により空間周波数補正
部3で求められた視覚の空間周波数特性で補正された変
動の空間周波数成分を積分し、計量心理的指標(評価
値、つまり被評価画像を人間が見た場合の各成分のノイ
ズ(粒状))が求められる。
【0035】 GL(f)=∫AL*(f)・VTF(f)df Ga(f)=∫Aa*(f)・VTF(f)df Gb(f)=∫Ab*(f)・VTF(f)df 式(8) ステップ105;明度特性補正部5は、平均明度に対す
る補正を行う。すなわち、式(8)で求められた評価値
のうち明度成分にのみ平均明度L*0を変数とした関数
h(L*0)により平均明度に対する補正を行う。発明
者らの実験によれば平均明度が高い(明るい)ほど粒状
を感じやすく、補正関数としては平均明度に対して単調
増加する関数が適していた。補正関数をH(L*0)と
すると、補正された明度成分の粒状性評価値G’
L(f)は式(9)で与えられる。
【0036】 G’L(f)=H(L*0)・∫AL*(f)・VTF(f)df 式(9) 発明者らの実験によれば、補正関数は平均明度に対し単
調増加する関数が望ましい。このように、明度成分の評
価値に、平均明度に応じ単調増加する重み関数を乗じて
補正することによって、視覚系の明度差検出特性の補正
を行うことができる。
【0037】図6に示すグラフは明度変動のみを含んだ
画像サンプルを使った主観評価値と明度成分の粒状性の
評価値の相関を示したものである。図6(a)は平均明
度に対して補正をしていない場合を示し、図6(b)は
補正関数として最も簡単な単調増加の関数である1次関
数H(L*0)=a×L*0を用い、a=0.09071
53とした場合を示し、図6(c)は補正関数として指
数関数H(L*0)=exp(a×L*0)を用い、a=
0.01044とした場合を示す。それぞれの相関係数
は0.908、0.933、0.980であり、平均明
度による補正で、本評価装置での評価値と主観評価値の
相関が良くなっていることが確認できる。特に補正関数
として指数関数を用いた場合は、a=0.005〜0.
012の範囲で相関係数0.97以上の良い相関が得ら
れた。
【0038】ステップ106;上記したようにして算出
された各評価値(L*、a*、b*の粒状性評価値)
は、ディスプレイなどに表示出力される。
【0039】〈実施例2〉図3は、本発明の実施例2の
構成を示す。実施例2は、実施例1の構成に、さらに総
合評価値算出部6を付加して構成されている。ここで
は、実施例1で説明したL*,a*,b*成分別の粒状
性評価値、すなわち明度特性補正部5で求められる明度
成分(L*)の評価値(式(9))から式(10)で示
されるカラー画像の総合的な粒状性の評価値CGを算出
する。ここで、wL*,wa*,wb*はL*,a*,
b*各成分の総合評価値への寄与の大きさを示す重みを
あらわす定数である。
【0040】 CG=wL*・G’L(f)+wa*・Ga(f)+wb*・Gb(f) 式(10) 図7は、明度、色度変動を含んだ画像サンプルを使った
主観評価値とwL*:wa*:wb*=3.5:1.
5:0.5としたときの式(10)で示されるカラー画
像の総合的な粒状性の評価値CGとの相関を示したもの
である。相関係数は0.95と非常に高い相関が得られ
た。
【0041】なお、上記した実施例1、2においては、
入力装置であるカラースキャナーとしてドラムスキャナ
ーを用いている。これはフラットベット型のスキャナー
に比べて 1.一般に高い密度の読み取りが可能である 2.光電変換素子としてフォルトマルを使用しているの
でダイナミツクレンジが広く、測定精度が高いという利
点があるためである。評価項目によって記録密度が低
く、測定精度がやや劣っても良い場合には、フラットベ
ット型のスキャナーを使用することも可能である。ま
た、上記した実施例では画像を1次元で読み取った場合
について説明したが、2次元読み取りを行った場合は、
前掲した特開平5−284260号公報に記載されたよ
うな2次元情報の1次元化を用いることによって、評価
値の算出が可能となる。
【0042】〈実施例3〉図4は、本発明の実施例3の
構成を示す。本実施例3では、被評価画像がモノクロス
キャスナーから入力される。実施例3の画像評価装置
は、モノクロスキャナーからの一次元または二次元の出
力信号を明度信号に変換する明度変換部11と、該変換
された信号から粒状性評価値を算出するための演算手段
(スペクトル算出部12、空間周波数補正部13、評価
算出部14、明度特性補正部15)から構成されてい
る。
【0043】明度変換部11は、入力された信号を均等
色空間であるL*a*b*表色系のL*に変換する。L
*a*b*表色系において、L*は知覚的にほぼ均等な
明度を表わす明度指数である。本実施例において入力装
置として用いる汎用のモノクロスキャナーでは、入力画
像の反射率もしくは濃度に比例した出力信号の場合が多
い。この出力信号を明度L*の信号に変換するには、測
色計で測定した既知のL*をもつ多くのサンプルとその
サンプルをモノクロスキャスナーで読み取った出力デー
タから最小二乗法を用い、予測式を求めることが必要と
なる。
【0044】本実施例3では、実施例1と同様に明度変
換された信号から明度成分の粒状性を算出する。モノク
ロスキャナーを使用しているため色度成分に関する情報
は得られない。しかし、実施例2で説明したように、明
度成分は総合的な粒状性に対する重みが大きく(寄与率
が高い)、多少精度は低下するが明度成分のみから総合
的な粒状性評価値を求めることが可能となる。
【0045】平均明度がL*0=30〜90の範囲なら
ば、明度補正関数を含めた明度成分の総合的な粒状性に
対する重みと色度成分の重みの比率は、L*成分:a*
成分:b*成分=4.8:1.5:0.5〜9.0:
1.5:0.5となる。
【0046】明度成分(L*成分)のみから総合的な粒
状性を求める場合も、実施例1で説明したように平均明
度を変数とした関数で明度特性の補正をすることにより
主観評価値と本発明による総合的な粒状性評価値との相
関は向上する。発明者らの実験によれば、補正関数は平
均明度に対し単調増加する関数が望ましい。
【0047】図8に示すグラフは明度変動のみを含んだ
画像サンプルを使った主観評価値と明度成分の粒状性の
評価値の相関を示したものである。図8(a)は平均明
度に対して補正をしていない場合、図8(b)は補正関
数として最も簡単な単調増加の関数である1次関数H
(L*0)=a・L*0を用い、a=0.05267とし
た場合、図8(c)は補正関数として指数関数H(L*
0)=exp(a・L*0)を用い、a=0.00896
とした場合である。それぞれの相関係数は0.848,
0.889,0.911であり、平均明度による補正で
本評価装置での評価値と主観評価値の相関が良くなって
いることが確認できる。特に補正関数として指数関数を
用いた場合は、a=0.005〜0.012の範囲で相
関係数0.90以上の良い相関が得られた。
【0048】なお、本発明は上記したものに限定され
ず、ソフトウェアによっても実現することができる。図
5は、本発明をソフトウェアによって実施する場合のシ
ステム構成例を示す。図5のシステムは、一般的な計算
機システムであり、CPU、ROM、RAM、スキャナ
(カラー、モノクロ)、ディスプレイ、CD−ROMド
ライブなどから構成されている。CD−ROMなどの記
録媒体には、図2の処理フローチャートに示す各処理を
実現するためのプログラムが記録されている。そして、
実行時にプログラムをRAMにロードし、処理対象デー
タをスキャナからRAMに取り込む。CPUはプログラ
ムを実行することによって、前述した画像の評価処理を
行い、その評価値をディスプレイ、プリンタなどの画像
出力装置に出力する。
【0049】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1、2記
載の発明によれば、被評価画像の入力装置として特殊な
入力装置ではなく、汎用のカラースキャナーを使用して
いるので安価に明度成分、色度成分の粒状性の評価が可
能で、かつ被評価画像の平均明度に対する補正を行うた
め精度の良い明度の粒状性測定ができる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、被評価画像
の入力装置として特殊な装置ではなく、汎用のカラース
キャナーを使用しているので安価に明度成分、色度成分
の粒状性の評価が可能で、かつ平均明度を変数とする指
数関数で被評価画像の平均明度に対する補正を行うため
精度の良い明度の粒状性測定ができる。
【0051】請求項4記載の発明によれば、被評価画像
の入力装置として特殊な入力装置ではなく、汎用のカラ
ースキャナーを使用しているので安価に明度成分、色度
成分の粒状性の評価が可能で、かつ平均明度を変数と
し、定数aを0.05<a<0.012とした指数関数
で被評価画像の平均明度に対する補正を行うため精度の
良い明度の粒状性測定ができる。
【0052】請求項5、6記載の発明によれば、明度成
分、色度成分の粒状性に重みづけをし、総合的な画像の
粒状性を算出するので、どのような色の評価サンプルに
対しても共通に使用できるカラー画像の粒状性を評価す
ることが可能となる。
【0053】請求項7記載の発明によれば、モノクロキ
ャナーを使用しているので安価であり、かつ色度成分の
粒状性の計算を行わないので高速であり、かつ被評価画
像の平均明度に対する補正を行うため、精度の良い画像
粒状性評価ができる。
【0054】請求項8記載の発明によれば、モノクロキ
ャナーを使用しているので安価であり、かつ色度成分の
粒状性の計算を行わないので高速であり、かつ平均明度
を変数とする指数関数で被評価画像の平均明度に対する
補正を行うため、精度の良い画像粒状性評価ができる。
【0055】請求項9記載の発明によれば、モノクロキ
ャナーを使用しているので安価であり、かつ色度成分の
粒状性の計算を行わないので高速であり、かつ平均明度
を変数とし、定数aを0.05<a<0.012とした
指数関数で被評価画像の平均明度に対する補正を行うた
め、精度の良い画像粒状性評価ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構成を示す。
【図2】本発明の実施例1の処理フローチャートであ
る。
【図3】本発明の実施例2の構成を示す。
【図4】本発明の実施例3の構成を示す。
【図5】本発明をソフトウェアによって実施する場合の
システム構成例を示す。
【図6】(a)、(b)、(c)は、実施例1における
主観評価値と明度粒状性評価値との相関を示す。
【図7】実施例2における主観評価値と総合的な粒状性
評価値との相関を示す。
【図8】(a)、(b)、(c)は、実施例3における
主観評価値と明度粒状性評価値との相関を示す。
【符号の説明】
1 表色系変換部 2 スペクトル算出部 3 空間周波数補正部 4 評価算出部 5 明度特性補正部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スキャナで読み取られた被評価画像のR
    GB信号を明度L*と色度a*、b*に表色変換し、該
    明度成分と色度成分の評価値を算出する画像評価方法で
    あって、前記各成分の変動の空間周波数成分を算出し、
    該算出された空間周波数成分に対して、視覚系の空間周
    波数特性に応じた補正を行い、該補正された空間周波数
    成分を積分して前記明度成分の評価値と色度成分の評価
    値を算出し、該算出された明度成分の評価値について、
    平均明度に対して単調増加する重み関数を乗じた明度特
    性の補正を行うことを特徴とする画像評価方法。
  2. 【請求項2】 被評価画像を入力する手段と、該画像の
    RGB信号を明度L*と色度a*、b*に表色変換する
    手段と、該明度成分と色度成分の評価値を算出する手段
    とを備えた画像評価装置であって、前記各成分の変動の
    空間周波数成分を算出するスペクトル算出手段と、該ス
    ペクトル算出手段の出力に対して、視覚系の空間周波数
    特性に応じた補正を行う補正手段と、該補正手段の出力
    を積分して前記明度成分の評価値と色度成分の評価値を
    算出する評価値算出手段と、該算出された明度成分の評
    価値について、平均明度に対して単調増加する重み関数
    を乗じた明度特性の補正を行う明度特性補正手段とを備
    えたことを特徴とする画像評価装置。
  3. 【請求項3】 前記重み関数として、平均明度L*を変
    数とした指数関数f(L*)=exp(a・L*)
    (aは定数)を用いることを特徴とする請求項2記載の
    画像評価装置。
  4. 【請求項4】 前記指数関数の定数aは、0.005<
    a<0.012であることを特徴とする請求項3記載の
    画像評価装置。
  5. 【請求項5】 前記明度特性補正後のL*成分の評価
    値、a*成分の評価値、b*成分の評価値に対してそれ
    ぞれ所定の重みを乗じ、重み付けられた評価値の線形和
    を総合的な評価値として算出することを特徴とする請求
    項2記載の画像評価装置。
  6. 【請求項6】 前記L*成分の重みは3.5、a*成分
    の重みは1.5、b*成分の重みは0.5であることを
    特徴とする請求項5記載の画像評価装置。
  7. 【請求項7】 被評価画像を入力する手段と、該画像信
    号を明度L*に変換する手段と、該変換された明度成分
    の評価値を算出する手段とを備えた画像評価装置であっ
    て、前記明度成分の変動の空間周波数成分を算出するス
    ペクトル算出手段と、該スペクトル算出手段の出力に対
    して、視覚系の空間周波数特性に応じた補正を行う補正
    手段と、該補正手段の出力を積分して前記明度成分の評
    価値を算出する評価値算出手段と、該評価値について、
    平均明度に対して単調増加する重み関数を乗じた補正を
    行う明度特性補正手段とを備えたことを特徴とする画像
    評価装置。
  8. 【請求項8】 前記重み関数として、平均明度L*を変
    数とした指数関数f(L*)=exp(a・L*)
    (aは定数)を用いることを特徴とする請求項7記載の
    画像評価装置。
  9. 【請求項9】 前記指数関数の定数aは、0.005<
    a<0.012であることを特徴とする請求項7記載の
    画像評価装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000194852A (ja) * 1998-12-24 2000-07-14 Ricoh Co Ltd 画像評価方法及び装置
US7245842B2 (en) 2003-11-27 2007-07-17 Ricoh Company Limited Image forming apparatus, image forming system, image forming condition adjusting method, computer program carrying out the image forming condition adjusting method, and recording medium storing the program
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JP2014057148A (ja) * 2012-09-11 2014-03-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置およびプログラム
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JP2015114864A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 セイコーエプソン株式会社 画像評価装置および画像評価プログラム

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