JP2001135601A - 半導体デバイス平坦化の研磨方法 - Google Patents

半導体デバイス平坦化の研磨方法

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JP2001135601A
JP2001135601A JP31827599A JP31827599A JP2001135601A JP 2001135601 A JP2001135601 A JP 2001135601A JP 31827599 A JP31827599 A JP 31827599A JP 31827599 A JP31827599 A JP 31827599A JP 2001135601 A JP2001135601 A JP 2001135601A
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polishing
copper
metal film
slurry
semiconductor device
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Akitoshi Yoshida
明利 吉田
Hiroaki Tanaka
弘明 田中
Hideki Mizuno
秀樹 水野
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SpeedFam Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鏡面仕上げを施したシリコンウェーハの表面に
回路パターンを形成してゆく半導体デバイス製造工程に
おける多層配線基板の平坦化を行なうための効率的研磨
方法を提供する。 【構成】少なくとも層間絶縁膜と、バリアメタル膜と、
銅または銅を主体とする合金からなる金属膜とが共存す
る半導体デバイスの表面を、定盤と研磨用組成物のスラ
リーとの作用によって平坦化を行なう研磨方法におい
て、銅または銅を主体とする合金からなる金属膜の研磨
を、酸化剤と研磨用組成物全体に対する濃度が5重量%
以下の砥粒とを必要成分として含む研磨用組成物のスラ
リーを用いて行ない、次いで、層間絶縁膜と、バリアメ
タル膜と、銅または銅を主体とする合金からなる膜とが
共存する複合面の研磨を、酸化剤と研磨用組成物全体に
対する濃度が1〜40重量%の砥粒とを必要成分として
含む研磨用組成物のスラリーを用いて行ない、しかも、
前記2工程を、同一研磨定盤上で一貫して行なうことを
特徴とする半導体デバイス平坦化の研磨方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、鏡面仕上げを施し
たシリコンウェーハの表面に回路パターンを形成してゆ
く半導体デバイス製造工程における多層配線基板の平坦
化(プラナリゼーション)を行なうための研磨方法に係
るものである。更に詳しくは、上述の研磨方法、装置の
簡略化、効率化を行ない、併せてディシング、エロージ
ョン等の欠点の出ない研磨方法に係わるものである。
【0002】
【従来技術】半導体デバイスの多層配線は、酸化絶縁膜
及び金属膜の形成と、エッチバックと、平坦化との組み
合わせで行なうのが代表的な生産プロセスである。凹凸
のある金属膜の面、酸化膜の面の平坦化、あるいは微細
回路を形成する金属と酸化膜とが共存する複合面に、精
緻な寸法精度と平坦度を形成するための研磨加工は、表
面にポリッシングパッドを貼付した定盤に被加工物を押
し当て、研磨材たる砥粒を含んだ研磨用組成物の液を供
給しつつ定盤及び被加工物を押圧回転運動させて、その
作用で加工を行なうという方法で行われる。ここにおい
て、研磨すべき面を構成する材質が場所により異なるこ
とによって、前記研磨用組成物のスラリーの種類、加工
条件を変化させ、面構成に応じた研磨を行なうことがそ
の特徴である。すなわち、工程数に応じた数の加工機、
あるいは相当数の定盤を具備した専用加工機で行なうの
が極めて一般的に実施されている方法である。
【0003】上述の半導体デバイスの平坦化において研
磨すべき面は、層間絶縁膜である二酸化珪素(Si
2、以下酸化珪素と略記する)、金属膜用のタングス
テン、アルミニウム、銅などで主として構成され、その
他にポリシリコン、金属窒化物あるいは珪素等も構成材
料の一つとして挙げることができる。特に、近年、多層
化配線の技術の発達とともに、金属配線の線幅がさらに
細くなる傾向が顕著であり、更に演算速度を速くするた
めにも、電気伝導性のより優れた銅あるいはその合金が
用いられることが主流となりつつある。すなわち、金属
膜として銅あるいは銅を主体とする合金製の膜(以下銅
膜と略記する)が用いられることとなり、この場合、銅
は酸化珪素の層やデバイス層へ拡散しやすい傾向を有す
るため、また、絶縁膜との絶縁性、密着性を向上せしめ
るため、更にこの間にタンタル、窒化タンタル、チタ
ン、窒化チタン等の薄膜からなるバリアメタル膜を設け
ることが必要となる。つまり、面を構成する要素を一つ
増やすこととなる。
【0004】上述の金属配線となる銅膜は、あらかじめ
絶縁膜上に溝を形成した上に薄膜として堆積させ、溝よ
り上にある部分を除去すると所謂ダマシン法が広く採用
されている。銅膜の堆積前に上述の銅の拡散防止のため
のバリアメタル膜の薄膜が形成される。製造においては
これらの膜が層状に形成されてゆくので、平坦化にあた
っては、これらの膜のみの研磨あるいはこれ等が複雑に
錯綜した面の研磨が必要となる。
【0005】銅膜の研磨では、酸化剤および研磨砥粒を
含む研磨用組成物のスラリーを用いて、銅をまず酸化剤
で酸化し、次いで酸化により生じた酸化物ないし水酸化
物を研磨砥粒およびポリッシングパッドの作用で除去す
る。これら技術はサイエンスフォーラム社発行「CMP
のサイエンス」1997年8月発行333ページ、およ
びリアライズ社発行「Cu配線技術の最近の展開」平成
10年5月30日発行113頁に記載されている。この
除去は比較的容易に進むので、研磨用組成物中には必ず
しも砥粒は含有されなくてもよいか、あるいはその含有
量が少なくともよい。特開平11−135466号公報
には、上述のダマシン法を行なうのに適した研磨用組成
物が開示されており、また、特開平11−238709
には金属膜に用いる金属を銅とした場合の研磨に適した
研磨用組成物が開示されている。これらの文献において
はいずれも金属層の除去に適した酸化剤を含む研磨用組
成物について述べられている。
【0006】特開平8−139060号公報には、いわ
ゆるダマシン法の改良方法が記載されており、金属膜の
除去を酸性研磨液を用いて行ない、次いで層間絶縁膜の
除去をアルカリ性研磨液にて行ない、その間に純水によ
る洗浄工程を入れる方法が開示されている。すなわち、
研磨対象物が金属であるか、金属酸化物であるかによっ
て、研磨液の電気化学的性質(pH)を変えることを行
なっている。そして、その切り替えのポイントの検知を
定盤の回転トルクの変化或いは被加工物の導電率の変化
にて行なうようにしている。
【0007】銅は比較的腐食性の高い金属であり、酸化
剤を含んだ研磨用組成物によって研磨を行なうことは公
知の技術であるが、研磨用組成物としてはむしろ酸化剤
の持つ腐食性を制御し、緩速にかつ均質に腐蝕が進むよ
うにすることが重要である。また、バリアメタル膜、あ
るいは絶縁膜である酸化珪素の層は、前述の銅よりも硬
度の高い物質であり、また、銅とはその化学的性質も全
く異なり腐食性の少ないものである。上述の硬度や化学
的性質が異なる2種類以上の層、膜が錯綜、混在した面
の研磨の場合、これを均等にかつ平滑に加工してディシ
ング等の欠陥を起こさないように加工してゆくことが求
められる。特に、高硬度の層、膜の研磨には、より高圧
の条件と、研磨材砥粒をより高い比率で含有した研磨用
組成物の使用が必要である。
【0008】一般的には、これ等の面の加工にはCMP
(ケミカルメカニカルポリッシング)と称する研磨技法
が行われ、またCMP用の装置としては従来の超精密な
ポリッシング装置が使用される。すなわち、合成樹脂発
泡体や合成皮革あるいは不織布などからなるポリッシン
グパッドを貼付した回転定盤を持ったポリッシング加工
機である。ここでいうCMP技法とは、例えば酸化剤あ
るいはアルカリ等の持つ化学的な腐食作用による除去力
と、砥粒とポリッシングパッドの持つ機械的な作用を組
み合わせて効果的な加工を行う手法を言うものであっ
て、具体的な方法としては、そのような性能を持った研
磨用組成物と、通常のポリッシング加工機を組合わせて
行なうことが一般的である。
【0009】このCMPによるプラナリゼーションを、
前述の複数の素材から形成された面に対して行なった場
合、硬度の高い酸化珪素やバリアメタルの部分と、比較
的硬度の低い銅層が共存する面を同時に研磨することと
なる。この面を可撓性と柔軟性及び若干のクッション性
を有するポリッシングパッドを用いたCMP加工を行な
った場合そのクッション性から基板面に沈み込みが起き
やすく、被加工物を構成する素材の硬度、被削性の差に
よる削り残し、あるいは硬度の低い素材に対する過剰除
去による凹み(ディシング)、更には線密度の高い部分
に対するエロージョン現象を起こし、完全な平坦化が困
難であることが問題点として挙げられていた。
【0010】更に、これらの工程は、前述の通り、加工
条件と研磨用組成物の種類が異なるものであるため、加
工途中において研磨用組成物スラリーを2種類以上変え
たり、定盤を2つないしそれ以上使うという煩雑な方法
が採られていた。また、これに対応するために、従来の
CMP加工機は一台の装置に、複数の定盤を具備すると
いう大型で複雑かつ高価なものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述の
問題点に鑑み鋭意研究を行ない、複数の工程を定盤を変
更することなく、圧力、回転数等の加工条件、および研
磨用組成物の種類のみを変更することにより、銅膜を含
む半導体デバイスの効果的な平坦化加工を行なうプロセ
スの可能性について検討を行なった。その結果、各工程
で使用する研磨用組成物の種類、性状を限定し、加工条
件変更のタイミングを考慮することにより、単独の定盤
で複数の加工を一貫して行なうことができることを見出
し、本発明方法を完成するに至ったものである。すなわ
ち、本発明の目的は、銅膜を含む半導体デバイスに対す
る従来のCMP研磨方法の簡略化、効率化、併せてディ
シング、エロージョン等の欠点の出ない研磨方法を行な
う方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、少なくと
も層間絶縁膜と、バリアメタル膜と、銅または銅を主体
とする合金からなる金属膜とが共存する半導体デバイス
の表面を、定盤と研磨用組成物のスラリーとの作用によ
って平坦化を行なう研磨方法において、銅または銅を主
体とする合金からなる金属膜の研磨を、酸化剤を必須成
分として含み、更に研磨用組成物全体に対する濃度が5
重量%以下の砥粒を含む研磨用組成物のスラリーを用い
て行ない、次いで、層間絶縁膜と、バリアメタル膜と、
銅または銅を主体とする合金からなる膜とが共存する複
合面の研磨を、酸化剤と研磨用組成物全体に対する濃度
が1〜40重量%の砥粒とを必須成分として含む研磨用
組成物のスラリーを用いて行ない、しかも、前記2工程
を、同一研磨定盤上で一貫して行なうことを特徴とする
半導体デバイス平坦化の研磨方法にて達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において研磨加工を行なう
半導体デバイスとは、大略次の如きものを指す。すなわ
ち、図1の具体例に示すように、鏡面仕上げされたウェ
ーハ1表面に酸化珪素の絶縁膜2が形成され、更にその
中に配線用の溝3が形成されている。絶縁膜は、テトラ
エチルオルソシリケート(TEOS)法、物理的気相成
長(PVD)法、化学的気相成長(CVD)法あるいは
その他の方法で形成される。この絶縁膜の上に薄層のバ
リアメタル膜4が形成され、更にその上に銅膜5が形成
される。銅膜の形成を行なう方法としては、リフロー
法、CVD法、あるいはメッキ法等をあげることができ
るが、いずれの方法においても、銅膜が形成された直後
の表面形状は、図1に示す通り、若干の凹凸を持ち、平
坦度も不良である。この凹凸のある面を本発明方法のC
MP法で研磨し、必要量の除去を行ない図5に示すよう
な構造を得る。つまり、図5においては層状に形成され
ていた銅膜と、バリアメタル膜は除去され、銅の配線8
が溝3中に形成される。図1において、Aで示す部分、
即ちバリアメタル膜に到る直前までの層の除去が、本発
明にいう第1工程に相当する。次にバリアメタル膜の平
坦部と絶縁膜の一部を含むBで示す層の除去が行われる
が、これが本発明にいう第2工程に相当する。つまり、
図1および図5に示した具体例では、第1工程では銅層
の研磨のみを行ない、第2工程では3種類の材料が錯綜
する面の研磨を行なうことを特徴とする。また、同様
に、図2に示すような微細メタル配線用の溝が密集した
部分に銅膜が形成された場合でも、表面の凹凸のある面
を本発明方法のCMP法で研磨して必要料の除去を行な
い、図6に示すような構造を得ることができる。
【0014】本発明方法においては、上述の第1工程の
CMP加工と第2工程のCMP加工とを、定盤を換える
ことなく単一の定盤で行なうことをその要旨とするもの
である。すなわち、第1工程においては、比較的軟質
で、また酸化剤等の影響を受けやすい銅膜の除去を行な
うのであるから、その研磨は主として酸化剤による腐食
作用によって進められる。第1工程において使用される
研磨用組成物は、効率的な銅の腐食が起こる濃度に酸化
剤濃度を設定し、砥粒の作用は補助的なものとするため
に砥粒濃度を低く、具体的には5重量%以下、好ましく
は1重量%以下に設定する。この濃度は0%であっても
よい。つまり、この層(A層)のCMP加工において
は、酸化剤の化学的作用を主体とし、砥粒およびポリッ
シングパッドの機械的研磨作用を従とするものである。
この他に金属の酸化物を溶解する溶解剤、金属腐食防止
剤を含むことも有効である。
【0015】次に、第2工程の加工においては、B層の
部分の除去を行なうのであるが、この層には図1に示す
如く、バリアメタル膜の平坦部と絶縁膜の一部と溝3中
に形成された銅膜が含まれるのであるが、ここにおいて
は、第1工程と同じ研磨用組成物を用いると、銅部分の
選択的な加工が進み、図3に示すディシング6や図4に
示すエロージョン7が進み好ましくない。従って、この
B層の除去には硬度の高いバリアメタル膜や絶縁膜の研
磨に適した研磨用組成物を使用する。即ち、酸化剤濃度
は、銅の腐食を遅延させる濃度にし、併せバリアメタル
膜の酸化促進に寄与させ、同時に研磨材たる砥粒の濃度
を上げることで対応する。具体的には、砥粒濃度を1〜
40重量%とし、酸化剤濃度を高くした研磨用組成物ス
ラリーを使用する。
【0016】銅または銅を主体とした合金は、酸化剤に
よって比較的容易に腐蝕されるが、その腐蝕作用の強さ
は比較的低濃度領域にピーク値があり、このピーク値以
上の高濃度においてはその腐蝕作用は低下して行く。ま
た、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン等の
薄膜からなるバリアメタル膜はむしろ高い酸化剤濃度に
おいて酸化が促進され易いという特徴を有する。例えば
過酸化水素を酸化剤として用いた場合は、銅に対する腐
食性の強さは1%程度にピーク値があるので、第1工程
に用いる研磨用組成物スラリーの濃度をこのピーク値と
同等あるいはそれよりもやや高い濃度に設定し、第2工
程に用いる研磨用組成物スラリーの濃度をこれよりも遥
かに高い濃度に設定してやれば、第2工程に用いる研磨
用組成物スラリーによっては銅の腐食は遅延し、進行し
ないので酸化剤による銅への選択的加工は起こらず、過
剰除去によるディシングの発生を回避することができ
る。逆にこの濃度であると、バリアメタル膜に対する酸
化力は高まるので、砥粒によるバリアメタル膜の除去作
用への補助的役割を果たすことができる。
【0017】本発明において使用される酸化剤は、酸化
剤であれば何でもよく、特に限定を受けるものではない
が、好ましくは、過酸化水素、硝酸第二鉄、過ヨウ素酸
カリ、酸化マンガン等を挙げることができる。このう
ち、酸化剤としての使い易さ、安定性の面から、特に過
酸化水素が好ましい。銅はこれらの酸化剤で酸化され、
水酸化銅や亜酸化銅、酸化銅等を生じるが、これは固形
物として析出するのでこれを水に可溶化してやることが
有効である。好ましい溶解剤としては有機酸を挙げるこ
とができるが、特に好ましいのはヒドロキシカルボン酸
類であり、その具体例としてはクエン酸、乳酸、酪酸、
リンゴ酸などをあげることができる。更にまた、アミノ
酸類も良い溶解剤として挙げられ、その具体例としては
グリシン、ヒドロキシエチルグリシン等を挙げることが
できる。これらの溶解剤は、別途散布してもよいが、一
般的には研磨用組成物中に含有させて用いる。これらの
溶解剤が効果的に作用する範囲はpH3〜8である。
【0018】本発明に使用する研磨用組成物は、研磨用
砥粒として、煙霧状シリカや煙霧状アルミナの水分散液
や、有機珪素のエチルシリケートやメチルシリケート、
有機アルミのイソプロポキシアルミニウムなどの加水分
解で得られるシリカやアルミナの水分散液やコロイダル
シリカなどを含むものであり、砥粒の大きさは10〜5
00nmであることが好ましい。そして、第1工程と第
2工程においては、砥粒の濃度のみを変化させ、使用す
る砥粒の種類および平均粒子径は同等のものであること
が好ましい。その研磨用組成物スラリー全体に対する固
形分濃度は、銅膜を主に研磨する第1工程では5重量%
以下であることが必要である。好ましくは、1重量%以
下であり、砥粒含有量が0重量%、つまり砥粒なしの化
学研磨のみでも良い。また、第2工程のバリアメタル膜
を主とし、他の絶縁膜、銅膜を含んだ部分の研磨におい
ては、ポリッシングパッドと砥粒との機械的作用により
硬質のバリアメタル膜の除去を行なうのであるから、砥
粒濃度を少なくとも第1工程に使用する研磨用スラリー
の濃度よりも高くして研磨加工を進める。即ち、第2工
程における研磨用組成物のスラリー中の砥粒濃度を1〜
40重量%に設定することが必要である。そして、好ま
しい砥粒濃度の範囲は、2〜25重量%であり、特に好
ましい範囲は5〜15重量%である。5重量%以下では
研磨レートがやや遅く、15重量%以上では研磨レート
が変動しやすく管理が難しくなる。
【0019】また、酸化剤を使用するため、研磨用組成
物の液により装置の金属部分、配管、あるいは周辺装置
が腐食し、汚染するとともに装置の寿命を著しく短縮す
ることがあるので、腐食防止剤を併用することが好まし
い。腐蝕防止剤は、研磨後の銅膜の腐蝕防止にも有効で
ある。防蝕性の化合物としては、ベンゾトリアゾール骨
格を持つ化合物が好ましく、具体的にはベンゾトリアゾ
ール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾールカルボ
ン酸等のベンゾトリアゾール誘導体、シスチン、ハロ酢
酸、グルコースあるいはドデシルメルカプタン等を挙げ
ることができる。
【0020】本発明において、第1工程と第2工程の間
に洗浄工程を入れ、被加工体表面や定盤面を浄化するこ
とが、銅膜のディシングや腐食、汚染を発生の防止をす
る意味で有効である。しかしながら、例えば純水等で洗
浄することは、加工途中の被加工体表面の薬剤のバラン
スを大きく崩し、加工面に重大な影響を与えるため、好
ましくない。特に加工面の酸化剤濃度が一旦0%に低下
し、また上昇することになるので、その間、酸化力が大
きく変動し表面状態が悪化する。本発明においては、使
用する洗浄液としては、酸化剤と腐食防止剤を含んだ液
を用いることが好ましく、その酸化剤濃度は第1工程で
使用する研磨用組成物と第2工程で使用する研磨用組成
物の酸化剤濃度の間の濃度を選定することが好ましい。
具体的な好ましい例としては過酸化水素を5〜7%程度
含み、更に腐蝕防止剤として少量のベンゾトリアゾール
を含んだ液を挙げることができる。
【0021】第1工程から第2工程に切り替える前の第
1工程の後半でバリアメタル膜が出て来た時、またはそ
の少し前に研磨圧力およびまたは研磨定盤回転数を下げ
ながら第2工程に進めることは、特に加工面のディシン
グやエロージョンを減少させる為に有効な作業である。
硬いバリアメタル膜まで研磨が早く進み過ぎると、バリ
アメタル膜の研磨より、軟質の銅膜の研磨が優先して進
むためディシングが起きる。そのことを防止するために
前述の研磨条件の変更を行なうことは有効である。第1
工程から第2工程に切り替えるタイミングの検出には、
光学式あるいはトルク変化検出式のエンドポイントデイ
テクター等の終点検出装置の使用が好ましい。
【0022】本発明に使用する研磨定盤へ貼付するパッ
トは、ウレタンに代表される各種合成樹脂発泡体、ポリ
エステルを代表とする各種合成繊維不織布、スウエード
タイプの合成皮革、超微粒子砥粒を含有したポリッシン
グパットなどである。更に、ポリッシングパッドを貼付
した定盤の代わりに、研磨用砥粒を含有した砥石を貼り
合わせた定盤を用いてもよい。ここで用いる砥石に使用
できる砥粒は、酸化珪素、アルミナ、ジルコニア等であ
る。また、定盤の形状としては円形で回転式のものだけ
でなく、平板形あるいは縦型のベルトタイプの研磨シー
ト盤も同様に使用できる。
【0023】各工程での研磨定盤への研磨用組成物スラ
リーや薬液の供給方法は、単一または複数の供給口より
研磨用組成物スラリーと薬液を一緒にまたは別々に供給
できる。第1工程から第2工程への切り替えでの研磨用
組成物スラリーや薬液、特に酸化剤濃度の変更は、あら
かじめ所定濃度に調整したものを供給することもできる
し、また、混合ラインを設け、供給直前に超純水や研磨
用組成物の原液や、酸化剤の原液の量を制御して適正使
用濃度にしてから供給する事も出来る。
【0024】また各工程にはバリアメタル膜、絶縁膜、
銅膜の研磨速度をコントロールする為の他の添加剤も併
用できる。例えば炭酸塩、フタル酸塩などが挙げられ
る。更に、本発明の研磨方法を改良するため、各工程で
の研磨スラリーや薬液中に界面活性剤、分散剤、沈降防
止剤などを併用することができる。分散剤、沈降防止剤
としては、水溶性の有機高分子物質、無機層状化合物な
どがあげられる。また、上述の研磨用組成物スラリー、
酸化剤、腐食防止剤、溶解剤等は、循環式にすることに
よって、繰り返し使用することができる。
【0025】
【実施例】次に実施例及び比較例をあげて本発明のCM
P研磨方法を具体的に説明するが、特にこれにより限定
されるものではない。なお、実施例及び比較例において
使用する研磨装置および研磨条件は以下の通りであり、
以下に述べる条件により半導体デバイス表面の平坦化の
研磨加工を実施した。 研磨装置:スピードファム・アイペック株式会社製AV
ANTGAARD776 定盤径 :300mmφ オービタルスピード: 第1工程;400RPM、 第2工程;300RPM キャリア回転数: 第1工程; 15RPM、 第2工程;12RPM 研磨圧力: 第1工程;200g/cm2、 第2工程;140g/
cm2 研磨布: IC−1000/Suba (ロデールニッタ社製) 研磨砥粒スラリー流量:100ml/分 加工時間:3分 被加工体:8インチ銅膜付パターンウエーハ
【0026】実施例1 メッキ法で形成した銅膜、バリアメタル膜として窒化タ
ンタル、絶縁膜がTEOS法により形成された酸化珪素
膜からなる評価用パターン付きウェーハを準備し、以下
のように研磨加工を実施した。まず第1工程では、酸化
剤として過酸化水素1重量%を含み、超微粒子アルミナ
砥粒0.2重量%、溶解剤としてリンゴ酸0.1重量
%、金属腐食防止剤としてベンゾトリアゾール0.1重
量%を含むpH4.5のスラリーでオービタルスピード
を400RPM、キャリア回転数を15RPM、研磨圧
力を200g/cm2として研磨を行なった。加工レー
トから推定した時間だけ加工を行うことにより、バリア
メタル膜上の銅残膜が約100〜200nmとなるとこ
ろまで、上記条件で研磨を行った。その後オービタルス
ピードを300RPMに、キャリア回転数を12RP
M、研磨圧力を140g/cm2にそれぞれ下げ、トル
ク変化検出式エンドポイントディテクターにより、銅膜
/バリアメタル膜の境界を検出するまで、この条件で加
工を続けた。境界検出後、第2工程に移行した。第2工
程の研磨スラリーとして、酸化剤である過酸化水素を1
0重量%の濃度に上げ、超微粒子アルミナ砥粒濃度も1
2重量%に上げ、溶解剤は供給を止め、金属腐食防止剤
としてベンゾトリアゾール0.1重量%を含むpH7.
2のスラリーで研磨を行った。同じ研磨定盤のみを使
い、研磨スラリーの酸化剤、砥粒、溶解剤、金属腐食防
止剤の濃度を変更し、あとは研磨圧力、定盤回転数、キ
ャリア回転数を変更することで目標とする銅膜の平坦化
を達成した。加工後、銅配線の表面形状を測定したとこ
ろ、ディシイングは約40nm(ライン/スペース=5
0/50μm)でありエロージョンも約30nm(ライ
ン/スペース=6/0.8μm)で小さかった。
【0027】実施例2 実施例1と同様の装置、研磨用組成物を用いて研磨加工
を行なったが、第1工程から第2工程に移る前に洗浄を
行った。洗浄液としては、酸化剤としての過酸化水素を
5重量%とし、腐食防止剤としてベンゾトリアゾール
0.2重量%を含有した溶液を用いた。洗浄による銅膜
のディシングやエロージョンの増加はなく、スムーズに
第1工程から第2工程に移行することが出来た。
【0028】実施例3 バリアメタル膜を窒化タンタル膜の代わりに、タンタ
ル、チタン、及び窒化チタン膜としたものを半導体デバ
イスとして用い、実施例1と同様の装置、研磨用組成物
を用いて研磨加工を行なったが、結果は実施例1と同様
に良好であった。
【0029】比較例1 実施例2と同様の加工実験を行なったが、洗浄水として
酸化剤も金属腐食防止剤含まない超純水で行なったとこ
ろ、実施例2より明らかに銅膜のエロージョンが進んで
いた。
【0030】比較例2 実施例1と同じ研磨用組成物のスラリーを用いて、従来
の方法で研磨を行ったが、実際の研磨においては、第1
工程から第2工程に移行する時点で、ウェーハをもう一
つ別の定盤へ搬送する必要があり、そのため全体の加工
時間が4分30秒となってしまった。また、この場合、
2枚のポリッシングパッド、2つのキャリアが必要とな
り、ランニングコストは実施例1に比べて約1.5倍以
上になった。
【0031】比較例3 実施例1と同じく、同一定盤で第1工程の銅膜をアルミ
ナスラリーで研磨した後で、第2工程でスラリーをアル
ミナスラリーからコロイダルシリカスラリーに変更し
て、バリアメタル膜の窒化タンタル、絶縁膜の酸化珪素
膜を研磨した。ただし、第1工程から第2工程へ移る際
に、第1工程で研磨した残存物が残らないように洗浄水
として、超純水を用いて洗浄を行ない、さらにスラリー
供給用の配管等も超純水で長時間洗浄した。その後、ス
ラリーをアルミナからコロイダルシリカに切り替えて、
第2工程の研磨に移ったが、洗浄、スラリーの切り替え
等も含めて実施例1にかかった時間に比較して約10倍
の時間がかかってしまい、効率的ではなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来、工程数に応
じた数の加工機、あるいは相当数の定盤を具備した専用
加工機で行なっていた、銅膜を含んだ半導体デバイスの
平坦化研磨方法を一つの研磨定盤により一貫した連続工
程で行なうことを可能にしたものであり、複雑で大型の
研磨加工装置を、単純な単一定盤の加工装置とすること
ができた。また、工程の切り替えも連続的にできるた
め、その加工に要する時間と費用を著しく減少せしめ、
半導体デバイスの生産性を向上し、コストを低減し、そ
の効果は絶大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダマシン法による幅広配線構造で、銅膜を表面
に形成した状態を示す図である。
【図2】ダマシン法による配線構造で微細メタル配線が
密集した部分に銅膜が表面に形成された状態を示す図で
ある。
【図3】従来法により図1の構造のものから銅膜および
バリアメタル膜の層を除去した状態を示す図であり、デ
ィシングが明瞭に現われた状態を示す。
【図4】従来法により図2の構造のものから銅膜および
バリアメタル膜の層を除去した状態を示す図であり、エ
ロージョンが明瞭に現われた状態を示す。
【図5】本発明方法により図1の構造のものから銅膜お
よびバリアメタル膜の層を除去した状態を示す図であ
る。
【図6】本発明方法により図2の構造のものから銅膜お
よびバリアメタル膜の層を除去した状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:シリコンウェーハ、2:酸化珪素絶縁膜、3:配線
用溝、4:バリアメタル膜、5:銅膜、6:ディシング
部分、7:エロージョン部分、8:銅配線、A:第1工
程相当部分、B:第2工程相当部分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも層間絶縁膜と、バリアメタル膜
    と、銅または銅を主体とする合金からなる金属膜とが共
    存する半導体デバイスの表面を、定盤と研磨用組成物の
    スラリーとの作用によって平坦化を行なう研磨方法にお
    いて、銅または銅を主体とする合金からなる金属膜の研
    磨を、酸化剤を必須成分として含み、更に研磨用組成物
    全体に対する濃度が5重量%以下の砥粒を含む研磨用組
    成物のスラリーを用いて行ない、次いで、層間絶縁膜
    と、バリアメタル膜と、銅または銅を主体とする合金か
    らなる膜とが共存する複合面の研磨を、酸化剤と研磨用
    組成物全体に対する濃度が1〜40重量%の砥粒とを必
    須成分として含む研磨用組成物のスラリーを用いて行な
    い、しかも、前記2工程を、同一研磨定盤上で一貫して
    行なうことを特徴とする半導体デバイス平坦化の研磨方
    法。
  2. 【請求項2】銅または銅を主体とする合金からなる金属
    膜の研磨を行なう研磨用組成物のスラリー中の酸化剤濃
    度が、層間絶縁膜と、バリアメタル膜と、銅または銅を
    主体とする合金からなる金属膜とが共存する複合面の研
    磨を行なう研磨用組成物のスラリー中の酸化剤濃度より
    低いことを特徴とする請求項第1項に記載の半導体デバ
    イス平坦化の研磨方法。
  3. 【請求項3】銅または銅を主体とする合金からなる金属
    膜の研磨を行なう研磨用組成物スラリー中に含まれる砥
    粒濃度が、層間絶縁膜と、バリアメタル膜と、銅または
    銅を主体とする合金からなる膜とが共存する複合面の研
    磨を行なう研磨用組成物スラリー中に含まれる砥粒濃度
    よりも低いことを特徴とする請求項第1項、第2項に記
    載の半導体デバイス平坦化の研磨方法。
  4. 【請求項4】銅または銅を主体とする合金からなる金属
    膜の研磨を行なう工程と、層間絶縁膜と、バリアメタル
    膜と、銅または銅を主体とする合金からなる金属膜とが
    共存する複合面の研磨を行なう工程とにおいて、使用さ
    れる研磨用組成物中に含まれる砥粒の種類、平均粒子径
    が全く同等であることを特徴とする請求項第1項ないし
    第3項に記載の半導体デバイス平坦化の研磨方法。
  5. 【請求項5】銅または銅を主体とする合金からなる金属
    膜の研磨を行なう研磨用組成物のスラリーのpHが3〜
    6であり、層間絶縁膜と、バリアメタル膜と、銅または
    銅を主体とする合金からなる膜とが共存する複合面の研
    磨を行なう研磨用組成物のスラリーのpHが3〜8であ
    ることを特徴とする請求項第1項ないし第4項に記載の
    半導体デバイス平坦化の研磨方法。
  6. 【請求項6】請求項第1項ないし第5項に記載の半導体
    デバイス平坦化の研磨方法において、研磨用組成物のス
    ラリーが、溶解剤および/または金属腐蝕防止剤を含む
    ことを特徴とする半導体デバイス平坦化の研磨方法。
  7. 【請求項7】研磨用組成物のスラリー中に含まれる酸化
    剤が、過酸化水素であることを特徴とする請求項第1項
    ないし第7項に記載の半導体デバイス平坦化の研磨方
    法。
  8. 【請求項8】銅または銅を主体とする合金からなる金属
    膜の研磨を行なう工程から、層間絶縁膜と、バリアメタ
    ル膜と、銅または銅を主体とする合金からなる金属膜と
    が共存する複合面の研磨を行なう工程に切り替える際、
    酸化剤と金属腐食防止剤を含む水溶液で定盤面および被
    加工体の表面の洗浄を行なうことを特徴とする請求項第
    1項ないし第7項記載の半導体デバイス平坦化の研磨方
    法。
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