JP2001135247A - 交流型プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイ装置 - Google Patents

交流型プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイ装置

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JP2001135247A
JP2001135247A JP31801199A JP31801199A JP2001135247A JP 2001135247 A JP2001135247 A JP 2001135247A JP 31801199 A JP31801199 A JP 31801199A JP 31801199 A JP31801199 A JP 31801199A JP 2001135247 A JP2001135247 A JP 2001135247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色の色温度の最適化及び高輝度化を同時に
実現可能なAC−PDPを提供する。 【解決手段】 透明電極Xt,Ytは、母電極Xb,Y
bに接続されると共に、母電極Xb,Ytを挟んで第1
方向D1に隣接する2つの単位領域ARの内の一方の領
域内にその主たる大部分が張り出している。当該主たる
大部分は第1方向D1に対して互い違いの方向に張り出
している。透明電極Xt,Ytの第1方向D1に沿った
長さ、従って透明電極Xt,Ytの面積は、各透明電極
Xt,Ytが対面する各蛍光体層の発光色に基づいて規
定され、(緑色発光用の蛍光体層109Gに対面する透
明電極Xt,Yt)<(赤色発光用の蛍光体層109R
に対面する透明電極Xt,Yt)<(青色発光用の蛍光
体層109Bに対面する透明電極Xt,Yt)なる大小
関係がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流型プラズマ
ディスプレイパネル(以下、「AC−PDP」とも呼
ぶ)の構造及びプラズマディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PDP)
は、薄型のテレビジョンまたはディスプレイモニタとし
て種々の研究がなされている。その中で、メモリ機能を
有するAC−PDPの一つとして、面放電型のAC−P
DPがある。以下に、このAC−PDPの構造を図18
を用いて説明する。
【0003】図18は、第1の従来技術に係るAC−P
DP101の構造の一部を抽出して示す斜視図であり、
このような構造のAC−PDPは、例えば特開平7−1
40922号公報や特開平7−287548号公報に開
示される。図18に示すように、AC−PDP101
は、表示面である前面ガラス基板102と、前面ガラス
基板102と放電空間111を挟んで対向配置された背
面ガラス基板103とを備える。なお、両ガラス基板1
02,103は隔壁110の頂部が後述の誘電体層10
6Aに当接するように配置されるが、図18では、説明
の便宜上、両ガラス基板102,103を引き離した状
態を図示している。かかる点は後述の図21及び図22
においても同様である。
【0004】前面ガラス基板102の放電空間111側
の表面上には、互いに対を成す行電極104及び行電極
105(いずれも透明電極)がそれぞれn本ずつ延長形
成されている。但し、図18に示すように、行電極10
4,105のそれぞれの表面上の一部に、インピーダン
スが低く回路部から電流を供給するための金属補助電極
(「母電極」又は「バス電極」とも呼ぶ)104a,1
05aを有する場合には、当該金属補助電極をも含め
て、それぞれを「行電極104」,「行電極105」と
呼ぶ。両行電極104,105を被覆するように誘電体
層106が形成されている。また、図18に示すよう
に、誘電体層106の表面上に誘電体であるMgO(酸
化マグネシウム)等から成る保護膜107が蒸着法など
の方法により形成される場合もあり、この場合には、誘
電体層106と保護膜107とを総称して「誘電体層1
06A」とも呼ぶ。
【0005】他方、背面ガラス基板103の放電空間1
11側の表面上には、m本の列電極108が行電極10
4,105と直交(立体交差)するように延長形成され
ており、隣接する列電極108間には、隔壁110が列
電極108と平行に延長形成されている。AC−PDP
101全体として複数の隔壁110が等間隔に配置され
てストライプ状を成している。この隔壁110は、各放
電セルを分離する役割を果たすと共に、PDPが大気圧
により潰されないように支えるための支柱の役割も果た
す。そして、背面ガラス基板103の上記表面及び隣接
する隔壁110の対面する両側壁面で以て規定されるU
字型溝に、当該U字型溝単位で、赤色(R)発光用の蛍
光体層109R,緑色(G)発光用の蛍光体層109G
又は青色(B)発光用の蛍光体層109B(総称して
「蛍光体層109」とも呼ぶ)のいずれかの蛍光体層が
列電極108を覆うように、所定の順序でストライプ状
に配置されている。蛍光体層109は、その原材料であ
る蛍光体ペーストを印刷法やディスペンサ法を用いて塗
布することにより形成される。なお、列電極108を覆
うように背面ガラス基板103の上記表面上に誘電体層
が設けられ、当該誘電体層上に隔壁110及び蛍光体層
109が配置される構造のAC−PDPもある。
【0006】上述の構造を備える前面ガラス基板102
と背面ガラス基板103とは図18中に図示しない周縁
部において互いに封着されて、両ガラス基板102,1
03の間の空間(放電空間111)にNe−Xe混合ガ
スやHe−Xe混合ガスなどの放電用ガスが大気圧以下
の圧力で封入されている。AC−PDP101におい
て、行電極対104,105と列電極108との立体交
差部分で以て、当該PDPの1つの放電セル(「発光セ
ル」又は「表示セル」とも呼ぶ)が規定される。そし
て、AC−PDP101のようにフルカラー表示用PD
Pの場合には、赤色発光用,緑色発光用及び青色発光用
の各1個ずつから成る3つの放電セルで以て1画素を成
す。このとき、図18はAC−PDP101の1画素分
の構造を示している。
【0007】ここで、以下の説明では、全発光色の発光
セルを点灯させて得られる発光色の行方向の横線又は同
横線を表示するために必要な画素の並び(配列)を「表
示ライン」と呼ぶ。このとき、AC−PDP101で
は、行電極104,105の1対に所定の電圧を印加す
れば、1本の表示ライン(に属する放電セル)を点灯さ
せる(選択する)ことができる。このように1画素を成
す3つの放電セルが横一線に並ぶような配列は「ストラ
イプ配列」と呼ばれることもある。
【0008】AC−PDP101では、隔壁110によ
って区画された、列電極108の長手方向に沿って延び
る放電空間111は、(i)(行)電極対104,10
5が属する放電セルを構成する「発光領域」又は「表示
領域」と、(ii)隣接する電極対104,105の間の
領域(又は上記長手方向に沿って配置された複数の放電
セルの各隣接領域)であってPDPの表示発光に関与し
ない「非発光領域」又は「非表示領域」とに区別するこ
とができる。以下の説明では、(i)放電セルを構成す
る発光領域に対して、(ii)放電空間111中の非発光
領域を形成する構造、即ち、列電極108の長手方向に
沿って隣接する放電セル間の構造を便宜的に「非放電セ
ル(又は非発光セル、又は非表示セル)」と呼ぶことに
する。
【0009】また、隣接する行電極104,105間の
間隙(ギャップ)の内で、(i)対を成して放電セルで
の放電を形成する2本の行電極対104,105間のギ
ャップを「放電ギャップ(又は表ギャップ)DG」と呼
ぶ一方、(ii)隣接する放電セルのそれぞれに属する互
いに対峙する2本の行電極104,105間のギャップ
を「非放電ギャップ(又は裏ギャップ)NG」と呼ぶこ
とにする。このとき、非放電セルは、あたかも放電セル
と同様に(それぞれ隣接する放電セルに属する)2本の
行電極104,105と列電極108との立体交差点で
以て規定される放電空間111(非放電領域)を有する
が、AC−PDP101では、非放電ギャップNGの距
離は、放電を生じない程に広く設定されている。
【0010】さて、上記非放電セルに黒色の絶縁物質が
配置される場合がある。このとき、黒色絶縁物質はスト
ライプ状に配列されてPDPの表示面において黒色の横
線として見えるため「ブラックストライプ」と呼ばれる
こともある。このように、画像表示に関係がない部分で
ある非発光セルを黒くすることによって、蛍光体材料自
体が非発光時に白色であるがゆえに問題であったコント
ラストを向上させることができる。
【0011】次に、第2の従来技術に係るAC−PDP
201を図19及び図20を用いて説明する。図19は
第2の従来技術に係るAC−PDP201の平面図であ
り、図20は図19中のI−I線における縦断面図であ
る。このような構造を有するAC−PDPは、例えば特
開平6−12026号公報に開示されている。図19及
び図20に示すように、AC−PDP201は、表示面
である前面ガラス基板202と、前面ガラス基板202
と放電空間211を挟んで対向配置された背面ガラス基
板203とを備える。そして、前面ガラス基板202の
放電空間211側の表面上に、行電極204及び行電極
205がそれぞれ交互に等間隔に形成されている。な
お、上述のAC−PDP101と同様に、この行電極2
04,205が透明電極と母電極との組み合わせで構成
される場合もあり、かかる場合には透明電極及び母電極
から成る電極をも「行電極204,205」と呼ぶ。そ
して、行電極204,205上に誘電体206と保護膜
207(総称して「誘電体層206A」とも呼ぶ)とが
順次に形成されている。
【0012】背面ガラス基板203上には列電極208
が行電極204,205と直交(立体交差)するように
延長形成されており、列電極208を覆うように誘電体
層212が形成されている。そして、両ガラス基板20
2,203は隔壁210を介して対向配置されている。
図19に示すように、両ガラス基板202,203間の
空間は、両ガラス基板202,203と隔壁とで以て複
数の6角柱状の放電空間211に区画されている。この
とき、図19の平面図において各放電空間211の中心
が、隣接する行電極204,205間の間隙と列電極2
08との交差部分に略一致するように、隔壁210が配
置されている。ここで、AC−PDP201では、隣接
する行電極204,205間の各間隙が放電ギャップD
Gを成し、非放電ギャップ、従って非放電セルは存在し
ない。このように、AC−PDP201では、行電極2
04,205と列電極208とが立体交差する部分で以
て規定される1つの放電セルは隔壁210で囲まれて、
隣接する放電セルと分離されている。なお、図19に示
すように、1本の列電極208は放電空間211に対面
する部分と隔壁210に対面する部分とから成り、両部
分は列電極208の長手方向に沿って並ぶ放電セルの配
置ピッチの半分のピッチで交互に繰り返される。
【0013】そして、1本の列電極208に沿って並ぶ
複数の放電セルの各々の誘電体層212上及び隔壁21
0の側壁面(の一部)上には、同一の発光色の蛍光体層
209が塗布されている。即ち、1本の列電極208に
沿って、赤色(R),緑色(G)又は青色(B)の内の
いずれか1色の発光色用の放電セルが複数並んでいる。
換言すれば、1色の発光色(又は表示色)に1本の列電
極208が対応している。従って、AC−PDP210
では、デルタ型に配置された各発光色用の3つの放電セ
ル(配列の一例を図19中にR,G,Bで示す)によっ
て白色表示を行うための1画素を構成しており、このよ
うな放電セルの配列は「デルタ配列」と呼ばれることも
ある。なお、放電用ガス等のその他の構成は、第1の従
来技術と同様である。
【0014】ここで、ストライプ配列の放電セルを有す
るAC−PDP101(及び後述のAC−PDP30
1,401)とデルタ配列の放電セルを有するAC−P
DP210とを比較して、両者の構造の相違を説明す
る。
【0015】A.電極配列 AC−PDP101では、1対の行電極対104,10
5に所定の電圧を印加すれば、列電極108に印加する
電極を制御して赤色,緑色,青色の各発光セルを点灯さ
せることができる。即ち、1対の行電極104,105
は1本の表示ラインに対応している。
【0016】他方、AC−PDP201では、1画素が
デルタ型に配置された各発光色用の放電セルより成り、
且つ、各放電セルはその配列ピッチの半分のピッチずつ
ずれて配置されているので、1本の表示ライン(に属す
る発光セル)を点灯させるためには、連続して配置され
た3本の行電極、即ち、1組の行電極204,205と
更にこれに隣接する行電極204(又は205)の計3
本の行電極に電圧を印加しなければならない。
【0017】ここで、図21の斜視図を用いて、第3の
従来技術に係るAC−PDP301を説明する。AC−
PDP301の構造は、例えば特開平5−2993号公
報に開示される。なお、以下の説明では、AC−PDP
301において既述のAC−PDP101(図18参
照)と同様の構成要素には同一の符号を用いる。図21
に示すように、AC−PDP301は、図18のAC−
PDP101の隔壁110に対応して、背面ガラス基板
103側に配置された隔壁110Rと、更に前面ガラス
基板102側に配置された隔壁110F1及びこれに直
交して配置されたストライプ状の隔壁110F2を有す
る。このとき、隔壁110F2によって、隔壁110F
1,110Rに沿って並ぶ複数の放電セルが個々に分離
される。
【0018】AC−PDP301では、行電極104,
105は、隔壁110F2の直下に当該隔壁110F2
を挟んで隣接する2つの放電セルにまたがった形状とし
て、等ピッチで以て形成されている。換言すれば、AC
−PDP301の行電極104,105は、既述の図1
8のAC−PDP101における2対の行電極対(合計
4本)の内で中央に位置する2本の行電極が一体化した
形状を有する。なお、AC−PDP301は、複数の行
電極104(又は行電極105)は偶数番目の電極と奇
数番目の電極とにグループ化されて当該グループ単位で
駆動される。
【0019】また、AC−PDP301と同様の行電極
構造を有するAC−PDPが例えば特開平9−1605
25号公報に開示される。そのようなAC−PDPを第
4の従来技術に係るAC−PDP401として図22の
斜視図を用いて説明する。なお、AC−PDP401に
おいてAC−PDP101の構成要素と同等のものには
同一の符号を付している。また、図22に示すように、
AC−PDP401は図21のAC−PDP301が備
える隔壁110F1,110F2を有さない。
【0020】AC−PDP401は、AC−PDP30
1と同様の駆動回路によって、以下のように駆動され
る。即ち、AC−PDP401に対して、1フレーム期
間を奇数フィールドと偶数フィールドとに分離して表示
セルを選択する駆動方法、いわゆるインタレース走査を
行うことによって、列電極108に沿って隣接する放電
セル間の放電形成の干渉を防止している。これにより、
列電極108に沿って隣接する放電セルを区画するため
の、行電極104,105に平行な隔壁を不要にしてい
る。このため、AC−PDP401は上述のAC−PD
P101と殆ど同様の構造を有しつつも、AC−PDP
101よりも高い解像度を有する。
【0021】B.隔壁の形状 図21に示すAC−PDP301のように1本の行電極
104,105が列電極108の長手方向に沿って隣接
する2つの放電セル(又は2本の表示ライン)にまたが
る構造の場合、基本的には(列電極と平行な隔壁に加え
て)帯状電極である行電極の幅ないしは短辺の中心軸に
沿って隔壁を配置して当該隣接する2つの放電セルを分
離する必要がある。このとき、図22に示すAC−PD
P401のように蛍光体層109が列電極108と平行
に(行電極104,105と垂直に)延長形成される場
合、即ち、各発光色用の放電セルがストライプ配列の場
合、上述のようにインタレース走査することによって表
示ラインに沿った隔壁110F2を無くすることができ
る。
【0022】これに対して、図19及び図20に示すA
C−PDP201のように、各発光色用の放電セルがデ
ルタ配列の場合、列電極208と平行な方向に各発光色
用の蛍光体層209が入り乱れているので、隔壁210
を無くすことはできない。即ち、各放電セルの周囲を囲
む形状の隔壁が必要不可欠である。
【0023】ここで、PDPの製造プロセスの観点から
隔壁の形状を比較すると、(a)図18のAC−PDP
101等のストライプ状の隔壁の方が、(b)図19及
び図20に示すAC−PDP201の隔壁形状よりも優
位性を有する。以下に、かかる点を説明する。
【0024】まず、蛍光体層の形成に関して比較する
と、(a)図18に示すAC−PDP101のように隔
壁110がストライプ状の場合、隔壁110等が成す上
記U字型溝単位で所定の発光色用の蛍光体を当該U字型
溝に沿って塗布すれば良いので、蛍光体塗布工程での隔
壁110に対する位置あわせは容易である。これに対し
て、(b)図19及び図20に示す隔壁210のような
隔壁形状の場合、放電セルの配列ピッチの半分のピッチ
で以て各発光色の蛍光体を塗布する必要があるので、A
C−PDP101等の蛍光体塗布工程よりも高い位置合
わせ精度が要求される。
【0025】また、貼り合わされた前面ガラス基板と背
面ガラス基板との間隙(放電空間)の排気工程及び放電
用ガス導入工程においては、(a)AC−PDP101
等が有するストライプ状の隔壁110の方が、(b)A
C−PDP201が有する、上記間隙を完全に包囲され
た放電空間に区画する隔壁210の場合よりも、コンダ
クタンスが小さいので好ましい。
【0026】更に、PDPにおける放電制御の観点から
も、AC−PDP101等のストライプ状の隔壁110
の方が有利である。即ち、ストライプ状の隔壁を有する
AC−PDPでは、放電により発生する荷電粒子が隔壁
の長手方向にすみやかに広がるため、そのような荷電粒
子を利用することによって例えばアドレス放電における
放電制御性を向上させることができる。
【0027】C.表示面積利用率 PDP等の表示パネルにおける解像度は、所定の表示面
積内に形成される表示セルの個数により決まる。即ち、
より多くの表示セルを限られた表示面積内に形成する
程、高解像度となる。また、同一の解像度の場合には、
表示セルの面積をできるだけ大きくした方が、表示セル
及びPDPの発光効率の向上につながる。このため、画
像表示に関わる部分(表示領域)の面積をできるだけ大
きくすると共に、画像表示に関係がない部分(非表示領
域)の面積を極力小さくすることが望ましい。かかる点
に鑑みれば、(a)図18のAC−PDP101は非表
示領域である非放電セルを有するのに対して、(b)図
19及び図20のAC−PDP201は非表示領域を有
さないので、AC−PDP201の方が発光効率及び解
像度の面では望ましい構造と言える。
【0028】なお、図22に示すAC−PDP401を
インタレース走査して駆動する場合には図18のAC−
PDP101の非放電セルに相当する領域を放電セルと
して利用するので、解像度の点でAC−PDP201よ
りも更に望ましい。但し、インタレース走査をする場
合、ある表示ラインが点灯している間は当該表示ライン
に隣接する上下の表示ラインは非点灯状態であるため、
瞬時的に見れば、点灯制御される発光セルの総面積はA
C−PDP101と同等である。また、インタレース走
査により1画素を発光させる時間が、非放電セルの領域
を放電セルとして利用しない場合の駆動方法の半分とな
るため、所望の輝度を得るためにはそのような駆動方法
の2倍の周波数で駆動しなければならない。
【0029】次に、上述のAC−PDP101(又は2
01)の表示動作原理を説明する。まず、行電極対10
4,105(204,205)間に電圧パルスを印加し
て放電を起こす。そして、この放電により生じた紫外線
が蛍光体層109(209)を励起することによって放
電セルが発光する。この放電の際に、放電空間中に生成
された電子やイオンは、それぞれの極性とは逆の極性を
有する行電極104,105(204,205)の方向
に移動し、行電極104,105(204,205)上
の誘電体層106A(206A)の表面上に蓄積する。
このようにして誘電体層106A(206A)の表面上
に蓄積した電子やイオンなどの電荷を「壁電荷」と呼
ぶ。
【0030】この壁電荷が形成する電界は行電極10
4,105(204,205)に印加された電圧による
電界を弱める方向に働くため、壁電荷の形成に伴って放
電は急速に消滅する。放電が消滅した後に、先程とは極
性を反転した電圧パルスを行電極104,105(20
4,205)間に印加すると、この印加電界と壁電荷に
よる電界とが重畳された電界が実質的に放電空間に印加
されるため、再び放電を起こすことができる。このよう
に、一度放電が起きると、放電開始時の電圧に比べて低
い印加電圧(以下、「維持電圧」とも呼ぶ)を印加する
ことによって放電を起こすことができるため、両行電極
104,105(204,205)間に順次に極性を反
転させた維持電圧(以下、「維持パルス」とも呼ぶ)を
印加すれば、放電を定常的に維持させることができる。
以下、この放電を「維持放電」と呼ぶ。
【0031】この維持放電は、壁電荷が消滅するまでの
間であれば、維持パルスが印加され続ける限り持続され
る。なお、壁電荷を消滅させることを「消去」と呼び、
これに対して、放電開始の初期に誘電体層106A(2
06A)上に壁電荷を形成することを「書き込み」と呼
ぶ。従って、AC−PDPの画面の任意の放電セルにつ
いて、まず書き込みを行い、その後は維持放電を行うこ
とによって、文字・図形・画像などを表示することがで
きる。また、書き込み、維持放電、消去を高速に行うこ
とによって、動画表示もできる。
【0032】次に、従来のPDPのより具体的な駆動方
法を、図23を用いて説明する。従来のAC−PDP1
01(図18参照)の駆動方法の一つとして、例えば特
開平7−160218号公報(又は日本国特許2772
753号の公報)に開示される駆動方法がある。図23
は、その駆動方法における1サブフィールド(SF)内
の駆動波形を示すタイミングチャートである。なお、以
下の説明では、n本の行電極104のそれぞれを「行電
極Xi(i=1〜n)」と呼び、n本の行電極105の
それぞれを「行電極Yi(i=1〜n)」と呼ぶと共
に、全ての行電極Y1〜Ynは単一の駆動信号(電圧)に
より駆動するものとして、n本を一括して「行電極Y」
とも呼ぶ。また、m本の列電極108のそれぞれを「列
電極Wj」(j=1〜m)と呼ぶ。
【0033】図23に示すサブフィールド(SF)は、
画像表示のための1フレーム(F)を複数の期間に分割
した内の一つであり、ここでは、サブフィールドを更に
「リセット期間」,「アドレス期間」及び「維持放電期
間(維持期間又は表示期間とも呼ぶ)」の3つに分割し
ている。
【0034】まず、「リセット期間」では、直前のサブ
フィールドの終了時点での表示履歴を消去するととも
に、引き続くアドレス期間での放電確率を上げるための
プライミング粒子の供給を行う。具体的には、全ての行
電極X1〜Xnと行電極Yとの間に、その立下がり時に自
己消去放電を起こし得る電圧値の全面書き込みパルスV
pを印加することにより、表示履歴を消去する。このと
き、列電極Wjに電圧パルスVp1を印加する。
【0035】次に、「アドレス期間」では、マトリック
スの選択により表示すべき放電セルのみを選択的に放電
させて、その放電セルに「アドレス放電」を形成する。
具体的には、図23に示すように、まず、行電極Xiに
順次にスキャンパルスVxg(電圧値Vxg(<0))
を印加していき、点灯すべき放電セルにおいては列電極
Wjに画像データに基づく電圧パルスVwD(電圧値V
wD(>0))を印加することによって、列電極Wjと
行電極Xiとの間で「書き込み放電」を発生させる。な
お、アドレス期間中、行電極Yには副走査パルスVys
c(電圧値Vysc(>0))を印加する。このとき、
行電極Xiと行電極Yiとの間には電位差(Vysc−V
xg)が印加される。この電位差(Vysc−Vxg)
は、それ自身では放電を開始しないが、先の書き込み放
電をトリガにして直ちに行電極Xi,Yi間に「書き込み
維持放電」を発生しうる(転移しうる)電位差である。
かかるアドレス放電によって、既述のように、当該放電
セルの誘電体層106A(図18参照)の表面上に、後
の維持パルスVsの印加のみで維持放電を行うことが可
能な量の正又は負の壁電荷が蓄積する。
【0036】このように、「アドレス放電」は、行電
極Xiと列電極Wjとの間で選択的に発生する「書き込み
放電」と、それをトリガにして行電極Xiと行電極Yi
との間で発生する「書き込み維持放電」との2つの放電
から構成される。
【0037】これに対して、画像表示時に(即ち、維持
放電期間において)消灯した状態にする放電セルではア
ドレス放電を起こさせないため、当該放電セルの行電極
Xi,Yi間には放電は生じず、当然として、壁電荷の蓄
積も無い。
【0038】アドレス期間が終了すると維持放電期間に
なる。維持放電期間では行電極Xi,Yi間に維持パルス
Vsを印加することにより、上述の書き込み動作が行わ
れた放電セルにおいて当該期間中、維持放電が持続す
る。なお、維持放電期間中、列電極Wjには、維持パル
スVsの電圧値Vsに対しておよそ電圧(Vs/2)に
設定された電圧Vs2が印加されている。これは、アド
レス期間から維持放電期間への移行時に、維持放電が安
定に開始できるようにするためである。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】さて、従来のAC−P
DP101,201,301,401は、表示品質に関
して色温度が最適化されていないという問題点を有して
いる。かかる理由を以下に説明する。
【0040】例えば従来AC−PDP101は、既述の
ようにストライプ状の隔壁110を有しており、各隔壁
110は等間隔に配置されている。かかる各隔壁110
と背面ガラス基板103とで規定形成される上述のU字
型溝内に、蛍光体ペーストが印刷法等によって塗布され
て蛍光体層109が形成される。このとき、印刷法等に
よればプロセスの特性上、発光色の区別無く各発光色用
の蛍光体ペーストが等量ずつ配置され、且つ、各隔壁1
10は等間隔であるので、各上記U字型溝には各発光色
用の蛍光体層109R,109G,109Bとしての各
蛍光体材料が等量ずつ配置されている。このため、各蛍
光体層109R,109G,109Bぞれぞれの厚さ及
び放電空間111に接する表面積(従って、紫外線が照
射される面積)は同等である。一般に、蛍光体層の厚さ
及び紫外線が照射される面積が等しい場合、各発光色用
の蛍光体からの各可視光の輝度には大小関係がある。こ
のため、各発光色間で発光輝度のバランスを調整されて
おらず、白色の色温度が最適化されてはいない。かかる
問題点は、ストライプ状の隔壁110を有する従来のA
C−PDP301,401においても同様である。ま
た、従来のAC−PDP201のように隔壁210によ
って周囲が完全に包囲された構造であっても、各発光色
の放電セルの各大きさが等しい場合には同様の問題点を
有する。
【0041】白色の色温度を任意の値に設定するための
先行技術の一つが、例えば特開平10−308179号
公報に開示されている。図24に当該公報に開示される
AC−PDPを第5の従来技術に係るAC−PDP50
1として示す。図24に示すように、AC−PDP50
1では、緑色発光用の蛍光体層109Gが配置されたU
字型溝を成す隔壁110の対面する側壁面間の距離Wg
に比して、青色発光用の蛍光体層109Bに対する同距
離Wbを広くする一方で、赤色発光用の蛍光体層109
Rに対する同距離Wrを狭くしている。即ち、(距離W
r)<(距離Wg)<(距離Wb)に設定される。これ
により、3色の発光輝度比を制御して所望の白色の色温
度に調整される。
【0042】ところが、上記公報によれば、AC−PD
P501では上記各距離Wr,Wg,Wbの合計を従来
のAC−PDP101における、等間隔に配置された各
隔壁110の対面する側壁面間の距離W0(図18参
照)の3倍に設定したままで、上記各距離Wr,Wg,
Wbの比率を違える。このため、AC−PDP501で
は、AC−PDP全体における、各放電セルCの電極面
積の合計或いは各放電セルCで維持放電として形成され
る行電極間での面放電の大きさの合計は、AC−PDP
101と等しい。このとき、例えば、従来のAC−PD
P101における上記側壁面間距離W0に対して、距離
Wgを小さくし、距離Wbを大きくする場合等のよう
に、各距離Wr,Wg,Wbの設定如何ではAC−PD
P全体での輝度が従来のAC−PDP101よりも低く
なってしまう場合が生じうる。つまり、従来のAC−P
DP501では、色温度の最適化と高輝度化とは両立で
きない関係にあると言える。
【0043】また、AC−PDP501において、図1
8のAC−PDP101等のように、蛍光体層109を
隔壁110の側壁面上にも形成する場合、以下の問題点
が生じうる。即ち、蛍光体層109を隔壁110の側壁
面上にも形成するとその分だけ放電空間が狭くなるの
で、各距離Wr,Wg,Wbの比率によっては放電が形
成され難くなる場合がある。かかる場合、駆動電圧のマ
ージンの低下が惹起される。このため、各距離Wr,W
g,Wbの比率の設定範囲は隔壁110の側壁上の蛍光
体層109の厚さに影響されてしまう。例えば、当該厚
さによって距離Wr,Wg,Wbの下限値が規定され
る。つまり、3色の発光輝度比の制御範囲には限界があ
ると考えられる。
【0044】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、従来のAC−PDPと比較してAC−PDP
全体での輝度を低下させることなく、白色の色温度を所
望の値に設定しうる交流型プラズマディスプレイパネル
を提供することを第1の目的とする。
【0045】更に、発熱によるAC−PDPの割れを大
幅に抑制可能な交流型プラズマディスプレイパネルを提
供することを第2の目的とする。
【0046】更に、上記第2の目的の実現と共に、ピー
ク輝度を向上しうる交流型プラズマディスプレイパネル
を提供することを第3の目的とする。
【0047】また、上記第1乃至第3の目的が実現され
た交流型プラズマディスプレイパネルを備えるプラズマ
ディスプレイ装置を提供することを第4の目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1に記載の
発明に係る交流型プラズマディスプレイパネルは、所望
の放電が形成可能な放電ギャップを有し、同一面に配置
される放電セルの複数と、前記放電ギャップよりも放電
の形成が困難な非放電ギャップを有し、前記同一面に配
置される非放電セルの複数とを備え、前記放電ギャップ
は、少なくとも表示ラインに平行な方向において1つ以
上の前記非放電ギャップを介して隣接して配置されてお
り、各前記放電セルで形成される各前記所望の放電の大
きさの全てが同じではないことを特徴とする。
【0049】(2)請求項2に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項1に記載の交流
型プラズマディスプレイパネルであって、各前記放電セ
ルは、所定の発光色を発する蛍光体層を備え、各前記所
望の放電の前記大きさが、各前記放電セルが備える各前
記蛍光体層の前記所定の発光色に基づいて規定されてい
ることを特徴とする。
【0050】(3)請求項3に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項1又は2に記載
の交流型プラズマディスプレイパネルであって、各前記
所望の放電の前記大きさが、各前記放電セルの配置位置
に基づいて規定されていることを特徴とする。
【0051】(4)請求項4に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項1乃至3のいず
れかに記載の交流型プラズマディスプレイパネルであっ
て、前記表示ラインに平行な方向と垂直な方向との少な
くとも一方の方向に沿って並ぶ各前記放電セルにおける
前記所望の放電は、その方向の端部に対して中央部に近
いほど、より大きいことを特徴とする。
【0052】(5)請求項5に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項1乃至3のいず
れかに記載の交流型プラズマディスプレイパネルであっ
て、各前記所望の放電は、前記交流型プラズマディスプ
レイパネルの周縁部に対して中央部に近いほど、より大
きいことを特徴とする。
【0053】(6)請求項6に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項1乃至5のいず
れかに記載の交流型プラズマディスプレイパネルであっ
て、第1基板と、前記第1基板と所定の距離を保って対
面配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板
との間の空間を複数の放電空間に区画する隔壁と、前記
表示ラインに平行に延びる帯状の第1部分及び前記第1
部分に接続されて少なくとも前記放電セルの側へ張り出
した第2部分からそれぞれが成り、前記第1基板側に配
置された第1電極及び第2電極と、前記第1及び第2電
極の内の少なくとも一方を被覆する誘電体と、それぞれ
が前記第2基板側に前記第1及び第2電極の各前記第1
部分と立体交差する方向に配置されて、前記第1及び第
2電極と共に前記放電セル又は前記非放電セルを規定す
る複数の帯状の第3電極とを更に備えることを特徴とす
る。
【0054】(7)請求項7に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項6に記載の交流
型プラズマディスプレイパネルであって、前記第1及び
第2電極の内で各前記放電セル内に配置された各部分で
ある各放電形成部の面積の全てが同じではないことを特
徴とする。
【0055】(8)請求項8に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項6又は7に記載
の交流型プラズマディスプレイパネルであって、前記放
電ギャップが前記表示ラインに垂直な方向において1つ
以上の前記非放電ギャップを介して隣接して配置され、
前記第1及び第2電極の各前記第2部分は前記第1部分
の長手方向に垂直な方向に対して前記第1部分を挟んで
両側に張り出しており、少なくとも隣接する前記第2部
分間の間隙と前記第3電極との立体交差点に配置されて
前記非放電セルを規定する放電抑止体の複数を更に備
え、各前記放電抑止体の少なくとも前記第3電極に沿っ
た長さの全てが同じではないことを特徴とする。
【0056】(9)請求項9に記載の発明に係る交流型
プラズマディスプレイパネルは、請求項8に記載の交流
型プラズマディスプレイパネルであって、前記放電抑止
体は前記第2基板の側に配置されていることを特徴とす
る。
【0057】(10)請求項10に記載の発明に係る交
流型プラズマディスプレイパネルは、請求項8に記載の
交流型プラズマディスプレイパネルであって、前記放電
抑止体は前記第1基板の側に配置されており、前記誘電
体は、前記第1及び第2電極の内の少なくとも一方を被
覆する電極被覆部と、前記放電抑止体を成す凸部とを備
えることを特徴とする。
【0058】(11)請求項11に記載の発明に係る交
流型プラズマディスプレイパネルは、請求項6乃至10
のいずれかに記載の交流型プラズマディスプレイパネル
であって、前記隔壁は、隣接する前記第3電極間を区切
るように前記第3電極の長手方向に沿って配置された複
数本の帯状の隔壁から成り、隣接する2本の前記隔壁の
間隔の内で各前記放電セルを区画する各部分の前記間隔
の全てが同じではないことを特徴とする。
【0059】(12)請求項12に記載の発明に係る交
流型プラズマディスプレイパネルは、請求項6乃至11
のいずれかに記載の交流型プラズマディスプレイパネル
であって、前記第1及び第2電極の各前記第1部分の内
で各前記放電ギャップを介して対峙する各部分の両エッ
ジ間の間隔の全てが同じではないことを特徴とする。
【0060】(13)請求項13に記載の発明に係るプ
ラズマディスプレイ装置は、請求項1乃至12のいずれ
かに記載の交流型プラズマディスプレイパネルを備える
ことを特徴とする。
【0061】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>図1は、実施の
形態1に係るAC−PDP81の構造を模式的に示す平
面図であり、図2は図1中の要部拡大図である。なお、
AC−PDP81は電極及び隔壁(「バリアリブ」又は
「リブ」とも呼ぶ)の構造に特徴があるので、かかる点
を中心に説明するものとし、図1及び図2にはAC−P
DP81の電極及び隔壁のみを抽出して図示している。
AC−PDP81の他の構成要素は従来のAC−PDP
と同等のものを適用可能である。このため、既述のAC
−PDP101〜501(図18〜図22,図24参
照)と同等の構成要素には同一の符号を付してその説明
を援用する。かかる点は、後述の実施の形態2以降の説
明においても同様とする。
【0062】図1及び図2に示すように、AC−PDP
81では、表示面を成す前面ガラス基板(第1基板)1
02(図18参照)側に、n本の行電極(第1又は第2
電極)X1〜Xn(n本の内の任意の1本を「行電極X
i」(i=1〜n)と呼ぶことにする)と、n本の行電
極(第2又は第1電極)Y1〜Yn(n本の内の任意の1
本を「行電極Yi」(i=1〜n)と呼ぶことにする)
とが交互に配置されている。他方、背面ガラス基板(第
2基板)103(図18参照)側に、行電極Xi,Yiと
立体交差する方向にm本の列電極(第3電極)W1〜Wm
(m本の内の任意の1本を「行電極Wj」(j=1〜
m)と呼ぶことにする)が配置されている。そして、前
面ガラス基板102と背面ガラス基板103とが所定の
距離を保って平行に対面配置されている。このとき、両
基板102,103間の空間は、隣接する2本の列電極
Wj,Wj+1間を区切るように配置された隔壁10によっ
て、複数の放電空間111に区画されている。
【0063】詳細には、AC−PDP101と同様に、
背面ガラス基板103の放電空間111側の表面上に列
電極W1〜Wm(図18中の列電極108に相当)が、当
該表面に平行な第1方向D1に沿って延在しつつ、第1
方向D1と当該表面内で直交する第2方向D2において
等ピッチで配置されている。ここで、第1及び第2方向
D1,D2はそれぞれAC−PDP81の表示画面にお
ける縦方向及び横方向とする。また、隔壁10は、図1
8中の隔壁110と同様に、第1方向D1に沿ってスト
ライプ状に且つ等ピッチで配置されている。そして、背
面ガラス基板103の上記表面及び隣接する隔壁10の
対面する両側壁面で以て規定されるU字型溝には、当該
U字型溝単位で、各発光色用の蛍光体層109R,10
9G,109Bのいずれかの蛍光体層が配置されてい
る。なお、列電極W1〜Wmを覆うように背面ガラス基板
103の上記表面上に誘電体層を設けて、当該誘電体層
上に隔壁10及び蛍光体層109を配置しても良い。A
C−PDP81では、列電極W3k+1(k=0〜(m/3
−1))が属する上記U字型溝には赤色発光用の蛍光体
層109Rが配置され、列電極W3k+2が属する上記U字
型溝には緑色発光用の蛍光体層109Gが配置され、列
電極W3k+3が属する上記U字型溝には青色発光用の蛍光
体層109Rが配置されている。
【0064】他方、前面ガラス基板102において、行
電極Xi,Yiは、当該基板102の放電空間111側の
表面上に第2方向D2に沿って延びる帯状の母電極(第
1部分)Xb,Yb(特に必要な場合には「母電極Xb
i,Ybi」のように添え字iを付して、行電極Xi,Yi
との帰属関係を明らかにする)と、それぞれの一端が母
電極Xbi,Ybiの所定の位置(後述する)に接続され
たm個の例えば四角形の透明電極(第2部分)Xt,Y
t(特に必要な場合には「透明電極Xti,Yti」のよ
うに添え字iを付して、母電極Xbi,Ybiとの帰属関
係を明らかにする)とから成る。このとき、それぞれn
本の母電極Xb1〜Xbn,Yb1〜Ybnは互いに平行に
且つ第1方向D1に関して等ピッチで交互に配置されて
いる。母電極Xbi,Ybiは、透明電極Xt,Ytより
もインピーダンスが低いことが望ましい。なお、図1及
び図2では、透明電極Xt,Ytが前面ガラス基板10
2の放電空間側の表面上に配置され、当該透明電極Xt
i,Ytiの端部を覆うように母電極Xbi,Ybiが上記
表面上に配置された構造を図示しているが、両電極の積
層順序が逆の構造であっても構わない。
【0065】そして、AC−PDP101と同様に、行
電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynを覆うように誘電体層
106(又は106A)が配置されている。なお、行電
極X1〜Xnと行電極Y1〜Ynとの内の少なくとも一方が
誘電体で覆われていれば、AC−PDPにおける壁電荷
に起因したメモリ機能を得ることができ、既述の図23
に示す、アドレス期間と維持期間とを分離した駆動方法
が適用可能である。
【0066】ここで、透明電極Xt,Ytについて詳述
する。なお、以下の説明では、図1及び図2において2
n本の母電極Xb1〜Xbn,Ybi〜Ybnと(m+1)
本の隔壁10とで以てマトリクス状に区画された領域と
して規定される複数の領域のそれぞれを「単位領域A
R」と呼ぶことにする。このとき、各単位領域ARは行
電極X1〜Xn及びY1〜Yn(又は隣接する2本の行電極
間の間隙)と列電極W1〜Wmとの各立体交差点で以て規
定されているとも捉えることができる。但し、単位領域
ARは図1に図示される2次元的な領域ばかりでなく、
当該2次元的な領域に対して第1及び第2方向D1,D
2の双方に垂直を成す第3方向D3に延びる3次元的な
領域をも言うものとする。
【0067】透明電極Xtiのそれぞれは、母電極Xbi
に接続されると共に、当該母電極Xbiを挟んで第1方
向D1に隣接する2つの単位領域ARの内の一方の領域
内にその主たる大部分が張り出している。しかも、当該
m個の透明電極Xtiの上記主たる大部分のそれぞれは
第1方向D1に対して互い違いの方向に張り出して形成
されている。即ち、隣接する透明電極Xtの各上記主た
る大部分は同一の側へは張り出すことなく形成されてい
る。同様に、透明電極Ytiを成すm個の透明電極Yt
のそれぞれは、母電極Ybiに接続されると共に、その
主たる大部分の張り出し方向が第1方向D1に対して互
い違いになるように単位領域AR内に張り出した形状を
有する。特に、透明電極Xt及び透明電極Ytの各上記
主たる大部分同士は、所望の放電を形成すべく、同一の
単位領域AR内において所定の間隙を介して互いのエッ
ジが対峙している。なお、上記所定の間隙は上記放電ギ
ャップDGに相当し、以下もこの用語を用いる。この間
隔(又は距離)を「放電ギャップDGの間隔(又は距
離)dgl」と呼び、当該所定の間隙を形成する、透明
電極Xt,Ytの各エッジの対峙する部分の長さを「放
電ギャップDGの幅(又は長さ)dgw」と呼ぶことに
する。当該幅dgwは、透明電極Xt,Ytの第2方向
D2に沿った長さないしは幅,Ytwに等しい。これに
対して、透明電極Xt,Ytの上記放電ギャップDGか
ら遠い側のエッジ間の間隙は上記非放電ギャップNGに
相当し、以下もこの用語を用いる。この間隔(又は距
離)を「非放電ギャップNGの間隔(又は距離)ngl
A」と呼ぶことにする。
【0068】特に、AC−PDP81では、各透明電極
Xt,Ytが形成する各放電ギャップDGの間隔dgl
の寸法はいずれも同一であり、各幅Xtw,Ytwもそ
れぞれ透明電極Xt,Ytにおいて共通である一方で、
各透明電極Xt,Ytの第1方向D1に沿った長さXt
l,Ytlが全ての透明電極Xt,Ytにおいて同じ寸
法とはなっていない。即ち、全ての透明電極Xt,Yt
の面積が等しいわけではない。詳細には、AC−PDP
81では、列電極W3k+2に対面する透明電極Xt,Yt
の長さXtl,Ytlが最も短く、列電極W3k+1に対面
する透明電極Xt,Yt、列電極W3k+3に対面する透明
電極Xt,Ytの順に長さXtl,Ytlが長く設定さ
れる。換言すれば、上記長さXtl,Ytlは、従って
透明電極Xt,Ytの面積も、各透明電極Xt,Ytが
対面する各蛍光体層の発光色に基づいて規定され、(緑
色発光用の蛍光体層109Gに対面する透明電極Xt,
Yt)<(赤色発光用の蛍光体層109Rに対面する透
明電極Xt,Yt)<(青色発光用の蛍光体層109B
に対面する透明電極Xt,Yt)なる大小関係がある。
【0069】AC−PDP81は上述の行電極X1〜X
n,Y1〜Ynを備えるので、間隙DG,NGの各間隔d
gl,nglAの大きさの違いに起因して、隣接する行
電極Xi,Yi(又はYi-1)間に印加する電圧の制御に
よって、間隙NGに放電を発生させること無く間隙DG
に放電を発生させることが可能である。ここで、図1及
び図2の平面図において、隣接する隔壁10間の第1方
向D1に延在する領域及び当該領域に対して第3方向D
3に延びる3次元的な領域は、各透明電極Xt,Ytの
上記間隙DGから遠い側の各エッジを通る第2方向D2
に平行なラインで以て複数の領域に区画することができ
る。そして、当該区画された複数の領域は、第1方向
D1に沿った長さCl(=Xtl+dgl+Ytl)を
有し、上記放電ギャップDGを備えて上記放電セルCと
して把握できる箇所と、第1方向D1に沿った長さN
Cl(=nglA)を有し、上記非放電ギャップNGを
備えた非放電セルNCとに区別することができる。AC
−PDP81では、透明電極Xt,Ytの全体が放電セ
ルC内に配置されており、透明電極Xt,Yt間に面放
電が形成されるので、各透明電極Xt,Yt自体が各行
電極における放電形成部を構成する。このとき、図3に
示すように、AC−PDP81全体として、放電ギャッ
プDGと非放電ギャップNGとは、表示ラインに平行な
方向及び及び垂直な方向(それぞれ第2及び第1方向D
2,D1)において交互に配置されており、放電ギャッ
プDG同士は上記両方向において直接に隣接しない。即
ち、放電ギャップDGは、上記両方向において1つ以上
の非放電ギャップNGを介して隣接して配置されてい
る。このとき、図1及び図2に示すように、斜め向かい
に位置する2つの放電ギャップDG間に存在する2つの
透明電極が当該2つの放電ギャップDGに挟まれた母電
極Xbi又はYbiに接続されている。
【0070】ここで、AC−PDP81では、隣接する
2本の母電極に沿って(第2方向D2に)延びる(複数
の)間隙の内の隣接する2本で以て「表示ライン」が規
定される。なお、例えば発光色が単色の場合(蛍光体が
1種類の場合及び蛍光体を有さない場合)には1本の上
記間隙で以て表示ラインが規定される。
【0071】従って、AC−PDP81によれば、例え
ば既述のアドレス期間において行電極Xi,Yi(又はY
i-1)と列電極Wjとの立体交差部分、特に放電セルCに
おける透明電極Xt,Ytと列電極Wjとの立体交差部
分に強い電界が形成された場合であっても、非放電セル
NCの存在により、当該放電セルCの隣の放電セルCに
おける誤放電の誘起を大幅に抑制・回避することができ
る。このとき、たとえ列電極W1〜Wmの配置位置が、隣
接する2本の隔壁10間の中心軸からずれた場合であっ
ても、非放電セルNCの存在により確実に誤放電の発生
を防止することができる。更に、たとえ隔壁10の一部
に欠けや折損が生じた場合であっても、同様の理由によ
り、誤放電の発生を確実に防止することができる。ま
た、特に強い電界が生じるアドレス期間における誤放電
の発生を抑制・回避するためには、少なくとも表示ライ
ンに平行な方向(第2方向D2)に放電ギャップDGが
隣接していなければ良い。更に、表示ラインに垂直な方
向(第1方向D1)に放電ギャップが隣接しない場合に
は、AC−PDPの全面において(例えば維持放電時
に)誤放電の発生を抑制・回避することができる。
【0072】なお、非放電ギャップNGは第1及び第2
方向D1,D2に沿って隣接して複数個配置されていて
も構わない。そのような構造の一例として、2個の非放
電ギャップNGが隣接して配置された場合のAC−PD
P81Aを図4に示す。このとき、AC−PDP81A
では、上述の隣接する2本の母電極間の間隙の隣接する
3本で以て「表示ライン」が規定される。
【0073】また、AC−PDP81では母電極Xb1
〜Xbn,Yb1〜Ybn,列電極W1〜Wm,隔壁10等
を直線状に形成可能であるので、従来のAC−PDP2
01と比較して容易な製造プロセス(従来のAC−PD
P101と同程度の製造プロセス)で以て当該AC−P
DP81を製造することができるという利点がある。
【0074】特に、AC−PDP81では、透明電極X
t,Ytの長さXtl,Ytl又は面積に上述の大小関
係が規定されている。このため、各放電セルCで形成さ
れる、透明電極Xt,Yt間の各面放電の大きさは、そ
の放電セルCに属する透明電極Xt,Ytの面積に応じ
たものとなる。つまり、各透明電極Xt,Ytの長さX
tl,Ytlはその透明電極Xt,Ytが対面する蛍光
体層の発光色に基づいて規定されているので、各放電セ
ルCにおいて透明電極Xt,Yt間に形成される面放電
の大きさは、(緑色発光用の放電セルC)<(赤色発光
用の放電セルC)<(青色発光用の放電セルC)とな
る。ところで、既述のように、一般に、蛍光体層の厚さ
及び紫外線が照射される面積が等しい場合、各発光色用
の蛍光体からの発光の輝度に関して、(青色発光用の蛍
光体からの発光)<(赤色発光用の蛍光体からの発光)
<(緑色発光用の蛍光体層からの発光)なる大小関係が
ある。従って、当該発光輝度の大小関係と上述の各放電
セルCでの面放電の大小関係とに鑑みれば、AC−PD
P81では放電セルCからの各発光の輝度を同等レベル
に制御することができる。その結果、(放電1回あたり
の)白色の色温度を所望の値に設定して最適化すること
ができる。
【0075】更に、最も短い透明電極Xt,Ytを有す
る緑色発光用の放電セルCで形成される透明電極Xt,
Yt間の面放電の大きさを従来のAC−PDP101で
の行電極104,105間の面放電と同等に設定するこ
とによって、AC−PDP81における赤色発光用及び
青色発光用の各放電セルCでの上記面放電を従来のAC
−PDP101における同面放電よりも大きくすること
ができる。即ち、AC−PDP81における赤色発光及
び青色発光の各輝度を従来のAC−PDP101の各同
輝度よりも高くすることができる。その結果、AC−P
DP81によれば従来のAC−PDP101よりも高輝
度化を図ることができる。
【0076】さて、既述のように、従来のAC−PDP
501(図24参照)では、隣接する隔壁の側壁面間距
離距離Wr,Wg,Wbの合計を従来のAC−PDP1
01(図18参照)における側壁面間距離W0の3倍に
設定した上で、上記各距離Wr,Wg,Wbの比率を違
える。このため、距離Wr,Wg,Wbのいずれかを距
離W0よりも大きくする一方で、それ以外の距離Wr,
Wg,Wbを必ず小さくしなければならず、距離Wr,
Wg,Wbの全てを従来のAC−PDP101における
距離W0よりも大きくすることができない。即ち、各発
光色用の放電セルで形成される行電極間の面放電の全て
を、従来の放電セルにおける同面放電よりも大きくする
ことができない。
【0077】これに対して、上述のように、AC−PD
P81によれば、全ての放電セルCにおいて従来のAC
−PDP101での上記面放電よりも大きい面放電を形
成することも可能である。かかる点において、両AC−
PDP81,501間に差異が見られる。
【0078】しかも、AC−PDP81によれば、従来
のAC−PDP501と比較して非常に容易な設計で以
て白色の色温度の最適化及び高輝度化を同時に実現する
ことができる。このとき、AC−PDP81では、隔壁
10や列電極W1〜Wmが等ピッチで配置されている。即
ち、AC−PDP81によれば、背面ガラス基板103
側の構造は従来のそれと同等とした上で、前面ガラス基
板102側の透明電極Xt,Ytの面積を違えることに
より各発光色毎の面放電の大きさを制御することがで
き、その結果、上述の白色の色温度の最適化及び高輝度
化の効果が得られる。このため、蛍光体層109の厚さ
によって各放電空間111の大きさに相違が生じること
がなく、従ってそれに起因した駆動電圧のマージンの低
下が惹起されることもない。
【0079】次に、AC−PDP81を備えるプラズマ
ディスプレイ装置を図5を用いて説明する。図5は、実
施の形態1に係るプラズマディスプレイ装置80の全体
構成を模式的に示すブロック図である。図5に示すよう
に、プラズマディスプレイ装置80は、上述のAC−P
DP81と、行電極X1〜Xn,Y1〜Yn及び列電極W1
〜Wmのそれぞれに所定の電圧を供給するための駆動回
路14,15,18と、駆動回路14,15,18を制
御する制御回路40と、所定の電圧を生成して駆動回路
14,15,18に供給する電源回路41とを備えてい
る。
【0080】まず、制御回路40は、入力映像信号Sに
基づく制御信号を生成して、駆動回路14,15,18
に出力する。
【0081】図5に示すように、駆動回路14はXドラ
イバ141と駆動IC142とから成る。Xドライバ1
41は、制御回路40からの制御信号及び電源回路41
からの供給電圧が入力されて所定の電圧パルスを生成す
る。また、駆動IC142の複数の出力端子のそれぞれ
が行電極X1〜Xnの内の対応する電極に接続されおり、
当該駆動IC142は、制御回路40からの制御信号に
基づいて上記Xドライバ141で生成された所定の電圧
パルスを各行電極X1〜Xnに(走査して)印加する。
【0082】駆動回路15は上記Xドライバ141と同
等のYドライバから成る(このため同一の参照符号を用
いて「Yドライバ15」とも呼ぶ)。但し、n本の行電
極Y1〜YnはYドライバ15の出力端子に共通に接続さ
れており、行電極Y1〜Ynには同一の電圧が供給され
る。
【0083】また、駆動回路18は、上記Xドライバ1
41に相当するWドライバ181と、駆動IC142に
相当する駆動IC182とから成る。駆動IC182の
複数の出力端子のそれぞれが列電極W1〜Wmの内の対応
する電極に接続されている。
【0084】プラズマディスプレイ装置80によるAC
−PDP81の駆動方法は、従来の駆動方法、例えば既
述の図23に示す駆動方法が適用可能である。即ち、1
フィールド(1F)期間を複数のサブフィールド(S
F)に分割した上で、各サブフィールドを更に「リセッ
ト期間」,「アドレス期間」及び「維持放電期間(表示
期間)」に分割してAC−PDP81を駆動する。この
とき、アドレス期間では、行電極Xiの順次走査に同期
して、当該行電極Xiの両側に配置された放電セルCに
おいて書き込み動作又はアドレス動作(アドレス放電を
形成する場合及び形成しない場合の双方を含む)が実行
される。また、リセット期間及び維持放電期間では、行
電極X1〜Xn,行電極Y1〜Yn又は列電極W1〜Wmの各
電極単位で所定の電圧を印加してAC−PDPを全面に
亘って一斉に駆動する。
【0085】<実施の形態1の変形例1>さて、AC−
PDP81では透明電極Xt,Ytの第1方向D1に沿
った長さXtl,Ytlを放電セルCの発光色毎に違え
ることによって白色の色温度を所望の値に設定し最適化
を図るが、図6に示すAC−PDP81Bによっても同
様の効果を得ることができる。
【0086】図6に示すように、AC−PDP81Bで
は、各透明電極Xt,Ytの上記長さXtl,Ytlは
全て等しく、各透明電極Xt,Ytの第2方向D2に沿
った長さXtw,Ytw(図2参照)が放電セルCの発
光色毎に異なる。詳細には、AC−PDP81Bでは、
上記幅Xtw,Ytw、従って透明電極Xt,Ytの面
積に関して、(緑色発光用の蛍光体層109Gに対面す
る透明電極Xt,Yt)<(赤色発光用の蛍光体層10
9Rに対面する透明電極Xt,Yt)<(青色発光用の
蛍光体層109Bに対面する透明電極Xt,Yt)なる
大小関係が規定されている。なお、その他の構成要素は
AC−PDP81と同様のものが適用される。
【0087】AC−PDP81Bによれば、AC−PD
P81と同様に、透明電極Xt,Yt間に形成される各
面放電の大きさを、(緑色発光用の放電セルC)<(赤
色発光用の放電セルC)<(青色発光用の放電セルC)
に制御することができ、各発光色の放電セルCの各輝度
を同等にすることができる。その結果、白色の色温度を
最適化することができる。
【0088】勿論、幅Xtw,Ytw及び長さXtl,
Ytlの両方を制御して、上記大小関係が満足されても
良い。
【0089】<実施の形態2>次に、実施の形態2に係
るAC−PDP82を図1に相当する図7を用いて説明
する。図7では、図1と同様に、AC−PDP82にお
ける電極及び隔壁のみを抽出して図示している。なお、
AC−PDP82は、上述のAC−PDP81と比較し
て隔壁の構造に特徴があるので、かかる点を中心に説明
する。また、AC−PDP82では、各透明電極Xt,
Ytの長さXtl,Ytl及び幅Xtw,Ytwはそれ
ぞれ等しい。
【0090】図7に示すように、AC−PDP82で
は、AC−PDP81と同様に、行電極Xi(i=1〜
n)と行電極Yi(i=1〜n)とが第2方向D2に沿
って延在しつつ、第1方向D1において等ピッチで以て
交互に配置され、列電極Wj(j=1〜m)が第1方向
D1に沿って延在しつつ、第2方向D2において等ピッ
チで配置されている。
【0091】特に、AC−PDP82の隔壁10Bは、
蛇行しつつも全体として第1方向D1に沿った帯状の形
状を有している。詳細には、隣接する隔壁10Bの対峙
する側壁面間の間隔(又は距離)が、隔壁10Bの内で
放電セルCを区画する部分が、非放電セルNCを規定す
る部分よりも広くなるように形成されている。このと
き、隔壁10Bの第3方向D3から見た形状が、図7に
示すような急峻な角部を有さない略波形とする場合に
は、隔壁の欠けの発生等の、隔壁が直線状でないことに
起因する不都合を十分に抑制可能である。
【0092】特に、図7に示すように、隔壁10Bの内
で放電セルCを区画する上記部分の湾曲の度合いを変化
させることによって、放電セルCの大きさを発光色毎に
違えている。なお、特に必要な場合には、赤色発光用,
緑色発光用及び青色発光用の各放電セルCを各符号C
R,CG,CBで以て区別する。詳細には、各放電セル
CR,CG,CBの大きさが(緑色発光用の放電セルC
G)<(赤色発光用の放電セルCR)<(青色発光用の
放電セルCB)となるように隔壁10Bの形状が規定さ
れている。このとき、AC−PDP82では、隔壁10
Bの上述の形状に起因して、透明電極Xt,Ytの第1
方向D1に沿ったエッジと隔壁10Bとの距離ないしは
間隔の寸法が、放電セルCの各発光色毎に異なる。かか
る透明電極Xt,Ytと隔壁10Bとの上記間隔の寸法
規定によって透明電極Xt,Yt間で形成される面放電
中の電子の内で隔壁10Bへ衝突する量が制御可能であ
り、面放電の実質的な大きさを制御することができる点
に鑑みれば、AC−PDP82では、各放電セルCR,
CG,CBの大きさの相違で以て、上記面放電の大きさ
を各放電セルCの発光色に基づいて規定している。即
ち、各放電セルCR,CG,CBの上述の大小関係に対
応して、透明電極Xt,Yt間の各面放電の大きさに
(緑色発光用の放電セルCG)<(赤色発光用の放電セ
ルCR)<(青色発光用の放電セルCB)なる大小関係
が付与されている。従って、既述のAC−PDP81等
と同様に、白色の色温度を最適化することができる。
【0093】更に、図7に示すように、AC−PDP8
2を第3方向D3から見た場合、隔壁10Bの形状に起
因して、AC−PDP82の放電セルCが非放電セルN
Cよりも大きい。このため、当該AC−PDP82とA
C−PDP82に対して隔壁10Bに代わりに直線状の
隔壁10(図1参照)を有するAC−PDPとを比較す
ると、同一のパネル面積及び解像度を有するとき、AC
−PDP82の方が画像表示に関与する領域の面積をよ
り大きく取ることができる。従って、AC−PDP82
によれば、放電セルCと非放電セルNCとの大きさが等
しい上記PDPと比較して表示面積の利用率を向上する
ことができる。
【0094】さて、AC−PDP82では、非放電セル
NCが存在するように隔壁10Bの形状を規定してい
る。この点において、非放電セルを有さない従来のAC
−PDP201(図19及び図20参照)と構造上の明
らかな差異が認められる。このとき、非放電セルNCの
存在によって、以下の効果を得ることができる。
【0095】まず、AC−PDP82は隣接する隔壁1
0Bの対面する両側壁面及び隔壁10Bが配置されたガ
ラス基板103(後述の図8参照)とで以て第1方向D
1に延びるU字型溝を有するので、直線状の隔壁を有す
る従来のAC−PDP101等における蛍光体層の形成
プロセスをそのまま利用することができる。つまり、蛍
光体層形成工程において、従来のAC−PDP201の
同工程で要求される複雑な位置合わせ精度を要求される
ことはない。
【0096】このとき、AC−PDP82の蛍光体層形
成工程において、蛍光体層の原材料である蛍光体ペース
トを印刷法やディスペンサ法により塗布すると、蛍光体
層109は、図8に示すように、特徴的な縦断面を有す
る蛍光体層9として形成される。なお、図8は図7中の
A−A線における縦断面を矢印の方向から見た場合の縦
断面図である。上述の印刷法等によれば、そのプロセス
の性質から、放電セルCであるか非放電セルNCである
かの区別無く同量の蛍光体ペーストがU字型溝内に塗布
される。その結果、図8に示すように、蛍光体層9の内
の非放電セルNCにおける膜厚(第3方向D3における
寸法)が、同放電セルCにおける膜厚よりも厚くなる。
【0097】このような蛍光体層9の形状に起因して、
AC−PDP82は従来のAC−PDP101等よりも
高い紫外線の利用効率を達成可能である。なぜならば、
蛍光体9(の高さ)によって、放電セルC内での放電に
より生じた紫外線の内で非放電セルNCに至る量を少な
くすることができるからである。即ち、AC−PDP8
2では、上述の非放電セルNC側に放射された紫外線を
も、非放電セルNC内の蛍光体層9において可視光に変
換して当該放電セルCの表示発光として利用する。更
に、従来のAC−PDP101等では放電により発生し
た紫外線が列電極に沿った方向(U字型溝の長手方向)
へ拡散することによって放電セル周辺が薄く光ってしま
う場合があるのに対して、AC−PDP82によれば、
上述の紫外線の有効利用と同時にそのような表示品質上
の問題をも解決することができる。
【0098】また、上記U字型溝の存在によって、PD
Pの製造工程での排気工程及び放電用ガス導入工程並び
にPDPの駆動時の放電制御性についても、従来のAC
−PDP201よりも有利である。
【0099】なお、AC−PDP82は、既述の図5の
プラズマディスプレイ装置と同様の構成によって駆動可
能である。かかる点は実施の形態3以降に説明する各A
C−PDPにおいても同様である。
【0100】<実施の形態3>次に、実施の形態3に係
るAC−PDP83を図1に相当する平面図である図9
を用いて説明する。図9に示すように、AC−PDP8
3の透明電極Xt,Yt,列電極Wj(j=1〜m)及
び隔壁10はAC−PDP81と同様の構造(配列ピッ
チも同様とする)を有する。
【0101】特に、AC−PDP83は上述のAC−P
DP81と比較して行電極を成す母電極XBb,YBb
の構造に特徴があるので、かかる点を中心に説明する。
図9に示すように、母電極XBb,YBbは、蛇行しつ
つも全体として第2方向D2に沿った帯状の形状を有し
ている。詳細には、母電極XBb,YBbは、第2方
向D2に沿って延びる部分と、第1方向D1に沿って
延び、隔壁10と重なるように形成された部分とから成
る。そして、図9に示すように、母電極XBb,YBb
と透明電極Xt,Ytとは、非放電セルNC側の双方の
エッジが一致するように配置されている。また、隣接す
る母電極XBb,YBbは第2方向D2に平行な直線
(軸)に関して対称である。このため、隣接する母電極
XBb,YBbの内で放電ギャップDGを介して対峙す
るエッジ間の間隔(又は距離)nglA2は、非放電ギ
ャップNGを介して対峙するエッジ間の間隔(非放電ギ
ャップNGの間隔でもある)nglAよりも広い(長
い)。
【0102】なお、(AC−PDPの構造や内部に封入
された放電用ガスの種類及びガス圧等に依存するが)放
電ギャップDGの間隔dglは約200μm以下(例え
ば70μm)に設定され、非放電ギャップNGの間隔n
glAは約200μm以上(例えば260μm)に設定
されている。かかる寸法設定によれば、所定の電圧を印
加した際に放電ギャップDGでの放電を発生可能とする
と同時に、非放電ギャップNGにおいて放電を発生させ
ないように確実に制御することができる。
【0103】上述のように、AC−PDP83では、母
電極XBb,YBbと透明電極Xt,Ytとは、非放電
セルNC側の双方のエッジが一致するように配置されて
いる。即ち、母電極XBb,YBbは放電ギャップDG
から最も遠い位置において透明電極Xt,Ytと結合し
ている。ところで、一般的に、放電セルにおいて放電ギ
ャップDGに近いほど発光輝度が高いという傾向があ
る。かかる傾向に鑑みれば、AC−PDP83では、放
電セルC内で生成された可視光発光の内で母電極XB
b,YBbによって遮光される発光は、既述のAC−P
DP81の放電セルCにおいて同様に遮光される発光よ
りも輝度が低い。換言すれば、AC−PDP81におい
て母電極Xb,Ybで遮光されていた、より高輝度の発
光をAC−PDP83では表示発光として利用すること
ができる。従って、その分だけ、AC−PDP83の方
がAC−PDP81よりも高輝度の表示発光を得ること
ができる。
【0104】なお、母電極XBb,YBbを蛇行させて
母電極XBb,YBbと透明電極Xt,Ytとの結合位
置をAC−PDP81における同結合位置よりも放電ギ
ャップDGから遠ざけることによって、上述の表示発光
の高輝度化は達成される。
【0105】また、AC−PDP83によれば、AC−
PDP81及び従来のAC−PDP101と同様に、隔
壁を直線状に形成可能であるという利点がある。
【0106】なお、AC−PDP83における母電極X
Bb,YBbの構造と、上述のAC−PDP82の隔壁
10Bとを組み合わせても良い。
【0107】<実施の形態4>さて、既述のAC−PD
P81等では、前面ガラス基板102と背面ガラス基板
103との貼り合わせ工程において、隣接する隔壁10
間の所定の間隙に透明電極Xt,Ytをそれぞれ収める
ように位置合わせする必要があるため、この際に高度の
位置合わせ技術が要求される。このため、透明電極X
t,Ytと隔壁10との間で位置ずれが生じる場合があ
る。また、前面ガラス基板102及び/又は背面ガラス
基板103が歪みや反りを有する場合にも透明電極X
t,Ytと隔壁10との間に位置ずれが生じうる。そこ
で、実施の形態4では、上記貼り合わせ工程における位
置合わせ精度を緩和しうるAC−PDPを説明する。
【0108】図10はそのようなAC−PDP86の模
式的な平面図であり、既述の図1に相当する。また、図
11にAC−PDP86の模式的な斜視図を示す。な
お、図11では、説明の便宜上、両ガラス基板102,
103を引き離した状態を図示しており、また、後述の
放電抑止体31近傍を一部断面図を以て図示している。
【0109】図10に示すように、AC−PDP86
は、既述の図22に示す従来のAC−PDP401の行
電極104,105と同様の行電極X1〜Xn,Y1〜Yn
を備える。詳細には、AC−PDP86の行電極Xi,
Yiは、既述の母電極Xbi,Ybiと、当該母電極Xb
i,Ybiの長手方向である第2方向D2に沿って延在す
る帯状の透明電極(第2部分)Xs,Ys(特に必要な
場合には「透明電極Xsi,Ysi」のように添え字iを
付して、母電極Xbi,Ybiとの帰属関係を明らかにす
る)とから成る。AC−PDP86では、透明電極Xs
i,Ysiの幅が母電極Xbi,Ybiよりも広く、透明電
極Xsi,Ysiの幅方向の略中央に母電極Xbi,Ybi
が配置されて透明電極Xsi,Ysiと母電極Xbi,Y
biとが互いに接続されている。換言すれば、透明電極
Xsi,Ysiは、母電極Xbi,Ybiを挟んで当該母電
極Xbi,Ybiの長手方向に垂直な方向である第1方向
D1に対して張り出している。特に、隣接する透明電極
Xs,Ys間の各間隙gの寸法は等しく設定され、しか
も、既述の放電ギャップDGの間隔dgl(図2参照)
と同程度に設定される。
【0110】更に、図10及び図11に示すように、A
C−PDP86は、既述の図3の配置関係において非放
電ギャップNGに対応する領域付近に絶縁材料から成る
放電抑止体31を備える。詳細には、放電抑止体31
は、背面ガラス基板103の側に、隣接する隔壁10に
接して形成されており、AC−PDP86を第3方向D
3から見た場合に隣接する透明電極Xs,Ys間の間隙
gを覆う位置に配置されている。なお、図11に示すよ
うに、放電抑止体31の前面ガラス基板102側の頂部
上に蛍光体層109が配置される場合は、当該頂部上の
蛍光体層109及び放電抑止体31から成る要素を「放
電抑止体31A」と呼ぶ。
【0111】また、放電抑止体31,31Aの前面ガラ
ス基板102側の頂部は隔壁10よりも低く、当該頂部
と前面ガラス基板102側の誘電体層106,106A
とが接しないように両者間に隙間が設けられている。こ
のとき、行電極Xi,Yiに所定の電圧を印加して放電抑
止体31を有さない部分の上記間隙gに面放電を形成す
る際に、放電抑止体31が配置された部分の上記間隙g
では同面放電が形成されないように、放電抑止体31,
31Aの高さ(第3方向D3に沿った寸法)が規定され
る。換言すれば、かかる高さの規定によって、放電抑止
体31が配置された上記間隙gにおいて放電形成に必要
な印加電圧を、放電抑止体31を有さない同間隙gに対
する印加電圧よりも増大させる。これにより、隣接する
隔壁10間の第1方向D1に延在する領域及び当該領域
に対して第3方向D3に延びる3次元的な領域は、放電
抑止体31の有無により非放電セルNCと放電セルCと
が規定され区別される。換言すれば、上記2次元的又は
3次元的な領域において、第1方向D1に沿って隣接す
る2つの放電抑止体31の間で以て放電セルCが形成さ
れる。このとき、図10の平面図において放電抑止体3
1と重ならない部分ないしは透明電極Xs,Ysの内で
放電セルC内に存在する部分が、既述の透明電極Xt,
Yt又は行電極間における面放電を形成するための「放
電形成部」に相当する。また、隣接する透明電極Xs,
Ysの内で放電セルC内で対峙する部分の両エッジで以
て放電ギャップDGが形成されており、隣接する透明電
極Xs,Ysの内で非放電セルNC内で対峙する部分の
両エッジで以て非放電ギャップNGが形成されている。
なお、放電抑止体31を少なくとも隣接する透明電極X
s,Ys間の間隙gと列電極W1〜Wmとの立体交差点に
配置することによって、当該間隙gを非放電ギャップ化
することができる。
【0112】特に、放電抑止体31の第1方向D1に沿
った長さは、各放電抑止体31が配置されるU字型溝内
の蛍光体層109の発光色に基づいて規定される。詳細
には、放電抑止体31の第1方向D1に沿った長さ、従
って放電抑止体31の大きさに関して、(青色発光用の
蛍光体層109Bを有するU字型溝内の放電抑止体3
1)<(赤色発光用の蛍光体層109Rを有するU字型
溝内の放電抑止体31)<(緑色発光用の蛍光体層10
9Gを有するU字型溝内の放電抑止体31)なる大小関
係がある。かかる各放電抑止体31の大小関係は各非放
電セルNCの大きさのそれに対応するため、各放電セル
Cの大きさ又は各放電セルCにおける行電極の放電形成
部の面積は、(緑色発光用の放電セルCG)<(赤色発
光用の放電セルCR)<(青色発光用の放電セルCB)
となる。従って、AC−PDP86によれば、AC−P
DP81と同様に、各発光色の放電セルCの各輝度を同
等にすることができ、白色の色温度を最適化することが
できる。
【0113】なお、透明電極Xs,Ysの上記放電形成
部の第1方向D1に沿った長さが既述の長さXtl,Y
tl(図2参照)に相当する。このため、AC−PDP
86においても、面放電の大きさを規定する上記放電形
成部の面積が、当該放電形成部が対面する蛍光体層10
9R,109G,109Bに基づいて規定されていると
も捉えることができる。
【0114】AC−PDP86によれば、放電抑止体3
1の有無により非放電セルNCと放電セルCとが規定さ
れるので、母電極Xb,Ybの各々に対して、既述のA
C−PDP81等の透明電極Xt,Ytのような複数個
ではなく、1本の帯状の透明電極Xs,Ysを適用可能
である。従って、既述のAC−PDP81等のように前
面ガラス基板102と背面ガラス基板103との貼り合
わせ工程において各透明電極Xt,Ytを隣接する隔壁
10間の所定の間隙に収めるための高精度の位置合わせ
を必要としない。更に、上述のように、背面ガラス基板
103の側に設けられる放電抑止体31で以て非放電セ
ルNCが規定されるので、上記貼り合わせ工程において
前面ガラス基板102と背面ガラス基板103とにたと
え位置ずれが生じた場合であっても、又、前面ガラス基
板102及び/又は背面ガラス基板103が歪み等を有
する場合であっても、放電セルC及び非放電セルNCを
確実に形成することができる。このように、AC−PD
P86によれば、上述の貼り合わせ工程での位置合わせ
精度が既述のAC−PDP81等と比較して緩和され、
その結果、歩留まりを向上させることができる。
【0115】また、放電抑止体31,31Aと前面ガラ
ス基板102側の誘電体層106,106Aとは接して
おらず両者間に隙間が存在するので、AC−PDPの製
造時の排気工程及び放電用ガス導入工程の実施を妨げる
ことが無い。
【0116】なお、図12に示すAC−PDP86Aの
ように、放電抑止体31の高さを隔壁10と同等レベル
としても良い。かかる場合には、放電抑止体31を隔壁
10に接しない形状寸法に設定することによって、上述
の排気工程及び放電用ガス導入工程の実施が妨げること
が無い。また、放電抑止体31が隔壁10と同等の高さ
レベルの場合、隔壁10の形成時に放電抑止体31を同
時に形成することができる。例えば隔壁10及び放電抑
止体31の双方のパターンを有するスクリーン版を用い
たスクリーン印刷法によって隔壁10及び放電抑止体3
1を一括形成することができる。或いは、例えば背面ガ
ラス基板103の側に全面塗布された隔壁10の原材料
を隔壁10及び放電抑止体31の形状に同時にパターニ
ング形成することもできる。かかるパターニングは、例
えば上記原材料上に配置したレジストを、又は感光性が
付与された上記原材料を隔壁10及び放電抑止体31の
形状にパターン露光した後にサンドブラスト法等を適用
することによって実施可能である。このように、放電抑
止体31のための別個の形成工程を必要としないので、
製造工程数の増大及び製造工程の複雑化を招くことなく
放電抑止体31を形成することができる。
【0117】なお、AC−PDP86,86A及び後述
のAC−PDP87,87Aに対して既述の蛇行した隔
壁10B(図6参照)や蛇行した母電極XBb,YBb
を適用して良い。
【0118】<実施の形態5>上述の放電抑止体31
は、非放電セルNCの放電空間111を放電セルCのそ
れよりも狭めて、放電形成に必要な印加電圧を放電セル
Cに対するそれよりも増大させることによって、非放電
セルNC内での放電形成を抑制する。放電抑止体31の
かかる作用に鑑みれば、放電抑止体31に相当する要素
を前面ガラス基板102の側に形成して実施の形態4の
効果を得ることも可能である。実施の形態5では、その
ような形態を有するAC−PDP87を図13の縦断面
図を用いて説明する。
【0119】図13に示すように、AC−PDP87
は、既述の誘電体層106(図8参照)に代えて、前面
ガラス基板102側に所定の厚さ分布を有する誘電体層
116を備える。詳細には、誘電体層116は、既述の
誘電体層106と同等の電極被覆部116Cと、非放電
セルNC内に配置され、電極被覆部116Cから背面ガ
ラス基板103の側へ突出した凸部116Tとから成
る。なお、図13に示すように誘電体層116の背面ガ
ラス基板103側の表面上に既述の保護膜107を有す
る場合、誘電体層116と保護膜107とから成る要素
が既述の「誘電体層106A」に相当し、凸部116T
及び当該凸部116T上の保護膜107から成る要素を
「誘電体層106Aの凸部(放電抑止体)116TA」
と捉えることができる。
【0120】このとき、非放電セルNC内で放電を形成
するために必要な電圧を放電セルCにおけるそれよりも
高くなるように、当該凸部116T,116TAの形状
寸法を設定する。例えば、電極被覆部116Cの透明電
極Xs,Ys上の厚さを25μm程度に設定し、透明電
極Xs,Ysから凸部116T又は凸部116TAの頂
部までの厚さないしは高さを50μm程度に設定する。
【0121】特に、放電抑止体31と同様に、上記凸部
116T,116TAを少なくとも隣接する透明電極X
s,Ys間の間隙gと列電極W1〜Wmとの立体交差点に
配置することによってその間隙gを非放電ギャップ化す
ると共に、当該凸部116T,116TAの第1方向D
1に沿った長さをその凸部116T,116TAが配置
されるU字型溝内の蛍光体層109の発光色に基づいて
規定する。このように、AC−PDP87では、誘電体
層116の凸部116T,116TAが上述の放電抑止
体31,31A(図10又は図11参照)に該当し、当
該凸部116Tの有無によって非放電セルNCと放電セ
ルCとが規定される。
【0122】誘電体層116は例えば印刷法を用いて以
下の方法により形成される。まず、前面ガラス基板10
2側の全面に誘電体ペーストを塗布して、電極被覆部1
16Cを形成する。次に、凸部116Tのパターンに対
応したスクリーン版を用いて電極被覆部116C上に誘
電体ペーストを塗布し、凸部116Tを形成する。誘電
体ペーストの乾燥・焼成工程は、電極被覆部116C及
び凸部116Tの各形成後にそれぞれ実施しても良い
し、凸部116Tの形成後に一括して実施しても良い。
【0123】AC−PDP87によれば、既述の実施の
形態4の効果が得られると共に以下の効果を得ることが
できる。即ち、前面ガラス基板102と背面ガラス基板
103との貼り合わせ工程において上記凸部116T,
116TAが、隣接した隔壁10が成すU字型溝への案
内(ガイド)となるため、前面ガラス基板102と背面
ガラス基板103との位置ずれが生じにくい。その結
果、歩留まりを向上させることができる。
【0124】なお、図13に図示した誘電体層116の
凸部116Tの形状寸法とは違えて、図14に示すAC
−PDP87Aのように、誘電体層106Aの凸部11
6TA(保護膜107を有さない場合には誘電体層11
6の凸部116T)が背面ガラス基板102側の蛍光体
層109に当接する形態としても良い。かかる場合に
は、凸部116T上の保護膜107ないしは誘電体層1
06Aの凸部116TAが隔壁10に接しないようにそ
れの形状寸法を設定する。
【0125】<実施の形態6>次に、図15に実施の形
態6に係るAC−PDP91の模式的な平面図を示す。
AC−PDP91の基本的な構造は既述のAC−PDP
81等と同等であるが、以下に説明するように各放電セ
ルCでの面放電の大きさの規定に特徴がある。このた
め、図15では、AC−PDP91の各放電セルC(図
1等参照)で形成される面放電DCの大きさを図中の円
の大きさで以て模式的に図示し、各種の大きさの面放電
DCのAC−PDP全面における分布を図示している。
なお、図15中に前面ガラス基板102と背面ガラス基
板103(図8参照)との封着部分112を模式的に図
示している。
【0126】図15に示すように、AC−PDP91で
は、AC−PDPの中央部付近から周縁部に向かうに従
って各放電セルCでの面放電DCが小さくなるように設
定している。かかる面放電DCの大きさの制御は、例え
ば既述のAC−PDP81等のように透明電極Xt,Y
t(図1参照)の面積を違える等の手段によって実施可
能である。例えば、既述のAC−PDP81等では発光
色毎に透明電極Xt,Ytの面積を違えるのに対して、
本実施の形態6に係るAC−PDP91では放電セルC
のAC−PDP内における配置位置に基づいて透明電極
Xt,Ytの面積を規定する。具体的には、AC−PD
Pの中央部から周縁部に向かうに従って透明電極Xt,
Ytの面積を次第に小さく設定する。
【0127】AC−PDP91において、その周縁部
に、既述のAC−PDP81等や従来のAC−PDP1
01等において周縁部に配置される放電セルの面放電よ
りも小さい面放電DCを形成する放電セルCを配置する
ことによって、AC−PDPの割れないしはガラス基板
102,103の割れを格段に抑制することができる。
かかる理由を説明する。放電セルCでは面放電DCによ
って比較的に大きな発熱が生じるのに対して、封着部分
112よりも外側における発熱量は放電セルにおけるそ
れよりも非常に小さい。このため、封着部分112を境
にしてAC−PDPの中央部側とそれよりも外側とでは
発熱量に大きな差がある。しかしながら、AC−PDP
91によれば、封着部分112に近い位置に既述のAC
−PDP81等の放電セルCよりも面放電DCが小さい
放電セルC、即ち、発熱量が小さい放電セルCを配置す
ることによって、封着部分112近傍における上述の熱
勾配ないしは熱分布をAC−PDP91等よりも緩和す
ることができる。その結果、上述のように、ガラス基板
102,103の割れ、特に封着部分112近傍の割れ
を抑制することができる。
【0128】更に、AC−PDP91によれば、AC−
PDPの中央部ほど面放電DCが大きい放電セルCが配
置されるので、AC−PDP中央部付近の輝度が周縁部
よりも高くなる。このため、各面放電DCの大きさの合
計がAC−PDP91と等しく、且つ、各種の大きさの
面放電DCがAC−PDP内に偏り無く配置されたAC
−PDP(例えば従来のAC−PDP101で構成され
る)と比べて、AC−PDP全面としてのピーク輝度を
高くすることができる。このとき、上述の各面放電DC
の大きさの合計が等しいとはAC−PDPへの投入電力
が同一であると捉えることができるので、AC−PDP
91によってAC−PDP全体としての発光効率を例え
ば従来のAC−PDP101よりも向上することができ
る。
【0129】なお、CRT(Cathode Ray Tube)ディス
プレイでは画面の周辺部と中央部の輝度比が1:2以上
あるものもあり、AC−PDP91においてもこの程度
の輝度比を付与しても視認性の不都合は生じない。
【0130】また、図16に示すAC−PDP91Aの
ように、表示ラインに平行な方向である第2方向D2に
沿ってのみ、当該並びの中央部から左右各端部に向かう
に従って面放電DCを小さく設定しても良い。逆に、図
17に示すAC−PDP91Bのように、表示ラインに
垂直な方向である第1方向D1に沿ってのみ、当該並び
の中央部から上下各端部に向かうに従って面放電DCを
小さく設定しても良い。AC−PDP81A,91Bに
よっても、上述のAC−PDPの割れを防止することが
できるし、ピーク輝度を向上させることができる。
【0131】また、AC−PDP91等における面放電
の大きさを、更に各放電セルの発光色をも考慮して規定
しても良い。
【0132】<まとめ>上述のAC−PDP81等で
は、透明電極Xt,Ytを四角形としたが、上述の放電
ギャップDGを形成可能な形状であれば他の形状であっ
ても構わない。
【0133】また、AC−PDP81等では、前面ガラ
ス基板102を表示面とする場合について述べたが、列
電極W1〜Wmを透明電極で以て形成することにより背面
ガラス基板103を表示面とすることも可能である。こ
のとき、透明電極Xt,Ytに不透明の電極材料を用い
て、同電極Xt,Yt及び母電極Xb1〜Xbn,Yb1
〜Ybnが一体化された電極パターンとして形成しても
良い。
【0134】更に、AC−PDP81等の技術的思想
は、対向2電極型のAC−PDPにも適用可能である。
このとき、例えば対向する2電極間の放電空間の厚さを
(例えば上述の黒色絶縁物質30や放電抑止体31等で
以て)制御することによって放電セルと非放電セルとを
形成可能である。
【0135】
【発明の効果】(1)請求項1に係る発明によれば、例
えば、各放電セルが所定の発光色を発する蛍光体層を備
える場合に各上記所望の放電の大きさを各放電セルが備
える上記記蛍光体層の所定の発光色に基づいて規定する
ことによって、所望の色温度を有する白色を得ることが
できる。更に、例えば、表示ラインに平行な方向に沿っ
て並ぶ各放電セルにおける上記所望の放電を当該方向の
端部に対して中央部に近いほど、より大きく設定する
等、上記所望の放電の大きさを各放電セルの配置位置に
基づいて規定することによって、交流型プラズマディス
プレイパネルの割れを抑制することができ、また、交流
型プラズマディスプレイパネル全体のピーク輝度を向上
することができる。
【0136】(2)請求項2に係る発明によれば、所望
の色温度を有する白色を得ることができる。しかも、最
も小さい上記所望の放電を従来の交流型プラズマディス
プレイパネルにおける放電と同じ大きさにすることによ
って、従来の交流型プラズマディスプレイパネルよりも
高輝度化をも図ることができる。
【0137】(3)請求項3に係る発明によれば、例え
ば、表示ラインに平行な方向に沿って並ぶ各放電セルに
おける上記所望の放電を当該方向の端部に対して中央部
に近いほど、より大きく設定することによって、或い
は、各上記所望の放電を交流型プラズマディスプレイパ
ネルの周縁部に対して中央部に近いほど、より大きくす
ることによって、交流型プラズマディスプレイパネルの
割れを抑制することができる。更に、交流型プラズマデ
ィスプレイパネル全体のピーク輝度を向上することがで
きる。
【0138】(4)請求項4に係る発明によれば、交流
型プラズマディスプレイパネルの割れを抑制することが
できる。更に、交流型プラズマディスプレイパネル全体
のピーク輝度を向上することができる。
【0139】(5)請求項5に係る発明によれば、交流
型プラズマディスプレイパネルの割れを抑制することが
できる。更に、交流型プラズマディスプレイパネル全体
のピーク輝度を向上することができる。
【0140】(6)請求項6に係る発明によれば、いわ
ゆる3電極面放電型の交流型プラズマディスプレイパネ
ルにおいて上記(1)乃至(5)のいずれかの効果を得
ることができる。
【0141】(7)請求項7に係る発明によれば、放電
形成部間で形成される面放電の大きさは各放電形成部の
面積に依存する。従って、当該面放電を上記所望の放電
にすることによって、上記(6)の効果を得ることがで
きる。
【0142】(8)請求項8に係る発明によれば、放電
ギャップが表示ラインに垂直な方向において1つ以上の
非放電ギャップを介して隣接して配置されているので、
放電セルは表示ラインに垂直な方向に沿って非放電セル
と直接に隣接する。更に、第1及び第2電極の各第2部
分が第1部分の長手方向に垂直な方向に対して第1部分
を挟んで両側に張り出しているので、各放電形成部の面
積は放電抑止体の大きさで規定される。このとき、各放
電抑止体の少なくとも第3電極に沿った長さ(従って、
各放電抑止体の大きさ)の全てが同じではないので、放
電形成部の面積、従って放電形成部での上記面放電を上
記所望の放電にすることによって、上記(6)の効果を
得ることができる。
【0143】(9)請求項9に係る発明によれば、たと
え第1基板と第2基板との貼り合わせの際に位置ずれが
生じた場合であっても、放電セル及び非放電セルを確実
に形成可能である。このため、上記貼り合わせ工程にお
ける位置合わせ精度を緩和することができる。
【0144】(10)請求項10に係る発明によれば、
第1基板と第2基板との貼り合わせ工程において、放電
抑止体である凸部が、隔壁が区画する複数の放電空間へ
の案内(ガイド)となるので、第1基板と第2基板との
位置ずれが生じにくいという効果を奏する。
【0145】(11)請求項11に係る発明によれば、
上記各放電セルを区画する各部分の間隔の寸法設定によ
って、上述の放電形成部間での面放電の大きさを制御す
ることができる。これにより、上記面放電を上記所望の
放電にすることによって、上記(6)の効果を得ること
ができる。更に、隣接する2本の隔壁と例えば第2基板
とで以て形成されるU字型溝に蛍光体層を形成するとき
には、当該蛍光体層の非放電セル内の部分を同放電セル
内の部分よりも厚くすることができる。これにより、放
電セルで生じた放電による紫外線の内で非放電セル側へ
放射される分を上記非放電セル内の蛍光体層で可視光に
変換することができる。即ち、隔壁が直線状に配置され
た交流型プラズマディスプレイパネルと比較して、紫外
線の利用効率を向上することができる。このとき、上記
蛍光体層の厚さの違いに起因して、放電空間の内の非放
電セルを構成する部分は同放電セルを構成する部分より
も狭いので、非放電セルでの放電の発生をより確実に防
止可能であるという効果も得ることができる。
【0146】(12)請求項12に係る発明によれば、
第1部分を放電ギャップからより遠い位置において各第
2部分と結合させることができる。これにより、第1部
分が不透明な導電性材料から成るときには、放電ギャッ
プ近傍のより高輝度の発光を表示発光として利用するこ
とができる。その結果、交流型プラズマディスプレイパ
ネルの更なる高輝度化を図ることができる。
【0147】(13)請求項13に係る発明によれば、
上記(1)乃至(12)のいずれかの効果を発揮しうる
プラズマディスプレイ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る交流型プラズマディスプ
レイパネルの構造を説明するための平面図である。
【図2】 実施の形態1に係る交流型プラズマディスプ
レイパネルの構造の要部を拡大して示す平面図である。
【図3】 実施の形態1に係る交流型プラズマディスプ
レイパネルにおける放電ギャップと非放電ギャップとの
配列を模式的に示す平面図である。
【図4】 実施の形態1に係る交流型プラズマディスプ
レイパネルの他の構造を説明するための平面図である。
【図5】 実施の形態1に係るプラズマディスプレイ装
置の全体構成を示すブロック図である。
【図6】 実施の形態1の変形例1に係る交流型プラズ
マディスプレイパネルの構造を説明するための平面図で
ある。
【図7】 実施の形態2に係る交流型プラズマディスプ
レイパネルの構造を説明するための平面図である。
【図8】 実施の形態2に係る交流型プラズマディスプ
レイパネルの縦断面図である。
【図9】 実施の形態3に係る交流型プラズマディスプ
レイパネルの構造を説明するための平面図である。
【図10】 実施の形態4に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの構造を説明するための平面図である。
【図11】 実施の形態4に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの構造を説明するための斜視図である。
【図12】 実施の形態4に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの他の構造を説明するための斜視図であ
る。
【図13】 実施の形態5に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの構造を説明するための縦断面図である。
【図14】 実施の形態5に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの他の構造を説明するための斜視図であ
る。
【図15】 実施の形態6に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの構造を説明するための平面図である。
【図16】 実施の形態6に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの他の構造を説明するための平面図であ
る。
【図17】 実施の形態6に係る交流型プラズマディス
プレイパネルの更に他の構造を説明するための平面図で
ある。
【図18】 第1の従来技術に係る交流型プラズマディ
スプレイパネルの構造を示す斜視図である。
【図19】 第2の従来技術に係る交流型プラズマディ
スプレイパネルの構造を示す平面図である。
【図20】 第2の従来技術に係る交流型プラズマディ
スプレイパネルの構造を示す縦断面図である。
【図21】 第3の従来技術に係る交流型プラズマディ
スプレイパネルの構造を示す斜視図である。
【図22】 第4の従来技術に係る交流型プラズマディ
スプレイパネルの構造を示す斜視図である。
【図23】 従来の交流型プラズマディスプレイパネル
の駆動方法を説明するためのタイミングチャートであ
る。
【図24】 第5の従来技術に係る交流型プラズマディ
スプレイパネルの構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】 10,10B 隔壁、14,15,18 駆動回路、3
0 黒色絶縁物質、31,31A 放電抑止体、40
制御回路、41 電源回路、80 プラズマディスプレ
イ装置、81〜83,81A,81B,86,86A,
87,87A,91,91A,91B 交流型プラズマ
ディスプレイパネル、102 前面ガラス基板(第1基
板)、103 背面ガラス基板(第2基板)、106,
106A,116 誘電体層、116C 電極被覆部、
116T,116TA 凸部(放電抑止体)、111
放電空間、C,CB,CG,CR 放電セル、D1,D
2,D3 方向、DC 面放電、DG 放電ギャップ、
dgl,dgl2,nglA,nglA2 間隔、dg
w,dgw2 幅、g 間隙、NC 非放電セル、NG
非放電ギャップ、Xbi,Ybi,XBbi,YBbi
(i=1〜n) 母電極(第1部分)、Xi,Yi 行電
極(第1又は第2電極)、Xt,Yt,Xs,Ys,X
Bt,YBt,Xti,Yti,XBti,YBti,Xs
i,Ysi(i=1〜n) 透明電極(第2部分)、Wj
(j=1〜m) 列電極(第3電極)。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の放電が形成可能な放電ギャップを
    有し、同一面に配置される放電セルの複数と、 前記放電ギャップよりも放電の形成が困難な非放電ギャ
    ップを有し、前記同一面に配置される非放電セルの複数
    とを備え、 前記放電ギャップは、少なくとも表示ラインに平行な方
    向において1つ以上の前記非放電ギャップを介して隣接
    して配置されており、 各前記放電セルで形成される各前記所望の放電の大きさ
    の全てが同じではないことを特徴とする、交流型プラズ
    マディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の交流型プラズマディス
    プレイパネルであって、 各前記放電セルは、所定の発光色を発する蛍光体層を備
    え、 各前記所望の放電の前記大きさが、各前記放電セルが備
    える各前記蛍光体層の前記所定の発光色に基づいて規定
    されていることを特徴とする、交流型プラズマディスプ
    レイパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の交流型プラズマ
    ディスプレイパネルであって、 各前記所望の放電の前記大きさが、各前記放電セルの配
    置位置に基づいて規定されていることを特徴とする、交
    流型プラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の交流
    型プラズマディスプレイパネルであって、 前記表示ラインに平行な方向と垂直な方向との少なくと
    も一方の方向に沿って並ぶ各前記放電セルにおける前記
    所望の放電は、その方向の端部に対して中央部に近いほ
    ど、より大きいことを特徴とする、交流型プラズマディ
    スプレイパネル。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の交流
    型プラズマディスプレイパネルであって、 各前記所望の放電は、前記交流型プラズマディスプレイ
    パネルの周縁部に対して中央部に近いほど、より大きい
    ことを特徴とする、交流型プラズマディスプレイパネ
    ル。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の交流
    型プラズマディスプレイパネルであって、 第1基板と、 前記第1基板と所定の距離を保って対面配置された第2
    基板と、 前記第1基板と前記第2基板との間の空間を複数の放電
    空間に区画する隔壁と、 前記表示ラインに平行に延びる帯状の第1部分及び前記
    第1部分に接続されて少なくとも前記放電セルの側へ張
    り出した第2部分からそれぞれが成り、前記第1基板側
    に配置された第1電極及び第2電極と、 前記第1及び第2電極の内の少なくとも一方を被覆する
    誘電体と、 それぞれが前記第2基板側に前記第1及び第2電極の各
    前記第1部分と立体交差する方向に配置されて、前記第
    1及び第2電極と共に前記放電セル又は前記非放電セル
    を規定する複数の帯状の第3電極とを更に備えることを
    特徴とする、交流型プラズマディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の交流型プラズマディス
    プレイパネルであって、 前記第1及び第2電極の内で各前記放電セル内に配置さ
    れた各部分である各放電形成部の面積の全てが同じでは
    ないことを特徴とする、交流型プラズマディスプレイパ
    ネル。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の交流型プラズマ
    ディスプレイパネルであって、 前記放電ギャップが前記表示ラインに垂直な方向におい
    て1つ以上の前記非放電ギャップを介して隣接して配置
    され、 前記第1及び第2電極の各前記第2部分は前記第1部分
    の長手方向に垂直な方向に対して前記第1部分を挟んで
    両側に張り出しており、 少なくとも隣接する前記第2部分間の間隙と前記第3電
    極との立体交差点に配置されて前記非放電セルを規定す
    る放電抑止体の複数を更に備え、 各前記放電抑止体の少なくとも前記第3電極に沿った長
    さの全てが同じではないことを特徴とする、交流型プラ
    ズマディスプレイパネル。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の交流型プラズマディス
    プレイパネルであって、 前記放電抑止体は前記第2基板の側に配置されているこ
    とを特徴とする、交流型プラズマディスプレイパネル。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の交流型プラズマディ
    スプレイパネルであって、 前記放電抑止体は前記第1基板の側に配置されており、 前記誘電体は、前記第1及び第2電極の内の少なくとも
    一方を被覆する電極被覆部と、前記放電抑止体を成す凸
    部とを備えることを特徴とする、交流型プラズマディス
    プレイパネル。
  11. 【請求項11】 請求項6乃至10のいずれかに記載の
    交流型プラズマディスプレイパネルであって、 前記隔壁は、隣接する前記第3電極間を区切るように前
    記第3電極の長手方向に沿って配置された複数本の帯状
    の隔壁から成り、 隣接する2本の前記隔壁の間隔の内で各前記放電セルを
    区画する各部分の前記間隔の全てが同じではないことを
    特徴とする、交流型プラズマディスプレイパネル。
  12. 【請求項12】 請求項6乃至11のいずれかに記載の
    交流型プラズマディスプレイパネルであって、 前記第1及び第2電極の各前記第1部分の内で各前記放
    電ギャップを介して対峙する各部分の両エッジ間の間隔
    の全てが同じではないことを特徴とする、交流型プラズ
    マディスプレイパネル。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    交流型プラズマディスプレイパネルを備えることを特徴
    とする、プラズマディスプレイ装置。
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JP2009170120A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Hitachi Ltd プラズマディスプレイパネルおよびそれを用いたプラズマディスプレイ装置

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