JP2001133403A - 半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス分析方法及び装置 - Google Patents

半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス分析方法及び装置

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JP2001133403A
JP2001133403A JP31308999A JP31308999A JP2001133403A JP 2001133403 A JP2001133403 A JP 2001133403A JP 31308999 A JP31308999 A JP 31308999A JP 31308999 A JP31308999 A JP 31308999A JP 2001133403 A JP2001133403 A JP 2001133403A
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gas
multiple reflection
measurement
absorption
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Naonori Go
尚謙 呉
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光干渉ノイズを低減して、高感度の性能を有
する半導体レーザ多重反射吸収分光によるガスの分析方
法と分析装置の提供。 【解決手段】 半導体レーザ光によるガスの多重反射吸
収分光分析で、第1のレーザ光B1が投射される多重反
射サンプルセル7の反射鏡M1ーM2、M3の配置間距離L
(cm)を、多重反射サンプルセル7を通過した吸収ビーム
1Aの吸収スペクトルのS/N比が最大になる最適条件
での2次微分吸収スペクトルの線幅W0と関係して、L
・W0>2.5の式に従って配置して光干渉ノイズを低減
し、更に投射レーザ光の一部を分割して第2の半導体レ
ーザ光B2として、これの2次微分スペクトルを採取し
て、これを多重反射サンプルセル7を通過した吸収ビー
ムB1Aの2次微分吸収スペクトルから差し引き、多重反
射サンプルセル7への光源ノイズを低減せしめた分光分
析方法と、該方法を実施する機構を備えた分光分析装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源に半導体レー
ザ光を用いた分光分析によりガス中の微量不純物成分を
高感度、高精度に分析する方法及び装置に関するもので
ある。特に多重反射サンプルセルを使用して吸収スペク
トルを測定する定量分析で、高感度、高精度なガス分析
を行うのに適した分析方法及びそのデータ処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ガス中の微量不純物を分析する方法とし
て、光源に半導体レーザ光を用いて被測定ガスの吸光度
を測定する分光分析方法は測定精度及び感度が良く、リ
アルタイムの分析が可能であることから広く用いられて
いる。そして、この様な半導体レーザ光を光源とする分
光分析法では、その測定感度を高めるために信号対雑音
比(S/N比)の向上は不可欠である。即ち、信号強度
の増大及びノイズの低減は測定感度や測定精度を高める
ために極めて重要である。光源からのノイズを低減する
ために、例えば、特願平09−091158号にはデュ
アルビーム/デュアルセル測定法が提案されている。そ
して、この方法を用いると、光源からのノイズを略一桁
低減され、その結果数十センチの光路長のサンプルセル
を用いた場合に、ガス中の微量水分を100ppb以下ま
で測定することが可能とされている。
【0003】又、吸収分光分析法の測定感度を更に高め
るために、サンプルセルの光路長を長くすることが最も
有効な方法と考えられている。そこで、サンプルセルの
光路長を長くするため、サンプルセルの中に一組の反射
鏡を配置して、それによって投射光が繰り返し反射され
て(多重反射)、投射光がサンプルセルを通過する光路
長即ち吸収光路長が長くなり、これによって吸収信号の
強度が増大せしめられるものである。そして、ノイズレ
ベルが一定の場合には、測定感度が吸収光路長に比例す
るので、単光路サンプルセルを用いる場合と比較して多
重反射サンプルセルを使用する場合には高感度化が可能
となる。即ち、原理的には吸収光路長を1桁長く伸ばす
と、分析装置の測定感度を10倍高めることができる。
【0004】しがしながら、実際にはレーザ光が極めて
干渉しやすい特性があるので、多重反射方式をサンプル
セルに組み込む場合には、多重反射方式のサンプルセル
の内部で光干渉ノイズが発生することとなる。そして、
この光干渉ノイズは周期性があるもの(正弦波)であ
り、その周期FNは多重反射サンプルセルに配した反射
鏡間の距離Lと関係して次の式で表すことができる。、 干渉ノイズ周期FN = 1/( 4・L) 式中干渉ノイズ周期FNの単位はcm-1で、Lの単位は
cmである。この式から分かるように多重反射サンプル
セルの反射鏡間の距離Lが大きくなると干渉ノイズの周
期FN が小さくなる。また、この干渉ノイズは非常に強
いものであって、これを完全に除去しなければ高感度な
測定は不可能である。
【0005】然るに、従来のデュアルビーム方式の吸収
分光分析法によって、窒素ガス中に188ppbの微量水
分を分析した場合について測定例として図13を参照し
て検討すると以下の通りである。図13は7294cm
-1付近で発振できる従来のDFB(分布帰還型)半導体
レーザ多重反射吸収分光分析装置1の系統概略図を示す
ものである。この従来の多重反射吸収分光分析装置1
は、光源である半導体レーザ2から出た光は集光レンズ
3で集光されて平行ビームB0になり、光アイソレータ
4を通過した後、分割手段であるビームスプリッター5
でレーザ光二分割して、サンプル第1半導体レーザ光
(測定ビーム)B1と第2の半導体レーザ光(光源ノイ
ズキャンセルビーム)B2に分けられる。
【0006】第1半導体レーザ光(測定ビーム)B1
入射方向調整用の反射鏡6に反射された後、多重反射サ
ンプルセル7に投射され、セル内部において反射鏡
1、M2、及びM3で多重反射されて多重反射サンプル
セル7を通過するとともに、その間該サンプルセル7内
にガス導入系統8より被測定ガスGが導入される。そし
て該導入された被測定ガスGに一部の光が吸収されて吸
収ビームB1Aとなって該サンプルセル7から導出され測
定用光検出器9に投入される。そして該測定用光検出器
9でで電気信号に変換され、その電気信号はロックイン
増幅器10に導入される。該器10で導入された電気信
号は2fモードでロックイン検波される。そしてロック
イン検波された信号はA/D変換器11に送信されて該
器でA/D変換されるとともにデジタル信号に換算され
て、コンピュータ12に送信される。
【0007】一方、分割されたもう一方の第2の半導体
レーザ光(光源ノイズキャンセルビーム)B2は、光源
からのノイズの低減や、前記多重反射サンプルセル7外
部の光路中での残留水分の影響を除去するために使用さ
れるもので、直接光源ノイズキャンセル用光検出器13
に投射され、該器13で電気信号に変換された後に、ロ
ックイン増幅器14に導入し該器で導入された電気信号
を2fモードでロックイン検波される。そしてこのロッ
クイン検波された信号はA/D変換器15に送信されて
該器でA/D変換されるとともにデジタル信号に換算さ
れて、コンピュータ12に送信される。
【0008】このようにして、多重反射サンプルセル7
に投射されて導出された吸収ビームB1Aの検出信号をロ
ックイン増幅器10、A/D変換器11を介してコンピ
ュータ12に導入された信号は、第2の半導体レーザ光
(光源ノイズキャンセルビーム)B2を直接検出して電
気信号としてロックイン増幅器14、A/D変換器15
を介してコンピュータ12に送信されて来た信号によっ
て、予め設定して記憶しておいた換算式に従って補償換
算処理され、光源からのノイズの低減や、前記多重反射
サンプルセル7外部の光路中での残留水分の影響を除去
されて、データーとして蓄積される。
【0009】又、半導体レーザ駆動部Zは、半導体レー
ザ2への注入電流(DC成分)及び周波数変調信号(A
C成分)を供給し、レーザ素子の温度も制御する。そし
て、測定にあたっては、レーザ素子温度のコントロール
は、レーザの発振波長を被測定不純物である水蒸気の吸
収線の中心波長の近くまで変化させてからレーザ素子温
度を一定になるように制御する。又一方、レーザ注入電
流のDC成分を変えることによって半導体レーザの発振
波長を一定の間隔で変化させて行き、それぞれの発振波
長での吸収スペクトルを測定する。更に、変調周波数の
2倍波成分をロックイン増幅器10、14で取り出す場
合には2次微分吸収スペクトルで出力せしめる。そし
て、ロックイン増幅器10、14よりの出力信号はそれ
ぞれA/D変換器11、15によって同時にデジタル信
号に変換され、コンピュータ12に入力される。
【0010】図14は実際に測定された、多重反射サン
プルセル7を通過した吸収ビームB 1Aと第2の半導体レ
ーザ光(光源ノイズキャンセルビーム)B2の2次微分
吸収スペクトルである。測定に利用された水分吸収線の
中心波数は7294.136cm-1である。測定条件は
次の通りにして行った。 ・半導体レーザ2の素子温度を11.6℃の一定になる
ように制御した。 ・レーザ注入電流(DC成分)を62mAから0mAま
で0.01mAの電流間隔で変化させた。
【0011】・この測定条件において、半導体レーザ2
の注入電流に対する発振波数の変化率は0.06cm-1
/mAである。注入電流の走査範囲に対応して、半導体
レーザ2の発振波数は、7294.388cm-1から7
293.908cm-1まで0.0006cm-1の波数間隔
で変化させた。 ・変調信号の周波数は4.0kHz、変調振幅は1.0mA
とした。 ・ロックイン増幅器10、14の測定感度は300μ
V、時定数は300msで、参照周波数は変調周波数の
2倍に当たる8.0kHzに設定した。 ・多重反射サンプルセル7の反射鏡M1-M2、M3間の距
離は42cm、投射された第1半導体レーザ光(測定ビ
ーム)B1の光が48回反射され、総吸収光路長が20
mであった。 ・測定時の多重反射サンプルセル7の圧力は、6.66k
Paに一定になるように制御した。 ・又、被測定ガスGは流しながら測定を行い、測定時の
被測定ガスGのガス流量は約500cc/min.とし
た。
【0012】図14中の細線は、多重反射サンプルセル
7に投射した第1半導体レーザ光(測定ビーム)B1
該サンプルセル7を通過して導出された吸収ビームB1A
の測定結果( A/D変換器11の出力信号強度)をプ
ロットした2次微分スペクトルである。太線は第2の半
導体レーザ光(光源ノイズキャンセルビーム)B2の測
定結果( A/D変換器15の出力信号強度)をプロッ
トした2次微分スペクトルである。なお、半導体レーザ
2の光源からのノイズの影響を除去するために、A/D
変換器15の各測定波長毎に出力されたデータに、二つ
のレーザビームであるB1(第1半導体レーザ光である
測定ビーム)とB2(第2の半導体レーザ光である光源
ノイズキャンセルビーム)のパワー比である補正係数を
乗じた後、A/D変換器15からの出力結果をA/D変
換器11の出力結果から差し引いて、被測定ガスG中の
不純物の吸収スペクトルを算出するようになっている。
図15は、[測定ラインの吸収ビームB1AのA/D変換
器11の出力]から[光源ノイズキャンセルラインの光
源ノイズキャンセルビームB2のA/D変換器15から
の出力]を引き算した、2次微分吸収スペクトルを示す
ものである。
【0013】図14から分かるようにサンプルガスGを
測定した吸収ビームB1Aの測定結果と第2の半導体レー
ザ光(光源ノイズキャンセルビーム)B2の測定結果が
大きく違っている。サンプルガスGを測定した吸収ビー
ムB1Aの測定結果には周期的なノイズパターンを含んで
いる。図15に示した引き算された吸収スペクトルの信
号強度にも同様なノイズがあるので、このノイズは光源
からのものでなく、多重反射サンプルセル7の内部にお
いて発生した可能性が高いと思われる。更に図15の一
部を拡大して、その状態を詳しく検討した結果、図16
に図示する如き波形状態を示して、このノイズの周期は
約0.006cm-1であることを判明した。然るに、半
導体レーザ光は単色性が高くて、非常に干渉しやすいも
のである。このノイズがレーザ光の干渉によって生じた
ものと仮定して干渉距離(光路差)を計算した結果、干
渉距離は168cmとなり、この値は多重反射サンプル
セル7の反射鏡間距離の4倍にあたることが判明した。
【0014】又、このノイズの周期が多重反射サンプル
セル7の反射鏡間距離に依存するものであるのか否かに
ついて確認するため、更に次のような実験を行った。実
験装置の構成は図13と殆ど同じで、多重反射サンプル
セル7に配置する反射鏡M1ーM2、M3間の距離を先の
42cmに代えて、反射鏡M1ーM2、M3間の距離を8
0cmに配置した多重反射サンプルセル7を使用して、
同様な測定条件で実験した。その結果、反射鏡M1
2、M3間の距離が80cmの多重反射サンプルセル7
を使用した場合には周期が0.05mA(0.003cm
ー1)であるノイズパターンが見られた。即ち、反射鏡
1ーM2、M3間の距離が長い場合にはノイズの周期が
小さくなる。逆に反射鏡M1ーM2、M3間の距離が短い
場合にはノイズの周期が大きくなる。従って、このノイ
ズは多重反射サンプルセル7に投射された第1半導体レ
ーザ光(測定ビーム)B1が、セル内部での多重反射で
このビーム光が干渉して発生した干渉ノイズと断定でき
る。しかもノイズの周期は多重反射サンプルセル7内に
配置する反射鏡M1ーM2、M3間の距離の4倍の逆数に
比例することが判明した。このようなことより、多重反
射サンプルセルを使用する場合には、投射されるビーム
光の干渉ノイズが非常に強くて、これを完全に除去しな
ければ高感度な測定が困難であることが確認し得た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】光干渉ノイズは周期性
があるものであるので、この性質を利用して周期性ノイ
ズは周期の整数倍の範囲でデータを平均すれば、完全に
除去することが可能である。しかしながら、測定データ
が移動平均処理された場合には光干渉ノイズが小さくな
るのみならず、吸収信号も小さくなる。特に干渉ノイズ
の周期と吸収線の幅が同程度であるときに移動平均処理
によるS/N比の向上が限定的である。高感度の測定を
実現するために、半導体レーザの特性、吸収線幅と圧力
の関係及び最適変調条件などを考慮した上、干渉ノイズ
の周期と吸収線の幅を分離させる目的で多重反射サンプ
ルセルを選択して使用する必要がある。また、このため
には適切な測定方法とデータ処理方法が不可欠であるこ
とは勿論である。
【0016】かくして、半導体レーザを測定光源として
多重反射吸収分光法でガス中の微量不純物、例えば水分
を定量分析する場合には、周期が多重反射サンプルセル
の反射鏡間距離に依存する強い光干渉ノイズが発生し、
それにより測定感度を大きく低下させた。本発明は、こ
の様な問題を解決し、高感度の測定を実現できる測定方
法及び装置を提供することを解決すべき課題とするもの
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来
の不都合を解消し、課題を解決すべくなされたもので、
請求項1に係わる発明は、半導体レーザ光を使用した
多重反射式分光分析方法を用いたガスの吸収分光分析方
法において、多重反射サンプルセル内のガス圧力及び半
導体レーザ発振の変調振幅MAの最適値を調整した後、
該最適値条件で2次微分吸収スペクトルを測定して得ら
れる線幅WO(cm-1)及び多重反射サンプルセルに配
設する反射鏡間距離L(cm)との関係が、 L・WO > 2.5 の式を満足している状態にして、吸収分光分析すること
を特徴とする半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス
分析方法としたものである。請求項2に係わる発明は、
2次微分吸収スペクトルを、その測定時の波長間隔(波
数間隔)Δλが、以下の式 Δλ ≦ 1/( 16・L) になるようにして、分光分析することを特徴とする請求
項1記載の半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス分
析方法としたものである。請求項3に係わる発明は、2
次微分吸収スペクトルは多段移動平均処理で平滑化処理
されて、光干渉ノイズを低減せしめていることを特徴と
する請求項1又は2記載の半導体レーザ多重反射吸収分
光によるガス分析方法としたものである。請求項4に係
わる発明は、前記多段移動平均処理は、第n段目の移動
平均の幅を、n/( 4・L)の値に一番近いデータポ
イント数に指定することを特徴とする請求項3記載のガ
スの半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス分析方法
としたものである。
【0018】請求項5に係わる発明は、 波長が可変な
半導体レーザ光を発振する半導体レーザと、発振したレ
ーザ光を3分割するビームスプリッタを備えてなり、そ
の第1の分割ビームを、被測定用ガスの測定用多重反射
サンプルセルを経て測定用光検出器で受光せしめる光路
よりなるサンプル測定ラインと、第2の分割ビームが直
接キャンセル用光検出器で受光せしめる光路よりなる光
源ノイズキャンセルラインと、更に第3の分割ビーム
が、測定の最適条件を求めるための既知濃度の参照ガス
が導入される参照セルを経て参照用光検出器で受光せし
める光路よりなる参照ラインとを備えてなり、かつ前記
各ラインに備えた前記各光検出器よりのそれぞれの出力
を2次微分吸収スペクトルとして採取する手段を備えて
なる分光分析装置であって、前記多重反射サンプルセル
の反射鏡間の距離L(cm)が、採取する2次微分吸収
スペクトルのS/N比が最大になる2次微分吸収スペク
トルの線幅WO(cm-1)と関連して、以下の式、 L・W0 >2.5 に従って配設されてなることを特徴とする半導体レーザ
多重反射吸収分光によるガス分析装置としたものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、半導体レーザ光を光源
とした多重反射式分光分析法によってガス中の不純物を
分析するガスの吸収分光分析方法であって、光源である
半導体レーザから発振されるレーザ光を三分割し、その
三分割した第1の半導体レーザ光を、ガス測定用の多重
反射サンプルセルに投射し、該セルを通過した後の光を
測定用光検出器で測定するサンプル測定ラインと、又三
分割した第2の半導体レーザ光を、光源ノイズキャンセ
ル用光検出器に投射し、光ノイズを測定する光源ノイズ
キャンセルラインと、更に三分割した第3の半導体レー
ザ光を、参照セルに投射し、該参照セルを通過した後の
光を参照用光検出器で測定する参照ラインとに、それぞ
れ光路を分割するようにしたものである。
【0020】そして、前記サンプル測定ラインと参照ラ
インの検出出力結果に含まれている光源ノイズ、及びサ
ンプルセル外の光路中にある被測定不純物の吸収による
信号を光源ノイズキャンセルラインの検出出力結果を用
いて除去するとともに、参照セル内に既知の一定濃度の
被測定ガスを導入して、吸収信号測定結果のS/N比が
最大になるように圧力及び変調振幅MAを最適値に調整
をして、これを設定した後、該最適値条件で2次微分吸
収スペクトルを測定して得られる線幅 W0(cm-1
と、測定用多重反射サンプルセルの反射鏡間距離 L
(cm)との関係が、以下の式 L・W0 > 2.5 を満足している状態にして分光分析するようにした半導
体レーザ多重反射吸収分光によるガス分析方法としたも
のである。
【0021】[装置の構成]図1は本発明の半導体レー
ザ多重反射吸収分光分析装置51の系統略図である。な
お、図1において図13で図示した従来の多重反射吸収
分光分析装置1と共通する構成部は、図13と同一符号
を付して、詳細な説明は省略する。本発明の多重反射吸
収分光分析装置51が、図13に図示した従来の多重反
射吸収分光分析装置1と相違するところは、半導体レー
ザ2で発振させたレーザ光ビームは、集光レンズ3で集
光されて平行ビームB0になってから、光アイソレータ
4を通した後、従来の多重反射吸収分光分析装置1では
平行ビームB0はビームスプリッター5で二分割して、
多重反射サンプルセル7に投射する第1半導体レーザ光
(測定ビーム)B1と、直接光源ノイズキャンセル用光
検出器13に投射してノイズを検出せしめる第2の半導
体レーザ光(光源ノイズキャンセルビーム)B2とに分
割していたのを、本発明の多重反射吸収分光分析装置5
1では、平行ビームB0を3分割して、上記第1半導体
レーザ光(測定ビーム)B1、第2の半導体レーザ光
(光源ノイズキャンセルビーム)B2と、その上更にビ
ームスプリッター52で分割して、参照ガスG0が導入
されている参照セル53に投射せしめる第3の半導体レ
ーザ光(参照ビーム)B3を形成せしめている点であ
る。
【0022】本発明の多重反射吸収分光分析装置51
を、図1を参照して説明すると、半導体レーザ2より出
た光は、集光レンズ3、光アイソレータ4を経て平行ビ
ームB 0となり、この平行ビームB0はビームスプリッタ
ー52でその1部を第3の半導体レーザ光(参照ビー
ム)B3として分割せしめ、該第3の半導体レーザ光
(参照ビーム)B3は、既知濃度のガスG0が封入されて
いる参照セル53に投射され、そして該参照セル53を
通過せしめてから参照用光検出器54に入る。該器54
で電気信号に変換され、更にロックイン増幅器55で2
fモードでロックイン検波された後、その出力をA/D
変換器56でデジタル信号に換算してコンピュータ12
に入力されて蓄積される参照ラインを形成している。
【0023】又、上記ビームスプリッター52を透過し
た平行ビーム(B0ーB3)は、更にビームスプリッター
5によって、第1の半導体レーザ光(測定ビーム)B1
と第2の半導体レーザ光(光源ノイズキャンセルビー
ム)B2と2分割される。そして、第1半導体レーザ光
(測定ビーム)B1は反射鏡6を経て多重反射サンプル
セル7に投射され、該セル7内部において多重反射され
て該セル7を通過し一部のビームが吸収された吸収ビー
ムB1Aとなって測定用光検出器9に入るサンプル測定ラ
インを形成している。他方ビームスプリッター5で反射
されたビームは直接に光源ノイズキャンセル用光検出器
13に入り、光源からのノイズの低減や、サンプルセル
外部光路中の残留水分シグナルの影響を除去するために
使用する光源ノイズキャンセルラインを形成している。
そして、測定用光検出器9や、光源ノイズキャンセル用
光検出器13に入ったレーザ光は、電気信号に変換され
てから、それぞれロックイン増幅器10、14に入れて
2fモードでロックイン検波される。ロックイン増幅器
10、14の出力をそれぞれA/D変換器15、16、
17に入れてデジタル信号に換算されてからコンピュー
タに蓄積される。
【0024】なお、半導体レーザ駆動部Zは、コンピュ
ータ12に設定記憶せしめた運転条件の指令に従って駆
動され、レーザを周波数変調するためのAC成分電流信
号、レーザを発振させる為のDC成分電流信号を含む半
導体レーザ発振電源Zaと半導体レーザの温度を一定温
度に制御する温度制御器Zb及よりなっている。
【0025】一方、多重反射サンプルセル7に被測定ガ
スGを導入したり、参照セル53に測定の最適条件を得
るために既知濃度の参照ガスG0を導入するために、例
えば以下のようなガス導入系統8が多重反射サンプルセ
ル7及び参照セル53に付設されている。即ち、被測定
ガスG源及び参照ガスG0源がマスフローコントローラ
の如き流量調整器57が配されたガス導入管路T0に連
結され、該ガス導入管路T0は管路T1と管路T2とに分
割され、管路T1は弁58を介して多重反射サンプルセ
ル7に連結している。そして、多重反射サンプルセル7
に連結された管路T3が弁59、流量調整弁60を介し
て真空ポンプ61に連設されて被測定ガス供給系統を形
成している。なお、62は弁59と流量調整弁60との
間の管路T3に配設した圧力計である。
【0026】又、分割された他方の管路T2は弁63を
介して参照セル53に連結し、そして更に該参照セル5
3に連結している管路T4により弁64を介して、前記
被測定ガス供給系統の管路T3に、該管路T3に配設した
弁59と流量調整弁60との間でに合流するよう連結し
て、参照ガス供給系統を形成している。
【0027】上記したガス導入系統は以下の如き状態で
操作される。なお、測定は多重反射サンプルセル7及び
参照セル53のいずれも、ガスを減圧状態にして流通せ
しめながら行うものである。例えば、参照セル53を使
って測定条件を最適化する時には、ガス導入管路T 0
参照ガスG0源を連設せしめて、弁58、弁59を閉
め、弁63、弁64及び流量調整弁60を開ける。真空
ポンプ61を駆動し、排気しながら、マスフローコント
ローラの流量調整器57から一定流量で、一定既知濃度
の参照ガスG0を参照セル53に管路T2を介して導入す
るとともに、流量調整弁60と圧力計62とを使って参
照セル53の圧力を調整する。
【0028】又、被測定ガスGを測定する時には、ガス
導入管路T0に被測定ガスG源を連設せしめて、弁6
3、弁64を閉め、弁58、弁59及び流量調整弁60
を開ける。真空ポンプ61を駆動し、排気しながら、マ
スフローコントローラの流量調整器57から一定流量
で、被測定ガスGを多重反射サンプルセル7に管路T1
を介して導入するとともに、流量調整弁60と圧力計6
2とを使って多重反射サンプルセル7の圧力を調整す
る。なお、被測定ガスGの測定不純物が水分で大気成分
である場合は、大気中水分の影響を遮断するため、全て
の光学部品を一つのパージボックスに入れて窒素でパー
ジすると良い。
【0029】[周波数変調法と2次微分スペクトルの測
定]半導体レーザは半導体レーザ駆動部Zを駆動して発
振せしめるが、本発明で使用する周波数変調法による測
定法では、周波数変調法で半導体レーザ2に注入される
電流iは、 i=I0 + a・sin(ωt) -------- (1) であって、交流成分(変調信号)であり、aは変調振幅
(変調信号の振幅)、ωは変調角周波数であり、tは時
間である。このような周波数変調によりレーザ光の周波
数(波長)は変調されないときの周波数(DC成分I0
ときの中心波長)を中心として一定幅で周期的に変化す
る。
【0030】周波数変調された第1半導体レーザ光(測
定ビーム)B1が多重サンプルセル7を通過するときに
被測定ガスGの吸収によって減衰された後、測定用光検
出器9に入って光電変換される。測定用光検出器9の出
力信号の中から、変調周波数の2倍の周波数成分をロッ
クイン増幅器10で取り出せば、2次微分吸収スペクト
ル信号を測定できる。更に半導体レーザ注入電流のDC
成分I0を変化させて行けば、I0に対応する波長域の2
次微分吸収スペクトルを測定できる。周波数変調法を利
用する最大の利点は被測定ガスGの吸収によって減衰さ
れた吸収ビームB1Aを最大限に増幅させて高いS/N比
を得ることができることである。周波数変調法で測定さ
れる一般的な2次微分吸収スペクトルの例としては、図
2に示す図である。
【0031】即ち、吸収スペクトル信号は、図2に図示
する如く半導体レーザの波長における光吸収の2次微分
値のスペクトルで表示される。横軸に吸収ビームB1A
発振波長(波数)を示し、縦軸に光吸収強度の2次微分
値を示しているが、本発明では、前記図2において、2
次微分吸収スペクトルの吸収信号強度IaをISL(立ち上
がり強度)及びISR(下降強度)の平均値とした。即ち、 Ia=(ISL+ISR)/2 -------- (2) とした。又、左右ピークの極小値間の波長間隔Wを2次
微分吸収スペクトルの線幅とした。
【0032】更に、測定された2次微分吸収スペクトル
のS/N比を計算するにあたっては、吸収信号強度Ia
とバックグランドノイズレベルとの比をS/N比とし
た。吸収スペクトル線の両側のそれぞれにおいて、線幅
Wに相当する波長域(図2の波長範囲m、n)にあるデ
ータの標準偏差をそれぞれ計算し、更にこの二つの標準
偏差値の平均を求めてバックグランドノイズレベルとし
た。実際にこの方法で前記した図15のスペクトルデー
タについて計算した結果、 S/N=2.3÷1.3=1.8 となった。
【0033】[測定条件の最適化]測定感度を高めるた
めには、測定条件の最適化によるS/N比を向上せしめ
ることが必要である。本発明では、半導体レーザ素子が
選定されてから、参照セル53中の参照ガスG0の濃度
が一定の時には、周波数変調法で測定された2次微分吸
収スペクトルのS/N比は、主として測定条件である参
照セル53内の圧力と周波数変調の変調振幅aに依存す
る。従って、参照セル53の圧力と周波数変調の変調振
幅aをそれぞれ一定の間隔で変化させ、各測定条件を組
み合わせて2次微分吸収スペクトルを測定し、S/N比
を求める。そしてこの計算によって求められたS/N比
が、最大値となった条件に対応する参照セル53の圧力
と変調振幅が最適測定条件とするものである。又、この
最適条件で測定して得られた2次微分吸収スペクトルの
線幅をWOとした。
【0034】[光干渉ノイズ周期と反射鏡間距離の関
係]半導体レーザ光は単色性が非常に優れている。そし
て本発明に使用される半導体レーザ2の発振線幅が約1
0MHz程度であり、それに相当する可干渉長は数百メー
トルにおよぶものである。即ち、この半導体レーザ2か
ら出たビームは数百メートルを飛んでも可干渉性があ
り、干渉ノイズを発生せしめることができる。そこで、
多重反射サンプルセル7内部で発生する光干渉ノイズの
原因について、図3の如き多重反射サンプルセル7のモ
デルに基づいて解明し、その対応について検討した。
【0035】図3は多重反射サンプルセル内の投射光の
多重反射機構を説明する概略図である。そして、図3の
(a)は多重反射サンプルセル7内の反射鏡の配置と光路
を示すものであり、図3の(b)は視野(Field)反射鏡に
おいて反射回数と反射点の対応関係を示す。一般的に、
多重反射サンプルセル7は光入射側に視野(Field)反
射鏡M1を1枚及びそれと一定の間隔で離れて並列する
左右2枚の対物(Object)反射鏡M2、M3から構成され
ている。Field反射鏡とObject反射鏡の間の空間間隔を
反射鏡間距離Lとすると、通常、光源である半導体レー
ザ2からの第1半導体レーザ光(測定ビーム)B1が、
多重反射サンプルセル7内で何らかの原因により二つの
ビームに分けられ、そして、この二つのビームが測定用
光検出器9までの飛ぶ距離が一致しないで光路に差を生
じた場合に、干渉現象が発生する。二つビームの方向の
違いを無視できる場合には発生された干渉ノイズの周期
Nと光路差との間に次の関係が成り立つ。 干渉ノイズ周期 FN=1/光路差 =1/4L ------- (3) 式中、干渉ノイズの周期の単位はcm-1で、光路差の単
位はcmである。実際に上記式で計算した結果、何れの
場合においても光路差が多重反射サンプルセル7の反射
鏡間距離Lの4倍になることが確認された。
【0036】これを図3の(b)を参照して説明すると容
易に理解できる。多重反射サンプルセル7の多重反射回
数は36回に設定されおり、図中の数値はField反射鏡
1での多重反射の回数番を示しており、0は入射光、
36は出射光である。32回目の反射点に行く光が出射
光36とほぼ同一方向へ飛び、32回目の反射点への入
射光の一部がObject反射鏡M3からはみ出して、出射光
36と干渉する可能性が最も高い。その場合、光路差が
多重反射サンプルセル7の反射鏡間距離Lの4倍にな
る。干渉ノイズの特徴は周期的に変わる正弦波である。
その周期は多重反射サンプルセル7の反射鏡間距離Lに
反比例する。逆に反射鏡間距離Lを調整することによっ
て干渉ノイズの周期FNをコントロールすることも可能
である。本発明では、これらの特徴を利用したものであ
る。
【0037】[スペクトル測定と波長変化量]実際に、
吸収スペクトルを測定する時には、レーザの第1半導体
レーザ光(測定ビーム)B1の波長を変化走査させなが
ら、出力電気信号を測定する必要がある。ステップ毎の
変化量を波長変化量という。この波長変化量を、又波長
ステップ、波長の増分などともいう。本発明では、測定
感度を高めるために干渉ノイズの周期性を利用して測定
データの平均値を取ることによってノイズを除去するも
のであり、干渉ノイズを有するスペクトルを正しく測定
するため、吸収スペクトルを測定する時に、前記波長変
化量を小さくするよう定めたものである。そして、これ
により一定の波長域でスペクトルを測定するにあたって
は、波長変化量が小さいほど、測定ポイント数が多く
て、測定された波形が本来の形に近いものとなり、デー
タ処理した時にS/N比を向上させることができる。
【0038】図4、図5は多重反射サンプルセル反射鏡
間距離を42cmに設定した場合に、波長変化量を変え
て測定した吸収スペクトル図の変化を示すものである。
そのうち図4は吸収信号と干渉ノイズをより広い範囲
で、掃引波長変化量を変えるとともに、測定ポイントを
変えた場合の測定採取した吸収スペクトル図の変化を示
したものである。即ち、図4は波数7294.136c
ー1を中心にして、 (i)0.0006cmー1ステップ、ノイズ1周期当た
り10ポイントを測定。 (ii)0.003cmー1ステップ、ノイズ1周期当たり
2ポイントを測定。 (iii)0.006cmー1ステップ、ノイズ1周期当た
り1ポイントを測定。 (iv)0.012cmー1ステップ、ノイズ1周期当たり
0.5ポイントを測定。 の4種類の測定態様によって吸収スペクトルを測定した
ものである。なお、これら(i)乃至(iv)で測定され
たスペクトルの波長範囲はいずれも同じである。
【0039】又、図5は干渉ノイズのみを狭い範囲で掃
引波長変化量の差異による吸収スペクトル図の変化を測
定した結果である。その測定条件を、 (i)ノイズ1周期当たり10ポイントを測定。 (ii)ノイズ1周期当たり5ポイントを測定。 (iii)ノイズ1周期当たり2.5ポイントを測定。 (iv)ノイズ1周期当たり1.25ポイントを測定。 と4種類の測定態様で行った。なお、これら(i)乃至
(iv)で測定されたスペクトルの波長範囲はいずれも同
じである。これらの実験結果から、測定する波長ステッ
プが小さい程データポイントの数が多くなり、測定され
るスペクトルの本来の姿に近くなる。そして、ノイズ1
周期当たりに最低でもデータとして4ポイントを測定す
る必要があることが確認された。
【0040】[移動平均処理による吸収信号の変化]多
重反射レーザ吸収分光分析法でガス中不純物の吸収スペ
クトルを測定する時に、吸収信号と干渉ノイズが同時に
測定される。本発明では、測定データを移動平均処理す
ることによって干渉ノイズを低減し、測定結果のS/N
比を向上させる。しかしながら、移動平均処理が吸収信
号に対して無影響ではない。そこで移動平均処理された
吸収信号強度の変化について検討した。
【0041】図6は2次微分吸収スペクトルが移動平均
処理された吸収信号の変化を示しているものである。同
様な吸収信号に対して移動平均の幅WT(多段移動平均
の場合にはその最大幅となる)が大きくなると、データ
処理された結果の信号強度が小さくなる。更にこの結果
を一般化して図7に示した。即ち図7は、移動平均(移
動平均の幅WTに対する2次微分吸収スペクトル線幅WO
の割合)による吸収信号の強度の変化を示す図であり、
縦軸は処理する前の信号強度に対して処理後の信号強度
の変化を割合(%)で示したものであり、横軸は移動平
均の幅WTに対する2次微分吸収スペクトル線幅WOの割
合(倍数)である。図7から分かるように2次微分吸収
スペクトル線幅が移動平均幅10倍以上の場合には、信
号強度が緩やかに減少している。それに対してその倍数
が10倍以下になると、データ処理された結果の信号強
度が急激に小さくなり、10倍は一つの境界値である。
即ち、移動平均処理による信号強度の減少をできる限り
小さくするには、以下の式(4)の如き、移動平均の幅
Tに対する2次微分吸収スペクトル線幅WOの関係が必
要である。 WO/WT>10 -------- (4)
【0042】[移動平均による干渉ノイズの除去]次に
移動平均による干渉ノイズの除去について検討した。図
8は信号強度(振幅)が1、相対波数の周期が20ポイ
ントの正弦波及びそれを移動平均処理された状態の変化
による信号強度(振幅)の変化を示したものである。各
波形にに付した数値は移動平均の幅WTを示す。例え
ば、波形7は信号強度(振幅)が1、相対波数の周期が
20ポイントの正弦波を7ポイントの移動平均の幅WT
で処理されたものである。図8から分かるように移動平
均の幅WTが大きくなると正弦波の信号強度の振幅が小
さくなり、移動平均の幅WTが正弦波である相対波数の
周期である20ポイントを超えると、その信号強度(振
幅)のピークはマイナス方向に反転する。
【0043】そこで、正弦波を干渉ノイズと見なして、
図8を更に一般化したものを図9に示す。図9は、移動
平均処理(干渉ノイズの周期FNに対する移動平均の幅
Tの割合)に伴う干渉ノイズの信号強度(振幅)の変
化を示す図であり、縦軸は移動平均された干渉ノイズ信
号強度(振幅)の変化であり、横軸は干渉ノイズの周期
Nに対する移動平均の幅WTの割合である。明らかに、
移動平均の幅WTが干渉ノイズ周期FNの整数倍になる時
に、移動平均処理によって干渉ノイズの信号強度(振
幅)の変化は0%となり、完全に除去できることが確認
された。即ち、 WT/FN =n ------ (5) (ただし、n=1、2、3、------整数)
【0044】以上のようにして、多重反射サンプルセル
7を使用して、干渉ノイズの影響を少なくして、測定を
で行うにための最適条件は、前記式(3)、(4)、及
び(5)から、反射鏡間距離Lと2次微分スペクトルの
線幅WOと関係で、 WO>10n/(4L)=2.5n/L (ただしn=
1、2、------整数) 表示し得る。そしてnを、n=1と最小な整数値をとっ
て、結局以下の式(6)で表示される条件が満足し得る
最適条件となる。 WO・L>2.5 ------ (6)
【0045】[最適な測定波長間隔の選定]多重反射サ
ンプルセルを用いて最適な吸収分光分析を実施するに
は、多重反射サンプルセル7に配設する反射鏡M1−M
2、M3間の距離Lを適切に選択して干渉ノイズの周期
をコントロールするだけでなく、発生した干渉ノイズを
正しく測定することも極めて重要である。従って、スペ
クトルを測定する時、充分適切な波長間隔(波数間隔)
△λで掃引する必要がある。そこで、正弦波一周期の変
化を考えてみると、プラスのピークとマイナスのピーク
があるので、一周期の変化を表現するために、等間隔4
ポイント以上のデータが必要不可欠である。更に干渉ノ
イズの周期が1/(4L)であることを考慮すると、波
長間隔(波数間隔)△λは、 △λ ≦ (1/4L)/4 =1/(16・L)-------(7) に従って掃引することが好ましい。
【0046】[多段移動平均処理による平滑化処理]干
渉ノイズの低減は、前記移動平均による干渉ノズルの項
で図8及び図9を参照して説明した通り干渉ノイズの周
期性を利用して移動平均処理することにより可能であ
る。即ち、移動平均の幅WTと干渉ノイズの周期FNが近
ければ近いほど干渉ノイズの除去効果が大きい。更に、
移動平均の幅WTと干渉ノイズの周期FNが完全に一致す
れば、干渉ノイズは100%除去することができる。即
ち、式(3)と式(5)の関係から、 WT/FN=WT/[1/(4・L)]=n WT=n/(4・L) ------------- (8) (ただし、n=1、2、3、------整数) を満足するようにすればよい。
【0047】然るに、かかる関係で移動平均の幅WT
干渉ノイズの周期FNを完全に一致させること、即ちWT
/FN=1を満足させることは、極めて困難である。そ
こで前記n、即ち移動平均をn段の多段で繰り返して行
うことにより、最大限に干渉ノイズを低減することがで
きる。そして、この場合、この多段移動平均処理におい
て、n段目の移動平均の幅WTをn/(4・L)に一番
近いデータポイント数に指定することにより干渉ノズル
を最小にすることができる。
【0048】
【実施例】以下に本発明の半導体レーザ多重反射吸収分
光による分析方法の実施例について説明する。図1に図
示した本発明の多重反射吸収分光分析装置51を用いて
窒素中の微量水分の測定を行った。
【0049】<測定装置の構成>使用した本発明の多重
反射吸収分光分析装置51の仕様諸元は次の通りであ
る。 ・光源である半導体レーザ2は7294cm-1帯のDF
Bレーザを使用した。 ・7294.136cm-1
ある水分の吸収線を用いて定量分析を行った。 ・光アイソレータ4は、7294cm-1付近において4
5dB以上のアイソレーションを有するものを使用した。 ・レーザ光分割手段であるビームスプリッター52の透
過対反射の比率は80%:20%で、ビームスプリッタ
ー5の透過対反射の比率は75%:25%である。これ
らには、使用する波長帯において反射防止膜コーティン
グが施されている。 ・多重反射サンプルセル7は、ステンレス製でブリュス
ター角の窓部を有している。 ・参照セル53は、ステンレス製で、光路長が50cm
でブリュスター角の窓を持つ。
【0050】・全ての光検出器9、13、54は、電流
−電圧変換型のプリアンプ付きのGeフォトダイオード
を使用した。変換ゲインが約103V/A、測定可能な
周波数範囲がDC〜10kHzである。 ・実際に測定するときは、レーザの注入電流に4kHz
の正弦波(sin波)を加えて直接周波数変調を掛け、
2f成分である8kHzの信号をロックイン増幅器1
0、14、55で抽出した。
【0051】<測定条件の最適化>測定に先立って、装
置の測定操作の最適条件を定め設定した。参照ラインと
光源ノイズキャンセルラインを使用して測定条件の最適
化及び多重反射サンプルセル7の反射鏡間距離Lを選定
する。 (イ)弁58,弁59を閉状態にし、弁63、弁64を
開状態にするとともに真空ポンプ61を駆動して、流量
調整器57で流量を調整しながら、参照セル53に、参
照ガスG0源より管T0、管T2を介して、400sccmの
流量で5ppmの水分含有窒素ガスを流す。 (ロ)参照セル53内の圧力を3.33〜26.66kPa
まで3.33kPaづつ圧力を変化させて、それぞれの圧
力において、半導体レーザ駆動部Zの半導体レーザ発振
電源Zaを駆動し、変調振幅を0.03cm-1〜0.24
cm-1まで0.03cm-1づつ変化させて半導体レーザ
の第3の半導体レーザ光(参照ビーム)B 3を参照セル
53に投射し、参照用光検出器54、ロックイン増幅器
55を介して2次微分スペクトルを測定する。同様に光
源ノイズキャンセルラインにも半導体レーザの第2の半
導体レーザ光(光源ノイズキャンセルビーム)B1を光
源ノイズキャンセル用光検出器13に投射する。このと
き半導体レーザの温度は一定となるように温度制御器Z
bで制御して、レーザへの注入電流をコントロールして
7294.136cm-1に中心がある水分の吸収線を、
0.0006cm-1のステップで掃引する。
【0052】(ハ)参照セルライン及び光源ノイズキャ
ンセルライン、2つのラインで、それぞれ参照用光検出
器54、光源ノイズキャンセル用光検出器13によって
検出された結果をそれぞれのロックイン増幅器55、1
4から出力し、これをA/D変換器56、15で同時に
A/D変換させる。 (ニ)これらの信号はコンピュータ12に送信される。
そして、該コンピュータ12で、該器12に予め設定記
憶されている演算式により、光源ノイズキャンセルライ
ンの測定結果に補正係数(レーザ光分配率)をかけ算し
た後、参照ラインの測定結果から前記の補正された光源
ノイズキャンセルラインの測定結果を差し引く。これ
を、それぞれの測定条件において10回ずつ測定してそ
の平均スペクトルを得る。 (ホ)この得られた平均スペクトルのデータに基づき、
それぞれの測定条件で測定された2次微分吸収スペクト
ルのS/N比を求める。上記方法により計算されたS/
N比値を用いて、横軸に参照セルの圧力、縦軸に変調振
幅を目盛り付けして、S/N比等高線図を図10に図示
した。
【0053】(ヘ)その結果に基づき最適な測定条件を
見出す。 ・図10により、最適なセル内の圧力が約13.33k
Pa、変調振幅が0.12cm-1の時S/N=55と最大
となり、最適な測定条件となる。 ・この条件で測定された2次微分吸収スペクトルの線幅
0が約0.108cm-1であった。 ・従って、多重反射サンプルセル7の最短反射鏡間距離
Lは、式(6)の W0・L>2.5 を使用して計算し、L>23.15cmとなった。本実
施例では、反射鏡間距離Lが42cmの多重反射サンプ
ルセル7を使用した。セルの反射回数を48回に設定し
て、それに対応する総吸収光路長は20mとした。
【0054】<スペクトル測定>上記した、最適な測定
条件を使って吸収スペクトル測定を行った。 (い)弁63、弁64を閉状態にし、弁58、弁59を
開状態にするとともに真空ポンプ61を駆動して、流量
調整器57で流量を調整しながら、多重反射サンプルセ
ル7に、被測定ガスG源より管T0、管T1を介して、4
00sccmの流量で水分を含有する被測定ガスGを流す。 (ろ)多重反射サンプルセル7内の圧力を上記最適条件
の設定に従って、13.33kPaに維持するよう制御し
た。 (は)このような状態を保持した多重反射サンプルセル
7に第1半導体レーザ光(測定ビーム)B1を、半導体
レーザ駆動部Zを駆動して、以下の状態にして投射し
た。 ・半導体レーザ2の素子温度が11.6℃と一定になる
ように制御され、半導体レーザ2の発振波数を729
4.388cm-1から7293.908cm-1まで、上記
式(7)の△λ ≦ 1/(16・L)に従って、これに
反射鏡間距離L=42を代入して、△λ ≦0.0014
9より、0.0006cm-1の波数間隔で変化せしめ
た。この波数間隔は干渉ノイズの1周期に当たり10ポ
イントを測定することになる。 ・ロックイン増幅器の測定感度は300μV、時定数は
300msで、参照周波数は変調周波数の2倍に当たる
8.0kHzに設定した。
【0055】<データ処理方法>半導体レーザ2のレー
ザ光からのノイズの影響を除去するため、A/D変換器
11の各測定波長毎に出力されたデータに、第1半導体
レーザ光(測定ビーム)と第2の半導体レーザ光(光源
ノイズキャンセルビーム)B2との二つレーザビームの
パワー比である補正係数を乗じた後、A/D変換器11
の出力結果からA/D変換器15の出力結果を差し引い
て、被測定ガス中の不純物の吸収スペクトルを算出する
ようになっている。第1半導体レーザ光(測定ビーム)
1と第2の半導体レーザ光(光源ノイズキャンセルビ
ーム)B2の光検出器に入射する光パワーの比が1.67
: 1.0であるため、補正係数を1.67とした。
【0056】又、この場合、多重反射サンプルセル7内
部で発生した光干渉ノイズの周期は0.006cm-1
ある。この干渉ノイズを除去するために多段移動平均処
理を行った。初段移動平均の幅を10ポイント、2段の
移動平均幅を20ポイント、以下移動平均幅の増分を順
次10ポイントずつ増量して、6段での移動平均幅を6
0ポイントとして6段まで行った。
【0057】<測定結果>図11は本発明に示した方法
で測定した結果であり、窒素ガス中微量水分濃度を4〜
57ppbに変化させたときに測定した2次微分吸収スペ
クトルである。従来法より大幅な測定感度の向上を図る
ことができた。図12は前記図11のデータに基づいて
作成した、水分濃度に対する信号強度の検量線であり、
良い直線性が得られていることが確認された。
【0058】
【発明の効果】本発明は上記した如き形態で実施され、
以下の如き効果を奏する。使用する所定の波長の光を半
導体レーザ光を用いたので、その分光波長の光が極めて
精密に分光し得て、被測定ガス中の不純物に適応した吸
収スペクトルを的確に採取することができる。その結
果、所望する不純物の分析を精確に行うことができる。
【0059】そして、分析に当たって使用する半導体レ
ーザー光を、第1半導体レーザ光(測定ビーム)、第2
の半導体レーザ光(光源ノイズキャンセルビーム)、及
び第3の半導体レーザ光(参照ビーム)と3分割して投
射するようにして、第3の半導体レーザ光(参照ビー
ム)を参照ラインに投射して、予め測定にあたってのS
/N比が最大になる最適条件を求め、これに基づいて、
多重反射サンプルセルの反射鏡間の距離Lを、前記最適
条件の選択時に得られる2次微分吸収スペクトルの線幅
Oと関連して、L・WO>2.5になるように設定した
ので、測定時の干渉ノイズを極めて小さく低減し得て高
感度の分析が可能となった。
【0060】又、上記2次微分吸収スペクトルの波長間
隔幅(波数間隔)△λを、前記多重反射サンプルセルの
反射鏡間距離Lと関連して、△λ ≦ 1/(16・L)
になるようにしたので、採取される2次微分吸収スペク
トルの干渉ノイズをより一層低減せしめることができ
る。その上、前記分割した第2の半導体レーザ光(光源
ノイズキャンセルビーム)により、投射使用される半導
体ビームに、投射光路で侵入して同伴されるノイズを、
多重反射サンプルセルを透過してくる吸収ビームより差
し引くようにしたので、より一層ノイズが減少して分析
精度を著しく向上せしめることができる。
【0061】更に、吸収スペクトルの採取に当たって
は、多重反射サンプルセルを透過してきた吸収ビームを
2次微分吸収スペクトルとして採取するとともに、これ
を多段移動平均化で平滑化処理し、かつ第n段目の移動
平均の幅をn/(4L)の値に一番近いデータポイント
数に指定するようにしたので、干渉ノイズを更に低減す
ることがで、微量の不純物を精度良く高感度で分析する
ことができるきる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分布帰還型半導体レーザ多重反射吸
収分光分析装置の系統概略図。
【図2】 半導体レーザの波長における光吸収の2次微
分値のスペクトル図。
【図3】 多重反射サンプルセル内の投射光の多重反射
機構を説明する概略図である。
【図4】 多重反射サンプルセルでの掃引波長変化量の
差異によるる吸収スペクトル図の変化を示す図。
【図5】 多重反射サンプルセルでの干渉ノイズのみの
狭い範囲で掃引波長変化量の差異による吸収スペクトル
図の変化の測定図。
【図6】 2次微分吸収スペクトルが移動平均処理され
た吸収信号の変化を示す図。
【図7】 図6を一般化した、移動平均(移動平均の幅
Tに対する2次微分吸収スペクトル線幅WOの割合)に
よる吸収信号の強度の変化を示す図。
【図8】 振幅が1、周期が20ポイントの正弦波及び
それを移動平均処理された状態の変化による振幅の変化
を示したものである。
【図9】 図8を一般化したもので、移動平均処理(干
渉ノイズの周期FNに対する移動平均の幅WTの割合)に
伴う干渉ノイズ振幅の変化を示す図。
【図10】 実施例における参照セルの圧力の変化に伴
う、変調振幅に対応した、S/N比等高線図。
【図11】 実施例で測定した、本発明によって設定し
た最適条件で窒素ガス中の微量水分濃度の多重反射2次
微分吸収スペクトル図。
【図12】 図11の多重反射2次微分吸収スペクトル
に基づいて作成した水分濃度に対する信号強度の検量
線。
【図13】 従来の分布帰還型半導体レーザ多重反射吸
収分光分析装置の系統概略図。
【図14】 従来方法で採取した多重反射サンプルセル
を通過した測定ラインの吸収ビームと、光源ノイズキャ
ンセルラインの光源ノイズキャンセルビームの2次微分
スペクトル。
【図15】 図14での[測定ラインの吸収ビームのス
ペクトル]から[光源ノイズキャンセルラインの光源ノ
イズキャンセルビームのスペクトル]を引き算した、2
次微分吸収スペクトルを示すものである。
【図16】 図15に存在する干渉ノイズの拡大した波
形状態を示す図。
【符号の説明】
1…従来の多重反射吸収分光分析装置、51…本発明の
多重反射吸収分光分析装置、2…半導体レーザ、 3…
集光レンズ、 4…光アイソレータ、5、52…ビーム
スプリッター、 6…反射鏡、 7…多重反射サンプル
セル、 8…ガス導入系統、 53…参照セル、 9…
測定用光検出器、13…光ノイズキャンセル用光検出
器、 54…参照用光検出器、10、14、55…ロッ
クイン増幅器、 11、15、56…A/D変換器、1
2…コンピュータ、 Z…半導体レーザ駆動部、
1、M2、M3…反射鏡、 B0…平行ビーム、 B1
第1の半導体レーザ光(測定ビーム)、B1A…吸収ビー
ム、 B3…第3の半導体レーザ光(参照ビーム)、B2
第2の半導体レーザ光(光源ノイズキャンセルビーム)、
57…流量調整器、 58、59、63、64…弁、
60…流量調整弁、61…真空ポンプ、 62…圧力
計、 T0…ガス導入管路、T1、T2…管路 G0
…参照ガス、 G…被測定ガス、W…ピークの極小値間
隔(2次微分吸収スペクトルの線幅)、W0…最適条件
における2次微分吸収スペクトルの線幅、WT…移動平
均の線幅

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザ光を使用した多重反射式分
    光分析方法を用いたガスの吸収分光分析方法において、
    多重反射サンプルセル内のガス圧力及び半導体レーザ発
    振の変調振幅MAの最適値を調整した後、該最適値条件
    で2次微分吸収スペクトルを測定して得られる線幅WO
    (cm-1)及び多重反射サンプルセルに配設する反射鏡
    間距離L(cm)との関係が、 L・WO > 2.5 の式を満足している状態にして、吸収分光分析すること
    を特徴とする半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス
    分析方法。
  2. 【請求項2】 2次微分吸収スペクトルを、その測定時
    の波長間隔(波数間隔)Δλが、以下の式 Δλ ≦ 1/( 16・L) になるようにして、分光分析することを特徴とする請求
    項1記載の半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス分
    析方法。
  3. 【請求項3】 2次微分吸収スペクトルは多段移動平均
    処理で平滑化処理されて、光干渉ノイズを低減せしめて
    いることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レー
    ザ多重反射吸収分光によるガス分析方法。
  4. 【請求項4】 前記多段移動平均処理は、第n段目移動
    平均の幅を、n/(4・L)の値に一番近いデータポイ
    ント数に指定することを特徴とする請求項3記載のガス
    の半導体レーザ多重反射吸収分光によるガス分析方法。
  5. 【請求項5】 波長が可変な半導体レーザ光を発振する
    半導体レーザと、発振したレーザ光を3分割するビーム
    スプリッタを備えてなり、その第1の分割ビームを、被
    測定用ガスの測定用多重反射サンプルセルを経て測定用
    光検出器で受光せしめる光路よりなるサンプル測定ライ
    ンと、第2の分割ビームが直接キャンセル用光検出器で
    受光せしめる光路よりなる光源ノイズキャンセルライン
    と、更に第3の分割ビームが、測定の最適条件を求める
    ための既知濃度の参照ガスが導入される参照セルを経て
    参照用光検出器で受光せしめる光路よりなる参照ライン
    とを備えてなり、かつ前記各ラインに備えた前記各光検
    出器よりのそれぞれの出力を2次微分吸収スペクトルと
    して採取する手段を備えてなる分光分析装置であって、
    前記多重反射サンプルセルの反射鏡間の距離L(cm)
    が、採取する2次微分吸収スペクトルのS/N比が最大
    になる2次微分吸収スペクトルの線幅WO(cm-1)と
    関連して、以下の式、 L・W0 >2.5 に従って配設されてなることを特徴とする半導体レーザ
    多重反射吸収分光によるガス分析装置。
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