JP2001131681A - プレス成形性に優れた鋼板とその製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れた鋼板とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度レベルが390〜540MPaの鋼板に
おいて、自動車の構造部材に求められる低い降伏強度と
高い伸びフランジ成形性を有する鋼板を安定して提供す
る。 【解決手段】 wt%で、C:0.0040〜0.01
5%、Si≦0.05%、Mn:1.5超〜3.0%、
P:0.01〜0.1%、S≦0.02%、sol.A
l:0.01〜0.1%、N≦0.004%と、Nb:
0.04〜0.25%を含有し、C量(wt%)、Nb
量(wt%)で規定されるNb/(7.75×C)が
1.5〜2.5を満たし、残部実質的にFeおよび不可
避不純物からなり、フェライト粒界近傍に、粒内よりN
b系析出物の密度の低い領域を有するプレス成形性に優
れた鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センターピラー、
ロッカーなどの自動車用構造部材に使用される引張強度
が390〜550MPaの鋼板とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電気産業、自動車産業などの各種
産業界において、地球環境を保護する目的から、C
、NOなどの排気ガスを低減するための対策が図
られている。特に、自動車業界では、自動車の車体を軽
量化することで燃費の向上が検討されており、軽量化の
一つの手法として、従来から自動車に使用される鋼板を
高強度化しつつ、鋼板の薄肉化が進められてきた。
【0003】また、自動車の衝突安全規制が厳しくなる
中、車体の耐衝突性能を向上させるため、車体の構造部
材に高強度鋼板を適用する、車体に種々の補強部材を搭
載するなどの方策が図られている。このように、自動車
部品に高強度鋼板の適用が進められているが、プレス成
形時にはスプリングバック(形状不良)、伸びフランジ
われなどの問題が発生するため、素材としては、低い降
伏強度、高い伸びフランジ性が求められてきた。
【0004】こうした要求に対し、例えば、特開平7−
188855号公報には、降伏比の低いNb、Ti複合
の極低炭素系IF鋼板を製造する技術が開示されてい
る。また、特開平7−216501号公報には、伸びフ
ランジ性に優れた冷延鋼板を製造する技術が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平7−18
8855号公報に開示された技術では、鋼板を900℃
近い高温で焼鈍するため、鋼板表層のフェライト組織が
粗大化し、これに起因したプレス成形時の肌荒れが懸念
される。また、この技術は鋼板に不均一なフェライト組
織を形成することを特徴としているが、このような不均
一な組織は鋼板を板厚方向に打抜いた後の端面の高延性
が要求される伸びフランジ成形には好ましいとは言い難
い。
【0006】一方、特開平7−216501号公報に開
示された技術では、強度レベルが300〜450MPa
で110%以上の穴拡げ率を有する鋼板が得られている
が、降伏強度は高いため、プレス成形後の部品の形状性
の劣化が懸念される。また、この技術では、鋼板に30
〜80MPaのBH性(塗装焼付け硬化性)を付与する
ことを特徴としているため、常温保管時には降伏強度の
上昇、降伏点伸びの回復が懸念され、このような材質の
劣化はプレス成形上好ましくない。
【0007】このように、上記の従来技術では、いずれ
も低い降伏強度と良好な伸びフランジ性を有する鋼板が
得られていない。
【0008】そこで、本発明では強度レベルが390〜
550MPaの鋼板において、自動車の構造部材に求め
られる低い降伏強度と高い伸びフランジ成形性を有する
鋼板を安定して製造する技術を提供することを目的とし
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、目的
を達成するために本発明では以下に示す手段を用いてい
る。 (1)第1発明の鋼板は、wt%で、C:0.0040
〜0.015%、Si≦0.05%、Mn:1.5超〜
3.0%、P:0.01〜0.1%、S≦0.02%、
sol.Al:0.01〜0.1%、N≦0.004%
と、Nb:0.04〜0.25%を含有し、C量(wt
%)、Nb量(wt%)で規定されるNb/(7.75
×C)が1.5〜2.5を満たし、残部実質的にFeお
よび不可避不純物からなり、フェライト粒界近傍に、粒
内よりNb系析出物の密度の低い領域を有することを特
徴とするプレス成形性に優れた鋼板である。 (2)第2発明の鋼板は、wt%で、さらに、Ti≦
0.08%を含有することを特徴とする上記(1)に記
載のプレス成形性に優れた鋼板である。 (3)第3発明の鋼板は、wt%で、さらに、B≦0.
002%を含有することを特徴とする上記(1)又は
(2)に記載のプレス成形性に優れた鋼板である。 (4)第4発明の製造方法は、上記(1)、(2)又は
(3)に記載する鋼板を製造する方法において、上記
(1)、(2)又は(3)に記載の成分組成の鋼を溶製
し鋳造する工程と、Ar点以上の温度で仕上圧延をし
た後、500〜700℃の温度で巻き取る熱間圧延工程
と、冷間圧延を施した後、続く焼鈍段階で、鋼板に0.
3×Nb/(7.75×C)−0.25≦T≦2.0の
張力T(kgf/mm)を付加しつつ、フェライトの
再結晶温度以上で焼鈍する連続焼鈍処理工程とを備えた
ことを特徴とするプレス成形性に優れた鋼板の製造方法
である。
【0010】但し、C,Nbは鋼板中に含有されるC量
(wt%)、Nb量(wt%)である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、自動車構造部材に
求められる低い降伏強度と優れた伸びフランジ性を有す
る鋼板とその製造方法を得るために、鋭意検討を重ね
た。この結果、鋼中のCとNbの添加量を規定し、これ
らの元素によって形成される析出物の形態、分布を制御
することが鋼板の伸びフランジ性ならびに降伏強度に大
きな影響をおよぼすことが分かった。以下にその内容を
説明する。なお、以下の%はwt%を示す。
【0012】はじめに、この析出物の分布を詳細に解析
したところ、図1に示すように、フェライト粒界の近傍
に粒内よりもNb系析出物の密度の低い領域(以下、低
密度領域と称す)が認められ、これが鋼板の降伏強度に
強い影響をおよぼすことが分かった。
【0013】図2は、C:0.0080〜0.0100
%、Nb:0.120〜0.150%、Nb/(7.7
5×C):1.8〜2.0、B:tr.またはB:0.
0004%、TS:410〜450MPa、Nb系析出
物の平均粒径:60〜100nm、板厚:1.2mmの
連続焼鈍した冷延鋼板について、降伏強度(YP)に及
ぼす低密度領域の平均サイズ(D)の影響を示す図であ
る。
【0014】なお、粒界近傍に認められた析出物の密度
が低い領域とは、この領域におけるNb系析出物の面積
率が、フェライト結晶粒内のNb系析出物の面積率の平
均値の1/5以下となる領域のことをいっており、平均
サイズとはその領域の大きさの平均値である。本発明で
は、300kVの透過電子顕微鏡を用い、レプリカ法で
撮影した写真に認められたNb系析出物について、無作
為に抽出した100個のフェライト結晶粒内で任意10
ヶ所の直径2μmの正円内の析出物の面積率を測定して
その平均値(全1000ヶ所の平均値)を求め、更に前
記各々のフェライト結晶粒の粒界の任意20ヶ所におい
て、前記で求めた析出物の面積率の平均値の1/5以下
となる正円の直径の最大値を測定(全2000ヶ所にお
いて測定)した後、この平均値を算出し、これを低密度
領域の平均サイズとした。
【0015】図2に示すように、低密度領域の平均サイ
ズ(D)が0.2μm以上になると、YPは著しく低下
する。また、低密度領域の平均サイズ(D)が2.0μ
mを超えると、この効果は飽和することが分かった。ま
た、Bを添加した鋼板のほうが、YPが低いことが分か
った。
【0016】次に、降伏強度(YP)に及ぼす鋼板組織
中の析出物の大きさの影響を調査した結果を示す。図3
は、C含有量:0.0050〜0.0070%、(Nb
/7.75C)+(Ti/4C):1.6〜2.0、
TS:440〜465MPa、板厚:1.2mmの連続
焼鈍した冷延鋼板について、降伏強度(YP)に及ぼす
Nb,Ti系析出物の平均粒径(d)の影響を示す図で
ある。
【0017】図3から、低い降伏強度(YP)を得るに
は、析出物の粒径の適正化が重要であり、粒径が30〜
130nmの範囲においてYPが低くなるが、粒径が3
0nm未満、又は130nmを超える場合には、YPが
高くなることが分かった。この傾向は、Nb添加鋼板、
Ti添加鋼板の何れでも認められたが、特にNb添加鋼
板において顕著であり、Ti添加鋼板ではNb添加の鋼
板に比べてYPが高いことが分かった。以上から、低い
降伏強度(YP)を得るには、Nb添加鋼板のNb系析
出物の大きさを30nm以上130nm以下にすること
が好ましい。
【0018】最後に、鋼板組織中の析出物の大きさの伸
びフランジ性に及ぼす影響を調査した結果を示す。伸び
フランジ性は穴拡げ率で評価した。図4は、C含有量:
0.0050〜0.0070%、TS:440〜490
MPa、板厚:1.2mmの連続焼鈍した冷延鋼板につ
いて、穴拡げ率(λ)に及ぼすNb,Ti系析出物の平
均粒径(d)の影響を示す図である。鋼板中に含まれる
Nb%,Ti%,N%,S%に基づいて算出される(N
b/7.75C)+(Ti/4C)が同一範囲(1.
7〜2.1)にある。なお、Ti=Ti−3.43N
−1.5Sであり、Ti≦0の場合、Ti=0とし
た。
【0019】図4に示されるように、Nb添加鋼板(N
b、Ti複合添加、Nb単独添加)は、Ti添加鋼板に
比べて穴拡げ率(λ)が著しく高いことが分かった。ま
たNb添加鋼板では、析出物の平均粒径(d)が130
nmを超えるほど粗大化すると、穴拡げ率(λ)が急激
に低下することが分かった。従って、Nb添加鋼板のN
b系析出物の大きさを130nm以下にすることによっ
て、優れた伸びフランジ性が得られることが分かった。
【0020】また、この析出物の形態、分布は鋼板成分
と熱延、冷延、焼鈍条件を規定することによって制御す
ることが可能であることを見い出した。
【0021】以上の知見に基づき、強度レベルが390
〜550MPaの鋼板において、自動車の構造部材に求
められる低い降伏強度と高い伸びフランジ成形性を有す
る鋼板を安定して製造する技術を発明するに至った。
【0022】そこで、まず、本発明の成分添加理由、成
分限定理由および製造条件の限定理由について説明す
る。
【0023】(1)化学成分範囲 C:0.0040〜0.015% Nbと結合して形成される炭化物は鋼板の伸びフランジ
性と降伏強度に影響をおよぼし、プレス成形性の向上に
寄与する。Cの添加量が0.0040%未満の場合、ま
たはCが0.015%を超える場合は、本発明で意図す
るプレス成形性の向上に寄与する形態の炭化物が得られ
ない。このため、C量は0.0040〜0.015%の
範囲とする。また、C量の好ましい範囲は0.0050
〜0.0080%である。さらに好ましいC量の範囲は
0.0050〜0.0074%である。
【0024】Si≦0.05% Siは鋼板の強化に有効な元素であるが、0.05%を
超える添加は鋼板の表面性状の劣化を招くため、0.0
5%以下に抑える。
【0025】Mn:1.5超〜3.0% Mnは鋼板の強化に有効な元素であるが、添加量が1.
5%以下では鋼板の強化能が小さい。一方、Mn量が
3.0%を超えると、鋼板の降伏強度が高くなり、また
伸びフランジ性の劣化が顕著となる。このため、Mn量
は1.5超〜3.0%の範囲とする。
【0026】P:0.01〜0.1% Pは鋼板の強化に有効な元素であるが、添加量が0.0
1%未満では鋼板の強化能が小さい。また、Pの添加量
が0.1%を超えると、鋼板の高降伏点化と伸びフラン
ジ性の劣化を招く。このため、P量は0.01〜0.1
%の範囲とする。
【0027】S≦0.02% Sは熱間圧延時の鋼板の脆化を抑えるため、0.02%
以下とする。
【0028】sol.Al:0.01〜0.1% Alは鋼の脱酸のために添加される。添加量が0.01
%未満ではこの効果が小さい。また、0.1%超える添
加は鋼板の表面性状の劣化を招く。このため、sol.
Alは0.01〜0.1%の範囲とする。
【0029】N≦0.004% Nの含有量が0.004%を超えると、固溶Nが増大
し、鋼板の降伏点の上昇を引き起こす。このため、N量
を0.004%以下に抑える。
【0030】Nb:0.04〜0.25% Cと結合して形成される炭化物は鋼板の伸びフランジ性
と降伏強度に影響をおよぼし、プレス成形性の向上に寄
与する。この効果は、Nbの添加量が0.04%未満で
は小さい。また、0.25%を超える添加は鋼板の高降
伏点化と伸びフランジ性の劣化を招く。このため、Nb
量を0.04〜0.25%の範囲とする。また、Nb量
の好ましい範囲は0.08〜0.14%である。
【0031】Nb/(7.75×C):1.5〜2.5 C量(%)、Nb量(%)で規定されるNb/(7.7
5×C)は鋼板の降伏強度と伸びフランジ性に影響をお
よぼす炭化物の形態を制御するための重要なパラメータ
ーであり、図5に示すように、Nb/(7.75×C)
が1.5未満の時には、析出物の平均粒径は小さく、鋼
板の降伏強度の低減に対する析出物の寄与は小さい。一
方、Nb/(7.75×C)が2.5を超えると析出物
は粗大化し、鋼板の降伏強度は高くなり、さらに伸びフ
ランジ性も劣化する。このため、Nb/(7.75×
C)は1.5〜2.5の範囲で制御される。また、Nb
/(7.75×C)の好ましい範囲は1.7〜2.5で
ある。
【0032】Ti≦0.08% 上記のような降伏強度の低減と伸びフランジ性の向上に
寄与するNb系析出物の形成に対し、Tiを0.005
%以上添加することは好ましい。しかし、Tiの添加量
が0.08%を超えると、Ti系の析出物が多くなり、
本発明で意図する低い降伏強度と高い伸びフランジ性を
有する鋼板が得られない。したがって、Tiの添加量は
0.005%以上0.08%以下とする。また、Ti量
の好ましい範囲としては、0.005%以上で0.02
%未満である。
【0033】B≦0.002% Bを添加することで、フェライトは微細化するが、これ
は本発明のフェライト粒界近傍に認められたNb系析出
物の密度が低い領域の形成頻度を高めることになる。こ
の結果、鋼板の降伏強度は低減する。この効果はB量が
0.0001%以上で認められ、0.002%を超える
と飽和する。したがって、Bの添加量は0.0001%
以上0.002%以下とする。なお、B量の好ましい範
囲としては、0.0001%以上で0.001%以下で
ある。
【0034】(2)塗装焼付硬化性(BH性) 30MPa以上のBH性を鋼板に付与することは常温保
管時の降伏点伸びの回復や降伏強度の上昇をもたらすこ
とになり、本発明で意図する低い降伏強度を得るために
は、好ましくない。本発明鋼の場合、CはNb炭化物と
して、またNはAlN,TiNとして析出固定されるの
で、基本的にはBH性は示さない。
【0035】(3)析出物形態、分布 鋼板の伸びフランジ性の向上と降伏強度の低減に寄与す
るNb系析出物の粒径は30〜130nmが好ましい。
この析出物の粒径が30nm未満の時には、フェライト
の細粒化により、伸びフランジ性は向上するものの鋼板
の降伏強度は高くなる。一方、析出物の粒径が130n
mを超えると、この粗大な析出物が伸びフランジ成形前
にサンプルに穴を打ち抜く際、打抜き端面に微小なクラ
ックの発生を助長するため、伸びフランジ性の著しい劣
化を招く。さらに、この粗大な析出物は降伏強度の増大
を引き起こす。このため、この析出物の粒径は30〜1
30nmに制御する。
【0036】一方、鋼板の降伏強度は上記の析出物の分
布の影響を強く受け、フェライト粒界近傍に形成される
析出物の低密度領域のサイズが大きくなると、降伏強度
は低減する。しかし、図2に示すように、低密度領域の
平均サイズが0.2μm未満では、この効果は小さく、
また、平均サイズが2.0μmを超えると、この効果は
飽和する。したがって、低密度領域の平均サイズは0.
2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
【0037】上記(1)のように、所定の化学成分と残
部実質的にFeおよび不可避的不純物よりなり、さら
に、上記(3)のように、所定の析出物の形態と分布を
制御した鋼板は、自動車の構造部材に求められる低い降
伏強度と高い伸びフランジ成形性を有する鋼板を得るこ
とが可能となる。
【0038】このような特性の鋼板は以下の製造方法に
より製造することができる。 (4)鋼板の製造方法 まず、上記第1発明〜第3発明の成分組成の鋼を溶製す
る。溶製方法は転炉法、電気炉法のいずれでも差し支な
い。溶鋼を連続鋳造した後、熱間圧延に供する。熱間圧
延の際、スラブの加熱については特に規定されず、鋳造
後直ちに圧延を開始しても良いし、一旦スラブを冷却後
加熱しても良い。熱間圧延は鋼板表層部の熱延組織の粗
大化を抑えるため、Ar点以上で仕上圧延を行なう。
また、巻取温度は本発明で意図するNb系析出物の形態
を制御する目的から、500〜700℃とする。続い
て、熱延コイルを冷間圧延、連続焼鈍に供する。冷間圧
延率は特に指定はしないが、フェライトの再結晶を助長
するため、50%以上が好ましい。
【0039】また、本発明では、意図する析出物の形態
を制御するため、焼鈍温度はフェライトの再結晶温度以
上とするが、Ac点を超えると、鋼板表層においてフ
ェライト粒の粗大化を招く。このため、焼鈍温度はAc
点以下とする。また、焼鈍中は鋼板に0.3×Nb/
(7.75×C)−0.25≦T≦2.0の張力T(k
gf/mm)を付加する。この限定理由を以下に説明
する。
【0040】図5は、C:0.0050〜0.0080
%、Nb:0.080〜0.130%、Nb/(7.7
5×C):1.8〜2.0、TS:440〜490MP
a、板厚:1.2mmの連続焼鈍した冷延鋼板につい
て、Nb系析出物の平均粒径、低密度領域の平均サイズ
に及ぼす張力TとNb/(7.75×C)の影響を示す
図である。
【0041】図5に示すように、Nb/(7.75×
C)が本発明で規定する1.5〜2.5である場合、鋼
板に付与される張力T(kgf/mm)が0.3×N
b/(7.75×C)−0.25未満では、析出物の平
均粒径は150〜200nmと大きく、またフェライト
粒界近傍に形成される低密度領域の平均サイズは0〜
0.1μmと小さいため、鋼板の降伏強度の低減が期待
できない。一方、鋼板張力T(kgf/mm)が2.
0を超えると、焼鈍中に析出物のひずみ誘起析出が進行
し、析出物の平均粒径は5〜29nmと小さくなる。ま
た低密度領域の平均サイズは0〜0.1μmと小さいた
め、伸びフランジ性は向上するが、降伏強度の低減は期
待できない。しかし、鋼板張力T(kgf/mm)が
0.3×Nb/(7.75×C)−0.25以上で2.
0以下の時には、析出物の平均粒径は30〜130n
m、低密度領域の平均サイズは0.2〜1.4μmとな
る。
【0042】また、Nb/(7.75×C)が本発明範
囲を下回ると、析出物の平均粒径が30nm未満にな
り、更に低密度領域の平均サイズは0〜0.1μmと小
さい。このため、低い降伏点が得られない。Nb/
(7.75×C)が本発明範囲を上回ると、析出物の平
均粒径が130nm超になり、また低密度領域の平均サ
イズは0〜0.1μmと小さいため、伸びフランジ性が
劣り低い降伏点が得られない。
【0043】また、以上のようにして得られた鋼板に亜
鉛メッキ処理、化成処理などの表面処理を施しても特性
上何ら差し支えない。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げる。 (実施例1)表1に示す成分の鋼(No.1〜11:本
発明鋼、No.12〜19:比較鋼)を実験室にて溶製
し、板厚60mmのスラブとした。本スラブを板厚30
mmまで分塊圧延した後、1270℃で1hr間、大気
中で保持し、熱間圧延に供した。熱間圧延は900℃で
仕上圧延を行ない、640℃の温度で巻取相当の熱処理
を施し、板厚3.0mmの熱延板を作製した。この熱延
板を酸洗した後、板厚1.2mmまで冷間圧延を行なっ
た。続いて、この冷延板を830℃で2min間の均熱
後、室温まで冷却した。また焼鈍中には、鋼No.1に
は2.0kgf/mm、鋼No.2〜19には1.5
kgf/mmの張力を付与した。このようにして得ら
れた焼鈍板に0.5%の調質圧延を施し、実験用供試材
を作製した。
【0045】
【表1】
【0046】本供試材を用いて、機械特性の測定と析出
物の形態解析を行なった。素材機械特性はJIS(日本
工業規格)Z 2241に準拠した引張試験にて調査
し、伸びフランジ成形性はJFS(日本鉄鋼連盟規格)
T 1001に準拠した穴拡げ試験にて評価した。ま
た、両特性の評価基準については、降伏強度は270M
Pa未満を良好とし、伸びフランジ性は穴拡げ率が80
%以上を好ましいレベルと判断した。
【0047】一方、析出物に関しては、300kVの透
過電子顕微鏡を用い、レプリカ法にて観察した後、撮影
した写真に認められたNb系析出物のうち、無作為に抽
出した1000個分の析出物の平均粒径を算出した。粒
界近傍に認められた低密度領域の平均サイズの測定は次
のように行った。まず、無作為に100個のフェライト
粒を抽出し、各々の結晶粒の粒内の任意10ヶ所におい
て、直径2μmの正円の中での析出物の面積率を測定
し、この平均値(全1000ヶ所の平均値)を算出す
る。次に、各々の結晶粒の粒界の任意20ヶ所におい
て、析出物の面積率が前記平均値の1/5以下となる正
円の直径の最大値を測定し、この平均値(全2000ヶ
所の平均値)を算出する。この平均値を低密度領域の平
均サイズとする。
【0048】表2に得られた鋼板の機械特性値および析
出物の形態解析結果を示す。
【0049】
【表2】
【0050】本発明成分範囲内の本発明鋼No.1〜1
1は、いずれもTSは425〜510MPa、Nb系析
出物の平均粒径は40〜80nm、低密度領域の平均サ
イズは0.2〜2.0μmである。またYPが230〜
265MPaと低く、穴拡げ率λは85〜105%と高
いことから、プレス成形性は良好である。
【0051】一方、本発明成分範囲外の比較鋼No.1
2〜19は、低い降伏強度と高い伸びフランジ性を両立
しない。すなわち、比較鋼No.12、14、17は析
出物の平均粒径が15〜25nmであり、また、低密度
領域は形成されない。この鋼板のYPは270〜285
MPaと高く、穴拡げ率λは55〜70%と低いことか
ら、プレス成形性に好ましくない。比較鋼No.13、
15、16は析出物の平均粒径は140〜300nmで
あり、また低密度領域の平均サイズは0〜0.1μmで
ある。この鋼板のYPは310〜350MPaと高く、
穴拡げ率λは45〜60%と低いことから、プレス成形
性は劣化している。比較鋼No.18、19はTSが5
55〜560MPaであり、本発明範囲外の強度レベル
である。
【0052】(実施例2)表1に示す本発明成分範囲内
の鋼No.3を実験室にて溶製し、板厚50mmのスラ
ブとした。本スラブを板厚25mmまで分塊圧延した
後、1250℃で30min間、大気中で保持し、熱間
圧延を行なった。熱間圧延は880℃で仕上圧延を行な
い、600℃の温度で巻取相当の熱処理を施し、板厚
3.2mmの熱延板を作製した。この熱延板を酸洗した
後、板厚1.2mmまで冷間圧延を行なった。続いて、
この冷延板を850℃で1.5min間の均熱後、室温
まで冷却した。また焼鈍中には、鋼板に0.1〜2.5
kgf/mmの張力を付加した。本焼鈍板に0.5%
の調質圧延を施し、実験用供試材を作製した。
【0053】この供試材を用いて、上記実施例1と同様
に、機械特性の測定と析出物の形態解析を行なった。表
3に得られた鋼板の機械特性値および析出物の形態解析
結果を示す。
【0054】
【表3】
【0055】第4発明に規定する条件を満足する0.5
〜2.0kgf/mmの張力を付加した本発明例で
は、TSは475〜490MPaであり、析出物の平均
粒径は30〜85nm、低密度領域の平均サイズは0.
2〜1.0μmである。またYPが240〜255MP
aと低く、穴拡げ率λは90〜105%と高いことか
ら、プレス成形性は良好である。
【0056】一方、第4発明に規定する条件を満足しな
い0.1kgf/mmまたは2.5kgf/mm
張力を付与した比較例では、TSは前者が485MP
a、後者が495MPaであり、析出物の平均粒径は前
者が150nmであり、後者が25nmである。また、
低密度領域の平均サイズは、前者が0.1μmであり、
後者が0μmである。さらに、YPは前者が265MP
a、後者が275MPaといずれも高く、穴拡げ率λは
前者が60%、後者が105%であることから、低い降
伏強度と高い伸びフランジ性を兼備していない。
【0057】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、鋼化学成
分、鋼板の析出物の形態、分布を制御することにより、
強度レベルが390〜550MPaの鋼板において、自
動車の構造部材に求められる低い降伏強度と高い伸びフ
ランジ成形性を有する鋼板を安定して製造することが可
能である。従って、本発明の自動車産業界、鉄鋼業界に
おける利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライト粒界近傍に認められた析出物の密度
が低い領域を示す電子顕微鏡写真(レプリカ法)。
【図2】降伏強度(YP)におよぼす析出物の密度が低
い領域の平均サイズ(D)の影響を示す図。
【図3】降伏強度(YP)におよぼす析出物粒径(d)
の影響を示す図。
【図4】穴拡げ率(λ)におよぼす析出物粒径(d)の
影響を示す図。
【図5】Nb系析出物の平均粒径、析出物の密度が低い
領域の平均サイズに及ぼす張力TとNb/(7.75×
C)の影響を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 毅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中村 清治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 坂井 広義 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 廣瀬 俊幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 占部 俊明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K037 EA01 EA02 EA04 EA05 EA15 EA16 EA18 EA19 EA23 EA25 EA27 EA31 EB02 EB03 FC07 FE01 FE02 FE03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 wt%で、C:0.0040〜0.01
    5%、Si≦0.05%、Mn:1.5超〜3.0%、
    P:0.01〜0.1%、S≦0.02%、sol.A
    l:0.01〜0.1%、N≦0.004%と、Nb:
    0.04〜0.25%を含有し、C量(wt%)、Nb
    量(wt%)で規定されるNb/(7.75×C)が
    1.5〜2.5を満たし、残部実質的にFeおよび不可
    避不純物からなり、フェライト粒界近傍に、粒内よりN
    b系析出物の密度の低い領域を有することを特徴とする
    プレス成形性に優れた鋼板。
  2. 【請求項2】 wt%で、さらに、Ti≦0.08%を
    含有することを特徴とする請求項1に記載のプレス成形
    性に優れた鋼板。
  3. 【請求項3】 wt%で、さらに、B≦0.002%を
    含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のプレス成形性に優れた鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
    する鋼板を製造する方法において、請求項1、請求項2
    又は請求項3に記載の成分組成の鋼を溶製し鋳造する工
    程と、Ar点以上の温度で仕上圧延をした後、500
    〜700℃の温度で巻き取る熱間圧延工程と、冷間圧延
    を施した後、続く焼鈍段階で、鋼板に0.3×Nb/
    (7.75×C)−0.25≦T≦2.0の張力T(k
    gf/mm)を付加しつつ、フェライトの再結晶温度
    以上で焼鈍する連続焼鈍処理工程とを備えたことを特徴
    とするプレス成形性に優れた鋼板の製造方法。但し、
    C,Nbは鋼板中に含有されるC量(wt%)、Nb量
    (wt%)である。
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