JP2001131674A - 強靭性サーメット - Google Patents

強靭性サーメット

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JP2001131674A
JP2001131674A JP31769999A JP31769999A JP2001131674A JP 2001131674 A JP2001131674 A JP 2001131674A JP 31769999 A JP31769999 A JP 31769999A JP 31769999 A JP31769999 A JP 31769999A JP 2001131674 A JP2001131674 A JP 2001131674A
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JP
Japan
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cermet
coated
ticn
cutting
hard phase
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Pending
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JP31769999A
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English (en)
Inventor
Yusuke Iyori
裕介 井寄
Yoshio Kimura
芳夫 木村
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Moldino Tool Engineering Ltd
Original Assignee
Hitachi Tool Engineering Ltd
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Publication date
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 TiCN系サーメットにおいて、切削時に発
生するクラックに対する抵抗を高めることにより破壊靭
性に優れたサーメット合金を提供することを目的とす
る。 【構成】 主としてTiCNとFe族金属からなるサー
メット合金において、電子顕微鏡観察において芯部と芯
部に接する外周部がその界面において、格子のずれがな
い有芯構造を有する硬質相粒子を含むことを特徴とする
強靭性サーメットであり、更に、サーメット合金の表面
に硬質物質を被覆した被覆サーメット合金においても同
様に適用したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてTiCN系の
サ−メット合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にTiCN系のサーメット合金は、
WCを主体とする超硬合金に比べて靭性が劣るため切削
工具用に供される場合には荒加工よりはむしろ仕上げ加
工に使用される場合が多い。靭性の差違はTiCNとW
Cの結晶構造の相違によるものとされている。このよう
な構成物質の根本的は相違はあるものの、サーメットの
靭性を向上させようとする数々の努力が払われてきた。
それらの努力を大別してみると合金組成に関するもの、
製法に関するもの、ミクロ組識に関するもの等に分けら
れる。ミクロ組識に関しては硬質相の粒径を規定するも
の、有芯構造の形態に関するもの、有芯構造を形成しな
い硬質粒子を分散させるものなど、種々の方法が用いら
れてきた。
【0003】しかしながら、これらの努力にもかかわら
ず依然としてサーメットは超硬よりも靭性に劣るという
感は否めない。特に抗張力の高い被削材を加工した場
合、その差違はますます顕著となる。また、サーメット
基体に硬質物質を被覆した切削チップはサーメット基体
のチッピング、欠けなどの崩れが皮膜の破壊、脱落につ
ながり期待されるような硬質被覆の効果が望めない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】まず、サーメットにお
いて発生したクラックはどのような経路を通って伸展し
ていくのか、またどのような経路を通るとクラックの伸
展が多少とも抑止されるのかを高倍率の電子顕微鏡を用
いて観察し続けた。クラックがカタストロフイックな破
壊に至るまで長く伸びなければ、靭性は飛躍的に向上す
ると想像されるからである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本願発明で
は、主としてTiCNとFe族金属からなるサーメット
合金において、電子顕微鏡観察において芯部と芯部に接
する外周部がその界面において、格子のずれがない有芯
構造を有する硬質相粒子を含むことを特徴とする強靭性
サーメットであり、更に、サーメット合金の表面に硬質
物質を被覆した被覆サーメット合金においても同様に適
用したものである。
【0006】
【作用】前述のとおり超硬の硬質相であるWCよりもサ
ーメットのTiCNをベースとする硬質相のほうが靭性
に劣るとされる。実際靭性の目安となるクラック長、す
なわちビッカース硬度計を用いてある荷重で打痕した時
に打痕点の4隅から生ずるクラックの合計長さははサー
メットのほうが概して長いのである。従って、サーメッ
ト合金においてはクラックは脆性な硬質相を貫通しな
い、すなわちバインダーもしくはバインダーと硬質相の
界面を通過するほうがクラック長は短くなり、ひいては
靭性が高いと予想された。しかしながら実際に綿密な観
察を行なってみると驚くべきことに、クラックが硬質粒
子に進入して、すなわち硬質粒子を割って伸展する頻度
が高いほど、クラック長が短くなるという結果を得た。
換言すると、金属バインダ及び金属バインダーと硬質相
の界面を伝ってクラックが進行するとクラック長は長く
なるのである。ところでTiCN基サーメットの硬質相
には、TiC、TiNもしくはTiCNを主体とする芯
部をさらにWCなどの第三物質が固溶した周辺層からな
る2層有芯構造や芯部と周辺層の界面にWCが特に富化
された中間層を有する3層有芯構造、WCが富化された
芯部をTi化合物が富化された周辺層によって囲まれた
逆有芯構造、あるいは周辺層を有しない未固溶硬質相な
どいくつかの形態が存在する。周辺層を有しない未固溶
硬質相はさておいて、いずれの有芯構造を有する硬質相
においてもその芯部と外周部を結晶学上極めて強固に接
せせしめれば、周辺部に進入したクラックはさらに芯部
へと進み、結果としてクラックの全長はさらに短くなる
のではないかという考えに至った。
【0007】そこで種々原料、製法等を検討した結果、
図1及び図2に示すように芯部とそれに接する周辺部と
の界面に格子のずれが無いと周辺部に進入したクラック
はさらに図3のように芯部へと進む頻度が多くなり、結
果的にクラック長が短いことが観察された。クラック長
が短いと切削用チップとして用いた場合、切刃損傷の前
駆段階である微細クラックの発生頻度とその程度が減少
し、特にダイス鋼などの抗張力の高い鋼を切削加工した
場合に良好な切削特性を示すのである。
【0008】次に、被覆超硬チップの場合は、切刃が損
傷する原因は概ね皮膜の剥離、脱落、損耗等であり、超
硬基体自体の損傷に因る場合は希れである。しかし、被
覆サーメットの場合には切刃損傷の主原因のひとつとし
て、サーメット基体自体の損傷を無視できない。超硬に
比べてサーメットは靭性に劣るためである。サーメット
基体の損傷の前駆段階として切刃またはその近傍におけ
る微細クラックの発生がある。従って本発明によるサー
メットは被覆サーメットチップなど切削用途に適切なも
のとなる。なお被覆は化学蒸着法(CVD)、物理蒸着
法(PVD)を問わないし、また被覆物質も問わない。
現在広範に処理されているTiN、TiC、TiCN、
Al化合物、Cr化合物など種々の皮膜を被覆してよ
く、いずれも大きな効果が期待できる。以下、実施例に
基づいて本発明を詳細に説明する。
【0009】
【実施例】表1に示す組成になるようにTiCN、W
C、TaC、Ni、Coの原料粉末を秤量し、総重量に
対し1重量%の成型ワックスとともにアトライターでア
ルコール中4時間混合した。
【0010】
【表1】
【0011】つぎに、スプレードライヤで乾燥造粒を行
なったのち、プレス成形した。該プレス成形体を2種類
の焼結条件で焼結し、SNGN120408のフライス
加工用チップA、Bを試作した。Aは本発明によるも
の、Bは本発明に依らないものである。次に、イオンミ
リングで透過型電子顕微鏡観察用の薄膜を作製し、40
0万倍と600万倍の倍率で芯部と芯部に接する周辺部
または中間層および中間層と中間層と接する外周層にお
ける結晶格子の乱れ、すなわち結晶格子の連続性と方向
の変化の有無を観察した。また、ビッカース硬度計を用
いて50Kg荷重で圧痕を打痕し、4隅から発生するク
ラックの長さを光学顕微鏡下で測定し、その合計値をク
ラック長とし各試料ごとにその値を求めた。以上の結果
を第2表に併記する。尚、表中、Cは核部、INは中間
層、SSは周辺組織を示す。
【0012】
【表2】
【0013】一方作製した切削チップは一部は被覆処理
を行ない、切削諸元は、被削材に冷間ダイス鋼を用い
て、切削速度100m−1、切り込み量1mm、送り量
0.2mm/刃、乾式切削で実施した。切削不可能とな
るまでの時間をチップ寿命とし、その結果を表2に併せ
て記した。
【0014】表2より、本発明例、製法Aでは、クラッ
ク長も短く、電子顕微鏡観察においても格子が連続し、
切削試験においても優れた性能を示した。比較例、製法
Bでは、クラック長も長く、電子顕微鏡観察においても
格子が不連続で、切削試験において1/4程度の性能で
あった。
【発明の効果】有芯構造硬質粒子の結晶格子の連続性を
有する本発明は靭性の目安となるクラック長が本発明外
品と比べて短く良好は靭性を有する。また切削特性も極
めて優秀である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、芯部と芯部に接する周辺部との境界に
おける電子顕微鏡観察写真(倍率400万倍)を示す。
【図2】図2は芯部と芯部に接する周辺部との境界にお
ける電子顕微鏡観察写真(倍率600万倍)を示す。
【図3】図3はクラックの伝播の観察写真を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 16/34 C23C 16/34 16/36 16/36

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてTiCNとFe族金属からなる
    サーメット合金において、電子顕微鏡観察において芯部
    と芯部に接する外周部がその界面において、格子のずれ
    がない有芯構造を有する硬質相粒子を含むことを特徴と
    する強靭性サーメット。
  2. 【請求項2】 主としてTiCNとFe族金属からなる
    サーメット合金の表面に硬質物質を被覆した被覆サーメ
    ット合金において、該被覆サーメット合金は電子顕微鏡
    観察において芯部と芯部に接する外周部がその界面にお
    いて格子のずれがない有芯構造を有する硬質相粒子を含
    むことを特徴とする被覆強靭性サーメット。
JP31769999A 1999-11-09 1999-11-09 強靭性サーメット Pending JP2001131674A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275237A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Dijet Ind Co Ltd 超硬質合金
JP2012193430A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Dijet Industrial Co Ltd 超硬質合金

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275237A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Dijet Ind Co Ltd 超硬質合金
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