JP2001130997A - 圧電性単結晶ウエーハ - Google Patents
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Abstract
及びウエーハの割れが大幅に低減される弾性表面波又は
擬似弾性表面波デバイス用圧電性単結晶ウエーハを提供
し、ひいては優れた特性を有するフィルタ等が良好な製
造歩留りで得られる圧電性単結晶ウエーハを提供する 【解決手段】 弾性表面波又は擬似弾性表面波を送受信
するための電極が形成されるウエーハ面及びその裏面を
除く外周面の表面粗さRaが、2.3μm以下であるこ
とを特徴とする圧電性単結晶ウエーハ。
Description
ーハ、特に弾性表面波又は擬似弾性表面波デバイスの作
製に使用される圧電性単結晶ウエーハに関する。
デバイスは、電気信号をそれぞれ弾性表面波又は擬似弾
性表面波に変換して信号処理を行う回路素子であり、従
来、フィルタ、共振子、遅延線などに用いられている。
性表面波デバイスの作製手順としては、まず、適当な単
結晶育成法により圧電性を有する単結晶棒を育成、例え
ばチョクラルスキー法(CZ法)によりタンタル酸リチ
ウム単結晶棒を育成し、この単結晶棒を、軸に垂直な断
面が円形状となるように加工し、さらに一定の結晶面方
位を有するウエーハに切断する。次いで、該ウエーハの
弾性表面波又は擬似弾性表面波を送受信する電極が形成
されるウエーハ表面に鏡面研磨加工を施し、さらに鏡面
研磨されたウエーハ表面上に主としてAlからなる電極
を一定の方位に形成した後、チップ状に切り出すことに
よってデバイスが作製される。
る弾性表面波又は擬似弾性表面波デバイスは、近年、爆
発的に普及している移動体通信用フィルタとしての需要
が非常に高まっている。この移動体通信用フィルタは低
コストが強く要求され、フィルタ製造歩留りが製造コス
トを大きく左右する。
とりわけ、ウエーハ表面上に付着した微小異物(粒子)
が原因と考えられる不良とウエーハの割れによるものが
多くを占めていた。最近の移動体通信用フィルタは0.
1〜3GHz、特に1〜2.5GHzの周波数領域で使
用されることが多く、1μm以下の線幅の電極も要求さ
れている。そのため、従来は問題とならなかった数μm
の微小異物も現在は大きな問題となっている。例えば、
ウエーハ表面上に数μmの微小異物が付着したまま電極
形成を行うと、その付着した部分には電極が形成され
ず、所望の伝搬特性を得ることができなくなってしま
う。その結果、歩留りが低下し、製造コストも上昇して
しまう。
であり、電極が形成される表面上に付着する微小異物及
びウエーハの割れが大幅に低減される圧電性単結晶ウエ
ーハを提供し、ひいては優れた特性を有するフィルタ等
が良好な製造歩留りで得られる圧電性単結晶ウエーハを
提供することを目的とする。
表面上に付着した微小異物について詳細に調査、解析を
行ったところ、ウエーハを構成している単結晶と同じ材
質の微小粒子の付着が多く見られることを突き止めた。
また、このように単結晶と同じ材質の微小粒子はウエー
ハ外周に近いほど多く見られることを突き止めた。これ
らの微小粒子の発生についてさらに詳細に調査したとこ
ろ、圧電性単結晶ウエーハは、例えばシリコンのような
ウエーハに比べて極端に割れやすく、ウエーハ外周面の
微小凹凸は小さな衝撃でも凸部が欠けて微小粒子として
ウエーハ外周付近に付着する。また、ウエーハ外周面の
微小凹凸からウエーハの割れが発生していることを突き
止めた。
のような圧電性単結晶ウエーハを提供することでウエー
ハ外周付近への微小粒子の付着を抑制し、ウエーハの割
れを防止することを見出した。さらに、このようなウエ
ーハを用いて弾性表面波又は擬似弾性表面波デバイスを
作製することにより、優れた伝搬特性を有するフィルタ
等のデバイスを歩留り良く作製できることを突き止め、
本発明の完成に至った。
ば、弾性表面波又は擬似弾性表面波を送受信するための
電極が形成されるウエーハ表面及びその裏面を除く外周
面の表面粗さRaが、2.3μm以下であることを特徴
とする圧電性単結晶ウエーハが提供される。
m以下の表面粗さRaとすることにより、ウエーハの外
周面が非常に滑らかとなってウエーハの割れを防ぐこと
ができる。また、微小粒子の発生原因となる凸部もほと
んど無くなる。従って、ウエーハ表面に電極を形成する
ための成膜工程やフォトリソグラフィ工程での搬送、吸
着でのクラックの発生がほとんど無くなり、ウエーハの
割れを防ぐことができる。さらに、容器との擦れ、ハン
ドリング等によりウエーハ自体、特にその外周面が削れ
て発生する微小粒子もほとんど無く、結果的にウエーハ
表面上に付着する微小粒子が著しく減少する。また、こ
のように外周面の表面粗さが小さい圧電性単結晶ウエー
ハは、表面上に微小異物(粒子)がほとんど付着してい
ないため、該表面上に電極を形成する際、微小異物が原
因で電極が形成されない部分が無くなり、優れた伝搬特
性を有するフィルタ等のデバイスを高い歩留りで作製す
ることができる。
ウエーハは、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、
四ホウ酸リチウム、ランガサイト、又は水晶からなるこ
とが好ましい。特に、タンタル酸リチウム単結晶からな
る圧電性単結晶ウエーハは、バランスのとれた弾性表面
波又は擬似弾性表面波伝搬特性を示す。
ーハは、電極が形成されるウエーハ表面がX軸と平行で
あり、且つ該ウエーハ表面の垂線とY軸(但し、単結晶
のa軸をX軸、c軸をZ軸としたときに、X軸及びZ軸
に直交する軸をY軸とする。)との成す角度が33〜4
6°の範囲にある(以後33〜46°Yカットと記す)
タンタル酸リチウム単結晶ウエーハである。このよう
に、圧電性単結晶ウエーハが上記のようなタンタル酸リ
チウム単結晶であれば、該圧電性単結晶ウエーハは、ウ
エーハ表面上に微小粒子が付着していない状態で電極を
形成することで、特に一層優れた擬似弾性表面波伝搬特
性を示す。
て具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
晶ウエーハは、弾性表面波又は擬似弾性表面波を送受信
するための電極が形成されるウエーハ表面及びその裏面
を除く外周面の表面粗さRaが、2.3μm以下である
ことを特徴としている。なお、本発明で言うウエーハの
「外周面」とはその形状には特に限定されず、電極が形
成されるウエーハ表面とその裏面を除く全ての面のこと
を意味し、一般的に、面取り面、あるいは外周縁面とも
呼ばれるが、特にそれらの文言に拘泥されるものでな
い。
μm以下とすることで、外周面上に形成される凹凸部が
ほとんど無くなり、ウエーハ表面に電極を形成するため
の成膜工程やフォトリソグラフィ工程での搬送、吸着で
の微小粒子の発生やウエーハの割れを防止することがで
きる。また、容器との擦れ、ハンドリング等においても
該単結晶自体に由来する微小粒子もほとんど発生しな
い。そのため、ウエーハ表面上に付着する微小粒子もほ
とんど無く、これを用いたデバイス作製においても、電
極が形成されない不良箇所が無くなり、優れた伝搬特性
を有するフィルタ等のデバイスを高い歩留りで作製する
ことができる。
ては、前記タンタル酸リチウムのほか、圧電性単結晶と
して良好な圧電性を有し、ウエーハとした時に優れた弾
性表面波又は擬似弾性表面波特性を示すものであれば、
全て適用できる。具体的には、タンタル酸リチウム、ニ
オブ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、ランガサイト、又
は水晶が挙げられるが、特に、タンタル酸リチウムが好
ましい。
3〜46°Yカットタンタル酸リチウムを用いたフィル
タが多く使用され、このフィルタは特に速度偏差が小さ
いことが要求されているので、33〜46°Yカットタ
ンタル酸リチウムにおいて本発明を適用するのが特に好
ましい。なお、ここでは、タンタル酸リチウム単結晶の
a軸をX軸、c軸をZ軸としたときに、X軸及びZ軸に
直交する軸をY軸とする。
有するウエーハの面方位を説明する図である。図1中、
1はウエーハ表面を示し、2はウエーハ表面1の垂線方
向(即ち33〜46°回転Y方向)を示す。図1から判
るように、33〜46°Yカットタンタル酸リチウム単
結晶ウエーハにおいては、ウエーハ表面1はX軸と平行
であり、且つウエーハ表面1の垂線方向2とY軸との成
す角度は33〜46°となっている。
Z法、ボート法等、種々の方法が挙げられるが、特には
結晶引上げ法(CZ法)を好適に利用することができ
る。即ち、圧電性単結晶原料(例えばタンタル酸リチウ
ム粗結晶)を融解させ、種結晶をこの融液に接触させ
る。そして、単結晶を育成させつつ回転させながら種結
晶を引上げて圧電性単結晶を成長させる。
似弾性表面波の伝搬損失を抑え且つウエーハの使用目的
等に応じた最適の弾性表面波又は擬似弾性表面波特性を
示す結晶面と、単結晶の育成軸とが垂直になる方向に、
単結晶を引き上げるのが好ましい。このような方向に単
結晶を引き上げることにより、後述するように単結晶の
育成軸に垂直にスライスしてウエーハを切り出した場
合、擬似弾性表面波の伝搬損失を抑え且つウエーハの使
用目的等に応じた最適の弾性表面波又は擬似弾性表面波
特性を示す結晶面をウエーハ表面とすることができる。
もちろん、任意の結晶軸方向に結晶を成長させ、切断す
る際に最適の結晶面となるように切断するようにしても
よい。
チウム単結晶である場合、Y軸からZ軸方向に33〜4
6°回転させた方向(即ち図1における垂線方向2)が
育成軸となるように、単結晶を引き上げるのが好ましい
(尚、Y軸及びZ軸は前記と同義。)。
は、種結晶として結晶軸の方向がY軸からZ軸方向に3
3〜46°回転させた方向(即ち図1における垂線方向
2)の種結晶を用い、これをそのまま垂直方向へ引き上
げればよい。すなわち、結晶面がX軸と平行であり且つ
結晶面の垂線とY軸との成す角度が33〜46°である
ような結晶面(即ち、図1中のウエーハ表面1に該当す
る結晶面)が水平になるように種結晶を加工し、これを
結晶面が水平になるようにチャック等に取り付け単結晶
を育成させ、これを回転させながら垂直方向へ引き上げ
ればよい。
結晶を、必要に応じ円筒研削加工(円筒状加工)等を行
った後、スライスしてウエーハを切り出す。その際、得
られた単結晶の育成軸に垂直にスライスするのが好まし
い。このようにスライスすることにより、スライスする
際の加工ロスを最も少なくすることができ、ウエーハの
製造歩留りを向上させることができる。スライスは、例
えばマルチワイヤーソー、内周刃スライサー等にて行
う。
工を施した後、ラッピングし、さらにウエーハ表面を鏡
面研磨する。本発明に係る圧電性単結晶ウエーハの外周
面を所望の表面粗さとするには、上記面取り加工におけ
る諸条件、例えば、ホイールの粒度や研磨液中の砥粒の
大きさ、あるいはバフによる仕上げ研磨時間の長さ等を
調整することにより行うことができる。
の表面粗さを有する圧電性単結晶ウエーハを用いて、例
えば、擬似弾性表面波デバイスを作製するには、常法に
従い、圧電性単結晶ウエーハの鏡面研磨されたウエーハ
表面上に主としてAlからなる膜を被覆する。そして、
フォトリソグラフィ等を使用した微細加工技術により所
望形状、例えば櫛形の電極を形成した後、チップ状に切
り出すことによって擬似弾性表面波デバイスが作製され
る。
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。 (実施例、比較例) <圧電性単結晶ウエーハの作製>X軸を中心にY軸から
36°Z軸方向に回転した方向(以下、「36°Y方
向」という場合がある)が引上げ方向である直径80m
m、長さ100mmのタンタル酸リチウム単結晶棒をチ
ョクラルスキー法により育成した。この単結晶棒を直径
76.2mmの円筒状に加工し、さらに36°Y方向が
ウエーハ表面と垂直となるようにマルチワイヤソーでウ
エーハ(36°Yカットタンタル酸リチウムウエーハ)
に切断した。その後、外形研削機によりウエーハ表面及
びその裏面を除く外周面を表1に記載の5種類のホイー
ルを用いて研削した(方法A〜E)。次いで両面をラッ
ピングし、さらにウエーハ表面を鏡面研磨した。このよ
うにして作製されたタンタル酸リチウム単結晶ウエーハ
は直径76.2mm、厚さ0.4mmであった。
ハ表面及びその裏面を除く外周面の表面粗さRaを
(株)キーエンス製、表面形状測定顕微鏡、VF−75
00を使用してピッチ(Pitch)0.1μmm、Z
−dist50μmにて測定した。ウエーハの外周面の
任意位置4ヶ所の表面粗さを測定し、その平均値をRa
として表1に示した。
計測>作製したウエーハを使用して電極形成工程にて電
極の形成を実施し、150枚のウエーハに対してウエー
ハ割れの発生割合を調査し、その結果を表1に示した。
さらに、ウエーハ外周から6mmの位置、任意4ヶ所に
ついて金属顕微鏡にて観察し、0.5〜10μmの大き
さの微小異物の個数を測定し、その平均値を微小異物個
数として表1に示した。
さRaが2.3μm以下のウエーハは、Raが3.7μ
m以上のウエーハに比べ、ウエーハ割れの発生割合が極
端に低く、微小異物個数も極端に少なくなっていること
が分かる。
タンタル酸リチウム単結晶ウエーハを用いたものである
が、タンタル酸リチウムの他の方位、及びニオブ酸リチ
ウム、四ホウ酸リチウム、ランガサイト、または水晶よ
りなる圧電性単結晶ウエーハを用いた場合でも同様の結
果が得られた。
るものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
性単結晶ウエーハは、その外周面の表面粗さRaが、
2.3μm以下と非常に滑らかであるため、ウエーハ表
面に電極を形成するための成膜工程やフォトリソグラフ
ィ工程等での搬送、吸着での割れの発生がほとんど無く
なる。また、容器との擦れ、ハンドリング等によりウエ
ーハの外周面が削れて発生する微小粒子も無くなり、ウ
エーハ表面上に付着する微小粒子が著しく減少する。ま
た、このように外周面の表面粗さが低い圧電性単結晶ウ
エーハは、表面上に微小異物がほとんど付着していない
ため、該表面上に電極を形成する際、微小異物が原因で
電極が形成されない部分が無くなり、優れた特性を有す
るフィルタ等のデバイスを高い歩留りで作製することが
できる。
晶ウエーハにおけるウエーハ表面の方位を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 弾性表面波又は擬似弾性表面波を送受信
するための電極が形成されるウエーハ表面及びその裏面
を除く外周面の表面粗さRaが、2.3μm以下である
ことを特徴とする圧電性単結晶ウエーハ。 - 【請求項2】 前記圧電性単結晶ウエーハが、タンタル
酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、ラ
ンガサイト、又は水晶からなることを特徴とする請求項
1に記載の圧電性単結晶ウエーハ。 - 【請求項3】 前記圧電性単結晶ウエーハが、電極が形
成されるウエーハ表面がX軸と平行であり、且つ該ウエ
ーハ表面の垂線とY軸(但し、単結晶のa軸をX軸、c
軸をZ軸としたときに、X軸及びZ軸に直交する軸をY
軸とする。)との成す角度が33〜46°の範囲にある
タンタル酸リチウム単結晶ウエーハであることを特徴と
する請求項1に記載の圧電性単結晶ウエーハ。
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Cited By (3)
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-
1999
- 1999-10-28 JP JP30640499A patent/JP3866887B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2020040203A1 (ja) * | 2018-08-21 | 2021-09-02 | 京セラ株式会社 | 弾性表面波素子用基板及びその製造方法 |
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CN113690365A (zh) * | 2021-07-23 | 2021-11-23 | 绍兴中芯集成电路制造股份有限公司 | 压电器件及其制作方法 |
CN113690365B (zh) * | 2021-07-23 | 2024-02-13 | 绍兴中芯集成电路制造股份有限公司 | 压电器件及其制作方法 |
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