JP2001130974A - 金属−セラミック接合体及びそれを用いた摺動部品 - Google Patents

金属−セラミック接合体及びそれを用いた摺動部品

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JP2001130974A
JP2001130974A JP30686699A JP30686699A JP2001130974A JP 2001130974 A JP2001130974 A JP 2001130974A JP 30686699 A JP30686699 A JP 30686699A JP 30686699 A JP30686699 A JP 30686699A JP 2001130974 A JP2001130974 A JP 2001130974A
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ceramic
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JP30686699A
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English (en)
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Masahito Taniguchi
雅人 谷口
Manabu Okinaka
学 沖中
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属体における耐摩耗性能に必要な硬度を確
保することができると共に、金属体とセラミック体との
接合強度についても良好な金属−セラミック接合体及び
それを用いた摺動部品を提供する。 【解決手段】 タペット1は、Cuを少なくとも90w
t%以上含有しているロー材層4を介して、金属体2と
セラミック体3とが接合により一体化されて構成されて
いる。そして、このロー材層4の接合強度を保持しつつ
一定の延性を確保するため、このロー材層4の厚みは3
0μm以上500μm以下の範囲内にて調整されてい
る。また、金属体2のステム軸部2aの外周面における
表層部には、耐摩耗性の観点からその硬度を高めるべく
窒化処理による硬化部が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属−セラミック
接合体、特にタペット、ロッカーアーム、バルブリフタ
ー、カムシャフト、ターボロータ等の摺動部品に適した
金属−セラミック接合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、船舶、及び産業機械等に使用さ
れる摺動部品においては、近年、エンジンの高出力化、
高回転化、メンテナンスフリー化等の要請の高まりか
ら、耐摩耗性に優れるセラミック体が金属体にロー材層
を介して接合(ロー付け接合)された構造を有する金属
−セラミック接合体(以下、単に接合体ともいう)から
なるものが実用に供されている。
【0003】このような摺動部品(例えば、タペット
等)にあっては、構造によって摺動部位を複数有するも
のがある。しかながら、その摺動部位全てに高価なセラ
ミック体を使用することはコストの面で好ましくない。
このため、一般に最も高面圧で摺動する部位、即ち最も
摺動特性が要求される部位にのみセラミック体を用い、
それ以外の摺動特性が要求される部位については、金属
体の表層部の硬度を高めるべく、金属体の表層部に硬化
処理を施して耐摩耗性能の向上を図っている。この金属
体の表層部の硬度を高める手段としては、従来より、金
属体とセラミック体とのロー付け接合時における加熱・
冷却(空冷)を利用して、金属体に硬化処理を施す方法
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロー付け接
合時の加熱・冷却を利用することにより金属体の表層部
に硬化処理を施す際には、通常の焼入れ処理を施す場合
と比較して、金属体に負荷される熱処理温度域が異なる
ものであることから、その表層部において耐摩耗性能に
必要な硬度が得られないことがある。そのため、ロー付
け接合時の熱により焼きが入る性質を併せ持った金属体
を使用することが好ましい。しかしながら、このような
性質を有する金属体としては、例えばJIS SNCM
630や同SKC24といった高価な材質のものに制限
されてしまい、かつ、これら材質の金属体は難加工材で
もあることから、コストが高くなるという問題がある。
【0005】他方、炭素鋼やCr−Mo鋼等の汎用で安
価な材質の金属体を使用して、ロー付け接合時の加熱・
冷却を利用することにより硬化処理を施すには、金属体
に予め浸炭処理等の焼入れ処理を施した上でロー付け処
理を行う必要がある。しかしながら、ロー付け接合時に
おける熱処理温度は、一般に金属体の変態点温度にまで
昇温されるものであり、予め焼入れした金属体が鈍って
しまい、耐摩耗性能に必要な硬度が得られないことがあ
る。
【0006】そこで、ロー付け接合後に、別工程として
浸炭処理等の熱処理(焼入れ)を再度施して金属体を硬
化させることで、耐摩耗性能の向上を図ることが考えら
れる。しかしながら、浸炭処理は一般にロー付け接合時
の熱処理温度域にまで昇温されるものであり、またその
他の熱処理においても熱処理温度域がロー付け接合時の
熱処理温度域程度にまで及ぶことがあると、金属体とセ
ラミック体とを接合するロー材層において、例えばその
粘性が低下して融解するといったようなロー付け接合状
態の低下を招いてしまう。そのため、ロー材層による接
合強度が劣化してしまったり、著しい場合には接合剥が
れ(ロー材層の界面剥離)等が発生してしまうことが懸
念される。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点を解決し、
金属体における耐摩耗性能に必要な硬度を確保すること
ができると共に、金属体とセラミック体との接合強度に
ついても良好な金属−セラミック接合体及びそれを用い
た摺動部品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】前記課題
を解決するために為された本発明の請求項1記載の金属
−セラミック接合体は、Cuを主成分とするロー材層を
介して、金属体とセラミック体とが接合された構造を有
すると共に、前記金属体の表層部には窒化処理による硬
化部が形成されており、該硬化部の硬度が、該金属体の
内で当該硬化部を除く残余の部分の硬度よりも高い硬度
を有することを特徴とするかかる構造を有する金属−セ
ラミック接合体は、金属体の表層部において窒化処理に
よる硬化部が形成されており、その硬化部の硬度がビッ
カース硬さにてHv500〜750程度まで高められ、
優れた耐摩耗性能(摺動特性)を有するものとなる。こ
の窒化処理により形成される硬化部の硬度は、一般に浸
炭処理その他の硬化処理に比して幾分小さく、硬化され
る硬化部の深さも表層部近傍(表面近傍)に留まるもの
ではあるが、金属体の表層部における耐摩耗性能を確保
する観点からみれば何等問題は無いものである。
【0009】逆に、この窒化処理による硬化部において
は、硬化される硬化部の深さが表層部近傍に留まるもの
であることから、金属体全体が硬化されるものではな
く、金属体の内部といった当該金属体の内で硬化部を除
く残余の部分については、金属体自身が有する靱性を有
効に維持することができ、接合体(金属体)に対して衝
撃荷重がかかった際にも脆性破壊といった危険性を回避
することができる。なお、本明細書において「窒化処
理」とは、金属に窒素を拡散浸透させる表面硬化法のこ
とをいうものであり、具体的にはガス窒化法、液体窒化
法、タフトライド法、イオン窒化法、ガス軟窒化法等が
挙げられる。
【0010】また、本発明では、延性に優れるCuを主
成分とするロー材層を介して、金属体とセラミック体と
が接合されている。かかる構成によれば、このロー材層
が、ロー付け接合時において金属体とセラミック体の両
者の熱膨張差に起因する残留応力(あるいは熱応力)
を、自身の塑性変形によって緩和するように働く。この
ため、前記残留応力によってセラミック体にクラック等
の欠陥が生じたり、あるいはロー材層の界面剥離等が生
じたりすることを有効に抑制ないし防止した状態でロー
付け接合されることになり、信頼性の高い接合体を得る
ことができるのである。さらに、本発明では、ロー材層
が上述したようにCuを主成分とするCu系ロー材を使
用してなるものであることから、ロー材層の耐熱性、ひ
いては接合体の高温接合強度を著しく高めることができ
る。なお、本明細書において「主成分」とは、最も含有
率の高い成分のことを意味するものである。
【0011】ところで、金属体の表層部に硬化部を形成
するための前記窒化処理は、浸炭処理その他の硬化処理
と比較して、熱処理温度が500〜600℃程度と低い
温度域で行われるものである。他方、本発明ではロー材
層が延性及び耐熱性に優れるCuを主成分として構成さ
れているものである。即ち、本発明の接合体にあって
は、金属体の表層部に耐摩耗性能を向上させるべく窒化
処理により硬化部を形成するにあたり、窒化処理時の熱
処理温度がロー材層に及んだ場合にも、窒化処理時の熱
処理温度が低い温度域にあって、その一方、ロー材層が
延性及び耐熱性に優れるものであることから、硬化処理
に伴うロー付け状態の低下を有効に抑制した状態で、金
属体の表層部に硬化部が形成されることになる。
【0012】つまり、本発明により、金属体の表層部に
て耐摩耗性能に必要な硬度が十分に満たされ、かつ、金
属体とセラミック体との接合強度についても良好な接合
体を提供することができる。さらに、硬化処理に伴うロ
ー付け状態の低下を有効に抑制しつつ、金属体の表層部
に硬化部を形成することが可能であることから、接合体
を構成する金属体の材質(例えば、鋼種)は特に制限さ
れるものではなく、それより接合体を低コストで提供す
ることが可能となる。
【0013】また、前記ロー材層としては、請求項2に
記載のように、Cuを少なくとも90wt%以上含有し
ていることが好ましい。このようにCuを少なくとも9
0wt%以上含有しているロー材層は、通常900℃以
上の耐熱性に優れるものであり、金属体の表層部に50
0〜600℃程度といった熱処理温度域にある窒化処理
により硬化部が形成される際にも、ロー付け状態を安定
して維持することができ、接合強度に優れた接合体を得
ることができる。なお、このようなロー材層としては、
例えば、Cu−Al−Si−Ti系(Cu−93.0w
t%、Al−2.0wt%、Si−3.0wt%、Ti
−2.0wt%)、Cu−Si−Ti系(Cu−93.
0wt%、Si−3.0wt%、Ti−4.0wt%)
等のCu系のロー材を使用することにより構成すること
ができる。
【0014】但し、前記延性及び耐熱性に優れるCu系
ロー材を用いてロー材層が構成される場合にも、当該ロ
ー材層が所定の厚みの範囲内でなければその延性を十分
に発揮することができないことがある。このため、請求
項3に記載のように、Cuを少なくとも90wt%以上
含有している前記ロー材層の厚みが、30μm以上50
0μm以下の範囲内にあることが好ましい。この厚みの
範囲内としたのは、ロー材層の厚みがこれより薄い場合
には、上述したようにロー材層が有する延性を十分に発
揮することができないことがあり、一方、ロー材層の厚
みがこれより厚い場合には、例えばロー材層に衝撃荷重
等が大きく及んだ際に、接合強度が劣化してしまうこと
が懸念されるからである。
【0015】さらに、本発明の金属−セラミック接合体
にあっては、請求項4に記載のように、複数のロー材層
の間にCuを主成分とする緩衝板を挟み込んだ状態にあ
る複合層を介して、金属体とセラミック体とが接合され
た構造を有すると共に、前記金属体の表層部には窒化処
理による硬化部が形成されており、該硬化部の硬度が、
該金属体の内で当該硬化部を除く残余の部分の硬度より
も高い硬度を有することを特徴とする。
【0016】かかる構造を有する金属−セラミック接合
体では、上述したように金属体の表層部において窒化処
理による硬化部が形成されており、金属体の表層部にお
いては耐摩耗性能(摺動特性)に必要な硬度が十分に満
たされている。また、本発明では、延性に優れるCuを
主成分とする緩衝板を複数のロー材層の間に挟み込んだ
状態にある複合層を介して、金属体とセラミック体とが
接合されている。かかる構成によれば、この緩衝板が、
ロー付け接合時において金属体とセラミック体の両者の
熱膨張差に起因する残留応力を、自身の塑性変形によっ
て効果的に緩和するように働く。このため、前記残留応
力によってセラミック体にクラック等の欠陥が生じた
り、あるいはロー材層の界面剥離等が生じたりすること
を有効に抑制ないし防止することができる。なお、この
複合層は、緩衝板を複数のロー材層により挟み込んだ状
態で構成されており、この緩衝板が金属体側にロー材層
を介してロー付け接合される一方、セラミック体側にも
同様にロー材層を介してロー付け接合されることで接合
体は構成される。
【0017】とりわけ、延性に優れる緩衝板を有する複
合層を介して構成される接合体にあっては、この緩衝板
が、ロー材層に代わり金属体とセラミック体との熱膨張
差に起因する残留応力を緩和し得ることから、ロー材層
として延性に優れるCuを含有するものを選択すること
は必ずしも必要ではない。したがって、ロー材の種類は
Cuを主成分とするCu系ロー材に制限されることな
く、Agを主成分とするAg系ロー材を選択することも
でき、ロー材の適用範囲が広くなるといった利点を有す
る。
【0018】即ち、本発明の接合体にあっては、金属体
の表層部の耐摩耗性能を向上させるべく窒化処理により
硬化部を形成するにあたり、窒化処理時の熱処理温度が
複合層に及んだ場合にも、窒化処理時の熱処理温度が低
い温度域にあって、その一方、緩衝板が延性及び耐熱性
に優れるものであることから、ロー材層が例えばAg系
ロー材により構成される場合にもCuを主成分とする緩
衝板の働きによって、窒化処理に伴うロー材層を含む複
合層におけるロー付け状態の低下を有効に抑制した状態
で、金属体の表層部に硬化部が形成されることになる。
【0019】また、前記緩衝板としては、請求項5に記
載のように、Cuを少なくとも90wt%以上含有して
いることが好ましい。このようにCuを少なくとも90
wt%以上含有している緩衝板は、通常900℃以上の
耐熱性に優れるものであるため、500〜600℃程度
といった熱処理温度域にある窒化処理により金属体の表
層部に硬化部が形成される際にも、その緩衝板の働きに
よりロー材層を含む複合層のロー付け状態を安定して維
持することができ、接合強度に優れた接合体を得ること
ができる。
【0020】但し、前記延性及び耐熱性に優れるCuを
主成分とする緩衝板を配設して複合層が形成される場合
にも、当該複合層の内でCuを含有する部分が所定の厚
みの範囲内でなければその延性を十分に発揮することが
できないことがある。このため、請求項6に記載のよう
に、前記複合層において、Cuを少なくとも90wt%
以上含有している部分の厚みが、30μm以上500μ
m以下の範囲内にあることが好ましい。なお、この部分
の厚みは、複合層を構成するロー材層がCuを少なくと
も90wt%以上含有している場合には、ロー材層と緩
衝板とを併せた部分の厚みのことをいうものとする。こ
の厚みの範囲内としたのは、複合層の内でCuを少なく
とも90wt%以上含有している部分の厚みがこれより
薄い場合には、上述したように緩衝板が有する延性を十
分に発揮することができないことがあり、一方、複合層
の内でCuを少なくとも90wt%以上含有している部
分の厚みがこれより厚い場合には、例えば複合層に衝撃
荷重等が大きく及んだ際に、接合強度が劣化してしまう
ことが懸念されるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明の
好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実
施形態では、内燃機関(エンジンブロック)に組み込ま
れ、吸気・排気弁等の動弁機構を駆動させる摺動部品た
るタペットに、本発明の金属−セラミック接合体を適用
した例を示す。
【0022】図1に示すタペット1は、Cuを少なくと
も90wt%以上含有しているロー材層4を介して、金
属体2とセラミック体3とが接合により一体化された構
造を有している。金属体2は、Fe系材料を冷間鍛造及
び研削加工することにより形成されており、自身の軸線
直交断面が略円状のステム軸部2aの一方の端部側に、
軸線方向のプッシュロッド挿通孔2cを開口する一方
で、他方の端部側にステム軸部2aの径よりも大径のベ
ース部2bが連設された形状を有する。このステム軸部
2aの外周面における表層部は、エンジンブロックに設
けられた軸状のガイド孔内壁面(図示せず)に沿って往
復動されることから、耐摩耗性能(摺動特性)が要求さ
れ、その表層部は硬度を高めるべく窒化処理により硬化
部(図示せず)が形成されている。また、この窒化処理
による硬化部は、ステム軸部2aの外周面における表層
部のみならずプッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッ
ド(図示せず)との当たり面にも形成されている。
【0023】なお、金属体2を形成するFe系材料とし
ては、各種炭素鋼、合金鋼(ステンレス鋼あるいは耐熱
鋼を含む)、あるいは鋳鉄を使用できる。例えばJIS
に規定されたものでは、JIS S45C、同S50
C、同SCr440、同SCr420、同SCM43
5、同SNC631、同SNC815、同SNCM43
9、同SNCM447、同SNCM630、同SACM
645等種々の材料が適用可能である。
【0024】ついで、セラミック体3は、窒化珪素(S
34)を主体に構成することができる。窒化珪素は機
械的強度、耐摩耗性及び耐食性に優れ、タペット等高温
・高負荷かつ腐食性の過酷な環境下で使用される動弁系
摺動部品においても、十分な強度及び耐久性を確保する
ことが可能である。この窒化珪素を主体とするセラミッ
ク体3は、例えば、窒化珪素原料90wt%にY23
Al23系焼結助剤及び成形バインダを加え、金型プレ
スにより成形後、脱脂、焼成を行い、両端面を研削して
円板状に形成したものを使用することができる。なお、
セラミック体3は、窒化珪素以外では、炭化珪素、窒化
アルミニウム、アルミナ、サイアロン等を適用可能であ
る。
【0025】なお、セラミック体3のカム摺動面をなす
一端面3aは、図中やや誇張して示すように、クラウニ
ング形状に形成されている。このクラウニング形状は、
金属体2とセラミック体3とのロー付け接合時における
加熱後の冷却時に、金属体2とセラミック体3との熱膨
張差を利用して、セラミック体3を中央部が盛り上がる
ように弾性変形させることにより形成したものである。
この方法によれば、研磨等の機械加工を用いることなく
セラミック体3にクラウニング形状を形成することがで
きる。
【0026】ついで、ロー材層4を形成するためのロー
材は、Cuを主成分とするCu系ロー材を使用すること
により、ロー材層4の延性及び耐熱性、ひいては摺動部
品の高温接合強度をさらに高めることができる。さらに
Cu系ロー材としては、Cuを90wt%以上含有する
ものを使用することにより、ロー材層4(接合部)の耐
熱性にとりわけ優れた摺動部品を得ることが可能とな
る。このCu系ロー材としては、具体的にはCu−Al
−Si−Ti系のロー材(Cu−93.0wt%、Al
−2.0wt%、Si−3.0wt%、Ti−2.0w
t%)が挙げられる。
【0027】Cuの含有量は上述のように90wt%以
上に設定することで、ロー材層の延性及び耐熱性が特に
良好となる。Alは主にロー材の融点を調整する働きを
なし、含有量が高いほどロー材の融点が低下する。一
方、Siはロー材が溶融してできる液相の流動性を高
め、空孔といった欠陥が少ないロー材層の形成に寄与す
る。但し、Si含有量が0.1wt%未満になると液相
の流動性改善効果が乏しくなり、逆に8wt%を越える
とロー材層が脆弱化して接合強度の低下につながるおそ
れがある。
【0028】なお、活性金属成分たるTiが10wt%
を越えるとセラミックとの界面反応生成物の量が増大し
て接合強度が低下するため、活性金属成分の含有量は1
0wt%以下、望ましくは5wt%以下の範囲内にて調
整するのがよい。なお、Alの含有量は、Si及び活性
金属成分の含有量と、ロー材の狙い融点(固相線温度)
とを勘案して、0.1〜5wt%の範囲内にて適宜調整
する。
【0029】さらに、Cuを少なくとも90wt%以上
含有している前記ロー材層4の厚みは、30μm以上5
00μm以下の範囲内にて調整するのがよい。厚さが5
00μmを超えると、例えばロー材層4に衝撃荷重等が
大きく及んだ際に、接合強度の低下を招くおそれがあ
る。一方、厚さが30μm未満ではロー材層4が有する
延性を十分に発揮することができない場合がある。な
お、前記以外のCu系ロー材としては、Cu−Al−S
i−Ti系(Cu−90.0wt%、Al−3.0wt
%、Si−3.5wt%、Ti−3.5wt%)、Cu
−Pd−Si−Ti系(Cu−90.0wt%、Pd−
6.0wt%、Si−2.0wt%、Ti−2.0wt
%)、Cu−Si−Ti系(Cu−93.0wt%、S
i−3.0wt%、Ti−4.0wt%)等を使用する
こともできる。
【0030】ついで、本実施形態に示すタペット1を構
成する金属−セラミック接合体を製造するには、Feを
主体に構成される金属体2と窒化珪素を主体に構成され
るセラミック体3とを、Cuを主成分とするCu系ロー
材を介して、真空または不活性ガス(窒素ガス、アルゴ
ンガス、ヘリウムガス等)雰囲気中でロー付け接合す
る。このロー付け接合は、熱処理温度域1000〜12
00℃程度(例えば、1050℃)、接合時間5〜60
分間(例えば、50分間)で行うことが好ましい。
【0031】そして、ロー付け接合後であって、得られ
た接合体を室温〜50℃まで一旦冷却した後に、金属体
2のステム軸部2aの外周面における表層部及びプッシ
ュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当たり面に対
して硬化部を形成するために窒化処理を行う。なお、こ
の窒化処理にあっては、ガス窒化法、液体窒化法、タフ
トライド法、イオン窒化法、ガス軟窒化法等種々考えら
れる。また、この窒化処理は、熱処理温度域500〜6
00℃程度、処理時間30〜300分間で行うことが好
ましい。
【0032】このように、本実施形態では、金属体2の
表層部に硬化部を形成するための硬化処理として、浸炭
処理その他の硬化処理と比較して熱処理温度域が500
〜600℃程度と低い温度域で行われる窒化処理を用い
ており、他方、ロー材層4が延性及び耐熱性に優れるC
uを主成分として構成されている。このため、金属体2
の表層部に耐摩耗性能を向上させるべく窒化処理により
硬化部を形成するにあたって、窒化処理時の熱処理温度
がロー材層4に及んだ場合にも、窒化処理時の熱処理温
度が低い温度域にあって、その一方、ロー材層4が延性
及び耐熱性に優れるものであることから、硬化処理に伴
うロー付け状態の低下を有効に抑制した状態で、金属体
2の表層部に硬化部が形成されることになる。
【0033】なお、上記実施形態では、セラミック体3
を金属体2に直接ロー付け接合していたが、図2に示す
ように、ロー材層4が第1ロー材層4a及び第2ロー材
層4bに分割され、かつ、その分割されたロー材層4
a、4bの間にCuを少なくとも90wt%以上含有し
ている緩衝板5を挟み込んだ状態で構成される複合層6
を介して、セラミック体3と金属体2とを接合した接合
体タペットを構成することもできる。
【0034】このように、延性及び耐熱性に優れるCu
を少なくとも90wt%以上含有している緩衝板5を、
ロー材層4a、4bの間に挟み込んでなる複合層6を介
して接合体を構成することにより、ロー付け接合時にお
いて、この緩衝板5が、金属体2とセラミック体3との
熱膨張差に起因する残留応力を、自身の塑性変形によっ
て効果的に緩和することができる。このため、ロー材層
4として延性に優れるCuを含有するものを上記実施形
態のように選択することは必ずしも必要ではない。
【0035】したがって、緩衝板5を有する複合層6を
介して接合体タペットが構成される場合にあっては、ロ
ー材の種類はCuを主成分とするCu系ロー材に制限さ
れることなく、Agを主成分とするAg系ロー材を選択
することができる。なお、Agを主成分とするAg系の
ロー材としては、Ag−Cu−In−Ti系ロー材(C
u:15〜30wt%、In:8〜15wt%、Ti:
0.5〜4wt%、残部Ag)、Ag−Cu−Ti系ロ
ー材(Cu:20〜40wt%、Ti:0.5〜4wt
%、残部Ag)等が挙げられる。また、緩衝板として軟
質金属であるNi系の緩衝板を使用することも考えられ
るが、NiはCuに比較して耐熱性が低く、延性もやや
劣るため、Cu系の緩衝板を使用することが好ましい。 [第2実施形態]本実施形態では、内燃機関に組み込ま
れ、吸気・排気弁等の動弁機構を駆動させるロッカーア
ームに、本発明の金属−セラミック接合体を適用した例
を示す。
【0036】図8に示すロッカーアーム201は、内燃
機関の吸気・排気のタイミングに合わせてその一端で吸
気・排気バルブを開弁方向に押圧付勢するものであり、
金属体202とセラミック体203とが、Cuを少なく
とも90wt%以上含有しているロー材層204を介し
て接合されて構成されている。
【0037】金属体202は、Fe系材料を冷間鍛造及
び研削加工することにより形成されており、長軸状の本
体を有し、その一端に揺動中心となる揺動軸207を備
え、その他端に、吸気・排気バルブを開く際にバルブス
テム(図示せず)の上端部を押圧する押圧部208を備
えている。
【0038】この押圧部208の表層部は、エンジンブ
ロックに設けられたバルブステムの上端部に頻繁に接触
することから、耐摩耗性能が要求される。このため、金
属体202の表層部にはその硬度を高めるべく窒化処理
による硬化部(図示せず)が形成されている。
【0039】なお、金属体202を形成するFe系材料
としては、各種炭素鋼、合金鋼(ステンレス鋼あるいは
耐熱鋼を含む)、あるいは鋳鉄を使用できる。例えばJ
ISに規定されたものでは、JIS S45C、同S5
0C、同SCr440、同SCr420、同SCM43
5、同SNC631、同SNC815、同SNCM43
9、同SNCM447、同SNCM630、同SACM
645等種々の材料が適用可能である。
【0040】ついで、セラミック体203は、ロッカー
アーム201の揺動のために、吸気側カム或いは排気側
カム(図示せず)が当接する当接部を構成するものであ
り、金属体202の上面に接合されている。このセラミ
ック体203は、窒化珪素(Si34)を主体に構成す
ることができる。窒化珪素は機械的強度、耐摩耗性及び
耐食性に優れ、ロッカーアーム等高温・高負荷かつ腐食
性の過酷な環境下で使用される動弁系摺動部品において
も、十分な強度及び耐久性を確保することが可能であ
る。この窒化珪素を主体とするセラミック体203は、
例えば、窒化珪素原料90wt%にY23−Al23
焼結助剤及び成形バインダを加え、金型プレスにより成
形後、脱脂、焼成を行い、両端面を研削して平板状に形
成したものを使用することができる。なお、セラミック
体203は、窒化珪素以外では、炭化珪素、窒化アルミ
ニウム、アルミナ、サイアロン等を適用可能である。
【0041】なお、セラミック体203において吸気側
カム或いは排気側カムとの当接面をなす一端面203a
は、図中やや誇張して示すように、クラウニング形状に
形成されている。このクラウニング形状は、金属体20
2とセラミック体203とのロー付け接合時における加
熱後の冷却時に、金属体202とセラミック体203と
の熱膨張差を利用して、セラミック体203を中央部が
盛り上がるように弾性変形させることにより形成したも
のである。この方法によれば、研磨等の機械加工を用い
ることなくセラミック体203にクラウニング形状を形
成することができる。
【0042】ついで、ロー材層204を形成するための
ロー材は、Cuを主成分とするCu系ロー材を使用する
ことにより、ロー材層204の延性及び耐熱性、ひいて
は摺動部品の高温接合強度をさらに高めることができ
る。さらにCu系ロー材としては、Cuを90wt%以
上含有するものを使用することにより、ロー材層204
(接合部)の耐熱性にとりわけ優れた摺動部品を得るこ
とが可能となる。このCu系ロー材としては、具体的に
はCu−Si−Pd−Ti系のロー材(Cu−92wt
%、Si−3wt%、Pd−2.5wt%、Ti−2.
5wt%)が挙げられる。
【0043】Cuの含有量は上述のように90wt%以
上に設定することで、ロー材層の延性及び耐熱性が特に
良好となる。Siはロー材が溶融してできる液相の流動
性を高め、空孔といった欠陥が少ないロー材層の形成に
寄与する。但し、Si含有量が0.1wt%未満になる
と液相の流動性改善効果が乏しくなり、逆に8wt%を
越えるとロー材層が脆弱化して接合強度の低下につなが
るおそれがある。一方、Pdはロー材の耐熱性、耐食性
を向上させる働きをなし、含有量が高いほどその効果は
高められるが、融点の上昇及び価格の上昇を招いてしま
う。
【0044】なお、活性金属成分たるTiが10wt%
を越えるとセラミックとの界面反応生成物の量が増大し
て接合強度が低下するため、活性金属成分の含有量は1
0wt%以下、望ましくは5wt%以下の範囲内にて調
整するのがよい。さらに、Cuを少なくとも90wt%
以上含有している前記ロー材層の厚みは、30μm以上
500μm以下の範囲内にて調整するのがよい。厚さが
500μmを超えると、例えばロー材層に衝撃荷重等が
大きく及んだ際に、接合強度の低下を招くおそれがあ
る。一方、厚さが30μm未満ではロー材層が有する延
性を十分に発揮することができない場合がある。なお、
前記以外のCu系ロー材としては、Cu−Al−Si−
Ti系のロー材(Cu−93.0wt%、Al−2.0
wt%、Si−3.0wt%、Ti−2.0wt%)、
Cu−Si−Ti系(Cu−93.0wt%、Si−
3.0wt%、Ti−4.0wt%)等を使用すること
もできる。
【0045】ついで、本実施形態に示すロッカーアーム
201を構成する金属−セラミック接合体を製造するに
は、Feを主体に構成される金属体202と窒化珪素を
主体に構成されるセラミック体203とを、Cuを主成
分とするCu系ロー材を介して、真空または不活性ガス
(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等)雰囲気中
でロー付け接合する。このロー付け接合は、熱処理温度
域1000〜1200℃程度(例えば、1050℃)、
接合時間5〜60分間(例えば、50分間)で行うこと
が好ましい。
【0046】そして、ロー付け接合後であって、得られ
た接合体を室温〜50℃まで一旦冷却した後に、金属体
202の表層部に対して硬化部を形成するために窒化処
理を行う。なお、この窒化処理にあっては、ガス窒化
法、液体窒化法、タフトライド法、イオン窒化法、ガス
軟窒化法等種々考えられる。また、この窒化処理は、熱
処理温度域500〜600℃程度、処理時間3〜300
分間で行うことが好ましい。
【0047】このように、本実施形態では、金属体20
2の表層部に硬化部を形成するための硬化処理として、
浸炭処理その他の硬化処理と比較して熱処理温度域が5
00〜600℃程度と低い温度域で行われる窒化処理を
用いており、他方、ロー材層204が延性及び耐熱性に
優れるCuを主成分として構成されている。このため、
金属体202の表層部に耐摩耗性能を向上させるべく窒
化処理により硬化部を形成するにあたって、窒化処理時
の熱処理温度がロー材層204に及んだ場合にも、窒化
処理時の熱処理温度が低い温度域にあって、その一方、
ロー材層204が延性及び耐熱性に優れるものであるこ
とから、硬化処理に伴うロー付け状態の低下を有効に抑
制した状態で、金属体202の表層部に硬化部が形成さ
れることになる。
【0048】なお、上記実施形態では、セラミック体2
03を金属体202に直接ロー付け接合していたが、図
9に示すように、ロー材層204が第1ロー材層204
a及び第2ロー材層204bに分割され、かつ、その分
割されたロー材層204a、204bの間にCuを少な
くとも90wt%以上含有している緩衝板205を挟み
込んだ状態で構成される複合層206を介して、セラミ
ック体203と金属体202とを接合した接合体ロッカ
ーアームを構成することもできる。
【0049】このように、延性及び耐熱性に優れるCu
を少なくとも90wt%以上含有している緩衝板205
を、ロー材層204a、204bの間に挟み込んでなる
複合層206を介して接合体を構成することにより、ロ
ー付け接合時において、この緩衝板205が、ロー材層
に代わり金属体202とセラミック体203との熱膨張
差に起因する残留応力を、自身の塑性変形によって効果
的に緩和することができる。このため、ロー材層として
延性に優れるCuを含有するものを上記実施形態のよう
に選択することは必ずしも必要ではない。
【0050】したがって、緩衝板205を有する複合層
206を介して接合体が構成される場合にあっては、ロ
ー材の種類はCuを主成分とするCu系ロー材に制限さ
れることなく、Agを主成分とするAg系ロー材を選択
することができる。なお、Agを主成分とするAg系の
ロー材としては、Ag−Cu−In−Ti系ロー材(C
u:15〜30wt%、In:8〜15wt%、Ti:
0.5〜4wt%、残部Ag)、Ag−Cu−Ti系ロ
ー材(Cu:20〜40wt%、Ti:0.5〜4wt
%、残部Ag)等が挙げられる。また、緩衝板として軟
質金属であるNi系の緩衝板を使用することも考えられ
るが、NiはCuに比較して耐熱性が低く、延性もやや
劣るため、Cu系の緩衝板を使用することが好ましい。
【0051】
【実施例】(実施例1) [実機耐久試験]発明者らは、本発明の効果を確認する
ために、図1に示した形状を有するタペット1を以下に
示す条件にて作製し、それについて後述する耐久試験条
件にて実機耐久試験を行った。実機耐久試験についての
結果は図3〜図7に示した。
【0052】まず、金属体2の材質として、JISに規
定されたS45C、SCr420、SCM435、SN
CM439、SACM645を冷間鍛造、機械研削する
ことにより作製した(金属体2の各寸法は、ステム軸部
2aの外径d1:20mm、同内径d2:15mm、ス
テム軸部2aの軸線方向の長さ(即ち、全長)L:60
mm、ベース部2bの外径D1:30mm、同厚み(軸
線方向長さ)T:10mm)。一方、セラミック体3と
して、窒化珪素(Si34)原料100重量部に、Y2
3−Al23系焼結助剤を10重量部及び成形バイン
ダ5重量部とを配合して金型プレスにより成形し、脱脂
した後に、N2ガス雰囲気で1700℃にて2時間の常
圧焼結後、1700℃、100atmにてガス圧焼結
し、円板状の焼結体を得た。ついで、こうして得られた
焼結体の両面を研削してセラミック体3を作製した(セ
ラミック体3の各寸法は、直径D2:30mm、厚み
t:1.5mm)。
【0053】そして、得られた金属体2に、後述するロ
ー材層あるいは緩衝板を複数のロー材層の間に挟み込ん
だ状態にある複合層を介してセラミック体3をロー付け
接合した(ロー付け条件については図3〜図7に記載し
ている)後、金属体2のステム軸部2aの外周面におけ
る表層部及びプッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッ
ドとの当たり面に対して硬化部を形成すべく後述する条
件の窒化処理を行い、本試験用の各タペット1を複数個
作製した。
【0054】タペット1は各条件毎に2個ずつ作製し、
一方を中心軸線を含む断面にて切断すると共に、断面を
研磨・エッチングして硬化部の形成を確認して、マイク
ロビッカース硬度計を用いて試験荷重5gf〜300g
fの範囲内で、表面よりも0.05mmの深さにおける
硬化部のビッカース硬度(平均硬度)を測定するものと
する。
【0055】また、ロー材層4あるいは複合層6のCu
を少なくとも90wt%以上含有する部分の「厚み」の
測定については、WDS(波長分散型電子分光分析)に
て分析を行い、詳細には、ロー材層4あるいは複合層6
の厚み方向に対して、5μm間隔のスポットにて成分比
率を順次測定し、Cu成分含有量が90wt%以上を示
すスポット中心間を「厚み」の測定値とした。ここで、
ロー材層中に偏析が生じている場合には、上述した測定
方法での厚み方向の総和を「厚み」の測定値とする。な
お、この測定値については、ロー材層4あるいは複合層
6の任意の10ヶ所の平均値をとるものとする。また、
図3〜図7において、ステム軸部2a及びプッシュロッ
ド摩耗量についてが最大摩耗量を示した。 <耐久試験条件> エンジン仕様: 12000CC OHVディーゼルエンジン カム回転数 : 2300rpm(定格の160%)の回転数で5分、 250rpm(アイドル)の回転数で5分のサイクリック運転 タペットクリアランス: 1.2mm(標準の3倍) 使用エンジンオイル : 市場10万km走行相当の劣化オイル 耐久時間: 1000時間 図3に示す実施例では、ロー材層4を構成するロー材と
して、厚さ80μmのCu−Al−Si−Ti系ロー材
(Cu−93.0wt%、Al−2.0wt%、Si−
3.0wt%、Ti−2.0wt%)を使用した。この
ロー付け接合は、熱処理温度1050℃、接合時間30
分にて行った。また、窒化処理については、タフトライ
ド法を利用して、熱処理温度570℃、処理時間60分
間にて行った。なお、同図に示す実施例では、緩衝板5
は設けていない。
【0056】図3によれば、窒化処理により、各金属体
2のステム軸部2aの外周面における表層部及びプッシ
ュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当たり面に、
ビッカース硬さでHv500〜750にまで硬度が高め
られた硬化部が形成されたことが確認された。また、耐
久試験においても、これらステム軸部2aの外周面にお
ける表層部の摩耗量及びプッシュロッド挿通孔2cのプ
ッシュロッドとの当たり面の摩耗量が、ともに10μm
以下に抑えられたことが確認できた。このことから、窒
化処理により金属体2に対して優れた耐摩耗性能(摺動
特性)が付与されたことが確認できた。
【0057】また、ロー付け処理後に、ロー材層4にお
いてCuを少なくとも90wt%以上含有する部分の厚
みが50〜70μmとなったことが確認され、窒化処理
(硬化処理)後の状態も、セラミック体3にクラック等
の欠陥が生じることもなく、良好であることが確認でき
た。さらに、耐久試験中にセラミック体3の割れ、或い
はロー材層4の界面剥離等は生じなかった。
【0058】これは、このロー材層4が、ロー付け接合
時においては、金属体2とセラミック体3の両者の熱膨
張差に起因する残留応力(あるいは熱応力)を、自身の
塑性変形によって緩和するように働き、耐久試験におい
ては、セラミック体3に負荷される繰り返し応力を緩和
するように働いたためと考えられる。
【0059】図4に比較例を示す。この比較例では、ロ
ー材層4を構成するロー材として、厚さ80μmのAg
−Cu−Ti系のロー材(Ag−70.0wt%,Cu
−28.0wt%,Ti−2.0wt%)を使用した。
このロー付け接合は、熱処理温度850℃、接合時間3
0分にて行った。また、金属体2に硬化処理としての窒
化処理は施していない。その他の条件については図3に
示した実施例の場合と同様である。
【0060】図4によれば、各金属体2に窒化処理が施
されていないため、各金属体2のステム軸部2aの外周
面における表層部及びプッシュロッド挿通孔2cのプッ
シュロッドとの当たり面には、上記図3の実施例のよう
な硬化部は形成されておらず、その硬度は、ビッカース
硬さでHv100〜250と小さいことが確認された。
【0061】また、耐久試験後のステム軸部2aの外周
面における表層部の摩耗量は、最も良好なもの(SAC
M645)でさえ60μmを超え、最も摩耗の激しいも
の(S45C)では200μmを超えるに到った。同様
に、プッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当
たり面における摩耗量も、最も良好なもの(SNCM4
39)でさえ700μmに到り、最も摩耗の激しいもの
(S45C)では1200μmを超えるに到った。ただ
し、JIS S45C、同SCr420、同SCM43
5からそれぞれ形成されたタペットについては、耐久試
験中にセラミック体3に割れが生じており、これら3種
類のタペットについての上記摩耗量は、セラミック体3
に割れが生じた時点での摩耗量を示す。
【0062】このことは、裏を返せば窒化処理により金
属体2に対して優れた耐摩耗性能(摺動特性)が付与さ
れるところ、当該窒化処理を行わなかったために、所望
の摩耗性能(摺動特性)が確保されなかったものと考え
ることができる。また、図4に示した比較例において、
上記3種類のタペットについてセラミック体3の割れが
生じた理由は以下のように考えることができる。即ち、
本比較例においては、ロー付け処理後にロー材層4にお
いてCuを少なくとも90wt%以上含有する部分の厚
みがゼロとなっており、図3の実施例のようにロー材層
4の延性を十分に確保することができないため、耐久試
験においてセラミック体3に負荷される繰り返し応力が
ロー材層4により緩和されず、破断に到ったものと考え
られる。
【0063】図5に、ロー材層4の主成分であるCuの
含有率を85wt%とした実施例を示す。この実施例で
は、ロー材層4を構成するロー材として、厚さ50μm
のCu−Al−Si−Ti系のロー材(Cu−85.0
wt%、Al−5.0wt%、Si−5.0wt%、T
i−5.0wt%)のものを使用した。その他の条件に
ついては図3に示した実施例の場合と同様である。
【0064】図5によれば、図3の実施例の場合と同
様、各金属体2には窒化処理が施されているため、各金
属体2のステム軸部2aの外周面における表層部及びプ
ッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当たり面
には、ビッカース硬さでHv500〜750にまで硬度
が高められた硬化部が形成され、耐久試験においても、
これらステム軸部2aの外周面における表層部の摩耗量
及びプッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当
たり面の摩耗量が、ともに10μm以下に抑えられたこ
とが確認できた。このことから、窒化処理により金属体
2に対して優れた耐摩耗性能(摺動特性)が付与された
ことが確認できた。
【0065】しかしながら、JIS S45C、同SC
r420、同SCM435からそれぞれ形成されたタペ
ットについては、耐久試験中にセラミック体3が金属体
2から剥離する現象が生じている。この原因としては、
ロー付け処理後に、ロー材層4においてCuを少なくと
も90wt%以上含有する部分の厚みが30〜50μm
と、図3の実施例に比較して小さくなっており、図3の
実施例と同等のロー材層4の延性を確保することができ
ないため、金属体2の材質によっては耐久試験において
セラミック体3に負荷される繰り返し応力がロー材層4
に及んで、セラミック体3と金属体2との間に生じるせ
ん断力により剥離に到ったものと考えられる。しかし、
JIS SNCM439、同SACM645からなるタ
ペットについてはこのようなセラミック体3の剥離は生
じていないので、ロー材層4においてCuを少なくとも
90wt%以上含有する部分の厚みが30〜50μmの
範囲であっても、そのロー材層4の延性の効果は幾分発
揮されていることが確認できる。
【0066】以上、図3〜図5に示された試験結果か
ら、ロー材層4の主成分としてのCuの含有率は90w
t%以上とするのが好ましいことが分かる。また、Cu
を少なくとも90wt%以上含有する部分の厚みは、3
0μm以上、より好ましくは50μm以上とすればよい
ことが分かる。
【0067】図6に、図2に示す態様のタペット、すな
わち、ロー材層4が第1ロー材層4a及び第2ロー材層
4bに分割され、かつ、その分割されたロー材層4a、
4bの間にCuを少なくとも90wt%以上含有してい
る緩衝板5を挟み込んだ状態で構成される複合層6を介
して、セラミック体3と金属体2とを接合したタペット
の実験例を示す。この実施例では、第1ロー材層4a及
び第2ロー材層4bを構成するロー材として、ともに図
4の実施例と同様の厚さ50μmのAg−Cu−Ti系
のロー材(Ag−70.0wt%,Cu−28.0wt
%,Ti−2.0wt%)を使用した。また、緩衝板5
としては厚さ100μmの純Cu板を使用し、上記第1
ロー材層4aと第2ロー材層4bとの間に当該緩衝板5
を挿入した状態でロー付け接合を行った。このロー付け
接合は、熱処理温度850℃、接合時間30分にて行っ
た。また、窒化処理については、タフトライド法を利用
して、熱処理温度570℃、処理時間60分間にて行っ
た。
【0068】図6によれば、図3の実施例の場合と同
様、各金属体2には窒化処理が施されているため、各金
属体2のステム軸部2aの外周面における表層部及びプ
ッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当たり面
には、ビッカース硬さでHv500〜750にまで硬度
が高められた硬化部が形成され、耐久試験においても、
これらステム軸部2aの外周面における表層部の摩耗量
及びプッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当
たり面の摩耗量が、ともに10μm以下に抑えられたこ
とが確認できた。このことから、窒化処理により金属体
2に対して優れた耐摩耗性能(摺動特性)が付与された
ことが確認できた。
【0069】また、この実施例では、ロー材層4(第1
ロー材層4a及び第2ロー材層4b)が、図4に示す実
施例のものと同等であるにもかかわらず、耐久試験にお
いてセラミック体3の割れ、或いはロー材層4の界面剥
離等は生じなかった。これは、ロー材層4においてCu
を少なくとも90wt%以上含有する部分の厚みがほと
んどゼロの状態であっても、その間に挟み込まれた純C
uからなる緩衝板5によって、ロー付け処理後に、複合
層6においてCuを少なくとも90wt%以上含有する
部分の厚みが70〜100μmとなったため、当該複合
層6における延性が十分に発揮されたものと考えられ
る。また、このことから、緩衝板5を有する複合層6を
介してタペットが構成される場合にあっては、ロー材の
種類はCuを主成分とするCu系ロー材に制限されるこ
となく、Agを主成分とするAg系ロー材を選択するこ
とができることが確認された。
【0070】図7に、図2に示す態様のタペットにおい
て、ロー材層4(第1ロー材層4a及び第2ロー材層4
b)及び緩衝板5の両者が共にCu成分を多く含んで複
合層6を形成したものについての試験結果を示す。この
実施例では、第1ロー材層4a及び第2ロー材層4bを
構成するロー材として、ともに厚さ50μmのCu−A
l−Si−Ti系のロー材(Cu−85.0wt%、A
l−5.0wt%、Si−5.0wt%、Ti−5.0
wt%)のものを使用した。また、緩衝板5としては厚
さ100μmの純Cu板を使用し、上記第1ロー材層4
aと第2ロー材層4bとの間に当該緩衝板5を挿入した
状態でロー付け接合を行った。このロー付け接合は、熱
処理温度1050℃、接合時間30分にて行った。ま
た、窒化処理については、タフトライド法を利用して、
熱処理温度570℃、処理時間60分間にて行った。
【0071】図7によれば、図3の実施例の場合と同
様、各金属体2には窒化処理が施されているため、各金
属体2のステム軸部2aの外周面における表層部及びプ
ッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当たり面
には、ビッカース硬さでHv500〜750にまで硬度
が高められた硬化部が形成され、耐久試験においても、
これらステム軸部2aの外周面における表層部の摩耗量
及びプッシュロッド挿通孔2cのプッシュロッドとの当
たり面の摩耗量が、ともに10μm以下に抑えられたこ
とが確認できた。このことから、窒化処理により金属体
2に対して優れた耐摩耗性能(摺動特性)が付与された
ことが確認できた。また、耐久試験において、セラミッ
ク体3の割れ、或いはロー材層4の界面剥離等は生じな
かった。
【0072】これは、ロー付け接合後に、複合層6にお
いてCuを少なくとも90wt%以上含有する部分の厚
みが150〜200μmとなったため、当該複合層6に
おける延性が十分に発揮され、硬化処理時の熱応力や耐
久試験における繰り返し応力に対しても十分に耐えるこ
とができたものと考えられる。また、このことから、複
合層6においてCuを少なくとも90wt%以上含有す
る部分の厚みが200μm程度と幾分厚くなっても、そ
の接合強度が劣化することはないことが確認された。
【0073】以上、図3〜8に示した実施例及び比較例
によれば、本発明のタペットに適用する場合、窒化処理
により金属体2に対して優れた耐摩耗性能(摺動特性)
が付与されたことが確認できた。また、ロー材層あるい
は緩衝材としては、Cuの含有率が90wt%以上のも
のを採用することが好ましく、さらに、このCuを少な
くとも90wt%以上含有する部分の厚みはが、30μ
m以上、より好ましくは50μm以上とすればよいこと
が分かった。(実施例2)[実機耐久試験]発明者ら
は、本発明の効果を確認するために、図8及び図9に示
した形状を有するロッカーアーム201を以下に示す条
件にて作製し、それについて後述する耐久試験条件にて
実機耐久試験を行った。実機耐久試験についての結果は
図10及び図11に示した。
【0074】まず、金属体202の材質として、JIS
に規定されたS45C、SCr420、SCM435、
SNCM439、SACM645を冷間鍛造、機械研削
することにより作製した(金属体202の各形状・寸法
は、全長L2:80mm、厚みt2:10mm、円筒状
揺動軸207の外径D3:25mm、同内径18m
m)。一方、セラミック体203として、窒化珪素(S
34)原料100重量部に、Y23−Al23系焼結
助剤を10重量部及び成形バインダ5重量部とを配合し
て金型プレスにより成形し、脱脂した後に、N2ガス雰
囲気で1700℃にて2時間の常圧焼結後、1700
℃、100atmにてガス圧焼結し、円板状の焼結体を
得た。ついで、こうして得られた焼結体の両面を研削し
てセラミック体203を作製した(セラミック体203
の各形状・寸法は、長さ20mm、幅15mm、厚み4
mmの平板形状)。
【0075】そして、得られた金属体202に、緩衝板
205を二つのロー材層204a及び204bの間に挟
み込んだ状態にある複合層206を介してセラミック体
203をロー付け接合した(緩衝板の材質及びロー付け
条件等については図10及び図11に記載している)
後、金属体202の押圧部208の表層部に対して硬化
部を形成すべく後述する条件の窒化処理を行い、本試験
用の各ロッカーアーム201を複数個作製した。
【0076】ロッカーアーム201は各条件毎に2個ず
つ作製し、一方を長手方向の中心軸線を含む断面にて切
断すると共に、断面を研磨・エッチングして硬化部の形
成を確認して、マイクロビッカース硬度計を用いて試験
荷重5gf〜300gfの範囲内で、表面よりも0.0
5mmの深さにおける硬化部のビッカース硬度(平均硬
度)を測定するものとする。 <耐久試験条件> エンジン仕様: 2000CC DOHCガソリンエンジン カム回転数 : 5000rpm(定格の130%) タペットクリアランス: 1.5mm(標準の3倍) 使用エンジンオイル : 市場10万km走行相当の劣化オイル 耐久時間: 500時間 図10に示す実施例では、図9に示す態様のロッカーア
ーム、すなわち、ロー材層204が第1ロー材層204
a及び第2ロー材層204bに分割され、かつ、その分
割されたロー材層204a、204bの間にCuを少な
くとも90wt%以上含有している緩衝板205を挟み
込んだ状態で構成される複合層206を介して、セラミ
ック体203と金属体202とを接合したロッカーアー
ムの実験例を示す。この実施例では、第1ロー材層20
4a及び第2ロー材層204bを構成するロー材とし
て、ともに厚さ50μmのCu−Si−Pd−Ti系の
ロー材(Cu−92wt%、Si−3wt%、Pd−
2.5wt%、Ti−2.5wt%)を使用した。ま
た、緩衝板205としては厚さ300μmの純Cu板を
使用し、上記第1ロー材層204aと第2ロー材層20
4bとの間に当該緩衝板205を挿入した状態でロー付
け接合を行った。このロー付け接合は、熱処理温度10
50℃、接合時間30分にて行った。また、窒化処理に
ついては、タフトライド法を利用して、熱処理温度57
0℃、処理時間60分間にて行った。
【0077】図10によれば、窒化処理により、各金属
体202の押圧部208の表層部に、ビッカース硬さで
Hv500〜750にまで硬度が高められた硬化部が形
成されたことが確認された。また、窒化処理(硬化処
理)後の状態も、セラミック体3にクラック等の欠陥が
生じることもなく、良好であることが確認できた。さら
に、耐久試験においても、セラミック体203及び金属
体202のいずれにも何等問題は生じなかった。
【0078】図11に比較例を示す。この比較例では、
各金属体202に窒化処理を行っていない点で図10の
実施例と異なるが、その他の条件については図10に示
した実施例の場合と同様である。図11によれば、各金
属体202に窒化処理が施されていないため、各金属体
202の表層部には、上記図10の実施例のような硬化
部は形成されておらず、その硬度は、ビッカース硬さで
Hv100〜250と小さいことが確認された。
【0079】また、耐久試験中に各金属体202に折れ
が生じている。この原因としては、窒化処理を施してい
ないため、金属体202に十分な疲労強度が付与されず
破断に到ったものと考えられる。上記図10及び図11
に示した試験結果からも、窒化処理による有効性が確認
された。
【0080】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明の実施の形態は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態
をとりうることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した第1実施例に係るタペット
の断面図である。
【図2】 第1実施例に係るタペットの詳細を示す説明
図である。
【図3】 第1実施例に係るタペットの耐久試験の結果
を示す説明図である。
【図4】 第1実施例の比較例に係るタペットの耐久試
験の結果を示す説明図である。
【図5】 第1実施例に係るタペットの耐久試験の結果
を示す説明図である。
【図6】 第1実施例に係るタペットの耐久試験の結果
を示す説明図である。
【図7】 第1実施例に係るタペットの耐久試験の結果
を示す説明図である。
【図8】 本発明を適用した第2実施例に係るロッカー
アームの断面図である。
【図9】 第2実施例に係るロッカーアームの詳細を示
す説明図である。
【図10】 第2実施例に係るロッカーアームの耐久試
験の結果を示す説明図である。
【図11】 第2実施例の比較例に係るロッカーアーム
の耐久試験の結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・タペット、 2・・・金属体、 2a・・・ス
テム軸部、2c・・・プッシュロッド挿通孔、 3・・
・セラミック体、4a・・・第1ロー材層、 4b・・
・第2ロー材層、5・・・緩衝板、 6・・・複合層、
201・・・ロッカーアーム、 202・・・金属
体、203・・・セラミック体、 204・・・ロー材
層、204a・・・第1ロー材層、 204b・・・第
2ロー材層、205・・・緩衝板、 206・・・複合
層、 208・・・押圧部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01L 1/14 F01L 1/14 B 1/18 1/18 M // C23C 8/26 C23C 8/26 Fターム(参考) 3G016 BA25 BB02 BB09 CA13 EA07 EA14 EA24 FA20 FA33 GA02 4E067 AA01 AA18 AB04 AB06 AD02 BM00 4G026 BA01 BA17 BB01 BB24 BC01 BF17 BF34 BF42 BG02 BH01 BH03 4K028 AA02 AB06 BA02 BA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cuを主成分とするロー材層を介して、
    金属体とセラミック体とが接合された構造を有すると共
    に、 前記金属体の表層部には窒化処理による硬化部が形成さ
    れており、該硬化部の硬度が、該金属体の内で当該硬化
    部を除く残余の部分の硬度よりも高い硬度を有すること
    を特徴とする金属−セラミック接合体。
  2. 【請求項2】 前記ロー材層は、Cuを少なくとも90
    wt%以上含有することを特徴とする請求項1記載の金
    属−セラミック接合体。
  3. 【請求項3】 Cuを少なくとも90wt%以上含有し
    ている前記ロー材層の厚みが、30μm以上500μm
    以下の範囲内にあることを特徴とする請求項2記載の金
    属−セラミック接合体。
  4. 【請求項4】 複数のロー材層の間にCuを主成分とす
    る緩衝板を挟み込んだ状態にある複合層を介して、金属
    体とセラミック体とが接合された構造を有すると共に、 前記金属体の表層部には窒化処理による硬化部が形成さ
    れており、該硬化部の硬度が、該金属体の内で当該硬化
    部を除く残余の部分の硬度よりも高い硬度を有すること
    を特徴とする金属−セラミック接合体。
  5. 【請求項5】 前記複合層を構成する前記緩衝板は、C
    uを少なくとも90wt%以上含有していることを特徴
    とする請求項4記載の金属−セラミック接合体。
  6. 【請求項6】 前記複合層において、Cuを少なくとも
    90wt%以上含有している部分の厚みが、30μm以
    上500μm以下の範囲内にあることを特徴とする請求
    項5記載の金属−セラミック接合体。
  7. 【請求項7】 前記セラミック体は窒化珪素を主体に構
    成され、前記金属体はFeを主体に構成される請求項1
    ないし6のいずれかに記載の金属−セラミック接合体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の金
    属−セラミック接合体として構成され、かつ前記セラミ
    ック体の前記ロー材層と接しているのとは反対側の端面
    が摺動端面とされたことを特徴とする摺動部品。
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