JP2001129926A - 車両用吸音材及びその製造方法 - Google Patents

車両用吸音材及びその製造方法

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JP2001129926A
JP2001129926A JP31257299A JP31257299A JP2001129926A JP 2001129926 A JP2001129926 A JP 2001129926A JP 31257299 A JP31257299 A JP 31257299A JP 31257299 A JP31257299 A JP 31257299A JP 2001129926 A JP2001129926 A JP 2001129926A
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Japan
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absorbing material
sound absorbing
fibrous binder
rock wool
mat
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JP31257299A
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English (en)
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Kazuhisa Sugiyama
和央 杉山
Nobuo Yagi
信雄 八木
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SHINNIKKA ROCK WOOL KK
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
SHINNIKKA ROCK WOOL KK
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸音性能が優れ、高温部位にも十分使用でき
る耐燃焼性を有し、成形加工が容易で環境を汚染するこ
とがなく、リサイクルも容易な車両用吸音材及びその効
率的な製造方法を提供。 【解決手段】 少なくともロックウール及び繊維状バイ
ンダーを含有し、これらを混合状態で不規則に配向し、
かつ繊維状バインダーで繊維間を結合したマット状吸音
材と、ロックウール、ガラス繊維及び繊維状バインダー
を含有し、これらを混合状態でニードリングしたシート
状表皮材とを一体的に被覆・成形してなる車両用吸音
材。また、上記マット状吸音材を所定形状に裁断し、そ
の片面又は両面に上記シート状表皮材を重ねた後、繊維
状バインダーの融点以上の温度で熱圧成形する車両用吸
音材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンやトラン
スミッション回りなどに用いられる車両用吸音材及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両による車外加速騒
音やアイドル車外音などで社会問題化し、規制の動きが
ある。この対応として、エンジンやトランスミッション
回りを吸音材のついた遮蔽カバ−で覆う仕様が設定され
つつある。ここで使用される吸音材は、使用環境が車両
の室内と異なり、100℃以上の高温や、水やガソリ
ン、軽油、エンジンオイル、ギヤオイル等の油に晒さ
れ、厳しい環境にあるため、使用部位によって吸音材の
種類を変えている。
【0003】このような吸音材としては、ガラスウー
ル、ロックウール、フェルト、ウレタンフォーム、メラ
ミンフォーム、ポリエステル繊維など種々の材料が検討
され、使用されている。吸音材の中で、ガラスウール
は、耐熱性、耐燃焼性、吸音特性に優れるので多くの部
位に使用されている。また、ロックウールも欧州の大型
トラックにガラスウールと同様な特性として多く使用さ
れている。さらに、リサイクル性の面から有機繊維であ
るポリエステル(PET)繊維が使われつつある。
【0004】しかしながら、従来の吸音材に使用される
ガラスウール、ロックウール及びポリエステル繊維は次
のような技術課題がある。ガラスウールは、その成形工
程で材料中にフェノール樹脂液を含浸させ加熱加圧成形
で硬化させるので、成形時にホルムアルデヒドなどが発
生して作業環境が悪化し、また使用済み成形品をリサイ
クルできない。さらに、これは手や肌に触れるとチクチ
クし、作業性に支障がある。また、ロックウールは、上
記ガラスウールと同様な問題がある他、成形用素材繊維
が層状綿であるので成形時の金型への材料投入に支障が
ある。一方、有機繊維のポリエステル繊維は、熱により
融解し排気管等の高温部位に接触すると燃える可能性が
あり、耐熱性が低いために専ら低温部位に使用が限定さ
れる。
【0005】一方、特開平2−57333号公報には、
無機繊維が熱可塑性樹脂で相互に接着されて略板状に形
成された空隙率の高いマット状物に、特定の孔径と開口
率を有するホットメルト接着剤を介して、通気性を有す
る表皮材を接着した吸音材が提案されている。この吸音
材は、低周波領域での吸音率が改善されるが、自動車用
天井材、建築用内装材などの低温部位での使用に限ら
れ、高温部位での使用、耐水性、耐油性には問題があ
る。
【0006】また、特開平5−318639号公報に
は、繊維径7μm 以下の無機繊維と繊維状バインダー樹
脂とを解繊、混合と同時に脱粒子して得た繊維層の上下
面にガラスクロス又はガラス不織布を積層した後、加熱
して一体化した断熱吸音材が提案されている。しかし、
この断熱吸音材は、繊維層の腰が弱いため加工時にハン
ドリングが難しく、また弾力性の低い製品しか得らな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、吸音性能が優れ、高温部位にも十分使用できる
耐燃焼性を有し、成形加工が容易で環境を汚染すること
がなく、さらにリサイクルも容易な車両用吸音材及びそ
の効率的な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、少
なくともロックウール及び繊維状バインダーを含有し、
これらを混合状態で不規則に配向し、かつ繊維状バイン
ダーで繊維間を結合したマット状吸音材と、ロックウー
ル、ガラス繊維及び繊維状バインダーを含有し、これら
を混合状態でニードリングしたシート状表皮材とを一体
的に被覆・成形したことを特徴とする車両用吸音材であ
る。本発明の車両用吸音材において、繊維状バインダー
は、融点110〜200℃の熱可塑性樹脂繊維、好まし
くは芯鞘型ポリエステル繊維である。マット状吸音材
は、ロックウール100重量部に対し、繊維状バインダ
ー5〜150重量部を含有することがよく、さらに5〜
50重量部のガラス繊維を含有することが好ましい。シ
ート状表皮材は、ロックウール100重量部に対し、ガ
ラス繊維5〜50重量部及び繊維状バインダー5〜10
0重量部を含有することがよく、さらに撥水・撥油処理
されたものが好ましい。また、マット状吸音材とシート
状表皮材とが接着剤層を介して一体的に被覆・成形され
た車両用吸音材が好ましい。
【0009】また、本発明は、少なくともロックウール
又はこれとガラス繊維及び繊維状バインダーを含有し、
これらを混合状態で不規則に配向し、かつ繊維状バイン
ダーで繊維間を結合したマット状吸音材を所定形状に裁
断し、その片面又は両面に、ロックウール、ガラス繊維
及び繊維状バインダーを含有し、これらの繊維を混合状
態でニードリングしたシート状表皮材を重ねた後、繊維
状バインダーの融点以上の温度で熱圧成形することを特
徴とする車両用吸音材の製造方法である。上記の車両用
吸音材の製造方法において、マット状吸音材の片面又は
両面に接着用不織布を介してシート状表皮材を重ねた
後、繊維状バインダー又は接着用不織布の高い方の融点
以上の温度で熱圧成形してもよい。
【0010】
【発明の実施の態様】図1は、本発明の車両用吸音材の
一例を示す断面図である。本発明の車両用吸音材は、マ
ット状吸音材1の表面をシート状表皮材2で被覆し、所
定形状に成形したものである。図1に示すように、マッ
ト状吸音材1の両面をシート状表皮材2、2’で被覆す
ることが好ましいが、片面のみを被覆してもよく、この
場合エンジン室などの騒音発生側の面を表皮材で被覆す
ることがよい。
【0011】図2は、本発明の車両用吸音材の別例を示
す断面図である。図2において、マット状吸音材1の両
面を接着層3、3’を介してシート状表皮材2、2’で
被覆し、所定形状に成形したものである。
【0012】本発明の車両用吸音材に用いるマット状吸
音材1は、少なくともロックウールと繊維状バインダー
を含有し、これらを混合状態で不規則に配向し、かつ繊
維状バインダーで繊維間を結合したものである。必要に
応じて、マット状吸音材にはガラス繊維や有機繊維(繊
維状バインダーを除く)を配合してもよい。
【0013】マット状吸音材に用いるロックウールは、
高炉スラグ、電気炉スラグ等の各種冶金スラグや、玄武
岩、輝緑岩等の天然岩石や、あるいはこれらの混合物を
電気炉やキュポラなどで溶融し、これを遠心力及び/又
は加圧気体で製綿して得られ、断熱性、耐熱性が良好で
断熱材や吸音材として用いられる。このロックウールに
は、ロックウール繊維の他にショットと称される未繊維
化の粒状物が多量に含まれるので、ショットをできるだ
け除去したものがよい。ショットは、成形品の軽量性を
損なうだけでなく、吸音性を低下させ、加工時に粉状物
として脱落して周辺を汚染する。したがって、原料ロッ
クウールとして予め脱ショットされたロックウールを用
いるか、あるいは通常のロックウールを使用してマット
状吸音材の製造工程で脱ショットする必要があるが、好
ましくは後者である。脱ショットされたロックウールの
ショット含有率は、20重量%程度以下、好ましくは1
0重量%程度以下、より好ましくは5重量%程度以下で
ある。
【0014】ロックウールにガラス繊維を混合すると、
マット状吸音材に弾力性を与え、腰のある成形品が得ら
れ、吸音率も向上する。ガラス繊維としては、例えばグ
ラスファイバー、ガラスウールなどが挙げら、その繊維
長は5〜150mm程度、好ましくは10〜100mm程度
がよい。繊維径が10μm 以上の通常のガラス繊維を用
いたロックウールマットは手で触れた際にチクチクする
が、繊維径3〜9μm程度の細径ガラス繊維を用いると
チクチクがなくなり、加工作業者や施工作業者にとって
好ましい。ロックウールに対するガラス繊維の割合は、
脱ショットされたロックウール100重量部に対し5〜
50重量部、好ましくは10〜40重量部程度がよい。
【0015】また、必要に応じて、ロックウールに有機
繊維(繊維状バインダーを除く)を混合すると、成形品
の強度を高めることができる。有機繊維としては、20
0℃以上の耐熱性を有するものがよく、例えばポリエス
テル繊維(PET)、ポリアミド繊維(ナイロン)、ポ
リアクリロニトリル繊維(PAN)、PVA繊維(ビニ
ロン)等の合成繊維や、レーヨン等の化学繊維や、木
綿、麻、ジュート、羊毛等の天然繊維、あるいはこれら
の反毛などの1種又は2種以上が挙げられる。これらの
うち、耐熱性が良好なPETが好ましい。ロックウール
に対する有機繊維の割合は、ロックウール100重量部
に対し250重量部程度以下、好ましくは10〜200
重量部程度がよい。
【0016】マット状吸音材には、ロックウール及び必
要に応じて混合される他の繊維を結合するため繊維状バ
インダーを含有させることが必要である。繊維状バイン
ダーは、常温では弾性を有し塑性を示さないが、加熱す
ると塑性を示し、その融点以上では融解して繊維同士を
融着し、冷却すると弾性のある繊維にもどり繊維間を結
合する。繊維状バインダーの融点は、原料繊維の融点又
は耐熱温度より低い温度、110〜200℃程度である
ことがよい。
【0017】このような繊維状バインダーとしては、例
えば低融点ポリエステル繊維、低融点ポリアミド繊維、
ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の1種又は2
種以上が挙げられる。好ましくは、繊維状バインダーと
して高融点ポリエステルの芯と低融点ポリエステルの鞘
からなる芯鞘型ポリエステル繊維を用いると、加熱時に
鞘部分は融解するが芯は残り圧縮復元性の高いマット状
吸音材が得られる。
【0018】また、繊維状バインダーとして、融点の異
なる2種以上の繊維状バインダーを用いることができ
る。例えば、融点110〜130℃程度の繊維状バイン
ダーと融点150〜200℃程度の繊維状バインダーを
混合使用し、マット状吸音材の製造工程で140℃程度
に加熱すると低融点繊維状バインダーのみが融解し、軽
量で腰のあるマット状吸音材が得られる。次いで、この
マット状吸音材に表皮材を被覆・成形する工程で、高融
点繊維状バインダーの融点以上の温度に加熱すると、高
融点繊維状バインダーも融解し、任意の形状に成形でき
るとともに表皮材を接着し、強度の高い車両用吸音材が
得られる。
【0019】ロックウールに対する繊維状バインダーの
割合は、ロックウール100重量部に対し5〜150重
量部程度、好ましくは10〜120重量部程度がよい。
繊維状バインダーが5重量部より少ないと繊維間結合が
不十分となり、強度の低いマット状吸音材しか得られ
ず、ハンドリングが困難になり、150重量部を超える
と耐燃焼性が低下する。
【0020】このマット状吸音材は、これらの繊維が混
合状態で不規則に配向されていることが必要であり、繊
維が層状に配置されただけのものでは、ハンドリングが
困難であり、加熱しても繊維間を結合することができ
ず、軽量で加工性の優れたマット状吸音材にはならな
い。本発明で用いるマット状吸音材は、厚さが30〜1
00mm程度、面密度が500〜1000g/m2程度のもの
がよい。
【0021】マット状吸音材は、原料繊維を所定割合で
混合し、この混合物を解繊し、解繊された繊維混合物を
マット状に集積し、このマットを繊維状バインダーの融
点以上の温度に加熱したのち冷却することにより製造す
ることができる。
【0022】次に、マット状吸音材の表面を被覆する表
皮材には、音波を透過するが、高温部位に使用しても変
形したり、燃焼することのない耐燃焼性の優れたもので
あることが要求される。また、マット状吸音材が吸水・
吸油して吸音性能を損なうことがない耐水性及び耐油性
を有するものが好ましい。
【0023】本発明の車両用吸音材には、表皮材として
ロックウール、ガラス繊維及び繊維状バインダーを含有
し、これらを混合状態でニードリングしてなるシート状
表皮材を用いる。このシート状表皮材は、柔軟性があっ
て加工が容易であり、高強度でかつ高温で使用しても亀
裂が発生しない。これに対し、原料繊維が混合されず単
に積層されたものをニードリングしてもこのような優れ
た特性はない。
【0024】シート状表皮材に用いるロックウール、ガ
ラス繊維及び繊維状バインダーは、前記のロックウール
マットの原料として用いられるものと同じものでよい。
そのロックウールに対するガラス繊維の含有割合は、脱
ショットされたロックウール100重量部に対し5〜5
0重量部、好ましくは10〜30重量部である。ガラス
繊維が5重量部より少ないと耐熱性が低下し、50重量
部を超えるとコストが増えて経済性が損なわれる。ま
た、ロックウールに対する繊維状バインダーの含有割合
は、脱ショットされたロックウール100重量部に対し
5〜100重量部、好ましくは5〜50重量部である。
繊維状バインダーが5重量部より少ないとシートの作業
強度が低下し、ハンドリングや加工が困難になり、10
0重量部を超えると耐燃焼性が低下する。
【0025】シート状表皮材は、原料繊維を所定割合で
混合し、この混合物を解繊し、解繊された繊維混合物を
マット状に集積し、このマット状集積物を所定厚さに押
さえながらニードリング加工することによって、製造す
ることができる。
【0026】このシート状表皮材は、厚さが1〜10mm
程度、好ましくは2〜5mm程度、面密度が30〜500
g/m2程度、好ましくは50〜300g/m2程度のものがよ
い。薄すぎると表皮材の役割を果たさず、厚すぎると加
工や施工時に折り曲げなどの加工がしにくくなる。
【0027】本発明で用いるシート状表皮材は、そのま
までも優れた耐燃焼性を有するが、耐水性や耐油性を改
善することが好ましく、このためシート状表皮材に従来
より公知の撥水剤、撥油剤を塗布することがよい。
【0028】本発明の車両用吸音材は、マット状吸音材
の片面又は両面に、シート状表皮材を一体的に被覆・成
形することによって製造できる。マット状吸音材及びシ
ート状表皮材は、いずれも繊維状バインダーを含有する
ので、繊維状バインダーの融点以上の温度で熱圧成形す
ればよい。熱圧成形時の加熱によってマット状吸音材の
表面近傍及びシート状表皮材に存在する繊維状バインダ
ーが融解して両者を接着し、一方、内部の繊維状バイン
ダーが融解してマット状吸音材が塑性を示し、金型形状
に成形することができる。
【0029】さらに、接着強度を上げて耐久性の優れた
車両用吸音材を製造するには、マット状吸音材とシート
状表皮材との間に、シート状表皮材とマット状吸音材と
の接着性を確保し、吸音率を低下させない接着用不織布
を介在させ、この接着用不織布の融点以上の温度に加熱
して接着剤層を形成することもできる。このような接着
用不織布としては、例えば接着用ポリアミド不織布、接
着用ポリエステル不織布などが挙げられる。接着用不織
布を用いる場合の加熱温度は、接着用不織布又は繊維状
バインダーの高い方の融点以上の温度である。
【0030】以下、本発明の製造方法について、図面に
基づき説明する。図3において、所定形状に裁断したマ
ット状吸音材1の両面にシート状表皮材2、2’を重ね
て金型の下型4の上に設置する。次いで、上型5を閉
め、金型温度を繊維状バインダーの融点以上の温度と
し、所定時間熱圧成形する。この熱圧成形は、公知のホ
ットプレスなどを用いることでよい。成形品を金型より
取り出した後、外周面を打ち抜き加工すると、図1に示
す車両用吸音材が得られる。なお、マット状吸音材1の
両面に、接着用不織布(図示せず)を介してシート状表
皮材2、2’を重ね、金型温度を繊維状バインダー又は
接着用不織布の高い方の融点以上の温度として同様に成
形すると、図2に示す車両用吸音材が得られる。
【0031】次に、本発明の製造方法の別例を説明す
る。図4において、裁断したマット状吸音材1の両面
に、接着用不織布6、6’を介してシート状表皮材2、
2’を重ね、これを遠赤外線ランプ7等の加熱手段によ
り繊維状バインダー又は接着用不織布の高い方の融点の
温度に加熱する。次いで、これを繊維状バインダー又は
接着用不織布の低い方の融点以下の温度、例えば50〜
80℃程度に保持された金型(図示せず)を用いて、所
定時間加圧成形する。成形品を金型より取り出した後、
外周面を打ち抜き加工すると、図2に示す車両用吸音材
が得られる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0033】実施例1 [ロックウールマットの製造]ロックウール粒状綿100
重量部に対し、ガラス繊維20重量部及び繊維状バイン
ダー(芯鞘型ポリエステルファイバーバインダー ユニ
チカ株式会社製 メルティ4080 融点110℃、2
デニール、繊維長38mm)35重量部の割合でカード式
解繊機に連続的に供給し、混合解繊するとともにロック
ウールを脱ショットし、解繊物をネットコンベアに集積
して層状のロックウールマットを形成し、これを加熱炉
で130℃に加熱して繊維状バインダーを融解させ、マ
ット状吸音材を製造した。このマット状吸音材は、脱シ
ョットロックウール100重量部に対しガラス繊維が約
28重量部、繊維状バインダーが約50重量部であり、
面密度が800g/m2、幅が1000mm、厚さが50mmで
あった。
【0034】[シート状表皮材の製造]ロックウール粒状
綿100重量部に対し、ガラス繊維10重量部及び繊維
状バインダー(芯鞘型ポリエステルファイバーバインダ
ー ユニチカ株式会社製 メルティ4080 融点11
0℃、4デニール、繊維長51mm)10重量部の割合で
カード式開繊機に連続的に供給し、混合開繊するととも
にロックウールを脱ショットし、開繊物をネットコンベ
アに集積して層状のロックウールマットを形成し、これ
をニードリングマシンでニードリングしてシート状表皮
材を製造した。このシート状表皮材は、脱ショットされ
たロックウール100重量部に対しガラス繊維が約15
重量部、繊維状バインダーが約15重量部であり、厚さ
が2mm、面密度90g/m2、引っ張り強度が長さ方向で
1.0kgf/5cm、幅方向で0.9kgf/5cmであった。
【0035】[耐燃焼性試験]上記のシート状表皮材、及
び比較のため撥水・撥油・難燃処理されたポリエステル
繊維不織布(PET不織布 面密度100g/m2)につい
て、JIS D1201「自動車室内用有機資材の燃焼
性試験方法」に基づき耐燃焼性を評価した結果を表1に
示す。なお、JIS D1201の評価基準は次のとお
りである。 DNI:試験片に15秒間接火しても着火しない SE :試験片に着火するが時間測定線(端末より38
mm)に達しないで消火 SE/NBR:試験片に着火し時間測定線を越えるが時
間測定線より51mm以内でかつ60秒以内に消火 SE/BR:SE/NBRに適合しないもの、又は51
mm以上燃焼するが254mmに達しないで消火 BR :試験片の全長にわたり燃焼するもの 以上のDNI、SE、SE/NBRを自消性と判定
【0036】
【表1】
【0037】[吸音材の製造]上記のロックウールマット
及びシート状表皮材、接着用不織布としてポリアミド不
織布(ダイヤボンド工業株式会社製、PA−150、面
密度25g/m2、融解温度120℃)を用い、図3に示す
方法により、これらの材料を金型温度200℃、成形時
間60秒で熱圧成形して図2に示す車両用吸音材を製造
した。得られた車両用吸音材は、金型と同じ形状を保持
しており、また端末部に剥れが見られず、マット状吸音
材とシート状表皮材がガッチリ接着していることが認め
られた。
【0038】[吸音率の測定]次に、この吸音材をJIS
A1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率
測定方法」に基づき周数800〜5000Hzで垂直入射
吸音率を測定した。結果を図5に示す。
【0039】実施例2 実施例1のロックウールマットの代わりに、脱ショット
ロックウール100重量部に対しガラス繊維約30重量
部、繊維状バインダー約100重量部のロックウールマ
ットを用いた以外は、実施例1と同様にして車両用吸音
材を製造した。この車両用吸音材は実施例1のものとほ
ぼ同様な性能を示した。
【0040】比較例1 表皮材として、実施例1のシート状吸音材の代わりに、
撥水・撥油・難燃処理されたポリエステル繊維不織布
(面密度50g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様に
して車両用吸音材を製造した。この車両用吸音材につい
て、実施例1と同様に垂直入射吸音率を測定した。結果
を図5に示す。
【0041】参考例1〜5 実施例1のシート状表皮材の製造において、ロックウー
ル粒状綿100重量部に対しガラス繊維20重量部と
し、繊維状バインダーの配合割合を15重量部、30重
量部、90重量部、250重量部と変えた以外は実施例
1と同様にして、繊維状バインダーの含有率がそれぞれ
15重量%、25重量%、50重量%、75重量%のシ
ート状表皮材を製造した。次いで、これらのシート状表
皮材について、JIS D1201「自動車室内用有機
資材の燃焼性試験方法」に基づき耐燃焼性を評価した結
果を表2に示す。表2において、含有率は繊維状バイン
ダーの含有率(重量%)を表し、燃焼速度はmm/sec、参
考例5は実施例1と同じPET不織布である。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明は、ロックウール及び繊維状バイ
ンダーを含有し、これらを混合状態で不規則に配向し、
かつ繊維状バインダーで繊維間を結合したマット状吸音
材と、ロックウール、ガラス繊維及び繊維状バインダー
を含有し、これらを混合状態でニードリングしたシート
状表皮材とを一体的に被覆・成形することにより、吸音
性能が優れ、高温部位にも十分使用できる耐燃焼性を有
し、成形加工が容易で環境を汚染することがなく、また
リサイクルも容易な車両用吸音材が効率よく製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用吸音材の一例を示す断面図である。
【図2】車両用吸音材の別例を示す断面図である。
【図3】車両用吸音材の製造方法の一例を示す図面であ
る。
【図4】車両用吸音材の製造方法の別例を示す図面であ
る。
【図5】本発明と比較例の吸音率比較グラフである。
【符号の説明】
1 : マット状吸音材 2、2’: シート状表皮材 3、3’: 接着剤層 4 : 下型 5 : 上型 6、6’: 接着用不織布 7 : 遠赤外線ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 信雄 神奈川県藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BA02 BA03 BB21 BB29 BC01 BD21 BE04 BE06 BE31 4F100 AC10A AC10B AG00A AG00B AK01A AK01B AK41A AK41B AS00A AS00B BA02 BA04 BA07 BA10B BA10D CB00 DG01A DG01B DG15C DG15D DG20A DG20B EC09B EC091 EC182 EJ202 EJ422 EJ64B GB31 JA04A JA04B JB16A JB16B JH01 JJ07 JL00 JL01 YY00A YY00B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともロックウール及び繊維状バイ
    ンダーを含有し、これらを混合状態で不規則に配向し、
    かつ繊維状バインダーで繊維間を結合したマット状吸音
    材と、ロックウール、ガラス繊維及び繊維状バインダー
    を含有し、これらを混合状態でニードリングしたシート
    状表皮材とを一体的に被覆・成形したことを特徴とする
    車両用吸音材。
  2. 【請求項2】 繊維状バインダーが、融点110〜20
    0℃の熱可塑性樹脂繊維である請求項1記載の車両用吸
    音材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂繊維が、芯鞘型ポリエステ
    ル繊維である請求項2記載の車両用吸音材。
  4. 【請求項4】 マット状吸音材が、ロックウール100
    重量部に対し、繊維状バインダー5〜150重量部を含
    有する請求項1〜3のいずれかに記載の車両用吸音材。
  5. 【請求項5】 マット状吸音材が、ロックウール100
    重量部に対し、さらに5〜100重量部のガラス繊維を
    含有する請求項4記載の車両用吸音材。
  6. 【請求項6】 シート状表皮材が、ロックウール100
    重量部に対し、ガラス繊維5〜50重量部及び繊維状バ
    インダー5〜100重量部を含有する請求項1〜5のい
    ずれかに記載の車両用吸音材。
  7. 【請求項7】 シート状表皮材が、撥水・撥油処理され
    ている請求項6記載の車両用吸音材。
  8. 【請求項8】 マット状吸音材とシート状表皮材とが、
    接着剤層を介して一体的に被覆・成形されている請求項
    1〜7のいずれかに記載の車両用吸音材。
  9. 【請求項9】 少なくともロックウール又はこれとガラ
    ス繊維及び繊維状バインダーを含有し、これらを混合状
    態で不規則に配向し、かつ繊維状バインダーで繊維間を
    結合したマット状吸音材を所定形状に裁断し、その片面
    又は両面に、ロックウール、ガラス繊維及び繊維状バイ
    ンダーを含有し、これらの繊維を混合状態でニードリン
    グしたシート状表皮材を重ねた後、繊維状バインダーの
    融点以上の温度で熱圧成形することを特徴とする車両用
    吸音材の製造方法。
  10. 【請求項10】 マット状吸音材の片面又は両面に接着
    用不織布を介してシート状表皮材を重ねた後、繊維状バ
    インダー又は接着用不織布の高い方の融点以上の温度で
    熱圧成形する請求項9記載の車両用吸音材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004528222A (ja) * 2001-06-01 2004-09-16 オウェンス コーニング ボンネットライナ、ダッシュボードライナ、防火壁ライナ又はエンジンカバーライナ
WO2005115739A1 (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Du Pont-Toray Company, Ltd. 易成形性吸音材

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