JP2001098449A - 車両用吸音材及びその製造方法 - Google Patents

車両用吸音材及びその製造方法

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JP2001098449A
JP2001098449A JP27473099A JP27473099A JP2001098449A JP 2001098449 A JP2001098449 A JP 2001098449A JP 27473099 A JP27473099 A JP 27473099A JP 27473099 A JP27473099 A JP 27473099A JP 2001098449 A JP2001098449 A JP 2001098449A
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fibers
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Kazuhisa Sugiyama
和央 杉山
Toru Oishi
大石  徹
Nobuo Yagi
信雄 八木
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Isuzu Motors Ltd
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SHINNIKKA ROCK WOOL KK
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工が容易で環境の汚染がなく、低温部
位のみならず高温部位にも使用でき、リサイクルも容易
な車両用吸音材とその効率的な製造方法を提供。 【解決手段】 必須繊維としてロックウール、ガラス繊
維及び繊維状バインダーを含有し、これらが混合状態で
不規則に配向され、かつ繊維状バインダーで繊維間が結
合されたマット状吸音材と、撥水・撥油・難燃処理され
たポリエステル繊維系不織布よりなる表皮材とが一体的
に被覆・成形された車両用吸音材。また、上記マット状
吸音材を所定形状に裁断し、その片面又は両面に上記表
皮材を重ね、繊維状バインダーの融点以上の温度で熱圧
成形する車両用吸音材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンやトラン
スミッション回りなどに用いられる車両用吸音材及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両による車外加速騒
音やアイドル車外音などで社会問題化し、規制強化の動
きがある。この対応としてエンジンやトランスミッショ
ン回りを吸音材のついた遮蔽カバ−で覆う仕様が設定さ
れつつある。ここで使用される吸音材は、使用環境が車
両の室内と異なり、100℃以上の高温や、水やガソリ
ン、軽油、エンジンオイル、ギヤオイル等の油に晒さ
れ、厳しい環境にあるため、使用部位によって吸音材の
種類を変えている。
【0003】このような吸音材としては、ガラスウー
ル、ロックウール、フェルト、ウレタンフォーム、メラ
ミンフォーム、ポリエステル繊維など種々の材料が検討
され、使用されている。吸音材の中で、ガラスウール
は、耐熱性、耐燃焼性、吸音特性に優れるので多くの部
位に使用されている。また、ロックウールも欧州の大型
トラックにガラスウールと同様な特性として多く使用さ
れている。さらに、リサイクル性の面から有機繊維であ
るポリエステル(PET)繊維が使われつつある。
【0004】しかしながら、従来の吸音材に使用される
ガラスウール、ロックウール及びポリエステル繊維に
は、次のような技術課題がある。ガラスウールは、その
成形工程で材料中にフェノール樹脂液を含浸させ加熱加
圧成形で硬化させるので、成形時にホルムアルデヒドな
どが発生して作業環境が悪化し、また使用済み成形品を
リサイクルできない。さらに、これは手や肌に触れると
チクチクし、作業性に支障がある。また、ロックウール
は、上記ガラスウールと同様な問題がある他、成形用素
材繊維が層状綿であるので成形時の金型への材料投入に
支障がある。一方、有機繊維のポリエステル繊維は、熱
により融解し、排気管等の高温部位に接触すると燃える
可能性があり、耐熱性が低いために専ら低温部位に使用
が限定される。
【0005】一方、特開平2−57333号公報には、
無機繊維が熱可塑性樹脂で相互に接着されて略板状に形
成された空隙率の高いマット状物に、特定の孔径と開口
率を有するホットメルト接着剤を介して、通気性を有す
る表皮材を接着した吸音材が提案されている。この吸音
材は、低周波領域での吸音率が改善されるが、車両用天
井材、建築用内装材など低温部位での使用に限られ、高
温部位での使用や、耐水性、耐油性に問題がある。
【0006】また、特開平5−318639号公報に
は、繊維径7μm 以下の無機繊維と繊維状バインダー樹
脂とを解繊、混合と同時に脱粒子して得た繊維層の上下
面にガラスクロス又はガラス不織布を積層した後、加熱
して一体化した断熱吸音材が提案されている。しかし、
この断熱吸音材は、繊維層の腰が弱いため加工時にハン
ドリングが難しく、また弾力性の低い製品しか得らな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、成形加工が容易で環境を汚染することがなく、
低温部位のみならず高温部位にも使用でき、さらにリサ
イクルも容易な車両用吸音材及びその効率的な製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、必
須繊維としてロックウール、ガラス繊維及び繊維状バイ
ンダーを含有し、これらが混合状態で不規則に配向さ
れ、かつ繊維状バインダーで繊維間が結合されたマット
状吸音材と、撥水・撥油・難燃処理されたポリエステル
繊維系不織布よりなる表皮材とが一体的に被覆・成形さ
れたことを特徴とする車両用吸音材である。マット状吸
音材に用いる繊維状バインダーは、融点が110〜20
0℃であるポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維の1種又は2種以上、
好ましくは芯鞘型ポリエステル繊維であることがよく、
その量は、ロックウールとガラス繊維の合計量100重
量部に対し20〜80重量部であることがよい。また、
マット状吸音材と表皮材とを接着剤層を介して一体的に
被覆・成形したものでもよい。
【0009】また、本発明は、必須繊維としてロックウ
ール、ガラス繊維及び繊維状バインダーを含有し、これ
らが混合状態で不規則に配向され、かつ繊維状バインダ
ーで繊維間が結合されたマット状吸音材を所定形状に裁
断し、その片面又は両面に撥水・撥油・難燃処理された
ポリエステル繊維系不織布よりなる表皮材を重ね、繊維
状バインダーの融点以上の温度で熱圧成形することを特
徴とする車両用吸音材の製造方法である。上記の車両用
吸音材の製造方法において、該マット状吸音材の片面又
は両面に接着用不織布を介して該表皮材を重ね、これを
繊維状バインダー又は接着用不織布の高い方の融点以上
の温度に加熱・加圧成形してもよい。
【0010】
【発明の実施の態様】図1は、本発明の一例を示す断面
図である。本発明の車両用吸音材は、マット状吸音材1
の両面が表皮材2、2’で被覆され、所定形状に成形さ
れている。図1に示すように、マット状吸音材1の両面
を被覆することが好ましいが、片面のみを被覆してもよ
く、この場合エンジン室など騒音発生側の面を表皮材で
被覆することがよい。
【0011】図2は、本発明の別例を示す断面図であ
る。別例の車両用吸音材は、マット状吸音材1の両面が
接着剤層3、3’を介して表皮材2、2’で被覆され、
所定形状に成形されている。
【0012】本発明の車両用吸音材に用いるマット状吸
音材1は、必須繊維としてロックウール、ガラス繊維及
び繊維状バインダーを含有し、これらが混合状態で不規
則に配向され、かつ繊維状バインダーで繊維間が結合さ
れたものである。
【0013】マット状吸音材の必須繊維であるロックウ
ールは、高炉スラグ、電気炉スラグ等の各種冶金スラグ
や、玄武岩、輝緑岩等の天然岩石や、あるいはこれらの
混合物を電気炉やキュポラなどで溶融し、これを遠心力
及び/又は加圧気体で製綿して得られ、断熱性、耐熱性
が良好で断熱材や吸音材として用いられる。このロック
ウールには、ロックウール繊維の他にショットと称され
る未繊維化の粒状物が多量に含まれるので、ショットを
できるだけ除去したものがよい。ショットは、成形品の
軽量性を損なうだけでなく、吸音性を低下させ、加工時
に粉状物として脱落して周辺を汚染する。したがって、
原料ロックウールとして予め脱ショットされたロックウ
ールを用いるか、あるいは通常のロックウールを使用し
てマット状吸音材の製造工程で脱ショットする必要があ
るが、好ましくは後者である。
【0014】また、必須繊維としてロックウールに混合
するガラス繊維としては、例えばグラスファイバー、ガ
ラスウールなどが挙げられる。このガラス繊維は、吸音
性を高めると共にマット状吸音材に弾力性を与え、腰の
ある成形品が得られる。ロックウールに対するガラス繊
維の割合は、脱ショットされたロックウール100重量
部に対し5〜40重量部程度、好ましくは5〜30重量
部程度がよい。
【0015】さらに、マット状吸音材には、繊維状バイ
ンダーを含有させることが必要である。繊維状バインダ
ーは、常温では弾性を有し塑性を示さないが、加熱する
と塑性を示し、その融点以上では融解して繊維間を融着
し、冷却すると弾性のある繊維にもどり繊維間を結合す
る。繊維状バインダーの融点は、原料繊維の融点又は耐
熱温度より低い温度、110〜200℃程度であること
がよい。
【0016】このような繊維状バインダーとしては、例
えば低融点ポリエステル繊維、低融点ポリアミド繊維、
ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の1種又は2
種以上が挙げられる。好ましくは、繊維状バインダーと
して高融点ポリエステルの芯と低融点ポリエステルの鞘
からなる芯鞘型ポリエステル繊維を用いると、加熱時に
鞘部分は融解するが芯は残り、圧縮復元性の高いマット
状吸音材が得られる。
【0017】また、繊維状バインダーとして、融点の異
なる2種以上の繊維状バインダーを用いることができ
る。例えば、融点110〜130℃程度の繊維状バイン
ダーと、融点150〜200℃程度の繊維状バインダー
を混合使用し、マット状吸音材の製造工程で140℃程
度に加熱すると低融点繊維状バインダーのみが融解し、
軽量で腰のあるマット状吸音材が得られる。次いで、こ
のマット状吸音材に表皮材を被覆・成形する工程で、高
融点繊維状バインダーの融点以上の温度に加熱すると、
高融点繊維状バインダーも融解し、任意の形状に成形で
きると共に表皮材を接着し、強度の高い車両用吸音材が
得られる。
【0018】無機繊維(ロックウール+ガラス繊維)に
対する繊維状バインダーの割合は、無機繊維100重量
部に対し20〜80重量部程度、好ましくは25〜75
重量部程度がよい。繊維状バインダーが20重量部より
少ないと繊維間結合が不十分となり、成形性が低いマッ
ト状吸音材しか得られず、80重量部を超えると耐燃焼
性が低下する。
【0019】必要に応じて、上記必須繊維に、200℃
以上の耐熱性を有する有機繊維を混合してもよい。この
ような有機繊維としては、例えばポリエステル繊維(P
ET)、ポリアミド繊維(ナイロン)、ポリアクリロニ
トリル繊維(PAN)、PVA繊維(ビニロン)等の合
成繊維や、レーヨン等の化学繊維や、木綿、麻、ジュー
ト、羊毛等の天然繊維、あるいはこれらの反毛などの1
種又は2種以上が挙げられる。これらのうち、耐熱性が
良好なポリエステル繊維(PET)が好ましい。有機繊
維を混合すると、成形品の強度を高め、使用済み成形品
のリサイクルが容易になる。必須繊維に対する有機繊維
の割合は、必須繊維100重量部に対し250重量部程
度以下、好ましくは10〜200重量部程度がよい。
【0020】このマット状吸音材は、これらの繊維が混
合状態で不規則に配向されていることが必要であり、繊
維が層状に配置されただけのものでは、ハンドリングが
困難であり、加熱しても繊維間を結合することができ
ず、軽量で加工性の優れたマット状吸音材にはならな
い。本発明で用いるマット状吸音材は、厚さが30〜1
00mm程度、面密度が500〜1000g/m2程度のもの
がよい。
【0021】マット状吸音材は、必須繊維を所定割合に
混合し、この混合物を解繊し、解繊された繊維混合物を
マット状に集積し、このマットを繊維状バインダーの融
点以上の温度に加熱したのち冷却することにより製造す
ることができる。
【0022】次に、マット状吸音材1の表面を被覆する
表皮材2は、音波を透過させるが、マット状吸音材が吸
水・吸油して吸音性能を損なうことがなく、高温部位に
使用しても燃焼することのない難燃性を有することが必
要である。本発明では、このような表皮材として撥水・
撥油・難燃処理されたポリエステル繊維系不織布を用い
る。ポリエステル繊維系不織布としては、ポリエステル
繊維不織布や、さらに吸音材との接着性を改善したポリ
アミド繊維混入ポリエステル繊維不織布などを有利に用
いることができる。これに対し、通常のポリエステルフ
ィルムやシートでは、音波が反射されて吸音性能が著し
く低下する。ガラス繊維織物やガラス繊維不織布では、
板状に成形するときは問題ないが、曲面や凹凸ある形状
には成形が難しい。撥水・撥油・難燃処理は、従来より
公知の撥水剤、撥油剤、難燃剤を塗布したり、原料樹脂
に混練することで行うことができる。
【0023】マット状吸音材の片面又は両面に表皮材を
一体的に被覆・成形するには、繊維状バインダーの融点
以上の温度で熱圧成形すればよい。加熱によってマット
状吸音材の表面近傍に存在する繊維状バインダーが融解
して両者を接着し、一方、内部の繊維状バインダーが融
解してマット状吸音材が塑性を示し、金型形状に成形す
ることができる。
【0024】さらに、接着強度を上げて耐久性の優れた
成形品を製造するには、図2に示すように、マット状吸
音材1と表皮材2との間に接着剤層3を形成することが
好ましい。この接着剤層を形成するには、従来より公知
の熱可塑性又は熱硬化性接着剤を用いることができる
が、好ましくは表皮材とマット状吸音材との接着性を確
保し、吸音率を低下させない接着用不織布を用いること
がよい。このような接着用不織布としては、例えば接着
用ポリアミド不織布、接着用ポリエステル不織布などが
挙げられる。接着用不織布を用いる場合の加熱温度は、
接着用不織布又は繊維状バインダーの高い方の融点以上
の温度である。
【0025】次に、本発明の車両用吸音材は、マット状
吸音材を用意し、これを所定形状に裁断し、その片面又
は両面に表皮材を重ね、繊維状バインダーの融点以上の
温度で熱圧成形することにより製造することができる。
この場合、マット状吸音材と表皮材の間に接着用不織布
を介在させて熱圧成形すると、表皮材とマット状吸音材
との接着強度がさらに高まり、耐久性の優れた車両用吸
音材を製造することができる。
【0026】以下、本発明の製造方法について、図面に
基づき説明する。図3において、所定形状に裁断したマ
ット状吸音材1の両面に表皮材2、2’を重ね、これを
金型の下型4の上に設置する。次いで、上型5を閉め、
金型温度を繊維状バインダーの融点以上の温度とし、所
定時間熱圧成形する。この熱圧成形には公知のホットプ
レスなどを用いることでよい。成形品を金型より取り出
した後、外周面を打ち抜き加工すると、図1に示す車両
用吸音材が得られる。なお、マット状吸音材1の両面に
接着用不織布(図示せず)を介して表皮材2、2’を重
ね、金型温度を繊維状バインダー又は接着用不織布の高
い方の融点以上の温度として同様に成形すると、図2に
示す車両用吸音材が得られる。
【0027】次に、本発明の製造方法の別例を説明す
る。図4において、裁断したマット状吸音材1の両面に
接着用不織布6、6’を介して表皮材2、2’を重ね、
これを遠赤外線ランプ7等の加熱手段により繊維状バイ
ンダー又は接着用不織布の高い方の融点の温度に加熱す
る。次いで、これを繊維状バインダー又は接着用不織布
の低い方の融点以下の温度、例えば50〜80℃程度に
保持された金型(図示せず)を用いて、所定時間加圧成
形する。成形品を金型より取り出した後、外周面を打ち
抜き加工すると、図2に示す車両用吸音材が得られる。
【0028】
【実施例】実施例1 ロックウール粒状綿100重量部に対し、ガラス繊維2
0重量部及び繊維状バインダー(芯鞘型ポリエステルフ
ァイバーバインダー ユニチカ株式会社製 メルティ4
080 融点110℃)35重量部の割合でカード式解
繊機に連続的に供給し、混合解繊すると共にロックウー
ルを脱ショットし、解繊物をネットコンベアに集積して
層状のロックウールマットを形成し、これを加熱炉で1
30℃に加熱して繊維状バインダーを融解させ、面密度
800g/m2、幅1000mm、厚さ50mmのマット状吸音
材を製造した。このマット状吸音材の繊維含有率は、脱
ショットロックウール100重量部に対しガラス繊維約
28重量部、繊維状バインダー50重量部であった。表
皮材として、撥水・撥油・難燃処理されたポリエステル
繊維不織布(面密度50g/m2)を用い、接着用不織布と
して、ポリアミド不織布(ダイヤボンド工業株式会社
製、PA−150、面密度25g/m2、融解温度120
℃)を用いた。図3に示す方法により、これらの材料を
金型温度200℃、成形時間1〜2分間で熱圧成形して
図2に示す車両用吸音材を製造した。得られた成形品
は、金型と同じ形状を保持しており、また端末部に剥れ
が見られず、マット状吸音材と表皮材がガッチリ接着し
ていることが認められた。次に、この成形品をJIS
A1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測
定方法」に基づき周数800〜5000Hzで垂直入射吸
音率を測定した。比較のため、フェノール樹脂硬化ガラ
スウール(樹脂率10重量%)を、上記と同じ表皮材と
接着用不織布を用いて被覆・成形した成形品を同様に測
定した。結果を図5に示す。図5から明らかなように、
本発明の車両用吸音材は、従来の車両用吸音材とほぼ同
じ吸音率を有する。
【0029】実施例2 実施例1の表皮材の代わりに、撥水・撥油・難燃処理さ
れたポリアミド繊維15%入りポリエステル繊維不織布
(面密度80g/m2)を用いた以外は実施例1と同様にし
て車両用吸音材を製造した。この成形品は、実施例1の
ものとほぼ同様な性能を示した。
【0030】実施例3 マット状吸音材中のロックウール+ガラス繊維100重
量部に対し、繊維状バインダー(ポリエステルファイバ
ーバインダー ユニチカ株式会社製 メルティ408
0)を表1の混合割合(重量部)で混合した以外は実施
例1と同様にして、マット状吸音材を製造し、これを用
いて車両用吸音材を製造した。ロックウール+ガラス繊
維100重量部に対し繊維状バインダーの混合割合が1
5重量部のマット状吸音材は、成形性が不良であった
が、それ以外のものは優れた成形性を示した。次に、得
られた成形品について、JIS D1201「自動車室
内用有機資材の燃焼性試験方法」に基づき耐燃焼性を評
価した。繊維状バインダーの量と燃焼性との関係を明確
にする目的で、表皮材無しでの結果を表1に示す。な
お、表1中の評価基準は次のとおりである。 DNI:試験片に15秒間接火しても着火しない SE :試験片に着火するが時間測定線(端末より38
mm)に達しないで消火 SE/NBR:試験片に着火し時間測定線を越えるが時
間測定線より51mm以内でかつ60秒以内に消火 BR :試験片の全長にわたり燃焼するもの 以上のDNI、SE、SE/NBRを自消性と判定
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明は、必須繊維としてロックウー
ル、ガラス繊維及び繊維状バインダーを含有し、これら
が混合状態で不規則に配向され、かつ繊維状バインダー
で繊維間が結合されたマット状吸音材を用い、これに撥
水・撥油・難燃処理されたポリエステル繊維系不織布表
皮材を一体的に被覆・成形することにより、成形工程で
ホルムアルデヒド等の有害物質の発生がなく作業環境が
改善され、また耐燃焼性の優れた車両用吸音材が製造で
き、さらに使用済み成形品を繊維としてリサイクルが可
能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用吸音材の一例を示す断面図である。
【図2】車両用吸音材の別例を示す断面図である。
【図3】車両用吸音材の製造方法の一例を示す図面であ
る。
【図4】車両用吸音材の製造方法の別例を示す図面であ
る。
【図5】本発明の車両用吸音材と従来品の吸音率比較グ
ラフである。
【符号の説明】
1 : マット状吸音材 2、2’: 表皮材 3、3’: 接着剤層 4 : 下型 5 : 上型 6、6’: 接着用不織布 7 : 遠赤外線ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 徹 千葉県木更津市新港15−1 新日化ロック ウール株式会社技術開発部内 (72)発明者 八木 信雄 神奈川県藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 Fターム(参考) 4L047 AA05 AA06 AA14 AA21 AA23 AA27 AA28 AB09 BA09 BA12 BB01 BB02 BB06 BB07 BB09 BD01 CA05 CB03 CB05 CB09 CC09 CC16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須繊維としてロックウール、ガラス繊
    維及び繊維状バインダーを含有し、これらが混合状態で
    不規則に配向され、かつ繊維状バインダーで繊維間が結
    合されたマット状吸音材と、撥水・撥油・難燃処理され
    たポリエステル繊維系不織布よりなる表皮材とが一体的
    に被覆・成形されたことを特徴とする車両用吸音材。
  2. 【請求項2】 繊維状バインダーが、融点が110〜2
    00℃であるポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリ
    エチレン繊維、ポリプロピレン繊維の1種又は2種以上
    である請求項1記載の車両用吸音材。
  3. 【請求項3】 繊維状バインダーが、芯鞘型ポリエステ
    ル繊維である請求項2記載の車両用吸音材。
  4. 【請求項4】 マット状吸音材と表皮材とが、接着剤層
    を介して一体的に被覆・成形された請求項1〜3のいず
    れかに記載の車両用吸音材。
  5. 【請求項5】 繊維状バインダーの量が、ロックウール
    とガラス繊維の合計量100重量部に対し20〜80重
    量部である請求項1〜4のいずれかに記載の車両用吸音
    材。
  6. 【請求項6】 必須繊維としてロックウール、ガラス繊
    維及び繊維状バインダーを含有し、これらが混合状態で
    不規則に配向され、かつ繊維状バインダーで繊維間が結
    合されたマット状吸音材を所定形状に裁断し、その片面
    又は両面に撥水・撥油・難燃処理されたポリエステル繊
    維系不織布よりなる表皮材を重ね、繊維状バインダーの
    融点以上の温度で熱圧成形することを特徴とする車両用
    吸音材の製造方法。
  7. 【請求項7】 マット状吸音材の片面又は両面に、接着
    用不織布を介して表皮材を重ね、これを繊維状バインダ
    ー又は接着用不織布の高い方の融点以上の温度で熱圧成
    形する請求項6記載の車両用吸音材の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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