JP2001129703A - 切削工具用被覆焼結体 - Google Patents

切削工具用被覆焼結体

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JP2001129703A JP31444099A JP31444099A JP2001129703A JP 2001129703 A JP2001129703 A JP 2001129703A JP 31444099 A JP31444099 A JP 31444099A JP 31444099 A JP31444099 A JP 31444099A JP 2001129703 A JP2001129703 A JP 2001129703A
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Shinya Kamisaka
伸哉 上坂
Hitoshi Sumiya
均 角谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に鋼の高速切削において、優れた耐摩耗性
と耐熱性を有する切削工具用被覆焼結体を提供する。 【解決手段】 立方晶窒化ホウ素を99.5体積%以上含む
焼結体からなる基材と、この基材表面に形成された被覆
層とを具える。この被覆層はAlO層を有し、AlO
層の厚さが0.5〜10μmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実質的に立方晶窒
化ホウ素(以下cBNと記す)のみからなる焼結体を基材
とし、この基材上にAlO層またはTiの炭化物、窒化
物、硼化物、炭窒化物とAlOとからなる複合層を被
覆した切削工具用焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlOは優れた化学的安定性および硬
度の高さから、一般的な鉄系材料切削において適した材
料であり、靭性に比較的優れる超硬工具基材にAlO
を被覆した切削工具が製品化されている。また、Tiの炭
化物、窒化物、硼化物、炭窒化物は鉄系材料を切削する
際に耐摩耗性に優れており、これらを被覆した切削工具
や第一層にこれらを被覆し、第二層にAlOを被覆し
た切削工具も製品化されている。
【0003】さらに、cBNはダイヤモンドに次ぐ高硬度
物質であり、10〜60体積%のTiN、TiC、Al、Co等の結合
材を用いて超高圧下で焼結されたcBN焼結体が切削工具
用途として市販されている。これらは主に焼入鋼や鋳鉄
の切削加工用工具に使用されている。
【0004】一方、cBN焼結体には結合材を含まないも
のとして、ホウ窒化マグネシウムなどの触媒を用いて六
方晶窒化ホウ素(hBN)を原料として、反応焼結させた
焼結体がある。この焼結体は熱伝導率が600〜700W/m・K
と高く、ヒートシンク材やTABボンディングツールなど
に用いられている。しかし、この焼結体の中には触媒が
いくらか残留しているため、熱を加えるとこの触媒とcB
Nとの熱膨張差による微細クラックが入りやすく、その
耐熱温度は700℃程度と低い。また、粒径が10μm前後
と大きいため、熱伝導率が高いものの、強度が十分でな
く、切削工具としては適用できなかった。
【0005】他方、cBNは、hBNなどの常圧型BNを超高圧
高温下で、無触媒で合成(直接変換)することが可能で
ある。このhBN→cBN変換と同時に焼結させることで、バ
インダーを含まないcBN焼結体を作製できることが知ら
れている。例えば、特開昭47-34099号公報や特開平3-15
9964号公報に、hBNを超高圧高温下でcBNに変換させ、cB
N焼結体を得る方法が示されている。また、特公昭63-39
4号公報や特開平8-47801号公報には熱分解窒化ホウ素
(pBN)原料にして、cBN焼結体を作製する方法が示され
ており、比較的被削性の良いねずみ鋳鉄の高速切削に用
いることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の加工能
率向上を目的とした鋼の高速切削化や環境問題に伴う乾
式高速切削化の進む中、コーティング超硬合金をはじめ
とする従来工具では、切削時の刃先の高温、高負荷化に
ともなう基材の塑性変形や、熱衝撃による亀裂の発生、
耐熱強度の不足による損傷が問題となっていた。
【0007】これを解決するための手段として、特開昭
59-8679号公報において高温硬度に優れるcBN基焼結体に
AlOやTiC、TiN、TiBとAlOとの複合層を被覆す
る方法が提案されている。しかし、AlOの結晶性の
最適化が不充分であることや、基材のcBN基焼結体の耐
熱性や高温強度が低いことにより、鋼の高速切削におい
ては、切削温度の上昇により膜が剥離し、急激に摩耗が
進行する。特に、高速断続切削では、基材の熱伝導率が
低く、熱膨張係数が高いために激しい熱衝撃によって基
材に熱亀裂が発生するなど、顕著な耐摩耗性および耐欠
損性の向上がみられていなかった。
【0008】また、結合材を含まないcBN焼結体は鋳鉄
の高速切削では優れた耐熱性を示すが、硬度の低い鋼や
焼入鋼の切削においてはcBNと鋼との反応によって刃先
の摩耗の進行が速く工具寿命が著しく低下する。
【0009】従って、本発明の主目的は、特に鋼の高速
切削において、優れた耐摩耗性と耐熱性を有する切削工
具用被覆焼結体を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基材とな
るcBN焼結体に必要な耐摩耗性と耐熱衝撃性とを検討し
た結果、従来のcBN焼結体は結合材の軟化や劣化によっ
て耐熱性や耐熱衝撃性が低下するとの知見を得た。そこ
で、本発明では、実質的にcBNのみからなる基材に Al
O層を含む被覆層を形成して、この被覆層の厚みを特
定することで上記の目的を達成する。
【0011】すなわち、本発明は、立方晶窒化ホウ素を
99.5体積%以上含む焼結体からなる基材と、この基材表
面に形成された被覆層とを具える切削工具用被覆焼結体
において、前記被覆層はAlO層を有し、AlO層の
厚さが0.5〜10μmであることを特徴とする。
【0012】(基材)上記構成のうち、まず基材に関し
て説明する。基材におけるcBNの含有率は99.5体積%以
上とする。99.5体積%未満であると、不純物などcBN以
外の構成物質はcBNに比べて耐熱性が低いことが多く、
切削温度が高温となる条件においてcBN粒子以外の構成
物質が劣化し、高温強度が低下するためである。cBNの
含有率が99.5体積%以上であれば高温条件下でも硬度低
下が少なく、被覆層の高硬度を維持させる効果も発揮す
るため、工具の耐摩耗性を著しく向上させる。さらにcB
N本来の優れた耐熱性を得るため、cBNの含有率は99.9体
積%以上が一層望ましい。
【0013】基材におけるcBNの平均粒径は1μm以下で
あることが好ましい。cBNの結晶粒径をこのように微細
にすることで、より一層焼結体の強度を向上させること
ができる。平均粒径が1μmを超えると、cBN粒子の粒界
面積が減少し、亀裂の伝播が速くなるために強度が低下
する。
【0014】また、基材の任意方向のX線回折線におい
て、cBNの(220)面のX線回折強度I(220)とcBNの(11
1)面のX線回折強度I(111)との比I(220)/I(111)が0.05
以上であることが好ましい。それによりへき開による欠
損を抑制して、切削工具としての強度を維持することが
できる。
【0015】さらに、基材の熱伝導率を250〜1000W/m・
Kとしたり、基材の20〜600℃の温度範囲における熱膨張
係数を3.0〜4.0×10−6の範囲とすることが好適であ
る。このような高い熱伝導率と低い熱膨張係数により、
熱衝撃による亀裂の発生を抑制することができる。
【0016】そして、20〜1000℃の間の温度で3点曲げ
測定における上記基材の抗折力を80kgf/mm以上とした
り、基材の室温での硬度をHv4000kgf/mm以上とするこ
とで、高温下での機械的強度を改善し、刃先温度が上昇
する高速断続切削時の欠損を低減することができる。
【0017】上述の基材の製造方法としては、低結晶性
もしくは微粒の高純度な常圧型BNを出発原料として、高
圧・高温下で直接変換することが挙げられる。常圧型BN
とは、熱力学的に常圧で安定な窒化ホウ素で、六方晶BN
(hBN)、菱面体BN(rBN)、乱層構造のBN(tBN)、および
非晶質のBN(aBN)が含まれる。ただし、もともと配向性
の高いpBNや結晶粒度の大きいhBNを原料に用いると、(1
11)方向に配向したcBN焼結体となり易い。この配向性の
ため、切削工具として使用した場合、層状亀裂、剥離な
どの不具合が生じることがある。低結晶性もしくは微粒
の高純度な常圧型BNを出発原料とすれば、得られるcBN
焼結体は配向し難く、かつ結晶粒子も大きくならない。
なお、cBNの平均結晶粒径を微細にするには、焼結温度
を2200℃未満、特に1800〜2000℃程度とすることが好適
である。
【0018】低結晶性で高純度の常圧型BNは、ホウ素と
酸素を含む化合物を、炭素と窒素とを含む化合物で還元
することにより得られる。さらに、このような常圧型BN
からcBNへの直接変換は、前記ホウ素と酸素とを含む化
合物の沸点以上の温度で、常圧型BNを非酸化性雰囲気で
加熱した後に行うことが好適である。
【0019】(被覆層)次に、被覆層に関して説明す
る。被覆層は耐熱性の観点からAlO層を含む構成と
する。すなわち、基材上に直接AlO層を形成しても
良いし、基材とAl O層との間に、これら両者との密
着性に優れる介在層を形成しても良い。介在層の材質と
しては、TiN、TiC、TiB、TiCNより選ばれる1種以上が
挙げられる。TiN、TiC、TiB、TiCNを介在層として用い
た場合、基材とAlO層との密着性を改善すると共に
基材における被覆個所の耐摩耗性をさらに高めることが
できる。そして、被覆層の最外層としてTiN、TiC、TiB
およびTiCNより選ばれる1種以上を被覆することで、一
層の耐摩耗性を実現できる。
【0020】AlO層は化学的に安定なα-AlO
主成分とすることが好ましい。これにより、高温下でも
チッピングや剥離を起こすことがなく、逃げ面摩耗量お
よびクレータ摩耗量が抑制され工具寿命が増加する。そ
して、既存の工具では適用不可能であった鋼の高速切削
用途において優れた工具寿命を有する。κ-AlOを密
着力良く被覆した場合にもクレータ摩耗量が抑制されて
工具寿命は向上するが、特に高速切削では逃げ面摩耗量
が抑制されない。
【0021】被覆層の形成個所は、切削工具の少なくと
もすくい面とすることが望ましい。特に、切削に作用す
るすくい面と逃げ面の両方に設けると最も効果的であ
る。ただし、すくい面のみに被覆した場合でも、特にク
レータ摩耗の発達が著しく抑制できる。
【0022】被覆層の形成手段は、無電界めっき、化学
的蒸着法(CVD法)および物理的蒸着法(PVD法)等の公
知のコーティング技術が利用できる。特に、イオンプレ
ーティング法やプラズマCVD法を用いて基材との密着性
に優れた被覆を形成れば、切削時における被覆層の弾塑
性変形が基材との界面で拘束され、被覆層の高硬度をさ
らに向上すると共に、剥離のない密着強度の高い膜を作
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (試験例1)酸化ホウ素(BO)とメラミン(CN
H)をモル比で3:1で配合し、乳鉢で均一に混合し
た。これを、管状炉で、窒素ガス雰囲気中、合成温度85
0℃で2時間処理した。得られた粉末をエタノールで洗
浄して未反応のBOを除去し、さらに、高周波炉で、
窒素ガス中、2100℃で2時間処理した。得られた窒化ホ
ウ素粉末の酸素含有量を、ガス分析で測定すると0.75重
量%であった。窒素ガス中、2100℃の熱処理でBO
吸着ガスは完全に除去されているため、この酸素はhBN
に固溶した不純物と思われる。こうして得られた窒化ホ
ウ素のX線回折図形は、hBNの(102)回折線がなく、hBN
の(002)回折線が非常にブロードで、結晶性がかなり
低いことを示した。hBN(002)回折線の半値幅より結晶
粒子サイズLcを計算すると8nmであった。
【0024】この低結晶性常圧型BN粉末を6ton/cm
型押し成型し、この成型体を再度、高周波炉で、窒素ガ
ス中、2100℃で2時間処理した。次に、これをMoカプセ
ルに入れ、ベルト型超高圧発生装置で6.5GPa、1800℃〜
2000℃の温度条件で15分処理した。得られた焼結体の組
成、粒度、X線回折におけるcBNの(220)回折強度のcBN
(111)回折強度に対する比率を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】次に、上記のcBN焼結体を切削チップの形
に加工し、このcBN焼結体のすくい面と逃げ面にプラズ
マCVD法によりAlOを厚み3μm被覆した。比較例と
しては、次の各々を準備した。
【0027】比較例1:前記低結晶性常圧型BN粉末を18
80℃で15分間処理して得た被覆なしのチップ。 比較例2:前記低結晶性常圧型BN粉末を2200℃の温度で
15分間処理して得たcBN焼結体に3μmのAlOを被覆
したチップ。 比較例3:原料としてpBNを用いて6.5GPa、1880℃で15
分処理して得たcBN焼結体に3μmのAlOを被覆した
チップ。 比較例4:TiNを結合材とした市販の焼入鋼切削用cBN焼
結体工具に3μmのA120 3を被覆したチップ。
【0028】切削試験は硬度HB160のSCM420の丸棒連続
旋削にて、V=800/min、f=0.2mm/rev、d=0.5mm、乾式
の条件下で10分間切削し、工具の逃げ面摩耗量を測定し
た。その結果も表1に示す。
【0029】表1に示すように、cBNの含有率が99.5体
積%以上で、その結晶粒径が1μm以下、回析強度比が
0.05以上である全ての実施例は比較例に比べて切削時間
が長く、欠損も生じていない。また、被覆のない比較例
1と比べても各段に逃げ面摩耗量が少ない。
【0030】さらに、上記全ての実施例および比較例2
〜4の基材について、硬度、抗折力、熱膨張係数、熱伝
導率を測定した。硬度はビッカース硬度を測定した。ま
た、抗折力は3点曲げ測定において、雰囲気温度を20〜
1000℃の間で変化させて計測した。試験片のサイズは6
×3×0.7mm(スパン4mm)である。さらに、熱膨張係
数は20〜600℃の間で温度を変化させて測定した。その
結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】(試験例2)試験例1と同様に、原料とし
て高純度処理をした低結晶性常圧型BN粉末をMoカプセル
に入れ、ベルト型高圧発生装置で圧力6.5GPa、温度1880
℃の条件で15分処理し、cBNに直接変換焼結した。さら
に、この焼結体を切削チップの形に加工し、このcBN焼
結体の表面である工具すくい面と逃げ面にCVD法により
表3に示す構成と厚みの膜を被覆し、実施例切削工具お
よび比較例切削工具とした。比較例10は市販の被覆超硬
合金工具を基材としている。
【0033】これらの工具を用いて硬度がHs35に調整さ
れたSCM435の丸棒連続切削を行い、切削性能を評価し
た。切削条件はV=400m/min、d=0.5mm、f=0.12mm/re
v、乾式で行い、10分切削後の工具の逃げ面摩耗量を測
定した。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3に示すように、AlO層の厚みが0.5
〜10μmの範囲内であれば優れた耐摩耗性を示してい
る。特に、被覆層を多層構造とした実施例の耐摩耗性が
優れている。中でも最外層にTiNを被覆した実施例14、1
5の耐摩耗性が優れている。
【0036】これに対して、AlO層の厚みが10μm超
もしくは被覆層全体の厚みが0.5μm未満または20μm超
のものは耐摩耗性に劣っている。
【0037】(試験例3)試験例1と同様に、原料とし
て高純度処理をした低結晶性常圧型BN粉末をMoカプセル
に入れベルト型高圧発生装置で圧力6.5GPa、温度1880℃
の条件で15分処理し、cBNに直接変換焼結した。さら
に、この焼結体を切削チップの形に加工し、このcBN焼
結体の表面である工具すくい面と逃げ面にCVD法により
表4に示す構成と厚みの膜を被覆し、実施例切削工具お
よび比較例切削工具とした。比較例16は市販の被覆超硬
合金工具を基材としている。
【0038】これらの工具を用いて硬度HB150で、直径3
00mmの丸棒の外周に12箇所のV字形状の溝を有するSCM41
5の丸棒断続切削を行った。切削条件はV=1000m/min、d
=0.5mm、f=0.15mm/rev、湿式で行い、工具摩耗幅と欠
損寿命を測定した。結果も表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】表4に示すように、いずれの実施例も比較
例に比べて欠損寿命が格段に長い。特に、被覆層を多層
構造にした実施例は10分切削後の逃げ面摩耗量が非常に
少なくなっている。
【0041】尚、本発明の切削工具用被覆硬質焼結体
は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように本発明被覆焼結体
によれば、実質的にcBNのみからなる基材にAlO層を
含む被覆層を形成することで、優れた耐摩耗性と耐熱性
を実現でき、特に鋼の高速切削に有効利用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C046 FF02 FF10 FF13 FF16 FF17 FF25 4K030 BA02 BA18 BA36 BA38 BA41 BA43 BA49 BB11 CA05 FA01 JA01 JA20 LA22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立方晶窒化ホウ素を99.5体積%以上含む
    焼結体からなる基材と、この基材表面に形成された被覆
    層とを具える切削工具用被覆焼結体において、 前記被覆層はAlO層を有し、AlO層の厚さが0.5
    〜10μmであることを特徴とする切削工具用被覆焼結
    体。
  2. 【請求項2】 AlO層と基材との間に、TiN、TiC、T
    iBおよびTiCNより選ばれる1種以上からなる介在層を有
    し、 AlO層と介在層との合計厚さが0.5〜20μmであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の切削工具用被覆硬質焼
    結体。
  3. 【請求項3】 AlO層のAlOがα-AlOを主成
    分とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の切削工具用被覆硬質焼結体。
  4. 【請求項4】 上記基材を構成する立方晶窒化ホウ素の
    平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の切削工具用被覆硬質焼結体。
  5. 【請求項5】 上記基材における立方晶窒化ホウ素の
    (220)面のX線回折強度I(220)と立方晶窒化ホウ素の
    (111)面のX線回折強度I(111)との比I(220)/I(111)
    0.05以上であることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の切削工具用被覆硬質焼結体。
  6. 【請求項6】 上記基材が99.9体積%以上の立方晶窒化
    ホウ素からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の切削工具用被覆硬質焼結体。
  7. 【請求項7】 上記基材の熱伝導率が250〜1000W/m・K
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の切削工具用被覆硬質焼結体。
  8. 【請求項8】 上記基材の20〜600℃の温度範囲におけ
    る熱膨張係数が3.0〜4.0×10−6の範囲にあることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の切削工具用被
    覆硬質焼結体。
  9. 【請求項9】 20〜1000℃の間の温度で、3点曲げ測定
    における上記基材の抗折力が80kgf/mm以上であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の切削工具
    用被覆硬質焼結体。
  10. 【請求項10】 上記基材の室温での硬度がHv4000kgf/
    mm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の切削工具用被覆硬質焼結体。
  11. 【請求項11】 被覆層の最外層としてTiN、TiC、TiB
    およびTiCNより選ばれる1種以上が被覆されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の切削工具
    用被覆硬質焼結体。
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