JP2001128934A - 内視鏡の操作ワイヤ駆動機構 - Google Patents

内視鏡の操作ワイヤ駆動機構

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Teruo Ouchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極めてシンプルで小型軽量かつ低コストに構成
することができ、しかも機能的に優れた内視鏡の操作ワ
イヤ駆動機構を提供すること。 【解決手段】回転体として歯車17を用いると共に、紐
状体20を操作ワイヤ10の基端付近の外周面に歯車1
7のピッチに対応するピッチで螺旋状に巻き付けて固着
し、その部分を歯車17に係合させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転体によって
操作ワイヤを牽引するための内視鏡の操作ワイヤ駆動機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、内視鏡の湾曲操作装置などの場
合、円周溝が全周に形成されたプーリーに操作ワイヤの
基端部分を巻き回し、プーリーの回転によって操作ワイ
ヤを牽引するようにしたものがある。
【0003】しかし、そのような機構では、操作ワイヤ
の端部をプーリーに固定しなければならないので、回転
角度が著しく制限されたり、操作ワイヤの固定部分への
応力集中による切断が起き易い等の欠点がある。
【0004】そこで従来は、回転体としてスプロケット
歯車を用い、操作ワイヤの基端に連結したチェーンをス
プロケット歯車に係合させて操作ワイヤを牽引してい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チェーンには
相当の厚みと高さがあることから、操作ワイヤの基端に
チェーンを連結すると装置が大きく重くなるため、体腔
内観察中ずっと操作者が手で保持した状態で操作しなけ
ればならない内視鏡操作部が大型で重いものになってし
まう。また、チェーンを用いることによりコスト高にも
なってしまう。
【0006】そこで本発明は、極めてシンプルで小型軽
量かつ低コストに構成することができ、しかも機能的に
優れた内視鏡の操作ワイヤ駆動機構を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡の操作ワイヤ駆動機構は、内視鏡の
操作部において回転操作される回転体によって操作ワイ
ヤを牽引するための内視鏡の操作ワイヤ駆動機構におい
て、回転体として歯車を用いると共に、紐状体を操作ワ
イヤの基端付近の外周面に歯車のピッチに対応するピッ
チで螺旋状に巻き付けて固着し、その部分を歯車に係合
させたものである。
【0008】なお、操作ワイヤと紐状体の各々に合成樹
脂材がコーティングされていて、そのコーティングどう
しが溶着されることにより操作ワイヤと紐状体とが固着
されていてもよく、歯車の歯が紐状体の向きに対応して
斜め向きに形成されていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。図2は内視鏡の全体構成を示しており、
操作者が手で保持して操作する操作部1の下端に挿入部
可撓管2が連結されている。
【0010】そして、操作部1に配置された湾曲操作ノ
ブ5からの遠隔操作によって屈曲する湾曲部3が挿入部
可撓管2の先端に連結され、対物光学系等が内蔵された
先端部本体4が湾曲部3の先端に連結されている。6
は、処置具挿通チャンネルに通された処置具100の先
端部分100aの突出方向を遠隔的に変化させるための
起上台操作レバーである。
【0011】図1は、湾曲部3を屈曲させるための操作
ワイヤ10を牽引操作するように操作部1内に設けられ
た湾曲操作ワイヤ駆動装置を示している。一対の操作ワ
イヤ10は先端が各々湾曲部3の先端部分に連結され、
挿入部可撓管2内に挿通配置された密着巻きコイルパイ
プからなるガイド管12内を通って、基端側が操作部1
内に導入されている。
【0012】なお、この実施の形態においては、一対の
操作ワイヤ10の基端側が一本に繋がっているが、ガイ
ド管12内に通された部分と操作部1内に配置された部
分とを分けて構成して、それらを操作部1内で連結して
もよい。13は、ガイド管12の基端部分を操作部1内
のフレーム14に固定する固定座である。
【0013】湾曲操作ノブ5によって回転駆動される軸
体16に直結して歯車17が配置されており、U字状に
曲げ戻された操作ワイヤ10の曲げ戻し部分が、その歯
車17に約半周巻回されている。
【0014】操作ワイヤ10の外周面には、紐状体20
が歯車17のピッチと同じピッチで螺旋状に巻き付けら
れて固着されており、その紐状体20のピッチ間の隙間
に歯車17の歯が嵌まり込む。
【0015】したがって、図3に示されるように、歯車
17としては、歯の向きが紐状体20の向きと同じ斜め
向きに形成された「はす歯歯車」になっている。歯形
は、紐状体20のピッチ間隙間から外れない形状であれ
ばよい。このような構成においては、歯車17が回転位
置のどこで操作ワイヤ10と噛み合ってもよく、組み立
ての自由度が大きい。
【0016】紐状体20が巻き付けられた部分の操作ワ
イヤ10と歯車17との係合状態が外れないように、そ
の部分を外面側から囲む外面カバー18が、小ネジ19
によってフレーム14に固定されている。21は外面カ
バー18の位置をずらしてフレーム14に固定すること
ができるように設けられたネジ孔である。
【0017】このような構成により、湾曲操作ノブ5を
回転操作して歯車17を回転させると、その歯と共に操
作ワイヤ10が軸線方向に移動し、一対の操作ワイヤ1
0の一方が牽引されて他方が押し出され、その牽引量に
対応する角度だけ湾曲部3が屈曲する。
【0018】紐状体20は、湾曲部3が最大限に屈曲さ
れた状態でも歯車17との係合が外れない範囲まで操作
ワイヤ10に巻き付けられており、その巻き付け両端位
置には操作ワイヤ10に移動ストッパ23が固着されて
いる。
【0019】24は、弛み側の操作ワイヤ10に取り付
けられた移動ストッパ23を当接させるための固定スト
ッパであり、Aで示されるように、移動ストッパ23が
固定ストッパ24に当接してさらに湾曲操作が行われる
と、弛み側の操作ワイヤ10は操作部1内の空間で大き
く撓むようになっている。
【0020】本発明において、操作ワイヤ10と紐状体
20との固着はどのような手段によってもよいが、例え
ば図4に示されるように、操作ワイヤ10と紐状体20
の各々について、金属ワイヤ10a,20aに熱可塑性
の合成樹脂材(例えば、ポリアミド樹脂又はポリウレタ
ン樹脂等)のコーティング10b,20bを例えば0.
1〜0.3mm程度の厚みで施しておき、紐状体20を
操作ワイヤ10に巻き付けた状態で加熱して、双方のコ
ーティング10b,20bどうしを溶着させればよい。
【0021】操作ワイヤ10に用いられる金属ワイヤ1
0aとしては、例えば1×7撚り、又は1×3撚り等の
直径0.3〜1mm程度のステンレス鋼撚り線が用いら
れ、紐状体20が巻き付けられた部分の外径が、金属ワ
イヤ10aの直径の3〜5倍程度(例えば1〜5mm程
度)の範囲にあればよい。なお、工業用内視鏡として太
い管腔内に挿入されるような場合には、使用状況等に応
じて操作ワイヤ10の径を太くすればよい。
【0022】操作ワイヤ10は使用を重ねると次第に伸
びるが、本発明の装置においては歯車17に対する係合
に滑りが発生せず、確実に動作する。ただし、湾曲部3
の最大屈曲角度が減衰するので、そのような場合には、
図5に示されるように、外面カバー18の固定位置をず
らして歯車17に対する噛み合わせ位置をずらせばよ
い。当初の組み立て時に、例えば操作ワイヤ10が長す
ぎた場合等には、同じようにしても差し支えない。
【0023】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば上記の装置を二つ組み合わせ
て、いわゆる四方向湾曲の操作装置に用いてもよい。ま
た、湾曲操作装置以外の装置に適用してもよい。
【0024】図6は、本発明を先端部本体4に配置され
た処置具起上台7の操作装置に適用した例を示してお
り、操作ワイヤ10で処置具起上台7を回動させること
により、処置具挿通チャンネル8に通された処置具10
0の先端部分100aの突出方向を変えることができ
る。
【0025】この実施の形態においては、一本の操作ワ
イヤ10が操作部1内に真っ直ぐに配置され、側面に歯
が形成された歯車117が起上台操作レバー6に連結さ
れて操作部1に配置されている。10cは、操作ワイヤ
10を接続する繋ぎ管である。
【0026】図7は、本発明を内視鏡のフォーカシング
操作装置に適用した例を示しており、先端部本体4に配
置された対物レンズ筒9を操作ワイヤ10で光軸方向に
進退させることにより、フォーカシングを行うことがで
きる。
【0027】この実施の形態においても、一本の操作ワ
イヤ10が操作部1内に真っ直ぐに配置され、第1の実
施の形態と同様の歯車17によって軸線方向に進退操作
される。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、操作部において回転操
作される歯車に対して、操作ワイヤの基端付近の外周面
に紐状体が螺旋状に巻き付けられて固着されたものを係
合させたことにより、極めてシンプルな構成で操作ワイ
ヤを確実に進退操作することができ、小型軽量で低コス
トでありながら機能的に優れた内視鏡の操作ワイヤ駆動
機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の湾曲操作ワイヤ駆
動装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の全体構成
を示す外観図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の操作ワイヤと係合
する歯車を歯先側から見た図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の操作ワイヤの一部
を断面で示す拡大側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の湾曲操作ワイヤ駆
動装置の部分断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の起上台操作ワイヤ
駆動装置の中間部分を省略して示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態のフォーカシング操
作ワイヤ駆動装置の中間部分を省略して示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 操作部 3 湾曲部 5 湾曲操作ノブ 6 起上台操作レバー 7 処置具起上台 9 対物レンズ筒 10 操作ワイヤ 10a 金属ワイヤ 10b コーティング 12 ガイド管 16 軸体 17 歯車 18 外面カバー 20 紐状体 20a 金属ワイヤ 20b コーティング 23 移動ストッパ 24 固定ストッパ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内視鏡の操作部において回転操作される回
    転体によって操作ワイヤを牽引するための内視鏡の操作
    ワイヤ駆動機構において、 上記回転体として歯車を用いると共に、紐状体を上記操
    作ワイヤの基端付近の外周面に上記歯車のピッチに対応
    するピッチで螺旋状に巻き付けて固着し、その部分を上
    記歯車に係合させたことを特徴とする内視鏡の操作ワイ
    ヤ駆動機構。
  2. 【請求項2】上記操作ワイヤと上記紐状体の各々に合成
    樹脂材がコーティングされていて、そのコーティングど
    うしが溶着されることにより上記操作ワイヤと上記紐状
    体とが固着されている請求項1記載の内視鏡の操作ワイ
    ヤ駆動機構。
  3. 【請求項3】上記歯車の歯が上記紐状体の向きに対応し
    て斜め向きに形成されている請求項1又は2記載の内視
    鏡の操作ワイヤ駆動機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012241881A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Asahi Intecc Co Ltd 螺旋状歯付きロープ
CN105960191A (zh) * 2014-02-07 2016-09-21 奥林巴斯株式会社 牵引平衡调整机构、机械手及机械手系统
EP2447567B1 (en) * 2010-10-28 2016-10-12 Asahi Intecc Co., Ltd. Helical toothed rope

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