JP2001127537A - レンズアンテナ装置 - Google Patents

レンズアンテナ装置

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JP2001127537A
JP2001127537A JP30534699A JP30534699A JP2001127537A JP 2001127537 A JP2001127537 A JP 2001127537A JP 30534699 A JP30534699 A JP 30534699A JP 30534699 A JP30534699 A JP 30534699A JP 2001127537 A JP2001127537 A JP 2001127537A
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JP
Japan
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lens
dielectric lens
dielectric
planar array
array antenna
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JP30534699A
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English (en)
Inventor
Nobuyasu Takemura
暢康 竹村
Hiroyuki Deguchi
博之 出口
Isamu Chiba
勇 千葉
Shuji Urasaki
修治 浦崎
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 要求利得が高い場合には、開口面積を大きく
しなければならないので、放射素子が増大し、製造コス
トが高くなるという課題があった。 【解決手段】 平面形状は楕円であって、天頂方向に沿
うZ軸から所定の角度傾けた広角方向を光軸18とし、
前記楕円の長軸方向の断面は前記光軸側が厚く光軸の反
対側が薄い誘電体レンズ14と、前記誘電体レンズの焦
点Fの内側で前記天頂方向に沿うZ軸に垂直に設置さ
れ、前記誘電体レンズの焦点Fから前記誘電体レンズを
見込む角度範囲内に配置され、前記誘電体レンズに給電
する複数の放射素子から形成され、f1の周波数付近に
共振周波数を有する平面アレーアンテナ17と、前記誘
電体レンズを前記天頂方向に沿うZ軸の周りで回転させ
る回転機構21とを備えた。 【効果】 放射素子数を低減することができ、かつ、コ
ストを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、広角でより高い
利得を実現するレンズアンテナ装置に関するものであ
り、特に、低軌道衛星を使った通信を行うための地上端
末および衛星に搭載されるレンズアンテナ装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のレンズアンテナ装置について図面
を参照しながら説明する。図10は、例えば実開昭64
−47109号公報に示された従来の誘電体レンズ付き
平面アレーアンテナ装置を示す図であり、(a)は断面
図、(b)は斜視図である。
【0003】図10において、1は後述する放射素子が
配列されている平面、2は平面1上に2次元で配置され
た放射素子、3は平面アレー、4は誘電体レンズであ
る。
【0004】また、同図において、5は天頂方向に向け
たz軸、6は極座標系(r, θ, φ)で定義したビームの
走査方向θ、7は極座標系(r, θ, φ)で定義したビ
ームの走査方向φ、8は平面アレー3の開口径d0、9
は平面アレー3から誘電体レンズ4に向けて吹き付けら
れる1次パターンの波面(等位相面)、10は誘電体レ
ンズ4ら自由空間に向けて放射される2次パターンの波
面(等位相面)を示している。
【0005】なお、複数の放射素子2には移相器や増幅
器が接続されており、放射素子2の励振位相や励振振幅
を変化させることができる。また、誘電体レンズ4は、
z軸5に関して回転対称の構造であり、平面アレー3の
上方を半球で覆っている。
【0006】つぎに、従来のレンズアンテナ装置の動作
について図面を参照しながら説明する。
【0007】放射素子2から放射された電波は、誘電体
レンズ4に入射し、屈折して透過し、自由空間へ向けて
放射される。このとき、光線の方向は、誘電体レンズ4
の媒質の誘電率に応じて屈折し、同時に行路長が空気中
を伝播している場合よりも長くなる。
【0008】そのため、1次パターンにおける開口径d
1よりも2次パターンにおける開口径d2を大きくするこ
とができ、また、1次パターンにおける波面9よりも2
次パターンにおける波面10を傾けることができる。ビ
ームを走査する場合は、誘電体レンズ4によって振幅、
位相が変化することを考慮して、放射素子2の励振振
幅、位相を変化させる。
【0009】誘電体レンズ4のない平面アレーアンテナ
に比べると、d1<d2となることからわかるように、広
角方向にビームを向けたときの利得の向上を図ることが
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
レンズアンテナ装置では、平面アレー3は、2次元に電
気的にビームを走査するために、放射素子2は2次元に
配列され、その上、励振振幅、位相を制御するための移
相器や増幅器が各放射素子に必要となる。要求利得が高
い場合には、開口面積を大きくしなければならないの
で、放射素子2が増大し、製造コストが高くなるという
問題点があった。
【0011】また、広角度範囲にわたりビームを走査す
る場合には、グレーティングローブを発生させないよう
にするため放射素子間隔を狭くしなければならない。従
って、この場合にも放射素子の数が増大し、製造コスト
が高くなるという問題点があった。
【0012】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、誘電体レンズの断面形状を端より
も中心で厚い収束系レンズ形状、端よりも中心で厚い収
束系レンズ形状で片側を平面とした形状、片側を球面形
状で片側を光軸方向で厚い放物線形状とすることによっ
て、給電アレーを構成している放射素子数を低減し、か
つ、上記誘電体レンズを傾けて設置して天頂方向に沿う
軸の周りで機械的に回転させることによって、ビームの
電気的な走査範囲を狭くして素子間隔を広くとって放射
素子数を低減し、その結果、低コストで広角度範囲にわ
たってビーム走査可能なレンズアンテナ装置を得ること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るレンズアンテナ装置は、平面形状は楕円であって、天
頂方向に沿う軸から所定の角度傾けた広角方向を光軸と
し、前記楕円の長軸方向の断面は前記光軸側が厚く光軸
の反対側が薄い誘電体レンズと、前記誘電体レンズの焦
点の内側で前記天頂方向に沿う軸に垂直に設置され、前
記誘電体レンズの焦点から前記誘電体レンズを見込む角
度範囲内に配置され、前記誘電体レンズに給電する複数
の放射素子から形成され、第1の周波数付近に共振周波
数を有する平面アレーアンテナと、前記誘電体レンズを
前記天頂方向に沿う軸の周りで回転させる回転機構とを
備えたものである。
【0014】この発明の請求項2に係るレンズアンテナ
装置は、前記誘電体レンズを、上面及び下面が凸レンズ
形状としたものである。
【0015】この発明の請求項3に係るレンズアンテナ
装置は、前記誘電体レンズを、上面が平面形状で、下面
が凸レンズ形状としたものである。
【0016】この発明の請求項4に係るレンズアンテナ
装置は、前記誘電体レンズを、上面が凸レンズ形状で、
下面が凹レンズ形状としたものである。
【0017】この発明の請求項5に係るレンズアンテナ
装置は、前記誘電体レンズが、その表面に整合層が設け
られているものである。
【0018】この発明の請求項6に係るレンズアンテナ
装置は、前記誘電体レンズに、ゾーニングが施されてい
るものである。
【0019】この発明の請求項7に係るレンズアンテナ
装置は、第2の周波数付近に共振周波数を有する第2の
平面アレーアンテナと、前記誘電体レンズと前記平面ア
レーアンテナ及び前記第2の平面アレーアンテナとの間
に設けられ、前記第1の周波数の電波を透過し、前記第
2の周波数の電波を反射する周波数選択鏡面とをさらに
備えたものである。
【0020】この発明の請求項8に係るレンズアンテナ
装置は、前記第2の平面アレーアンテナと前記周波数選
択鏡面との間に設けられた反射板をさらに備え、前記平
面アレーアンテナ及び前記第2の平面アレーアンテナを
同一平面に配置したものである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係るレンズアンテナ装置について図面を参照し
ながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係
るレンズアンテナ装置を示す図であり、(a)は断面
図、(b)は斜視図である。なお、各図中、同一符号は
同一又は相当部分を示す。
【0022】図1において、11は天頂方向に向けたz
軸、12は極座標系(r,θ,φ)で定義したビームの
走査方向θ、13は極座標系(r,θ,φ)で定義した
ビームの走査方向φである。
【0023】また、同図において、14は断面が一方の
端よりも中心で厚い収束系レンズ(両側凸レンズ)を後
述するように切断した誘電体レンズ、15は素子アンテ
ナ、16は素子アンテナ15を配置している平面基板、
17は素子アンテナ15と平面基板16から成る平面ア
レーアンテナである。
【0024】さらに、同図において、18は誘電体レン
ズ14の光軸、19は誘電体レンズ14の焦点F、20
は光軸18方向へのビーム、21はz軸11の周りで駆
動する回転機構、30はレンズの端を通過する幾可光学
的な光線である。
【0025】ここで、誘電体レンズ14の形状について
図2を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施
の形態1に係るレンズアンテナ装置に使用される誘電体
レンズの切り取り方法を説明するための図である。
【0026】図2において、Aは断面が一方の端よりも
中心で厚い収束系誘電体レンズである。同図(a)に示
すように、上面(平面)から見た場合、円形の誘電体レ
ンズAから、誘電体レンズAの中心を通り、内接する楕
円Bを切り取る。この切り取った楕円Bを誘電体レンズ
14として使用する。この誘電体レンズ14は、同図
(a)に示すように光軸方向から見ると楕円であるが、
回転機構21に斜めに取り付けた状態を天頂方法から見
ると円形にみえる。
【0027】誘電体レンズ14は、平面アレーアンテナ
17のz軸方向上面に配置する。そして、誘電体レンズ
14の光軸18は、所望の広角方向のビーム走査特性を
得られるように、z軸から所定の角度離角した方向に設
定する。また、誘電体レンズ14の光軸18はz軸を含
む平面内に含まれ、誘電体レンズ14は円筒波状の電波
を平面波状の電波に変換するレンズの断面をz軸の周り
に回転させて形成される回転対称な形状になっている。
z軸11は平面基板16に垂直である。
【0028】つぎに、この実施の形態1に係るレンズア
ンテナ装置の動作について図面を参照しながら説明す
る。
【0029】所望の方向へビーム走査を行なう場合、θ
方向におけるビーム走査は、機械的には固定し、電気的
に1次元に行なわれる。また、φ方向におけるビーム走
査は、回転機構21によって機械的に行なわれる。つま
り、誘電体レンズ14および平面アレーアンテナ17な
どが天頂方向に向けたz軸11について回転対称な構造
であるので、ビームの走査方向θが同じであればビーム
の走査方向φでは対称な放射特性を有する。
【0030】まず、光軸18方向にビームを形成する場
合には、平面アレーアンテナ17から誘電体レンズ14
に入射する円筒波状の電波を光軸18の方向へ放射す
る。円筒波状の電波は、誘電体レンズ14を通過すると
光軸18方向に進む平面波状の電波に変換され、光軸1
8方向にビーム20を形成する。
【0031】光軸18の方向に対してある程度の角度ず
れて入射する円筒波状の電波を平面アレーアンテナ17
から放射すると、誘電体レンズ14を通過した電波は光
軸18からずれた方向にビームが形成され、ビーム走査
を行なうことができる。
【0032】また、平面アレーアンテナ17は、素子ア
ンテナ15に位相器などを接続して、励振位相を変化さ
せることにより、フェーズドアレーアンテナとして動作
する。
【0033】さらに、素子アンテナ15に可変増幅器な
どを接続して、励振振幅を変化させることにより、アク
ティブフェーズドアレーアンテナとして動作させても良
い。
【0034】以上のように構成された実施の形態1に係
るレンズアンテナ装置では、平面アレーアンテナ17を
機械的に固定、電気的に1次元走査し、誘電体レンズ1
4を機械的に回転させることにより、2次元的にビーム
を走査することができ、平面アレーアンテナのみの場合
と比較して、各素子アンテナに接続する送受信機モジュ
ール数を削減することが可能となる。
【0035】また、誘電体レンズAを切断した誘電体レ
ンズ14を平面アレーアンテナ17のz軸方向上面に配
置することにより、誘電体レンズAを1枚用いる場合と
比較して小型化することができる。
【0036】さらに、誘電体レンズ14によって所望の
広角方向から見たアンテナ開口径が拡大するので、平面
アレーアンテナのみで同等の利得を得る場合と比較し
て、より小さい平面アレーアンテナ、より少ない素子ア
ンテナ数で済む利点がある。
【0037】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係るレンズアンテナ装置について図面を参照しながら説
明する。図3は、この発明の実施の形態2に係るレンズ
アンテナ装置の構成を示す断面図である。
【0038】図3において、11は天頂方向に向けたz
軸、12は極座標系(r,θ,φ)で定義したビームの
走査方向θ、13は極座標系(r,θ,φ)で定義した
ビームの走査方向φである。
【0039】また、同図において、14Aは断面が一方
の端よりも中心で厚い収束系レンズ(片側凸レンズ)を
上記実施の形態1と同じように切断した誘電体レンズ、
15は素子アンテナ、16は素子アンテナ15を配置し
ている平面基板、17は素子アンテナ15と平面基板1
6から成る平面アレーアンテナである。
【0040】さらに、18は誘電体レンズ14Aの光
軸、19は誘電体レンズ14Aの焦点F、20は光軸1
8方向へのビーム、30はレンズの端を通過する幾可光
学的な光線である。
【0041】誘電体レンズ14Aは、平面アレーアンテ
ナ17のz軸方向上面に配置する。そして、誘電体レン
ズ14Aの光軸18は、所望の広角方向のビーム走査特
性を得られるように、z軸から所定の角度離角した方向
に設定する。
【0042】また、誘電体レンズ14Aの光軸18はz
軸を含む平面内に含まれ、誘電体レンズ14Aは円筒波
状の電波を平面波状の電波に変換するレンズの断面をz
軸の周りに回転させて形成される回転対称な形状になっ
ている。z軸は平面基板16に垂直である。上記実施の
形態1の構成と相違する点は誘電体レンズ14Aの片
側、つまり、ビーム放射方向側を平面としたことであ
る。
【0043】つぎに、この実施の形態2に係るレンズア
ンテナ装置の動作について図面を参照しながら説明す
る。
【0044】この実施の形態2の基本的動作は上記実施
の形態1と同様であるため、ここでは実施の形態1との
相違点について述べる。誘電体レンズ14Aを両側凸レ
ンズ形状から片側を平面とした凸レンズ形状にすること
で、円筒波状の電波を平面波状の電波に変換する作用は
変わらない。つまり、誘電体レンズ14Aは片側を平面
としても両側凸レンズ形状の場合と同様に動作する。し
たがって、片側凸レンズ形状の誘電体レンズAを上記実
施の形態1と同じように切断するため誘電体レンズ14
Aの厚さが薄くなり、重量が軽くなる。
【0045】以上のように構成された実施の形態2に係
るレンズアンテナ装置では、誘電体レンズ14Aを片側
を平面とした凸レンズ形状にすることにより、レンズの
厚さを薄くすることができ、軽量化することができる。
【0046】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
係るレンズアンテナ装置について図面を参照しながら説
明する。図4は、この発明の実施の形態3に係るレンズ
アンテナ装置の構成を示す断面図である。
【0047】アンテナを構成する部材は上記実施の形態
1と同様である。実施の形態1の構成と相違する点は、
誘電体レンズ14Bの形状を両側凸レンズ形状から片側
凹レンズ形状、片側凸レンズ形状としたことである。誘
電体レンズ14Bの形状は、誘電体レンズ14Bの平面
アレーアンテナ17側の面を球面形状とする。そして、
誘電体レンズ14Bのビーム放射方向側の形状は一方の
断面が端よりも光軸18方向で厚い放物線形状とする。
【0048】次に、この実施の形態3の動作について説
明する。この実施の形態3の基本的動作は上記実施の形
態1と同様であるため、ここでは実施の形態1との相違
点について述べる。平面アレーアンテナ17から放射さ
れる円筒波状の電波は、平面アレーアンテナ17側の面
を球面形状とした誘電体レンズ14Bを通過し、円筒波
状の電波は平面波状の電波に変換される。つまり、誘電
体レンズ14Bの形状を平面アレーアンテナ17側の面
を球面状とし、ビーム放射方向側を放物線形状としても
両側凸レンズ形状の場合と同様に動作する。したがっ
て、誘電体レンズ14Bは球面に沿った形状となり、両
側凸レンズ形状の場合と比較してレンズの厚さが薄くな
り、重量が軽くなる。
【0049】以上のように構成された実施の形態3に係
るレンズアンテナ装置では、誘電体レンズ14Bの形状
について一方の片側を球面形状、他方の片側を光軸18
方向で厚い放物線形状とすることにより、誘電体レンズ
14Bの形状が球面に沿った形状となり、両側凸レンズ
形状の場合と比較してレンズの厚さを薄くでき、軽量
化、さらには小型化することができる。
【0050】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
係るレンズアンテナ装置について図面を参照しながら説
明する。図5は、この発明の実施の形態4に係るレンズ
アンテナ装置の誘電体レンズの構成を示す断面図であ
る。
【0051】図5において、22は誘電体レンズ14A
の周囲に設けた整合層、14Cは誘電体レンズである。
なお、同一または相当のものは同じ符号で示す。
【0052】整合層22の構成方法は様々であるが、例
えば誘電体レンズ14Aの屈折率をn、誘電体レンズ1
4Aの外部媒質の屈折率を1(空気や真空)とした場
合、√nの屈折率を有する誘電帯層を、1/4λg(λ
g:整合層誘電体内における使用する電波の波長)の厚
みで誘電体レンズ14Aの表面に設置する方法が挙げら
れる。
【0053】整合層のない誘電体レンズに電波が入射す
ると、誘電体レンズの表面で反射が起こる。反射した電
波は損失や不要な放射となり、アンテナ装置の性能を劣
化させる。この実施の形態4では、誘電体レンズ14A
の表面に整合層22を設けることにより誘電体レンズ1
4Cを構成して上記反射を軽減し、アンテナ装置の性能
劣化を軽減できる利点を有する。この実施の形態4は、
前記の実施の形態1から3に適用できる。
【0054】実施の形態5.この発明の実施の形態5に
係るレンズアンテナ装置について図面を参照しながら説
明する。図6は、この発明の実施の形態5に係るレンズ
アンテナ装置の誘電体レンズの構成を示す断面図であ
る。
【0055】図6において、23は誘電体レンズ14D
の掘り込みであり、24は掘り込み幅hである。なお、
同一または相当のものは同じ符号で示す。
【0056】図6のように誘電体レンズ14Dに掘り込
み23を設けることをゾーニングと言う。誘電体レンズ
14Dの屈折率をn、使用する電波の自由空間中の波長
をλ0とすると、掘り込み幅hは、h=λ0/(n−
1)で表される。ゾーニングを施しても、誘電体レンズ
14Dはゾーニングを施す前とほぼ同等の性能を有す
る。
【0057】図7は、ゾーニングを施した誘電体レンズ
14D(B)を平面から見た図である。前述したよう
に、誘電体レンズ14Dは、円形の誘電体レンズAから
楕円の誘電体レンズBを切り取ったものである。誘電体
レンズ14D上の掘り込み23の線形は、図7に示すよ
うに、誘電体レンズAの中心から同心円を描いたもので
ある。
【0058】この実施の形態5では、誘電体レンズ14
Dにゾーニングを施すことにより、レンズを薄くでき、
性能に影響を与えることなく重量を軽減できる利点を有
する。また、誘電体レンズ14Dの薄型化により誘電体
レンズの通過損失を低減できる利点を有する。この実施
の形態5は、前記の実施の形態1から3に適用できる。
【0059】実施の形態6.この発明の実施の形態6に
係るレンズアンテナ装置について図面を参照しながら説
明する。図8は、この発明の実施の形態6に係るレンズ
アンテナ装置の構成を示す断面図である。
【0060】図8において、11は天頂方向に向けたz
軸、12は極座標系(r,θ,φ)で定義したビームの
走査方向θ、13は極座標系(r,θ,φ)で定義した
ビームの走査方向φである。
【0061】また、同図において、14は断面が一方の
端よりも中心で厚い収束系レンズ(両側凸レンズ)を上
述したように切断した誘電体レンズ、15は素子アンテ
ナ、16は素子アンテナ15を配置している平面基板、
17は素子アンテナ15と平面基板16から成るf1付
近に共振周波数を有する平面アレーアンテナである。
【0062】さらに、18は誘電体レンズ14の光軸、
19は誘電体レンズ14の焦点F、25は楕円形状の周
波数選択鏡面(FSR:Frequency Selective Reflecto
r)、26はf2付近に共振周波数を有する円形の平面
アレーアンテナ(構成は平面アレーアンテナ17と同
じ)、30はレンズの端を通過する幾可光学的な光線で
ある。
【0063】誘電体レンズ14は、平面アレーアンテナ
17のz軸方向上面に配置する。そして、誘電体レンズ
14の光軸18は、所望の広角方向のビーム走査特性を
得られるように、z軸から所定の角度離角した方向に設
定する。また、誘電体レンズ14の光軸18はz軸を含
む平面内に含まれ、誘電体レンズ14は円筒波状の電波
を平面波状の電波に変換するレンズの断面をz軸の周り
に回転させて形成される回転対称な形状になっている。
z軸は平面基板16に垂直である。
【0064】機械的に回転させるのは誘電体レンズ14
部分のみで、平面アレーアンテナ17、平面アレーアン
テナ26、FSR25等はすべて固定である。FSR2
5はf1付近の周波数の電波は透過し、f2付近の周波
数の電波は反射させる性質を持つ。
【0065】次に、この実施の形態6の動作について説
明する。この実施の形態6の基本的動作は上記実施の形
態1と同様であるため、ここでは実施の形態1との相違
点について述べる。f1付近に共振周波数を有する平面
アレーアンテナ17から放射される電波はFSR25を
透過し、誘電体レンズ14を通過して光軸18方向にビ
ームを形成する。
【0066】一方、f2付近に共振周波数を有する平面
アレーアンテナ26から放射される電波はFSR25で
反射され、誘電体レンズ14を通過して光軸18方向に
ビームを形成する。あるいは、光軸18方向から到来す
るf2付近の周波数の電波がFSR25で反射されf2
付近に共振周波数を有する平面アレーアンテナ26で受
信する。
【0067】以上のように構成された実施の形態6に係
るレンズアンテナ装置では、FSR25を設けf1付近
の周波数の電波を透過、f2付近の周波数の電波を反射
することにより、異なる周波数帯において同時に送信、
受信、あるいは送受信することができる。この実施の形
態6は、前記の実施の形態1から3に適用できる。
【0068】実施の形態7.この発明の実施の形態7に
係るレンズアンテナ装置について図面を参照しながら説
明する。図9は、この発明の実施の形態7に係るレンズ
アンテナ装置の構成を示す断面図である。
【0069】図9において、11は天頂方向に向けたz
軸、12は極座標系(r,θ,φ)で定義したビームの
走査方向θ、13は極座標系(r,θ,φ)で定義した
ビームの走査方向φである。
【0070】また、同図において、14は断面が一方の
端よりも中心で厚い収束系レンズ(両側凸レンズ)を上
述したように切断した誘電体レンズ、15は素子アンテ
ナ、16は素子アンテナ15を配置している平面基板、
17は素子アンテナ15と平面基板16から成るf1付
近に共振周波数を有する平面アレーアンテナである。
【0071】さらに、同図において、18は誘電体レン
ズ14の光軸、19は誘電体レンズ14の焦点F、25
は楕円形状の周波数選択鏡面(FSR:Frequency Sele
ctive Reflector)、26はf2付近に共振周波数を有
する円形の平面アレーアンテナ(構成は平面アレーアン
テナ17と同じ)、27は楕円形状の反射板、30はレ
ンズの端を通過する幾可光学的な光線である。
【0072】誘電体レンズ14は、平面アレーアンテナ
17のz軸方向上面に配置する。そして、誘電体レンズ
14の光軸18は、所望の広角方向のビーム走査特性を
得られるように、z軸から所定の角度離角した方向に設
定する。また、誘電体レンズ14の光軸18はz軸を含
む平面内に含まれ、誘電体レンズ14は円筒波状の電波
を平面波状の電波に変換するレンズの断面をz軸の周り
に回転させて形成される回転対称な形状になっている。
z軸は平面基板16に垂直である。
【0073】機械的に回転させるのは誘電体レンズ14
部分のみで、平面アレーアンテナ17、平面アレーアン
テナ26、FSR25、反射板27等はすべて固定であ
る。FSR25はf1付近の周波数の電波は透過し、f
2付近の周波数の電波は反射させる性質を持つ。
【0074】次に、この実施の形態7の動作について説
明する。この実施の形態7の基本的動作は上記実施の形
態6と同様であるため、ここでは実施の形態6との相違
点について述べる。f2付近に共振周波数を有する平面
アレーアンテナ26をf1付近に共振周波数を有する平
面アレーアンテナ17と同一平面上に配置する。f2付
近に共振周波数を有する平面アレーアンテナ26から放
射される電波は反射板27で反射され、さらにFSR2
5で反射され、誘電体レンズ14を通過して光軸18方
向にビームを形成する。あるいは、光軸18方向から到
来するf2付近の周波数の電波がFSR25で反射さ
れ、さらに反射板27で反射され、f2付近に共振周波
数を有する平面アレーアンテナ26で受信する。
【0075】以上のように構成された実施の形態7に係
るレンズアンテナ装置では、FSR25を設けf1付近
の周波数の電波を透過、f2付近の周波数の電波を反射
することにより、異なる周波数帯において同時に送信、
受信、あるいは送受信することができる。さらに、反射
板27を設けることにより、f1付近に共振周波数を有
する平面アレーアンテナ17とf2付近に共振周波数を
有する平面アレーアンテナ26を同一平面状に配置する
ことができ製作が容易になる。この実施の形態7は、前
記の実施の形態1から3に適用できる。
【0076】
【発明の効果】この発明の請求項1に係るレンズアンテ
ナ装置は、以上説明したとおり、平面形状は楕円であっ
て、天頂方向に沿う軸から所定の角度傾けた広角方向を
光軸とし、前記楕円の長軸方向の断面は前記光軸側が厚
く光軸の反対側が薄い誘電体レンズと、前記誘電体レン
ズの焦点の内側で前記天頂方向に沿う軸に垂直に設置さ
れ、前記誘電体レンズの焦点から前記誘電体レンズを見
込む角度範囲内に配置され、前記誘電体レンズに給電す
る複数の放射素子から形成され、第1の周波数付近に共
振周波数を有する平面アレーアンテナと、前記誘電体レ
ンズを前記天頂方向に沿う軸の周りで回転させる回転機
構とを備えたので、放射素子数を低減することができ、
かつ、コストを低減することができるという効果を奏す
る。
【0077】この発明の請求項2に係るレンズアンテナ
装置は、以上説明したとおり、前記誘電体レンズを、上
面及び下面が凸レンズ形状としたので、誘電体レンズを
小型化することができ、平面アレーアンテナを小さくす
ることができるという効果を奏する。
【0078】この発明の請求項3に係るレンズアンテナ
装置は、以上説明したとおり、前記誘電体レンズを、上
面が平面形状で、下面が凸レンズ形状としたので、誘電
体レンズの厚さを薄くすることができ、軽量化すること
ができるという効果を奏する。
【0079】この発明の請求項4に係るレンズアンテナ
装置は、以上説明したとおり、前記誘電体レンズを、上
面が凸レンズ形状で、下面が凹レンズ形状としたので、
誘電体レンズの厚さを薄くでき、軽量化、さらには小型
化することができるという効果を奏する。
【0080】この発明の請求項5に係るレンズアンテナ
装置は、以上説明したとおり、前記誘電体レンズが、そ
の表面に整合層が設けられているので、反射を軽減し、
性能劣化を軽減できるという効果を奏する。
【0081】この発明の請求項6に係るレンズアンテナ
装置は、以上説明したとおり、前記誘電体レンズに、ゾ
ーニングが施されているので、誘電体レンズを薄くで
き、性能に影響を与えることなく重量を軽減できるとい
う効果を奏する。
【0082】この発明の請求項7に係るレンズアンテナ
装置は、以上説明したとおり、第2の周波数付近に共振
周波数を有する第2の平面アレーアンテナと、前記誘電
体レンズと前記平面アレーアンテナ及び前記第2の平面
アレーアンテナとの間に設けられ、前記第1の周波数の
電波を透過し、前記第2の周波数の電波を反射する周波
数選択鏡面とをさらに備えたので、異なる周波数帯にお
いて同時に送信、受信、あるいは送受信することができ
るという効果を奏する。
【0083】この発明の請求項8に係るレンズアンテナ
装置は、以上説明したとおり、前記第2の平面アレーア
ンテナと前記周波数選択鏡面との間に設けられた反射板
をさらに備え、前記平面アレーアンテナ及び前記第2の
平面アレーアンテナを同一平面に配置したので、異なる
周波数帯において同時に送信、受信、あるいは送受信す
ることができ、製作が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るレンズアンテ
ナ装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るレンズアンテ
ナ装置の誘電体レンズを切り取る方法を説明するための
図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係るレンズアンテ
ナ装置の構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係るレンズアンテ
ナ装置の構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態4に係るレンズアンテ
ナ装置の誘電体レンズの構成を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態5に係るレンズアンテ
ナ装置の誘電体レンズの構成を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態5に係るレンズアンテ
ナ装置の誘電体レンズ上の掘り込みの形状を示す平面図
である。
【図8】 この発明の実施の形態6に係るレンズアンテ
ナ装置の構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態7に係るレンズアンテ
ナ装置の構成を示す図である。
【図10】 従来のレンズアンテナ装置の構成を示す図
である。
【符号の説明】
14、14a、14b、14c、14d 誘電体レン
ズ、15 素子アンテナ、16 平面基板、17 平面
アレーアンテナ、21 回転機構、25 周波数選択鏡
面(FSR)、26 平面アレーアンテナ、27 反射
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 勇 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 浦崎 修治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J020 AA02 BB01 BB08 BC04 CA04 DA10 5J021 AA05 AA06 AA11 AB01 BA03 DA03 GA02 HA01 HA07 JA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面形状は楕円であって、天頂方向に沿
    う軸から所定の角度傾けた広角方向を光軸とし、前記楕
    円の長軸方向の断面は前記光軸側が厚く光軸の反対側が
    薄い誘電体レンズと、 前記誘電体レンズの焦点の内側で前記天頂方向に沿う軸
    に垂直に設置され、前記誘電体レンズの焦点から前記誘
    電体レンズを見込む角度範囲内に配置され、前記誘電体
    レンズに給電する複数の放射素子から形成され、第1の
    周波数付近に共振周波数を有する平面アレーアンテナ
    と、 前記誘電体レンズを前記天頂方向に沿う軸の周りで回転
    させる回転機構とを備えたことを特徴とするレンズアン
    テナ装置。
  2. 【請求項2】 前記誘電体レンズは、上面及び下面が凸
    レンズ形状であることを特徴とする請求項1記載のレン
    ズアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 前記誘電体レンズは、上面が平面形状
    で、下面が凸レンズ形状であることを特徴とする請求項
    1記載のレンズアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 前記誘電体レンズは、上面が凸レンズ形
    状で、下面が凹レンズ形状であることを特徴とする請求
    項1記載のレンズアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 前記誘電体レンズは、その表面に整合層
    が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項
    4までのいずれかに記載のレンズアンテナ装置。
  6. 【請求項6】 前記誘電体レンズは、ゾーニングが施さ
    れていることを特徴とする請求項1から請求項4までの
    いずれかに記載のレンズアンテナ装置。
  7. 【請求項7】 第2の周波数付近に共振周波数を有する
    第2の平面アレーアンテナと、 前記誘電体レンズと前記平面アレーアンテナ及び前記第
    2の平面アレーアンテナとの間に設けられ、前記第1の
    周波数の電波を透過し、前記第2の周波数の電波を反射
    する周波数選択鏡面とをさらに備えたことを特徴とする
    請求項1から請求項4までのいずれかに記載のレンズア
    ンテナ装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の平面アレーアンテナと前記周
    波数選択鏡面との間に設けられた反射板をさらに備え、 前記平面アレーアンテナ及び前記第2の平面アレーアン
    テナを同一平面に配置したことを特徴とする請求項7記
    載のレンズアンテナ装置。
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