JP2001126980A - 蓄積エネルギー計算方法、プログラム記憶媒体、近接効果計算方法、マスク又はレチクルパターンの設計方法、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

蓄積エネルギー計算方法、プログラム記憶媒体、近接効果計算方法、マスク又はレチクルパターンの設計方法、及び半導体デバイスの製造方法

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JP2001126980A
JP2001126980A JP31048099A JP31048099A JP2001126980A JP 2001126980 A JP2001126980 A JP 2001126980A JP 31048099 A JP31048099 A JP 31048099A JP 31048099 A JP31048099 A JP 31048099A JP 2001126980 A JP2001126980 A JP 2001126980A
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Koichi Kamijo
康一 上條
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    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン要素の数、複雑さの増加に対して、
従来法と同程度の計算精度を有して、しかも計算時間が
短い蓄積エネルギーを計算する方法を提供する。 【解決手段】 評価の対象となる領域を所定の規則に従
って分割し、分割された各小領域について、さらに分割
をすべきかどうかの判断を行い、分割すべきであると判
断された場合には、当該小領域について当該所定の規則
を適用してさらにその下のレベルの小領域に分割してい
くことにより、木構造のレベルを有する小領域群を作成
する。このとき、蓄積エネルギーを計算する点から遠い
領域においては、その中のパターンの分布位置の影響が
小さいので小領域の大きさを大きくし、蓄積エネルギー
を計算する点から近い領域においては、その中のパター
ンの分布位置の影響が大きいので小領域の大きさを小さ
くするようにする。そして、各領域のパターン要素から
蓄積エネルギーを計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マスク又はレチクルに
形成されたパターンをウェハ等の感応基板に露光転写す
る露光装置において、感応基板の所定部分における蓄積
エネルギーを計算する方法、そのプログラムを記憶した
記憶媒体、その方法を利用した近接効果の計算方法、こ
の近接効果の計算方法を利用したマスク又はレチクルパ
ターンの設計方法、及びこの設計方法により製造された
マスク又はレチクルを利用した半導体デバイスの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスを製造する工程において
は、マスク又はレチクルに形成されたパターンをウェハ
等の感応基板に転写してチップを形成する工程が含まれ
ている。この際、光、X線、荷電粒子線等のエネルギー
を感応基板上に形成されたレジストに照射し、レジスト
に蓄積されたエネルギーがある閾値を超えた部分のレジ
ストを現像により除去したり(ポジレジストの場合)、
残存させたり(ネガレジストの場合)する。よって、目
的とする形状のパターンを感応基板上に形成するために
は、感応基板の各部分に所定値以上のエネルギーが蓄積
されているかを計算し、所定値以上のエネルギーが蓄積
されている部分の形状が、目的とする形状となるよう
に、マスク又はレチクルの形状を決定する必要がある。
【0003】荷電粒子線等を用いてマスク又はレチクル
に形成されたパターンをウェハ等の感応基板に露光転写
する荷電粒子線露光装置においては、基板からの反射電
子によって、実際の露光量が近傍のパターン分布に従い
変化する近接効果が起きる。そのため、マスク又はレチ
クルに形成されたパターンの形状と、感応基板に形成さ
れるパターンの形状が大きく異なることになる。光を用
いた露光装置においては、これほどの形状の変化は起き
ないが、光の回折により、形成された感応基板面におけ
るパターンが誤差を含む現象が発生するので、マスク又
はレチクルに形成されたパターンの形状と、感応基板に
形成されるパターンの形状が異なることは避けられな
い。
【0004】これを解決する方法には、感応基板面上に
おける露光量(蓄積エネルギー)分布を望ましくなるよ
うに照射量を変化、調整させる方法や、マスク又はレチ
クルにおいて与えるパターンを太らせたり痩せさせたり
し、さらには変形させる方法がある。
【0005】以下、荷電粒子線露光装置において、近接
効果を考慮して目的の形状のパターンが感応基板上で得
られるように、マスクパターンを変形するための従来
の、蓄積エネルギーの計算方法を説明する。
【0006】図20はこの方法の第1の例を説明するた
めの図であり、(a)における101はマスク上に形成さ
れた、ウェハに転写すべき形状と同一形状のパターン要
素の一つを示す。簡単のために転写倍率は1とする。こ
のパターン要素101の輪郭を、(b)に示すようにN個
の線分S1〜SNに分割する。そして、この各線分を、線
分の方向と直角方向に微小量移動させることによりパタ
ーンを変形させる。
【0007】(c)は、線分移動後のパターン要素101
の一部を拡大したもので、線分S1、S2、SNの部分を
示す。102はウェハに転写されるべきパターンの輪郭
を示す線で、図においては、線分SNとS2がこの線に対
して内側に移動せられ(凹部となり)、線分S1が外側
に移動せられて(凸部となって)いることを示してい
る。A1、A2、ANは輪郭102上の点であり、移動前
のS1、S2、SNの転写点の中点に位置し、蓄積エネル
ギーの評価点である。
【0008】D1、D2、DNは各線分の移動量を示すベ
クトルである。このようにして、各線分S1〜SNに対し
て移動量ベクトルD1〜DNを仮定し、そのとき、これら
の移動による図形片の変化に伴って、各評価点A1〜AN
に発生する蓄積エネルギーの変化量を計算する。すなわ
ち、各評価点Ai(i=1〜N)に対して、それぞれの
線分Aj(j=1〜N)をDj(j=1〜N)だけ移動さ
せたことによる蓄積エネルギーの変化量を計算し、これ
を加算することにより、各評価点Ai(i=1〜N)が
受ける蓄積エネルギーの変化量を決定する。その上で、
各線分を移動させる前、すなわち(a)に示されるパター
ンにおける各評価点が受けるエネルギー量と加算するこ
とにより、各線分の変化によって生じた各評価点が受け
るエネルギー量を求める。
【0009】そして、Dj(j=1〜N)を変化させ、
このような計算をその都度行うことにより、各評価点A
i(i=1〜N)が受けるエネルギー量が等しくなるよ
うに、Dj(j=1〜N)を決定する。
【0010】なお、エネルギーの評価点は、この例にお
いては、移動前の各線分の中点に対応する感応基板上の
位置にとったが、特開平9−298156号公報に記載
されるように、各線分に対してある角度で交わる線に沿
って蓄積エネルギーの分布を評価してもよい。たとえ
ば、(c)における線103のように、S2に対して垂直
に交わる線に沿って蓄積エネルギーの分布を評価しても
よい。
【0011】図21は、従来の蓄積エネルギーの計算方
法の第2の例を示す図であり、代表図形法と呼ばれてい
るものである。これは、蓄積エネルギー量計算における
参照図形数を以下のようにして低減する方法である。
【0012】図21においても、簡単のために露光転写
比は1とし、(a)においてPは蓄積エネルギー量を計算
する点、Fはパターン要素、101は蓄積エネルギー量
計算のために参照する領域を示す。すなわち、点Fへの
蓄積エネルギーに影響を及ぼすのは領域101内にある
パターン要素のみであると仮定する。領域101を適切
なサイズの小領域102に分割する(図の場合は、縦横
各3分割し、全部で9個に分割する。実際には分割数は
これよりはるかに多い。)。
【0013】各小領域102について、小領域102内
のパターン要素の面積の総和と重心を計算する。そし
て、(b)に示すように、各小領域102に、求められた
小領域102内のパターン要素の面積の総和と重心が等
しい矩形F’(代表図形と呼称する)を、生成する。蓄積
エネルギー量計算の際に、小領域102内の複数のパタ
ーン要素Fに関して逐一積算を行う代わりに、代表図形
F’について計算を行う。従来、小領域102は参照領
域101を単純に等間隔に分割することにより設定され
ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
述べた第1の方法においては、分割する線分がN個ある
と、計算をN2回について行わなければならず、Nが大
きくなるに従って計算回数が爆発的に増加し、計算時間
が長くなるという問題点がある。
【0015】これに対し、上記に述べた第2の方法であ
る代表図形法においては、小領域102のサイズが大き
くなると、より多くのパターン要素を1つの代表図形に
代替させることができ、計算速度は向上する。しかし、
小領域102の内部におけるパターン要素の分布情報が
切り捨てられるため、蓄積エネルギー計算値の精度は代
表図形法を使用しない場合と比べて悪化する。逆に、小
領域102のサイズを小さくとると、エネルギー計算値
の精度は向上するが、元のパターン要素の数と、代表図
形の数に差がなくなり、計算速度が向上する効果が失わ
れる。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、パターン要素の数、複雑さの増加に対して、従
来法と同程度の計算精度を有して、しかも計算時間が短
い蓄積エネルギーを計算する方法、そのプログラムを記
憶した記憶媒体、その方法を利用した近接効果の計算方
法、この近接効果の計算方法を利用したマスク又はレチ
クルパターンの設計方法、及びこの設計方法により製造
されたマスク又はレチクルを利用した半導体デバイスの
製造方法を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、マスク又はレチクルに形成されたパタ
ーンをウェハ等の感応基板に形成する露光装置におい
て、感応基板面における蓄積エネルギー量を計算する方
法であって、以下の工程を有してなることを特徴とする
蓄積エネルギーの計算方法(請求項1)である。 (a) 初期蓄積エネルギーを0とし、蓄積エネルギー量を
計算するために参照するパターン要素が存在する領域
を、木構造状に小領域に分割して行く過程において、
(b) 当該小領域のサイズが、蓄積エネルギー量を積算す
る点と当該小領域との距離に対して所定値α未満の場合
には、当該小領域に含まれるパターンを1個から数個の
単純な形状を有する代表図形に変換し、代表図形を用い
て当該小領域からの蓄積エネルギーへの寄与を計算して
蓄積エネルギーに加算して、当該小領域についてはそれ
以上の分割操作をやめ、(c) 当該小領域に含まれるパタ
ーン要素が所定数m以下である場合には、当該パターン
要素を代表図形として、代表図形を用いて当該小領域か
らの蓄積エネルギーへの寄与を計算して蓄積エネルギー
に加算して、当該小領域についてはそれ以上の分割操作
をやめ、(d) (b)、(c)以外の場合には、当該小領域につ
いて木構造状の小領域に分割する操作を続行し、(e) 蓄
積エネルギー量を計算するために参照するパターン要素
が存在する領域が全て木構造に分割された時点における
蓄積エネルギー量を、求める蓄積エネルギー量とする。
ただし、上記(b)と(c)の工程は、どちらを先に行っても
よい。
【0018】本手段の基本的な考え方は、代表図形法に
類似しているが、代表図形法においては、蓄積エネルギ
ーを計算するために参照する領域を等しい大きさの小領
域に分割していたのに対し、本手段においては、蓄積エ
ネルギーを計算する点から遠い領域においては、その中
のパターンの分布位置の影響が小さいので小領域の大き
さを大きくし、蓄積エネルギーを計算する点から近い領
域においては、その中のパターンの分布位置の影響が大
きいので小領域の大きさを小さくするようにしており、
そのための手法として木構造の分割方法を利用してい
る。
【0019】すなわち、評価の対象となる領域を所定の
規則に従って分割し、分割された各小領域について、さ
らに分割をすべきかどうかの判断を行い、分割すべきで
あると判断された場合には、当該小領域について当該所
定の規則を適用してさらにその下のレベルの小領域に分
割していくことにより、木構造のレベルを有する小領域
群を作成する。
【0020】このとき、さらなる分割を進めるかどうか
の判断の基準として、第1に当該小領域のサイズと、蓄
積エネルギー量を積算する点と当該小領域との距離との
比を用いる。当該少量域のサイズとしては、当該小領域
の面積、当該小領域が正方形等の正多角形である場合に
は一辺の長さ、長方形である場合には周囲の長さ等、当
該小領域を代表する指標を選定して用いることができ、
蓄積エネルギー量を積算する点と当該小領域との距離と
しては、当該点と当該小領域の中心との距離、当該点と
当該小領域の最短距離等、距離を代表する指標を選定し
て使用することができる。このことは、本明細書におけ
る請求項1から請求項5、課題を解決するための手段の
うち第1の手段から第5の手段について共通である。
【0021】当該小領域のサイズと、蓄積エネルギー量
を積算する点と当該小領域との距離との比が所定値αよ
り小さい場合は、当該小領域に含まれるパターンを1個
から数個の単純な形状を有する代表図形に変換し、各小
領域からの蓄積エネルギーエネルギーの寄与を蓄積エネ
ルギーに加算して、それ以上の領域の分割をやめる。
【0022】当該小領域のサイズと、蓄積エネルギー量
を積算する点と当該小領域との距離との比が所定値αよ
り大きい場合は、当該小領域に含まれるパターン要素が
所定数m以下である場合には、当該パターン要素を代表
図形として、代表図形を用いて当該小領域からの蓄積エ
ネルギーへの寄与を計算して蓄積エネルギーに加算し
て、当該小領域についてはそれ以上の分割操作をやめ
る。パターン要素が所定数m個以上ある場合には、その
領域をさらに木構造の小領域に分割する。
【0023】なお、所定数mの値としては、1を使用す
るのがもっとも簡単であり、どのようなパターンの配置
や大きさに対しても対応できる。よって、mを1にする
ことが、計算精度の確保の面から好ましい。このこと
は、請求項1から請求項5、課題を解決するための手段
のうち第1の手段から第5の手段について共通する事項
である。
【0024】当該小領域に含まれるパターンを1個から
数個の単純な形状を有する代表図形に変換する方法とし
ては、1個の代表図形に変換する方法が最も簡単であ
り、その手法としては、例えば、「High-Speed Convolu
tion System for Real-Time Proximity Effect Correct
ion」(Japanese Journal of Applied Physics Vol.37
(1998) pp.6779-6784)に記載される方法や後述するよう
ないろいろな方法が考えられる。複数の代表図形に変換
する方法としては、当該小領域を当該複数の単位領域に
分割し、各単位領域に前述の方法により一つずつ代表図
形を形成する方法が最も簡単である。このことも、本明
細書における各請求項、各課題を解決するための手段に
ついて共通である。
【0025】なお、分割を実行するかの判断において、
小領域のサイズが、蓄積エネルギー量を計算する点と、
当該小領域との距離に対して所定値α未満であるかどう
かの判断と、小領域に含まれるパターン要素の数が所定
値m以下であるかの判断は、どちらを先に行っても同じ
結果が得られることは説明を要しないであろう。このこ
とは、請求項1から請求項5、発明を解決する手段のう
ち第1の手段から第5の手段に共通である。
【0026】本手段においては、分割作業と蓄積エネル
ギーの計算を同時に行い、分割作業が終了した小領域に
ついて、代表図形を用いて当該小領域からの蓄積エネル
ギーへの寄与を計算して蓄積エネルギーに加算するよう
にしている。代表図形を用いて蓄積エネルギーの寄与を
計算する手法については、前記代表図形法として公知な
ものであり、たとえば、特開平9−289164号公報
に記載されているので、その説明を省略する。
【0027】前記課題を解決するための第2の手段は、
マスク又はレチクルに形成されたパターンをウェハ等の
感応基板に形成する露光装置において、感応基板面にお
ける蓄積エネルギー量を計算する方法であって、以下の
工程を有してなることを特徴とする蓄積エネルギーの計
算方法(請求項2)である。 (a) 蓄積エネルギー量を計算するために参照するパター
ン要素が存在する領域を、当該小領域に含まれるパター
ン要素が所定数m以下となるまで、木構造状に小領域に
分割して行き、第1階層から第n階層までの小領域の木
構造を作り、初期蓄積エネルギーを0とし、(b) 第i階
層の小領域について、当該小領域のサイズが、蓄積エネ
ルギー量を積算する点と当該小領域との距離に対して所
定値α未満の場合には、当該小領域に含まれるパターン
を1個から数個の単純な形状を有する代表図形に変換
し、代表図形を用いて当該小領域からの蓄積エネルギー
への寄与を計算して蓄積エネルギーに加算し、当該小領
域に含まれるそれ以下の階層については、蓄積エネルギ
ーへの寄与の計算を行わず、(c) 当該小領域に含まれる
パターン要素が所定数m以下である場合には、当該パタ
ーン要素を代表図形とし、代表図形を用いて当該小領域
からの蓄積エネルギーへの寄与を計算して蓄積エネルギ
ーに加算し、当該小領域に含まれるそれ以下の階層につ
いては、蓄積エネルギーへの寄与の計算を行わず、(d)
(b)、(c)以外の場合には、蓄積エネルギーへの寄与の計
算を保留し、それ以下の階層において蓄積エネルギーへ
の寄与の計算を行うこととし、(e) (b)、(c)、(d)の工
程を第1階層から第n階層まで順に行った後に求まった
蓄積エネルギー量を、求める蓄積エネルギー量とする。
ただし、前記(b)と(c)の工程は、どちらを先に行っても
よい。
【0028】前記第1の手段においては、領域の分割と
蓄積エネルギーの計算を同時に行い、この作業を逐次行
っていたが、本手段においては、各小領域に含まれるパ
ターン要素が所定数m以下となるまで、木構造状に小領
域に分割する作業を先に行ってしまう。その後に、木構
造に形成された小領域のどのレベルの少領域を使用して
代表図形を作成し、蓄積エネルギーへの寄与の計算と積
算を行うかを、前記第1の手段と同様に行い、最終的な
蓄積エネルギーを計算する。よって、作用効果は、前記
第1の手段とほとんど同じである。
【0029】前記課題を解決するための第3の手段は、
マスク又はレチクルに形成されたパターンをウェハ等の
感応基板に形成する露光装置において、感応基板面にお
ける蓄積エネルギー量を計算する方法であって、以下の
工程を有してなることを特徴とする蓄積エネルギーの計
算方法(請求項3)である。 (a) 蓄積エネルギー量を計算するために参照するパター
ン要素が存在する領域を、木構造状に小領域に分割して
行く過程において、(b) 小領域のサイズが、蓄積エネル
ギー量を積算する点と当該小領域との距離に対して所定
値α未満の場合には、当該小領域に含まれるパターンを
1個から数個の単純な形状を有する代表図形に変換し、
当該小領域についてはそれ以上の分割を行わず、(c) 当
該小領域に含まれるパターン要素が所定数m以下である
場合には、当該パターン要素を代表図形とし、当該小領
域についてはそれ以上の分割を行わず、(c) (b)、(c)以
外の場合には、当該小領域について木構造状の小領域に
分割する操作を続行し、(d) 全ての木構造が完成した後
に、各代表図形からの蓄積エネルギーへの寄与を加え合
わせることにより蓄積エネルギー量を求める。ただし、
(b)と(c)の工程は、どちらを先に行ってもよい。
【0030】前記第1の手段においては、領域の分割と
蓄積エネルギーの分割を同時に行い、この作業を逐次行
っていたが、本手段においては領域の分割と代表図形の
形成のみを先に行い、形成された代表図形からの蓄積エ
ネルギーへの寄与を加え合わせることにより蓄積エネル
ギー量を求めるようにしている。よって、本手段は、前
記第1の手段と等価であり、同一の作用効果を有する。
【0031】前記課題を解決するための第4の手段は、
マスク又はレチクルに形成されたパターンをウェハ等の
感応基板に形成する露光装置において、感応基板面にお
ける蓄積エネルギー量を計算する方法であって、以下の
工程を有してなることを特徴とする蓄積エネルギーの計
算方法(請求項4)である。 (a) 蓄積エネルギー量を計算するために参照するパター
ン要素が存在する領域を、当該小領域に含まれるパター
ン要素が所定数m以下となるまで、木構造状に小領域に
分割して行き、第1階層から第n階層までの小領域の木
構造を作り、(b) 第i階層の小領域について、当該小領
域のサイズが、蓄積エネルギー量を積算する点と当該小
領域との距離に対して所定値α未満の場合には、当該小
領域に含まれるパターンを1個から数個の単純な形状を
有する代表図形に変換し、当該小領域に含まれる下レベ
ルの小領域については代表図形を作成せず、(c) 当該小
領域に含まれるパターン要素が所定数m以下である場合
には、当該パターン要素を代表図形とし、当該小領域に
含まれる下レベルの小領域については代表図形を作成せ
ず、(d) (b)、(c)以外の場合は、当該小領域について
は、それより1段下のレベルにおいて代表図形の作成を
行うようにし、(e) (b)、(c)、(e)の工程を第1階層か
ら第n階層まで順に行った後に、各代表図形からの蓄積
エネルギーへの寄与を加え合わせることにより蓄積エネ
ルギー量を求める。
【0032】前記各手段においては、代表図形の形成と
蓄積エネルギーの寄与の計算、蓄積エネルギーの積算を
同時に行っていたが、本手段においては代表図形の形成
のみを先に行い、これが終わった後で、各代表図形から
の蓄積エネルギーへの寄与を加え合わせることにより蓄
積エネルギー量を計算している。よって、本手段は前記
各手段と等価であり、同一の作用効果を有する。
【0033】前記課題を解決するための第5の手段は、
マスク又はレチクルに形成されたパターンをウェハ等の
感応基板に露光転写する露光装置において、感応基板面
における蓄積エネルギー量を計算する方法であって、以
下の工程を有してなることを特徴とする蓄積エネルギー
の計算方法(請求項5)である。 (a) 蓄積エネルギー量を計算するために参照するパター
ン要素が存在する領域を、当該小領域に含まれるパター
ン要素が所定数m以下となるまで、木構造状に小領域に
分割して行き、第1階層から第n階層までの小領域の木
構造を作ると共に、(b) 木構造に構成された各小領域に
ついて、当該小領域に含まれるパターン要素が所定数m
以下である場合には、当該パターン要素を代表図形と
し、当該小領域に含まれるパターン要素が所定数mを超
える場合には、当該小領域に含まれるパターンを1個か
ら数個の単純な形状を有する代表図形に変換し、その
後、(c) 当該小領域のサイズが、蓄積エネルギー量を積
算する点と当該小領域との距離に対して所定値α未満の
場合には、代表図形からの蓄積エネルギーへの寄与を蓄
積エネルギーに加算し、当該小領域に含まれるそれ以下
の階層については、蓄積エネルギーへの加算を行わず、
(d) 当該小領域に含まれるパターン要素が所定数m以下
の場合には、代表図形からの蓄積エネルギーへの寄与を
蓄積エネルギーに加算し、当該小領域に含まれるそれ以
下の階層については、蓄積エネルギーへの加算を行わ
ず、(e) (c)、(d)以外のときは当該小領域については、
蓄積エネルギーへの寄与の蓄積エネルギーへの積算を保
留し、それ以下の階層において蓄積エネルギーへの寄与
の蓄積エネルギーへの寄与の計算を行うこととし、(f)
(c)、(d)、(e)の工程を第1階層から第n階層まで順に
行った後に求まった蓄積エネルギー量を、求める蓄積エ
ネルギー量とする。ただし、前記(c)と(d)の工程は、ど
ちらを先に行ってもよい。
【0034】本手段においては、前記第4の手段と同じ
ように、小領域に含まれるパターン要素が所定数m以下
となるまで、木構造状に小領域に分割する作業を先に行
ってしまうが、その際、全ての木構造の小領域につい
て、代表図形の形成を行ってしまう。よって、前記第3
の手段、第4の手段においては代表図形の形成を行う必
要のなかった下位のレベルの小領域についてもこれらを
行っているので、その点については、計算時間が余分に
かかることになる。
【0035】しかし、蓄積エネルギーを計算する点が複
数ある場合には、前記第3の手段と第4の手段において
は、当該点の位置に応じて、用いられる小領域のレベル
が同じだったり異なったりするので、同じ小領域が共通
して用いられる場合には、同じ計算を必要回数行わなけ
ればならない。これに対して、本手段の場合には、あら
ゆるレベルにおける小領域での代表図形の形成があらか
じめ行われているので、蓄積エネルギーを計算する点が
複数ある場合でも、分割が打ち切られた小領域に対応す
る、あらかじめ計算された代表図形を取り出して、その
蓄積エネルギーへの寄与を蓄積エネルギーに加算すれば
よいので、この点では、前記第3の手段、第4の手段に
比して計算が省略されて計算時間が短くなる。よって、
前記第3の手段、第4の手段を採用するか本手段を採用
するかは、事案に応じて、計算時間が短くなると推定さ
れる方を採用するように決定すればよい。
【0036】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかにおいて、小
領域に含まれるパターン要素が1以下である場合には、
当該パターン要素を代表図形とする代わりに、当該パタ
ーンを単純な形状を有する代表図形に変換することを特
徴とするもの(請求項6)である。
【0037】前記第1の手段から第5の手段において
は、小領域に含まれるパターン要素が所定数m以下であ
る場合には、当該パターン要素を代表図形としていた
が、本手段においては、この場合においても当該パター
ン要素を単純な形状を有する代表図形に変換して計算に
使用している。よって、蓄積エネルギーへの寄与の計算
が簡単になる。
【0038】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第1の手段から第6の手段のいずれかであって、あ
らかじめパターン要素を大きくて単純な形状を有するコ
アの部分と、それ以外の微小部分(負の形状を有する部
分を含む)の組み合わせに分割し、コア部分については
別に蓄積エネルギーの計算を行い、微小部分について
は、請求項1から請求項22に記載の蓄積エネルギーの
計算方法を実施し、両者の蓄積エネルギーを加算するこ
とにより蓄積エネルギーを求めることを特徴とするもの
(請求項7)である。
【0039】蓄積エネルギー量を計算するために参照す
るパターン要素が存在する領域中には、非常に大きなパ
ターン要素で周囲が複雑な形状をしたものが含まれる場
合がある。このような場合に木構造の分割を行うと、こ
のパターン要素1つのみを含む非常に大きな小領域がで
きてしまい、それ以上の分割が行われなくなってしまう
ことがある。このようなことが起こると、当該小領域に
おける複雑な形状の部分の影響が蓄積エネルギーに反映
されなくなってしまうことがある。これは、特に前記第
6の手段において発生しやすい。その他の場合において
は、小領域に含まれるパターン要素が一つの場合にはそ
のパターン要素の形状や位置を考慮して蓄積エネルギー
への寄与を計算しているのでこのような問題は発生しな
いが、逆に、複雑な形状のパターンの蓄積エネルギーへ
の寄与を計算せざるを得ず、この計算に時間がかかって
しまって、木構造に分割して計算を行うメリットが失わ
れてしまうという問題点がある。
【0040】本手段は、このような問題点を避けるため
に考え出されたもので、非常に大きなパターン要素で周
囲が複雑な形状をしたものについては、これを大きくて
単純な形状(例えば単数又は複数の矩形)を有するコア
の部分と、それ以外の微小部分が組み合わさった図形と
して、2種類の部分に分割する。この際、もとのパター
ンに含まれずにコアの部分に含まれる部分も発生するの
で、この部分は負の形状を有する微小部分、すなわち、
面積を計算する上では負の面積を持ち、蓄積エネルギー
への寄与を計算する上では負のエネルギー寄与を有する
部分として取り扱う。
【0041】その上で、コア部分については、単純な図
形なので、分割によらない公知の手法を用いて蓄積エネ
ルギーへの寄与の計算を行い、残りの微小部分について
前記第1の手段から第22の手段のいずれかを用いて蓄
積エネルギーの寄与の計算を行って、両者を加え合わせ
たものを蓄積エネルギーとする。これにより、前述のよ
うに、大きな小領域が分割されずに残ってしまうという
問題点が解決される。
【0042】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第1の手段から第7の手段のうち、いずれか一つの
方法を実現するための計算プログラムを記憶した記憶媒
体(請求項8)である。
【0043】本手段には、前記第1の手段から第7の手
段のうち、いずれか一つの方法を実現するための計算プ
ログラムを記憶してあるので、これらの手段のうちいず
れか一つを、計算機を用いて実施することができる。な
お、いずれか一つとは、いずれか一つの方法を実現する
ための計算プログラムを2つ以上記憶しているものを含
むことはいうまでもない。
【0044】前記課題を解決するための第9の手段は、
荷電粒子線を利用して、マスク又はレチクルに形成され
たパターンをウェハ等の感応基板に露光転写する荷電粒
子線露光装置において、感応基板上における近接効果
を、請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の
蓄積エネルギーの計算方法を使用して求めることを特徴
とする近接効果計算方法(請求項9)である。
【0045】前述のように荷電粒子線露光装置において
は、近接効果の影響が大きいので、ウェハ上に形成され
るべきパターンの形状と、マスク又はレチクルに形成さ
れるパターンの形状を大きく変える必要がある。よっ
て、近接効果の計算は必須の事項であり、この近接効果
の計算に前記第1の手段から第7の手段のいずれかを使
用すると、計算精度を落とさず、迅速に近接効果を計算
することができる。
【0046】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第9の手段を使用して、マスク又はレチクルの
パターン形状を変化させたときの近接効果を計算し、近
接効果を考慮したとき、目的のパターン形状が感応基板
に形成されるようなマスク又はレチクルのパターン形状
を選定することを特徴とするマスク又はレチクルパター
ンの設計方法(請求項10)である。
【0047】前記第9の手段においては、計算精度を落
とさず、迅速に近接効果を計算することができるので、
これを使用して近接効果を考慮したとき、目的のパター
ン形状が感応基板に形成されるようなマスク又はレチク
ルのパターン形状を選定することにより、マスク又はレ
チクルのパターンを、正確かつ迅速に設計することがで
きる。
【0048】前記課題を解決するための第11の手段
は、前記第10の手段を使用してマスク又はレチクルを
設計し、そのマスク又はレチクルを使用して露光転写を
行いウェハーを形成する工程を有してなることを特徴と
する半導体デバイスの製造方法(請求項11)である。
【0049】本手段においては、マスク又はレチクルの
パターンを、正確かつ迅速に設計することができるの
で、微細なパターンを有する半導体デバイスを、歩留よ
く、かつ迅速に製造することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明のうち蓄積エネルギ
ーの計算方法の例を説明するが、それに先立ち、これら
の蓄積エネルギーの計算方法で用いている領域の機構造
分割について説明する。図1は、蓄積エネルギー量を計
算するために参照するパターン要素が存在する領域を模
式的に表したもので、その領域を縦8分割、横8分割し
て全部で64個の小領域に分割してある。各領域内の数
字は領域番号で、括弧内の数字はその領域に含まれるパ
ターン要素の数を示す。
【0051】この例では、木構造への分割を行う際に、
1領域を縦2分割、横2分割に等分割し、元の領域と相
似な4個の小領域に分割するようにしているが、縦3分
割、横3分割に等分割し、元の領域と相似な9個の小領
域に分割するようにしてもよい。同様に16分割、25
分割を行うことも考えられるが、領域が急激に小さくな
りすぎるので、あまり実用的ではない。また、縦の分割
数と横の分割数は必ずしも同じにする必要はなく、例え
ば、縦に長いパターン要素が多いこと、横に長いパター
ン要素が多いことがあらかじめ分かっているような場合
には、それに応じて縦横の分割数を変えた方が良好な結
果が得られる場合がある。
【0052】図1において、領域内に含まれるパターン
要素の数が1以下(すなわち1又は0)となるまで分割
を行うとすると、まず、全領域(これをレベル1とす
る)に含まれるパターン要素の数は明らかに1より多い
ので、全体を4分割する。すると、1〜16、17〜3
2、33〜48、49〜64の領域からなる4つの小領
域が生まれる。これをレベル2とする。これらの小領域
に含まれるパターン要素の数は、いずれも1より多いの
で、各小領域をさらに4分割する。これをレベル3とす
る。
【0053】レベル3においては、9〜12からなる小
領域と、37〜40からなる小領域に含まれるパターン
要素の数は0であり、25〜28からなる小領域、41
〜44からなる小領域、49〜52からなる小領域にお
いてはパターン要素の数が1であるので、それ以上の分
割は行わないようにし、それ以外の小領域についてはさ
らに4分割する。これをレベル4とする。レベル4にお
いては、全ての小領域に含まれるパターン要素の数が1
か0となるので、ここで分割が打ち切られる。
【0054】このような木構造分割により、図2に示す
ような領域の木構造が作成できる。図2において、数字
は内はその領域に含まれる領域の番号、()内の数字は
その領域に含まれるパターン要素の数である。図2にお
いて、その領域内に含まれるパターン要素の数が0の領
域は、計算に関係無いので、省略して記載している。
【0055】次に、図1に示す例において、領域内に含
まれるパターン要素の数が2以下となるまで分割を行う
例を示す。まず、全領域(これをレベル1とする)に含
まれるパターン要素の数は明らかに2より多いので、全
体を4分割する。すると、1〜16、17〜32、33
〜48、49〜64の領域からなる4つの小領域が生ま
れる。これをレベル2とする。これらの小領域に含まれ
るパターン要素の数は、いずれも2より多いので、各小
領域をさらに4分割する。これをレベル3とする。
【0056】レベル3においては、9〜12からなる小
領域と、37〜40からなる小領域に含まれるパターン
要素の数は0であり、25〜28からなる小領域、41
〜44からなる小領域、49〜52からなる小領域にお
いてはパターン要素の数が1であり、5〜8からなる領
域、17〜20からなる領域、53から56からなる領
域についてはパターン要素の数が2であるので、それ以
上の分割は行わないようにし、それ以外の小領域につい
てはさらに4分割する。これをレベル4とする。レベル
4においては、全ての小領域に含まれるパターン要素の
数が1か0となるので、ここで分割が打ち切られる。
【0057】このような木構造分割により、図3に示す
ような領域の木構造が作成できる。図3において、数字
は内はその領域に含まれる領域の番号、()内の数字は
その領域に含まれるパターン要素の数である。図3にお
いて、その領域内に含まれるパターン要素の数が0の領
域は、計算に関係無いので、省略して記載している。
【0058】このような分割方法を前提とした上で、本
発明の第1の実施の形態について、図4、図5を参照し
て説明する。図4は、蓄積エネルギー量を計算するため
に参照するパターン要素が存在する領域の例を示す図で
あり、10は蓄積エネルギー量の積算を行う点、11は
蓄積エネルギー量を計算するために参照するパターン要
素が存在する領域(第1レベル)、12〜15は、その
領域を4分割した第2レベルの小領域、16〜19は、
第2レベルの小領域を4分割した第3レベルの小領域で
ある。F1〜F4はパターン要素である。
【0059】図5は第1の実施の形態の計算手順を示す
フローチャートである。この実施の形態では、分割は縦
横に2分割、すなわち4分割することとし、小領域内に
含まれるパターン要素の数が1以下となった場合に、そ
こで分割を打ち切るようになっている。それに加え、当
該小領域の中心と蓄積エネルギー量の積算を行う点との
距離Dと、小領域(正方形とする)の一辺の長さLとの
比L/Dが閾値θを超えたときは、当該小領域中に存在
するパターン要素の数に関わらず、そこで分割を打ち切
り、当該小領域中に存在するパターン要素を一つにまと
めて代表図形を形成することにしている。
【0060】代表図形は、その小領域中に存在するパタ
ーン要素の重心位置に存在する、小領域中に存在するパ
ターン要素の面積分の重さ(蓄積エネルギーの寄与に与
える係数)を持った点としているが、代表図形として
は、前記第8の手段から第17の手段に示したようない
ろいろな形式のものを採用することができる。また、代
表図形は必ずしも1つとする必要は無く、当該小領域を
何等分かして、各領域ごとに作成するようにしてもよ
い。
【0061】図5においては、まず、ステップS01に
おいて、領域の及ぼす蓄積エネルギーを0として初期化
する。以下、図4に示す例にこのフローを当てはめたと
して説明する。まず、ステップS02において、領域1
1の1辺の長さLを求め、ステップS03において領域
11の中心と蓄積エネルギー量の積算を行う点10との
距離Dを求める。そして、ステップS04においてD/
Lが閾値θを超えているかどうかを判断する(なお、θ
は、請求項に記載されるαの逆数である)。
【0062】この段階においては、D/Lが閾値θを超
えていないので、ステップS07に移行して、領域中の
パターン要素の数が0かどうかを判断する。領域11に
おいてはパターン要素の数は0でないので、ステップS
08に移り、領域中のパターン要素の数が1かどうかを
判断する。領域11においてはパターン要素の数は1で
ないので、ステップS10に移行して、領域11を分割
して4つの子領域12〜15を作る。そして、ステップ
S11において、子領域番号を示す数kを初期値1とし
て、ステップS12に移行する。ステップS12は、図
5に示すフローと同じものである。すなわち、ステップ
S12においては、与えられた子領域について、S01
からの計算を実行する。
【0063】そして、ステップS13においてkに1を
加算し、ステップS14でこれが4以下の場合はステッ
プS12に戻って次の領域の計算を行う。4を超えてい
る場合は、全ての子領域についての計算が終了している
ので、その領域の処理を完了する。
【0064】図4における例の場合は、k=1のとき、
子領域12(第2レベル)においては、D/Lの値が閾
値θを超えているので、ステップS05、S06側のフ
ローに移行し、パターン要素F1、F2から一つの代表
図形を作って、それからの蓄積エネルギーへの寄与を算
出し、蓄積エネルギーに加算する。そしてステップS1
5でEの値を返すが、これは、k=1について、上のレ
ベルのステップS12を終了することを意味し、ステッ
プS13に移ってkの値を2とし、再びステップS12
を子領域13について実行する。すなわち、子領域13
について、ステップS01からのフローを実行する。
【0065】k=2のときも、子領域13(第2レベ
ル)においては、D/Lの値が閾値θを超えているの
で、ステップS05、S06側のフローに移行するが、
パターン要素が存在しないので、エネルギーの計算と蓄
積は行われない。
【0066】k=3のとき、子領域14(第2レベル)
においては、D/Lの値が閾値θ以下となる。よって、
ステップS07に移行するが、子領域14中のパターン
要素の数が0なので、何もしないでステップS15にス
キップする。
【0067】k=4のとき、子領域14(第2レベル)
においては、D/Lの値が閾値θ以下となる。よって、
ステップS07に移行するが、子領域14中のパターン
要素の数が0でないので、ステップS08に移行する。
そして、子領域14中のパターン要素の数が1でないの
で、ステップS10で子領域15を分割して4つの孫領
域(第3レベル)16〜18に分割して、これらの4つ
の孫領域について、k=1から4までについて、S01
からのフローを実行する。
【0068】この場合には、k=1〜4について、いず
れもD/L≦θであるので、ステップS07まで達する
が、k=1のとき(領域16)とk=4(領域19)で
は、領域中のパターン数が1であるので、ステップS0
9に移行し、当該パターン要素からの蓄積エネルギーの
寄与を蓄積エネルギーに加算する。このとき、周知の方
法により、当該パターンの形状に忠実に蓄積エネルギー
への寄与を算出してもよいし、前述のように、図5に破
線の矢印で示すごとく、ステップS05に移行し、当該
パターン要素を代表図形に変換してから、その代表図形
の蓄積エネルギーの寄与を算出するようにしてもよい。
【0069】k=2(領域17)とk=3(領域18)
では、領域中のパターン要素の数が0であるので、ステ
ップS07からステップS15にスキップして何も行わ
れない。
【0070】以上のフローをまとめると、まず領域11
が4つの子領域12〜15に4分割され、子領域12か
らの蓄積エネルギーの寄与がステップS05、S06で
計算されて蓄積エネルギーに加算される。子領域13、
子領域14には、パターン要素がないので、これらの領
域からのエネルギーの加算は行われない。子領域15
は、さらに4つの孫領域16〜19に分けられ、孫領域
16と孫領域19からの蓄積エネルギーの寄与がステッ
プS09で計算されて蓄積エネルギーに加算される。孫
領域17と孫領域18には、パターン要素が存在しない
ので、これらの領域からの蓄積エネルギーへの加算は行
われない。
【0071】図6は第2の実施の形態の計算手順を示す
フローチャートである。この処理方法も、基本的な考え
方は図5に示した処理方法と同じであり、作用効果も等
価である。主な違いは、図5に示す処理では、D/L≦
θの判定を、領域中のパターン数が1以下であるかの判
定の前に行っていたのに対し、図6に示す処理では、こ
の順序を逆にしていることである。よって、両者は等価
の作用効果を有する。
【0072】図6に示すフローにおいては、ステップS
21で、領域の及ぼす蓄積エネルギーを0として初期化
する。そして、ステップS22において、領域の1辺の
長さLを求め、ステップS23において領域の中心と蓄
積エネルギー量の積算を行う点10との距離Dを求め
る。これらの処理は、後に述べるステップS25の処理
とステップS27の処理の間で行うようにしてもよい。
【0073】次にステップS24で、領域中のパターン
要素の数が0かどうかを判定し、0であるときは、何も
しないでステップS35に移行し、その領域についての
処理を終了する。0でないときは、ステップS25に移
って、領域中のパターン数が1であるかどうかを判定
し、1であるときは、ステップS26に移り、当該パタ
ーン要素からの蓄積エネルギーの寄与を蓄積エネルギー
に加算する。このとき、周知の方法により、当該パター
ンの形状に忠実に蓄積エネルギーへの寄与を算出するこ
とができる。図6に破線の矢印でしめすごとく、後に述
べるステップS28に移行し、当該パターン要素を代表
図形に変換してから、その代表図形の蓄積エネルギーの
寄与を算出するようにしてもよい。
【0074】領域中のパターン要素の数が2以上である
場合には、ステップS27に移行し、D/Lの値が閾値
θ以下であるかどうかを判断する。D/L>θの場合
は、ステップS28、ステップS29に移行し、パター
ン要素から一つの代表図形を作って、それからの蓄積エ
ネルギーへの寄与を算出し、蓄積エネルギーに加算す
る。そしてステップS35でEの値を返すが、これは当
該領域における処理を完了したことを意味する。
【0075】D/L≦θの場合は、ステップS30に移
行し、領域を合同な図形に分割して4つの子領域を作成
する。以下、ステップS31からステップS34の動作
は、図5におけるステップS11からステップS14に
おける動作と同じである。
【0076】以上の実施の形態においては、領域の木構
造分割と蓄積エネルギーの積算を同時に行っていたが、
第3の実施の形態として、始めに領域の木構造分割を行
い、それが終わってから蓄積エネルギーの積算を行う例
を示す。
【0077】図7は、このうち木構造分割を行う処理の
流れの例を示すものである。まず、ステップS41で、
当該領域中のパターン要素の数が0であるかどうかを判
断し、0であれば何もせず、ステップS49にスキップ
する。又は、ステップS42に移行して木構造リストに
は登録し、リスト中に設けられパターン要素数を0とす
るようにしてもよい。しかし、後の処理を考えると、木
構造リストに登録しないほうが、より効率的である。
【0078】ステップS42では、木構造リストに登録
し、その中に含まれるパターン要素の数を記入する。す
なわち、図2に示すように、各レベルごとの領域と、そ
こに含まれるパターン要素を記入したリストに記載す
る。そして、ステップ43で領域中のパターン要素の数
が1以下であるかどうかを判断し、1以下のときはステ
ップ49にスキップする。1以上であるときは、ステッ
プS44に移行し、領域を4つの合同な子領域に分割
し、ステップS44からステップS48までで、それぞ
れの領域について、ステップS46に記載されるように
木構造分割を行う。すなわちそれぞれの子領域について
ステップS41からの処理を実行する。
【0079】図1に示すような領域に対してこのような
処理を行うと、図2のような木構造の領域図が作成され
る。図2は、領域中のパターン要素が0のものの登録を
行わなかった場合を示すものであるが、領域中のパター
ン要素が0のものも登録した場合は、その領域が図2に
記載されるものにこれらの要素が追加される。
【0080】領域の木構造への分割が終わってから、蓄
積エネルギーの計算に入るが、その例を図8に示す。図
8に示す例では、木構造への分割において、領域中にパ
ターン要素を含むもののみが木構造に登録されているも
のとする。
【0081】図8においては、まず、ステップS51に
おいて、領域の及ぼす蓄積エネルギーを0として初期化
する。そして、ステップS52において、領域の1辺の
長さLを求め、ステップS53において領域の中心と蓄
積エネルギー量の積算を行う点との距離Dを求める。そ
して、ステップS54においてD/Lが閾値θを超えて
いるかどうかを判断する。D/L>θであれば、ステッ
プS55、ステップS56に移行し、領域中のパターン
要素から一つの代表図形を作って、それからの蓄積エネ
ルギーへの寄与を算出し、蓄積エネルギーに加算する。
そしてステップS60でEの値を返すが、これは当該領
域における処理を完了したことを意味する。
【0082】D/L≦θの場合は、ステップS57に移
行し、領域中のパターン要素の数が1であるかどうかを
判断して、1であるときは、ステップS59に移り、当
該パターン要素からの蓄積エネルギーの寄与を蓄積エネ
ルギーに加算する。このとき、周知の方法により、当該
パターンの形状に忠実に蓄積エネルギーへの寄与を算出
することができる。図8に破線の矢印でしめすごとく、
ステップS55に移行し、当該パターン要素を代表図形
に変換してから、その代表図形の蓄積エネルギーの寄与
を算出するようにしてもよい。
【0083】領域中のパターン要素の数が1より多い場
合には、ステップS58に移り、その領域中の1レベル
下の領域について、木構造エネルギーの計算を実行す
る。すなわち、1レベル下に登録されている領域の全て
についてS51からの計算を実行する。
【0084】このような処理を最後まで実行すると、蓄
積エネルギーが求められる。なお、図8に示す処理にお
いては、D/L≦θの判断を、領域中のパターン数が1
かどうかの判断よりも先に行っているが、領域中のパタ
ーン数が1かどうかの判断を、D/L≦θの判断よりも
先に行ってもよい。このときの処理フローは、図6と図
7の違いを図8に当てはめることにより、当業者は容易
に作成することができるであろう。
【0085】次に、木構造への分割と代表図形の作成を
先に行い、その後に各パターン要素(1個)と代表図形
からの蓄積エネルギーへの寄与を計算して、積算を行
い、蓄積エネルギーを求める方法についてその例を説明
する。
【0086】図9は、木構造への領域の分割と代表図形
の作成を行う処理の例を示すフローチャートである。ま
ず、ステップS61において、領域の1辺の長さLを求
め、ステップS62において領域の中心と蓄積エネルギ
ー量の積算を行う点との距離Dを求める。そして、ステ
ップS63においてD/Lが閾値θを超えているかどう
かを判断する。D/L>θであれば、ステップS64に
移行し、領域中のパターン要素から一つの代表図形を作
る。そして、ステップS73に移って代表図形を返す。
これは当該領域における処理を完了したことを意味す
る。
【0087】D/L≦θの場合は、ステップS65に移
行し、領域中のパターン要素の数が0であるかどうかを
判断し、0のときは何もしないでステップS73にスキ
ップし、その領域の処理を終了する。0でないときは、
ステップS66に移って、領域中のパターン要素の数が
1であるかどうかを判断して、1であるときは、ステッ
プS67に移り、当該パターン要素そのものを代表パタ
ーンとする。または、図9に破線で示すように、ステッ
プS64に移って1つのパターン要素そのものを所定の
代表パターンに変換してもよい。
【0088】領域中のパターン要素の数が1より多い場
合には、ステップS68に移り、当該領域を縦2、横2
に等分し、4つの子領域を作成する。そして、ステップ
S69からステップS72までで、この4つの領域につ
いて、木構造・代表図形作成ルーチンを実行する。すな
わち、各領域についてステップS61からのルーチンを
実行する。
【0089】このような処理を最後まで実行すると、全
ての代表図形が求められる。なお、図9に示す処理にお
いては、D/L≦θの判断を、領域中のパターン数が1
かどうかの判断よりも先に行っているが、領域中のパタ
ーン数が1かどうかの判断を、D/L≦θの判断よりも
先に行ってもよい。このときの処理フローは、図6と図
7の違いを図9に当てはめることにより、当業者は容易
に作成することができるであろう。
【0090】このように、全ての代表図形が求められれ
ば、それぞれの代表図形から蓄積エネルギー量の積算を
行う点への蓄積エネルギーの寄与を算出し、これらを加
え合わせることにより、対象とする領域から蓄積エネル
ギー量の積算を行う点へのエネルギー量が求められる。
【0091】以上のいずれの実施の形態においても、代
表図形の作成を、当該領域と蓄積エネルギー量の積算を
行う点との関係を考慮しながら行っていた。しかしなが
ら、領域の分割と代表図形の作成を、蓄積エネルギー量
の積算を行う点の位置とは関係なく先に行ってしまい、
蓄積エネルギーの計算のみを領域と蓄積エネルギー量の
積算を行う点との関係を考慮して実施してもよい。この
実施の形態の例について以下に説明する。
【0092】図10は、領域の分割と当該領域における
代表図形の作成を行う処理の例を示すフローである。ま
ず、ステップS81において領域中のパターン要素の数
が0であるかどうかを判断し、0であれば何もしないで
ステップS91にスキップし、当該領域の処理を終わ
る。0でなければステップS81で当該領域を木構造リ
ストに登録する。そして、ステップS83で領域中のパ
ターン数が1かどうかを判断し、1の場合はステップS
84に移行し、当該パターン要素そのものを代表図形と
するか、又は当該パターン要素から所定の代表図形を作
成する。そしてステップS91に移行し、その領域の処
理を終わる。
【0093】ステップS83で領域中のパターン要素の
数が2以上である場合は、ステップS85に移行して、
当該領域の代表図形を作成する。そして、ステップS8
6で当該領域を分割して4個の子領域を作成し、ステッ
プS87〜ステップS90において、このそれぞれの子
領域について、木構造分割・代表図形作成を実行する。
すなわち、それぞれの子領域についてステップS81か
らの処理を実施する。これらの処理を終了すると、図2
に示すような領域の木構造と、それぞれの領域に対する
代表図形が得られる。
【0094】次に、得られた木構造と代表図形を用いて
蓄積エネルギーを計算する手法の例を説明する。図11
はこの処理のフローを示す図である。図11において
は、まず、ステップS101において、領域の及ぼす蓄
積エネルギーを0として初期化する。そして、ステップ
S102において、領域の1辺の長さLを求め、ステッ
プS103において領域の中心と蓄積エネルギー量の積
算を行う点との距離Dを求める。そして、ステップS1
04においてD/Lが閾値θを超えているかどうかを判
断する。
【0095】D/L>θであれば、ステップS105に
移行し、領域中の代表図形からの蓄積エネルギーへの寄
与を算出し、蓄積エネルギーに加算する。そしてステッ
プS108でEの値を返すが、これは当該領域における
処理を完了したことを意味する。
【0096】D/L≦θの場合は、ステップS106に
移行し、領域中のパターン要素の数が1であるかどうか
を判断して、1であるときは、ステップS105に移
り、領域中の代表図形からの蓄積エネルギーへの寄与を
算出し、蓄積エネルギーに加算する。このとき、図10
に示されたステップS84のモードに応じ、代表図形は
パターン要素そのものであることもあり、パターン要素
が所定形状の代表図形に変換されていることもある。
【0097】領域中のパターン要素の数が1より多い場
合には、ステップS107に移り、その領域中の1レベ
ル下の領域について、木構造エネルギーの計算を実行す
る。すなわち、1レベル下に登録されている領域の全て
について、S101からの計算を実行する。
【0098】このような処理を最後まで実行すると、蓄
積エネルギーが求められる。なお、図11に示す処理に
おいては、D/L≦θの判断を、領域中のパターン数が
1かどうかの判断よりも先に行っているが、領域中のパ
ターン数が1かどうかの判断を、D/L≦θの判断より
も先に行ってもよい。このときの処理フローは、図6と
図7の違いを図11に当てはめることにより、当業者は
容易に作成することができるであろう。
【0099】以上のいずれの実施の形態においても、領
域の分割が終了されるのは、D/L>θとなったとき
か、当該領域内のパターン要素の数が1以下となったと
きである。しかし、D/L>θとなったときか、当該領
域内のパターン要素の数が所定数以下となったときに分
割を終了するようにしてもよい。これは、例えば図5に
おけるステップS08の処理内容を「領域中のパターン
数≦所定数」とすることで容易に実現できる。この場合
は、複数のパターン要素数を有する領域が残ることにな
るが、これらのパターン要素についてそれぞれ蓄積エネ
ルギーの寄与を算出してもよいし、例えば図5における
破線のルートを通して、領域中の代表図形を求めるよう
にしてもよい。
【0100】以下、代表図形の形成方法の実施の形態に
ついて説明する。図12(a)に示されるような一辺が
2の正方形の領域21に、F5、F6のような2つのパ
ターン要素がある場合を考える。F5はx軸方向長さが
2、y軸方向長さが1の矩形であり、領域21の中心を
原点とした場合に、(-1,1)の点に中心を持っている。
F6は一辺が1の正方形であり、(1,0)の点に中心を持
っている。これらの図形をこの領域21内で1つの代表
図形にまとめた例を(b)〜(f)に示す。
【0101】(b)は代表図形を点としたものであり、
領域21の中心にあり、F5とF6の面積の合計である
3の重みを持った点としたものである。ここで重みと
は、蓄積エネルギーへの寄与を計算するときに使用され
る係数に相当する。(c)は、領域21の中心に中心を
有し、面積がF5とF6の面積の合計である3の大きさ
の正方形を代表図形とした例である。(d)は、領域2
1の中心に中心を有し、面積がF5とF6の面積の合計
である3の大きさの円を代表図形とした例である。これ
らにおいては、パターン要素のx方向、y方向へのちら
ばり具合を考えていないが、これらを考慮したものとし
て、(e)は、F5とF6を囲む図形、すなわちx方向
長さが3.5、y軸方向長さが2の矩形を考え、x軸長
さ:y軸長さ=3.5:2で、面積がF5とF6の面積の
合計である3の大きさの楕円を代表図形とした例であ
る。また、(f)は、x軸方向長さ:y軸方向長さ=3.
5:2で、面積がF5とF6の面積の合計である3の大
きさの矩形を代表図形とした例である。
【0102】図12に示した例においては、いずれも代
表図形の中心位置を領域の中心としたが、これをパター
ン要素の重心位置とすると、より精度のよい代表図形を
作成することができる。この例を図13に示す。図13
において、(a)は、領域内におけるパターン要素の配
置を示し、図12(a)と同じものである。F5とF6
の重心位置は(-1/3,2/3)にあるので、代表図形の中心を
この点におくようにする。図13において、(b)〜
(f)は、図12において(b)〜(f)に示した代表
図形の中心位置を(-1/3,2/3)においた例を示す。
【0103】図12、図13では、領域21内に1個の
代表図形を作成したが、領域21内に複数個の代表図形
を作成するようにしてもよい。この場合は、例えば領域
21内を4等分し、それぞれの子領域内に1個ずつの代
表図形を作成してもよい。また、区分数は必ずしも縦横
同数とする必要はない。とくに、パターンの形状が横に
長いものが場合、縦に長いものが多い場合には、それぞ
れに応じて、縦横の区分数を変えるようにしてもよい。
【0104】以上説明した木構造に領域を分割する方法
では、蓄積エネルギーの評価点より遠い領域では大きな
領域で計算を行い、近い領域では小さな領域で計算を行
うことになるので、精度を悪化させることなく、計算数
を少なくすることができる。しかし、評価対象となる領
域内に、周辺が複雑な形状を有する大きなパターン要素
が存在する場合、小領域にそのパターンが1つしかなく
なった時点で、それ以上分割が進まなくなる。この場
合、そのパターンの形状に忠実にエネルギー計算を行う
場合には精度には影響しないが、計算時間が膨大なもの
となってしまう。また、パターン要素を代表図形に置き
換えて計算する場合には、周辺の複雑な形状がほとんど
無視されてしまい、計算精度が悪化する。
【0105】このようなことが想定される場合には、パ
ターン要素を、大きくて単純な形状を有するコアの部分
と、それ以外の微小部分(負の形状を有する部分を含
む)の組み合わせに分割する。そして、コア部分につい
ては、従来行われたいたと同様な方法で蓄積エネルギー
の計算を行う。これは、コア部分の形状が単純なもので
あるので、周知の計算方法を使用することができ、時間
も要しない。そして、それ以外の微小部分について、前
記のような木構造分割による計算を実施し、両者の結果
を足し合わせて蓄積エネルギーを求めるようにする。
【0106】図14はこの様子を示す図であり、(a)
は実際のパターン要素を示す図である。領域22の中
に、1個のパターン要素F7が存在するものとする。2
3はウェハに転写されるべき形状を示す図形である。こ
のパターン要素F7を(b)に示すコアの部分と、
(c)に示すその他の部分に分割する。
【0107】(b)において、コアの部分は24〜28
の5つの部分からなり、24の部分がウェハに転写され
るべき形状を示す図形に相当する部分、25〜28の部
分はコーナー部である。
【0108】(c)において、斜めの網目状ハッチング
を施した部分は、パターン要素F7に存在してコア部か
ら外れた部分である。横のハッチングを施した部分は、
パターン要素F7には存在しなくて、コア部に存在する
部分である。本明細書においては、このようにパターン
要素には存在してコア部に存在する部分のことを、「負
の形状を有する部分」と称することがある。負の形状を
有するとは、面積が負の値を有し、蓄積エネルギーへの
寄与の値が負であることを意味する。
【0109】このようなパターン要素の分割を行った
後、(b)に示されたコア部24〜28については、各
々の部分について、蓄積エネルギーへの寄与を別々に計
算する。実際には、コア部の形状は単純で数も少ないの
で、これらについての蓄積エネルギーへの寄与の計算
は、従来の周知の方法を用いても、簡単に計算できる。
一方、(c)に示されたその他の部分については、前記
のような木構造計算手段により蓄積エネルギーへの寄与
を計算する。このとき、負の形状を有する部分について
は、重心を計算するとき等、面積が必要なときは面積が
負であるとし、蓄積エネルギーへの寄与も負であるとし
て計算する。そして、コア部とその他の部分の蓄積エネ
ルギーへの寄与を足し合わせて、蓄積エネルギーとす
る。
【0110】図14では、説明のために単純な図形を示
したが、実際には、コア部の数は少なく、その他の部分
の要素の数が圧倒的に多いので、このようにしても、木
構造計算を行うメリットはほとんど失われない。
【0111】これら、蓄積エネルギーの計算手法は計算
機によって実行されるプログラム化することができ、C
D、光ディスク、ROM等の記憶媒体に記憶しておい
て、レチクル、マスク等のパターンを計算するとき等
に、適宜、使用することができる。
【0112】以上、蓄積エネルギーの計算に関しての実
施の形態の例を説明したが、荷電粒子線露光装置を使用
したときの近接効果の計算も、蓄積エネルギー計算の1
種であるので、この手法を応用して行うことができる。
すなわち、各フローチャートで、「蓄積エネルギー」と
されているものを「近接効果による蓄積エネルギー」と
読み替えればよい。このようにして、ウェハ等の感応基
板上の点の近接効果が求まると、その値が所定の値にな
るように、レチクル又はマスクの形状を変更して決定す
ることができる。この手法は、当業者の経験に基づいて
従来から行われていることであるので、その説明を省略
する。
【0113】以下、本発明に係る半導体デバイスの製造
方法の実施の形態の例を説明する。図15は、本発明の
半導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートで
ある。この例の製造工程は以下の各主工程を含む。 ウェハを製造するウェハ製造工程(又はウェハを準備
するウェハ準備工程) 露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(又
はマスクを準備するマスク準備工程) ウェハに必要な加工処理を行うウェハブロセッシング
工程 ウェハ上に形成されたチッブを1個ずつ切り出し、動
作可能にならしめるチップ組立工程 できたチッブを検査するチップ検査工程 なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程から
なっている。
【0114】これらの主工程の中で、半導体のデバイス
の性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウェハプロセッ
シング工程である。この工程では、設計された回路パタ
ーンをウェハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動
作するチップを多数形成する。このウェハプロセッシン
グ工程は以下の各工程を含む。 絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、あるいは電極部を
形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDや
スパッタリング等を用いる) この薄膜層やウェハ基板を酸化する酸化工程 薄膜層やウェハ基板等を選択的に加工するためにマス
ク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成する
リソグラフィー工程 レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエ
ッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる) イオン・不純物注入拡散工程 レジスト剥離工程 さらに加工されたウェハを検査する検査工程 なお、ウェハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り
返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造す
る。
【0115】図16は、図15のウェハプロセッシング
工程の中核をなすリソグラフィー工程を示すフローチャ
ートである。このリソグラフィー工程は以下の各工程を
含む。 前段の工程で回路パターンが形成されたウェハ上にレ
ジストをコートするレジスト塗布工程 レジストを露光する露光工程 露光されたレジストを現像してレジストのパターンを
得る現像工程 現像されたレジストパターンを安定化させるためのア
ニール工程 以上の半導体デバイス製造工程、ウェハプロセッシング
工程、リソグラフィー工程については、周知のものであ
り、これ以上の説明を要しないであろう。
【0116】上記露光工程に、前記実施の形態で説明し
た方法により設計したマスク又はレチクルを用いること
により、正確かつ迅速に設計されたマスク又はレチクル
を使用できるので、微細なパターンを有する半導体デバ
イスを、歩留よく、かつ迅速に製造することができる。
【0117】
【実施例】図17に示すような、120μm×100μmの領域
にあるパターン要素に対して、本発明の第1の実施の形
態に示した方法(図5)を適用して蓄積エネルギーの計
算を行った。その際、感応基板上に実現することを意図
したパターンの領域と、図14における領域25〜28
に対応する隅の領域についてはコア領域として別に計算
を行い、残りの領域について図5に示す方法を適用し
た。θの値は1とし、代表図形はパターン要素の重心位
置に作られた1個の点とすることにした。また、領域中
にパターン要素が1個となった場合には、代表図形に変
形せず、その領域からの蓄積エネルギーの寄与を、直接
計算することにした。比較例として、図20に示したよ
うな領域の線分移動の影響を計算する方法を採用した。
【0118】図18に、比較例において参照する線分の
数を増加させた場合の、実施例と比較例の計算時間を比
較して示す。比較例においては、特に参照する線分の数
が増加すると、計算時間が急激に増加する傾向にある
が、実施例においては、比較例に比して計算時間が短
く、かつ、参照する線分の数が増加しても、計算時間の
増加は少ないことがわかる。
【0119】また、領域中の各点について、実施例と比
較例で計算された蓄積エネルギーの差をとり、それを感
応基板上でパターン境界となるようなエネルギー値(レ
ジストが現像されるか現像されないの閾値となるエネル
ギー値)で割った値の分布を図19に示す。図19を見
ると、両者の差は、全領域でパターン境界となるような
エネルギー値の1%未満に収まり、本実施例は、従来例
に比して同等の精度を有していることがわかる。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1から請求項5までに係る発明においては、蓄積エネ
ルギーを計算する点から遠い領域においては、パターン
の分布位置の影響が小さいので、小領域の大きさを大き
くし、蓄積エネルギーを計算する点から近い領域におい
ては、パターンの分布位置の影響が大きいので、その中
での小領域の大きさを小さくしている。よって、従来法
に比して、計算精度を落とさず、計算時間を短縮するこ
とができる。
【0121】請求項6に係る発明においては、小領域に
含まれるパターン要素が所定数m以下である場合におい
ても、当該パターン要素を単純な形状を有する代表図形
に変換して計算に使用しているので、蓄積エネルギーへ
の寄与の計算が簡単になる。
【0122】請求項7に係る発明においては、複雑な形
状をした大きな単一のパターン要素を有する領域が分割
されずに残ってしまうという問題を解決することができ
る。
【0123】請求項8に係る発明においては、前記各手
段の計算プログラムを記憶しておくことにより、適宜、
各計算方法を計算機に実行させることができる。
【0124】請求項9に係る発明においては、荷電粒子
線露光装置において、計算精度を落とさず、迅速に近接
効果を計算することができる。
【0125】請求項10に係る発明においては、マスク
又はレチクルのパターンを、正確かつ迅速に設計するこ
とができる。
【0126】請求項11に係る発明においては、マスク
又はレチクルのパターンを、正確かつ迅速に設計するこ
とができるので、
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄積エネルギー量を計算するために参照するパ
ターン要素が存在する領域を模式的に表した図である。
【図2】図1に示す領域を木構造に分割した結果の1例
を示す図である。
【図3】図1に示す領域を木構造に分割した結果の他の
例を示す図である。
【図4】蓄積エネルギー量を計算するために参照するパ
ターン要素が存在する領域の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の例を示すフローチャート
である。
【図6】本発明の実施の形態の例を示すフローチャート
である。
【図7】本発明の実施の形態の例を示すフローチャート
である。
【図8】本発明の実施の形態の例を示すフローチャート
である。
【図9】本発明の実施の形態の例を示すフローチャート
である。
【図10】本発明の実施の形態の例を示すフローチャー
トである。
【図11】本発明の実施の形態の例を示すフローチャー
トである。
【図12】代表図形の形成方法の実施の形態の例を示す
図である。
【図13】代表図形の形成方法の実施の形態の例を示す
図である。
【図14】パターン要素をコア部分と他の部分に分割す
る方法の例を示す図である。
【図15】本発明の1実施の形態である半導体デバイス
の製造方法を示す図である。
【図16】リソグラフィー行程の概要を示す図である。
【図17】実施例と比較例に使用した領域内におけるパ
ターン要素の配列を示す図である。
【図18】実施例と比較例の計算時間を比較して示した
図である。
【図19】実施例と比較例の計算結果の差を示す図であ
る。
【図20】従来の蓄積エネルギーの計算方法の1例を説
明するための図である。
【図21】従来の蓄積エネルギーの計算方法の他の例を
説明するための図である。
【符号の説明】
10…蓄積エネルギー量の積算を行う点 11…第1レベルの領域 12〜15…第1レベルの領域を4分割した第2レベル
の小領域 16〜19…第2レベルの小領域を4分割した第3レベ
ルの小領域 F1〜F8…パターン要素 21、22…領域 23…ウェハに転写されるべき形状 24〜28…コア部分

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク又はレチクルに形成されたパター
    ンをウェハ等の感応基板に形成する露光装置において、
    感応基板面における蓄積エネルギー量を計算する方法で
    あって、以下の工程を有してなることを特徴とする蓄積
    エネルギーの計算方法。ただし、(b)と(c)の工程はどち
    らを先に行ってもよい。 (a) 初期蓄積エネルギーを0とし、蓄積エネルギー量を
    計算するために参照するパターン要素が存在する領域
    を、木構造状に小領域に分割して行く過程において、
    (b) 当該小領域のサイズが、蓄積エネルギー量を積算す
    る点と当該小領域との距離に対して所定値α未満の場合
    には、当該小領域に含まれるパターンを1個から数個の
    単純な形状を有する代表図形に変換し、代表図形を用い
    て当該小領域からの蓄積エネルギーへの寄与を計算して
    蓄積エネルギーに加算して、当該小領域についてはそれ
    以上の分割操作をやめ、(c) 当該小領域に含まれるパタ
    ーン要素が所定数m以下である場合には、当該パターン
    要素を代表図形として、代表図形を用いて当該小領域か
    らの蓄積エネルギーへの寄与を計算して蓄積エネルギー
    に加算して、当該小領域についてはそれ以上の分割操作
    をやめ、(d) (b)、(c)以外の場合には、当該小領域につ
    いて木構造状の小領域に分割する操作を続行し、(e) 蓄
    積エネルギー量を計算するために参照するパターン要素
    が存在する領域が全て木構造に分割された時点における
    蓄積エネルギー量を、求める蓄積エネルギー量とする。
  2. 【請求項2】 マスク又はレチクルに形成されたパター
    ンをウェハ等の感応基板に形成する露光装置において、
    感応基板面における蓄積エネルギー量を計算する方法で
    あって、以下の工程を有してなることを特徴とする蓄積
    エネルギーの計算方法。ただし、(b)と(c)の工程はどち
    らを先に行ってもよい。 (a) 初期蓄積エネルギーを0とし、蓄積エネルギー量を
    計算するために参照するパターン要素が存在する領域
    を、当該小領域に含まれるパターン要素が所定数m以下
    となるまで、木構造状に小領域に分割して行き、第1階
    層から第n階層までの小領域の木構造を作り、(b) 第i
    階層の小領域について、当該小領域のサイズが、蓄積エ
    ネルギー量を積算する点と当該小領域との距離に対して
    所定値α未満の場合には、当該小領域に含まれるパター
    ンを1個から数個の単純な形状を有する代表図形に変換
    し、代表図形を用いて当該小領域からの蓄積エネルギー
    への寄与を計算して蓄積エネルギーに加算し、当該小領
    域に含まれるそれ以下の階層については、蓄積エネルギ
    ーへの寄与の計算を行わず、(c) 当該小領域に含まれる
    パターン要素が所定数m以下である場合には、当該パタ
    ーン要素を代表図形とし、代表図形を用いて当該小領域
    からの蓄積エネルギーへの寄与を計算して蓄積エネルギ
    ーに加算し、当該小領域に含まれるそれ以下の階層につ
    いては、蓄積エネルギーへの寄与の計算を行わず、(d)
    (b)、(c)以外の場合には、蓄積エネルギーへの寄与の計
    算を保留し、それ以下の階層において蓄積エネルギーへ
    の寄与の計算を行うこととし、(e) (b)、(c)、(d)の工
    程を第1階層から第n階層まで順に行った後に求まった
    蓄積エネルギー量を、求める蓄積エネルギー量とする。
  3. 【請求項3】 マスク又はレチクルに形成されたパター
    ンをウェハ等の感応基板に形成する露光装置において、
    感応基板面における蓄積エネルギー量を計算する方法で
    あって、以下の工程を有してなることを特徴とする蓄積
    エネルギーの計算方法。ただし、(b)と(c)の工程は、ど
    ちらを先に行ってもよい。 (a) 蓄積エネルギー量を計算するために参照するパター
    ン要素が存在する領域を、木構造状に小領域に分割して
    行く過程において、(b) 小領域のサイズが、蓄積エネル
    ギー量を積算する点と当該小領域との距離に対して所定
    値α未満の場合には、当該小領域に含まれるパターンを
    1個から数個の単純な形状を有する代表図形に変換し、
    当該小領域についてはそれ以上の分割を行わず、(c) 当
    該小領域に含まれるパターン要素が所定数m以下である
    場合には、当該パターン要素を代表図形とし、当該小領
    域についてはそれ以上の分割を行わず、(c) (b)、(c)以
    外の場合には、当該小領域について木構造状の小領域に
    分割する操作を続行し、(d) 全ての木構造が完成した後
    に、各代表図形からの蓄積エネルギーへの寄与を加え合
    わせることにより蓄積エネルギー量を求める。
  4. 【請求項4】 マスク又はレチクルに形成されたパター
    ンをウェハ等の感応基板に形成する露光装置において、
    感応基板面における蓄積エネルギー量を計算する方法で
    あって、以下の工程を有してなることを特徴とする蓄積
    エネルギーの計算方法。ただし、(b)と(c)の工程は、ど
    ちらを先に行ってもよい。 (a) 蓄積エネルギー量を計算するために参照するパター
    ン要素が存在する領域を、当該小領域に含まれるパター
    ン要素が所定数m以下となるまで、木構造状に小領域に
    分割して行き、第1階層から第n階層までの小領域の木
    構造を作り、(b) 第i階層の小領域について、当該小領
    域のサイズが、蓄積エネルギー量を積算する点と当該小
    領域との距離に対して所定値α未満の場合には、当該小
    領域に含まれるパターンを1個から数個の単純な形状を
    有する代表図形に変換し、当該小領域に含まれる下レベ
    ルの小領域については代表図形を作成せず、(c) 当該小
    領域に含まれるパターン要素が所定数m以下である場合
    には、当該パターン要素を代表図形とし、当該小領域に
    含まれる下レベルの小領域については代表図形を作成せ
    ず、(d) (b)、(c)以外の場合は、当該小領域について
    は、それより1段下のレベルにおいて代表図形の作成を
    行うようにし、(e) (b)、(c)、(e)の工程を第1階層か
    ら第n階層まで順に行った後に、各代表図形からの蓄積
    エネルギーへの寄与を加え合わせることにより蓄積エネ
    ルギー量を求める。
  5. 【請求項5】 マスク又はレチクルに形成されたパター
    ンをウェハ等の感応基板に形成する露光装置において、
    感応基板面における蓄積エネルギー量を計算する方法で
    あって、以下の工程を有してなることを特徴とする蓄積
    エネルギーの計算方法。ただし、(c)と(d)の工程は、ど
    ちらを先に行ってもよい。 (a) 蓄積エネルギー量を計算するために参照するパター
    ン要素が存在する領域を、当該小領域に含まれるパター
    ン要素が所定数m以下となるまで、木構造状に小領域に
    分割して行き、第1階層から第n階層までの小領域の木
    構造を作ると共に、(b) 木構造に構成された各小領域に
    ついて、当該小領域に含まれるパターン要素が所定数m
    以下である場合には、当該パターン要素を代表図形と
    し、当該小領域に含まれるパターン要素が所定数mを超
    える場合には、当該小領域に含まれるパターンを1個か
    ら数個の単純な形状を有する代表図形に変換し、その
    後、(c) 当該小領域のサイズが、蓄積エネルギー量を積
    算する点と当該小領域との距離に対して所定値α未満の
    場合には、代表図形からの蓄積エネルギーへの寄与を蓄
    積エネルギーに加算し、当該小領域に含まれるそれ以下
    の階層については、蓄積エネルギーへの加算を行わず、
    (d) 当該小領域に含まれるパターン要素が所定数m以下
    の場合には、代表図形からの蓄積エネルギーへの寄与を
    蓄積エネルギーに加算し、当該小領域に含まれるそれ以
    下の階層については、蓄積エネルギーへの加算を行わ
    ず、(e) (c)、(d)以外のときは当該小領域については、
    蓄積エネルギーへの寄与の蓄積エネルギーへの積算を保
    留し、それ以下の階層において蓄積エネルギーへの寄与
    の蓄積エネルギーへの寄与の計算を行うこととし、(f)
    (c)、(d)、(e)の工程を第1階層から第n階層まで順に
    行った後に求まった蓄積エネルギー量を、求める蓄積エ
    ネルギー量とする。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のうちいずれか1
    項に記載の蓄積エネルギーの計算方法において、小領域
    に含まれるパターン要素が所定数m以下である場合に
    は、当該パターン要素を代表図形とする代わりに、当該
    パターンを単純な形状を有する代表図形に変換すること
    を特徴とする蓄積エネルギーの計算方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6に記載の蓄積エネ
    ルギーの計算方法であって、あらかじめパターン要素
    を、大きくて単純な形状を有するコアの部分と、それ以
    外の微小部分(負の形状を有する部分を含む)の組み合
    わせに分割し、コア部分については別に蓄積エネルギー
    の計算を行い、微小部分については、請求項1から請求
    項6に記載の蓄積エネルギーの計算方法を実施し、両者
    の蓄積エネルギーを加算することにより蓄積エネルギー
    を求めることを特徴とする蓄積エネルギーの計算方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも請求項1から請求項7のうち
    いずれか1項に記載の蓄積エネルギーを求める方法に係
    る計算プログラムを記憶した記憶媒体。
  9. 【請求項9】 荷電粒子線を利用して、マスク又はレチ
    クルに形成されたパターンをウェハ等の感応基板に露光
    転写する荷電粒子線露光装置において、感応基板上にお
    ける近接効果を、請求項1から請求項7のうちいずれか
    1項に記載の蓄積エネルギーの計算方法を使用して求め
    ることを特徴とする近接効果計算方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の近接効果計算方法を
    使用して、マスク又はレチクルのパターン形状を変化さ
    せたときの近接効果を計算し、近接効果を考慮したと
    き、目的のパターン形状が感応基板に形成されるような
    マスク又はレチクルのパターン形状を選定することを特
    徴とするマスク又はレチクルパターンの設計方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のマスク又はレチク
    ルパターンの設計方法によってマスク又はレチクルを設
    計し、そのマスク又はレチクルを使用して露光転写を行
    いウェハーを形成する工程を有してなることを特徴とす
    る半導体デバイスの製造方法。
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