JP2001126323A - 光ディスク及び光ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

光ディスク及び光ディスク用基板の製造方法

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JP2001126323A
JP2001126323A JP30559499A JP30559499A JP2001126323A JP 2001126323 A JP2001126323 A JP 2001126323A JP 30559499 A JP30559499 A JP 30559499A JP 30559499 A JP30559499 A JP 30559499A JP 2001126323 A JP2001126323 A JP 2001126323A
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eccentricity
stamper
mold
outer diameter
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Atsushi Yusa
敦 遊佐
Yoji Yamanaka
洋司 山中
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形基板における偏芯量を低減し、かつ
安定させる。 【解決手段】 スタンパの信号パターン面を転写した射
出成形基板を用いる光ディスクにおいて、その基板に転
写された転写信号パターン面におけるデータ信号領域よ
り内径側の基板段差に対する転写信号パターン面の外径
の偏芯量(c)が0〜40μmの範囲に規制され、かつ
基板の透孔の内径に対する基板の外径の偏芯量(b)が
0〜40μmの範囲に規制され、それぞれの偏芯の方向
が周方向において130〜230°の範囲内にあること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク及び光
ディスク用基板の製造方法に係り、特にスタンパの信号
パターン面を転写した射出成形基板を用いる光ディス
ク、ならびに射出成形された基板の中央孔を金型内に設
けたカットパンチで打ち抜いて形成する光ディスク用基
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】成形金型のキャビティ近傍の要部断面を
スタンパ保持方法の種類に分けて図5(a)〜(d)に
示す。固定金型1の鏡面と該固定金型1に対峙した可動
金型2の鏡面が閉鎖されたときに形成されるキャビティ
3に、スプール4から注入される溶融樹脂を充填するこ
とにより、片面にスタンパ5の信号パターン面が転写さ
れた基板が射出成形される。この基板には、スタンパ5
の転写により同心円状または螺旋状の微細なプリピット
やプリグルーブを有する転写信号パターン面が形成され
る。スタンパ5の内周部は、スタンパ内周押さえ6によ
って固定されている。
【0003】図5(a),(b)に示す金型は、外周リ
ング7がスタンパ5の外周部を可動金型2あるいは固定
金型1に固定し、それに対峙する固定金型1あるいは可
動金型2が外周リング7の内径部に入り込んでキャビテ
ィを形成する、いわゆる印籠タイプの金型で、図5
(a)はスタンパ5を可動金型2側に、図5(b)はス
タンパ5を固定金型1側に保持した場合を示す。
【0004】図5(c),(d)は、外周リング7がス
タンパ5と反対側の金型に保持され、金型が閉鎖される
ことでスタンパ5と接するタイプで、スタンパ5の外周
面はそれが取り付けられた金型に真空吸引や磁石により
取り付けられる。図5(c)はスタンパ5を可動金型2
側に保持して外周リング7を固定金型1に設けた場合、
図5(d)はスタンパ5を固定金型1側に保持して外周
リング7を可動金型2に設けた場合を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】各タイプの金型ともに
成形後の基板は、可動金型2側に設けられたカットパン
チ8が固定金型1側に突出することで透孔が打ち抜き形
成される。その打ち抜きにより形成された透孔とスタン
パの転写によって形成された転写信号パターン面の偏芯
量は小さくコントロールする必要があるが、特に光ディ
スクの高速回転化や狭トラックピッチ化に伴い製品の仕
様が厳密になり、従来の成形金型ではその厳密な仕様に
合格する製品を安定生産することが困難になっている。
【0006】それについて図5(c)の金型を例にとり
図4を用いて説明する。カットパンチ8による打ち抜き
時に固定金型1と可動金型2の芯がずれた場合やカット
パンチ8が偏芯した場合、カットパンチ8は可動金型2
に対し偏芯して固定金型1内に入り込む。そのとき転写
信号パターン面における外径Dの中心位置を△、基板の
透孔の内径すなわちそれを決定するカットパンチ8の外
径面Aの中心位置を●とすると、この△と●の距離(△
−●)が基板の偏芯量となる。その際、基板の外径Cの
中心位置を■とすると、基板の透孔の内径の中心位置●
から■がずれる方向は△がずれる方向と略同じ方向にな
る。
【0007】前記基板の偏芯量である△−●は固定金型
1と可動金型2の相対的な芯ずれ、カットパンチ8の芯
ずれ、スタンパ内周押さえ6とスタンパ5の内径のがた
等の複合要因で決まるが、特にカットパンチ8の芯ずれ
を完全に抑えることは構造上非常に困難である。
【0008】可動金型2とカットパンチ8とのクリアラ
ンスを無くすようにリティーナ等でガイドしても、金型
の冷間時にはずれが生じないものの、熱膨張差等により
カットパンチ8が傾き、芯のずれる可能性が高い。さら
に固定金型1と可動金型2の相対的な芯ずれを完全に抑
えるのも困難である。
【0009】このようにカットパンチ8に対する金型の
偏芯(■−●や□−●、ここで□はスタンパ内周押さえ
6の外径Bの中心位置を表す)〕は略同じ方向にずれる
か、金型の嵌合部品公差が厳密でなければバラバラの方
向にずれることになる。
【0010】前記基板の偏芯量を少なくするため、例え
ばスタンパ内周押さえを偏芯加工させ、基板の偏芯量が
最小になるようにスタンパを金型に取り付けるという提
案がある(例えば特開昭62−154559号公報参
照)。しかし本発明者らの検討によれば、前述の方法で
は、スタンパ押さえがスタンパを押さえる面積に偏りが
生じるため摩耗粉が発生したり、ガス逃げが不均等にな
るためフローマークが出やすくなるという弊害が生じ
た。
【0011】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、基板の偏芯量が低減できた光ディスク及び
光ディスク用基板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、第1の手段は、スタンパの信号パターン面を転写し
た射出成形基板を用いる光ディスクにおいて、その基板
に転写された転写信号パターン面におけるデータ信号領
域より内径側の基板段差に対する転写信号パターン面の
外径の偏芯量(c)が0〜40μmの範囲に規制され、
かつ基板の透孔の内径に対する基板の外径の偏芯量
(b)が0〜40μmの範囲に規制され、それぞれの偏
芯の方向が周方向において130〜230°の範囲内に
あることを特徴とするものである。
【0013】また第2の手段は、第1の手段の光ディス
クにおいて、基板の透孔の内径に対する転写信号パター
ン面の外径の偏芯量(a)が0〜20μmの範囲に規制
されていることを特徴とするものである。
【0014】また第3の手段は、信号パターン面を形成
したスタンパを金型内に設置し、その金型のキャビティ
内に溶融樹脂を充填して前記スタンパの信号パターン面
を片面に転写して射出成形基板を作製する光ディスク用
基板の製造方法において、前記基板の透孔を打ち抜き形
成するカットパンチを可動金型内に移動可能に設け、そ
のカットパンチに対する固定金型の芯ずれ方向を周方向
に30°以内に規制して、その偏芯方向と反対側に内径
を偏芯させたスタンパを金型に取り付け、前記金型のキ
ャビティ内に溶融樹脂を充填して成形基板を作製し、そ
の後に前記カットパンチを固定金型側に突出して成形基
板に透孔を形成したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態におけ
る成形金型のキャビティ近傍における要部断面図と基板
の各中心位置の説明図、図2は同じくその成形金型の説
明図である。
【0016】まず成形金型の構成について説明する。こ
の実施の形態に係る成形金型はスタンパ5が可動金型2
側に配置され、スタンパ5の内周部はスタンパ内周押さ
え6により固定され、スタンパ5の外周部は可動金型2
側に取り付けられた金型に真空吸引や磁石により取り付
けられる。
【0017】固定金型1と可動金型2と外周リング7に
より形成されるキャビティ3に、スプール4から注入さ
れる溶融樹脂を充填することにより、片面にスタンパ5
の信号パターン面が転写された基板が射出成形される。
この基板には、スタンパ5の転写により同心円状または
螺旋状の微細なプリピットやプリグルーブを有する転写
信号パターン面が形成される。スタンパ5には、DVD
−RAMフォーマット(両面5.2GB仕様、片面2.
6GB)を用い、キャビティ厚みは0.6mmとした。
【0018】カットパンチ8は、可動金型2とボールリ
ティーナ201でガイドされ、ガイド部のクリアランス
は成形時に略零になるよう設計されるのが望ましく、そ
れはカットパンチ8や移動金型2の設定温度により設定
される。つまり、カットパンチ8及び可動金型2、さら
にはリティーナ201の熱膨張差を考慮し、クリアラン
スを設けるのか、圧入にするか決定されるのが望まし
い。
【0019】本実施形態では、カットパンチ8よりも可
動金型2の鏡面設定温度を10°C高くし、リティーナ
201に用いるガイド用の剛球202の外径を数種類変
更しながら、成形後におけるカットパンチ8の偏芯を測
定することにより、最も偏芯量が安定した条件であるガ
イドクリアランス5±5〔μm/直径〕を設計値として
いる。金型の偏芯量の測定は3次元測定器により行っ
た。この実施形態では前記設計値におけるカットパンチ
8の可動ガイドリング10基準に対する偏芯量(0−
P)が10μm以内で、その偏芯方向における周方向角
度のばらつきが10°以内であることを確認した。
【0020】固定金型1側に固定側ガイドリング9を設
け、可動金型2側に固定側ガイドリング9に外嵌する可
動側ガイドリング10を設けて、型締め時に固定側ガイ
ドリング9と可動側ガイドリング10を嵌合させる調芯
ガイドリング方式を採用している。そしてガイドリング
9,10の突当面における相対温度差が5℃以内になる
ように、それぞれ温度調整回路101,102で制御さ
れる。図2に示す103は成形材固定プラテン、110
はノズルである。
【0021】ガイドリング9,10のテーパークリアラ
ンスは、成形時の熱膨張差も考慮して設計する必要があ
り、本実施形態では成形型締め時、つまり両ガイドリン
グ9,10が完全に突き当たった状態で、ガイドリング
9,10の全周において0〜10〔μm/直径〕の圧入
になるよう設計されている。
【0022】スタンパ5の内径は転写信号パターン面の
外径に対し0〜40μmの偏芯量で打ち抜かれるが、本
実施形態では10μm偏芯させて打ち抜いた。このスタ
ンパ5を金型のカットパンチ偏芯方向に対し180±1
0°の位置になるよう取り付けた。
【0023】スタンパ5とスタンパ内側押さえ6とのク
リアランスは、スタンパ内側押さえ6の外径の寸法公
差、及びスタンパ5の内径の寸法公差により決定され、
その設計値は任意である。各寸法公差を詰めて互いのが
たをなるべく無くすのが望ましいが、5μmや10μm
のばらつきは止むを得ない。
【0024】スタンパ5の内径は成形ショットが進行す
ると摩耗等により内径が大きくなり、スタンパ内側押さ
え6とのがたが次第に大きくなることもあるため、予め
スタンパ5の内径をスタンパ内側押さえ6の外径よりも
小さくしておくことも可能であるが、嵌合がきつすぎる
とスタンパ5の内周部に歪みが生じ、基板の良好な離型
性が得られないことがある。これらを鑑みて本実施形態
ではそのリアランスを10〔μm/直径〕とした。
【0025】このような構成の金型および住友重機械工
業製直圧式成形機製品名 SD30を用い、金型温度1
20℃、樹脂温度380℃、射出速度180mm/秒、
型締圧30トンにて成形基板を作製した。
【0026】カットパンチ8の突き出しは、射出充填が
完了して0.1秒後、成形機の可動プラテン104より
油圧ピストン105を突き出し、カットパンチ8を前進
させることにより行い、固定金型1に入り込む量、いわ
ゆるカットパンチ突っ込み量は0.15mm、カットパ
ンチ駆動ストロークは0.3mmとした。
【0027】カットパンチ8の突っ込み量やストローク
は任意であるが、バリの発生やカットパンチ8の偏芯量
およびその安定性を考慮して設計する必要がある。例え
ば突っ込み量を減らせば、カットパンチ8の偏芯が固定
金型1と可動金型2との偏芯に依存しにくくなるが、偏
芯方向が不安定になり、安定して光ディスクの透孔が打
ち抜けない等の弊害が生じる。
【0028】図1において、 A;カットパンチ8の外径(光ディスクの透孔の内径) B;スタンパ内周押さえ6の外径(基板段差の外径) C;基板の外径 D;転写信号パターン面の外径 ●;カットパンチ8の外径A(光ディスクの透孔の内
径)の中心位置 □;スタンパ内周押さえ6の外径(基板段差の外径)の
中心位置 ■;基板の外径の中心位置 △;転写信号パターン面の外径の中心位置 である。
【0029】スタンパ5の内径を転写信号パターン面の
外径に対し5〜40μm偏芯させて基板を打ち抜くこと
により、前記Bの中心位置□を基準とした転写信号パタ
ーン面の外径Dの中心位置△の偏芯量c(△−□)は0
〜40μmの範囲にある。またカットパンチ8の外径A
(光ディスクの透孔の内径)の中心位置●を基準とした
基板の外径の中心■の偏芯量b(■−●)も、0〜40
μm以内に抑えることができる。
【0030】また、●に対する■の偏芯方向と□に対す
る△の偏芯方向は周方向に130〜230°の範囲でず
れている。これにより光ディスクの透孔の内径に対する
金型の偏芯方向に対し、金型に対するスタンパの偏芯方
向が必ず打ち消し合うので、ディスク内径に対する信号
外径の偏芯量a(△−●)が安定して小さくなる。ま
た、固定金型と可動金型は安定した調芯精度が得られる
ようにし、カットパンチを可動金型にガイドし、固定金
型への偏芯方向が周方向に30°の範囲を越えてずれな
いように設計している。
【0031】得られた成形基板の信号記録面上に相変化
記録膜をスパッタリングで形成し、その上に紫外線硬化
樹脂による保護膜を成膜して光ディスクを作製し、この
光ディスクを紫外線硬化接着剤を用いて貼り合わせてD
VD−RAMディスクを作製した。
【0032】成形基板は5000ショット連続成形し、
2500枚のDVD−RAMディスクを作製した。25
00枚のうち無作為に50枚を選択し、工具顕微鏡を用
いてディスク内径を基準にした信号外径の偏芯量aを両
面とも、すなわち100枚測定した。
【0033】ここで偏芯量とは、各円における中心位置
(真円でない場合、工具顕微鏡や3次元測定器を用いて
測定した中心位置)間の距離で定義される。本実施形態
ではて、100枚測定における偏芯量aを図3のヒスト
グラムに表したが、偏芯量a(△−●)は0〜7μmで
あり、平均3μmと良好であった。
【0034】また、本実施形態における100枚のディ
スク内径基準に対するディスク外径の偏芯量bおよび信
号面より内側の段差外径、つまりスタンパ内側押さえの
外径基準に対する信号外径の偏芯量cを測定した。その
結果をヒストグラムにして、図3に合わせて示した。
【0035】偏芯量b(■−●)は、固定金型に対する
カットパンチおよび可動金型の偏芯に大きく依存するも
のであるが、本発明においては、該偏芯量が大き過ぎる
とディスク重量バランスが悪化するので、0〜40μm
以内にする必要がある。本実施形態では、偏芯量bは8
〜16μmであった。またその偏芯量bの偏芯方向は、
すべてディスク周方向角度において15°の範囲で一致
していた。
【0036】偏芯量c(△−□)は、スタンパ内側押さ
えとスタンパのがた、およびスタンパの内径に対する信
号外径の偏芯に依存するもので、本発明では偏芯量bの
絶対量に合わせ、0〜40μmの範囲に調整し、その偏
芯方向を偏芯量cの方向より130〜230°の範囲に
抑える必要がある。本実施形態では、偏芯量cは12〜
16μmの範囲にあり、100枚すべてのディスクにお
いて偏芯量cとbの周方向角度は内径基準にして160
°〜185°のずれにあった。
【0037】このように本発明では、設計にて金型の偏
芯方向を安定させ、予めスタンパの外径に対し偏芯させ
たスタンパの内径を金型の偏芯とキャンセルさせること
で、ディスク内径に対する信号外径の偏芯量aを少なく
とも20μm以内に小さく抑えることができる。そして
金型個々で偏芯量に差が生じても、その方向を安定させ
ることにより、偏芯量aを金型の偏芯量bよりも安定さ
せることができる。
【0038】スタンパの内径が成形ショット数の増加に
より大きくなっても、その影響以上にスタンパ内径を信
号外径に対し偏芯させているので、ディスク偏芯として
大きな変化が生じにくいという利点を有し、スタンパを
長期的に使用することができる。
【0039】本実施形態においては、図5(c)のタイ
プの金型を例にとって説明したが、図5に示すそれ以外
のタイプでも有効である。
【0040】
【比較例】(比較例1)スタンパの内径をスタンパ信号
外径に対し偏芯が無いように、偏芯量2μmで打ち抜い
た以外は前記実施形態と同様な金型,成形機を用い、実
施形態と同様にDVD−RAMディスクを作製した。本
比較例のディスクにおける各偏芯量を図6のヒストグラ
ムに表したが、ディスクの内径に対する信号外径の偏芯
量aが実施形態よりも大きいことがわかる。これはスタ
ンパの内径の広がりなどにより、偏芯量bよりも大きく
なったと考えられる。
【0041】(比較例2)金型におけるリティーナ20
1を介したカットパンチ8と可動金型のクリアランスを
30〔μm/直径〕とし、成形型締め時の固定側ガイド
リング9が可動ガイドリング10に突き当たったときの
各ガイドリング9,10のクリアランスが60〔μm/
直径〕となる設定にした以外は実施形態と同様に、DV
D−RAMディスクを作製した。
【0042】本比較例における各偏芯量を図7に示した
が、偏芯量a,b共にばらつきの絶対値が大きい。これ
は金型ガイドリングやカットパンチのクリアランス設定
が不適切になったことで、型締め時およびカットパンチ
打ち抜き時の偏芯量およびその方向が不安定になったこ
とを示す。よって偏芯量bの周方向角度が不安定になる
ため、偏芯量cがそれを打ち消すことができない。
【0043】図8は、評価装置(シバソク社製 λ=6
50nm NA=0.6)を用いて基板中心孔の内径に
対する転写信号パターン面の外径の偏芯量(a)とDV
D−RAMディスクの記録再生ジッターとの関係を測定
した結果を示す特性図である。測定は、第一世代(RA
M−I、トラックピッチ0.74μm、片面容量2.6
GB)と次世代(RAM−II、トラックピッチ0.63
μm、片面容量4.7GB)について各々測定した。ジ
ッターはL−L(前エッジ)、T−T(後エッジ)それ
ぞれの平均値とし、線速度を8.3m/sの一定に保
ち、記録パワー11mWで3T〜11Tランダム信号を
再生パワー1.0mWで記録再生を行なった。
【0044】図中の○印はRAM−I、▲印はRAM−
IIである。RAM−Iでは偏芯量が30μmまで測定が
可能であったが、RAM−IIでは偏芯量が28μm以上
でトラッキングができなくなり、測定不能であった。
【0045】トラックピッチが狭いRAM−IIでは記録
再生ジッターの目標仕様である9%以内とするために
は、基板の中心孔の内径に対する転写信号パターン面の
外径の偏芯量(a)を0〜20μmにする必要があり、
特に前記偏芯量(a)を0〜10μmにするとよりマー
ジンが拡大できて好ましい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、設計にて金型の偏芯方
向を安定させ、予めスタンパ外径に対し偏芯させたスタ
ンパの内径を該金型偏芯とキャンセルさせることで、デ
ィスク内径に対する信号外径の偏芯量aを少なくとも2
0μm以内に小さく抑えることができる。そして、金型
個々の偏芯量に差が生じてもその方向を安定させること
により、偏芯量aを金型の偏芯量bよりも安定させるこ
とができる。
【0047】さらに、スタンパの内径が成形ショット数
の増加により大きくなっても、その影響以上にスタンパ
内径を信号外径に対し偏芯させているので、ディスク偏
芯として大きな変化が生じにくいという利点を有し、ス
タンパを長期的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における成形金型のキャビテ
ィ近傍の要部断面図と基板の各中心位置の説明図であ
る。
【図2】その成形金型の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における偏芯量をヒストグ
ラムに表した図である。
【図4】従来の成形金型のキャビティ近傍における要部
断面図と基板の各中心位置の説明図である。
【図5】各種成形金型の構成を説明するための概略図で
ある。
【図6】比較例1の偏芯量をヒストグラムに表した図で
ある。
【図7】比較例2の偏芯量をヒストグラムに表した図で
ある。
【図8】ディスク偏芯量と記録再生ジッターとの関係を
示す特性図である。
【符号の説明】
1 固定金型 2 可動金型 3 キャビティ 4 スプール 5 スタンパ 6 スタンパ内周押さえ 7 外周リング 8 カットパンチ 9 固定側ガイドリング 10 可動側ガイドリング A カットパンチの外径(光ディスクの透孔の内径) B スタンパ内周押さえの外径(基板段差の外径) C 基板の外径 D 転写信号パターン面の外径 ● カットパンチの外径(光ディスクの透孔の内径)の
中心位置 □ スタンパ内周押さえの外径(基板段差の外径)の中
心位置 ■ 基板の外径の中心位置 △ 転写信号パターン面の外径の中心位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AH79 AR07 CA11 CB01 CK35 CK42 5D029 KB01 5D121 AA02 CA10 DD05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタンパの信号パターン面を転写した射
    出成形基板を用いる光ディスクにおいて、 その基板に転写された転写信号パターン面におけるデー
    タ信号領域より内径側の基板段差に対する転写信号パタ
    ーン面の外径の偏芯量(c)が0〜40μmの範囲に規
    制され、 かつ基板の透孔の内径に対する基板の外径の偏芯量
    (b)が0〜40μmの範囲に規制され、 それぞれの偏芯の方向が周方向において130〜230
    °の範囲内にあることを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ディスクにおいて、前
    記基板の透孔の内径に対する転写信号パターン面の外径
    の偏芯量(a)が0〜20μmの範囲に規制されている
    ことを特徴とする光ディスク。
  3. 【請求項3】 信号パターン面を形成したスタンパを金
    型内に設置し、その金型のキャビティ内に溶融樹脂を充
    填して前記スタンパの信号パターン面を片面に転写して
    射出成形基板を作製する光ディスク用基板の製造方法に
    おいて、 前記基板の透孔を打ち抜き形成するカットパンチを可動
    金型内に移動可能に設け、そのカットパンチに対する固
    定金型の芯ずれ方向を周方向に30°以内に規制して、 その偏芯方向と反対側に内径を偏芯させたスタンパを金
    型に取り付け、 前記金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填して成形基板
    を作製し、 その後に前記カットパンチを固定金型側に突出して成形
    基板に透孔を形成したことを特徴とする光ディスク用基
    板の製造方法。
JP30559499A 1999-10-27 1999-10-27 光ディスク及び光ディスク用基板の製造方法 Withdrawn JP2001126323A (ja)

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