JP2001125306A - 乾式トナー - Google Patents

乾式トナー

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JP2001125306A
JP2001125306A JP30855499A JP30855499A JP2001125306A JP 2001125306 A JP2001125306 A JP 2001125306A JP 30855499 A JP30855499 A JP 30855499A JP 30855499 A JP30855499 A JP 30855499A JP 2001125306 A JP2001125306 A JP 2001125306A
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acid
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Manabu Ono
学 大野
Takeshi Otake
猛 大竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿や低温低湿などの使用環境の変化に
対して常に良好な帯電特性を発揮し、長期に亘って多数
の画像を形成した場合にも安定した画像が得られる耐久
性と画像形成装置とのマッチングに優れた乾式トナーを
提供することにある。 【解決手段】 トナー粒子と無機微粒子を少なくとも有
する乾式トナーであって、該無機微粒子が、少なくと
も、(i)シリコーンオイルと、(ii)シリル化剤及
び/又はシランカップリング剤と、(iii)シラノー
ル化合物とで処理されており、且つ、該無機微粒子中の
シラノール化合物の含有量が15〜1000ppmであ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法などを利用した
記録方法に用いられる乾式トナー(以下トナーと称す)
に関するものである。詳しくは、複写機、プリンター、
ファクシミリ、プロッター等に利用し得る画像記録装置
に用いられるトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報等に記載されている如
く多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を
利用し、種々の手段により感光体上に静電荷潜像を形成
し、次いで該静電荷潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて紙の如き転写材に中間転写体を介して、又は介
さずにトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧
或いは溶剤蒸気などにより定着し、定着画像を得るもの
である。またトナー画像を転写する工程を有する場合に
は、通常、感光体上の残余のトナーを除去するための工
程が設けられる。
【0003】特にプリンターやファクシミリでは画像形
成装置部分を小さくすることが望まれるため、一成分ト
ナーを用いた現像装置が使用されることが多い。
【0004】こうした中、上記の如きプリンターやファ
クシミリでは高解度への要求も高まっている。例えば、
当初200〜300dpi(dot per inc
h)であった解像度が400〜1200dpi、更には
2400dpiとなりつつある。また、複写機について
も同様に、デジタル化による高機能化が進み、やはり高
解像・高精細の現像方法が強く要求されつつある。
【0005】ところで、一成分現像方式は、現像時にト
ナーが鎖状(一般には「穂立ち」と呼ばれている)とな
って現像されるため、画像横方向の解像度が縦方向に比
べて悪くなり易く、また、ベタ黒画像に比べライン画像
上へはトナーの飛翔量が過多となり、トナー消費量が増
大し画像の忠実再現性や経済性に劣る傾向にある。一
方、トナーによる顕画像化に際し、トナーが画像部から
穂の状態のままはみ出す尾引き現象や画像周辺部へのト
ナーの飛び散り現象を生じ、解像度低下の一因となって
いる。
【0006】そこで、画像再現性をより向上させる方法
として、スリーブ上へのトナー塗布をきわめて薄くし、
トナーの穂立ちをより短くすることが必要となる。しか
しながら、従来のトナーにおいては、この方法はトナー
とスリーブとの摩擦帯電が過剰となり、必要以上に帯電
したトナーはスリーブとのクーロン力が上がり、現像が
困難となるばかりか、過剰に帯電したトナー同士の凝集
によりスリーブ上にトナーの塗布ムラを生じるブロッチ
現象や、他のトナーの帯電を阻害することに起因するス
リーブゴースト現象等が発生し易くなる。
【0007】特にスリーブゴースト現象は、特開平2−
284154号公報に記載されているようにトナー中の
比較的小さいトナー微粉粒子の摩擦帯電量が大きくな
り、その強い鏡映力によりトナー担持体表面に付着し、
トナー微粉粒子層を形成するために発生すると考えられ
ている。
【0008】この様な現象はキャリア粒子を用いた二成
分現像方式においても見られる。例えば、過剰に帯電し
たトナーがキャリア粒子に付着し、現像効率の低下と他
のトナー粒子の帯電阻害を引き起こしたり、キャリア粒
子に固着するスペント現象を生じる。
【0009】上記の如き乾式トナーを用いた現像方法に
おいて、良好な画質の可視画像を形成するためには、現
像剤が高い流動性を有し、かつ均一な帯電性を有するこ
とが必要であり、そのために従来よりシリカ微粉体をト
ナー粉末に添加混合することが行われている。然るにシ
リカ微粉体はそのままでは親水性であるために、これが
添加された現像剤は空気中の湿気により凝集を生じて流
動性が低下したり、甚だしい場合にはシリカ微粉体の吸
湿により現像剤の帯電性能を低下させてしまう。
【0010】そこで疎水化処理したシリカ微粉体を用い
ることが、特開昭46−5782号公報、特開昭48−
47345号公報、同47346号公報等で提案されて
いる。具体的には、シリカ微粉体とシランカップリング
剤を反応させ、シリカ微粉体表面のシラノール基を他の
有機基で置換し疎水化する方法であり、シランカップリ
ング剤としては例えばジメチルジクロルシラン、トリメ
チルアルコキシシラン等が使用されている。
【0011】しかしながら、これらのシリカ微粉体は疎
水化の程度が十分とはいえず、高湿条件下に放置された
場合、トナーの帯電特性が低下してしまうという問題点
を有していた。
【0012】この様な問題に対し、特開昭63−139
367号公報、同139368号公報等では、シランカ
ップリング剤で処理した後、更にシリコーンオイルで処
理することによって得られた2段処理シリカ微粉体を用
いることによって、高温高湿環境下でのトナーの帯電特
性や画像形成装置とのマッチングが改善されることが開
示されている。
【0013】しかしながら、上記の如き2段処理シリカ
微粉体を、強い帯電特性を有するため、トナーの過剰帯
電状態による上記の如きスリーブゴースト現象等を引き
起こし易く、更なる高画質化のために、一層の改善が望
まれていた。
【0014】ところで、これまで、転写されずに感光体
上に残った転写残余のトナーは、種々の方法でクリーニ
ング除去された後、いわゆる「廃トナー」として回収、
排出され、再度使用されることはなかった。廃トナーは
廃棄物(廃プラスチック)として処理されるため、資源
の有効利用や該廃棄物の低減、更には生活環境への配慮
等の観点より、廃トナーを再使用する、いわゆるトナー
リユースに対する検討が広く行われている。廃トナーの
再利用が可能となれば、上記の如きトナーの有効利用の
みならず画像形成装置のコンパクト化等、その他のメリ
ットも考えられる。
【0015】しかし、実際には、廃トナーの再利用を行
うと、画像濃度の低下や画像カブリ等の発生により画像
品質に悪影響を及ぼしたり、画像形成装置とのマッチン
グに不具合を生じた。
【0016】したがって、上記の如きトナーリユースに
適用されるトナーには、従来よりトナーに望まれた現像
性、環境安定性、低温定着性、耐オフセット性、及び、
保存性等の各特性の他に、外力に対する機械的強度や耐
久性、更には、廃トナーの現像部分への搬送性に優れる
ことも要求されてくる。
【0017】上記に挙げた様なトナーに対して要求され
る種々の性能は互いに相反的であることが多く、しかも
それらを共に高性能に満足することが近年ますます望ま
れている。この様な状況下、各トナー構成材料の果たす
役割は大きく、高機能化が求められると共に、トナーの
優れた特性を引き出す画像形成システムの設計が重要と
なっている。しかし、上記問題点について包括した統括
的対応について未だ十分なものはない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
高湿や低温低湿などの使用環境の変化に対して常に良好
な帯電特性を発揮することのできるトナーを提供するこ
とにある。
【0019】本発明の他の目的は、現像、帯電、転写、
及び、クリーニング等のプロセスを含む電子写真法にお
いて、長期に亘って多数の画像を形成した場合にも安定
した画像が得られる耐久性と画像形成装置とのマッチン
グに優れたトナーを提供することにある。
【0020】また、本発明の他の目的は、転写残余のト
ナーの再利用を目的としたトナーリユースシステムやフ
ルカラーの画像形成システムに用いられるトナーにまつ
わる種々の問題点を解決し、高品位な画像を与えるトナ
ーを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み、鋭意検討の結果、少なくともシリコーンオイルとシ
リル化剤及び/又はシランカップリング剤で処理した無
機微粒子中に、特定量のシラノール化合物を含有させた
無機微粒子をトナー中に含有させることにより上記問題
点を克服できることを見出したものである。
【0022】即ち、本発明は、トナー粒子と無機微粒子
を少なくとも有する乾式トナーであって、該無機微粒子
が、少なくとも、(i)シリコーンオイルと、(ii)
シリル化剤及び/又はシランカップリング剤と、(ii
i)シラノール化合物とで処理されており、且つ、該無
機微粒子中のシラノール化合物の含有量が15〜100
0ppmであることを特徴とする乾式トナーに関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の主な特徴は、少なくとも
シリコーンオイルとシリル化剤及び/又はシランカップ
リング剤で処理した無機微粒子中に、特定量のシラノー
ル化合物を含有させたことである。
【0024】本発明において、シラノール化合物の含有
量は、無機微粒子中に15〜1000ppm、好ましく
は、20〜500ppmである。
【0025】シラノール化合物を上記の範囲で無機微粒
子に含有させることで、トナーの帯電特性を損なうこと
なく、過剰帯電を防止することができる。この理由につ
いては明確ではないが、シラノール化合物が有する水酸
基が過剰帯電の防止に有効に作用していると共に、シリ
ル化剤及び/又はシランカップリング剤とシリコーンオ
イルとの親和性を高め、より均一な帯電性を生み出して
いるからだと考えている。
【0026】シラノール化合物の含有量が、15ppm
未満では添加効果が発現せず、また、1000ppmを
超えると高温高湿環境下での帯電特性や画像形成装置と
のマッチングに支障を来すようになる。
【0027】本発明に用いられるシラノール化合物は、
一般式 RmSi(OH)n R:アルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリ
ル酸を含む炭化水素基 m:1〜3の整数 n:1〜3の整数 で示されるものが挙げられ、具体的には、トリメチルシ
ラノール、t−ブチルジメチルジラノール、トリイソプ
ロピルシラノール等を挙げることができる。
【0028】本発明において、トナー中の無機微粒子に
含有されるシラノール化合物の定量方法としては、従来
公知の方法を用いることができるが、好ましくはヘッド
スペースサンプラーを前処理装置として備えたGC/M
Sを用い、MHE法(マルチプル・ヘッドスペース法)
によって測定される。
【0029】ヘッドスペースサンプラーを前処理装置と
して備えたGC/MSを用いて定量を行う場合の具体例
を以下に記す。
【0030】〈測定条件〉 ヘッドスペースサンプラー:HS40XL(PERKI
N ELMER社製) GC/MS:TraceGC/TraceMS(The
moQuest社製) カラム:HP−1(0.32mmI.D.×30m,D
f=0.25μm、HP社製) 試料:無機微粒子(500mg)をサンプルバイアル
(22ml)に精秤し、密栓をする。これを90℃で2
0分間保持し、サンプルバイアル内を平衡状態とし、測
定サンプルとした。 サンプリング:ヘッドスペースサンプラーの試料ホルダ
ーを90℃、ニードル部分を110℃、導入路を140
℃に温調した後、サンプルバイアルにニードル部分を挿
入し、キャリアガスを0.2分間圧入した後、サンプル
ガスを0.04分間取り出した。 キャリアガス:He、50kPa オーブン温度:50℃で5分間保持した後、10℃/分
で100℃に昇温 注入口温度 :150℃ スプリットフロー:10ml/分 検量線の作成:対象となるシラノール化合物をサンプル
バイアル内に精秤・密栓後、同様に定量する。この操作
を複数回繰り返した結果より検量線を作成した。
【0031】上記無機微粒子のシラノール化合物による
処理方法としては、直接、又は有機溶剤等に希釈して噴
霧したり、無機微粒子の原体を処理する際に、予めシリ
ル化剤及び/又はシランカップリング剤やシリコーンオ
イルに混合しておいてもよい。
【0032】また、シリル化剤及び/又はシランカップ
リング剤の処理条件をコントロールすることにより、シ
リル化剤及び/又はシランカップリング剤の無機微粒子
表面の官能基への反応と、加水分解によるシラノール化
合物の生成反応とを競争させ、無機微粉体の疎水化とシ
ラノール化合物による処理を同時に行ってもよい。
【0033】なお、本発明に係る無機微粉体中へのシラ
ノール化合物の含有量は、単に係る製造時のシラノール
化合物の仕込量やシリル化剤及び/又はシランカップリ
ング剤の加水分解生成物の量で決まるものではなく、製
造工程全般を通しての加熱条件に依存する部分が大き
い。
【0034】即ち、無機微粉体中へのシラノール化合物
の含有量を特定の範囲にコントロールすることは、シラ
ノール化合物のもっている物理的特性に加えて、無機微
粒子の製造条件を最適なものとするための指標ともなっ
ていると考えられる。
【0035】本発明に用いられる無機微粒子の原体とし
ては、シリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物の微
粉体が好ましく、特にシリカ微粉体が良好に用いられ
る。具体的には、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化に
より生成されたいわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシ
リカと称される乾式シリカ、又は、水ガラス等から製造
されるいわゆる湿式シリカであるが、シリカ微粉体の表
面や内部のシラノール基が少なく、また、Na2O、S
3 -等の製造残査のない乾式シリカの方が好ましい。ま
た、乾式シリカの製造工程において、例えば、塩化アル
ミニウムや塩化チタン等、他の金属ハロゲン化合物をケ
イ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカ
と他の金属酸化物の複合微粉体とすることも可能であ
り、それらを用いても良い。
【0036】上記無機微粒子の原体としては、BET法
で測定した窒素吸着によるBET比表面積が70〜35
0m2/gのものが、後述する表面処理やトナーの帯電
特性の観点から好ましい。
【0037】本発明に用いられるシリル化剤及び/又は
シランカップリング剤は、ヘキサメチルジシラザン、又
は、一般式 RmSiYn R:アルコキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 Y:アルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリ
ル酸を含む炭化水素基 n:1〜3の整数 で示されるものが挙げられ、具体的には、ジメチルジク
ロルシラン、トリメチルクロルシラン、ヘキサメチルジ
シラザン等を挙げることができる。
【0038】上記無機微粒子のシランカップリング剤処
理は、無機微粉体を撹拌等によりクラウド状としたもの
に気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理
又は、無機微粉体を溶媒中に分散させシランカップリン
グ剤を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた方法で
処理することができる。
【0039】本発明に用いられるシリコーンオイルは、
下記の一般式
【化1】 R :C1 3のアルキル基 R′ :アルキル、ハロゲン変性アルキル、フェニル、
変性フェニル等のシリコーンオイル変性基 R″ :C1 3のアルキル基、又はアルコキシル基 m,n:0以上の整数であり、同時に0とはならない で示されるものが挙げられ、具体的には、ジメチルシリ
コーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メ
チルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシ
リコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、又は、
シリコーンワニス等を挙げることができる。
【0040】また、アミノ変性シリコーンオイルを用い
ることも好ましく、下記の一般式で示されるものが挙げ
られる。
【化2】 1,R6:水素、アルキル基、アリール基、又はアルコ
キシ基 R2 :アルキレン基、フェニレン基 R3 :含窒素複素環をその構造に有する化合物 R4,R5:水素、アルキル基、アリール基 m :1以上の整数 l,n :0以上の整数であり、同時に0とはならない
【0041】但し、上記アルキル基、アリール基、アル
キレン基、フェニレン基はアミンを含有していても良
く、帯電性を損ねない範囲でハロゲンの如き置換基を有
していても良い。
【0042】また、上記構造中、最も好ましいものは、
窒素原子を含む側鎖中の窒素原子の数が1か2であるも
ので、シリコーンオイルの窒素原子当量は10000以
下のものが好ましく、より好ましくは300〜2000
で、単一のシリコーンオイルを用いるだけでなく、2種
類以上のシリコーンオイルを混合して、この範囲に調整
して用いてもよい。尚、ここでいう窒素原子当量とは、
シリコーンオイルの分子量を1分子中に存在する窒素原
子の個数で除して得られる値をもって定義される。
【0043】また、上記シリコーンオイルは好ましくは
25℃における粘度がおよそ50〜1000センチスト
ークス(cSt)のものが用いられる。シリコーンオイ
ルの粘度が低すぎると低分子量成分の含有比率が増加す
るため、トナーの帯電特性に悪影響を及ぼしたり、無機
微粒子の製造時に加熱処理等を行うと揮発分が発生す
る。また、粘度が高くなり過ぎると無機微粒子の均一処
理が困難となり、結果としてトナーの均一帯電性や流動
性に問題を生じるため、好ましくない。
【0044】無機微粒子のシリコーンオイル処理には公
知の技術が用いられ、例えば無機微粒子とシリコーンオ
イルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混
合しても良いし、シリコーンオイルを噴霧する方法によ
っても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを
溶解あるいは分散せしめた後、無機微粒子とを混合した
後、溶剤を除去して製造しても良い。
【0045】本発明に係る無機微粒子の製造方法の好ま
しい実施形態としては、先ず、シランカップリング剤で
処理した後にシリコーンオイル処理する。シリコーンオ
イル処理後シランカップリング処理では、シランカップ
リング剤が無機微粉体表面の官能基と反応できず、遊離
のシランカップリング剤ができてしまう。また製造上好
ましい方法として、シランカップリング剤とシリコーン
オイルの同時処理が考えられるが、同時処理を行うと無
機微粉体の疎水化がうまくゆかず、充分に疎水化した無
機微粉体を得ることができない。この理由は明確ではな
いが、シリコーンオイルの付着とシランカップリング剤
の反応が競争反応となることにより、シランカップリン
グ剤が無機微粉体表面の官能基と反応できず遊離のシラ
ンカップリング剤ができる。又は、シリコーンオイルと
シランカップリング剤の反応がおこってしまうことも考
えられる。
【0046】本発明に係る無機微粉体の疎水化度は、以
下の方法で測定される。密栓式の容器に純水100m
l、及び、試料1gを入れ、振とう機にて10分間振と
うする。振とう後10分間静置し、無機微粉体層と水層
が分離した後水層のみを採取し、500nmの波長で無
機微粉体を入れていないブランクの純水を基準として透
過率を測定し、その透過率の値をもって無機微粉体の疎
水化度とする。
【0047】本発明における無機微粉体の疎水化度は、
90%以上、好ましくは95%以上であることが望まし
い。疎水化度がこれを下回ると、高湿下でのシリカ微粉
体の水分吸着により高品位の画像が得られなくなる。
【0048】本発明におけるシランカップリング剤の処
理量は、シランカップリング剤での処理の段階で疎水化
率が低いと、次のシリコーンオイル処理段階で多量のシ
リコーンオイルが必要となるため、用いるカップリング
剤のハロゲン基,アルコキシ基の数によっても異なる
が、無機微粉体表面の官能基数(一般に乾式シリカのシ
ラノール基の数は2〜3個/nm2)を考慮して、50
%以上、より好ましくは70%以上のシラノール基と反
応できる量を用いるべきである。
【0049】また、シリコーンオイルの処理量は、前段
階で無機微粉体が適度に疎水化されているため、少量で
良く、無機微粉体100質量部に対して3〜50質量部
が好ましく、より好ましくは5〜30質量部の範囲にす
ることが好ましい。シリコーンオイル処理量が少なすぎ
ると、シランカップリング剤処理のみと同一の結果と異
なり、耐湿性が向上せず、高湿下では無機微粉体が吸湿
してしまい高品位の画像が得られなくなる。また、シリ
コーンオイル処理量が多すぎると、前述の無機微粉体の
凝集体ができやすくなり、また、はなはだしくは遊離の
シリコーンオイルを生じてしまうため、現像剤に適用し
た場合、流動性を向上することができない等の欠点が生
じる。
【0050】本発明に係る無機微粒子の粒径は、平均の
一次粒径として、1〜500nmの範囲内であることが
望ましく、特に好ましくは、5〜200nmの範囲内の
無機微粉体を使用するのが良い。
【0051】上記無機微粒子の添加量は、トナー粒子1
00質量部に対して、0.1〜5質量部、より好ましく
は0.3〜3質量部である。
【0052】更に高画質化のため微小な潜像ドットを忠
実に現像するために、トナー粒子は、重量平均径が3〜
9μm(好ましくは3〜8μm)であり、個数分布にお
ける変動係数(A)が35%以下であることが好まし
い。重量平均径が3μm未満のトナー粒子においては、
転写効率の低下から感光体や中間転写体上に転写残のト
ナー粒子が多く、さらに、カブリ、転写不良に基づく画
像の不均一ムラの原因となりやすい。トナー粒子の重量
平均径が9μmを超える場合には、感光体表面、中間転
写材等の部材への融着が起きやすい。トナー粒子の個数
分布における変動係数が35%を超えると更にその傾向
が強まる。
【0053】トナー粒子の個数分布における変動係数A
は下記式から算出される。
【0054】変動係数A=〔S/D1〕×100 〔式中、Sは、トナー粒子の個数分布における標準偏差
値を示し、D1は、トナー粒子の個数平均粒径(μm)
を示す。〕
【0055】トナー粒子の製造方法として直接重合方法
を利用する場合、トナー粒子の粒度分布制御や粒径の制
御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散
剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件(例え
ばローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の撹拌条
件や容器形状)又は、水溶液中での固形分濃度等を制御
することにより所定のトナー粒子を得ることができる。
【0056】本発明のトナーにおいて結着樹脂として、
ポリエステル樹脂又はビニル系樹脂又はそれらの混合物
が好ましく用いられる。
【0057】ポリエステル樹脂の組成を以下に説明す
る。
【0058】ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55
mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%
が酸成分である。
【0059】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式
(A)で表わされるビスフェノール誘導体;
【0060】
【化3】
【0061】また式(B)で示されるジオール類;
【0062】
【化4】 等のジオール類が挙げられる。
【0063】全酸成分中50mol%以上を含む2価の
カルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又は
その無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水
物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基で置換され
たこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン
酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン
酸又はその無水物等が挙げられる。
【0064】さらに、アルコール成分としてグリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテ
ルの如き多価アルコール類が挙げられ、酸成分としてト
リメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸やその無水物の如き多価カルボン酸類が挙げ
られる。
【0065】本発明に好ましいポリエステル樹脂のアル
コール成分としては、前記式(A)で示されるビスフェ
ノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n
−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類が挙げ
られる。架橋成分としては、無水トリメリット酸、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、ペンタエリスリトール、
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテ
ルが好ましいものとして挙げられる。
【0066】ポリエステル樹脂のガラス転移温度は40
〜90℃が好ましく、より好ましくは45〜85℃であ
る。ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は1,0
00〜50,000であることが好ましく、より好まし
くは1,500〜20,000であり、さらに好ましく
は2,500〜10,000である。ポリエステル樹脂
の重量平均分子量(Mw)は3,000〜3,000,
000であることが好ましく、より好ましくは10,0
00〜2,500,000であり、さらに好ましくは4
0,000〜2,000,000である。
【0067】ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モ
ノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0068】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,
4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p
−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p
−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如
きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフ
ィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハ
ロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの
如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアク
リル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエ
ーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリ
ル酸誘導体もしくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β
−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類が挙げ
られる。
【0069】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0070】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタ
クリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシル基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0071】ビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は
45〜80℃であることが好ましく、より好ましくは5
5〜70℃である。ビニル系樹脂の数平均分子量(M
n)は2,500〜50,000であることが好まし
く、より好ましくは3,000〜20,000である。
ビニル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000
〜1,500,000であることが好ましく、より好ま
しくは25,000〜1,250,000である。
【0072】トナーを溶剤(例えは、テトラヒドロフラ
ン)に溶解し、その濾液のゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ(GPC)による分子量分布測定において、
分子量2,000〜40,000、好ましくは3,00
0〜30,000、より好ましくは3,500〜20,
000の低分子量領域、及び分子量50,000〜1,
200,000、好ましくは80,000〜1,10
0,000、より好ましくは100,000〜1,00
0,000の高分子量領域にそれぞれピークを有してい
ることが好ましい。
【0073】さらに好ましくは、濾液のGPCによる分
子量分布測定において、分子量45,000以下の低分
子量領域の部分と、それより大きい高分子量領域の部分
の面積比が1:9〜9.5:0.5、好ましくは2:8
〜9:1、より好ましくは3:7〜8.5:1.5の範
囲にあることが好ましい。
【0074】本発明に好適なワックス成分は、示差走査
熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に
70〜130℃の領域に最大吸熱ピークを示し、該最大
吸熱ピークのピーク温度に対して±9℃の範囲に降温時
の最大発熱ピークを有する。
【0075】本発明に好ましく用いられるワックスは、
次のようなワックスから得られるものである。パラフィ
ンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその
誘導体、マイクロクリスタルワックス及びその誘導体、
フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリ
オレフィンワックス及びその誘導体が挙げられ、誘導体
に酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、
グラフト変性物を含む。
【0076】その他のワックスとしては、アルコール及
びその誘導体、脂肪酸及びその誘導体、酸アミド、エス
テル、ケトン、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワ
ックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラク
タムも利用できる。前記誘導体には、ケン化物、塩、ア
ルキレンオキサイド付加物、エステルが含まれる。
【0077】中でも好ましく用いられるワックスは、ア
ルキレンを高圧下でラジカル重合或いはチーグラー触媒
を用いて重合した低分子量のポリアルキレン及びこの時
の副生成物;高分子量のポリアルキレンを熱分解して得
られる低分子量のポリアルキレン;一酸化炭素及び水素
からなる合成ガスから触媒を用いて得られる炭化水素の
蒸留残分、或いはこれらを水素添加して得られる合成炭
化水素;から得られるワックスが用いられ、酸化防止剤
が添加されていてもよい。或いは、直鎖状のアルコー
ル、アルコール誘導体、脂肪酸、酸アミド、エステル或
いは、モンタン系誘導体である。更に、脂肪酸の不純物
を予め除去してあるものも好ましい。
【0078】特に好ましいものは、チーグラー触媒でエ
チレンの如きアルキレンを重合したもの及びこの時の副
生成物、フィッシャートロプシュワックスの如き炭素数
が数千、特に千ぐらいまでの炭化水素を母体とするもの
が良い。
【0079】これらのワックスから、プレス発汗法、溶
剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化(例え
ば、融液晶析及び結晶ろ別)等を利用して、ワックスを
分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用い
られる。また分別後に、酸化やブロック共重合、グラフ
ト変性を行なってもよい。例えば、これらの方法で、低
分子量分を除去したもの、低分子量分を抽出したもの、
更にこれらから低分子量分を除去したものなどの任意の
分子量分布を持つものである。
【0080】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他
の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような
金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,P
b,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0081】磁性材料としては、従来、四三酸化鉄(F
34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe
512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄
ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe
24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知
られているが、本発明によれば、上述した磁性材料を単
独で或いは2種以上の組合せで選択使用する。本発明の
目的に特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二
酸化鉄の微粉末である。
【0082】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm程度で、10Kエルステッド印加での磁気特性が抗
磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200
emu/g(好ましくは50〜100emu/g)、残
留磁化2〜20emu/gのものが望ましい。
【0083】結着樹脂100質量部に対して、磁性体1
0〜200質量部、好ましくは20〜150質量部使用
するのが良い。
【0084】磁性体の他に着色剤としては、カーボンブ
ラック,チタンホワイトやその他あらゆる顔料及び/又
は染料を用いることができる。例えば本発明のトナーを
磁性カラートナーとして使用する場合には、染料として
は、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクト
レッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシ
ックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.
I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー
2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブル
ー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシ
ックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.
ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン
4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料とし
ては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイ
エロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タート
ラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマ
ネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジ
ンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド
4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレー
キ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファスト
バイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コ
バルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブル
ーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブ
ルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸
化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーン
レーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0085】また、本発明のトナーを二成分フルカラー
用トナーとして使用する場合には、次の様なものが挙げ
られる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメ
ントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35等が挙げられる。
【0086】係る顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマゼン
タ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,
8,23,24,25,27,30,49,81,8
2,83,84,100,109,121、C.I.デ
ィスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット
8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバ
イオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド
1,2,9,12,13,14,15,17,18,2
2,23,24,27,29,32,34,35,3
6,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイ
オレット1,3,7,10,14,15,21,25,
26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0087】その他の着色顔料として、シアン用着色顔
料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,
16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッ
ドブルー45又は次式で示される構造を有するフタロシ
アニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した
銅フタロシアニン顔料等である。
【0088】
【化5】
【0089】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0090】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
質量部に対して、0.1〜60質量部、好ましくは0.
5〜50質量部である。
【0091】本発明のトナーは、荷電制御剤を含有して
いても良い。
【0092】例えば有機金属錯体、キレート化合物、有
機金属塩が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯
体;芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
化合物の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカル
ボン酸及びその無水物、そのエステル類;ビスフェノー
ルの如きフェノール誘導体が挙げられる。
【0093】次に本発明のトナーが適用される画像形成
方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0094】図1に示す装置システムにおいて、現像器
4−1、4−2、4−3、4−4に、それぞれシアント
ナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、
イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有
する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性
一成分方式等によって静電潜像担持体(例えば感光体ド
ラム)1に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像
が感光体ドラム1上に形成される。
【0095】本発明のトナーは、磁性キャリアと混合
し、例えば図2に示すような現像手段を用い現像を行う
ことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気
ブラシが感光体ドラム13に接触している状態で現像を
行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)1
1と感光体ドラム13の距離(S−D間距離)Bは10
0〜1000μmであることがキャリア付着防止及びド
ット再現性の向上において良好である。100μmより
狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が
低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力
線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性
に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付
着が生じやすくなる。
【0096】交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は5
00〜5000Vが好ましく、周波数(f)は500〜
10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであ
り、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができ
る。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、
あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いる
ことができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な
画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナー
を良好に回収することができない場合がある。5000
0Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱
してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0097】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0098】コントラスト電位としては、十分画像濃度
がでるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0099】周波数が500Hzより低いとプロセスス
ピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こる
ためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を
低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界
に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0100】十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリ
ーブ11上の磁気ブラシの感光体ドラム13との接触幅
(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることで
ある。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度
とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8
mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作
を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑さえ
ることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、
現像剤規制部材18と現像スリーブ11との距離Aを調
整したり、現像スリーブ11と感光体ドラム13との距
離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0101】特にハーフトーンを重視するようなフルカ
ラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及び
イエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明の現
像剤及び現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した
現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響
がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実
に現像することが可能となる。転写工程においても本発
明トナーを用いることで高転写率が達成でき、したがっ
て、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0102】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
トナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下
のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0103】本発明のトナーは一成分現像にも好適に用
いることが出来る。静電潜像担持体上に形成された静電
像を現像する装置の一例を示すが必ずしもこれに限定さ
れるものではない。
【0104】図3において、25は静電潜像担持体(感
光体ドラム)であり、潜像形成は電子写真プロセス手段
又は静電記録手段により成される。24はトナー担持体
(現像スリーブ)であり、アルミニウムあるいはステン
レス等からなる非磁性スリーブからなる。
【0105】現像スリーブ24の略右半周面はトナー容
器21内のトナー溜りに常時接触していて、その現像ス
リーブ面近傍のトナーが現像スリーブ面にスリーブ内の
磁気発生手段の磁力で及び/又は静電気力により付着保
持される。
【0106】本発明では、トナー担持体の表面粗度Ra
(μm)を1.5以下となるように設定する。好ましく
は1.0以下である。更に好ましくは0.5以下であ
る。該表面粗度Raを1.5以下とすることでトナー担
持体の有するトナー粒子の搬送能力を抑制し、該トナー
担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持
体とトナーの接触回数が多くなる為、該トナーの帯電性
も改善されるので相乗的に画質が向上する。
【0107】該トナー担持体の表面粗度Raが1.5を
超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難
となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画
質の向上は望めない。
【0108】本発明において、トナー担持体の表面粗度
Raは、JIS表面粗さ「JISB 0601」に基づ
き、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式
会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗
さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、
この抜き取り部分の中心線をX軸,縦倍率の方向をY
軸,粗さ曲線をy=f(x)で表わした時、次式によっ
て求められる値をミクロメートル(μm)で表わしたも
のをいう。
【0109】
【数1】
【0110】本発明に用いられるトナー担持体として
は、たとえばステンレス,アルミニウム等から成る円筒
状、あるいはベルト状部材が好ましく用いられる。また
必要に応じ表面を金属,樹脂等のコートをしても良く、
樹脂や金属類,カーボンブラック,帯電制御剤等の微粒
子を分散した樹脂をコートしても良い。
【0111】本発明では、トナー担持体の表面移動速度
を静電潜像担持体の表面移動速度に対し1.05〜3.
0倍となるように設定することで、該トナー担持体上の
トナー層は適度な撹拌効果を受ける為、静電潜像の忠実
再現が一層良好なものとなる。
【0112】該トナー担持体の表面移動速度が、静電潜
像担持体の表面移動速度に対し1.05倍未満である
と、該トナー層の受ける撹拌効果が不十分となり、良好
な画像形成は望めない。また、ベタ黒画像等、広い面積
にわたって多くのトナー量を必要とする画像を現像する
場合、静電潜像へのトナー供給量が不足し画像濃度が薄
くなる。逆に3.0を超える場合、上記の如きトナーの
過剰な帯電によって引き起こされる種々の問題の他に、
機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体への
トナー固着が発生、促進され、好ましくない。
【0113】トナーTはホッパー21に貯蔵されてお
り、供給部材22によって現像スリーブ上へ供給され
る。供給部材として、多孔質弾性体、例えば軟質ポリウ
レタンフォーム等の発泡材より成る供給ローラーが好ま
しく用いられる。該供給ローラーを現像スリーブに対し
て、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転さ
せ、現像スリーブ上へのトナー供給と共に、スリーブ上
の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行
う。この際、供給ローラーの現像スリーブへの当接幅
は、トナーの供給及びはぎ取りのバランスを考慮する
と、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜6.0
mmがより好ましい。その一方で、トナーに対する過大
なストレスを余儀なくされ、トナーの劣化による凝集の
増大、あるいは現像スリーブ,供給ローラー等へトナー
の融着・固着が生じやすくなるが、本発明の現像法に用
いられるトナーは、流動性,離型性に優れ、耐久安定性
を有しているので、該供給部材を有する現像法において
も好ましく用いられる。また、供給部材として、ナイロ
ン,レーヨン等の樹脂繊維より成るブラシ部材を用いて
もよい。尚、これらの供給部材は磁気拘束力を利用でき
ない非磁性一成分トナーを使用する一成分現像方法にお
いて極めて有効であるが、磁性一成分トナーを使用する
一成分現像方法に使用してもよい。
【0114】現像スリーブ上に供給されたトナーは規制
部材によって薄層かつ均一に塗布される。トナー薄層化
規制部材は、現像スリーブと一定の間隙をおいて配置さ
れる金属ブレード、磁性ブレード等のドクターブレード
である。あるいは、ドクターブレードの代りに、金属,
樹脂,セラミックなどを用いた剛体ローラーやスリーブ
を用いても良く、それらの内部に磁気発生手段を入れて
も良い。
【0115】また、トナー薄層化の規制部材としてトナ
ーを圧接塗布する為の弾性ブレードや弾性ローラーの如
き弾性体を用いても良い。例えば図3において、弾性ブ
レード23はその上辺部側である基部を現像剤容器21
側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して
現像スリーブ24の順方向或いは逆方向にたわめ状態に
してブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリ
ーブ24表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。こ
の様な装置によると、環境の変動に対しても安定で、緻
密なトナー層が得られる。その理由は必ずしも明確では
ないが、該弾性体によって現像スリーブ表面と強制的に
摩擦される為トナーの環境変化による挙動の変化に関係
なく常に同じ状態で帯電が行われるためと推測される。
【0116】その一方で帯電が過剰になり易く、現像ス
リーブや弾性ブレード上にトナーが融着し易いが、本発
明に用いられるトナーは離型性に優れ摩擦帯電性が安定
しているので好ましく用いられる。
【0117】該弾性体には所望の極性にトナーを帯電さ
せるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好
ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如き
ゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹
脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体
が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。
【0118】また、弾性体とトナー担持体に耐久性が要
求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ
当接部に当るように貼り合わせたり、コーティング塗布
したものが好ましい。
【0119】更に、弾性体中に有機物や無機物を添加し
ても良く、溶融混合させても良いし、分散させても良
い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素
同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性
剤などを添加することにより、トナーの帯電性をコント
ロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の
場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化
ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボン
ブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含
有させることも好ましい。
【0120】またさらに、規制部材である現像ブレー
ド,供給部材である供給ローラー,ブラシ部材に直流電
場及び/または交流電場を印加することによっても、ト
ナーへのほぐし作用のため現像スリーブ上の規制部位に
おいては、均一薄層塗布性,均一帯電性がより向上し、
供給部位においては、トナーの供給/はぎとりがよりス
ムーズになされ、十分な画像濃度の達成及び良質の画像
を得ることができる。
【0121】該弾性体とトナー担持体との当接圧力は、
トナー担持体の母線方向の線圧として、0.1kg/m
以上、好ましくは0.3〜25kg/m、更に好ましく
は0.5〜12kg/mが有効である。これによりトナ
ーの凝集を効果的にほぐすことが可能となり、トナーの
帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。当接圧力
が0.1kg/mより小さい場合、トナーの均一塗布が
困難となり、トナーの帯電量分布がブロードになりカブ
リや飛散の原因となる。また当接圧力が25kg/mを
超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーが劣化
したり、トナーの凝集物が発生するなど好ましくない。
またトナー担持体を駆動させるために大きなトルクを要
するため好ましくない。
【0122】静電潜像担持体とトナー担持体との間隙α
は、50〜500μmに設定され、ドクターブレードと
トナー担持体との間隙は、50〜400μmに設定され
ることが好ましい。
【0123】トナー担持体上のトナー層の層厚は、静電
潜像担持体とトナー担持体との間隙αよりも薄いことが
最も好ましいが、場合によりトナー層を構成する多数の
トナーの穂のうち、一部は静電潜像担持体に接する程度
にトナー層の層厚を規制してもよい。
【0124】一方、トナー担持体には、バイアス電源2
6により静電潜像担持体との間に交番電界を印加するこ
とによりトナー担持体から静電潜像担持体へのトナーの
移動を容易にし、更に良質の画像を得ることが出来る。
交番電界のVppは100V以上、好ましくは200〜
3000V、更に好ましくは300〜2000Vで用い
るのが良い。また、fは500〜5000Hz、好まし
くは1000〜3000Hz、更に好ましくは1500
〜3000Hzで用いられるこの場合の波形は、矩形
波、サイン波、のこぎり波、三角波等の波形が適用でき
る。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイ
アスも利用できる。また直流バイアスを重畳するのも好
ましい。
【0125】静電潜像担持体1はa−Se、Cds、Z
nO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持
つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。静電潜像担持
体1は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転され
る。
【0126】静電潜像担持体1としては、アモルファス
シリコン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好
ましく用いられる。
【0127】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、
単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成
分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体
上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されてい
る構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0128】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写
性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体
へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにく
い。
【0129】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる静電
潜像担持体1とは非接触である方式と、ローラ等を用い
る接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率
的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図
1に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0130】帯電ローラ2は、中心の芯金2bとその外
周を形成した導電性弾性層2aとを基本構成とするもの
である。帯電ローラ2は、静電潜像担持体1面に押圧力
をもって圧接され、静電潜像担持体1の回転に伴い従動
回転する。
【0131】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス
条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cm
で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時に
は、交流電圧は0.5〜5kVpp、交流周波数は50
Hz〜5kHz、直流電圧は±0.2〜±1.5kVで
あり、直流電圧のみを用いた時には、直流電圧は±0.
2〜±5kVである。
【0132】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オ
ゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0133】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能
である。
【0134】静電潜像担持体上のトナー像は、電圧(例
えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写
体5に転写される。静電潜像担持体表面は、クリーニン
グブレード8を有するクリーニング手段9でクリーニン
グされる。
【0135】中間転写体5は、パイプ状の導電性芯金5
bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層5aから
なる。芯金5bは、プラスチックのパイプに導電性メッ
キをほどこしたものでも良い。
【0136】中抵抗の弾性体層5aは、シリコーンゴ
ム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、
EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)
などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化
スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電
気抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011Ω・cmの中
抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層であ
る。
【0137】中間転写体5は静電潜像担持体1に対して
並行に軸受けさせて静電潜像担持体1の下面部に接触さ
せて配設してあり、静電潜像担持体1と同じ周速度で矢
印の反時計方向に回転する。
【0138】静電潜像担持体1の面に形成担持された第
1色のトナー像が、静電潜像担持体1と中間転写体5と
が接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体5に
対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電
界によって、中間転写体5の外面に対して順次に中間転
写されていく。
【0139】必要により、着脱自在なクリーニング手段
10により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写
体5の表面がクリーニングされる。中間転写体上にトナ
ー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニン
グ手段10は、中間転写体表面から離される。
【0140】中間転写体5に対して並行に軸受けさせて
中間転写体5の下面部に接触させて転写手段が配設さ
れ、転写手段7は例えば転写ローラ又は転写ベルトであ
り、中間転写体5と同じ周速度で矢印の時計方向に回転
する。転写手段7は直接中間転写体5と接触するように
配設されていても良く、またベルト等が中間転写体5と
転写手段7との間に接触するように配置されても良い。
【0141】転写ローラの場合、中心の芯金7bとその
外周を形成した導電性弾性層7aとを基本構成とするも
のである。
【0142】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0143】例えば、転写ローラ7の導電性弾性層7b
はカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチ
レン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)
等の体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつく
られている。芯金7aには定電圧電源によりバイアスが
印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±
10kVが好ましい。
【0144】本発明のトナーは、転写工程での転写効率
が高く、転写残余のトナーが少ない上に、クリーニング
性に優れているので、静電潜像担持体上にフィルミング
を生じにくい。さらに、多数枚耐久試験を行っても従来
のトナーよりも、本発明のトナーは外添剤のトナー粒子
表面への埋没が少ないため、良好な画質を長期にわたっ
て維持し得る。特に静電潜像担持体や中間転写体上の転
写残余のトナーをクリーニングブレードの如きクリーニ
ング手段で除去し、回収された該転写残余のトナーを再
度利用するいわゆるリユース機構を有する画像形成装置
に好ましく用いられる。
【0145】次いで転写材6上のトナー画像は加熱加圧
定着手段によって定着される。加熱加圧定着手段として
は、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラ
ーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ロー
ラーを基本構成とする熱ロール方式や、フィルムを介し
てヒーターにより加熱定着する方式が挙げられるが、本
発明のトナーは定着性と耐オフセット性に優れるので上
記の如き加熱加圧定着手段と良好なマッチングを示す。
【0146】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。
【0147】(無機微粒子の製造例1)BET比表面積
が300m2/gのシリカ微粉体100質量部を混合容
器中で激しく撹拌しながら、酢酸でpHを5.5に調整
した水を噴霧し、該シリカ微粉体の前処理を行った。更
に、ヘキサメチルジシラザン20質量部を該シリカ微粉
体に噴霧した。その後、120℃に加熱し、ヘキサメチ
ルジシラザンによるシリカ微粉体表面のシリル化処理と
ヘキサメチルジシラザンの加水分解反応によって生成す
るトリメチルシラノールによる表面被覆処理を行った
後、未反応のヘキサメチルジシラザン、過剰なトリメチ
ルシラノール、及び水分の除去を行い、ヘキサメチルジ
シラザンによるシリル化処理とトリメチルシラノールに
よる表面被覆処理を施した疎水化処理シリカ(A)を得
た。この時、該疎水化処理シリカ(A)には2000p
pmのトリメチルシラノールが残留していた。
【0148】更に、該疎水化処理シリカ(A)に、室温
での粘度が200cStのジメチルポリシロキサン10
質量部を有機溶剤で希釈したものを噴霧した。これを3
0℃まで昇温し、有機溶剤を除去しながらシリコーンオ
イルの焼き付け処理と残留シラノール量の調整を行い、
本発明に係る無機微粒子(A)を得た。
【0149】該無機微粒子(A)は、トリメチルシラノ
ールの含有量が50ppm、炭素含有量が5.3質量
%、疎水化度が98%で、平均の一次粒径は15nmで
あった。
【0150】(無機微粒子の製造例2〜5)シリル化剤
やシリコーンオイルの種類と使用量、及び、無機微粉体
の前処理方法やその後の加熱方法等の製造条件を変更す
る以外は、前記無機微粒子の製造例1と同様にして無機
微粒子中のシラノール化合物の含有量と炭素含有量が異
なる本発明に係る無機微粒子(B)〜(E)を得た。
【0151】(無機微粒子の比較製造例1)BET比表
面積が300m2/gのシリカ微粉体100質量部を混
合容器中で激しく撹拌しながら、トリメチルクロルシラ
ン5質量部をエタノールで希釈したものを該シリカ微粉
体に噴霧し、該シリカ微粉体の前処理を行った。その
後、前記無機微粒子の製造例1と同様にして比較用疎水
化処理シリカ(a)を得た。この時、該比較用疎水化処
理シリカ(a)には500ppmのトリメチルシラノー
ルが残留していた。
【0152】更に、該比較用疎水化処理シリカ(a)
に、室温での粘度が100cStのジメチルポリシロキ
サン35質量部を有機溶剤で希釈したものを噴霧し、前
記無機微粒子の製造例1と同様にして比較用無機微粒子
(a)を得た。
【0153】該比較用無機微粒子(a)は、トリメチル
シラノールの含有量が6ppm、炭素含有量が16.0
質量%、疎水化度が98%で、平均の一次粒径は22n
mであった。
【0154】(無機微粒子の比較製造例2)シリル化剤
の使用量、シリコーンオイルの種類と使用量、及び、無
機微粉体の前処理方法や加熱方法等の製造条件を変更す
る以外は、前記無機微粒子の比較製造例1と同様にして
無機微粒子中のシラノール化合物の含有量と炭素含有量
が異なる比較用無機微粒子(b)を得た。
【0155】(無機微粒子の製造例6)BET比表面積
が200m2/gの酸化チタン微粉体100質量部を混
合容器中で激しく撹拌しながら、酢酸でpHを4.5に
調整した水を噴霧し、該酸化チタン微粉体の前処理を行
った。更に、tert−ブチルジメチルクロルシラン1
5質量部を該酸化チタン微粉体に噴霧した。その後、1
20℃に加熱し、tert−ブチルジメチルクロルシラ
ンによる酸化チタン微粉体表面のシリル化処理とter
t−ブチルジメチルクロルシランの加水分解反応によっ
て生成するtert−ブチルジメチルシラノールによる
表面被覆処理を行った後、未反応のtert−ブチルジ
メチルクロルシラン、過剰なtert−ブチルジメチル
シラノール、及び水分の除去を行い、シリル化処理とt
ert−ブチルジメチルシラノールによる表面被覆処理
を施した疎水化処理酸化チタン(F)を得た。この時、
該疎水化処理酸化チタン(F)には3000ppmのt
ert−ブチルジメチルシラノールが残留していた。
【0156】更に、該疎水化処理酸化チタン(F)に、
室温での粘度が200cStのジメチルポリシロキサン
15質量部を有機溶剤で希釈したものを噴霧した。これ
を30℃まで昇温し、有機溶剤を除去しながらシリコー
ンオイルの焼き付け処理と残留シラノール量の調整を行
い、本発明に係る無機微粒子(F)を得た。
【0157】該無機微粒子(F)は、tert−ブチル
ジメチルシラノールの含有量が43ppm、炭素含有量
が5.1質量%、疎水化度が96%で、平均の一次粒径
は20nmであった。
【0158】(無機微粒子の比較製造例3)シリル化剤
とシリコーンオイルの使用量、及び、無機微粉体の前処
理方法や加熱方法等の製造条件を変更する以外は、前記
無機微粒子の製造例6と同様にして無機微粒子中のシラ
ノール化合物の含有量と炭素含有量が異なる比較用無機
微粒子(c)を得た。
【0159】上記で得られた無機微粉体の製造条件と性
状を下記の表1にまとめる。
【0160】
【表1】
【0161】(トナーの製造例1)下記材料を予め混合
物し、二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混
練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミ
ルで微粉砕し、得られた微粉砕物を分級してトナー粒子
を得た。
【0162】 ・結着樹脂(スチレン系樹脂、Tg:60℃) 100質量部 ・着色剤(カーボンブラック、粒径:50nm) 5質量部 ・荷電制御剤(モノアゾ系Fe錯体) 2質量部 ・高級アルコールワックス(融点:80℃) 5質量部
【0163】該トナー粒子の重量平均粒径は5.5μm
で、個数分布における変動係数は28%であった。
【0164】上記トナー粒子100質量部と本発明に係
る無機微粒子(A)1.5質量部を乾式混合して、本発
明のトナー(A)とした。この時、該トナー(A)中に
含有される無機微粒子(A)には、当初のシラノール化
合物含有量と炭素含有量が保持されていた。
【0165】(トナーの製造例2〜5、及び、比較製造
例1と2)無機微粉体(A)に代えて、無機微粉体
(B)〜(E)、及び、比較用無機微粉体(a)と
(b)の各々を用いる以外は、前記トナーの製造例1と
同様にして本発明のトナー(B)〜(E)、及び、比較
用トナー(a)と(b)を得た。
【0166】(トナーの製造例6)下記材料を予め混合
物し、二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混
練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミ
ルで微粉砕し、得られた微粉砕物を分級してブラック用
トナー粒子を得た。
【0167】 ・結着樹脂(ポリエステル系樹脂、Tg:60℃) 100質量部 ・着色剤(カーボンブラック、粒径:50nm) 5質量部 ・荷電制御剤(サリチル酸Al錯体) 2質量部 ・変性ポリプロピレンワックス(融点:115℃) 5質量部
【0168】該トナー粒子の重量平均粒径は6.0μm
で、個数分布における変動係数は30%であった。
【0169】上記ブラック用トナー粒子100質量部と
本発明の無機微粒子(F)1.0質量部を乾式混合し
て、本発明のトナー(F)とした。
【0170】(トナーの製造例7)着色剤として「C.
1.ピグメントレッド112」を5質量部用いる以外は
前記トナーの製造例6と同様にしてマゼンタ用トナー粒
子を得た後、本発明のトナー(G)とした。
【0171】(トナーの製造例8)着色剤として「C.
1.ピグメントブルー15」を5質量部用いる以外は前
記トナーの製造例6と同様にしてシアン用トナー粒子を
得た後、本発明のトナー(H)とした。
【0172】(トナーの製造例9)着色剤として「クロ
モフタロイエロー3G」を5質量部用いる以外は前記ト
ナーの製造例6と同様にしてイエロー用トナー粒子を得
た後、本発明のトナー(I)とした。
【0173】(トナーの比較製造例3)無機微粒子
(F)に代えて、比較用無機微粉体(c)を用いる以外
は、前記トナーの製造例6と同様にして比較用ブラック
トナー(c)を得た。
【0174】(トナーの比較製造例4)無機微粒子
(F)に代えて、比較用無機微粒子(c)を用いる以外
は、前記トナーの製造例7と同様にして比較用マゼンタ
トナー(d)を得た。
【0175】(トナーの比較製造例5)無機微粒子
(F)に代えて、比較用無機微粉体(c)を用いる以外
は、前記トナーの製造例8と同様にして比較用シアント
ナー(e)を得た。
【0176】(トナーの比較製造例6)無機微粒子
(F)に代えて、比較用無機微粉体(c)を用いる以外
は、前記トナーの製造例9と同様にして比較用イエロー
トナー(f)を得た。
【0177】〈実施例1〜5、及び、比較例1と2〉上
記のトナーの製造例1〜5、及び、比較製造例1と2で
得られたトナー(A)〜(E)、及び、比較用トナー
(a)と(b)を以下の画像形成装置(1)を用いて評
価を行った。
【0178】本実施例では市販のレーザービームプリン
ターLBP−EX(キヤノン社製)にリユース機構を取
り付け改造して用いた。即ち、画像形成装置(1)は、
図4において、感光体ドラム40上の未転写トナーを該
感光体ドラムに当接しているクリーナー41の弾性ブレ
ード42によりかき落とした後、クリーナーローラーに
よってクリーナー内部へ送り、更にクリーナースクリュ
ー43を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ4
4によってホッパー45を介して現像器46に戻し、再
度、回収トナーを利用するシステムを取り付け、一次帯
電ローラー47としてナイロン樹脂で被覆された導電性
カーボンを分散したゴムローラー(直径12mm,当接
圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体にレーザー
露光(600dpi)により暗部電位VD=−700
V、明部電位VL=−200Vを形成した。トナー担持
体として表面にカーボンブラックを分散した樹脂をコー
トした表面粗度Raが1.3を呈する現像スリーブ48
を感光ドラム面の移動速度に対して1.5倍となる様に
設定し、次いで、感光体ドラムと該現像スリーブとの間
隙(S−D間)を270μmとし、トナー規制部材とし
てウレタンゴム製ブレードを当接させて用いた。現像バ
イアスとして直流バイアス成分に交流バイアス成分を重
畳して用いた。また、加熱定着装置には、耐熱性ポリイ
ミドフィルムを使用したサーフ定着方式の定着装置を用
いた。
【0179】以上の設定条件で、常温常湿(25℃/6
0RH%)、低温低湿(15℃/10RH%)、又は、
高温高湿(30℃/80RH%)の各環境下、32枚
(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、各々のト
ナーを逐次補給しながら連続モード(すなわち、現像器
の動作を止めることなくトナーの消費を促進させるモー
ド)で5000枚のプリントアウト試験を行い、得られ
たプリントアウト画像を後述の項目について評価した。
【0180】また、画像形成装置(1)と各々のトナー
とのマッチングについても評価した。
【0181】なお、クリーニング工程により回収された
転写残余のトナーは、リユース機構により現像器に搬送
し、再使用した。
【0182】以上の評価結果を表2にまとめる。
【0183】
【表2】
【0184】〔評価方法〕 (1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(759/m2)に一辺が5mm
の正方形のベタ黒画像をプリントアウトし、「マクベス
反射濃度計RD 918」(マクベス社製)を用いて、
原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に
対する相対濃度を測定した。 A:1.40以上 B:1.25以上、1.40未満 C:1.00以上、1.25未満 D:1.00未満
【0185】(2)画像力ブリ ベタ白画像形成時の感光体上の転写残余のトナーをマイ
ラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙
上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD
918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラ
ーテープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引
いた数値を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブ
リが抑制されていることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上、0.07未満 C:0.07以上、1.00未満 D:1.00以上
【0186】(3)ドット再現性 潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい図5に
示す様な小径(50μm)の孤立ドットパターンの画像
をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。 A:100個中の欠損が2個以下 B:100個中の欠損が3〜5個 C:100個中の欠損が6〜10個 D:100個中の欠損が11個以上
【0187】(4)画像ゴースト 図6(A)に示した幅aで長さlのベタ黒の帯状画像X
をプリントアウトした後、図6(B)に示した幅b(>
a)で長さlのハーフトーン画像Yをプリントアウトし
た際、該ハーフトーン画像上に現れる濃淡差(図6
(C)のA,B,Cの部分)を目視で評価した。 A:濃淡差が全く見られない B:BとCの部分で軽微な濃淡差がみられる C:A,B,Cの各々で若干の濃淡差がみられる D:顕著な濃淡差が見られる
【0188】(5)画像ムラ 微細な細線による中問調の画質に関わる評価であり、1
ドットライン画像を1ドットスペースおきに普通紙(7
5g/m2)にプリントアウトした際に生じる細線のラ
イン幅の再現不良に起因する画像の濃度ムラを目視で評
価した。 A:良好なライン再現性を示し、濃度ムラの発生は見ら
れない B:軽微な濃度ムラが見られる C:プリントアウト方向の先端部分に濃度ムラが見られ
る D:ライン再現性に劣り、顕著な濃度ムラが見られる
【0189】(6)感光体ドラムとのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷やト
ナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視
で評価した。 A:固着は未発生 B:表面に傷が発生しているが、固着はほとんど発生せ
ず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる
【0190】(7)クリーニングブレードとのマッチン
グ プリントアウト試験終了後、クリーニングブレード表面
の傷や残留トナーの固着状況とプリントアウト画像への
影響を目視で評価した。 A:固着は未発生 B:表面に傷が発生しているが、固着はほとんど発生せ
ず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像欠陥を生じる
【0191】(8)トナー層厚規制ブレードとのマッチ
ング プリントアウト試験終了後、トナー層厚規制ブレードヘ
の残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。 A:固着は未発生 B:汚染が発生しているが、固着はほとんど発生せず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像ムラを生じる
【0192】〈実施例6〉上記のトナーの製造例6〜9
で得られたトナー(F)〜(I)の各々5質量部に対し
て、樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径:40μ
m)95質量部を混合して、磁気ブラシ現像用二成分系
現像剤を各々調製し、得れた二成分系現像剤を以下の画
像形成装置(2)を用いて評価を行った。
【0193】評価に用いた画像形成装置(2)について
説明する。図1は、画像形成装置(2)の断面の概略的
説明図である。
【0194】感光体ドラム1は、基材1a上に有機光半
導体を有する感光層1bを有し、矢印方向に回転し、対
抗し接触回転する帯電ローラー2(導電性弾性層2a、
芯金2b)により感光体ドラム1上に約−600Vの表
面電位に帯電させる。露光3は、ポリゴンミラーにより
感光体上にデジタル画像情報に応じてオン−オフさせる
ことで露光部電位が−100V、暗部電位が−600V
の静電荷像が形成される。複数の現像器4−1、4−
2、4−3、4−4を用いイエロートナー、マゼンタト
ナー、シアントナーまたは、ブラックトナーを感光体1
上に反転現像方法を用いトナー像を得る。該トナー像
は、中間転写体5(弾性層5a、支持体としての芯金5
b)上に転写され中間転写体5上に四色の色重ね顕色像
が形成される。感光体1上の転写残余のトナーはクリー
ナー部材8により、残トナー容器9中に回収される。
【0195】中間転写体5は、パイプ状の芯金5b上
に、カーボンブラックの導電付与部材をニトリル−ブタ
ジエンラバー(NBR)中に十分分散させた弾性層5b
をコーティングした。該コート層5bの硬度は、「JI
S K−6301」に準拠し30度で且つ体積固有抵抗
値は、109Ω・cmであった。感光体1から中間転写
体5への転写に必要な転写電流は約5μAであり、これ
は電源より+500Vを芯金5b上に付与することで得
られた。
【0196】転写ローラ7の外径20mmで直径10m
mの芯金7b上に、カーボンの導電性付与部材をエチレ
ン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)の
発泡体中に十分分散させたものをコーティングすること
により生成した弾性層7aを有し、弾性層7aの体積固
有抵抗値は106Ω・cmで、「JIS K−630
1」の基準の硬度は35度の値を示すものを用いた。転
写ローラには電圧を印加して15μAの転写電流を流し
た。
【0197】加熱定着装置Hにはオイル塗布機能のない
熱ロール方式の定着装置を用いた。
【0198】以上の設定条件で、常温常湿(25℃/6
0RH%)、低温低湿(15℃/10RH%)、又は、
高温高湿(30℃/80RH%)の各環境下、6枚(A
4サイズ)/分のプリントアウト速度で、各々のトナー
を逐次補給しながら間歇モード(すなわち、1枚プリン
トアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時
の現像装置の予備動作でトナーの劣化を促進させるモー
ド)で単色カラー画像を5000枚のプリントアウト試
験を行い、得られたプリントアウト画像を前記実施例と
同様に評価を行った。また、画像形成装置(2)と各々
のトナーとのマッチングについても評価した。
【0199】その結果、何れのトナーにおいても良好な
単色カラー画像が得られた。また、画像形成装置(2)
とのマッチングに問題は発生しなかった。
【0200】更に、フルカラーモードにて同様のプリン
トアウト試験を行ったところ、画像ムラのない高品位な
画像を得ることができた。
【0201】〈比較例3〉比較製造例3〜6で得られた
比較用トナー(c)〜(f)についても、上記実施例6
と同様にして評価を行ったが、画像濃度が十分でなく、
特に、高温高湿環境下では、画像カブリの発生やドット
再現性に劣る画像が得られた。
【0202】また、画像ムラも発生していたため、フル
カラーモードでのプリントアウト試験では、色再現性に
乏しい画像を生じた。
【0203】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シリコーンオイルとシリル化剤及び/又はシランカップ
リング剤と特定量のシラノール化合物で処理した無機微
粒子をトナーに含有させることで、過酷な使用環境にお
いても高品位な画像再現が可能となる。
【0204】また、画像形成装置とのマッチングにも優
れるため、多数枚のプリントに際して連続して高品位な
画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略的説明図で
ある。
【図2】本発明の実施例に用いた二成分現像剤用の現像
装置の要部の拡大横断面図である。
【図3】本発明の実施例に用いた一成分現像剤用の現像
装置の要部の拡大横断面図である。
【図4】未転写トナーをリユースする画像形成装置の概
略的説明図である。
【図5】トナーの現像特性をチェックするための孤立ド
ットパターンの説明図である。
【図6】スリーブゴーストの説明図である。
【符号の説明】
1 感光体(静電潜像担持体) 2 帯電ローラー 3 露光 4 4色現像器(4−1,4−2,4−3,4−4) 5 中間転写体 6 転写材 7 転写ローラ 11 現像剤担持体 13 感光体ドラム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー粒子と無機微粒子を少なくとも有
    する乾式トナーであって、該無機微粒子が、少なくと
    も、(i)シリコーンオイルと、(ii)シリル化剤及
    び/又はシランカップリング剤と、(iii)シラノー
    ル化合物とで処理されており、且つ、該無機微粒子中の
    シラノール化合物の含有量が15〜1000ppmであ
    ることを特徴とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 無機微粒子中のシラノール化合物の含有
    量が20〜500ppmであることを特徴とする請求項
    1に記載の乾式トナー。
  3. 【請求項3】 無機微粒子は炭素含有量が3〜15質量
    %であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式
    トナー。
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