JP2001124908A - 光散乱シート、光散乱性複合シート及び液晶表示素子 - Google Patents

光散乱シート、光散乱性複合シート及び液晶表示素子

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JP2001124908A
JP2001124908A JP2000063628A JP2000063628A JP2001124908A JP 2001124908 A JP2001124908 A JP 2001124908A JP 2000063628 A JP2000063628 A JP 2000063628A JP 2000063628 A JP2000063628 A JP 2000063628A JP 2001124908 A JP2001124908 A JP 2001124908A
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scattering sheet
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質の液晶表示が可能な液晶表示素子を提
供する。 【解決手段】 光散乱層を有する光散乱シート2により
液晶表示素子を構成する。第1の態様において、前記光
散乱シートは、反射型液晶表示素子の特定位置に配設さ
れる。すなわち、透明導電層を支持する基板で構成され
た透明性フロント電極板7aと、導電層を支持する基板
で構成されたバック電極板7bと、液晶6とを有する液
晶セル12と、この液晶セル12の前方に配設された偏
光板1とを有する反射型液晶表示素子において、光散乱
シート2を(i)偏光板1とフロント電極板7aとの間、
又は(ii)バック電極板7bとこのバック電極板の後方
に配設された反射板5との間に配設する。また、(iii)
前記基板を光散乱シートで形成してもよい。第2の態様
において、互いに屈折率が異なる複数のポリマーにより
形成された等方性の共連続相構造を有する光散乱シート
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子にお
いて、高輝度の画面を表示するために有用な光散乱シー
ト(フィルム)、その製造方法、前記シートを用いた複
合シート、液晶表示素子、及び前記光散乱シートの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子(LCD)は、パーソナル
コンピューター(パソコン)、ワードプロセッサー、液
晶テレビ、時計、電卓などの電気製品の表示部に幅広く
利用されている。液晶はそれ自体発光しないため、時
計、電卓などの低輝度用途を除き、裏面から液晶部を照
射するためのバックライトが使用されている。
【0003】最近、インターネット等の情報通信のイン
フラストラクチャーの整備、コンピュータとの通信機器
の融合による情報のネットワーク化が進んでいる。ネッ
トワーク化により、情報のアクセスは時間と場所の制約
を受けなくなる。このようなネットワークを効率的に利
用するため、現在、PDA(Personal Digital Assista
nce)などの携帯情報端末が開発されている。またノー
ト型パソコンに代えて、さらに薄型で軽量のモバイル型
パソコンの開発が進められている。
【0004】これらの機器は可搬性が求められるため、
バッテリ駆動時間の長時間化と、通信機器の薄型化・小
型化とを両立する必要がある。従って、これら携帯情報
通信機器に用いるディスプレイは、薄型・軽量であり、
かつ低消費電力性であることが求められている。特に、
低消費電力性を達成するため、従来のバックライトを用
いる方法に代えて、自然光を利用して表示部を明るくす
る方法が考えられている。このようなディスプレイとし
て最も有望視されているのは反射型液晶表示素子であ
る。特に、今後のマルチメディアの進歩に伴う情報の多
様化に対応するため、カラー表示及び高画質表示(高精
細表示)が可能であるとともに、安価な反射型液晶表示
素子が求められている。
【0005】反射型液晶表示素子としては、TN型(Tw
isted Nematic型)やSTN型(Super Twisted Nematic
型)などの種々の素子が知られているが、カラー表示と
高精細表示には、偏光板を利用するタイプ(1枚偏光板
タイプ)が有利である。例えば、液晶層をHAN(Hybr
id Aligne Nematic)配向させたR−OCBモードは低
電圧、広視野角、高速応答、中間色調表示、高コントラ
ストなどの点で優れた特性を有している。なお、画面上
に微細な表示を形成可能な表示素子として、すべての画
素をひとつひとつ制御するTFT(Thin Film Transisto
r)などのアクティブマトリックスタイプの液晶表示素子
も一般的である。しかし、TFT型などのアクティブマ
トリックスタイプの液晶表示素子は、基板上に数十万個
以上のトランジスターを形成する必要があるため、ガラ
ス基板の液晶表示素子を用いる必要がある。これに対し
て、STN(Super Twisted Nematic)タイプの液晶表示
素子の場合、棒状電極を用いてマトリックスタイプの画
像表示を行うので、TFTタイプより安価であり、また
電極の基板(支持基板)としてプラスチック基板を使用
でき、反射型プラスチック液晶表示素子を形成可能であ
る。
【0006】反射型液晶表示素子では、画面に明るさを
付与するため、液晶層に入射する光(自然光、外部光)
を効率的に取り込み、反射板で光を反射し、視認性を妨
げない程度に反射光を散乱(全反射の防止)している。
なお、使用環境などの影響により、自然光又は外部光な
どを最大限に利用しても、十分な明るさが得られない場
合には、液晶表示素子の表示面の横から光を照射するた
めのフロントライトを用いる場合もある。反射板として
は、光反射性の電極を用いる光反射性バック電極や、電
極板の基板表面に反射板を形成した積層体などが使用可
能である。例えば、特開昭63−228887号公報、
日本印刷学会主催のフォトファブリケーションシンポジ
ウム’92において、反射型液晶表示素子の基本技術
や、表面凹凸の金属薄膜をバック電極(下部電極)とし
て適用し、全反射を防止し表示面の視野角を拡大させた
液晶表示素子が紹介されている。しかし、このような反
射型液晶表示素子は、鏡面反射を避けて反射光を散乱す
るため、反射板(または光反射性背面電極)を適度に粗
面化しており、高度な加工技術を必要とし、高コストで
ある。また、表示素子をカラー化する場合、偏光板に加
えて、カラーフィルターを用いる。カラーフィルターで
は、反射光のロスの割合が大きく、前記拡散板方式で
は、表示画面に十分な明るさを付与できない。なお、カ
ラー化においては、拡散光を一定の方向に指向させる指
向型拡散により、高輝度を付与することが特に重要であ
る。拡散反射板方式で指向性を高めるためには、反射板
の凹凸部分の形状及び分布を精密に制御する必要があ
り、コスト高となる。
【0007】また、反射光を散乱して高輝度性を付与す
るため、光拡散性の反射板に代えて、液晶層を液晶と高
分子とが互いに分散した分散構造にする方法が開示され
ている(特開平6−258624号公報)。また、拡散
反射板に代えて、透過型光散乱シートを用いる液晶表示
素子も知られている。
【0008】例えば、光散乱性の透明樹脂層を液晶セル
内又は液晶セル外に形成する方法が知られている。特開
平7−98452号公報には、液晶セル内に光拡散層を
形成した表示素子として、電極板の電極と基板(電極支
持基板)との間に分散微粒子を含有する透明樹脂層(光
散乱層)を形成した表示素子が開示されている。また、
特開平7−318926号公報には、透明性電極を有す
る支持板と液晶層との間に、液晶性高分子をランダム配
向した光拡散層を形成した表示素子が開示されている。
一方、特開平7−261171号公報には、液晶セル外
に光拡散層を形成した表示素子として、電極板の外側表
面に偏光フィルムを形成し、その偏光フィルムの表面に
屈折率が異なる二種以上の樹脂が相分離状態で分散した
光散乱層を形成した表示素子が開示されている。また、
特公昭61−8430号公報にも、液晶セルのフロント
側に形成された偏光層の表面に、光散乱層を積層した液
晶表示素子が開示されている。しかし、偏光板は、通
常、高度に完成された表面硬化特性や適度な防眩特性を
有している。そのため、この偏光板の表面に光散乱層を
形成すると、表示素子の表面(すなわち、光散乱シー
ト)が傷つきやすくなり、表示画面の視認性が低下して
反射型液晶表示素子の画像品質が低下する。とくに、長
期間に亘って、画像品質を維持するのが困難である。ま
た、液晶画像と光散乱層からの画像との両方の画像が形
成されるため、画像のシャープ性が低下(画像ボケ)し
て画像品質が低下する。なお、透過型光散乱シートに指
向性を付与するため、ホログラムを利用して重合したシ
ート樹脂が知られている(1998年日本液晶学会講演
会要旨集)が、製造方法が複雑であり、コスト高とな
る。
【0009】なお、特開平7−27904号公報、特開
平9−113902号公報には、プラスチックビーズと
透明樹脂とで構成された海島構造を有する粒子散乱型シ
ートを、バックライトと液晶セルとの間に形成した透過
型液晶表示装置が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高画質の液晶表示が可能な光散乱シート(又はフィ
ルム)、光散乱性複合シート(又はフィルム)、液晶表
示素子、及び前記光散乱シートの製造方法を提供するこ
とにある。
【0011】本発明の他の目的は、反射光に拡散性と指
向性とを付与可能な光散乱シート(又はフィルム)、光
散乱性複合シート(又はフィルム)、液晶表示素子、及
び前記光散乱シートの製造方法を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、高輝度で高精
細の液晶表示素子を低コストで製造するのに有用な光散
乱性複合シート(又はフィルム)及びこの複合シート
(又はフィルム)を用いた液晶表示素子を提供すること
にある。
【0013】本発明の別の目的は、長期間に亘って高い
品質を維持できる液晶表示素子を提供することにある。
【0014】本発明のさらに別の目的は、指向性拡散シ
ート(又はフィルム)を簡便に製造できる方法を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、互いに屈折率が異な
る複数の樹脂を用い、スピノーダル分解すると、簡便に
等方性の共連続相構造(biconbinuous)を形成できるこ
と、このような共連続相構造を有するシートを用いる
と、拡散光に高い指向性を付与できることを見いだし
た。また、本発明者らは、偏光板、位相差板、反射板ま
たは透明導電層と光散乱シートとで複合シートを形成す
ると、高い画像品質が得られるだけでなく、液晶表示素
子が簡便に安価に得られることを見いだした。さらに、
本発明者らは、光散乱シートを反射型液晶表示装置の特
定の位置に設置すると、反射型液晶表示装置の耐久性を
向上できかつ高精度の画像が得られることを見いだし
た。本発明者らは、以上の知見に基づいて、本発明を完
成した。
【0016】すなわち、本発明に光散乱シートは、互い
に屈折率が異なる複数のポリマーにより等方性の共連続
相構造が形成された光散乱層で構成されている。共連続
相の平均相間距離は、例えば、1〜20μm程度であ
り、複数のポリマーの屈折率の差は、例えば、0.01
〜0.2程度である。前記複数のポリマーは、下限臨界
共溶温度(LCST)型の相分離性を示してもよい。複
数のポリマーで構成された組成物の臨界共溶温度は、例
えば、50〜300℃程度である。ポリマーの重量平均
分子量は、10,000〜300,000程度であって
もよい。前記ポリマーは、例えば、スチレン系樹脂、
(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロ
ゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロ
ース誘導体、ゴム又はエラストマーなどである。本発明
の光散乱シートは、透過率が70〜100%であり、入
射光を等方的に拡散できる。拡散光は、拡散角3〜60
゜に極大値を有する。例えば、光散乱シートの透過光を
拡散角度(θ)に対してプロットしたとき、直進透過光
の強度I(θ0)と、極大の拡散透過光の強度I(θma
x)との比(I(θ0)/I(θmax))が、3000/
1〜1/1程度であってもよい。
【0017】本発明の光散乱性複合シートは、光散乱層
で構成された光散乱シートの少なくとも一方の面に、偏
光板、位相差板、光反射板及び透明導電層から選ばれた
少なくとも一種が形成されている。光散乱層は、例え
ば、互いに屈折率が異なる複数の固体成分で構成された
相分離構造を有しており、屈折率の差は、0.01〜
0.2程度であってもよい。光散乱層は、透明ベース樹
脂と屈折率が異なる微粒子を分散した微粒子分散構造を
有していてもよく、等方性の共連続相構造を有していて
もよい。
【0018】本発明の液晶表示素子は、光散乱層を有す
る光散乱シートにより構成されている。第1の態様にお
いて、前記光散乱シートは、反射型液晶表示素子の特定
位置に配設される。すなわち、反射型液晶表示素子は、
透明導電層とこの透明導電層を支持する基板とを有する
透明性フロント電極板及び導電層とこの導電層を支持す
る基板を有するバック電極板が導電層を互いに対向して
配設され、この両電極板の導電層の間に液晶が封入され
た液晶セルを有している。この液晶セルの前方には偏光
板が配設されている。そして、下記(i)〜(iii)のう
ち少なくとも1つの光散乱シートを有する。
【0019】(i)偏光板とフロント電極板との間に配設
された光散乱シート (ii)バック電極板とこのバック電極板の後方に配設され
た反射板との間に配設された光散乱シート (iii)基板としての光散乱シート また、本発明の液晶表示素子は、第2の態様において、
互いに屈折率が異なる複数のポリマーにより形成された
等方性の共連続相構造を有する光散乱シートで構成され
ている。
【0020】また、本発明には、互いに屈折率が異なる
複数のポリマーで構成された組成物をシート成形し、ス
ピノーダル分解により等方性の共連続相構造を形成する
光散乱シートの製造方法も含まれる。
【0021】なお、本明細書において「シート」とは、
厚さの如何を問わず二次元的構造物を意味し、フィルム
を含む意味に用いる。
【0022】また、「共連続相構造の光散乱シート」と
は、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造の光散乱
シートも含む意味に用いる。
【0023】
【発明の実施の形態】[光散乱シート]光散乱シート
(透過型光散乱シート)を構成する光散乱層は、互いに
屈折率の異なる複数のポリマーで構成され、通常、使用
雰囲気(特に、約10〜30℃程度の室温下)におい
て、相分離構造(後述の共連続相構造など)を有してい
る。このようなシートを用いると、反射光に拡散性と指
向性とを付与できる。光拡散性を高めるため、複数のポ
リマーは、屈折率の差が、例えば、0.01〜0.2程
度、好ましくは0.1〜0.15程度となるように組み
合わせて使用できる。屈折率の差が0.01未満では、
十分な強度の拡散光を有するシートを得ることができな
い。また、屈折率の差が0.2より大きいと、拡散光に
指向性を付与できない。
【0024】ポリマーは、例えば、スチレン系樹脂、
(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニ
ルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスル
ホン系樹脂(ジハロジフェニルスルホンなどのスルホン
類の単独重合体(ポリエーテルスルホン)、前記スルホ
ン類とビスフェノールAなどの芳香族ジオールとの共重
合体(ポリスルホン)など)、ポリフェニレンエーテル
系樹脂(2,6−キシレノールなどのフェノール類の重
合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル
類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類
など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポ
リメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム又はエラスト
マー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系
ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴ
ム、シリコーンゴムなど)などから適当に組み合わせて
選択できる。複数のポリマーは、通常、スチレン系樹
脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、
ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シ
リコーン樹脂、ゴム又はエラストマーなどから選択でき
る。
【0025】スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の
単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレンーα−メチ
ルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合
体など)、スチレン系単量体と他の重合性単量体((メ
タ)アクリル系単量体、無水マレイン酸、マレイミド系
単量体、ジエン類など)との共重合体などが含まれる。
スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−アク
リロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレンと(メ
タ)アクリル系単量体との共重合体[スチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体な
ど]、スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げら
れる。好ましいスチレン系樹脂には、ポリスチレン、ス
チレンと(メタ)アクリル系単量体との共重合体[スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体などのスチレンとメ
タクリル酸メチルを主成分とする共重合体]、AS樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが含まれる。
【0026】(メタ)アクリル系樹脂としては、前記
(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、(メ
タ)アクリル系単量体と共重合性単量体との共重合体が
使用できる。(メタ)アクリル系単量体には、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アク
リル酸C1-10アルキル;(メタ)アクリル酸フェニルな
どの(メタ)アクリル酸アリール;ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート;グリシジル(メタ)アクリレート;N,N−ジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)
アクリロニトリルなどが例示できる。共重合性単量体に
は、前記スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、
無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などが例示でき
る。これらの単量体は単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。
【0027】(メタ)アクリル系樹脂としては、例え
ば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル
酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル
−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)など
が挙げられる。好ましい(メタ)アクリル系樹脂として
は、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)
アクリル酸C1-5アルキル、特にメタクリル酸メチルを
主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100
重量%程度)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げら
れる。
【0028】ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエ
ステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニル、
ポリプロピオン酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量
体と共重合性単量体との共重合体(酢酸ビニル−塩化ビ
ニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体など)又はそれらの誘導体が挙げられる。ビ
ニルエステル系樹脂の誘導体には、ポリビニルアルコー
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニル
アセタール樹脂などが含まれる。
【0029】ビニルエーテル系樹脂としては、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピル
エーテル、ビニルt−ブチルエーテルなどのビニルC
1-10アルキルエーテルの単独又は共重合体、ビニルC
1-10アルキルエーテルと共重合性単量体との共重合体
(ビニルアルキルエーテル−無水マレイン酸共重合体な
ど)が挙げられる。
【0030】ハロゲン含有樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体などが挙げられる。
【0031】オレフィン系樹脂には、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのオレフィンの単独重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアル
コール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体な
どの共重合体が挙げられる。
【0032】ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノ
ール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族
ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれ
る。
【0033】ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸を用いた芳香族ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レートなどのポリC2-4アルキレンテレフタレートやポ
リC2-4アルキレンナフタレートなどのホモポリエステ
ル、C2-4アルキレンテレフタレート及び/又はC2-4
ルキレンナフタレート単位を主成分(例えば、50重量
%以上)として含むコポリエステルなど)、アジピン酸
などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステル
などが含まれる。ポリエステル系樹脂には、ε−カプロ
ラクトンなどのラクトンの単独又は共重合体も含まれ
る。
【0034】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン4
6、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族
ポリアミド、ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸など)とジアミン(例えば、ヘ
キサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン)とか
ら得られるポリアミドなどが挙げられる。ポリアミド系
樹脂には、ε−カプロラクタムなどのラクタムの単独又
は共重合体であってもよく、ホモポリアミドに限らずコ
ポリアミドであってもよい。
【0035】セルロース誘導体のうちセルロースエステ
ル類としては、例えば、脂肪族有機酸エステル(セルロ
ースジアセテート、セルローストリアセテートなどのセ
ルロースアセテート;セルロースプロピオネート、セル
ロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレートなどのC1-6有機
酸エステルなど)、芳香族有機酸エステル(セルロース
フタレート、セルロースベンゾエートなどのC7-12芳香
族カルボン酸エステル)、無機酸エステル類(例えば、
リン酸セルロース、硫酸セルロースなど)が例示でき、
酢酸・硝酸セルロースエステルなどの混合酸エステルで
あってもよい。セルロース誘導体には、セルロースカー
バメート類(例えば、セルロースフェニルカーバメート
など)、セルロースエーテル類(例えば、シアノエチル
セルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロースなどのヒドロキシ−C2-4アルキル
セルロース;メチルセルロース、エチルセルロースなど
のC1-6アルキルセルロース;カルボキシメチルセルロ
ース又はその塩、ベンジルセルロース、アセチルアルキ
ルセルロースなど)も含まれる。
【0036】好ましいポリマーとしては、例えば、スチ
レン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル
系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘
導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーな
どが含まれる。また、好ましいポリマーは、成形性又は
製膜性、透明性を有する熱可塑性ポリマー(例えば、ス
チレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂など)であって
もよい。
【0037】ポリマーのガラス転移温度は、例えば、−
100〜250℃程度、好ましくは−50〜230℃程
度、さらに好ましくは0〜200℃程度(例えば、50
〜150℃程度)の範囲から選択できる。なお、シート
の強度や剛性の点から、構成ポリマーのうち少なくとも
1つのポリマーのガラス転移温度は、50℃以上(例え
ば、70〜200℃程度)、好ましくは80℃以上(例
えば、80〜170℃程度)であるのが有利である。ま
た、シートの成形性の観点から、構成ポリマーのガラス
転移温度は250℃以下(例えば、70〜200℃)、
好ましくは200℃以下(例えば、80〜180℃)で
ある。
【0038】ポリマーの重量平均分子量は、特には制限
されないが、例えば、1,000,000以下(10,
000〜1,000,000程度)、好ましくは10,
000〜700,000程度、さらに好ましくは10,
000〜50,000程度である。
【0039】前記光散乱シートは、それぞれのポリマー
のガラス転移温度以上において、相溶性と非相溶性(相
分離性)のいずれをも示す複数のポリマーを組み合わせ
ることにより構成されている。すなわち、複数のポリマ
ーの共存系を構成したときに、相分離性(又は相溶性)
が温度によって変化する温度依存性を有する複数のポリ
マーを使用できる。相分離性(又は相溶性)の温度依存
性は、低温で相溶性を示し高温で非相溶性を示す高温相
分離型(下限臨界共溶温度(LCST)型,lower crit
ical solution temperature)の共存系(複合ポリマー
系)、低温で非相溶性を示し高温で相溶性を示す低温相
分離型(上限臨界共溶温度(UCST)型,upper crit
ical solution temperature)の共存系のいずれであ
ってもよい。好ましくはLCST型の相分離性である。
このような相分離性を示す複数のポリマーを用いること
により、スピノーダル分解により相分離構造を調整で
き、共連続相構造を形成できる。
【0040】複数のポリマーが、LCST型又はUCS
T型の共存系を構成する場合、下限又は上限臨界共溶温
度(相溶/非相溶の臨界温度)は、光散乱シートが使用
される雰囲気温度よりも高く、例えば、50〜300℃
程度、好ましくは70〜250℃程度、さらに好ましく
は80〜250℃(例えば、100〜220℃)程度で
あり、通常、80〜230℃程度である。なお、軟質ポ
リマー(シリコーン樹脂やゴム、エラストマーなど)を
含む複合ポリマー系では、通常、UCST型の相溶性を
示す場合が多い。
【0041】複数のポリマーを、2種類のポリマー(第
1のポリマー及び第2のポリマー)で構成する場合、第
1のポリマーと第2のポリマーとの組み合わせは特に制
限されない。例えば、第1のポリマーがスチレン系樹脂
(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体
など)である場合、第2のポリマーは、ポリカーボネー
ト系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系
樹脂、ゴム又はエラストマーなどであってもよい。な
お、相溶性の温度依存性は、LCST、UCST、ガラ
ス転移温度、ポリマー分子量などに依存するため、ポリ
マーの適切な組み合わせは実験により容易に選択でき
る。参考までに、ポリマーの組み合わせの一例を表1に
示す。
【0042】
【表1】
【0043】なお、共連続相構造を形成可能なポリマー
系としては、ポリカーボネート系樹脂/ポリメタクリル
酸メチル系も知られている。また、LCST型の複合ポ
リマー系としては、スチレン−アクリロニトリル共重合
体(AS樹脂)/ポリメタクリル酸メチル系、AS樹脂
/ポリ(ε−カプロラクトン)系、ポリビニリデンフル
オライド/イソタクチックポリメタクリル酸エチル系、
ポリメタクリル酸メチル/ポリ塩化ビニル系なども挙げ
られる。UCST型の複合ポリマー系としては、ポリス
チレン/ポリメチルフェニルシロキサン系、ポリブタジ
エン/スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)系、A
S樹脂/アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NB
R)系なども挙げられる。
【0044】第1のポリマーと第2のポリマーとの割合
は、例えば、前者/後者=10/90〜90/10(重
量比)程度、好ましくは20/80〜80/20(重量
比)程度、さらに好ましくは30/70〜70/30
(重量比)程度、特に40/60〜60/40(重量
比)程度である。ポリマーの構成比が一方に偏りすぎる
と、スピノーダル分解により共連続相を形成する時に、
一方のポリマー相が非連続化しやすくなるため、シート
を形成した場合に拡散光に指向性を付与できない。
【0045】なお、3以上の複数のポリマーでシートを
形成する場合、各ポリマーの含有量は、通常、1〜90
重量%(例えば、1〜70重量%、好ましくは5〜70
重量%、さらに好ましくは10〜70重量%)程度の範
囲から選択できる。
【0046】前記光散乱層(光散乱シート)は、少なく
とも共連続相構造を有している。共連続相構造は、共連
続構造や三次元的に連続又は繋がった構造と称される場
合があり、少なくとも2種の構成ポリマー相が連続して
いる構造を意味する。
【0047】前記光散乱シートでは、少なくとも共連続
相構造を有していればよく、共連続相構造と液滴相構造
(独立又は孤立した相構造)とが混在した構造を有して
いてもよい。なお、スピノーダル分解において、相分離
の進行に伴って、表面張力によりポリマー相が共連続相
構造を形成し、さらに熱処理すると、連続相が自らの表
面張力により非連続化し、液滴相構造(球状、真球状な
どの独立相の海島構造)となる。従って、相分離の程度
によって、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造、
すなわち、上記共連続相から液滴相に移行する状態の相
構造も形成できる。本発明では、ポリマー相が液滴相
(独立又は孤立したほぼ真球形状の相)でない限り、上
記中間的構造も共連続相構造という。
【0048】前記共連続相構造は、通常、シート面内に
おいて異方性が低減されており、実質的に等方性であ
る。なお、等方性とは、シート面内のどの方向に対して
も連続相による相分離構造のサイズ(平均相間距離)が
等しいことを意味する。
【0049】なお、光散乱シートの相構造が共連続相構
造と液滴構造との混在構造である場合、液滴相(独立ポ
リマー相)の割合は、例えば、30%以下(体積比)、
好ましくは10%以下(体積比)であってもよい。共連
続相構造の平面的又は立体的形状は特に制限されず、ネ
ットワーク状、特にランダムなネットワーク状であって
もよい。
【0050】なお、共連続相構造又は中間的構造は、通
常、相間距離(同一相間の距離)に規則性を有する。そ
のため、シートに入射した光はブラッグ反射により特定
方向に散乱光が指向する。従って、反射型液晶表示素子
に装着しても、拡散光を一定の方向に指向させることが
でき(指向型拡散)、表示画面を高度に明るくすること
ができ、従来の粒子分散型の透過型光拡散シートでは解
決できなかった問題点、すなわち、パネルへの光源(例
えば、蛍光灯など)の映りを回避できる。
【0051】さらに、光散乱シートにおいて共連続相の
平均相間距離は、例えば、1〜20μm程度、好ましく
は2〜15μm程度、さらに好ましくは2〜10μm程
度である。平均相間距離が小さすぎると、拡散光の分布
がガウス分布に近くなり、指向性を付与できない。ま
た、平均相間距離が大きすぎると、拡散光の指向方向が
直進光の方向とほぼ一致するため、光の拡散性が低下す
る。
【0052】なお、相間距離は、顕微鏡写真(共焦点レ
ーザー顕微鏡など)の画像処理により測定できる。ま
た、後述の拡散光の指向性の評価法と同様の方法によ
り、拡散光強度が極大になる拡散角度θを測定し、下記
のブラッグ反射条件の式より相間距離dを算出してもよ
い。
【0053】2d・sin(θ/2)=λ (式中、dは相間距離を、θは拡散角度を、λは光の波
長を示す) 光散乱シートの厚さは、例えば、1〜500μm程度、
好ましくは1〜300μm程度(10〜150μm程
度、例えば、10〜100μm程度)、さらに好ましく
は3〜100μm程度(例えば、5〜50μm、特に1
0〜50μm)程度であってもよい。シート厚みが薄す
ぎると、拡散光の強度が低下する。また、シート厚みが
大きすぎると、拡散性が強くなりすぎ、指向性が低下す
る。また、反射型液晶表示素子に適用した場合に、素子
の厚みや重量が増加するとともに、表示ボケが生じ、表
示画面の精細性が低下する。なお、ポリマーの屈折率の
差が小さい場合、シート厚みが大きい方が好ましく、反
対に屈折率の差が大きい場合、シート厚みが小さい方が
好ましい。
【0054】なお、後述するように、光散乱シートを基
材シートと光散乱層とで構成する場合、光散乱層の厚み
は、例えば、1〜100μm程度、好ましくは5〜60
μm程度、さらに好ましくは10〜40μm程度であっ
てもよい。
【0055】前記共連続相構造を有する光散乱シートを
用いると、高い光散乱性が得られるだけでなく、拡散光
に高い指向性を付与できる。拡散光の指向性は、例え
ば、図2に示すような、偏光板1、酢酸ビニル系粘着剤
9、光拡散シート2、カラーフィルター8、ガラス板
(厚さ1mm)12、及びアルミニウム反射板5を積層
した反射型LCDモデル装置を用いて測定できる。即
ち、レーザー光照射器(NIHON KAGAKU E
NG NEO−20MS)10により、この反射型LC
Dモデル装置に対して、正面方向から垂直にレーザー光
を照射することにより、拡散角度θ1に対応する反射光
の強度分布(拡散光の分布)を測定する。θ1=0゜を
中心とするガウス分布を示す光散乱シートに比べ、共連
続相構造の光散乱シートを用いると、指向方向(例え
ば、θ1=1〜60゜(例えば、1〜30゜)、好まし
くは3〜60゜(例えば、3〜20゜)、さらに好まし
くは5〜20゜に強い極大分布を示す。このため、幅広
い視野角で明るい液晶表示画像が得られる。
【0056】光散乱シートの透明性(全光線透過率)
は、例えば、70〜100%程度、好ましくは80〜1
00%程度、さらに好ましくは90〜100%程度であ
る。なお、全光線透過率は、日本電色工業(株)製のヘ
イズメーター(NDH−300A)により測定できる。
【0057】前記光散乱シートのうち、特に好ましい光
散乱シートは、特定の重量平均分子量[例えば、30
0,000以下(10,000〜300,000程
度)、好ましくは10,000〜150,000程度、
さらに好ましくは10,000〜120,000程度]
の複数のポリマーにより構成されている。スピノーダル
分解による共連続相の形成速度(発現速度)は、分子鎖
の拡散により律速されるため、特定の分子量のポリマー
を用いると、速やかに共連続相を形成できる。また、拡
散光の強度を直進光の強度に対して相対的に高めること
ができる。このため、周囲の光を効果的に取り込むこと
ができ、周囲からの入射光を効率よく散乱できる。その
ため、明るい液晶表示画像が得られ、液晶表示の視認性
を向上できる。図3は、拡散光の強度の測定方法を説明
するための概略図である。すなわち、光散乱シート2の
背面に配設されたレーザー光照射器(NIHON KA
GAKUENG NEO−20MS)10から、光散乱
シート2に向けてレーザー光を照射する。レーザー光
は、光散乱シート2で拡散されながら、光散乱シートの
正面から出射する。拡散角θ3に応じて、この拡散光
(拡散透過光)を検出器11で検出することにより、拡
散光の強度を測定できる。特定の重量平均分子量のポリ
マーで光散乱シートを構成した場合、直進透過光(θ3
=0゜)の強度I(θ0)と、極大の拡散透過光の強度
I(θmax)との比I(θ0)/I(θmax)は、例えば、
3000/1〜1/1程度、、好ましくは500/1〜
1/1程度、さらに好ましくは100/1〜5/1程度
である。
【0058】なお、光散乱シートは、光散乱層単独で形
成してもよく、必要に応じて、基材シート又はフィルム
(透明支持体)と積層してもよい。透明支持体との積層
により、シート強度を高くすることができる。
【0059】基材シート(透明支持体)を構成する樹脂
としては、前記光散乱層を構成する樹脂と同様の樹脂が
使用できる。また、共連続相構造を有する光散乱層の透
明支持体として用いる場合、後述するように共連続相構
造をスピノーダル分解により形成するため、基材シート
もスピノーダル分解温度に対する耐熱性を有しているの
が好ましい。好ましい基材シートとしては、例えば、セ
ルロース誘導体(セルローストリアセテート(TA
C)、セルロースジアセテートなどのセルロースアセテ
ートなど)、(メタ)アクリレート系樹脂、ビニルエス
テル系樹脂(ポリビニルアルコールなど)、ポリエステ
ル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)など)、ポリアリ
レート系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン(PES)など)、ポリエーテルケ
トン系樹脂(ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエー
テルエーテルケトン(PEEK)など)、ポリカーボネ
ート系樹脂(ポリカーボネート(PC)など)、ポリオ
レフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンな
ど)、環状ポリオレフィン系樹脂(アートン(ARTON)、
ゼオネックス(ZEONEX)など)、スチレン系樹脂(ポリス
チレンなど)、ハロゲン含有樹脂(塩化ビニリデンな
ど)、などから得られるシートが挙げられる。これらシ
ートは、1軸又は2軸に延伸されていてもよく、例え
ば、1軸延伸PETシート、2軸延伸PETシートなど
のポリエステル延伸シートであってもよい。
【0060】なお、前記光散乱シート(又は基材シー
ト)は、液晶画像をカラー化、高精細化する為に使用さ
れる偏光板や位相差板と同程度の熱膨張率を有するシー
トであってもよい。液晶表示素子において、偏光板や位
相差板は光散乱シートと積層されることが多いため、光
散乱シートの熱膨張率を偏光板や位相差板と同程度にす
ることで、熱膨張や熱収縮などに伴う光散乱シート(又
は基材シート)と偏光板や位相差板との間の剥離の応力
を抑制できる。例えば、偏光板や位相差板がセルロース
誘導体で形成されている場合、光散乱層を構成する樹脂
や基材シートに、セルロース誘導体(セルロースアセテ
ートなど)を用いるのが好ましい。
【0061】また、液晶表示素子(特に、STN型液晶
表示素子)には位相差板を用いる場合が多いため、位相
差が小さい光散乱シートを用いるのが便利である。例え
ば、下記式で表される位相差(R;リターデーション)
において、Rが50nm以下、好ましくは30nm以下
の光散乱シートが使用できる。このような低位相差のシ
ートは、例えば、光散乱層を構成する樹脂や基材シート
にポリエーテルスルホン(PES)やセルローストリア
セテート(TAC)を用いることにより得ることができ
る。
【0062】R=Δn×d (式中、Δnはシートの複屈折を、dはシート厚みを示
す) なお、必要に応じて、位相差を有する光散乱シートであ
っても使用できる。例えば、位相差を有する基材シート
(例えば、1軸延伸PETシートなど)を用いて光散乱
シートを形成した場合、光散乱シートは位相差を有す
る。また、共連続相構造を形成するために樹脂組成物を
シート成形しスピノーダル分解したとき、場合によって
は光散乱シートが位相差を有することがある。このよう
な場合であっても、光散乱シートの配向軸を偏光板の偏
光軸と一致させることにより、表示に障害が発生するの
を防止できる。
【0063】なお、光散乱シートは、種々の添加剤、例
えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤
など)、可塑剤、着色剤(染料や顔料)、難燃剤、帯電
防止剤、界面活性剤などを含有していてもよい。また、
光散乱シートの表面には、必要により、種々のコーティ
ング層、例えば、帯電防止層、防曇層、離型層などを形
成してもよい。
【0064】[光散乱シートの製造方法]前記共連続相
構造の光散乱シートは、複数の屈折率の異なる成分から
なる組成物(特に、樹脂組成物)をシート成形すること
により、又は基材シート(透明性基材シート)に前記組
成物層を塗布などにより積層することにより形成でき
る。なお、前記樹脂組成物は、通常、室温下で非相溶状
態を維持可能であり、温度に依存して相分離が生じる。
【0065】より詳細には、共連続相構造を有する光散
乱シートは、複数の屈折率の異なるポリマーからなる樹
脂組成物を慣用の成形方法によりシート成形し、このシ
ートをスピノーダル分解して、誘起された等方性の相分
離構造(共連続相構造)を固定化することにより形成で
きる。また、前記複数のポリマーを略均一に分散した樹
脂組成物を基材シート表面にコーティング又は溶融ラミ
ネートし、必要に応じて、乾燥し、この積層シートをス
ピノーダル分解することによっても形成できる。
【0066】シート成形法は、例えば、ポリマー組成物
の溶液(又はスラリー)を流延又はコーティングするキ
ャスティング法やコーティング法、ポリマー組成物をガ
ラス転移温度以上の温度で溶融混練してTダイなどから
シート状に押出成形する方法(Tダイ法、インフレーシ
ョン法など)であってもよい。
【0067】スピノーダル分解は、前記屈折率の異なる
ポリマーからなる樹脂組成物層(又はシート)を、ポリ
マーのガラス転移温度以上の温度に加熱して相分離する
ことにより行うことができる。例えば、樹脂組成物がL
CST型の相分離性を示す場合、樹脂組成物層(又はシ
ート)を下限臨界共溶温度(LCST)以上の温度(例
えば、LCSTより10〜100℃、好ましくは20〜
80℃程度高い温度)に加熱処理する方法、樹脂組成物
がUCST型の相分離性を示す場合、上限臨界共溶温度
(UCST)以下の温度(例えば、UCSTより10〜
50℃、好ましくは20〜40℃程度低い温度)で熱処
理、超音波処理する方法などが挙げられる。なお、熱処
理温度は、例えば、80〜380℃程度、好ましくは1
40〜300℃程度の範囲から選択できる。なお、スピ
ノーダル分解において、相分離の進行に伴って、表面張
力によりポリマー相が共連続相構造を形成し、さらに熱
処理すると、連続相が自らの表面張力により非連続化
し、液滴相構造(球状、真球状などの独立相の海島構
造)となる。従って、相分離の程度によって、共連続相
構造と液滴相構造との中間的構造、すなわち、上記共連
続相から液滴相に移行する状態の相構造も形成できる。
【0068】このようにしてスピノーダル分解により等
方性の共連続相構造を形成したシートは、構成ポリマー
のガラス転移温度以下(例えば、主たるポリマーのガラ
ス転移温度以下)に冷却することにより、共連続相構造
を固定化できる。なお、LCST型のシートを冷却する
場合、シートを急冷(例えば、30℃以下、好ましくは
10℃以下の冷水での急冷)するのが好ましい。
【0069】このような方法では、スピノーダル分解を
利用しているため、熱処理、冷却などの簡便な手段によ
り低コストで共連続相構造を有するシートを形成でき
る。
【0070】[光散乱性複合シート]本発明の光散乱性
複合シートは、光散乱層で構成された光散乱シートの少
なくとも一方の面に、他の機能層(偏光板、位相差板、
光反射板、透明導電層など)が積層されている。光散乱
シートを複合シート化すると、従来の液晶表示素子の機
能層に代えて、複合シートを使用できるため、簡便に液
晶表示素子に光散乱シートを導入できる。すなわち、液
晶表示装置の製造ラインを変更することなく、コストを
増大させることなく、更に歩留まりを低下することな
く、高輝度高精細タイプの反射型液晶装置を製造するこ
とができる。また、複合シート用いると、後述するよう
に、簡単に光散乱シートを液晶に近接でき、画像の視認
性が向上する。
【0071】複合シートとしては、具体的には、光散乱
シートと偏光板との積層シート、光散乱シートと位相差
板との積層シート、光散乱シートと光反射板との積層シ
ート、光散乱シートと透明導電層との積層シート(透明
導電性シート)などの二層シート、この二層シートに、
二層シートを構成する機能層と異なる機能層をさらに積
層したシート(三層シート)(例えば、光散乱シートと
偏光板と位相差板とで構成されている三層シート、特
に、偏光板・光散乱シート・位相差板の順に貼合わされ
たシート、偏光板・位相差板・光散乱シートの順に貼り
合わされたシートなどの偏光板が三層シートの表面に形
成されているシートなど)などが例示できる。特に、三
層シートを用いて液晶表示素子(例えば、STN液晶表
示素子)を形成すると、液晶表示素子の製造において、
各機能層の貼り合わせ工程を減らすことができる。
【0072】複合シートに用いる光散乱シートとして
は、前記共連続相構造を有する光散乱シートを用いる場
合が多いが、屈折率の異なる複数の固体成分(樹脂成
分、無機成分など)により相分離構造が形成された光散
乱層を有する限り特に制限されず、例えば、微粒子分散
構造を有する光散乱シートであってもよい。なお、相分
離構造(例えば、微粒子分散構造)を構成する複数の成
分のうち、少なくとも2種の成分の屈折率差は、前記共
連続相構造を構成する複数のポリマーの屈折率差と同様
である。このような光散乱シートであっても、複合シー
トとして用いることにより、後述するように液晶画像の
視認性を向上できる。
【0073】樹脂成分としては、前記共連続相構造を構
成する樹脂と同様の樹脂が使用できる。
【0074】無機成分としては、透明又は半透明な無機
成分が使用でき、例えば、酸化ケイ素(ガラスなど、特
に、無アルカリガラス)、酸化ジルコニウム、酸化アル
ミ、酸化亜鉛、マイカ(雲母)などの無機酸化物、チッ
化ホウ素などの無機窒素化物、弗化カルシウム、弗化マ
グネシウムなどの無機ハロゲン化物などが挙げられる。
これら無機成分は、2種以上組み合わせて複合材として
用いてもよく、例えば、マイカとチッ化ホウ素との複合
材などが使用できる。
【0075】微粒子分散構造の光散乱層は、例えば、互
いに屈折率が異なる透明ベース樹脂(前記樹脂成分で構
成される透明ベース樹脂など)と微粒子成分(前記樹脂
成分や無機成分で構成される微粒子など)とで構成され
ている。微粒子成分は、前記透明ベース樹脂に分散して
いる。
【0076】好ましい透明ベース樹脂及び微粒子を構成
する樹脂には、スチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、
(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチ
レン、ポリプロピレンなど)、ビニルエステル系樹脂、
ビニルエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
スルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイ
ロン12、ナイロン612など)、セルロース誘導体
(セルロースアセテートなど)などが挙げられる。
【0077】なお、微粒子分散構造では、高い光散乱性
が得られるものの、拡散角が広角なほど光散乱性が小さ
くなる光散乱特性を示す場合がある。すなわち、拡散光
の分布がガウス分布に近いため、拡散角が大きくなる
と、全体的に散乱光強度が低下し、表示画面の明るさが
低下する場合がある。このため、透明ベース樹脂と微粒
子成分(樹脂微粒子、無機微粒子など)との屈折率差、
微粒子成分の粒子径、割合、粒子密度などを適宜調整し
て、後方散乱を抑制し、拡散光に指向性を付与してもよ
い。要求視野特性に対応した指向性を有するシートを用
いると、外部光やフロントライトの光源を効率よく利用
できる。
【0078】指向性を付与する場合、微粒子成分と前記
透明ベース樹脂との屈折率差は、例えば、0.01〜
0.06程度、好ましくは0.01〜0.05程度、さ
らに好ましくは0.01〜0.04程度である。
【0079】微粒子成分の平均粒径は、例えば、0.1
〜100μm程度、好ましくは1〜20μm程度であっ
てもよい。
【0080】微粒子成分と透明ベース樹脂との割合は、
例えば、前者/後者=10/90〜90/10(重量
比)程度、好ましくは15/85〜60/40(重量
比)程度、さらに好ましくは15/85〜40/60
(重量比)程度であってもよい。
【0081】微粒子成分の平均粒子密度は、例えば、1
〜100(1010個/cm3)程度、好ましくは4〜80(1
010個/cm3)程度であってもよい。
【0082】なお、平均粒子密度は、例えば、平均粒径
を測定し、下記式(I)により算出できる。
【0083】 平均粒子密度(個/cm3)=1cm3×Vs/[(4/3)π(Ds×10-4/2)3] (I) (式中、Vsは光散乱層中の微粒子成分の割合(体積基
準)を、πは円周率を、Dsは微粒子成分の粒径(μm)
を示す) 複合シートに用いる光散乱シートは、前記共連続相構造
の光散乱シートと同様に、光散乱層単独で構成してもよ
く、光散乱層と基材シート(透明支持体)とを積層する
ことにより構成してもよい。なお、基材シートとして
は、前記共連続相構造の光散乱シートの基材シートと同
様のシートが使用できる。
【0084】また、複合シートに用いる光散乱シートの
厚みは、前記共連続相構造の光散乱シートの厚みと同程
度である。
【0085】なお、複合シートに用いる光散乱シート
は、前記共連続相構造の光散乱シートと同様に、偏光板
や位相差板と同程度の熱膨張率を有するシートで形成さ
れたシートなどであってもよい。偏光板や位相差層と光
散乱シートとを貼り合わせて複合シートを形成する場
合、光散乱シートの熱膨張率を偏光板や位相差板と同程
度にすることで、複合シートに、熱膨張や熱収縮などに
伴う剥離の応力が発生するのを抑制できる。また、複合
シートとして透明導電シート(光散乱シートと透明導電
層との複合シート)を用いる場合であっても、液晶表示
素子において、透明導電性シートは偏光板や位相差板と
積層されることが多いため、剥離の応力の発生を抑制で
きる。
【0086】また、複合シートまたはこの複合シートに
用いる光散乱シートは、前記共連続相構造の光散乱シー
トと同様に、位相差が小さい方が好ましいが、位相差を
有していてもよい。
【0087】なお、微粒子分散構造の光散乱シートは、
前記透明ベース樹脂と微粒子成分を含む混合物を用い、
キャスティング法、溶融押出法などの慣用の方法に従っ
て製造できる。なお、透明ベース樹脂と微粒子成分とを
溶液にして成形する溶液製膜によってもシート成形でき
るが、好ましくは溶融した透明ベース樹脂に微粒子を分
散して製膜する溶融製膜法より製造する。溶融製膜法に
よりシート化すると、安価にシート成形できる。
【0088】また、透明ベース樹脂と微粒子成分との混
合物を基材シート表面にコーティングすることによって
も、微粒子分散構造の光散乱シートを形成できる。
【0089】偏光板、位相差板及び反射板としては、液
晶表示素子に用いる慣用の偏光板、位相差板または反射
板が使用できる。例えば、偏光板は、ポリビニルアルコ
ール製のフィルムであってもよい。位相差板は、例え
ば、ポリカーボネート製の位相差板である。反射板とし
ては、例えば、金属箔(アルミ箔など)や金属(アルミ
ニウムなど)が蒸着したプラスチックフィルムが使用で
きる。なお、反射板は、鏡面反射型の反射板であっても
よく、光散乱性を有する反射板(表面が粗面処理された
反射板など)であってもよい。
【0090】透明導電性シートを構成する透明導電層と
しては、導電性無機化合物で形成された層、例えば、金
属酸化物層(ITO(インジウム錫酸化物)、In
2、SnO2、ZnOなどの層)、金属層(Au、A
g、Pt、Pdなどの層)などが挙げられる。好ましい
透明導電層は、ITO層である。
【0091】透明導電層の厚みは、例えば、100×1
-8〜2,000×10-8cm、好ましくは100×10
-8cm〜1,500×10-8cm、さらに好ましくは150
〜1,000×10-8cm程度である。
【0092】透明導電層の表面抵抗は、例えば、10〜
1,000Ω/□、好ましくは15〜500Ω/□、さ
らに好ましくは20〜300Ω/□である。
【0093】なお、光散乱シートが、光散乱層と基材シ
ートとの積層シートの場合、透明導電層は、光散乱シー
トの光散乱層側に形成してもよく、基材シート側に形成
してもよい。透明導電層を光散乱層側に形成すると、光
散乱層を液晶層に近接できるため、高画質の表示画面を
形成できる。一方、透明導電層を基材シート側に形成す
る場合、この透明導電シートを用いて後述の液晶表示素
子を形成するときに、透明導電シートに配向膜を形成し
たり、光散乱シートに接着層を形成するなど、透明導電
シートを高温処理する必要があるものの、基材シートの
耐熱性が高い(例えば、PESやPCのガラス転移温度
は、それぞれ、約224℃及び約145℃である。ま
た、PETは結晶性が高く、TACは耐熱性に優れてい
る)ため、液晶表示素子の信頼性(安定性)を高めるこ
とができる。
【0094】また、透明導電シートは、光散乱シートの
少なくとも一方の面に透明導電層が形成されていればよ
いため、他方の面は、未処理であってもよく、前記透明
導電層以外の他の層、例えば、シートの静電気を除去す
るための静電気除去層(帯電防止層)が形成されていて
もよい。静電気除去層を形成すると、この層に偏光板、
位相差板、反射板などを貼りあわせる時に、静電気を有
効に除去でき、液晶表示素子の品質低下を防止できる。
【0095】静電気除去層は、前記透明導電層と同様の
成分で形成できる。静電気除去層の厚みは、例えば、1
0〜500オングストローム程度、好ましくは30〜3
00オングストローム程度である。また、静電気除去層
の表面抵抗は、例えば、0.5〜100kΩ/□程度、
好ましくは1〜50kΩ/□程度である。
【0096】透明導電シートは、導電層が形成されてい
るにも拘わらず、前記光散乱シートと同程度の高い全光
線透過率を示し、全光線透過率は、例えば、70〜10
0%程度、好ましくは85〜98%程度、さらに好まし
くは90〜95%程度である。
【0097】なお、複合シートは、前記共連続相構造の
光散乱シートと同様に、種々の添加剤を含有していても
よい。
【0098】複合シートの表面(透明導電シートの場合
は、特に、透明導電層が形成されていない側の表面)に
は、必要により、種々のコーティング層、例えば、防曇
層、離型層などを形成してもよい。
【0099】複合シートのシート厚みは、機能層の厚み
に応じて選択できる。例えば、透明導電シートのシート
厚みは、透明導電層の厚さが非常に薄いため、光散乱シ
ートのシート厚みと同様であり、1〜500μm程度、
好ましくは10〜400μm程度、さらに好ましくは5
0〜200μm程度である。透明導電性シートの厚みが
500μmを超えると、画像形成時に画像のシャープ性
が低下する(画像ボケ)。また、透明導電性シートの厚
みが1μm未満の場合、シートの強度や取扱い性が低下
する。
【0100】複合シートは、例えば、拡散角度3〜60
゜程度、好ましくは5〜50゜程度、さらに好ましくは
10〜40゜程度(特に10〜30゜程度)に拡散光を
指向可能であってもよい。
【0101】[光散乱性複合シートの製造方法]光散乱
性複合シートのうち、偏光板、位相差板、光反射板など
の透明導電層以外の機能層と光散乱シートとで複合シー
トを構成する場合、光散乱シート及び機能層のいずれか
一方の表面に粘着剤を塗布し、光散乱シートと機能層層
とを貼り合わせることにより複合シートを製造できる。
例えば、光散乱シートの一方の面に粘着剤層を形成した
後、機能層(偏光板、位相差板、反射板など)を貼りあ
わせることにより複合シートを形成できる。
【0102】粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル
系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系ポリマー、ポ
リエステル、ポリウレタン、合成ゴムなどが挙げられ
る。
【0103】前記アクリル系粘着剤を形成する(メタ)
アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸
エステル(エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコールなどの炭素数が2〜14程
度のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル)の
単独又は共重合体が挙げられる。
【0104】なお、液晶表示素子の製造工程において複
合シートを簡便に貼り付けるために、複合シートの表面
(例えば、光散乱シートの機能層との非接触面)に前記
粘着剤を塗布してもよい。また、粘着剤の表面は、一般
の機能シートと同様に、離型性フィルムが貼付されてい
てもよい。
【0105】複合シートの機能層の表面は保護フィルム
により保護してもよい。
【0106】一方、透明導電シートは、光散乱シートの
表面に、慣用の方法、例えば、スパッタリング法、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、コーティング法など
により透明導電層を形成することにより得ることができ
る。なお、真空蒸着法により透明導電層を形成する場合
(ITOを蒸着する場合など)、光散乱シート表面に予
めSiO2などの非導電性無機化合物を蒸着したり、熱
硬化性樹脂やUV硬化性樹脂などを予めコーティングし
てアンカーコート層を形成した後で、透明導電層を蒸着
することが多い。これら前処理により、透明導電層の強
度や耐久性を向上できる。
【0107】[反射型液晶表示素子]本発明の反射型液
晶表示素子は、透明導電層(電極)及びこの透明導電層
を支持する基板(電極支持基板)を有する透明性フロン
ト電極板と、導電層(電極)及びこの導電層を支持する
基板(電極支持基板)を有するバック電極板とが導電層
を対向して配設され、この両電極板の間に液晶が封入さ
れた液晶セルを有しており、この液晶セルの前方には偏
光板が配設されている。なお、通常、バック電極板の背
面には光反射板が配設されているとともに、前記偏光板
は前方からの光の入射路及び反射路内に配設されてい
る。そして、本発明では、液晶表示素子の画像の視認性
を向上するため、光散乱シート(前記複合シートに用い
る光散乱シート、例えば、共連続相構造の光散乱シー
ト、微粒子分散構造の光散乱シートなど)を用いて液晶
表示素子を構成している。この光散乱シートは、下記
(i)〜(iii)のいずれかである。
【0108】(i)偏光板とフロント電極板との間に配設
された光散乱シート (ii)バック電極板とこのバック電極板の後方に配設され
た反射板との間に配設された光散乱シート (iii)基板としての光散乱シート このような反射型液晶表示素子を用いると、光散乱シー
トを液晶に近接して配設できるため、画像の不明瞭性
(ボケ)を防止して視認性を高めることができる。ま
た、光散乱シートが反射型液晶表示素子の表面に露出し
ないので、外部から機械的または化学的影響を受けるこ
とが少なく、光散乱層が損傷する虞がない。さらに、反
射型液晶表示素子の表面に耐久性の優れた偏光板が形成
されているため、反射型液晶表示素子の品質を長期間に
亘って維持できる。
【0109】例えば、図1は、偏光板と液晶セルとの間
に光散乱シートが配設されたカラー表示用の液晶表示素
子(i)の例を示す概略断面図である。図1の反射型LC
Dは、透明導電層(図示せず)を有する一対の透明性電
極板7a、7b(ガラス板など)の間に封入された液晶
6(液晶層など)を備えた液晶セル12において、一方
の透明性電極板(バック電極板)7bには、入射光を反
射するための反射板5(例えば、鏡面反射板などの反射
層)が積層されている。また、液晶セル12の他方の透
明性電極板(フロント電極板)7aには、カラー表示の
ためのカラーフィルター8を介して、光散乱シート(こ
の例では、共連続相構造の光散乱シート)2が積層され
ている。また、光散乱シート2の他方の面には、反射光
を偏光するための偏光板1が積層されている。なお、反
射型LCDをモノクロ表示に使用する場合、前記カラー
フィルターは必ずしも必要ではない。
【0110】偏光板と透明導電層との間に光散乱シート
を配設すると、観察者側のフロント面から入射した光
(入射光)を拡散(散乱)できるだけでなく、反射板5
により反射した光をも再度拡散(散乱)できる。このよ
うに、2回に亘って光を散乱できるため、反射板5の鏡
面反射を十分に防止できる。
【0111】なお、偏光板と透明導電層との間に光散乱
シートを配設する場合、入射光を液晶よりも後方で反射
できる限り反射板は必ずしも必要ではなく、例えば、バ
ック電極板の導電層を光反射性導電層(例えば、金属層
が蒸着したガラス板など)であってもよい。図7は、光
反射性導電層を有する液晶表示素子の概略断面図であ
る。この液晶表示素子は、透明性フロント電極(インジ
ウム錫酸化物薄膜などの透明導電層)4aとフロント基
板(厚み1mmのガラス板など)22aとを有するフロン
ト電極板7aと、バック電極(導電層)4cとバック基
板(厚み1mmのガラス板など)22bとを有するバック
電極板7cと、この両電極板7a、7cの間に封入され
た液晶層6とで構成された液晶セル12を有している。
そして、バック電極(導電層)4cは、アルミニウム薄
膜で形成された光反射性バック電極である。なお、液晶
セル12のフロント側には、粘着剤層92を介して光散
乱シート2が積層され、この光散乱シート2の表面に
は、粘着剤層91を介して偏光板1が積層されている。
光反射性背面電極で反射性液晶表示素子を形成すると、
液晶表示素子を薄型化できる。
【0112】また、TFT型の液晶表示素子の場合には
必ずしも必要ではないものの、STN(Super Twisted
Nematic)液晶表示素子の場合には、偏光板とフロント
電極板との間には位相差板を配設してもよい。位相差板
は、光散乱シートは偏光板と位相差板との間に配設して
もよいが、好ましくは位相差板とフロント電極板(又は
液晶セル)との間に配設できる。例えば、図9は、位相
差板とフロント電極板との間に光散乱シートを配設した
液晶表示素子の概略断面図である。図9の液晶表示素子
は、前記図7と同様の液晶セル12のフロント電極板7
aに、粘着剤層92を介して光散乱シート2を貼り付
け、この光散乱シート2の表面に粘着剤層93を介して
位相差板3を貼り付け、さらにこの位相差板3の表面に
粘着剤層91を介して偏光板1を貼り付けることにより
形成できる。位相差板3とフロント電極板7aとの間に
光散乱シート2を配設すると、偏光板1と位相差板3と
の間に光散乱シート2を配設する場合に比べ、液晶に光
散乱シートを近接させることができ、画像の明瞭性をさ
らに高めることができる。
【0113】図11は、バック電極板と反射板との間に
光散乱シートを配設した液晶表示素子(ii)の概略断面図
である。この液晶表示素子は、フロント基板(厚み10
0μmのプラスチックシートなど)22aと、バック基
板(厚み100μmのプラスチックシートなど)22b
と、この両基板の間に封入された液晶層6とで構成され
た液晶セル12を有している。また、前記両基板におい
て、液晶側の表面には透明性フロント電極(インジウム
錫酸化物薄膜など)4a、4bが形成されている。そし
て、この液晶セル12の後方には、粘着剤層95を有す
る反射板5が配設され、この反射板5と液晶セル12と
の間に粘着剤層92により光散乱シート2が貼り付けら
れている。バック電極板7bと反射板5との間に光散乱
シート2を配設した場合も、前記偏光板1とフロント電
極板7aとの間に光散乱シート2を配設する場合と同様
に、入射光と反射光とを散乱でき、反射板5の鏡面反射
を十分に防止できる。
【0114】図4は、基板を光散乱シートで形成した液
晶表示素子(iii)の概略断面図である。この液晶表示
素子は、液晶セル12の前方に位相差板3を介して偏光
板1が積層されており、液晶セル12の後方には反射板
5が積層されている。そして、液晶セル12では、基板
(電極支持基板)22a、22bとして、基材シート2
3a、23bに光散乱層21a、21bが積層された光
散乱シート(フロント電極板)2a、2bを使用してお
り、これら両基板(光散乱シート)のうち液晶側の表面
には透明導電層4a、4bが形成されている。
【0115】このような液晶表示素子を用いると、光散
乱シートで基板(電極支持基板)を構成できるため、光
散乱層(光散乱シート)などを別個に設ける必要がな
い。このため、明るい画面が得られるにも拘わらず、液
晶表示素子の厚みを薄くできる。さらに、液晶表示素子
の厚みを薄くすることにより、液晶画像と光散乱層の画
像との両方の画像が形成されるのを十分に防止でき、よ
りシャープな画像を形成でき、極めて鮮明で高品質な表
示画面を得ることができる。
【0116】なお、光散乱シートで基板を構成する場
合、必ずしもフロント基板22aとバック基板22bと
の両方の基板を光散乱シート2で形成する必要はなく、
いずれか一方が光散乱シート2で形成されていればよ
い。例えば、バック基板22bを光散乱シート2bで形
成する場合、フロント基板7aとしては、光散乱性を有
さない透明性基板を使用してもよい。
【0117】また、フロント基板22aを光散乱シート
2aで形成する場合も、フロント基板7aとして、光散
乱性を有さない透明性基板が使用できる。さらに、フロ
ント基板22aを光散乱シート2aで形成する場合、バ
ック電極(導電層)4bは、光反射性電極であってもよ
く、光反射性電極を用いる場合、反射板5は必ずしも必
要ではない。
【0118】光散乱シートとしては、好ましくは共連続
相構造の光散乱シートが使用できる。共連続相構造の光
散乱シートを用いて反射型LCDを構成すると、反射光
に拡散性を付与しながら、散乱光を一定の方向に指向さ
せることができるため、画面表示を明るくすることがで
きる。特に、カラー表示であっても十分な明るさを確保
できるので、カラー反射型液晶表示素子に有利に形成で
きる。なお、光散乱シートとして共連続相構造の光散乱
シートを使用する場合、反射光に指向性を付与できるた
め、透過型液晶表示素子(反射板に代えて、バックライ
トを用いた液晶表示素子)であっても広い視野角に亘っ
て明るい液晶画像を表示できる。また、光散乱シートと
して共連続相構造の光散乱シートを使用する場合、光散
乱シートの配設位置は特には限定されない。
【0119】偏光板1、位相差板3、反射板5及び透明
導電層4a、4bは前記複合シートと同様である。
【0120】透明導電層が形成された電極板(光透過性
電極板)としては、ガラスやプラスチック(前記基材シ
ートと同様のプラスチックシートなど)などの基板(透
明性基板)の表面に、前記透明導電シート(光散乱性透
明導電シート)と同様にして透明導電層を形成した電極
板が使用できる。
【0121】また、光反射性導電層が形成された電極板
(光反射性電極板)は、前記フロント電極板と同様の基
板に、金属層(光反射性導電層)を蒸着することにより
形成できる。光反射性導電層は粗面処理されていてもよ
い。なお、粗面処理は、例えば、蒸着条件を適当に選択
することにより、または慣用の粗面化方法により行うこ
とができる。粗面処理した光反射性バック電極板を用い
ると、液晶表示素子において、液晶に電圧を印加できる
とともに、入射光を鏡面反射することなく、適度に散乱
して反射できる。
【0122】なお、導電層(透明導電層、光反射性導電
層など)は、ストライプ状にパターン処理され、ストラ
イプ状電極を構成している。この導電層のパターン処理
は、フォトリソグラフ加工などのレジスト形成法によ
り、または導電層にエッチングを施すことにより行うこ
とができる。また、フロント電極板のストライプ状電極
と、バック電極板のストライプ状電極とが、互いに交叉
(例えば、直交)するように両電極板は配設されていて
もよい。
【0123】さらに、この両導電層には、液晶を反射型
液晶に適する配向(前記図7、9、11及び4のような
1枚偏光板方式では、主に垂直配向)を発生させるた
め、配向膜を塗布乾燥し、ラビングしてもよい。配向膜
にはポリイミド系の垂直配向膜が主に用いられる。
【0124】前記液晶セル12は、例えば、スクリーン
印刷により、電極板7a、7bの導電層側の表面にシー
ル部分を形成(印刷)し、当該シール部の上にスペーサ
13を配設し、このスペーサー13を挟んで2枚の電極
板7a、7bを貼りあわせることにより形成できる。液
晶は、前記貼り合わせにより形成された空間部(セル
内)に、真空注入法などの慣用の方法によって注入でき
る。また、注入口は封止剤(紫外線硬化型の封止剤な
ど)により封止可能である。
【0125】液晶表示素子は、1つの偏光板を用いた偏
光板1枚方式の反射型LCDに限られず、異なる偏光性
を有する2つの偏光板を用いた偏光板2枚方式の反射型
LCDであってもよい。また、偏光板1枚方式の反射型
LCDは、例えば、1枚の偏光板と、種々のモード(ツ
イストネマチック液晶を用いたモード、R−OCB(Op
tically Compensated Bend) モード、平行配向モードな
ど)を組み合わせた反射型LCDであってもよい。
【0126】前記液晶表示素子は、偏光板、光散乱シー
ト、液晶セル、及び必要に応じて位相差板や光反射板な
どを互い粘着剤(接着剤)で貼り合わせることにより形
成できる。なお、偏光板、光散乱シート、位相差板、及
び光散乱板は、通常、予め表面(両面又は片面)に粘着
剤層が形成されている。なお、光散乱層と基材シートと
で構成された光散乱シートの片面に粘着剤層を形成する
場合、光散乱層を保護するため、光散乱層側の表面に粘
着剤層(接着剤層)を形成することが多い。
【0127】偏光板、光散乱シート、位相差板、及び光
散乱板の片面に粘着剤層を形成すると、簡便に液晶表示
素子を形成できる。例えば、偏光板と光散乱シートと液
晶セルとを貼り合わせて液晶表示素子を製造する場合、
偏光板の粘着剤(接着剤)で光散乱シートと偏光板とを
貼りあわせることができる。このため、光散乱シートの
片面に形成された粘着剤により、光散乱シートと位相差
板又は液晶セル(フロント電極板)とを張り合わせるこ
とにより液晶表示素子を製造できる。
【0128】また、偏光板、位相差板、光散乱シート及
び液晶セルを張り合わせて液晶表示素子を製造する場合
も、位相差板の粘着剤(接着剤)で光散乱シートと位相
差板とを貼りあわせることができる。そして、光散乱シ
ートの片面に形成された粘着剤により、光散乱シートと
液晶セル(フロント基板)とを貼り合わせることができ
る。なお、必要に応じて、光散乱シートの粘着剤により
光散乱シートと位相差板とを貼り合わせ、位相差板の粘
着剤により位相差板と液晶セル(フロント基板)とを貼
り合わせてもよい。そして、偏光板の粘着剤により、偏
光板を位相差板又は光散乱シートと貼り合わせることに
より液晶表示素子を製造できる。
【0129】さらに、光透過性バック電極板と光散乱シ
ートと反射板とを貼り合わせる場合には、この反射板の
粘着剤(接着剤)で反射板と光散乱シートとを貼りあわ
せることができる。このため、光散乱シートの片面に形
成された粘着剤により、光散乱シートとバック電極板と
を張り合わせることができる。また、前記液晶セルのフ
ロント面に、粘着剤層が形成された位相差板、及び粘着
剤層が形成された偏光板を順次貼り合わせることによ
り、液晶表示素子を製造できる。
【0130】また、偏光板、光散乱シート、位相差板、
及び光散乱板の両面に粘着剤層を形成する場合、特に光
散乱シートの両面に粘着剤層が形成する場合、粘着剤層
の成面を識別する必要なくシートを貼り付けることがで
き、製造工程が簡便となり、接着強度も向上する。
【0131】前記液晶表示素子の製造工程において、前
記複合シート(光散乱シートと偏光板との積層シート、
光散乱シートと位相差板との積層シート、光散乱シート
と反射板との積層シート、光散乱シートと透明導電層と
の積層シート(透明導電性シート)など)を用いてもよ
い。例えば、前記図7の液晶表示素子は、偏光板1と光
散乱シート2を積層した複合シート(図6)を用いるこ
とにより、前記図9の液晶表示素子は、位相差板3と光
散乱シート2を積層した複合シート(二層シート)(図
8)又はこのシートの位相差板3にさらに偏光板1を積
層した複合シート(三層シート)(図12)を用いるこ
とにより、図11の液晶表示素子は、光散乱シート2と
反射板5とを積層した複合シート(図11)を用いるこ
とにより、図4の液晶表示素子は光散乱シート2の表面
に透明導電層4を形成した透明導電性シート(図16)
を用いることにより製造できる。このような複合シート
を用いると、従来の液晶表示素子の製造ラインを変更す
ることなく、反射型液晶表示装置を製造できる。
【0132】なお、複合シートを用いて液晶表示素子を
製造する場合、好ましくは、複合シートの光散乱シート
を液晶に近接するように、複合シートを液晶セルに配設
(貼り付け)する。例えば、光散乱シートと偏光板(又
は位相差板)との複合シートを液晶セルの観察者側に配
設して反射型液晶表示素子を構成する場合、光散乱シー
トを液晶セルに向けて(すなわち、偏光板(又は位相差
板)を観察者側に向けて)複合シートを配設(貼り合わ
せ)するのが好ましい。光散乱シートを液晶に近接する
ように複合シートを配設すると、画像の明瞭性をさらに
高めることができる。
【0133】本発明の光散乱シート、複合シートまたは
液晶表示素子を用いると、液晶表示画面の視認性を向上
できる。このため、反射型LCD、特に携帯型情報機器
の液晶表示装置に好適に利用できる。また、本発明の光
散乱シートの製造方法によると、スピノーダル分解によ
り光散乱シートを製造しているため指向性拡散シートを
簡便に製造できる。
【0134】
【発明の効果】本発明の光散乱シート、複合シート、及
び液晶表示素子によれば、反射光に指向性を付与できる
ため、または液晶セルに近接して光散乱シートを配設す
ることが可能であるため、液晶画像の視認性を向上でき
る。また、本発明の複合シートによれば、光散乱シート
と液晶表示素子の機能層とが複合化されているため、液
晶表示素子の製造ラインを変更することなく、コストを
増大させることなく、かつ歩留まりを低下させることな
く、液晶表示素子の鏡面反射を防止して、画像の視認性
を向上できる。特に、透明導電性シートを用いると、導
電性を有しているため、液晶表示素子の電極板を構成で
き、薄型で高画質な液晶表示素子を簡便かつ低コストに
得ることができる。さらに、本発明の液晶表示素子によ
れば、液晶画像の視認性を向上できるだけでなく、光散
乱シートが偏光板よりも背面に配設されているため、液
晶表示素子の表面の耐傷性を向上でき、低コストで液晶
表示素子の耐久性を向上できる。
【0135】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0136】なお、実施例及び比較例では、下記の樹
脂、偏光板、位相差板を使用した。
【0137】[樹脂] PMMA−1:ポリメタクリル酸メチル(三菱レイヨン
(株)製、「BR−87」、重量平均分子量(Mw)=
25,000、屈折率=1.49) PMMA−2:ポリメタクリル酸メチル(三菱レイヨン
(株)製、「BR−83」、重量平均分子量(Mw)=
40,000、屈折率=1.49) PMMA−3:ポリメタクリル酸メチル(三菱レイヨン
(株)製、「BR−80」、重量平均分子量(Mw)=
95,000、屈折率=1.49) PMMA−4:ポリメタクリル酸メチル(三菱レイヨン
(株)製、「BR−88」、重量平均分子量(Mw)=
480,000、屈折率=1.49) PMMA−5:ポリメタクリル酸メチル(PMMA)系
粒子(積水化学(株)製、「MBX−2」) SAN−1:スチレン−アクリロニトリル共重合体(テ
クノポリマー(株)製、「290−ZF」、重量平均分
子量(Mw)=69,000、屈折率=1.57) SAN−2:スチレン−アクリロニトリル共重合体(テ
クノポリマー(株)製、「SAN−T」、重量平均分子
量(Mw)=107,000、屈折率=1.57) SAN−3:スチレン−アクリロニトリル共重合体(テ
クノポリマー(株)製、「SAN−L」、重量平均分子
量(Mw)=100,000、屈折率=1.57) SAN−4:スチレン−アクリロニトリル共重合体(ダ
イセル化学工業(株)製、「080」、重量平均分子量
(Mw)=110,000、屈折率=1.55) SAN−5:スチレン−アクリロニトリル共重合体(ダ
イセル化学工業(株)製、「080SF」、重量平均分
子量(Mw)=110,000、屈折率=1.55) CEL−1:セルローストリアセテート(ダイセル化学
工業(株)製、「LT−105」) PETG−1:ポリエチレンテレフタレート系非晶性コ
ポリエステル(Eastman Chemical 社製、「Eastar PETG
6763」、屈折率=1.567) GPPS−1:汎用ポリスチレン(ダイセル化学工業
(株)製、「GPPS♯30」、屈折率=1.589) PES−1:ポリエーテルスルホンシート(住友化学工
業(株)製、厚み=100μm) [偏光板] 偏光板A:液晶表示用偏光フィルム(日東電工(株)
製、「NPF」) 偏光板B:ヨウ素を吸着した一軸延伸ポリビニルアルコ
ールフィルムの一方の面に粘着剤層が形成され、他方の
面が、粗面化処理及び表面加工処理した後保護フィルム
(トリアセチルセルロースフィルム)で保護されている
偏光板。なお、液晶表素子の製造工程において、保護フ
ィルムは偏光板から剥がされる。
【0138】[位相差板] 位相差板A:液晶表示用位相差フィルム(日東電工
(株)製、「NRF」) 位相差板B:ポリカーボネート樹脂製位相差フィルム [反射板] 反射板A:樹脂シートにアルミニウムを厚み100μm
で蒸着し、このアルミニウム蒸着面に粘着剤を塗布した
シート 反射板B:表面に粘着剤層が形成されたアルミ箔(厚み
50μm) 実施例1 ポリメタクリル酸メチル(PMMA−4)50重量部と
スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN−4)5
0重量部とを塩化メチレン/メタノール混合溶媒(9/
1、重量比)400重量部に溶解した。溶液をガラス板
上に流延することにより、厚さ8μmのシート層を形成
した。ガラス板を280℃のホットプレート上で、1 分
間加熱した。熱処理後、ガラス板とシートとを、冷水浴
に浸漬した。シートをガラス板から剥離し、枠に張り付
け、乾燥した(厚さ10μm)。得られたシートを透過
型光学顕微鏡により観察したところ、シートは共連続相
構造と液滴相構造との中間的構造を有し、連続相の平均
相間距離は約6μmであった。また、シートの全光線透
過率は93%であった。透過型光学顕微鏡により観察さ
れた相構造の模式図を図19に示す。
【0139】実施例2 熱処理温度を250℃、熱処理時間を3分とする以外
は、実施例1と同様にした。得られたシートを透過型光
学顕微鏡により観察したところ、共連続相構造と液滴相
構造との中間的構造を有しており、平均相間距離は約6
μmであった。
【0140】参考例1 セルローストリアセテート(CEL−1)のフレーク8
0重量部を塩化メチレン/メタノール混合溶媒(9/
1、重量比)900重量に溶解した。溶液にPMMA系
微粒子(PMMA−5)20重量部を混合し、流延、キ
ャストし、150μmのシートを得た。得られたシート
を透過型光学顕微鏡により観察したところ、液滴相構造
を有しており、液滴の平均直径は3μmであった。ま
た、シートの全光線透過率は92%であった。
【0141】実施例1、2及び参考例1で得られた光拡
散シートの性能を、以下の方法に従って評価した。
【0142】(指向性1)得られた光拡散シートを用い
て、図2の反射型LCDモデル装置を構成した。正面方
向から垂直にレーザー光(NIHON KAGAKU
ENG NEO−20MS)を照射し、拡散角度θ1に
対応する反射光の強度(拡散強度)を測定した。測定結
果を図21に示す。図21から明らかなように、液滴相
構造(海島構造)を有する参考例1の微粒子分散型光拡
散シートがガウス分布型の拡散強度を示すのに対し、実
施例のシートは特定方向(拡散角度約7°)に拡散光が
指向している。 (指向性2)図2と同様の反射型LCDモデル装置を構
成し、斜め方向からスポットライト白色光を照射し、垂
直方向に反射する光の強度を測定した(図5)。入射角
度(拡散角度θ2)に対応する垂直方向の反射光の強度
を以下の基準に従って評価した。
【0143】 A:明るい B:ふつう C:暗い 結果を表2に示す。
【0144】
【表2】
【0145】表2から明らかなように、実施例の透過型
光拡散シートは、所定の拡散角度(入射角度)に対して
高い指向性を有している。
【0146】実施例3 熱処理温度を230℃、熱処理時間を10分、シート厚
みを14μmとする以外は、実施例1と同様にした。得
られたシートを透過型光学顕微鏡により観察した。シー
トは共連続相構造を有しており、連続相の平均相間距離
は約6μmであった。この共連続相構造の模式図を図2
0に示す。
【0147】実施例4 シート厚みを8μmとする以外は、実施例3と同様にし
た。得られたシートを透過型光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、共連続相構造を有し、連続相の平均相間距離は約4
μmであった。
【0148】実施例5 シート厚みを10μmとする以外は、実施例3と同様に
した。得られたシートを透過型光学顕微鏡で観察したと
ころ、共連続相構造を有し、連続相の平均相間距離は約
4μmであった。
【0149】実施例6 熱処理時間を7分とする以外は実施例5と同様にした。
得られたシートを透過型光学顕微鏡で観察したところ、
共連続相構造を有し、連続相の平均相間距離は約3μm
であった。
【0150】実施例7 熱処理時間を14分とする以外は実施例5と同様にし
た。得られたシートを透過型光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造を有し、
連続相の平均相間距離は約6μmであった。
【0151】実施例3〜7で得られたシートの指向性
を、実施例1と同様にして評価した(指向性2)。結果
を表3に示す。
【0152】
【表3】
【0153】表3から明らかなように、実施例の透過型
光拡散シートは、所定の拡散角度(入射角度)に対して
高い指向性を有している。
【0154】実施例8〜13 ポリメタクリル酸メチル(PMMA−1〜4)及びスチ
レンアクリロニトリル共重合体(SAN−1〜3)を表
4に示す割合に従って配合し、溶剤(酢酸エチル)に溶
解混合した後、得られた溶液(ドープ)をバーコート法
により、支持体の無アルカリガラス上に流延し、一昼夜
風乾させ、所定厚みのシートを作成した。このあと、ガ
ラス板上のシートごとオーブンに入れ、表4に記載され
た温度及び時間で熱処理した。熱処理後、ガラス板ごと
冷水に浸漬した。シートをガラス板から剥離し乾燥させ
て、光散乱シートを得た。こうして得られた光散乱シー
トについて、下記の方法に従って、全光線透過率、光散
乱性、直進光/拡散光比、及び明るさについて評価し
た。
【0155】(全光線透過率)JIS K7105に準
拠して、ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、ND
H−300A)を用いて全光線透過率(透過率)を測定
した。
【0156】(光散乱性)図3に示すレーザー光散乱自
動測定装置(日本科学エンジニリング(株)製)を用い
て、光散乱シートに対して垂直方向より光が入射する時
の散乱特性(散乱角度に対する散乱光(拡散光)の強
度)を測定した。
【0157】(直進光/拡散光比(I(θ0)/I(θm
ax))前記光散乱性試験により、散乱角度に対して光散
乱強度をプロットし、シートを直進透過した直進透過光
の強度I(θ0)と、極大の散乱光(拡散光)の強度I
(θmax)との比を求めた。
【0158】(明るさ)図2と同様の反射型LCDモデ
ル装置を構成し、斜め方向からスポットライト白色光を
照射し、垂直方向に反射する光の強度を測定した(図
5)。入射角度(拡散角度θ2)に対応する垂直方向の
反射光の強度を以下の基準に従って評価した。
【0159】 AA:実施例13より、極めて明るい A:実施例13より、さらに明るい B:明るい 結果を表4、表5、図22、及び図23に示す
【0160】
【表4】
【0161】
【表5】
【0162】表4及び表5から明らかなように、実施例
8〜13の光散乱シートを用いると、液晶の表示画像を
明るくできる。特に、特定の分子量のポリマーで構成さ
れた実施例8〜12の光散乱シートは、高い全光線透過
率、低い直進光/拡散光比(I(θ0)/I(θmax))
を有しており、効果的に外部光を取り込むことができ
る。このため、液晶画像の明るさも極めて優れている。
【0163】実施例14 ポリメタクリル酸メチル(PMMA−4)50重量部と
スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN−4)5
0重量部とを塩化メチレン/メタノール混合溶媒(9/
1、重量比)400重量部に溶解した。溶液をポリエー
テルスルホンシート(PES−1)上に流延することに
より、厚さ115μmのコーティングシートを形成し
た。このコーティングシートを230℃で10分間加熱
した。熱処理後、コーティングシートとを、冷水浴に浸
漬し、十分に乾燥した。得られたシートを透過型光学顕
微鏡により観察したところ、シートは共連続相構造と液
滴相構造との中間的構造を有し、連続相の平均相間距離
は約6μmであった。また、シートの全光線透過率は9
3%であった。
【0164】偏光板(偏光板A)1の粘着剤層91によ
り、偏光板1と前記共連続相構造のシート(光散乱シー
ト2)のポリエーテルスルホンシート層とを貼り合わ
せ、この光散乱シート2の表面(光散乱層)にアクリル
系粘着剤層92を塗布し、乾燥することにより複合シー
トA(積層シート)(図6)を製造した。なお、偏光板
1の表面は保護フィルム(図示せず)で、粘着剤層92
の表面はシリコン系離型剤を塗布したPETフィルム
(厚み50μm)(離型フィルム)で保護した。
【0165】複合シートA表面の保護フィルム及び離型
フィルムを剥離し、粘着剤層92により複合シートAを
液晶セル12に貼り付けることにより、図7の液晶表示
素子を製造した。なお、液晶セル12のフロント基板2
2a及びバック基板22bには、ガラス板(厚み1m
m)を、透明のフロント電極4aにはインジウム錫酸化
物薄膜を、光反射性バック電極4cにはアルミニウム薄
膜を用いた。
【0166】偏光板1と光散乱シート2とを積層した複
合シートAを用いているため、液晶表示素子の偏光板貼
り付け工程において複合シートAを貼り付けることがで
き、液晶表示素子の製造ラインを変更することなく光散
乱シート2を有する液晶表示素子を製造できた。このた
め、コストを増大させることなく、かつ歩留まりを低下
させることなく、鏡面反射の防止可能な画像の視認性が
向上した反射型液晶表示素子を製造できた。
【0167】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、鏡面反射は低減してお
り、明瞭性に優れたコントラストの高い鮮明な表示画面
が観察された。
【0168】実施例15 液晶セル12の表面に光散乱シート2をはりあわせた
後、この光散乱シート2の表面に偏光板1を貼り付ける
ことにより図7に示す反射型液晶表示素子を形成した。
【0169】実施例14に比べると製造工程が複雑化す
るものの、この液晶表示素子は実施例14と同様に、表
示画像の視認性に優れていた。
【0170】実施例16 位相差板(位相差板A)3の粘着剤層93により、位相
差板3と光散乱シート(参考例1の光散乱シート)2と
を貼り合わせた。光散乱シート2の表面にアクリル系粘
着剤層92を塗布し、乾燥することにより複合シートB
(積層シート)(図8)を製造した。なお、位相差板3
の表面は保護フィルム(図示せず)で、粘着剤層92の
表面はシリコン系離型剤を塗布したPETフィルム(厚
み50μm)(離型フィルム)で保護した。
【0171】複合シートBの保護フィルム及び離型フィ
ルムを剥離し、粘着剤層92により複合シートBを液晶
セル12に貼り付けた後、この複合シートBの表面に偏
光板(偏光板A)を貼り付けることにより図9の液晶表
示素子を製造した。なお、液晶セル12のフロント基板
22a及びバック基板22bには、ガラス板(厚み1m
m)を、透明のフロント電極4aにはインジウム錫酸化
物薄膜を、光反射性バック電極4cにはアルミニウム薄
膜を用いた。
【0172】位相差板3と光散乱シート1との複合シー
トBを用いているため、液晶表示素子の位相差板貼り付
け工程において複合シートBを貼り付けることができ、
液晶表示素子の製造ラインを変更することなく光散乱シ
ートを有する液晶表示素子を製造できた。このため、コ
ストを増大させることなく、かつ歩留まりを低下させる
ことなく、鏡面反射の防止可能な画像の視認性が向上し
た反射型液晶表示素子を製造できた。
【0173】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、鏡面反射は低減してお
り、明瞭性に優れたコントラストの高い鮮明な表示画面
が観察された。
【0174】実施例17 透明ベース樹脂としての非晶性コポリエステル(PET
G−1)90重量部と、微粒子分散成分としての熱可塑
性樹脂(GPPS−1)10重量部とをそれぞれ70℃
で4時間乾燥した後、バンバリーミキサーで混練した。
混練した樹脂組成物を押出機に供給し、240℃で溶融
し、Tダイからシート状に押し出し成形し、表面温度2
5℃の冷却ドラムで冷却個化した(溶融製膜)。得られ
たシート(光散乱シート2)の厚みは120μmであ
り、全光線透過率は91%であった。
【0175】反射板(反射板A)5の粘着剤層95によ
り、反射板5と前記微粒子分散構造のシート(光散乱シ
ート2)とを貼り合わせ、この光散乱シート2の表面に
アクリル系粘着剤層92を塗布し、乾燥することにより
複合シートC(積層シート)(図10)を製造した。な
お、反射板5の表面は保護フィルム(図示せず)で、粘
着剤層92の表面はシリコン系離型剤を塗布したPET
フィルム(厚み50μm)(離型フィルム)で保護し
た。
【0176】複合シートC表面の保護フィルム及び離型
フィルムを剥離し、粘着剤層92により複合シートCを
液晶セル12の背面に貼り付け、また液晶セル12の観
察者側の面に位相差板3及び偏光板1を貼り付けること
により図11の液晶表示素子を製造した。なお、液晶セ
ル12のフロント基板22a及びバック基板22bに
は、プラスチックシート(PES−1)を用い、透明の
フロント電極4a及びバック電極4bとしてインジウム
錫酸化物薄膜製ストライプ状透明電極を形成した。
【0177】反射板5と光散乱シート2とを積層した複
合シートCを用いているため、液晶表示素子の反射板貼
り付け工程において複合シートCを貼り付けることがで
き、液晶表示素子の製造ラインを変更することなく光散
乱シート2を有する液晶表示素子を製造できた。このた
め、コストを増大させることなく、かつ歩留まりを低下
させることなく、鏡面反射の防止可能な画像の視認性が
向上した反射型液晶表示素子を製造できた。
【0178】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、鏡面反射は低減してお
り、明瞭性に優れたコントラストの高い鮮明な表示画面
が観察された。
【0179】実施例18 偏光板(偏光板A)1の粘着剤層91により偏光板1と
位相差板(位相差板B)3とを貼り合わせ、この位相差
板3の粘着剤層93により位相差板3と光散乱シート
(実施例14の光散乱シート)2とを貼り合わせた。光
散乱シート2の表面にアクリル系粘着剤層92を塗布
し、乾燥することにより複合シートD(積層シート)
(図12)を製造した。なお、偏光板1の表面は保護フ
ィルム(図示せず)で、粘着剤層92の表面はシリコン
系離型剤を塗布したPETフィルム(厚み50μm)
(離型フィルム)で保護した。
【0180】偏光板1、位相差板3及び光散乱シート2
とを積層した複合シートDを用いて液晶表示素子を製造
したところ、液晶表示素子の偏光板の貼り付け工程及び
位相差板貼り付け工程に代えて、ワンステップで複合シ
ートDを貼り付けることができ、液晶表示素子の製造ラ
インを簡略化して光散乱シート2を有する液晶表示素子
を製造できた。このため、コストを低減し、かつ歩留ま
りを低下させることなく、鏡面反射の防止可能な画像の
視認性が向上した反射型液晶表示素子を製造できた。
【0181】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、鏡面反射は低減してお
り、明瞭性に優れたコントラストの高い鮮明な表示画面
が観察された。
【0182】実施例19 参考例1の光散乱シート2の面に、スパッタリングによ
りITOの透明導電層4(厚み450オングストロー
ム)を形成することにより、図13の透明導電シートを
得た。透明導電層の表面抵抗は100Ω/□であった。
シート厚み、全光線透過率、及び光散乱性は、参考例1
の光散乱シートと同様であった。
【0183】実施例20 実施例19の透明導電シートの透明導電層非形成面(非
蒸着面)に、スパッタリングによりITOの静電気除去
層(厚み50オングストローム)を形成することによ
り、静電気除去層13と、透明導電層4及び光散乱シー
ト2とが積層した透明導電シートを得た(図14)。静
電気除去層の表面抵抗は20kΩ/□であった。シート
厚み、全光線透過率、及び光散乱性は、実施例19の光
散乱シートと同様であった。
【0184】実施例21 ポリメタクリ酸メチル(PMMA−4)50重量部とス
チレン−アクリロニトリル共重合体(SAN−5)50
重量部を塩化メチレン/メタノール混合溶媒(9/1
(重量比)に溶解した。この溶液をポリエーテルスルホ
ンシート(PES−1)上に流延し、乾燥した後、23
0℃で10分間熱処理した。冷水中に浸漬して冷却した
後、十分に乾燥することにより光散乱シート(シート厚
み115μm、全光線透過率93%)を得た。この光散
乱シートを透過型顕微鏡により観察したところ、シート
は共連続相構造を有しており、連続相の平均相間距離は
約6μmであった。この光散乱シートは、拡散角度約7
゜に拡散光を指向可能であった。
【0185】光散乱シートの共連続相側の表面に、IT
Oをスパッタリングして、厚み450オングストローム
の透明導電層を形成することにより、基材シート23と
光散乱層21の積層体の光散乱層側に透明導電層4が積
層した透明導電シート(図15)を得た。透明導電層の
表面抵抗は100Ωであった。シート厚み、全光線透過
率、及び光散乱性は、前記透明導電層形成前の光散乱シ
ートと同様であった。
【0186】実施例22 光散乱シートのPES面(共連続相非形成面)に透明導
電層を形成する以外は、実施例21と同様にして透明導
電シート(図16)を得た。透明導電層の厚みは450
オングストロームであり、表面抵抗は100Ω/□であ
った。シート厚み、全光線透過率、及び光散乱性は、実
施例21の光散乱シートと同様であった。
【0187】実施例23 実施例22で得られた透明導電シートを、フォトリソグ
ラフ加工により透明導電層をストライプ状にパターン処
理し、この処理シートをフロント基板及びバック基板と
して用いることにより、図4のSTN型の反射型プラス
チック液晶表示素子を形成した。偏光板1には偏光板A
を、位相差板3には位相差板Aを、反射板5には反射板
Bを用いた。液晶表示素子の厚みは約650μmであっ
た。
【0188】蛍光燈の照明下でこの反射型プラスチック
液晶表示素子を用いて画面表示したところ、鏡面反射に
対応する拡散角度0゜の反射光を低減し、拡散光に指向
性を付与できた。また、画像ボケの少ないシャープな画
像を形成でき、コントラストの高い鮮明な表示画面が観
察された。
【0189】参考例2 フロント基板及びバック基板として下記のシートを用
い、フロント基板に実施例21の光散乱シート2を積層
する以外は、実施例23と同様にして反射型プラスチッ
ク液晶表示素子を形成した(図17)。液晶表示素子の
厚みは約770μmであった。
【0190】(フロント電極板及びバック電極板)ポリ
エーテルスルホンシート(PES−1)の一方の面に、
実施例21と同様にしてITOの透明導電層(厚み45
0オングストローム)を形成した。このシートの透明導
電層を、フォトリソグラフ加工によりストライプ状にパ
ターン処理することにより、フロント電極板7a及びバ
ック電極板7b用シートを形成した。
【0191】蛍光灯の照明下で実施例23(図4)と参
考例2(図17)の反射型プラスチック液晶表示素子の
画面表示を比較したところ、実施例23の反射型プラス
チック液晶表示素子では、蛍光灯の像が全く確認され
ず、画像の視認性に優れていた。
【0192】実施例23及び参考例2から明らかなよう
に、実施例19〜実施例23の液晶表示素子では、透明
導電シートは、光散乱性を有するだけでなく、液晶表示
素子の電極板として使用できるため、別途光散乱シート
を用いる必要がない。このため、液晶表示素子の厚みを
薄くでき、実施例23と参考例2とを比較した場合、約
120μm薄型化できる。このため、画像ボケを防止し
て、シャープかつコントラストの高い鮮明な表示画面を
得ることができる。
【0193】実施例24 偏光板1として偏光板Bを用い、予め積層シートAを形
成することなく液晶セル12のフロント電極支持板22
aに光散乱シート2を貼り付け、さらにこの光散乱シー
ト2の表面に偏光板1を貼り付ける以外は、実施例14
と同様にして図7の反射型液晶表示素子を形成した。
【0194】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、鏡面反射は低減してお
り、明瞭性に優れたコントラストの高い鮮明な表示画面
が観察された。さらに、反射型液晶表示素子の表面(偏
光板1)はスチールウール(♯0000)でこすって
も、殆ど傷がつかなかった。
【0195】比較例1 液晶セル12のフロント基板22aに偏光板(偏光板
B)1を貼り付け、さらにこの偏光板1の表面に光散乱
シート2を貼り付ける以外は、実施例24と同様にして
図18の反射型液晶表示素子を製造した。
【0196】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、光散乱シート2により
鏡面反射は低減しているものの、実施例24の液晶表示
素子に比べて表示画面が不明瞭であった。さらに、反射
型液晶表示素子の表面(光散乱シート2)をスチールウ
ール(♯0000)でこすると、傷がついた。
【0197】実施例25 光散乱シート2として参考例1の光散乱シートを用いる
以外は、実施例24と同様にして反射型液晶表示素子を
製造した。
【0198】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、鏡面反射は低減してお
り、明瞭性に優れたコントラストの高い鮮明な表示画面
が観察された。さらに、反射型液晶表示素子の表面(偏
光板1)はスチールウール(♯0000)でこすって
も、殆ど傷がつかなかった。
【0199】実施例26 偏光板1として偏光板Bを、位相差板3として位相差板
Bを、反射板5として反射板Bを用い、予め積層シート
Dを形成することなく、液晶セル12のフロント側に偏
光板1及び位相差板3を貼り付け、液晶セル12の背面
に光散乱シート2及び反射板5を貼り付ける以外は実施
例17と同様にして図11の反射型液晶表示素子を製造
した。なお、光散乱シート2は僅かにリターデーション
を有しているため、光散乱シート2の配向軸を偏光板の
偏光軸に一致させるようにして、光散乱シート2を背面
電極の基板に貼り合わせた。
【0200】蛍光燈の照明下、この反射型液晶表示素子
の表示画像を目視で確認すると、鏡面反射は低減してお
り、明瞭性に優れたコントラストの高い鮮明な表示画面
が観察された。さらに、反射型液晶表示素子の表面(偏
光板1)はスチールウール(♯0000)でこすって
も、殆ど傷がつかなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の液晶表示素子の一例を示す概略
断面図である。
【図2】図2は光散乱シートの指向性の評価方法を説明
するための概略図である。
【図3】図3は、光散乱シートの直進透過光及び拡散透
過光の強度の測定方法を説明するための概略図である。
【図4】図4は本発明の液晶表示素子の他の例を示す概
略断面図である。
【図5】図5は光散乱シートの指向性の他の評価方法を
説明するための概略図である。
【図6】図6は本発明の複合シートの一例を示す概略断
面図である。
【図7】図7は本発明の液晶表示素子のさらに他の例を
示す概略断面図である。
【図8】図8は本発明の複合シートの他の例を示す概略
断面図である。
【図9】図9は本発明の液晶表示素子の別の例を示す概
略断面図である。
【図10】図10は本発明の複合シートのさらに他の例
を示す概略断面図である。
【図11】図11は本発明の液晶表示素子のさらに別の
例を示す概略断面図である。
【図12】図12は本発明の複合シートの別の例を示す
概略断面図である。
【図13】図13は本発明の複合シートのさらに別の例
を示す概略断面図である。
【図14】図14は本発明の複合シートの他の例を示す
概略断面図である。
【図15】図15は本発明の複合シートのさらに他の例
を示す概略断面図である。
【図16】図16は本発明の複合シートの別の例を示す
概略断面図である。
【図17】図17は参考例2の液晶表示素子の概略断面
図である。
【図18】図18は比較例1の液晶表示素子の概略断面
図である。
【図19】図19は実施例1で得られたシートの透過型
光学顕微鏡の測定結果を示す模式図である。
【図20】図20は実施例3で得られたシートの透過型
光学顕微鏡の測定結果を示す模式図である。
【図21】図21は光散乱シートの指向性を示すグラフ
である。
【図22】図22は光散乱シートの直進透過光と拡散透
過光の強度の測定結果を示す片対数グラフである。
【図23】図23は光散乱シートの直進透過光と拡散透
過光の強度の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…偏光板 2、2a、2b…光散乱シート 3…位相差板 4、4a、4b、4c…導電層 5…反射板 7a、7b、7c…電極板 12…液晶セル 21、21a、21b…光散乱層 22a、22b…基板 23、23a、23b…基材シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−220475 (32)優先日 平成11年8月3日(1999.8.3) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−232952 (32)優先日 平成11年8月19日(1999.8.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 高橋 啓司 兵庫県姫路市余部区上余部500 ダイセル 上余部アパート438号 (72)発明者 平石 政憲 大阪市住之江区南港中三丁目8−22−707 (72)発明者 西田 善行 千葉県流山市加一丁目12−1−307 Fターム(参考) 2H042 BA01 BA12 BA20 2H091 FA32X FB02 FC11 FC29 FC30 FD06 FD14 FD22 GA17 HA07 LA18

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに屈折率が異なる複数のポリマーに
    より等方性の共連続相構造が形成された光散乱層で構成
    された光散乱シート。
  2. 【請求項2】 共連続相の平均相間距離が1〜20μm
    である請求項1記載の光散乱シート。
  3. 【請求項3】 複数のポリマーの屈折率の差が0.01
    〜0.2である請求項1記載の光散乱シート。
  4. 【請求項4】 下限臨界共溶温度(LCST)型の相分
    離性を示す複数のポリマーで構成されている請求項1記
    載の光散乱シート。
  5. 【請求項5】 複数のポリマーで構成された組成物の臨
    界共溶温度が50〜300℃である請求項4記載の光散
    乱シート。
  6. 【請求項6】 重量平均分子量が10,000〜30
    0,000である複数のポリマーで構成されている請求
    項1記載の光散乱シート。
  7. 【請求項7】 スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹
    脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカ
    ーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
    樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース誘導体、およびゴ
    ム又はエラストマーから選択された複数のポリマーで構
    成されている請求項1記載の光散乱シート。
  8. 【請求項8】 互いに屈折率が異なる第1のポリマーと
    第2のポリマーとで構成され、この第1のポリマーと第
    2のポリマーとが下限臨界共溶温度(LCST)型又は
    上限臨界共溶温度(UCST)型の相分離性を示し、第
    1のポリマーと第2のポリマーとの割合が前者/後者=
    10/90〜90/10(重量比)である請求項1記載
    の光散乱シート。
  9. 【請求項9】 下限臨界共溶温度が80〜250℃であ
    る請求項8記載の光散乱シート。
  10. 【請求項10】 共連続相の平均相間距離が2〜10μ
    mであり、シート厚みが1〜300μmである請求項1
    記載の光散乱シート。
  11. 【請求項11】 入射光が等方的に拡散し、かつ拡散角
    3〜60゜に拡散光強度が極大値を有するとともに、透
    過率70〜100%の光散乱シート。
  12. 【請求項12】 光散乱シートの透過光を拡散角度
    (θ)に対してプロットしたとき、直進透過光の強度I
    (θ0)と、極大の拡散透過光の強度I(θmax)との比
    (I(θ0)/I(θmax))が、3000/1〜1/1
    である請求項11記載の光散乱シート。
  13. 【請求項13】 互いに屈折率が異なる複数の固体成分
    で構成された相分離構造を有する光散乱シートの少なく
    とも一方の面に、偏光板、位相差板、光反射板及び透明
    導電層から選ばれた少なくとも一種が形成されている光
    散乱性複合シート。
  14. 【請求項14】 光散乱シートと偏光板と位相差板とで
    構成されている三層シートであって、偏光板が三層シー
    トの表面に形成されている請求項13記載の光散乱性複
    合シート。
  15. 【請求項15】 光散乱シートが、屈折率の差が0.0
    1〜0.2である複数の固体成分で構成されている請求
    項13記載の光散乱性複合シート。
  16. 【請求項16】 光散乱シートが、互いに屈折率が異な
    る複数の樹脂で形成された等方性の共連続相構造を有し
    ている請求項13記載の光散乱性複合シート。
  17. 【請求項17】 光散乱シートが、透明ベース樹脂に、
    樹脂微粒子及び無機微粒子から選ばれた少なくとも一種
    であって、前記透明ベース樹脂と屈折率が異なる微粒子
    を分散した微粒子分散構造を有している請求項13記載
    の光散乱性複合シート。
  18. 【請求項18】 微粒子分散構造が透明ベース樹脂の溶
    融製膜により形成されている請求項17記載の光散乱性
    複合シート。
  19. 【請求項19】 透明導電層とこの透明導電層を支持す
    る基板とを有する透明性フロント電極板、及び導電層と
    この導電層を支持する基板を有するバック電極板が導電
    層を互いに対向して配設され、この両電極板の導電層の
    間に液晶が封入された液晶セルと、この液晶セルの前方
    に配設された偏光板とで構成された反射型液晶表示素子
    において、下記(i)〜(iii)のうち少なくとも1つの
    光散乱シートを有し、この光散乱シートが互いに屈折率
    が異なる複数の固体成分で構成されている反射型液晶表
    示素子。 (i)偏光板とフロント電極板との間に配設された光散乱
    シート (ii)バック電極板とこのバック電極板の後方に配設され
    た反射板との間に配設された光散乱シート (iii)基板としての光散乱シート
  20. 【請求項20】 偏光板と液晶セルとの間に位相差板が
    配設され、光散乱シートが偏光板と位相差板との間また
    は位相差板と液晶セルとの間に配設されている請求項1
    9記載の液晶表示素子。
  21. 【請求項21】 光散乱シートと、偏光板、位相差板、
    光反射板及び透明導電層から選ばれた少なくとも1種の
    機能層とで構成された光散乱性複合シートが配設されて
    いる請求項19記載の液晶表示素子。
  22. 【請求項22】 液晶が封入された液晶セルと、この液
    晶セルの前方に配設された偏光板とで構成された液晶表
    示素子であって、請求項1記載の光散乱シートを有する
    液晶表示素子。
  23. 【請求項23】 互いに屈折率が異なる複数のポリマー
    で構成された組成物をシート成形し、スピノーダル分解
    により等方性の共連続相構造を形成する光散乱シートの
    製造方法。
  24. 【請求項24】 LCST型の相分離性を有するシート
    を、下限臨界共溶温度以上に加熱して共連続相構造を形
    成する請求項23記載の製造方法。
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