JP2001123051A - ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents
ポリエステル組成物およびそれからなるフィルムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 走行性、耐摩耗性といった基本特性を改良
し、かつ、透明性の良好な光学用品に好適なポリエステ
ル組成物を得る。 【解決手段】 ポリエステル樹脂および下記構造式 Mx(Zn)y(SiO4 )・nH2 O (ここで、Mは亜鉛以外の金属元素であり、そのイオン
価をa価としたとき、x×a+y×2=4、y≧1.2
であり、nは0〜2の数である。)で表される珪酸亜鉛
粒子を0.001〜10重量%含有し、厚み100μ
m、粒子1重量%含有換算の光線透過率として97.0
%以上としたポリエステル組成物とする。
し、かつ、透明性の良好な光学用品に好適なポリエステ
ル組成物を得る。 【解決手段】 ポリエステル樹脂および下記構造式 Mx(Zn)y(SiO4 )・nH2 O (ここで、Mは亜鉛以外の金属元素であり、そのイオン
価をa価としたとき、x×a+y×2=4、y≧1.2
であり、nは0〜2の数である。)で表される珪酸亜鉛
粒子を0.001〜10重量%含有し、厚み100μ
m、粒子1重量%含有換算の光線透過率として97.0
%以上としたポリエステル組成物とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高い透明性を有して
おり、フィルムとして使用したときには滑り性、耐摩耗
性に優れ、とりわけ光学用途に好適に使用されるポリエ
ステル組成物、およびそれからなるフィルムに関するも
のである。
おり、フィルムとして使用したときには滑り性、耐摩耗
性に優れ、とりわけ光学用途に好適に使用されるポリエ
ステル組成物、およびそれからなるフィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリエチレンテレフタレート
に代表されるポリエステルは、優れた物理的、化学的特
性を有しているために、ポリエステル中に無機粒子など
の微粒子を含有させ、繊維、フィルム、その他の成形品
として広く使用されている。これらの成形品の中で、フ
ィルムは、磁気記録媒体用、コンデンサー用、食品包装
用、感熱孔版印刷用や他一般工業用等として使用されて
いるが、これらの加工製品の取扱い性、品質特性向上の
ため、あるいはフィルムを製造する際、もしくはその加
工工程における工程通過性の要請上、フィルムの表面に
適度の凹凸を形成させ、フィルムあるいは加工製品に滑
り性や耐摩耗性を付与するために、粒子を添加すること
が汎用的に行われている。
に代表されるポリエステルは、優れた物理的、化学的特
性を有しているために、ポリエステル中に無機粒子など
の微粒子を含有させ、繊維、フィルム、その他の成形品
として広く使用されている。これらの成形品の中で、フ
ィルムは、磁気記録媒体用、コンデンサー用、食品包装
用、感熱孔版印刷用や他一般工業用等として使用されて
いるが、これらの加工製品の取扱い性、品質特性向上の
ため、あるいはフィルムを製造する際、もしくはその加
工工程における工程通過性の要請上、フィルムの表面に
適度の凹凸を形成させ、フィルムあるいは加工製品に滑
り性や耐摩耗性を付与するために、粒子を添加すること
が汎用的に行われている。
【0003】その粒子としては、一般には酸化ケイ素、
酸化アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、リン酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライ
ト、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、硫化モリブデ
ンなどの無機粒子やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、架橋
ポリスチレン樹脂、架橋アクリル系樹脂などの有機粒
子、さらには、ポリエステル重合時に生成する析出粒子
などが利用されている。また、コーティング法により易
滑性を与えようとする試みも行われている。
酸化アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、リン酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライ
ト、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、硫化モリブデ
ンなどの無機粒子やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、架橋
ポリスチレン樹脂、架橋アクリル系樹脂などの有機粒
子、さらには、ポリエステル重合時に生成する析出粒子
などが利用されている。また、コーティング法により易
滑性を与えようとする試みも行われている。
【0004】近年光学用途には様々なフィルムが採用さ
れており、ポリエステル樹脂を用いたものは品質面や経
済性にも有利であることから使用が増加している。そし
て、ますますの品質の向上が必要になってきている。し
かしながら、上記したような粒子を用いた態様では、粒
子それ自体の光の吸収や粒子−ポリマー界面で光が散乱
されたり、粒子−ポリマー界面に形成されたボイドによ
り光が散乱されて、製品としてくすんだ印象になること
が指摘されている。一方、粒子の使用を控えれば、加工
工程での摩擦現象によりキズが入り易くなり、光学用途
には使用できないものとなってしまい、ひどいときには
含有された粒子が脱落し、それがキズやボイドの原因と
なってしまう。
れており、ポリエステル樹脂を用いたものは品質面や経
済性にも有利であることから使用が増加している。そし
て、ますますの品質の向上が必要になってきている。し
かしながら、上記したような粒子を用いた態様では、粒
子それ自体の光の吸収や粒子−ポリマー界面で光が散乱
されたり、粒子−ポリマー界面に形成されたボイドによ
り光が散乱されて、製品としてくすんだ印象になること
が指摘されている。一方、粒子の使用を控えれば、加工
工程での摩擦現象によりキズが入り易くなり、光学用途
には使用できないものとなってしまい、ひどいときには
含有された粒子が脱落し、それがキズやボイドの原因と
なってしまう。
【0005】また、コーティング法は簡便な滑り性の付
与手段ではあるが、コーティング面は摩擦に弱いため、
上記した粒子含有系よりも透明性に関しては不利な状況
にあり、加えてコーティング剤自体の光学的特性を考慮
しなくてはならない。
与手段ではあるが、コーティング面は摩擦に弱いため、
上記した粒子含有系よりも透明性に関しては不利な状況
にあり、加えてコーティング剤自体の光学的特性を考慮
しなくてはならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点を解決し、従来の良好な特性を維持し
つつ、透明性が飛躍的に改善され、更には分散性などの
向上も伴って、フィルムとしたときには滑り性や耐摩耗
性にも優れ、とりわけ光学用途に好適なポリエステル組
成物、およびそれからなるフィルムを提供することにあ
る。
従来技術の問題点を解決し、従来の良好な特性を維持し
つつ、透明性が飛躍的に改善され、更には分散性などの
向上も伴って、フィルムとしたときには滑り性や耐摩耗
性にも優れ、とりわけ光学用途に好適なポリエステル組
成物、およびそれからなるフィルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決は、ポリ
エステル樹脂および下記構造式で表される珪酸亜鉛粒子
を0.001〜10重量%含有し、厚み100μm、粒
子1重量%含有換算の光線透過率が97.0%以上であ
ることを特徴とするポリエステル組成物 Mx(Zn)y(SiO4 )・nH2 O (ここで、Mは亜鉛以外の金属元素であり、そのイオン
価をa価としたとき、x×a+y×2=4、y≧1.2
であり、nは0〜2の数である。)により達成される。
エステル樹脂および下記構造式で表される珪酸亜鉛粒子
を0.001〜10重量%含有し、厚み100μm、粒
子1重量%含有換算の光線透過率が97.0%以上であ
ることを特徴とするポリエステル組成物 Mx(Zn)y(SiO4 )・nH2 O (ここで、Mは亜鉛以外の金属元素であり、そのイオン
価をa価としたとき、x×a+y×2=4、y≧1.2
であり、nは0〜2の数である。)により達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリエステルは、
好ましくはジカルボン酸成分とグリコール成分から構成
されたものであり、例えばジカルボン酸もしくはそのエ
ステル形成性誘導体とグリコールとのエステル化、もし
くはエステル交換反応ならびに引続く重縮合反応によっ
て製造される。
好ましくはジカルボン酸成分とグリコール成分から構成
されたものであり、例えばジカルボン酸もしくはそのエ
ステル形成性誘導体とグリコールとのエステル化、もし
くはエステル交換反応ならびに引続く重縮合反応によっ
て製造される。
【0009】ポリエステルの種類については、フィルム
などの成形品に成形しうるものであれば特に限定されな
い。フィルムなどの成形品に成形しうる好適なポリエス
テルとしては、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボ
ン酸を使用したものがよく、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、
ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)
エタン−4,4´−ジカルボキシレート、ポリエチレン
−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカ
ルボキシレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
シクロヘキサン−1,4−ジメチレンテレフタレート等
が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリ−1,3−トリメチレ
ンテレフタレートが好ましく、これらの共重合体あるい
はブレンド物も好ましい態様である。
などの成形品に成形しうるものであれば特に限定されな
い。フィルムなどの成形品に成形しうる好適なポリエス
テルとしては、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボ
ン酸を使用したものがよく、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、
ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)
エタン−4,4´−ジカルボキシレート、ポリエチレン
−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカ
ルボキシレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
シクロヘキサン−1,4−ジメチレンテレフタレート等
が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリ−1,3−トリメチレ
ンテレフタレートが好ましく、これらの共重合体あるい
はブレンド物も好ましい態様である。
【0010】コポリエステルの共重合成分としては、上
記したポリエステルを構成する酸成分およびグリコール
成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸お
よび脂環族ジカルボン酸等の酸成分、芳香族グリコー
ル、脂肪族グリコールおよび脂環族グリコール等のグリ
コール成分が挙げられる。酸成分のより具体的な例とし
ては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等
の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、デカリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸
を挙げることができる。
記したポリエステルを構成する酸成分およびグリコール
成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸お
よび脂環族ジカルボン酸等の酸成分、芳香族グリコー
ル、脂肪族グリコールおよび脂環族グリコール等のグリ
コール成分が挙げられる。酸成分のより具体的な例とし
ては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等
の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、デカリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸
を挙げることができる。
【0011】また、グリコール成分としては、エチレン
グリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族
グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェ
ノールA等の脂環族グリコールなどを挙げることができ
る。これらのグリコール成分の中ではエチレングリコー
ル、1,3−トリメチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ま
しく採用される。
グリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族
グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェ
ノールA等の脂環族グリコールなどを挙げることができ
る。これらのグリコール成分の中ではエチレングリコー
ル、1,3−トリメチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ま
しく採用される。
【0012】なお、上記した酸成分、グリコール成分
は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよ
い。また、これらの共重合成分は、ポリエステルを製造
する際に副生するものであってもよい。
は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよ
い。また、これらの共重合成分は、ポリエステルを製造
する際に副生するものであってもよい。
【0013】本発明のポリエステル組成物は、下式 Mx(Zn)y(SiO4 )・nH2 O (ここで、Mは亜鉛以外の金属元素であり、そのイオン
価をa価としたとき、x×a+y×2=4、y≧1.2
であり、nは0〜2の数である。)の構造の珪酸亜鉛粒
子を含有する。
価をa価としたとき、x×a+y×2=4、y≧1.2
であり、nは0〜2の数である。)の構造の珪酸亜鉛粒
子を含有する。
【0014】ここで、yの値としては1.2以上であ
り、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.9以上
である。上限として特に好ましい範囲はないが、1.9
9程度とすることが実用的である。また、Mは亜鉛以外
の金属元素であり、例えば鉄やカルシウム、ナトリウ
ム、硼素などがあげられる。特に、x≠0の時は分散性
が良好であり透明性、耐摩耗性、滑り性の改善に好適で
ある。また、水分子の含有は、1.5以下であることが
好ましく、更に好ましくは1.0以下、特に好ましくは
ゼロである。かかる範囲とすることで透明性や滑り性、
耐摩耗性に優れたものとすることできる。なお、化学組
成の調製は製造時の原料組成などの条件を適宜調整する
ことにより可能であり、水分子については、更に加熱処
理により調整可能である。
り、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.9以上
である。上限として特に好ましい範囲はないが、1.9
9程度とすることが実用的である。また、Mは亜鉛以外
の金属元素であり、例えば鉄やカルシウム、ナトリウ
ム、硼素などがあげられる。特に、x≠0の時は分散性
が良好であり透明性、耐摩耗性、滑り性の改善に好適で
ある。また、水分子の含有は、1.5以下であることが
好ましく、更に好ましくは1.0以下、特に好ましくは
ゼロである。かかる範囲とすることで透明性や滑り性、
耐摩耗性に優れたものとすることできる。なお、化学組
成の調製は製造時の原料組成などの条件を適宜調整する
ことにより可能であり、水分子については、更に加熱処
理により調整可能である。
【0015】該粒子の製造法としては、例えば湿式法に
おいて珪酸のアルカリ金属あるいはアンモニウムの塩と
アルカリ金属性酸化亜鉛溶液から合成するような方法
や、酸化珪素と酸化亜鉛を高温下に固溶体とする方法が
例示される。本発明においては、密度や屈折率、粒子の
表面状態の調製が容易であることから、湿式法により得
ることが好ましい。
おいて珪酸のアルカリ金属あるいはアンモニウムの塩と
アルカリ金属性酸化亜鉛溶液から合成するような方法
や、酸化珪素と酸化亜鉛を高温下に固溶体とする方法が
例示される。本発明においては、密度や屈折率、粒子の
表面状態の調製が容易であることから、湿式法により得
ることが好ましい。
【0016】本発明のポリエステル組成物は、厚み10
0μm、粒子1重量%含有換算の光線透過率が97.0
%以上である。好ましくは、98.0%以上、より好ま
しくは99.0%以上であり、特に好ましくは99.5
%以上である。この光線透過率は、粒子を含有しないマ
トリクス樹脂のみの測定との比較において定義される。
本発明は滑り性と耐摩耗性の改良と透明性の向上を同時
に達成し得たものである。その作用の詳細は必ずしも全
てが明確であるわけではないが、特に粒子としての特性
とマトリクスポリマーとの親和性が良好であるためでは
ないかと考えられる。
0μm、粒子1重量%含有換算の光線透過率が97.0
%以上である。好ましくは、98.0%以上、より好ま
しくは99.0%以上であり、特に好ましくは99.5
%以上である。この光線透過率は、粒子を含有しないマ
トリクス樹脂のみの測定との比較において定義される。
本発明は滑り性と耐摩耗性の改良と透明性の向上を同時
に達成し得たものである。その作用の詳細は必ずしも全
てが明確であるわけではないが、特に粒子としての特性
とマトリクスポリマーとの親和性が良好であるためでは
ないかと考えられる。
【0017】珪酸亜鉛粒子のポリエステル組成物中の含
有量は、0.001〜10重量%である。好ましくは
0.005〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重
量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%である。粒
子の含有量が0.001重量%未満であったり、10重
量%を超えると、滑り性、耐摩耗性などの改良効果が少
ない割に透明性の改良が十分ではなくなる。
有量は、0.001〜10重量%である。好ましくは
0.005〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重
量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%である。粒
子の含有量が0.001重量%未満であったり、10重
量%を超えると、滑り性、耐摩耗性などの改良効果が少
ない割に透明性の改良が十分ではなくなる。
【0018】珪酸亜鉛粒子の屈折率としては1.4〜
1.8とすることが好ましいが、更に好ましくは、用い
るポリエステル樹脂の屈折率をnとした時、n±0.0
5とすることが好ましく、特に好ましくはn±0.02
とすると良い。屈折率は、粒子の合成時の条件により調
整することが可能である。
1.8とすることが好ましいが、更に好ましくは、用い
るポリエステル樹脂の屈折率をnとした時、n±0.0
5とすることが好ましく、特に好ましくはn±0.02
とすると良い。屈折率は、粒子の合成時の条件により調
整することが可能である。
【0019】また、該粒子の平均粒径は0.02〜5μ
mであることが好ましい。0.02μmよりも小さいと
きには、表面の滑り性が十分ではなく、5μmより大き
いと、耐摩耗性に劣るばかりか磁気記録媒体用途に用い
たときには粗大突起の原因となってドロップアウトなど
の好ましくない性質が現れる。好ましい粒径範囲は、そ
の使用される用途により必ずしも一義的には決められな
いが、下限としては好ましくは0.03μm以上、より
好ましくは0.05μm以上であり、上限としては好ま
しくは3μm以下、より好ましくは2μm以下である。
mであることが好ましい。0.02μmよりも小さいと
きには、表面の滑り性が十分ではなく、5μmより大き
いと、耐摩耗性に劣るばかりか磁気記録媒体用途に用い
たときには粗大突起の原因となってドロップアウトなど
の好ましくない性質が現れる。好ましい粒径範囲は、そ
の使用される用途により必ずしも一義的には決められな
いが、下限としては好ましくは0.03μm以上、より
好ましくは0.05μm以上であり、上限としては好ま
しくは3μm以下、より好ましくは2μm以下である。
【0020】そして、本発明においては該平均粒径の1
0倍以上の粒子の含有割合は1%以下、より好ましくは
0.5%以下、さらに好ましくは成分として検出されな
いことが好ましい。ここで言う分率は数分率である。こ
のように粒子としても粗大な粒子を含まないものとする
ことで、滑り性や耐摩耗性が改善され、また、透明性の
改善にも有効である。
0倍以上の粒子の含有割合は1%以下、より好ましくは
0.5%以下、さらに好ましくは成分として検出されな
いことが好ましい。ここで言う分率は数分率である。こ
のように粒子としても粗大な粒子を含まないものとする
ことで、滑り性や耐摩耗性が改善され、また、透明性の
改善にも有効である。
【0021】また、該粒子の粒度分布として、平均粒径
の±20%の範囲に粒子の全体の40%以上が含有され
ることが好ましい。より好ましくは50%以上、さらに
好ましくは60%以上である。上限について特に制限は
ないが、生産性と効果の点に鑑みれば95%程度が実用
的な限界である。粒度としての均一性を高めることによ
り、一層滑り性、耐摩耗性に優れたものとできる。
の±20%の範囲に粒子の全体の40%以上が含有され
ることが好ましい。より好ましくは50%以上、さらに
好ましくは60%以上である。上限について特に制限は
ないが、生産性と効果の点に鑑みれば95%程度が実用
的な限界である。粒度としての均一性を高めることによ
り、一層滑り性、耐摩耗性に優れたものとできる。
【0022】本発明のフィルムは単層フィルムであって
もよいが、耐摩耗性、電気特性の点から、本願珪酸亜鉛
粒子を含有するポリエステル組成物からなるフィルム層
(A層とする)を、少なくとも1層有する積層フィルム
とすることが好ましい。A層の厚みは特に限定されない
が、耐摩耗性、電気特性の点から0.01〜3μmが好
ましく、より好ましくは0.05〜2μm、さらに好ま
しくは0.1〜1.5μm、特に好ましくは0.1〜1
μmである。該A層は、内層に配される場合は電気特性
やフレーバ性改良の点で好ましい態様だが、最外層の少
なくとも1層に配置されていることが滑り性、耐摩耗
性、加工性、耐衝撃性において良好に作用し、フィルム
としての特性がより大きく発揮されるので好ましい。
もよいが、耐摩耗性、電気特性の点から、本願珪酸亜鉛
粒子を含有するポリエステル組成物からなるフィルム層
(A層とする)を、少なくとも1層有する積層フィルム
とすることが好ましい。A層の厚みは特に限定されない
が、耐摩耗性、電気特性の点から0.01〜3μmが好
ましく、より好ましくは0.05〜2μm、さらに好ま
しくは0.1〜1.5μm、特に好ましくは0.1〜1
μmである。該A層は、内層に配される場合は電気特性
やフレーバ性改良の点で好ましい態様だが、最外層の少
なくとも1層に配置されていることが滑り性、耐摩耗
性、加工性、耐衝撃性において良好に作用し、フィルム
としての特性がより大きく発揮されるので好ましい。
【0023】さらに、積層フィルムのA層厚みt(μ
m)と、A層に含有される本願珪酸亜鉛粒子の平均粒子
径d(μm)との関係は、好ましくは0.2≦t/d≦
10であり、より好ましくは0.3≦t/d≦5であ
り、さらに好ましくは0.5≦t/d≦3である。かか
る範囲とすることにより、上述の特性は一層良好とな
る。
m)と、A層に含有される本願珪酸亜鉛粒子の平均粒子
径d(μm)との関係は、好ましくは0.2≦t/d≦
10であり、より好ましくは0.3≦t/d≦5であ
り、さらに好ましくは0.5≦t/d≦3である。かか
る範囲とすることにより、上述の特性は一層良好とな
る。
【0024】また、二酸化チタン、コロイド状シリカな
どの二酸化珪素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
ケイ酸アルミニウム等の無機粒子、あるいは例えばアク
リル酸類、スチレンなどを構成成分とする有機粒子など
の本願珪酸亜鉛粒子以外の不活性粒子が含有されている
ことが好ましく、平均径として0.01〜10μm、含
有量として0.001〜5重量%含有されていることが
好ましい。この時、滑り性、耐摩耗性がより良好なフィ
ルムとでき、特に製造時あるいは加工時の工程通過性が
改良される。特に、平均粒径としては本願珪酸亜鉛粒子
の平均粒径の1.5〜5倍、あるいは0.2〜0.67
倍であることが好ましく、より好ましくは2〜4倍、あ
るいは0.25〜0.5倍である。この他の不活性粒子
の平均粒径として、本願珪酸亜鉛粒子の1.5倍〜5倍
としたときには、透明性はやや低下するものの、走行
性、加工適性(高速加工)が一段と優れたものとでき、
0.2〜0.67倍としたときには、透明性は良好で表
面の耐擦傷性を改善できる。
どの二酸化珪素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
ケイ酸アルミニウム等の無機粒子、あるいは例えばアク
リル酸類、スチレンなどを構成成分とする有機粒子など
の本願珪酸亜鉛粒子以外の不活性粒子が含有されている
ことが好ましく、平均径として0.01〜10μm、含
有量として0.001〜5重量%含有されていることが
好ましい。この時、滑り性、耐摩耗性がより良好なフィ
ルムとでき、特に製造時あるいは加工時の工程通過性が
改良される。特に、平均粒径としては本願珪酸亜鉛粒子
の平均粒径の1.5〜5倍、あるいは0.2〜0.67
倍であることが好ましく、より好ましくは2〜4倍、あ
るいは0.25〜0.5倍である。この他の不活性粒子
の平均粒径として、本願珪酸亜鉛粒子の1.5倍〜5倍
としたときには、透明性はやや低下するものの、走行
性、加工適性(高速加工)が一段と優れたものとでき、
0.2〜0.67倍としたときには、透明性は良好で表
面の耐擦傷性を改善できる。
【0025】本発明で使用する珪酸亜鉛粒子は、その調
整法により適宜屈折率を設計することが可能であるが、
加えてその形態としても、ミクロな凹凸を表面に形成す
ることが可能である。また、粒子は所望の大きさに直接
的に合成することも可能であるが、大きな粒子を粉砕、
分級して調製することも可能である。
整法により適宜屈折率を設計することが可能であるが、
加えてその形態としても、ミクロな凹凸を表面に形成す
ることが可能である。また、粒子は所望の大きさに直接
的に合成することも可能であるが、大きな粒子を粉砕、
分級して調製することも可能である。
【0026】そして、粒子を得た後に表面処理を行うこ
とが好ましく、例えばシランカップリング剤による処理
や樹脂などでコーティングする方法があげられる。
とが好ましく、例えばシランカップリング剤による処理
や樹脂などでコーティングする方法があげられる。
【0027】粒度やその分布状態を調製する方法として
は、例えば予め作製した種粒子を添加して、それを核に
粒子を成長せしめる方法が有利であり、また、温度や濃
度、pHなどをコントロールして成長条件を調整するこ
とが有利であるが、ふるいや公知の分級方法の採用が可
能であり、好ましくはまず乾式分級を実施し、その後湿
式の分級方法を組み合わせて実施することが挙げられ
る。
は、例えば予め作製した種粒子を添加して、それを核に
粒子を成長せしめる方法が有利であり、また、温度や濃
度、pHなどをコントロールして成長条件を調整するこ
とが有利であるが、ふるいや公知の分級方法の採用が可
能であり、好ましくはまず乾式分級を実施し、その後湿
式の分級方法を組み合わせて実施することが挙げられ
る。
【0028】本願の珪酸亜鉛粒子をポリエステル樹脂中
に含有せしめる方法は、特に制限されるものではなく、
重合前や重合工程中に添加する方法や、重合後にベント
ポートを具した一軸あるいは二軸の混練機にスラリーを
注入して調製する方法などが挙げられるが、重合工程中
に添加する方法が本発明を容易に達成できるため好まし
い。
に含有せしめる方法は、特に制限されるものではなく、
重合前や重合工程中に添加する方法や、重合後にベント
ポートを具した一軸あるいは二軸の混練機にスラリーを
注入して調製する方法などが挙げられるが、重合工程中
に添加する方法が本発明を容易に達成できるため好まし
い。
【0029】この時、該無機粒子のスラリーもアルキレ
ングリコールスラリーとして調製されていることが好ま
しい。
ングリコールスラリーとして調製されていることが好ま
しい。
【0030】ポリエステルの重合前あるいは重合中に添
加する態様においては、例えば芳香族ジカルボン酸のジ
アルキルエステルとエチレングリコールを用いる、いわ
ゆるエステル交換法を採用することが好ましい。
加する態様においては、例えば芳香族ジカルボン酸のジ
アルキルエステルとエチレングリコールを用いる、いわ
ゆるエステル交換法を採用することが好ましい。
【0031】特に本発明のポリエステル組成物を得るた
めに、使用される触媒として適当なものを選択したり、
ポリマーのカルボキシ末端基量を適宜調整して得ること
ができる。例えば触媒としては、エステル交換触媒とし
てアルカリ金属アセテートを採用し、重合反応触媒とし
て、酸化ゲルマニウム、あるいはビスマスなどの混入の
少ない酸化アンチモン触媒が採用でき、中でも酸化ゲル
マニウム触媒を採用することが好ましい。また、コバル
トなどの遷移金属化合物やアルコキシチタネートなどの
併用を好ましく採用できる。カルボキシ末端基量として
は、10〜30(eq/t)の範囲に調整すると本発明
の実施に好適である。
めに、使用される触媒として適当なものを選択したり、
ポリマーのカルボキシ末端基量を適宜調整して得ること
ができる。例えば触媒としては、エステル交換触媒とし
てアルカリ金属アセテートを採用し、重合反応触媒とし
て、酸化ゲルマニウム、あるいはビスマスなどの混入の
少ない酸化アンチモン触媒が採用でき、中でも酸化ゲル
マニウム触媒を採用することが好ましい。また、コバル
トなどの遷移金属化合物やアルコキシチタネートなどの
併用を好ましく採用できる。カルボキシ末端基量として
は、10〜30(eq/t)の範囲に調整すると本発明
の実施に好適である。
【0032】また、粒子マスターとして、予め主たる構
成とするポリエステルマトリクスよりもガラス転移点温
度、並びに結晶性が低いポリマー(熱可塑性ポリエステ
ルが好ましい)に粒子を分散させて、マスターポリマー
とすることが好ましい。
成とするポリエステルマトリクスよりもガラス転移点温
度、並びに結晶性が低いポリマー(熱可塑性ポリエステ
ルが好ましい)に粒子を分散させて、マスターポリマー
とすることが好ましい。
【0033】かくして調製される本願発明のポリエステ
ル組成物は、公知の方法により成形することができる。
例えば、本発明のポリエステル組成物からなるフィルム
の具体的な製造方法を説明すると、ポリエステル組成物
を乾燥後、溶融押出しして、未延伸シートとし、続いて
二軸延伸、熱処理し、フィルムにする方法が挙げられ
る。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸の
いずれでもよく、延伸倍率は、通常は縦、横それぞれ
2.0〜5.0倍が適当である。また、二軸延伸後、さ
らに縦、横方向のいずれかに再延伸してもよい。この
際、本発明のポリエステル組成物と各種のポリエステル
と混合して、本願珪酸亜鉛粒子の含有量を目的に応じて
適宜変更することができる。また、混合する各種のポリ
エステルは、本発明のポリエステル組成物のベースとな
るポリエステルと同一であっても、異なっていてもよ
い。
ル組成物は、公知の方法により成形することができる。
例えば、本発明のポリエステル組成物からなるフィルム
の具体的な製造方法を説明すると、ポリエステル組成物
を乾燥後、溶融押出しして、未延伸シートとし、続いて
二軸延伸、熱処理し、フィルムにする方法が挙げられ
る。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは二軸同時延伸の
いずれでもよく、延伸倍率は、通常は縦、横それぞれ
2.0〜5.0倍が適当である。また、二軸延伸後、さ
らに縦、横方向のいずれかに再延伸してもよい。この
際、本発明のポリエステル組成物と各種のポリエステル
と混合して、本願珪酸亜鉛粒子の含有量を目的に応じて
適宜変更することができる。また、混合する各種のポリ
エステルは、本発明のポリエステル組成物のベースとな
るポリエステルと同一であっても、異なっていてもよ
い。
【0034】また、本発明のフィルムの全フィルム厚み
に対する厚み斑は好ましくは20%以下であり、より好
ましくは14%以下、さらに好ましくは10%以下であ
る。下限について特に制限はないが、2%程度が生産性
に鑑み実用的な限界である。厚み斑が20%を超えると
光学的なひずみが生じる可能性があり好ましくない。
に対する厚み斑は好ましくは20%以下であり、より好
ましくは14%以下、さらに好ましくは10%以下であ
る。下限について特に制限はないが、2%程度が生産性
に鑑み実用的な限界である。厚み斑が20%を超えると
光学的なひずみが生じる可能性があり好ましくない。
【0035】なお、本発明のポリエステル組成物、およ
びそれからなるフィルムには、他の熱可塑性樹脂、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、
また各種の添加剤、例えばカルボジイミド、エポキシ化
合物などの末端封鎖剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等が含有され
ていてもよい。
びそれからなるフィルムには、他の熱可塑性樹脂、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等、
また各種の添加剤、例えばカルボジイミド、エポキシ化
合物などの末端封鎖剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等が含有され
ていてもよい。
【0036】本発明のフィルムは、高度な透明性が要求
される光学用途に好適に用いることができる。光学用フ
ィルムとして用いるときには、凹凸の賦形や各種表面処
理など公知の方法が採用できる。
される光学用途に好適に用いることができる。光学用フ
ィルムとして用いるときには、凹凸の賦形や各種表面処
理など公知の方法が採用できる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例により限定を受けるわけで
はない。
るが、本発明は以下の実施例により限定を受けるわけで
はない。
【0038】本発明における特性値の測定方法は、次の
方法によって行った。
方法によって行った。
【0039】A.粒子の平均粒子径、粒度の分布 ポリエステル組成物、あるいは当該組成物を用いたフィ
ルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍
以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約100n
mとし、場所を変えて100視野以上測定する。粒子の
平均径dは、重量平均径(等価円相当径)から求める。
ルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍
以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約100n
mとし、場所を変えて100視野以上測定する。粒子の
平均径dは、重量平均径(等価円相当径)から求める。
【0040】B.粒子の化学組成 蛍光X線法で求めた。
【0041】C.光線透過率 比較対象物質として、粒子を含有しない他は組成が共通
する試料を作製し、該試料を対照試料として、日立製作
所社製可視紫外分光光度計(UV−3100)を用いて
測定した。
する試料を作製し、該試料を対照試料として、日立製作
所社製可視紫外分光光度計(UV−3100)を用いて
測定した。
【0042】なお、濃度や厚みの補正には、ランベルト
−ベールの法則に従うものと見なして処理した。
−ベールの法則に従うものと見なして処理した。
【0043】D.ポリエステル組成物の固有粘度 o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0044】E.屈折率 同様の組成を有するバルク体からアッベ法で求めた。な
お、バルクあるいは粒子を分離して集め、エリプソメー
タなどの公知の方法で求めることもできる。
お、バルクあるいは粒子を分離して集め、エリプソメー
タなどの公知の方法で求めることもできる。
【0045】F.ポリエステル組成物中の粒子分散性 粒子分散性は、ポリエステル組成物を透過型電子顕微鏡
観察によって ○:粗大な粒子は観察されない。 △:粗大な粒子がわずかに観察される。 ×:粗大な粒子が多く観察される。 と判定した。
観察によって ○:粗大な粒子は観察されない。 △:粗大な粒子がわずかに観察される。 ×:粗大な粒子が多く観察される。 と判定した。
【0046】G.フィルムの厚み斑 フィルムロールから任意にサンプリングした少なくとも
500点について厚みを測定し、下記式 (最大厚み−最小厚み)/平均厚み×100 (%) により求めた。
500点について厚みを測定し、下記式 (最大厚み−最小厚み)/平均厚み×100 (%) により求めた。
【0047】H.フィルムの積層厚み 二次イオン質量分析計、X線光電子分光法、赤外分析
法、あるいはコンフォーカル顕微鏡などで粒子濃度の深
さ方向分布を測定する。表面を基準とし、深さ方向で極
大値を得た後、その極大値の1/2となる深さを積層厚
みと定義した。また、積層厚みが小さいときは特に、粒
子濃度の深さ分布からではなく、フィルムの断面観察あ
るいは薄膜段差測定器等によっても決定することができ
る。
法、あるいはコンフォーカル顕微鏡などで粒子濃度の深
さ方向分布を測定する。表面を基準とし、深さ方向で極
大値を得た後、その極大値の1/2となる深さを積層厚
みと定義した。また、積層厚みが小さいときは特に、粒
子濃度の深さ分布からではなく、フィルムの断面観察あ
るいは薄膜段差測定器等によっても決定することができ
る。
【0048】I.フィルムの耐摩耗性 フィルムを1/2インチ幅にスリットしたテープ状ロー
ルを、ステンレスSUS−304製ガイドロールに一定
張力下に接触させて高速走行させ、ガイドロール表面上
に発生する白粉量によって ◎:白粉の発生がみられない。 ○:白粉が僅かに認められる。 △:白粉がやや多く認めらる。 ×:白粉の発生が著しい。 のようにランク付けを行った。
ルを、ステンレスSUS−304製ガイドロールに一定
張力下に接触させて高速走行させ、ガイドロール表面上
に発生する白粉量によって ◎:白粉の発生がみられない。 ○:白粉が僅かに認められる。 △:白粉がやや多く認めらる。 ×:白粉の発生が著しい。 のようにランク付けを行った。
【0049】J.フィルムの耐擦傷性 フィルムを1/2インチ幅にスリットしたもの10本を
用意し、テープ走行性試験機を使用してガイドピン(表
面粗度Ra100nm)上を走行させる(走行速度30
0m/分、走行回数1回、巻き付け角60°、走行張力
60g)。この時フィルムに入った傷を顕微鏡で観察
し、耐擦傷性を判定した。幅2.5μm以上の傷が平均
としてテープ幅あたり2本未満は◎、2本以上5本未満
は○、5本以上10本未満は△、10本以上は×と判定
した。
用意し、テープ走行性試験機を使用してガイドピン(表
面粗度Ra100nm)上を走行させる(走行速度30
0m/分、走行回数1回、巻き付け角60°、走行張力
60g)。この時フィルムに入った傷を顕微鏡で観察
し、耐擦傷性を判定した。幅2.5μm以上の傷が平均
としてテープ幅あたり2本未満は◎、2本以上5本未満
は○、5本以上10本未満は△、10本以上は×と判定
した。
【0050】ポリエステル樹脂Bの調製 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル70重量部とを、酢酸リチウム0.09重量部を触媒
として、常法に従いエステル交換反応を行った。エステ
ル交換反応終了後、酸化ゲルマニウム0.03重量部、
リン化合物としてジメチルフェニルホスホネート0.1
重量部を添加し、引き続いて常法に従い重縮合反応を行
い、固有粘度0.62dl/gのポリエステル組成物を
得た。
ル70重量部とを、酢酸リチウム0.09重量部を触媒
として、常法に従いエステル交換反応を行った。エステ
ル交換反応終了後、酸化ゲルマニウム0.03重量部、
リン化合物としてジメチルフェニルホスホネート0.1
重量部を添加し、引き続いて常法に従い重縮合反応を行
い、固有粘度0.62dl/gのポリエステル組成物を
得た。
【0051】ポリエステル樹脂Cの調製 ポリエステル樹脂Bにベントポートを具した二軸混練機
を用いて粒径0.3μmの架橋ポリエステル樹脂の水ス
ラリー溶液を導入して溶媒の除去と粒子の混練を行い、
架橋ポリエステル粒子の1%マスターチップを得た。
を用いて粒径0.3μmの架橋ポリエステル樹脂の水ス
ラリー溶液を導入して溶媒の除去と粒子の混練を行い、
架橋ポリエステル粒子の1%マスターチップを得た。
【0052】実施例1 テレフタル酸ジメチル70重量部およびイソフタル酸3
0重量部とエチレングリコール70重量部とを、酢酸リ
チウム0.09重量部を触媒として常法に従いエステル
交換反応を行った。エステル交換反応終了後、酸化ゲル
マニウム0.03重量部、リン化合物としてジメチルフ
ェニルホスホネート0.1重量部を添加し、次いで、予
めシランカップリング剤処理された平均粒径1μm、平
均粒径の±20%に含まれる割合が53%、検知できた
最大粒径が4μm、屈折率1.61の珪酸亜鉛粒子(F
e0.01Zn1.99SiO4)のエチレングリコールスラリ
ーを粒子として3重量部となるように添加した。引き続
いて常法に従い、重縮合反応を行い、固有粘度0.60
dl/gのポリエステル組成物(ポリエステル樹脂A)
を得た。
0重量部とエチレングリコール70重量部とを、酢酸リ
チウム0.09重量部を触媒として常法に従いエステル
交換反応を行った。エステル交換反応終了後、酸化ゲル
マニウム0.03重量部、リン化合物としてジメチルフ
ェニルホスホネート0.1重量部を添加し、次いで、予
めシランカップリング剤処理された平均粒径1μm、平
均粒径の±20%に含まれる割合が53%、検知できた
最大粒径が4μm、屈折率1.61の珪酸亜鉛粒子(F
e0.01Zn1.99SiO4)のエチレングリコールスラリ
ーを粒子として3重量部となるように添加した。引き続
いて常法に従い、重縮合反応を行い、固有粘度0.60
dl/gのポリエステル組成物(ポリエステル樹脂A)
を得た。
【0053】次いで、得られたポリエステル組成物を十
分乾燥した後、2台の押出機に供給して285℃で溶融
し、A/B/A層の3層積層ピノールで溶融積層し、T
型口金よりシート状に押し出し、30℃の冷却ドラムで
冷却固化せしめ3層積層の未延伸フィルムを得た。な
お、A層は、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂
B、およびポリエステル樹脂Cとのブレンドであり、混
率は、ポリエステル樹脂A20重量%、ポリエステル樹
脂C20重量%である。B層はポリエステル樹脂Bで構
成した。次いで未延伸フィルムを95℃に加熱して縦方
向に3.5倍延伸し、さらに100℃に加熱して横方向
に3.0倍延伸し、200℃で加熱処理して、厚さ52
μmのフィルム(A/B/A=1/50/1(μm))
を得た。得られたフィルムの特性を表2に示した。 実施例2、3,比較例1 表1、2に示すように粒子組成やフィルムの構成などを
変更した他は、実施例1と同様の方法で、粒子含有ポリ
エステル組成物およびそれからなるフィルムを得た。特
性、結果を表2に示した。
分乾燥した後、2台の押出機に供給して285℃で溶融
し、A/B/A層の3層積層ピノールで溶融積層し、T
型口金よりシート状に押し出し、30℃の冷却ドラムで
冷却固化せしめ3層積層の未延伸フィルムを得た。な
お、A層は、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂
B、およびポリエステル樹脂Cとのブレンドであり、混
率は、ポリエステル樹脂A20重量%、ポリエステル樹
脂C20重量%である。B層はポリエステル樹脂Bで構
成した。次いで未延伸フィルムを95℃に加熱して縦方
向に3.5倍延伸し、さらに100℃に加熱して横方向
に3.0倍延伸し、200℃で加熱処理して、厚さ52
μmのフィルム(A/B/A=1/50/1(μm))
を得た。得られたフィルムの特性を表2に示した。 実施例2、3,比較例1 表1、2に示すように粒子組成やフィルムの構成などを
変更した他は、実施例1と同様の方法で、粒子含有ポリ
エステル組成物およびそれからなるフィルムを得た。特
性、結果を表2に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明は、特定の粒子を含有し、組成物
の非常に高度な透明性と滑り性と耐摩耗性を両立したも
のであり、とりわけ光学用途に好適に採用されうるが、
他の用途、例えば、磁気記録媒体、コンデンサー、感熱
孔版印刷、金属板貼り合わせ用などをはじめ一般工業用
などの用途にも好適に使用することができる。
の非常に高度な透明性と滑り性と耐摩耗性を両立したも
のであり、とりわけ光学用途に好適に採用されうるが、
他の用途、例えば、磁気記録媒体、コンデンサー、感熱
孔版印刷、金属板貼り合わせ用などをはじめ一般工業用
などの用途にも好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA46 AB26 AF30Y AF31Y AH19 BB07 BC01 BC12 4F100 AA03A AA03C AA03H AA33A AA33C AA33H AK41A AK41B AK41C BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 CA23A CA23C DE01A DE01C DE01H EH20 EJ67 GB15 GB23 GB41 GB90 JB20A JB20C JB20H JK16 JN01 JN08A JN08C JN18A JN18C YY00A YY00C 4J002 CF031 CF061 CF071 CF081 DJ006 GF00 GP00
Claims (8)
- 【請求項1】ポリエステル樹脂および下記構造式 Mx(Zn)y(SiO4 )・nH2 O (ここで、Mは亜鉛以外の金属元素であり、そのイオン
価をa価としたとき、 x×a+y×2=4、y≧1.2であり、nは0〜2の
数である。)で表される珪酸亜鉛粒子を0.001〜1
0重量%含有し、厚み100μm、粒子1重量%含有換
算の光線透過率が97.0%以上であることを特徴とす
るポリエステル組成物。 - 【請求項2】珪酸亜鉛粒子の屈折率が1.4〜1.8で
ある請求項1記載のポリエステル組成物。 - 【請求項3】珪酸亜鉛粒子の平均粒径が0.02〜5μ
mであり、かつ平均粒径の±20%の範囲に含まれる割
合が40%以上であり、かつ、平均粒径の10倍以上の
粒子が1%以下である請求項1または2に記載のポリエ
ステル組成物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のポリエス
テル組成物からなるポリエステルフィルム。 - 【請求項5】積層構成を有するポリエステルフィルムで
あって、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル
組成物からなる層が少なくとも1層に配置されてなるポ
リエステルフィルム。 - 【請求項6】ポリエステル組成物中に珪酸亜鉛粒子とと
もに他の不活性粒子を含有する請求項4または5に記載
のポリエステルフィルム。 - 【請求項7】他の不活性粒子の平均粒径が珪酸亜鉛粒子
の平均粒径に対し、1.5〜5倍、あるいは、0.2〜
0.67倍である請求項6に記載のポリエステルフィル
ム。 - 【請求項8】珪酸亜鉛粒子の平均粒径をd、該粒子が含
有される層の厚みをtとしたとき、該珪酸亜鉛粒子を含
有する層が最外層に配置され、かつ 0.2≦t/d≦10 を満足する請求項5〜7のいずれかに記載のポリエステ
ルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30204299A JP2001123051A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30204299A JP2001123051A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001123051A true JP2001123051A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17904217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30204299A Pending JP2001123051A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | ポリエステル組成物およびそれからなるフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001123051A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014205752A (ja) * | 2013-04-11 | 2014-10-30 | 三菱樹脂株式会社 | ガラス貼り合わせ用ポリエステルフィルム |
-
1999
- 1999-10-25 JP JP30204299A patent/JP2001123051A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014205752A (ja) * | 2013-04-11 | 2014-10-30 | 三菱樹脂株式会社 | ガラス貼り合わせ用ポリエステルフィルム |
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