JP2001121382A - 切削工具の冷却装置 - Google Patents
切削工具の冷却装置Info
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- JP2001121382A JP2001121382A JP30599999A JP30599999A JP2001121382A JP 2001121382 A JP2001121382 A JP 2001121382A JP 30599999 A JP30599999 A JP 30599999A JP 30599999 A JP30599999 A JP 30599999A JP 2001121382 A JP2001121382 A JP 2001121382A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 旋盤などの切削機械において使用される切削
工具の刃先付近を効果的且つ経済的に冷却することので
きる冷却装置を提供すること。 【解決手段】 入力手段と、演算手段と、切削工具2の
刃先3a付近に冷媒を供給する冷媒供給手段4と、制御
手段とを備え、入力手段は、工作物Wに対する切削条件
や工作物の比切削抵抗など、切削工具の刃先付近で発生
する熱量の演算に必要な値を入力するものであり、演算
手段は、入力手段による入力値に基づいて切削工具2の
刃先3a付近で発生する熱量を演算するとともに、この
演算された発生熱量による切削工具の刃先付近の温度上
昇を前記冷媒供給手段4で刃先3a付近に供給された冷
媒の気化熱で抑制するのに必要な冷媒の供給流量を演算
するものであり、制御手段は、演算された流量で冷媒を
供給するように冷媒供給手段4を制御する構成。
工具の刃先付近を効果的且つ経済的に冷却することので
きる冷却装置を提供すること。 【解決手段】 入力手段と、演算手段と、切削工具2の
刃先3a付近に冷媒を供給する冷媒供給手段4と、制御
手段とを備え、入力手段は、工作物Wに対する切削条件
や工作物の比切削抵抗など、切削工具の刃先付近で発生
する熱量の演算に必要な値を入力するものであり、演算
手段は、入力手段による入力値に基づいて切削工具2の
刃先3a付近で発生する熱量を演算するとともに、この
演算された発生熱量による切削工具の刃先付近の温度上
昇を前記冷媒供給手段4で刃先3a付近に供給された冷
媒の気化熱で抑制するのに必要な冷媒の供給流量を演算
するものであり、制御手段は、演算された流量で冷媒を
供給するように冷媒供給手段4を制御する構成。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋盤などの切削機
械において使用される切削工具の冷却装置に関するもの
である。
械において使用される切削工具の冷却装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】旋盤などの切削機械にお
いては、高速加工などにみられるように、生産性を上げ
るために切削条件は益々厳しい状況になるばかりでな
く、製品の性能アップのために、難削材を加工する頻度
も増加している。この結果、加工時に切削工具は非常な
高温となり、これに起因して、加工精度の低下、工作物
表面性状の悪化、工具寿命の短命化などが生じている。
いては、高速加工などにみられるように、生産性を上げ
るために切削条件は益々厳しい状況になるばかりでな
く、製品の性能アップのために、難削材を加工する頻度
も増加している。この結果、加工時に切削工具は非常な
高温となり、これに起因して、加工精度の低下、工作物
表面性状の悪化、工具寿命の短命化などが生じている。
【0003】その対策として、切削油を切削工具の刃先
部分に供給して当該切削工具の刃先部分を冷却する方法
が従来から採られてきたが、近年、地球環境に配慮した
加工が提案され、切削油を使用しない工具冷却方法、例
えば、冷風による工具冷却方法なども開発されている
が、未だ実用的な対策とはなっていない。
部分に供給して当該切削工具の刃先部分を冷却する方法
が従来から採られてきたが、近年、地球環境に配慮した
加工が提案され、切削油を使用しない工具冷却方法、例
えば、冷風による工具冷却方法なども開発されている
が、未だ実用的な対策とはなっていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来の問題点を解消し得る切削工具の冷却装置を提供する
ことを目的とするものであって、その手段を後述する実
施形態の参照符号を付して示すと、入力手段27と、演
算手段28と、切削工具2の刃先3a付近に冷媒を供給
する冷媒供給手段4と、制御手段26とを備え、入力手
段27は、工作物Wに対する切削条件や工作物の比切削
抵抗など、切削工具の刃先付近で発生する熱量の演算に
必要な値Dを入力するものであり、演算手段28は、入
力手段27による入力値Dに基づいて切削工具2の刃先
3a付近で発生する熱量を演算するとともに、この演算
された発生熱量による切削工具の刃先付近の温度上昇を
前記冷媒供給手段4で刃先3a付近に供給された冷媒の
気化熱で抑制するのに必要な冷媒の供給流量を演算する
ものであり、制御手段28は、演算された流量で冷媒を
供給するように冷媒供給手段4を制御する構成となって
いる。
来の問題点を解消し得る切削工具の冷却装置を提供する
ことを目的とするものであって、その手段を後述する実
施形態の参照符号を付して示すと、入力手段27と、演
算手段28と、切削工具2の刃先3a付近に冷媒を供給
する冷媒供給手段4と、制御手段26とを備え、入力手
段27は、工作物Wに対する切削条件や工作物の比切削
抵抗など、切削工具の刃先付近で発生する熱量の演算に
必要な値Dを入力するものであり、演算手段28は、入
力手段27による入力値Dに基づいて切削工具2の刃先
3a付近で発生する熱量を演算するとともに、この演算
された発生熱量による切削工具の刃先付近の温度上昇を
前記冷媒供給手段4で刃先3a付近に供給された冷媒の
気化熱で抑制するのに必要な冷媒の供給流量を演算する
ものであり、制御手段28は、演算された流量で冷媒を
供給するように冷媒供給手段4を制御する構成となって
いる。
【0005】なお、前記冷媒として水を使用するのが望
ましい。また、前記制御手段26に、前記冷媒供給手段
4の冷媒供給量を演算流量より少なくするための流量絞
り手段(低減率設定器31)を具備させることができ
る。
ましい。また、前記制御手段26に、前記冷媒供給手段
4の冷媒供給量を演算流量より少なくするための流量絞
り手段(低減率設定器31)を具備させることができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適実施形態を添
付図に基づいて説明すると、図1において、1は旋盤な
どの切削機械における刃物台であって、これに着脱自在
にセットされる切削工具2は、切削刃先3aを構成する
交換可能なスローアウエイチップ3を備えている。4は
冷媒供給手段であって、切削工具3の切削刃先3a付近
に水を噴霧する水噴霧用ノズル5と、このノズル5に冷
媒としての水を圧送するプランジャーポンプ6とから構
成されている。
付図に基づいて説明すると、図1において、1は旋盤な
どの切削機械における刃物台であって、これに着脱自在
にセットされる切削工具2は、切削刃先3aを構成する
交換可能なスローアウエイチップ3を備えている。4は
冷媒供給手段であって、切削工具3の切削刃先3a付近
に水を噴霧する水噴霧用ノズル5と、このノズル5に冷
媒としての水を圧送するプランジャーポンプ6とから構
成されている。
【0007】プランジャーポンプ6は、スプリング7の
付勢力により後退方向に付勢されたエアー駆動のピスト
ン8と、このピストン8に連設されたプランジャー9
と、このプランジャー9が出退移動するポンプ室10
と、このポンプ室10と水吐出口11との間に介装され
た逆止弁12と、ピストン8の後退原位置を変えてプラ
ンジャー9のストローク(単位吐出量)を調整する吐出
量調整用ねじ13とを備え、水吐出口11と前記水噴霧
用ノズル5とが配管14により接続され、ポンプ室10
の水吸入口15に水タンク16が配管17により接続さ
れている。
付勢力により後退方向に付勢されたエアー駆動のピスト
ン8と、このピストン8に連設されたプランジャー9
と、このプランジャー9が出退移動するポンプ室10
と、このポンプ室10と水吐出口11との間に介装され
た逆止弁12と、ピストン8の後退原位置を変えてプラ
ンジャー9のストローク(単位吐出量)を調整する吐出
量調整用ねじ13とを備え、水吐出口11と前記水噴霧
用ノズル5とが配管14により接続され、ポンプ室10
の水吸入口15に水タンク16が配管17により接続さ
れている。
【0008】プランジャーポンプ6のピストン8を駆動
するシリンダー室18のエアー配管接続口19は、電磁
開閉弁20及びエアー流路21を介して圧力エアー源2
2に接続されている。電磁開閉弁20は、スプリング2
3によってエアー流路21を常時遮断しているもので、
ソレノイド24が通電励磁されている間のみ、エアー流
路21を開通させるものである。従って、ソレノイド2
4を一定時間間隔で一定時間だけ通電励磁させる駆動パ
ルス電圧25をソレノイド24に印荷することにより、
プランジャー9のシリンダー室18に一定時間間隔で一
定時間だけ圧力エアー源22から圧力エアーが供給さ
れ、この圧力エアーによりプランジャー9が一定時間間
隔で往復移動してポンプ室10内に流入した一定量の水
を間欠的に水噴霧用ノズル5に圧送することになる。
するシリンダー室18のエアー配管接続口19は、電磁
開閉弁20及びエアー流路21を介して圧力エアー源2
2に接続されている。電磁開閉弁20は、スプリング2
3によってエアー流路21を常時遮断しているもので、
ソレノイド24が通電励磁されている間のみ、エアー流
路21を開通させるものである。従って、ソレノイド2
4を一定時間間隔で一定時間だけ通電励磁させる駆動パ
ルス電圧25をソレノイド24に印荷することにより、
プランジャー9のシリンダー室18に一定時間間隔で一
定時間だけ圧力エアー源22から圧力エアーが供給さ
れ、この圧力エアーによりプランジャー9が一定時間間
隔で往復移動してポンプ室10内に流入した一定量の水
を間欠的に水噴霧用ノズル5に圧送することになる。
【0009】図2において、26は前記電磁開閉弁20
のソレノイド24を駆動する駆動パルス電圧25を生成
させるための制御手段であり、27はキーボードやタッ
チパネルなどの入力手段、28は演算手段である。制御
手段26は、前記駆動パルス電圧25を出力するデジタ
ルタイマー29と、このデジタルタイマー29の作動時
間間隔Tを設定するタイマーコントローラー30と、こ
のタイマーコントローラー30の設定時間間隔Tを任意
の比率で短くするための手動の低減率設定器31とから
構成されている。入力手段27は、工作物Wに対する切
削条件や工作物の比切削抵抗など、切削工具2の刃先3
a付近で発生する熱量の演算に必要な値を入力するもの
であって、キーボードやタッチパネルなどから成り、演
算手段28は、入力手段27による入力値Dに基づいて
切削工具2の刃先3a付近で発生する熱量を演算すると
ともに、この演算された発生熱量による切削工具2の刃
先3a付近の温度上昇を前記冷媒供給手段4の水噴霧用
ノズル5で刃先3a付近に供給された水の気化熱で抑制
するのに必要な水の供給流量を演算するものであって、
これら入力手段27と演算手段28として、パーソナル
コンピューターなどの各種コンピューター32を利用す
ることができる。
のソレノイド24を駆動する駆動パルス電圧25を生成
させるための制御手段であり、27はキーボードやタッ
チパネルなどの入力手段、28は演算手段である。制御
手段26は、前記駆動パルス電圧25を出力するデジタ
ルタイマー29と、このデジタルタイマー29の作動時
間間隔Tを設定するタイマーコントローラー30と、こ
のタイマーコントローラー30の設定時間間隔Tを任意
の比率で短くするための手動の低減率設定器31とから
構成されている。入力手段27は、工作物Wに対する切
削条件や工作物の比切削抵抗など、切削工具2の刃先3
a付近で発生する熱量の演算に必要な値を入力するもの
であって、キーボードやタッチパネルなどから成り、演
算手段28は、入力手段27による入力値Dに基づいて
切削工具2の刃先3a付近で発生する熱量を演算すると
ともに、この演算された発生熱量による切削工具2の刃
先3a付近の温度上昇を前記冷媒供給手段4の水噴霧用
ノズル5で刃先3a付近に供給された水の気化熱で抑制
するのに必要な水の供給流量を演算するものであって、
これら入力手段27と演算手段28として、パーソナル
コンピューターなどの各種コンピューター32を利用す
ることができる。
【0010】具体的に説明すると、旋盤による切削加工
を行う場合、前記入力値Dは、切削速度V[m/s],
送り速度f[mm/rev],切り込み量d[mm]な
どの切削条件、及び工作物Wの比切削抵抗K[N/mm
2 ]となり、これらの入力値Dが入力手段27から入力
されると、演算手段28は、 切削で生じる主分力F[N]=Kfd 切削工具2の刃先3a付近で消費される全エネルギ
ーU[Nm/s]=FV=KfdV 切削工具2の刃先3a付近で発生する熱量H[J
s]=U、及び 水(冷媒)の気化熱量=2250×103 [J/k
gf] などの、予め設定記憶されている演算条件に基づいて、
入力値Dから、切削工具2の刃先3a付近で発生する熱
量H[Js]と等しい水の気化熱量を得るための水の供
給流量Q[kgf/s]を、演算式Q=H[Js]÷2
250×103 [J/kgf]から演算する。
を行う場合、前記入力値Dは、切削速度V[m/s],
送り速度f[mm/rev],切り込み量d[mm]な
どの切削条件、及び工作物Wの比切削抵抗K[N/mm
2 ]となり、これらの入力値Dが入力手段27から入力
されると、演算手段28は、 切削で生じる主分力F[N]=Kfd 切削工具2の刃先3a付近で消費される全エネルギ
ーU[Nm/s]=FV=KfdV 切削工具2の刃先3a付近で発生する熱量H[J
s]=U、及び 水(冷媒)の気化熱量=2250×103 [J/k
gf] などの、予め設定記憶されている演算条件に基づいて、
入力値Dから、切削工具2の刃先3a付近で発生する熱
量H[Js]と等しい水の気化熱量を得るための水の供
給流量Q[kgf/s]を、演算式Q=H[Js]÷2
250×103 [J/kgf]から演算する。
【0011】一方、デジタルタイマー29(電磁開閉弁
20のソレノイド24)の1回の通電(通電時間t)に
よって電磁開閉弁20が1回の開路動作を行うが、この
電磁開閉弁20の1回の開路動作によって駆動されるプ
ランジャーポンプ6のワンショット吐出流量qは、予め
演算手段28に記憶設定されており、このワンショット
吐出流量qと演算された水の供給流量Q[kgf/s]
とに基づいて、必要な水の供給流量Q[kgf/s]を
得るための単位時間(例えば1分間)当たりのプランジ
ャーポンプ6の動作回数Nが演算され、プランジャーポ
ンプ6を単位時間当たり動作回数Nで動作させるための
デジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイド2
4)の作動時間間隔Tが演算される。そして、この演算
された作動時間間隔Tがタイマーコントローラー30に
設定される。
20のソレノイド24)の1回の通電(通電時間t)に
よって電磁開閉弁20が1回の開路動作を行うが、この
電磁開閉弁20の1回の開路動作によって駆動されるプ
ランジャーポンプ6のワンショット吐出流量qは、予め
演算手段28に記憶設定されており、このワンショット
吐出流量qと演算された水の供給流量Q[kgf/s]
とに基づいて、必要な水の供給流量Q[kgf/s]を
得るための単位時間(例えば1分間)当たりのプランジ
ャーポンプ6の動作回数Nが演算され、プランジャーポ
ンプ6を単位時間当たり動作回数Nで動作させるための
デジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイド2
4)の作動時間間隔Tが演算される。そして、この演算
された作動時間間隔Tがタイマーコントローラー30に
設定される。
【0012】しかして、タイマーコントローラー30
は、デジタルタイマー29が設定時間間隔Tごとに一定
時間tだけ立ち上がる駆動パルス電圧25を出力するよ
うに、当該デジタルタイマー29を制御することにな
り、この結果、当該駆動パルス電圧25で制御される電
磁開閉弁20の間欠的開路動作により、プランジャーポ
ンプ6が、演算された通りの単位時間当たり動作回数N
で動作し、水タンク16内の水(冷媒)が、演算された
通りの供給流量Q[kgf/s]で水噴霧用ノズル5か
ら切削工具2の刃先3a付近に間欠的に噴霧される。噴
霧された水は、切削工具2の刃先3a部分や工作物Wの
切削加工部分の表面上で気化し、その気化熱でこれら切
削工具2の刃先3a部分や工作物Wの切削加工部分の発
生熱量を奪い、これら部分の温度上昇を抑制する。
は、デジタルタイマー29が設定時間間隔Tごとに一定
時間tだけ立ち上がる駆動パルス電圧25を出力するよ
うに、当該デジタルタイマー29を制御することにな
り、この結果、当該駆動パルス電圧25で制御される電
磁開閉弁20の間欠的開路動作により、プランジャーポ
ンプ6が、演算された通りの単位時間当たり動作回数N
で動作し、水タンク16内の水(冷媒)が、演算された
通りの供給流量Q[kgf/s]で水噴霧用ノズル5か
ら切削工具2の刃先3a付近に間欠的に噴霧される。噴
霧された水は、切削工具2の刃先3a部分や工作物Wの
切削加工部分の表面上で気化し、その気化熱でこれら切
削工具2の刃先3a部分や工作物Wの切削加工部分の発
生熱量を奪い、これら部分の温度上昇を抑制する。
【0013】ここで、切削工具2の刃先3a付近で消費
される全エネルギーU[Nm/s]=発生熱量H[J
s]とは、切削工具2の刃先3a部分、工作物Wの切削
加工部分、切削工具2の刃先3a部分から発生する切り
屑、及び切削工具2の刃先3a周辺の雰囲気で消費され
るエネルギー(熱量)の総和であって、実際に水(冷
媒)の気化熱量で除去しなければならない熱量は、切削
工具2の刃先3a部分と工作物Wの切削加工部分で発生
する熱量であるから、前記演算式Q=H[Js]÷22
50×103 [J/kgf]で演算されて得られた水の
供給流量Q[kgf/s]で水を切削工具2の刃先3a
付近に噴霧したのでは、水量が多すぎて全て気化するこ
とができず、一部が水滴または濡れの状態で切削工具2
の刃先3a付近、即ち、切削工具2の刃先3a部分や工
作物Wの切削加工部分に残ることになり、発錆の原因な
どになる。
される全エネルギーU[Nm/s]=発生熱量H[J
s]とは、切削工具2の刃先3a部分、工作物Wの切削
加工部分、切削工具2の刃先3a部分から発生する切り
屑、及び切削工具2の刃先3a周辺の雰囲気で消費され
るエネルギー(熱量)の総和であって、実際に水(冷
媒)の気化熱量で除去しなければならない熱量は、切削
工具2の刃先3a部分と工作物Wの切削加工部分で発生
する熱量であるから、前記演算式Q=H[Js]÷22
50×103 [J/kgf]で演算されて得られた水の
供給流量Q[kgf/s]で水を切削工具2の刃先3a
付近に噴霧したのでは、水量が多すぎて全て気化するこ
とができず、一部が水滴または濡れの状態で切削工具2
の刃先3a付近、即ち、切削工具2の刃先3a部分や工
作物Wの切削加工部分に残ることになり、発錆の原因な
どになる。
【0014】従って、前記演算式Q=H[Js]÷22
50×103 [J/kgf]により得られた水の供給流
量Q[kgf/s]に対し、切削条件などに応じて適当
な低減率(例えば70%)を掛けて、切削工具2の刃先
3a付近に噴霧した水の全てが瞬時に気化してしまう程
度の供給流量Q’を求め、この調整供給流量Q’に基づ
いて電磁開閉弁20(プランジャーポンプ6)を駆動す
る必要がある。
50×103 [J/kgf]により得られた水の供給流
量Q[kgf/s]に対し、切削条件などに応じて適当
な低減率(例えば70%)を掛けて、切削工具2の刃先
3a付近に噴霧した水の全てが瞬時に気化してしまう程
度の供給流量Q’を求め、この調整供給流量Q’に基づ
いて電磁開閉弁20(プランジャーポンプ6)を駆動す
る必要がある。
【0015】そこで、演算手段28において、予め設定
記憶させた一定の低減率(例えば70%)を、演算式Q
=H[Js]÷2250×103 [J/kgf]により
得られた水の供給流量Q[kgf/s]に掛けて調整供
給流量Q’を求め、この調整供給流量Q’に基づいてデ
ジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイド2
4)の作動時間間隔T’を演算させるかまたは、演算式
Q=H[Js]÷2250×103 [J/kgf]によ
り得られた水の供給流量Q[kgf/s]に基づいてデ
ジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイド2
4)の作動時間間隔Tを演算し、この作動時間間隔Tに
予め設定記憶させた一定の低減率(例えば70%)を掛
けてデジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイ
ド24)の作動時間間隔T’を演算し、この調整後の作
動時間間隔T’をタイマーコントローラー30に設定す
るように構成することができるが、図2に示すように、
タイマーコントローラー30に設定された作動時間間隔
Tに任意の低減率を掛けて調整された作動時間間隔T’
を得るための手動のデジタル式またはアナログ式の低減
率設定器31を設けておく場合は、演算手段28で一定
の低減率を掛けて調整された作動時間間隔T’を演算さ
せる場合よりも、低減率を状況に応じて任意且つ容易に
変化させて、より好適な供給流量で水を噴霧させること
が可能になる。勿論、演算手段28で一定の低減率を掛
けて調整された作動時間間隔T’を求め、さらに前記低
減率設定器31により作動時間間隔T’を調整できるよ
うに構成することもできる。
記憶させた一定の低減率(例えば70%)を、演算式Q
=H[Js]÷2250×103 [J/kgf]により
得られた水の供給流量Q[kgf/s]に掛けて調整供
給流量Q’を求め、この調整供給流量Q’に基づいてデ
ジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイド2
4)の作動時間間隔T’を演算させるかまたは、演算式
Q=H[Js]÷2250×103 [J/kgf]によ
り得られた水の供給流量Q[kgf/s]に基づいてデ
ジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイド2
4)の作動時間間隔Tを演算し、この作動時間間隔Tに
予め設定記憶させた一定の低減率(例えば70%)を掛
けてデジタルタイマー29(電磁開閉弁20のソレノイ
ド24)の作動時間間隔T’を演算し、この調整後の作
動時間間隔T’をタイマーコントローラー30に設定す
るように構成することができるが、図2に示すように、
タイマーコントローラー30に設定された作動時間間隔
Tに任意の低減率を掛けて調整された作動時間間隔T’
を得るための手動のデジタル式またはアナログ式の低減
率設定器31を設けておく場合は、演算手段28で一定
の低減率を掛けて調整された作動時間間隔T’を演算さ
せる場合よりも、低減率を状況に応じて任意且つ容易に
変化させて、より好適な供給流量で水を噴霧させること
が可能になる。勿論、演算手段28で一定の低減率を掛
けて調整された作動時間間隔T’を求め、さらに前記低
減率設定器31により作動時間間隔T’を調整できるよ
うに構成することもできる。
【0016】なお、切削工具2の刃先3a付近に水(冷
媒)を供給する冷媒供給手段4の構成は、上記実施形態
のものに限定されない。例えば水噴霧用ノズル5を使用
しないで、刃先3aの近傍位置でスローアウエイチップ
3の表面に吸水層を形成し、この吸水層に水滴下ノズル
より水を所定の供給流量で滴下供給することも可能であ
る。また、冷媒として水を使用したが、より気化熱量の
大きなエタノールなどの気化冷媒を利用することも可能
である。
媒)を供給する冷媒供給手段4の構成は、上記実施形態
のものに限定されない。例えば水噴霧用ノズル5を使用
しないで、刃先3aの近傍位置でスローアウエイチップ
3の表面に吸水層を形成し、この吸水層に水滴下ノズル
より水を所定の供給流量で滴下供給することも可能であ
る。また、冷媒として水を使用したが、より気化熱量の
大きなエタノールなどの気化冷媒を利用することも可能
である。
【0017】
【発明の効果】以上のように実施し得る本発明の切削工
具の冷却装置によれば、切削工具の刃先付近に冷媒を供
給し、この冷媒の気化熱により当該切削工具の刃先部分
や工作物の切削加工部分の温度上昇を抑制し、以て、切
削工具の刃先付近の温度を低く保つことによる効果、即
ち、 切削工具の刃先部分の幾何学的形状とサイズを安定
させて加工精度を高めることができる。 工作物の切削加工表面の性状を改善できる。 工具の硬度と強度の低下を抑制し、工具寿命を伸長
できる。 などの効果を、工具冷却のための切削油を使用しない、
地球環境に優しいクリーンな気化熱利用の冷却方法を以
て得ることができる。
具の冷却装置によれば、切削工具の刃先付近に冷媒を供
給し、この冷媒の気化熱により当該切削工具の刃先部分
や工作物の切削加工部分の温度上昇を抑制し、以て、切
削工具の刃先付近の温度を低く保つことによる効果、即
ち、 切削工具の刃先部分の幾何学的形状とサイズを安定
させて加工精度を高めることができる。 工作物の切削加工表面の性状を改善できる。 工具の硬度と強度の低下を抑制し、工具寿命を伸長
できる。 などの効果を、工具冷却のための切削油を使用しない、
地球環境に優しいクリーンな気化熱利用の冷却方法を以
て得ることができる。
【0018】しかも、入力手段により、工作物に対する
切削条件や工作物の比切削抵抗など、切削工具の刃先付
近で発生する熱量の演算に必要な値を入力するだけで、
切削工具の刃先付近の温度上昇を冷媒供給手段で刃先付
近に供給された冷媒の気化熱で抑制するのに必要な冷媒
の供給流量を演算手段で自動的に演算させ、制御手段に
より、演算された流量で冷媒を供給するように冷媒供給
手段を制御するのであるから、作業者が経験や目視観測
に基づいて冷媒供給流量をリアルタイムに調整しながら
最適な冷媒供給流量を得なければならない場合と比較し
て、切削工具の加工時の熱で丁度気化する程度に冷媒を
供給することが容易且つ確実に行える。この結果、冷媒
の消費量も僅かであり、冷風冷却法に比べて冷却システ
ムの設備コストやランニングコストを大幅に低減するこ
とができ、その経済的効果は甚大である。
切削条件や工作物の比切削抵抗など、切削工具の刃先付
近で発生する熱量の演算に必要な値を入力するだけで、
切削工具の刃先付近の温度上昇を冷媒供給手段で刃先付
近に供給された冷媒の気化熱で抑制するのに必要な冷媒
の供給流量を演算手段で自動的に演算させ、制御手段に
より、演算された流量で冷媒を供給するように冷媒供給
手段を制御するのであるから、作業者が経験や目視観測
に基づいて冷媒供給流量をリアルタイムに調整しながら
最適な冷媒供給流量を得なければならない場合と比較し
て、切削工具の加工時の熱で丁度気化する程度に冷媒を
供給することが容易且つ確実に行える。この結果、冷媒
の消費量も僅かであり、冷風冷却法に比べて冷却システ
ムの設備コストやランニングコストを大幅に低減するこ
とができ、その経済的効果は甚大である。
【0019】なお、請求項2に記載のように、安価で取
り扱いが容易であるばかりでなく、環境に対して極めて
優しい水を使用して所期の目的を達成できる。また、請
求項3に記載の構成によれば、切削条件の変化などに対
応して常に最適な流量で冷媒を供給することができ、冷
媒が多すぎて気化せずに刃先付近の表面に残ることによ
る悪影響を解消することが容易になる。
り扱いが容易であるばかりでなく、環境に対して極めて
優しい水を使用して所期の目的を達成できる。また、請
求項3に記載の構成によれば、切削条件の変化などに対
応して常に最適な流量で冷媒を供給することができ、冷
媒が多すぎて気化せずに刃先付近の表面に残ることによ
る悪影響を解消することが容易になる。
【図1】 本発明装置のハード構成を説明する図であ
る。
る。
【図2】 本発明装置の制御系の構成を説明する図であ
る。
る。
1 切削機械における刃物台 2 切削工具 3a 切削刃先 4 冷媒供給手段 5 水噴霧用ノズル 6 プランジャーポンプ 16 水タンク 20 電磁開閉弁 22 圧力エアー源 25 駆動パルス電圧 26 駆動パルス電圧を生成させるための制御手段 27 キーボードやタッチパネルなどの入力手段 28 演算手段 29 デジタルタイマー 30 タイマーコントローラー 31 手動の低減率設定器
Claims (3)
- 【請求項1】入力手段と、演算手段と、切削工具の刃先
付近に冷媒を供給する冷媒供給手段と、制御手段とを備
え、入力手段は、工作物に対する切削条件や工作物の比
切削抵抗など、切削工具の刃先付近で発生する熱量の演
算に必要な値を入力するものであり、演算手段は、入力
手段による入力値に基づいて切削工具の刃先付近で発生
する熱量を演算するとともに、この演算された発生熱量
による切削工具の刃先付近の温度上昇を前記冷媒供給手
段で刃先付近に供給された冷媒の気化熱で抑制するのに
必要な冷媒の供給流量を演算するものであり、制御手段
は、演算された流量で冷媒を供給するように冷媒供給手
段を制御するものである、切削工具の冷却装置。 - 【請求項2】前記冷媒が水である、請求項1に記載の切
削工具の冷却装置。 - 【請求項3】前記制御手段が、前記冷媒供給手段の冷媒
供給量を演算流量より少なくするための流量絞り手段を
備えている、請求項1または2に記載の切削工具の冷却
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30599999A JP2001121382A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 切削工具の冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30599999A JP2001121382A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 切削工具の冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001121382A true JP2001121382A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17951863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30599999A Pending JP2001121382A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 切削工具の冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001121382A (ja) |
-
1999
- 1999-10-27 JP JP30599999A patent/JP2001121382A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021213 |