JP2001118837A - 半導体製造装置 - Google Patents

半導体製造装置

Info

Publication number
JP2001118837A
JP2001118837A JP2000250266A JP2000250266A JP2001118837A JP 2001118837 A JP2001118837 A JP 2001118837A JP 2000250266 A JP2000250266 A JP 2000250266A JP 2000250266 A JP2000250266 A JP 2000250266A JP 2001118837 A JP2001118837 A JP 2001118837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
gas
wafer
semiconductor manufacturing
manufacturing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000250266A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3611780B2 (ja
Inventor
Yoshimi Kinoshita
儀美 木之下
Tomoyuki Kanda
智幸 神田
Katsuhisa Kitano
勝久 北野
Kazuo Yoshida
和夫 吉田
Hiroshi Onishi
寛 大西
Kenichiro Yamanishi
健一郎 山西
Shigeo Sasaki
茂雄 佐々木
Hideki Komori
秀樹 古森
Taizo Ejima
泰蔵 江島
Koichiro Tsutahara
晃一郎 蔦原
Toshihiko Noguchi
利彦 野口
Susumu Takahama
享 高浜
Yoshihiko Kusakabe
嘉彦 草壁
Takeshi Iwamoto
猛 岩本
Noriyuki Kosaka
宣之 小坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2000250266A priority Critical patent/JP3611780B2/ja
Publication of JP2001118837A publication Critical patent/JP2001118837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3611780B2 publication Critical patent/JP3611780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜材料の純度の向上を図って、半導体の歩留
り及び品質を向上させ、かつ熱源の反応ガスによる腐食
等の不具合を防止する。 【解決手段】 半導体製造装置における反応空間3とウ
エハ加熱源4などの高温部が存在する熱源室215との
間に仕切り部材5を設け、かつ、圧力の低い空間209
a,209bを設けた構成とした

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反応ガスを用い
てウエハ表面に薄膜を形成する半導体製造装置に関する
ものである。なお、半導体製造装置の種類としては減圧
CVD装置への適用が最も有効であるが、その他の薄膜
形成、加工等の半導体製造装置にも利用可能である。
【0002】
【従来の技術】図18は例えば特開昭54−16017
2号公報、特開平3−291381号公報等に示された
第1従来例の半導体製造装置を示す断面図である。同図
において、701は反応容器で、この反応容器701
は、内部に筒状のインナーチューブ702を有しその内
方に反応空間3が設けられている。704は、前記反応
空間3内に配置された基板支持ボードで、この基板支持
ボード704は半導体ウエハ1を多数枚支持する構造に
なっている。4は前記半導体ウエハ1を加熱するための
ウエハ加熱源で、このウエハ加熱源4は反応容器701
の周壁に設けられている。
【0003】501は反応空間3内に反応ガスであるジ
クロロシラン(SiH2 Cl2 )を導入するための材料
ガス管、502は別の反応ガスであるアンモニア(NH
3 )を反応空間3内に導入するための反応ガス供給管で
ある。これらの反応ガス供給管501,502は、それ
ぞれ反応容器701を貫通して設けられ、ガス流の上流
側が材料ガス供給源(図示せず)に接続されるととも
に、下流側が反応室2の下部に開口している。
【0004】7は反応容器701内のガスを排出するた
めの反応ガス排気路である。この反応ガス排気路7は、
一端が反応容器701内におけるインナーチューブ70
2の外周側となる空間に開口し、他端が不図示の排気装
置に接続されている。なお、反応容器701内は、この
反応ガス排気路7を介して内部ガスを排出することによ
り一般に減圧されている。
【0005】このように構成された半導体製造装置にお
いては、まず、ウエハ加熱源4によって反応容器701
の周壁を介して半導体ウエハ1を加熱する。この時の温
度としては700℃前後とされる。ついで、ジクロロシ
ランおよびアンモニアを個別の反応ガス供給管501,
502から反応空間3内に導入する。このように反応空
間3内に供給された2種類の反応ガスは、加熱された半
導体ウエハ1に接する気相中で熱分解される。そして、
これにより生じた反応生成物が半導体ウエハ1上に堆積
し、窒化ケイ素膜が形成されることになる。
【0006】図19は例えば特開平3−184327号
公報に示される第2従来例の半導体製造装置(いわゆる
枚葉式)の概要を示す断面図である。同図において、1
は半導体ウエハ、2は半導体ウエハ1を収容する反応
室、5は半導体ウエハ1を搭載する真空チャック、20
4は真空チャック5に開口する真空引き孔、4は真空チ
ャック5に内蔵され半導体ウエハ1を加熱するウエハ加
熱源、6は反応室2に反応ガスを供給するガスノズル、
3は反応が行われる反応空間、そして、7は反応室2内
の反応後のガスを排気する反応ガス排気路である。
【0007】このような構成において薄膜を形成するに
は、先ず、搬送装置(図示せず)によって半導体ウエハ
1を搬送し真空チャック5に載置する。次に、真空チャ
ック5に開口している真空引き孔204から真空排気を
行い半導体ウエハ1を吸着する。ガスノズル6から反応
ガスを反応室2内に供給する。このとき、ウエハ加熱源
4によって真空チャック5を介しウエハ1が加熱されて
いるため、反応ガスは半導体ウエハ1上で熱化学反応を
起こし半導体ウエハ1上に薄膜が形成される。
【0008】なお、係る工程において、半導体ウエハ1
は高温、例えば600℃から800℃の高温に加熱され
なければならない。また、反応生成膜の膜質や成長速度
が半導体ウエハ1の温度に依存するものであり、反応生
成膜の膜質および膜厚を均一に形成するためには半導体
ウエハ1を所定の温度で均一に加熱する必要がある。ま
た、ウエハ及びウエハ表面に形成される薄膜への汚染を
防止する必要がある。
【0009】図20は例えば特開平2−143526号
公報に引用されている第3従来例の半導体製造装置(減
圧CVD装置)における反応室のガスシール部の構造を
示す断面図である。同図において、305はOリング、
317はプロセスチューブ、318はキャップ、319
はマニホールドであり、320は、前記キャップ318
とマニホールド319の隙間部分と、プロセスチューブ
317,キャップ318及びマニホールド319で挟ま
れた隙間部分とに不活性ガス(N2 )を導入するための
不活性ガス供給孔、306はマニホールド319に形成
された水冷部である。
【0010】上記の構成において、プロセスチューブ3
17内は高温に保たれ、導入された反応ガスは、プロセ
スチューブ317内のウエハ(図示せず)上で熱化学反
応を起こし薄膜が形成される。この際、Oリング305
は外部とのガスシールの役割をはたしており、熱による
損傷、シール機能の劣化を防ぐため水冷部306に通水
し、Oリング305を冷却し保護している。その結果O
リング305の周辺の温度が低下するが、この隙間部分
に不活性ガスを導入することによりOリング305近傍
への反応ガスの侵入を阻止して反応副生成物の付着を防
止を図っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体製造装置
は以上のように構成されているので、第1従来例のバッ
チ式半導体製造装置にあっては以下の様な課題があっ
た。
【0012】まず、ジクロロシラン及びアンモニアの反
応で生成される副生成物(主に塩化アンモン)がダスト
のもととなり、半導体チップの生産性を著しく低下して
しまうという課題があった。
【0013】また、塩化アンモニウムの生成を抑えるた
めに反応室3内の圧力を1.0Torr未満の減圧雰囲
気にし、この雰囲気中でジクロロシランとアンモニアを
混合させなければならなかった。しかも、塩化アンモニ
ウムの反応室壁への付着を防ぐために反応室壁を高温
(200℃以上)に保持する必要があった。すなわち、
成膜するときのプロセスが制約され、適正な装置構成や
最適なプロセス条件で成膜を行なうことができないとい
う課題があった。
【0014】また、半導体などのキャパシタ膜は小さな
面積でキャパシタ容量を確保するため、膜厚が極めて薄
くなり、かつ表面積を確保するために、複雑な立体形状
に均一な膜厚で形成されることが求められている。また
半導体のコストを下げるため、1枚の半導体ウエハ1か
ら、より多くの半導体を取り出すべく、半導体ウエハ1
は大口径化している。ところが、特公昭60−1010
8号公報等に示される手法で大口径ウエハを処理したと
き、半導体ウエハ1内の膜厚分布が増大してしまうとい
う問題点があった。
【0015】また、膜厚を再現よく実現するためには、
ウエハ温度と反応ガス量のバランスを制御する必要が
り、特公昭60−10108号公報等に示される手法、
すなわちバッチ式CVD装置を用いた手法では、もとも
と複数の半導体ウエハ1の膜厚のばらつきを抑えるため
にガスの上流側から下流側に向けてウエハ温度が高くな
るように管状の反応室2内の温度分布を制御している
が、精度上に限界があり、実際は1回に処理する半導体
ウエハ1の数を減らし、残りにダミーウエハと呼ばれる
半導体ウエハ1を代設することで凌いでおり、歩留りの
低下すなわちコスト上昇を招くという課題があった。
【0016】さらに、極めて薄い膜を再現よく形成する
ためには、キャパシタ膜を形成する下地部分の性状を精
密に制御することが必要となるが、一度に複数枚の半導
体ウエハ1を一括処理する特公昭60−10108号公
報に示される手法(いわゆるバッチ式)では、この制御
ができないという問題点があった。
【0017】このような背景から近年は図18により前
述した(特開平3−184327号公報に示されるも
の)枚葉式と呼ばれるCVD装置が開発されてきた。と
ころが、この枚葉式CVD装置を用いる場合、従来のバ
ッチ式CVD装置を用いた時と同程度の生産性を確保す
るために、反応室圧力を従来の0.5Torrから数T
orr〜数10Torrに高めることが必要となってい
るという課題があった。
【0018】また、ジクロロシランや四塩化チタンとア
ンモニアを反応ガスに用いたときに生成する塩化アンモ
ニウムは、飽和蒸気圧特性を持っていることから、前述
のように反応室の壁温を高温に保持しないと、塩化アン
モニウムが固化し付着する。そして、反応室圧力が0.
5Torrと低いときにはこの壁温は150℃程度を保
持すれば良かった。ところが、この反応室圧力を数To
rrから数10Torrにあげると、塩化アンモニウム
の固化を防ぐために必要な壁温は250℃にも達し、通
常真空保持に用いるゴム製の真空シール材(Oリング)
が使用できなくなるという課題や、最適なプロセス条件
で成膜を行なうことができないという課題があった。
【0019】また、枚葉式CVD装置ではバッチ式CV
D装置に比べ構造が複雑になるため、SUS等の金属材
料を構造材に用いる必要性が高い。ところが、金属材料
は一般的に高温では塩素により腐食される危険性が高
く、例えばインコネルのような耐腐食性の強い高価な金
属材料や石英等のガラス材に限定されるという問題点が
あった。
【0020】次に、第2従来例の枚葉式半導体製造装置
にあっては、真空チャック5の高温部が反応ガスにさら
されているため、高温部に膜が付着しダスト発生の原因
となり、反応ガスが腐食性ガスの場合、高温のウエハ加
熱源4が腐食され故障の原因となっていた。また、ウエ
ハ加熱源4により加熱される高温部と半導体ウエハ1が
設置され反応が行われている反応空間3とが同じである
ため、ウエハ加熱源4やその周辺の高温部からの半導体
ウエハ1及びウエハ表面に形成される薄膜への汚染が生
ずるという課題があった。
【0021】また、ウエハ保持機構が真空チャック5で
あるため、半導体ウエハ1とウエハ保持機構との空間に
真空層ができて両者の間の熱抵抗が著しく大きくなり、
成膜時に半導体ウエハ1を高温(例えば600℃から8
00℃)に加熱するためにはウエハ加熱源4の高温化を
図らなければならなかった。さらに、ウエハ加熱源4の
発熱分布にバラツキがある場合、半導体ウエハ1の温度
分布を均一にすることができないという課題があった。
【0022】次に、第3従来例のガスシール部を有する
半導体製造装置にあっては、特開平2−143526号
公報で示されているような数Torr程度の減圧下では
反応ガスの拡散の効果が大きくなり、この拡散を阻止し
て反応ガスの侵入を防ぐためには大量の不活性ガスの導
入が必要となる。そのうえ、その不活性ガスは狭い隙間
部分から反応室に導入される構成となっており、少量で
も反応副生成物が付着した場合には反応室内に吹き出し
てしまうという課題があった。
【0023】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、半導体ウエハ及びウエハ表面に形
成される薄膜の汚染や高温部へのダストの付着を防止
し、ウエハ保持機構が真空チャック方式の場合、そのと
きのウエハとウエハ保持機構との温度差を小さくし、ウ
エハ加熱源に発熱分布の不均一があってもウエハを均一
に加熱できる半導体製造装置を提供することを目的とす
る。
【0024】また、この発明は、ガスシール面の内側に
反応ガスが拡散されてきても反応副生成物を付着させな
いことにより、ダスト汚染が少なく、メンテナンス時の
作業が簡便な半導体製造装置を提供することを目的とし
ている。
【0025】さらに、この発明は、反応ガスの混合を十
分に行なうことにより、均一な膜厚分布を有する半導体
用薄膜を得るとともに、ノズル系を加熱制御して発塵や
反応ガス流路の目詰まりの原因となる反応副生成物の形
成を防止できる半導体製造装置を提供することを目的と
する。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体製
造装置は、反応室内に半導体ウエハを保持するウエハ保
持機構と、前記半導体ウエハを加熱するウエハ加熱源と
を有し、前記反応室に反応ガスを供給して半導体ウエハ
上に薄膜形成を行う半導体製造装置において、前記ウエ
ハ加熱源のある熱源室と前記反応室内の反応空間とを分
離する仕切り部材を設け、この仕切り部材に熱源室と反
応空間よりも圧力の低い領域を設けたものである。
【0027】この発明に係る半導体製造装置は、熱源室
の圧力を可変としたものである。
【0028】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
保持機構が真空チャック方式であり、真空チャックの排
気を前記仕切り部材の低圧領域の排気と兼ねたものであ
る。
【0029】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
保持機構が真空チャック方式であり、仕切り部材を真空
チャック板で兼ねたものである。
【0030】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
保持機構が真空チャック方式であり、真空チャック板の
ウエハ面側とウエハ間の圧力を反応空間よりも低圧に可
変としたものである。
【0031】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材を熱伝導率の高い部材で構成したものである。
【0032】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材を赤外線透過部材で構成したものである。
【0033】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材に凹凸を設けたものである。
【0034】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
加熱源がヒータであり、このヒータと前記仕切り部材と
の距離を可変としたものである。
【0035】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材を少なくとも分離された2部材で構成したものであ
る。
【0036】この発明に係る半導体製造装置は、反応室
内に半導体ウエハを保持するウエハ保持機構と、半導体
ウエハを加熱するウエハ加熱源とを有し、前記反応室に
反応ガスを供給して半導体ウエハ上に薄膜形成を行う半
導体製造装置において、前記ウエハ加熱源のある熱源室
と前記反応室内の反応空間とを分離する仕切り部材を設
け、この仕切り部材と前記ウエハ加熱源の少なくとも一
方を回転駆動可能な構造としたものである。
【0037】この発明に係る半導体製造装置は、反応室
内に装填された半導体ウエハに反応ガスを用いて薄膜形
成を行う半導体製造装置において、前記反応室のガスシ
ール部内側全周にわたって溝を設け、この溝を真空排気
する構成としたものである。
【0038】この発明に係る半導体製造装置は、反応室
内に装填された半導体ウエハに反応ガスを用いて薄膜形
成を行う半導体製造装置において、前記反応室のガスシ
ール部内側全周にわたって2重の溝を設け、これら溝の
うちガスシール部に近い第1の溝を真空排気すると同時
に他の第2の溝には不活性ガスを導入する構成としたも
のである。
【0039】この発明に係る半導体製造装置は、反応ガ
スとして副生成物を発生しやすいガス、例えば塩素系ガ
スとアンモニアガスを用いたものである。
【0040】この発明に係る半導体製造装置は、前記溝
を真空排気するためのポンプを真空チャック用のポンプ
と兼ねたものである。
【0041】この発明に係る半導体製造装置は、半導体
ウエハが装填された反応室にガスノズルを介して複数種
の反応ガスを供給して薄膜を形成する半導体製造装置に
おいて、前記ガスノズルの手前に、前記反応ガスを混合
するツイスト状流路を設けたものである。
【0042】この発明に係る半導体製造装置は、半導体
ウエハが装填された反応室にガスノズルを介して複数種
の反応ガスを供給して薄膜を形成する半導体製造装置に
おいて、前記ガスノズルの手前に、拡大部と狭小部を有
する第1の反応ガス流路と、この第1の反応ガス流路に
交差する方向から第2の反応ガスを導入する噴射口とを
設けたものである。
【0043】この発明に係る半導体製造装置は、半導体
ウエハが装填された反応室にガスノズルを介して複数種
の反応ガスを供給して薄膜を形成する半導体製造装置に
おいて、前記ガスノズルの手前に、拡大部と狭小部を有
する第1の反応ガス流路と、この第1の反応ガス流路を
流れる第1の反応ガスに比べ流量の少ない第2の反応ガ
スを、これに交差する方向から導入する噴射口とを設け
たものである。
【0044】この発明に係る半導体製造装置は、前記ガ
スノズルの手前の流路を100℃以上600℃以下に加
熱する構成としたものである。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による半
導体製造装置を示す断面図であり、図59から図61と
同一または相当部分には同一符号を付して説明する。図
1において、1は半導体ウエハ、2は半導体ウエハ1を
収容する反応室、3は反応空間、4は半導体ウエハ1を
加熱するためのウエハ加熱源、5は半導体ウエハ1を搭
載する真空チャック、6は反応室2に反応ガスを供給す
るガスノズル、7は反応ガス排気路、8は真空チャック
排気路、9は反応ガス排気路7を通過してきた反応後の
ガスから反応副生成物を取り除く後段トラップである。
【0046】次に動作について説明する。半導体ウエハ
1は真空チャック5に搭載された後、真空チャック5に
開口している真空チャック排気路8から真空排気され、
反応空間3との差圧力によって吸着固定される。さらに
半導体ウエハ1はウエハ加熱源4によって真空チャック
5を介して高温に加熱される。しかるのち、ガスノズル
6から反応ガスを反応室2内に供給すると、高温になっ
ている半導体ウエハ1の表面では熱化学反応によって薄
膜が形成される。一方、反応後のガスは反応ガス排気路
7を経由して後段トラップ9に至り、ここで反応副生成
物を取除かれた上で排気される。
【0047】図2はこの発明の実施の形態1による半導
体製造装置の要部、すなわち図1の要部を示す拡大断面
図である。同図において、5は真空チャック方式のウエ
ハ保持機構を構成する真空チャック板であり、この真空
チャック板5は熱源室215と反応空間3とを仕切る仕
切り部材を兼ねている。4はウエハ加熱源であり、この
実施の形態1ではヒータが用いられている。ウエハ加熱
源4は真空チャック板5に近接もしくは密着して設置さ
れている。208は真空チャック板5の熱源室215と
反応空間3との空間を隔離するために設られたリング状
空間隔離板、210は圧力制御器、211は圧力測定
器、212はガス供給部、3は反応空間、214はリン
グ状空間隔離板208と仕切り部材5により分離された
空間、215は熱源室である。
【0048】反応室2のほぼ中央部にガスノズル6が真
上に向けて設置されている。ガスノズル6と真空チャッ
ク板5との間に、半導体ウエハ1が処理面をガスノズル
6に向けて水平に設置され、この半導体ウエハ1は真空
チャック板5により真空吸着されている。真空チャック
板5はリング状空間隔離板208により密着して保持さ
れている。リング状空間隔離板208は石英ガラスなど
の熱伝導率の低い材料により形成され、反応室2に密着
して保持されている。
【0049】真空チャック板5のチャック溝は独立した
2つの空間209a、209bに分割されており各々を
独立で排気するための真空排気孔204a、204bが
設けられている。真空排気孔204a、204bにはそ
れぞれ圧力制御器210a、210bおよび圧力測定器
211a、211bが設置され、2つの空間209a、
209bの圧力は独自に制御している。また、空間21
4は圧力制御器210a、210bにより排気される。
【0050】なお、真空チャック板5は窒化シリコン、
炭化シリコン、窒化アルミニウム、カーボングラファイ
ト、カーボングラファイトに炭化シリコン膜をコーティ
ングしたものなどの熱伝導率の高い材料より形成されて
いる。
【0051】熱源室215には、圧力制御器210、圧
力測定器211、ガス供給部212が設けられ、熱源室
215の気体の種類及び圧力の調整が可能な構成となっ
ている。
【0052】次に動作について説明する。まず、搬送装
置(図示せず)によって半導体ウエハ1を搬送し、真空
チャック板5に設置し圧力制御器210a、210bに
より真空排気し半導体ウエハ1を吸着する。このとき空
間214は反応空間3、熱源室215より真空度が高く
なるように設定される。この後、半導体ウエハ1の処理
面に対向するガスノズル6より反応ガスを噴出する。こ
のとき、ウエハ加熱源4により真空チャック板5を介し
半導体ウエハ1が加熱されているため、反応ガスは半導
体ウエハ1上で熱化学反応を起こし薄膜が形成される。
【0053】この際、真空チャック板5とリング状空間
隔離板208a、208bにより熱源室215と反応空
間3が仕切られ、しかも空間214の圧力を反応空間3
及び熱源室215よりも圧力を低く設定するため、反応
ガスが熱源室215に拡散することがなくヒータ4への
付着や反応ガスが腐食性ガスの場合のヒータ4や高温部
材の腐食を防止できる。また、ウエハ加熱源4による半
導体ウエハ1及び半導体ウエハ1表面に形成される薄膜
への汚染を防止することができる。
【0054】さらに、熱源室215の気体の種類を調整
できるとともに、熱源室215の気体の圧力を調整でき
るのでウエハ加熱源4と仕切り部材5間の気体の熱伝導
効果を増減することができる。また、空間209a、2
09bに気体を導入するため気体の熱伝導効果があり、
真空チャック板5が熱伝導率の高い材料より形成されて
いることとあいまって、真空チャック板5と半導体ウエ
ハ1間の熱抵抗を小さくすることができる。このため、
ウエハ加熱源の高温化を防止できるとともに、仕切り部
材5面内の温度分布均一性が向上し半導体ウエハ1面内
温度分布均一性が向上するから、ひいては膜厚の均一性
が向上する。
【0055】くわえて、本実施例の装置では、真空チャ
ック板によって仕切り部材を兼用でき、真空吸引用の排
気と仕切り部材内の空間の排気とが同一系統で行なわれ
るので、装置の小型かつ安価となる。
【0056】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2による半導体製造装置の要部を示す断面図である。
この実施の形態2による半導体製造装置において、真空
チャック板5は透明石英ガラスや単結晶サファイアなど
の赤外線透過部材により形成されている。
【0057】この実施の形態2によれば、ウエハ加熱源
4から放射される赤外線により半導体ウエハ1が直接加
熱できるため、急速高温加熱ができる。
【0058】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5は仕切り部材であり、受熱面側にリン
グ状の凹型溝5aが設けられている。また、ウエハ保持
機構は例えば機械的な保持具216により保持する構成
とされている。
【0059】この実施の形態3によれば、仕切り部材5
面内の熱抵抗を調整できるため、仕切り部材5の温度分
布均一性が向上し、ウエハ面内温度分布均一性が向上す
る。
【0060】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5は仕切り部材であり、ウエハ加熱源は
ヒータ4である。仕切り部材5のヒータ面側に例えば凸
部5bを設け、仕切り部材5とヒータ4間の距離をヒー
タ面内で調整している。また、ウエハ保持機構は例えば
機械的な保持具216により保持する構成とされてい
る。
【0061】この実施の形態4によれば、仕切り部材5
とウエハ加熱源であるヒータ4との間の面内の熱抵抗を
調整でき、また、ヒータ側面から放射される赤外線を取
り込むことにより仕切り部材5の温度分布均一性が向上
し、半導体ウエハ1面内温度分布均一性が向上する。
【0062】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形
態5による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5は仕切り部材であり、ウエハ加熱源は
ヒータ4である。仕切り部材5のヒータ面側に例えば凸
部5cを設け、ヒータ4の側面から放射される赤外線を
受光している。また、ウエハ支持機構は例えば機械的な
保持具216により保持する構成とされている。
【0063】この実施の形態5においても、仕切り部材
5とウエハ加熱源であるヒータ4との間の面内の熱抵抗
を調整でき、また、ヒータ側面から放射される赤外線を
取り込むことにより仕切り部材5の温度分布均一性が向
上し、ウエハ1面内温度分布均一性が向上する。
【0064】実施の形態6.図7はこの発明の実施の形
態6による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5d、5eは仕切り部材であり、ウエハ
加熱源はヒータ4である。また、ウエハ支持機構は例え
ば機械的な保持具216により構成されている。
【0065】この実施の形態6によれば、仕切り部材5
を少なくとも2部材で構成しているため、仕切り部材面
内の温度分布均一性が向上し半導体ウエハ1の面内温度
分布均一性が向上する。
【0066】実施の形態7.図8はこの発明の実施の形
態7による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、220はヒータ回転機構部である。この
ヒータ回転機構部220によってヒータ4を仕切り部材
5と相対的に回転させることが可能である。また、ウエ
ハ支持機構は例えば機械的な保持具216により構成さ
れている。
【0067】この実施の形態7によれば、ウエハ加熱源
4を回転させることにより、ウエハ加熱源4の円周方向
の発熱分布不均一を矯正し、仕切り部材5の温度分布均
一性が向上しウエハ面内温度分布均一性が向上する。
【0068】参考例1.図9は参考例1の半導体製造装
置を示す断面図であり、同図において、5は仕切り部材
であり、熱源室215と反応空間3の空間を分離し気体
の出入りや不純物によるウエハの汚染防止を行ってい
る。この参考例1においては、仕切り部材5と反応室2
aとの間のシールを、217のOリングやガスケットに
より行っている。
【0069】参考例2.図10は参考例2の半導体製造
装置を示す断面図であり、同図において、5は仕切り部
材である。この参考例2においては、仕切り部材5と反
応室2a、2bとのシールは面シールにより行われてい
る。仕切り部材5を用いて熱源室215と反応空間3を
分離するためのシール方法は他の方法を用いても構わな
い。
【0070】実施の形態8.図11はこの発明の実施の
形態8による半導体製造装置のガスシール部を示す断面
図である。同図において、1は半導体ウエハ、2は反応
室、4はウエハ加熱源、5は真空チャック(仕切り部
材)である。304はフランジ、305はガスシールを
行なうOリング、306はOリング冷却用の水冷部、3
07はガスシール内側全周にわたって設けられた溝であ
り、308は上記溝307を真空排気するためのガス流
路、7は反応ガス排気路、8は真空チャック排気路であ
る。
【0071】次に動作について説明する。半導体ウエハ
1上に薄膜を形成する場合、半導体ウエハ1を反応室2
内に搬入し、反応室2内を例えば数10Torr程度の
減圧に保ち、ウエハ加熱源4により、半導体ウエハ1を
加熱する一方、側壁加熱用ヒータ(図示せず)によって
側壁温度を200℃前後に制御する。一方、ガスシール
部から反応室2までの上下フランジ面の隙間部分は、真
空排気用溝307および、ガス流路308を介して真空
ポンプ(図示せず)によって真空引きし、所定の圧力以
下にする。しかる後、反応ガスを反応室2内に導入し、
半導体ウエハ1上で熱化学反応を起こし薄膜が形成され
る。
【0072】この際、反応室2の内壁を、ある一定温度
(T)211℃以上に制御しておけば、反応室2の内
壁には塩化アンモニウムは、固体として付着せずにガス
として反応ガス排気路7を介して反応室外に排出でき
る。
【0073】図12は窒素ケイ素膜(Si3 4 )を形
成する場合のジクロロシラン(SiH2 Cl2 )ガスと
アンモニア(NH3 )ガスとの反応による反応副生成物
である塩化アンモニウム(NH4 Cl)の飽和蒸気圧と
温度との関係を示すグラフである。この飽和蒸気圧が反
応室2の圧力である10Torrと等しくなるような時
にTは約211℃となるので、内壁をT以上に制御
すれば良い。
【0074】また、水冷部306のの通水量を制御する
ことで、Oリング305近傍の温度を、Oリング使用範
囲の100℃程度まで低下させることができる。しか
も、このように100℃程度まで冷却しても、上記ガス
シール部から反応室2までのフランジ面の隙間部分の圧
力を0.02Torr以下に真空排気すれば、前述の塩
化アンモニウムの飽和蒸気圧特性より、このシール部分
にも塩化アンモニウムを個体として付着させることなく
排出することが可能となる。
【0075】なお、上記ガスシール部から反応室2まで
のフランジ面の隙間部分の真空排気を行なうと、反応室
2からの反応ガスの流入量の程度によって、反応圧力へ
の影響が懸念されるが、例えば、8インチサイズのウエ
ハを収納する反応室2において、フランジの金属面の摺
合わせでの平均隙間が5μm程度となることから、その
コンダクタンスを算出し、反応室2の圧力を10Tor
r、真空排気溝307の圧力を0.02Torrとし
て、反応室2からの反応ガスの流入量を下記式(1)に
よって算出すると1.54SCCMと僅かな値となる。
【0076】 Q = C(P1 −P2 ) ・・・(1) この式(1)においてP1 は反応室2の圧力、P2 は真
空排気溝307の圧力であり、Cは反応室2から真空排
気溝307までの隙間部分のコンダクタンスである。
【0077】なお、1.54SCCMという値は反応室
2に導入する反応ガスの1/100以下であることか
ら、反応圧力及び反応プロセスへの影響は無視すること
ができる。実際にこの装置で薄膜を形成したところ、反
応室圧力及び反応プロセスに悪影響を与えることなく、
ガスシール部から反応室2までのフランジ面の隙間部分
に反応副生成物である塩化アンモニウムの付着は認めら
れなかった。
【0078】実施の形態9.図13はこの発明の実施の
形態9による半導体製造装置のガスシール部を示す断面
図である。同図において、311は真空排気溝307の
更に内側全周に設けた不活性ガス導入溝、312は不活
性ガス導入路である。真空排気溝307から排気される
ガスの一部を不活性ガス導入溝311に導入された不活
性ガスで補給することにより、反応室2から流入する反
応ガスの量を抑制できる。このため、反応室2の圧力が
比較的高い場合や、使用する反応ガスの総流入量が少な
い場合に効果的に働く。
【0079】実施の形態10.図14はこの発明の実施
の形態10による半導体製造装置のガスシール部を示す
断面図である。同図において、313は真空チャック排
気路8を開閉する空気操作弁、314、315は手動
弁、316は真空チャックとガスシール部内側の溝の真
空排気を兼ねた真空ポンプである。このように真空チャ
ック排気用ポンプと兼ねることにより、新たにポンプを
設置する必要がなく、真空排気系が複雑にならず、また
コストを低減することが出来る。
【0080】実施の形態11.図15はこの発明の実施
の形態11による半導体製造装置が備えたガスノズルを
示す断面図、図16は図15のガスノズルを使って成膜
した薄膜の膜厚分布を示す膜厚分布図である。図15に
おいて、1は半導体ウエハ、51はサセプタ、4はウエ
ハ加熱源、604は第1の反応ガスの流入口、605は
第2の反応ガスの流入口、606は混合ガス輸送路、6
はガスノズル、3は反応空間、7は反応ガス排気路、6
10はツイスト状反応ガス混合部、611は拡大部・狭
小部を設けた第1の反応ガス流路、612は第2の反応
ガスの噴射口である。
【0081】次に動作について説明する。上記のように
構成されたシリコン窒化膜を形成するための枚葉式減圧
CVD装置においては、例えば第1の反応ガスとしてN
2 ガスで希釈されたNH3 ガスが用いられ、それぞれ流
量として例えば550sccm、40sccmが供給さ
れる。そして、この第1の反応ガスは厚みが薄く絞られ
た拡大部・狭小部を設けた第1の反応ガス流路611に
導かれる。
【0082】第2の反応ガスとしてはSiH2 Cl2
スが用いられ、流量として前記第1の反応ガスよりも少
ない流量(例えば10sccm)が供給される。この第
2の反応ガスは第2の反応ガスの噴射口612を通して
先の拡大部・狭小部を設けた第1の反応ガス流路611
に供給され、第1の反応ガスと混合される。この混合さ
れた反応ガスは、さらに混合を促進するためにツイスト
状反応ガス混合部610に導入され、この後、混合ガス
輸送路606、ガスノズル6を通して半導体ウエハ1に
向けて噴射供給される。半導体ウエハ1はウエハ加熱源
4で700℃程度に加熱されたサセプタ51の上に設置
されており、供給されたガスは半導体ウエハ1上で分解
反応した後、反応ガス排気路7から排出・処理される。
【0083】以上説明した実施の形態11によれば、反
応ガスの流れベクトルや線流速を急激に変化させること
によりせん断力を働かせ、渦を形成して反応ガスの混合
を促進できるとともに、この流路をコンパクトな容積の
中に納められる。これにより複数の反応ガスの十分な混
合をガスノズル手前の小スペースの中に実現して、均一
な膜厚分布を有する薄膜が形成できる。
【0084】図16においては、反応圧力を30Tor
rとして、上記装置により成膜した6インチウエハの面
内膜厚分布を示している。従来のノズルにより成膜した
時の膜厚分布である図21と比較して改善されているこ
とがわかる。
【0085】なお、上記実施の形態11では、拡大部・
狭小部を設けた第1の反応ガス流路611とこれに直交
する方向の第2の反応ガス612の噴射口からなるノズ
ル系、およびツイスト状反応ガス混合部610からなる
ノズル系から混合部を構成しているが、どちらか一方で
もよい。また、これらのノズル系はガスノズル6ととも
に半導体ウエハ1に対向するように設置されているが、
半導体ウエハ1と平行に設置して反応ガスを横方向から
半導体ウエハ1に向けて流してもよい。
【0086】また、上記ノズル系は、副生成物のNH4
Clがこのノズル系において固化せず、かつ主反応生成
物SiNがこのノズル系において形成されないように、
100℃〜600℃の範囲で加熱しておくことが好まし
い。
【0087】実施の形態12.図17はこの発明の実施
の形態12による半導体製造装置が備えたガスノズルを
示す断面図である。同図において、611は拡大部・狭
小部を設けた第1の反応ガス流路、612はその第1の
反応ガス流路611と交差する方向の第2の反応ガスの
噴射口である。このような構造のガスノズルを半導体製
造装置に用いてよく、この場合も前記実施の形態11と
同様の作用効果が得られる。
【0088】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、半導
体製造装置における反応空間とウエハ加熱源などの高温
部が存在する熱源室との間に仕切り部材を設け、しかも
両空間より圧力の低い空間を設けた構成としたので、反
応ガスの熱源室への拡散や高温部からの金属汚染を防ぐ
ことができる。このため、膜材料の純度の向上を図っ
て、半導体の歩留り及び品質を向上させることができる
とともに、熱源の反応ガスによる腐食等の不具合を防止
できるという効果がある。
【0089】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る反応空間とウエハ加熱源などの高温部が存在する熱源
室との間に仕切り部材を設け、しかもその仕切り部材に
両空間より圧力の低い空間を設けた構成としたので、反
応ガスの熱源室への拡散や高温部からの金属汚染を防ぐ
ことができる。また、熱源室の気体の圧力を調整できる
構成としたのでウエハ加熱源と仕切り部材間の気体の熱
伝導効果を増減することができる。このため、膜材料の
純度の向上及びウエハの温度分布の均一化(膜厚の均一
化)を図って、半導体の歩留り及び品質を向上させるこ
とができるとともに、熱源の反応ガスによる腐食等の不
具合を防止できるという効果がある。
【0090】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る反応空間とウエハ加熱源などの高温部が存在する熱源
室との間に仕切り部材を設け、しかもその仕切り部材に
両空間より圧力の低い空間を形成した構成としたので、
反応ガスの熱源室への拡散や高温部からの金属汚染を防
ぐことができる。また、ウエハの保持機構が真空チャッ
ク方式であるため、熱源室と反応空間よりも圧力の低い
空間の真空排気と真空チャック方式の真空排気を兼ねる
ことによりウエハを保持できる。このため、膜材料の純
度の向上を図って、半導体の歩留り及び品質を向上させ
ることができるとともに、装置の構成を簡素にして半導
体の生産コストを低減することができるという効果があ
る。
【0091】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る仕切り部材が真空チャック板で構成されるため部材の
供用化が図れる。このため、装置の構成を簡素にして半
導体の生産コストを低減することができるという効果が
ある。
【0092】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るウエハ保持機構が真空チャック方式であり、真空チャ
ック板とウエハ面間の圧力を変化することにより、真空
チャック板とウエハ間の気体の熱伝導効果を増大できる
構成としたので、ウエハ加熱源の高温化を防止できる。
このため、加熱のための消費電力を低減し、また加熱源
の寿命を増加させることができるという効果がある。
【0093】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る仕切り部材を熱伝導率の高い部材で構成したので、仕
切り部材面内の温度分布均一性が向上しウエハ面内温度
分布均一性が向上する。このため、膜厚等が均一で良質
な半導体が得られるという効果がある。
【0094】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るウエハ加熱源から放射される赤外線によりウエハが直
接加熱できる構成としたので、急速高温加熱ができる。
このため、処理時間を短縮し、半導体の生産性を高める
ことができるという効果がある。
【0095】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る仕切り部材面内の熱抵抗を調整できる構成としたの
で、仕切り部材の温度分布均一性が向上し、ウエハ面内
温度分布均一性が向上する。このため、膜厚等が均一で
良質な半導体が得られるという効果がある。
【0096】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る、仕切り部材とウエハ加熱源であるヒータとの間の面
内の熱抵抗を調整でき、また、ヒータ側面から放射され
る赤外線を取り込み可能な構成としたので、仕切り部材
の温度分布均一性が向上し、ウエハ面内温度分布均一性
が向上する。このため、膜厚等が均一で良質な半導体が
得られる。
【0097】この発明によれば、仕切り部材を少なくと
も2部材で構成しているため、仕切り部材面内の温度分
布均一性が向上しウエハ面内温度分布均一性が向上す
る。このため、膜厚等が均一で良質な半導体が得られる
という効果がある。
【0098】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るウエハ加熱源と仕切り部材の少なくとも一方を回転可
能な構成としたので、ウエハ加熱源の円周方向の発熱分
布不均一を矯正し、仕切り部材の温度分布均一性が向上
しウエハ面内温度分布均一性が向上する。このため、膜
厚等が均一で良質な半導体が得られるという効果があ
る。
【0099】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るガスシール部内側の溝を排気しているから、ガスシー
ル部から反応室までの上下フランジ面の隙間部分の圧力
を、Oリング冷却のため低下した温度における反応副生
成物の飽和蒸気圧以下にすることができる構成としたの
で、反応副生成物を個体として付着させることなく排出
することができる。このため、反応副生成物のガスシー
ル部への目詰り等の不具合が回避されるという効果があ
る。
【0100】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るガスシール部内側のガスシール部に近い方の溝を排気
し、他方の溝には不活性ガスを導入できる構成としたの
で、ガスシール部から反応室までの上下フランジ面の隙
間部分の圧力を、Oリング冷却のため低下した温度にお
ける反応副生成物の飽和蒸気圧以下にすることができる
うえに、反応室から流入する反応ガスの流入量を抑制し
つつ、反応副生成物を個体として付着させることなく、
排出することができる。このため、反応副生成物のガス
シール部への目詰り等の不具合をさらに信頼性高く回避
できるという効果がある。
【0101】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る反応ガスとして副生成物を発生しやすいガス、例えば
塩素系ガスとアンモニアガスを用いているため、反応副
生成物を個体として付着させることなく排出して目詰り
等を防止する効果が特に顕著となるという効果がある。
【0102】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るガスシール部内側に設けた溝を真空排気するためのポ
ンプを真空チャック用のポンプと兼ねた構成としたの
で、反応副生成物を個体として付着させることなく排出
して目詰り等を防止する効果があるとともに、構成が簡
単になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による半導体製造装
置を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による半導体製造装
置の要部を示す拡大断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態5による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態6による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態7による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図9】 参考例1の半導体製造装置を示す断面図であ
る。
【図10】 参考例2の半導体製造装置を示す断面図で
ある。
【図11】 この発明の実施の形態8による半導体製造
装置のガスシール部を示す断面図である。
【図12】 塩化アンモニウム(NH4 Cl)の飽和蒸
気圧線図である。
【図13】 この発明の実施の形態9による半導体製造
装置のガスシール部を示す断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態10による半導体製
造装置のガスシール部を示す断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態11による半導体製
造装置が備えたガスノズルを示す断面図である。
【図16】 6インチウエハに形成したシリコン窒化膜
の膜厚分布の測定結果を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態12による半導体製
造装置が備えたガスノズルを示す断面図である。
【図18】 第1従来例の半導体製造装置を示す断面図
である。
【図19】 第2従来例の半導体製造装置の概要を示す
断面図である。
【図20】 第3従来例の半導体製造装置における反応
室のガスシール部の構造を示す断面図である。
【図21】 従来の半導体製造装置により6インチウエ
ハに形成したシリコン窒化膜の膜厚分布の測定結果を示
す図である。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ、2,2a,2b 反応室、3 反応
空間、4 ウエハ加熱源、5 仕切り部材(真空チャッ
ク)、5a 凹型溝、5b,5c 凸部、5d,5e
仕切り部材、6 ガスノズル、7 反応ガス排気路、8
真空チャック排気路、9 後段トラップ、51 サセ
プタ、204a,204b 真空排気孔、208 リン
グ状空間隔離板、209a,209b 圧力の低い領
域、210,210a,210b 圧力制御器、21
1,211a,211b 圧力測定器、212 ガス供
給部、214 空間、215 熱源室、216 保持
具、220 ヒータ回転機構、304 フランジ、30
5 Oリング、306 水冷部、307 真空排気用
溝、308 ガス流路、311 真空排気用溝、313
空気操作弁、314,315 手動弁、316 真空
ポンプ、604 第1の反応ガス流入口、605 第2
の反応ガス流入口、606 混合ガス輸送路、610ツ
イスト状流路、611 反応ガス流路、612 噴射
口、703 反応室、705 半導体ウエハ、711
混合装置、718 補集装置。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月31日(2000.8.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 半導体製造装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反応ガスを用い
てウエハ表面に薄膜を形成する半導体製造装置に関する
ものである。なお、半導体製造装置の種類としては減圧
CVD装置への適用が最も有効であるが、その他の薄膜
形成、加工等の半導体製造装置にも利用可能である。
【0002】
【従来の技術】図18は例えば特開昭54−16017
2号公報、特開平3−291381号公報等に示された
第1従来例の半導体製造装置を示す断面図である。同図
において、701は反応容器で、この反応容器701
は、内部に筒状のインナーチューブ702を有しその内
方に反応空間3が設けられている。704は、前記反応
空間3内に配置された基板支持ボードで、この基板支持
ボード704は半導体ウエハ1を多数枚支持する構造に
なっている。4は前記半導体ウエハ1を加熱するための
ウエハ加熱源で、このウエハ加熱源4は反応容器701
の周壁に設けられている。
【0003】501は反応空間3内に反応ガスであるジ
クロロシラン(SiH2 Cl2 )を導入するための材料
ガス管、502は別の反応ガスであるアンモニア(NH
3 )を反応空間3内に導入するための反応ガス供給管で
ある。これらの反応ガス供給管501,502は、それ
ぞれ反応容器701を貫通して設けられ、ガス流の上流
側が材料ガス供給源(図示せず)に接続されるととも
に、下流側が反応室2の下部に開口している。
【0004】7は反応容器701内のガスを排出するた
めの反応ガス排気路である。この反応ガス排気路7は、
一端が反応容器701内におけるインナーチューブ70
2の外周側となる空間に開口し、他端が不図示の排気装
置に接続されている。なお、反応容器701内は、この
反応ガス排気路7を介して内部ガスを排出することによ
り一般に減圧されている。
【0005】このように構成された半導体製造装置にお
いては、まず、ウエハ加熱源4によって反応容器701
の周壁を介して半導体ウエハ1を加熱する。この時の温
度としては700℃前後とされる。ついで、ジクロロシ
ランおよびアンモニアを個別の反応ガス供給管501,
502から反応空間3内に導入する。このように反応空
間3内に供給された2種類の反応ガスは、加熱された半
導体ウエハ1に接する気相中で熱分解される。そして、
これにより生じた反応生成物が半導体ウエハ1上に堆積
し、窒化ケイ素膜が形成されることになる。
【0006】図19は例えば特開平3−184327号
公報に示される第2従来例の半導体製造装置(いわゆる
枚葉式)の概要を示す断面図である。同図において、1
は半導体ウエハ、2は半導体ウエハ1を収容する反応
室、5は半導体ウエハ1を搭載する真空チャック、20
4は真空チャック5に開口する真空引き孔、4は真空チ
ャック5に内蔵され半導体ウエハ1を加熱するウエハ加
熱源、6は反応室2に反応ガスを供給するガスノズル、
3は反応が行われる反応空間、そして、7は反応室2内
の反応後のガスを排気する反応ガス排気路である。
【0007】このような構成において薄膜を形成するに
は、先ず、搬送装置(図示せず)によって半導体ウエハ
1を搬送し真空チャック5に載置する。次に、真空チャ
ック5に開口している真空引き孔204から真空排気を
行い半導体ウエハ1を吸着する。ガスノズル6から反応
ガスを反応室2内に供給する。このとき、ウエハ加熱源
4によって真空チャック5を介しウエハ1が加熱されて
いるため、反応ガスは半導体ウエハ1上で熱化学反応を
起こし半導体ウエハ1上に薄膜が形成される。
【0008】なお、係る工程において、半導体ウエハ1
は高温、例えば600℃から800℃の高温に加熱され
なければならない。また、反応生成膜の膜質や成長速度
が半導体ウエハ1の温度に依存するものであり、反応生
成膜の膜質および膜厚を均一に形成するためには半導体
ウエハ1を所定の温度で均一に加熱する必要がある。ま
た、ウエハ及びウエハ表面に形成される薄膜への汚染を
防止する必要がある。
【0009】図20は例えば特開平2−143526号
公報に引用されている第3従来例の半導体製造装置(減
圧CVD装置)における反応室のガスシール部の構造を
示す断面図である。同図において、305はOリング、
317はプロセスチューブ、318はキャップ、319
はマニホールドであり、320は、前記キャップ318
とマニホールド319の隙間部分と、プロセスチューブ
317,キャップ318及びマニホールド319で挟ま
れた隙間部分とに不活性ガス(N2 )を導入するための
不活性ガス供給孔、306はマニホールド319に形成
された水冷部である。
【0010】上記の構成において、プロセスチューブ3
17内は高温に保たれ、導入された反応ガスは、プロセ
スチューブ317内のウエハ(図示せず)上で熱化学反
応を起こし薄膜が形成される。この際、Oリング305
は外部とのガスシールの役割をはたしており、熱による
損傷、シール機能の劣化を防ぐため水冷部306に通水
し、Oリング305を冷却し保護している。その結果O
リング305の周辺の温度が低下するが、この隙間部分
に不活性ガスを導入することによりOリング305近傍
への反応ガスの侵入を阻止して反応副生成物の付着を防
止を図っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体製造装置
は以上のように構成されているので、第1従来例のバッ
チ式半導体製造装置にあっては以下の様な課題があっ
た。
【0012】まず、ジクロロシラン及びアンモニアの反
応で生成される副生成物(主に塩化アンモン)がダスト
のもととなり、半導体チップの生産性を著しく低下して
しまうという課題があった。
【0013】また、塩化アンモニウムの生成を抑えるた
めに反応室3内の圧力を1.0Torr未満の減圧雰囲
気にし、この雰囲気中でジクロロシランとアンモニアを
混合させなければならなかった。しかも、塩化アンモニ
ウムの反応室壁への付着を防ぐために反応室壁を高温
(200℃以上)に保持する必要があった。すなわち、
成膜するときのプロセスが制約され、適正な装置構成や
最適なプロセス条件で成膜を行なうことができないとい
う課題があった。
【0014】また、半導体などのキャパシタ膜は小さな
面積でキャパシタ容量を確保するため、膜厚が極めて薄
くなり、かつ表面積を確保するために、複雑な立体形状
に均一な膜厚で形成されることが求められている。また
半導体のコストを下げるため、1枚の半導体ウエハ1か
ら、より多くの半導体を取り出すべく、半導体ウエハ1
は大口径化している。ところが、特公昭60−1010
8号公報等に示される手法で大口径ウエハを処理したと
き、半導体ウエハ1内の膜厚分布が増大してしまうとい
う問題点があった。
【0015】また、膜厚を再現よく実現するためには、
ウエハ温度と反応ガス量のバランスを制御する必要が
り、特公昭60−10108号公報等に示される手法、
すなわちバッチ式CVD装置を用いた手法では、もとも
と複数の半導体ウエハ1の膜厚のばらつきを抑えるため
にガスの上流側から下流側に向けてウエハ温度が高くな
るように管状の反応室2内の温度分布を制御している
が、精度上に限界があり、実際は1回に処理する半導体
ウエハ1の数を減らし、残りにダミーウエハと呼ばれる
半導体ウエハ1を代設することで凌いでおり、歩留りの
低下すなわちコスト上昇を招くという課題があった。
【0016】さらに、極めて薄い膜を再現よく形成する
ためには、キャパシタ膜を形成する下地部分の性状を精
密に制御することが必要となるが、一度に複数枚の半導
体ウエハ1を一括処理する特公昭60−10108号公
報に示される手法(いわゆるバッチ式)では、この制御
ができないという問題点があった。
【0017】このような背景から近年は図18により前
述した(特開平3−184327号公報に示されるも
の)枚葉式と呼ばれるCVD装置が開発されてきた。と
ころが、この枚葉式CVD装置を用いる場合、従来のバ
ッチ式CVD装置を用いた時と同程度の生産性を確保す
るために、反応室圧力を従来の0.5Torrから数T
orr〜数10Torrに高めることが必要となってい
るという課題があった。
【0018】また、ジクロロシランや四塩化チタンとア
ンモニアを反応ガスに用いたときに生成する塩化アンモ
ニウムは、飽和蒸気圧特性を持っていることから、前述
のように反応室の壁温を高温に保持しないと、塩化アン
モニウムが固化し付着する。そして、反応室圧力が0.
5Torrと低いときにはこの壁温は150℃程度を保
持すれば良かった。ところが、この反応室圧力を数To
rrから数10Torrにあげると、塩化アンモニウム
の固化を防ぐために必要な壁温は250℃にも達し、通
常真空保持に用いるゴム製の真空シール材(Oリング)
が使用できなくなるという課題や、最適なプロセス条件
で成膜を行なうことができないという課題があった。
【0019】また、枚葉式CVD装置ではバッチ式CV
D装置に比べ構造が複雑になるため、SUS等の金属材
料を構造材に用いる必要性が高い。ところが、金属材料
は一般的に高温では塩素により腐食される危険性が高
く、例えばインコネルのような耐腐食性の強い高価な金
属材料や石英等のガラス材に限定されるという問題点が
あった。
【0020】次に、第2従来例の枚葉式半導体製造装置
にあっては、真空チャック5の高温部が反応ガスにさら
されているため、高温部に膜が付着しダスト発生の原因
となり、反応ガスが腐食性ガスの場合、高温のウエハ加
熱源4が腐食され故障の原因となっていた。また、ウエ
ハ加熱源4により加熱される高温部と半導体ウエハ1が
設置され反応が行われている反応空間3とが同じである
ため、ウエハ加熱源4やその周辺の高温部からの半導体
ウエハ1及びウエハ表面に形成される薄膜への汚染が生
ずるという課題があった。
【0021】また、ウエハ保持機構が真空チャック5で
あるため、半導体ウエハ1とウエハ保持機構との空間に
真空層ができて両者の間の熱抵抗が著しく大きくなり、
成膜時に半導体ウエハ1を高温(例えば600℃から8
00℃)に加熱するためにはウエハ加熱源4の高温化を
図らなければならなかった。さらに、ウエハ加熱源4の
発熱分布にバラツキがある場合、半導体ウエハ1の温度
分布を均一にすることができないという課題があった。
【0022】次に、第3従来例のガスシール部を有する
半導体製造装置にあっては、特開平2−143526号
公報で示されているような数Torr程度の減圧下では
反応ガスの拡散の効果が大きくなり、この拡散を阻止し
て反応ガスの侵入を防ぐためには大量の不活性ガスの導
入が必要となる。そのうえ、その不活性ガスは狭い隙間
部分から反応室に導入される構成となっており、少量で
も反応副生成物が付着した場合には反応室内に吹き出し
てしまうという課題があった。
【0023】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、半導体ウエハ及びウエハ表面に形
成される薄膜の汚染や高温部へのダストの付着を防止
し、ウエハ保持機構が真空チャック方式の場合、そのと
きのウエハとウエハ保持機構との温度差を小さくし、ウ
エハ加熱源に発熱分布の不均一があってもウエハを均一
に加熱できる半導体製造装置を提供することを目的とす
る。
【0024】また、この発明は、ガスシール面の内側に
反応ガスが拡散されてきても反応副生成物を付着させな
いことにより、ダスト汚染が少なく、メンテナンス時の
作業が簡便な半導体製造装置を提供することを目的とし
ている。
【0025】さらに、この発明は、反応ガスの混合を十
分に行なうことにより、均一な膜厚分布を有する半導体
用薄膜を得るとともに、ノズル系を加熱制御して発塵や
反応ガス流路の目詰まりの原因となる反応副生成物の形
成を防止できる半導体製造装置を提供することを目的と
する。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体製
造装置は、反応室内に半導体ウエハを保持するウエハ保
持機構と、前記半導体ウエハを加熱するウエハ加熱源と
を有し、前記反応室に反応ガスを供給して半導体ウエハ
上に薄膜形成を行う半導体製造装置において、前記ウエ
ハ加熱源のある熱源室と前記反応室内の反応空間とを分
離する仕切り部材を設け、この仕切り部材に熱源室と反
応空間よりも圧力の低い領域を設けたものである。
【0027】この発明に係る半導体製造装置は、熱源室
の圧力を可変としたものである。
【0028】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
保持機構が真空チャック方式であり、真空チャックの排
気を前記仕切り部材の低圧領域の排気と兼ねたものであ
る。
【0029】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
保持機構が真空チャック方式であり、仕切り部材を真空
チャック板で兼ねたものである。
【0030】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
保持機構が真空チャック方式であり、真空チャック板の
ウエハ面側とウエハ間の圧力を反応空間よりも低圧に可
変としたものである。
【0031】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材を熱伝導率の高い部材で構成したものである。
【0032】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材を赤外線透過部材で構成したものである。
【0033】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材に凹凸を設けたものである。
【0034】この発明に係る半導体製造装置は、ウエハ
加熱源がヒータであり、このヒータと前記仕切り部材と
の距離を可変としたものである。
【0035】この発明に係る半導体製造装置は、仕切り
部材を少なくとも分離された2部材で構成したものであ
る。
【0036】この発明に係る半導体製造装置は、反応室
内に半導体ウエハを保持するウエハ保持機構と、半導体
ウエハを加熱するウエハ加熱源とを有し、前記反応室に
反応ガスを供給して半導体ウエハ上に薄膜形成を行う半
導体製造装置において、前記ウエハ加熱源のある熱源室
と前記反応室内の反応空間とを分離する仕切り部材を設
け、この仕切り部材と前記ウエハ加熱源の少なくとも一
方を回転駆動可能な構造としたものである。
【0037】この発明に係る半導体製造装置は、反応室
内に装填された半導体ウエハに反応ガスを用いて薄膜形
成を行う半導体製造装置において、前記反応室のガスシ
ール部内側全周にわたって溝を設け、この溝を真空排気
する構成としたものである。
【0038】この発明に係る半導体製造装置は、反応室
内に装填された半導体ウエハに反応ガスを用いて薄膜形
成を行う半導体製造装置において、前記反応室のガスシ
ール部内側全周にわたって2重の溝を設け、これら溝の
うちガスシール部に近い第1の溝を真空排気すると同時
に他の第2の溝には不活性ガスを導入する構成としたも
のである。
【0039】この発明に係る半導体製造装置は、反応ガ
スとして副生成物を発生しやすいガス、例えば塩素系ガ
スとアンモニアガスを用いたものである。
【0040】この発明に係る半導体製造装置は、前記溝
を真空排気するためのポンプを真空チャック用のポンプ
と兼ねたものである。
【0041】この発明に係る半導体製造装置は、半導体
ウエハが装填された反応室にガスノズルを介して複数種
の反応ガスを供給して薄膜を形成する半導体製造装置に
おいて、前記ガスノズルの手前に、前記反応ガスを混合
するツイスト状流路を設けたものである。
【0042】この発明に係る半導体製造装置は、半導体
ウエハが装填された反応室にガスノズルを介して複数種
の反応ガスを供給して薄膜を形成する半導体製造装置に
おいて、前記ガスノズルの手前に、拡大部と狭小部を有
する第1の反応ガス流路と、この第1の反応ガス流路に
交差する方向から第2の反応ガスを導入する噴射口とを
設けたものである。
【0043】この発明に係る半導体製造装置は、半導体
ウエハが装填された反応室にガスノズルを介して複数種
の反応ガスを供給して薄膜を形成する半導体製造装置に
おいて、前記ガスノズルの手前に、拡大部と狭小部を有
する第1の反応ガス流路と、この第1の反応ガス流路を
流れる第1の反応ガスに比べ流量の少ない第2の反応ガ
スを、これに交差する方向から導入する噴射口とを設け
たものである。
【0044】この発明に係る半導体製造装置は、前記ガ
スノズルの手前の流路を100℃以上600℃以下に加
熱する構成としたものである。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による半
導体製造装置を示す断面図であり、図59から図61と
同一または相当部分には同一符号を付して説明する。図
1において、1は半導体ウエハ、2は半導体ウエハ1を
収容する反応室、3は反応空間、4は半導体ウエハ1を
加熱するためのウエハ加熱源、5は半導体ウエハ1を搭
載する真空チャック、6は反応室2に反応ガスを供給す
るガスノズル、7は反応ガス排気路、8は真空チャック
排気路、9は反応ガス排気路7を通過してきた反応後の
ガスから反応副生成物を取り除く後段トラップである。
【0046】次に動作について説明する。半導体ウエハ
1は真空チャック5に搭載された後、真空チャック5に
開口している真空チャック排気路8から真空排気され、
反応空間3との差圧力によって吸着固定される。さらに
半導体ウエハ1はウエハ加熱源4によって真空チャック
5を介して高温に加熱される。しかるのち、ガスノズル
6から反応ガスを反応室2内に供給すると、高温になっ
ている半導体ウエハ1の表面では熱化学反応によって薄
膜が形成される。一方、反応後のガスは反応ガス排気路
7を経由して後段トラップ9に至り、ここで反応副生成
物を取除かれた上で排気される。
【0047】図2はこの発明の実施の形態1による半導
体製造装置の要部、すなわち図1の要部を示す拡大断面
図である。同図において、5は真空チャック方式のウエ
ハ保持機構を構成する真空チャック板であり、この真空
チャック板5は熱源室215と反応空間3とを仕切る仕
切り部材を兼ねている。4はウエハ加熱源であり、この
実施の形態1ではヒータが用いられている。ウエハ加熱
源4は真空チャック板5に近接もしくは密着して設置さ
れている。208は真空チャック板5の熱源室215と
反応空間3との空間を隔離するために設られたリング状
空間隔離板、210は圧力制御器、211は圧力測定
器、212はガス供給部、3は反応空間、214はリン
グ状空間隔離板208と仕切り部材5により分離された
空間、215は熱源室である。
【0048】反応室2のほぼ中央部にガスノズル6が真
上に向けて設置されている。ガスノズル6と真空チャッ
ク板5との間に、半導体ウエハ1が処理面をガスノズル
6に向けて水平に設置され、この半導体ウエハ1は真空
チャック板5により真空吸着されている。真空チャック
板5はリング状空間隔離板208により密着して保持さ
れている。リング状空間隔離板208は石英ガラスなど
の熱伝導率の低い材料により形成され、反応室2に密着
して保持されている。
【0049】真空チャック板5のチャック溝は独立した
2つの空間209a、209bに分割されており各々を
独立で排気するための真空排気孔204a、204bが
設けられている。真空排気孔204a、204bにはそ
れぞれ圧力制御器210a、210bおよび圧力測定器
211a、211bが設置され、2つの空間209a、
209bの圧力は独自に制御している。また、空間21
4は圧力制御器210a、210bにより排気される。
【0050】なお、真空チャック板5は窒化シリコン、
炭化シリコン、窒化アルミニウム、カーボングラファイ
ト、カーボングラファイトに炭化シリコン膜をコーティ
ングしたものなどの熱伝導率の高い材料より形成されて
いる。
【0051】熱源室215には、圧力制御器210、圧
力測定器211、ガス供給部212が設けられ、熱源室
215の気体の種類及び圧力の調整が可能な構成となっ
ている。
【0052】次に動作について説明する。まず、搬送装
置(図示せず)によって半導体ウエハ1を搬送し、真空
チャック板5に設置し圧力制御器210a、210bに
より真空排気し半導体ウエハ1を吸着する。このとき空
間214は反応空間3、熱源室215より真空度が高く
なるように設定される。この後、半導体ウエハ1の処理
面に対向するガスノズル6より反応ガスを噴出する。こ
のとき、ウエハ加熱源4により真空チャック板5を介し
半導体ウエハ1が加熱されているため、反応ガスは半導
体ウエハ1上で熱化学反応を起こし薄膜が形成される。
【0053】この際、真空チャック板5とリング状空間
隔離板208a、208bにより熱源室215と反応空
間3が仕切られ、しかも空間214の圧力を反応空間3
及び熱源室215よりも圧力を低く設定するため、反応
ガスが熱源室215に拡散することがなくヒータ4への
付着や反応ガスが腐食性ガスの場合のヒータ4や高温部
材の腐食を防止できる。また、ウエハ加熱源4による半
導体ウエハ1及び半導体ウエハ1表面に形成される薄膜
への汚染を防止することができる。
【0054】さらに、熱源室215の気体の種類を調整
できるとともに、熱源室215の気体の圧力を調整でき
るのでウエハ加熱源4と仕切り部材5間の気体の熱伝導
効果を増減することができる。また、空間209a、2
09bに気体を導入するため気体の熱伝導効果があり、
真空チャック板5が熱伝導率の高い材料より形成されて
いることとあいまって、真空チャック板5と半導体ウエ
ハ1間の熱抵抗を小さくすることができる。このため、
ウエハ加熱源の高温化を防止できるとともに、仕切り部
材5面内の温度分布均一性が向上し半導体ウエハ1面内
温度分布均一性が向上するから、ひいては膜厚の均一性
が向上する。
【0055】くわえて、本実施例の装置では、真空チャ
ック板によって仕切り部材を兼用でき、真空吸引用の排
気と仕切り部材内の空間の排気とが同一系統で行なわれ
るので、装置の小型かつ安価となる。
【0056】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2による半導体製造装置の要部を示す断面図である。
この実施の形態2による半導体製造装置において、真空
チャック板5は透明石英ガラスや単結晶サファイアなど
の赤外線透過部材により形成されている。
【0057】この実施の形態2によれば、ウエハ加熱源
4から放射される赤外線により半導体ウエハ1が直接加
熱できるため、急速高温加熱ができる。
【0058】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5は仕切り部材であり、受熱面側にリン
グ状の凹型溝5aが設けられている。また、ウエハ保持
機構は例えば機械的な保持具216により保持する構成
とされている。
【0059】この実施の形態3によれば、仕切り部材5
面内の熱抵抗を調整できるため、仕切り部材5の温度分
布均一性が向上し、ウエハ面内温度分布均一性が向上す
る。
【0060】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5は仕切り部材であり、ウエハ加熱源は
ヒータ4である。仕切り部材5のヒータ面側に例えば凸
部5bを設け、仕切り部材5とヒータ4間の距離をヒー
タ面内で調整している。また、ウエハ保持機構は例えば
機械的な保持具216により保持する構成とされてい
る。
【0061】この実施の形態4によれば、仕切り部材5
とウエハ加熱源であるヒータ4との間の面内の熱抵抗を
調整でき、また、ヒータ側面から放射される赤外線を取
り込むことにより仕切り部材5の温度分布均一性が向上
し、半導体ウエハ1面内温度分布均一性が向上する。
【0062】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形
態5による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5は仕切り部材であり、ウエハ加熱源は
ヒータ4である。仕切り部材5のヒータ面側に例えば凸
部5cを設け、ヒータ4の側面から放射される赤外線を
受光している。また、ウエハ支持機構は例えば機械的な
保持具216により保持する構成とされている。
【0063】この実施の形態5においても、仕切り部材
5とウエハ加熱源であるヒータ4との間の面内の熱抵抗
を調整でき、また、ヒータ側面から放射される赤外線を
取り込むことにより仕切り部材5の温度分布均一性が向
上し、ウエハ1面内温度分布均一性が向上する。
【0064】実施の形態6.図7はこの発明の実施の形
態6による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、5d、5eは仕切り部材であり、ウエハ
加熱源はヒータ4である。また、ウエハ支持機構は例え
ば機械的な保持具216により構成されている。
【0065】この実施の形態6によれば、仕切り部材5
を少なくとも2部材で構成しているため、仕切り部材面
内の温度分布均一性が向上し半導体ウエハ1の面内温度
分布均一性が向上する。
【0066】実施の形態7.図8はこの発明の実施の形
態7による半導体製造装置の要部を示す断面図であり、
同図において、220はヒータ回転機構部である。この
ヒータ回転機構部220によってヒータ4を仕切り部材
5と相対的に回転させることが可能である。また、ウエ
ハ支持機構は例えば機械的な保持具216により構成さ
れている。
【0067】この実施の形態7によれば、ウエハ加熱源
4を回転させることにより、ウエハ加熱源4の円周方向
の発熱分布不均一を矯正し、仕切り部材5の温度分布均
一性が向上しウエハ面内温度分布均一性が向上する。
【0068】参考例1.図9は参考例1の半導体製造装
置を示す断面図であり、同図において、5は仕切り部材
であり、熱源室215と反応空間3の空間を分離し気体
の出入りや不純物によるウエハの汚染防止を行ってい
る。この参考例1においては、仕切り部材5と反応室2
aとの間のシールを、217のOリングやガスケットに
より行っている。
【0069】参考例2.図10は参考例2の半導体製造
装置を示す断面図であり、同図において、5は仕切り部
材である。この参考例2においては、仕切り部材5と反
応室2a、2bとのシールは面シールにより行われてい
る。仕切り部材5を用いて熱源室215と反応空間3を
分離するためのシール方法は他の方法を用いても構わな
い。
【0070】実施の形態8.図11はこの発明の実施の
形態8による半導体製造装置のガスシール部を示す断面
図である。同図において、1は半導体ウエハ、2は反応
室、4はウエハ加熱源、5は真空チャック(仕切り部
材)である。304はフランジ、305はガスシールを
行なうOリング、306はOリング冷却用の水冷部、3
07はガスシール内側全周にわたって設けられた溝であ
り、308は上記溝307を真空排気するためのガス流
路、7は反応ガス排気路、8は真空チャック排気路であ
る。
【0071】次に動作について説明する。半導体ウエハ
1上に薄膜を形成する場合、半導体ウエハ1を反応室2
内に搬入し、反応室2内を例えば数10Torr程度の
減圧に保ち、ウエハ加熱源4により、半導体ウエハ1を
加熱する一方、側壁加熱用ヒータ(図示せず)によって
側壁温度を200℃前後に制御する。一方、ガスシール
部から反応室2までの上下フランジ面の隙間部分は、真
空排気用溝307および、ガス流路308を介して真空
ポンプ(図示せず)によって真空引きし、所定の圧力以
下にする。しかる後、反応ガスを反応室2内に導入し、
半導体ウエハ1上で熱化学反応を起こし薄膜が形成され
る。
【0072】この際、反応室2の内壁を、ある一定温度
(T)211℃以上に制御しておけば、反応室2の内
壁には塩化アンモニウムは、固体として付着せずにガス
として反応ガス排気路7を介して反応室外に排出でき
る。
【0073】図12は窒素ケイ素膜(Si3 4 )を形
成する場合のジクロロシラン(SiH2 Cl2 )ガスと
アンモニア(NH3 )ガスとの反応による反応副生成物
である塩化アンモニウム(NH4 Cl)の飽和蒸気圧と
温度との関係を示すグラフである。この飽和蒸気圧が反
応室2の圧力である10Torrと等しくなるような時
にTは約211℃となるので、内壁をT以上に制御
すれば良い。
【0074】また、水冷部306のの通水量を制御する
ことで、Oリング305近傍の温度を、Oリング使用範
囲の100℃程度まで低下させることができる。しか
も、このように100℃程度まで冷却しても、上記ガス
シール部から反応室2までのフランジ面の隙間部分の圧
力を0.02Torr以下に真空排気すれば、前述の塩
化アンモニウムの飽和蒸気圧特性より、このシール部分
にも塩化アンモニウムを個体として付着させることなく
排出することが可能となる。
【0075】なお、上記ガスシール部から反応室2まで
のフランジ面の隙間部分の真空排気を行なうと、反応室
2からの反応ガスの流入量の程度によって、反応圧力へ
の影響が懸念されるが、例えば、8インチサイズのウエ
ハを収納する反応室2において、フランジの金属面の摺
合わせでの平均隙間が5μm程度となることから、その
コンダクタンスを算出し、反応室2の圧力を10Tor
r、真空排気溝307の圧力を0.02Torrとし
て、反応室2からの反応ガスの流入量を下記式(1)に
よって算出すると1.54SCCMと僅かな値となる。
【0076】 Q = C(P1 −P2 ) ・・・(1) この式(1)においてP1 は反応室2の圧力、P2 は真
空排気溝307の圧力であり、Cは反応室2から真空排
気溝307までの隙間部分のコンダクタンスである。
【0077】なお、1.54SCCMという値は反応室
2に導入する反応ガスの1/100以下であることか
ら、反応圧力及び反応プロセスへの影響は無視すること
ができる。実際にこの装置で薄膜を形成したところ、反
応室圧力及び反応プロセスに悪影響を与えることなく、
ガスシール部から反応室2までのフランジ面の隙間部分
に反応副生成物である塩化アンモニウムの付着は認めら
れなかった。
【0078】実施の形態9.図13はこの発明の実施の
形態9による半導体製造装置のガスシール部を示す断面
図である。同図において、311は真空排気溝307の
更に内側全周に設けた不活性ガス導入溝、312は不活
性ガス導入路である。真空排気溝307から排気される
ガスの一部を不活性ガス導入溝311に導入された不活
性ガスで補給することにより、反応室2から流入する反
応ガスの量を抑制できる。このため、反応室2の圧力が
比較的高い場合や、使用する反応ガスの総流入量が少な
い場合に効果的に働く。
【0079】実施の形態10.図14はこの発明の実施
の形態10による半導体製造装置のガスシール部を示す
断面図である。同図において、313は真空チャック排
気路8を開閉する空気操作弁、314、315は手動
弁、316は真空チャックとガスシール部内側の溝の真
空排気を兼ねた真空ポンプである。このように真空チャ
ック排気用ポンプと兼ねることにより、新たにポンプを
設置する必要がなく、真空排気系が複雑にならず、また
コストを低減することが出来る。
【0080】実施の形態11.図15はこの発明の実施
の形態11による半導体製造装置が備えたガスノズルを
示す断面図、図16は図15のガスノズルを使って成膜
した薄膜の膜厚分布を示す膜厚分布図である。図15に
おいて、1は半導体ウエハ、51はサセプタ、4はウエ
ハ加熱源、604は第1の反応ガスの流入口、605は
第2の反応ガスの流入口、606は混合ガス輸送路、6
はガスノズル、3は反応空間、7は反応ガス排気路、6
10はツイスト状反応ガス混合部、611は拡大部・狭
小部を設けた第1の反応ガス流路、612は第2の反応
ガスの噴射口である。
【0081】次に動作について説明する。上記のように
構成されたシリコン窒化膜を形成するための枚葉式減圧
CVD装置においては、例えば第1の反応ガスとしてN
2 ガスで希釈されたNH3 ガスが用いられ、それぞれ流
量として例えば550sccm、40sccmが供給さ
れる。そして、この第1の反応ガスは厚みが薄く絞られ
た拡大部・狭小部を設けた第1の反応ガス流路611に
導かれる。
【0082】第2の反応ガスとしてはSiH2 Cl2
スが用いられ、流量として前記第1の反応ガスよりも少
ない流量(例えば10sccm)が供給される。この第
2の反応ガスは第2の反応ガスの噴射口612を通して
先の拡大部・狭小部を設けた第1の反応ガス流路611
に供給され、第1の反応ガスと混合される。この混合さ
れた反応ガスは、さらに混合を促進するためにツイスト
状反応ガス混合部610に導入され、この後、混合ガス
輸送路606、ガスノズル6を通して半導体ウエハ1に
向けて噴射供給される。半導体ウエハ1はウエハ加熱源
4で700℃程度に加熱されたサセプタ51の上に設置
されており、供給されたガスは半導体ウエハ1上で分解
反応した後、反応ガス排気路7から排出・処理される。
【0083】以上説明した実施の形態11によれば、反
応ガスの流れベクトルや線流速を急激に変化させること
によりせん断力を働かせ、渦を形成して反応ガスの混合
を促進できるとともに、この流路をコンパクトな容積の
中に納められる。これにより複数の反応ガスの十分な混
合をガスノズル手前の小スペースの中に実現して、均一
な膜厚分布を有する薄膜が形成できる。
【0084】図16においては、反応圧力を30Tor
rとして、上記装置により成膜した6インチウエハの面
内膜厚分布を示している。従来のノズルにより成膜した
時の膜厚分布である図21と比較して改善されているこ
とがわかる。
【0085】なお、上記実施の形態11では、拡大部・
狭小部を設けた第1の反応ガス流路611とこれに直交
する方向の第2の反応ガス612の噴射口からなるノズ
ル系、およびツイスト状反応ガス混合部610からなる
ノズル系から混合部を構成しているが、どちらか一方で
もよい。また、これらのノズル系はガスノズル6ととも
に半導体ウエハ1に対向するように設置されているが、
半導体ウエハ1と平行に設置して反応ガスを横方向から
半導体ウエハ1に向けて流してもよい。
【0086】また、上記ノズル系は、副生成物のNH4
Clがこのノズル系において固化せず、かつ主反応生成
物SiNがこのノズル系において形成されないように、
100℃〜600℃の範囲で加熱しておくことが好まし
い。
【0087】実施の形態12.図17はこの発明の実施
の形態12による半導体製造装置が備えたガスノズルを
示す断面図である。同図において、611は拡大部・狭
小部を設けた第1の反応ガス流路、612はその第1の
反応ガス流路611と交差する方向の第2の反応ガスの
噴射口である。このような構造のガスノズルを半導体製
造装置に用いてよく、この場合も前記実施の形態11と
同様の作用効果が得られる。
【0088】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、半導
体製造装置における反応空間とウエハ加熱源などの高温
部が存在する熱源室との間に仕切り部材を設け、しかも
両空間より圧力の低い空間を設けた構成としたので、反
応ガスの熱源室への拡散や高温部からの金属汚染を防ぐ
ことができる。このため、膜材料の純度の向上を図っ
て、半導体の歩留り及び品質を向上させることができる
とともに、熱源の反応ガスによる腐食等の不具合を防止
できるという効果がある。
【0089】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る反応空間とウエハ加熱源などの高温部が存在する熱源
室との間に仕切り部材を設け、しかもその仕切り部材に
両空間より圧力の低い空間を設けた構成としたので、反
応ガスの熱源室への拡散や高温部からの金属汚染を防ぐ
ことができる。また、熱源室の気体の圧力を調整できる
構成としたのでウエハ加熱源と仕切り部材間の気体の熱
伝導効果を増減することができる。このため、膜材料の
純度の向上及びウエハの温度分布の均一化(膜厚の均一
化)を図って、半導体の歩留り及び品質を向上させるこ
とができるとともに、熱源の反応ガスによる腐食等の不
具合を防止できるという効果がある。
【0090】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る反応空間とウエハ加熱源などの高温部が存在する熱源
室との間に仕切り部材を設け、しかもその仕切り部材に
両空間より圧力の低い空間を形成した構成としたので、
反応ガスの熱源室への拡散や高温部からの金属汚染を防
ぐことができる。また、ウエハの保持機構が真空チャッ
ク方式であるため、熱源室と反応空間よりも圧力の低い
空間の真空排気と真空チャック方式の真空排気を兼ねる
ことによりウエハを保持できる。このため、膜材料の純
度の向上を図って、半導体の歩留り及び品質を向上させ
ることができるとともに、装置の構成を簡素にして半導
体の生産コストを低減することができるという効果があ
る。
【0091】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る仕切り部材が真空チャック板で構成されるため部材の
供用化が図れる。このため、装置の構成を簡素にして半
導体の生産コストを低減することができるという効果が
ある。
【0092】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るウエハ保持機構が真空チャック方式であり、真空チャ
ック板とウエハ面間の圧力を変化することにより、真空
チャック板とウエハ間の気体の熱伝導効果を増大できる
構成としたので、ウエハ加熱源の高温化を防止できる。
このため、加熱のための消費電力を低減し、また加熱源
の寿命を増加させることができるという効果がある。
【0093】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る仕切り部材を熱伝導率の高い部材で構成したので、仕
切り部材面内の温度分布均一性が向上しウエハ面内温度
分布均一性が向上する。このため、膜厚等が均一で良質
な半導体が得られるという効果がある。
【0094】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るウエハ加熱源から放射される赤外線によりウエハが直
接加熱できる構成としたので、急速高温加熱ができる。
このため、処理時間を短縮し、半導体の生産性を高める
ことができるという効果がある。
【0095】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る仕切り部材面内の熱抵抗を調整できる構成としたの
で、仕切り部材の温度分布均一性が向上し、ウエハ面内
温度分布均一性が向上する。このため、膜厚等が均一で
良質な半導体が得られるという効果がある。
【0096】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る、仕切り部材とウエハ加熱源であるヒータとの間の面
内の熱抵抗を調整でき、また、ヒータ側面から放射され
る赤外線を取り込み可能な構成としたので、仕切り部材
の温度分布均一性が向上し、ウエハ面内温度分布均一性
が向上する。このため、膜厚等が均一で良質な半導体が
得られる。
【0097】この発明によれば、仕切り部材を少なくと
も2部材で構成しているため、仕切り部材面内の温度分
布均一性が向上しウエハ面内温度分布均一性が向上す
る。このため、膜厚等が均一で良質な半導体が得られる
という効果がある。
【0098】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るウエハ加熱源と仕切り部材の少なくとも一方を回転可
能な構成としたので、ウエハ加熱源の円周方向の発熱分
布不均一を矯正し、仕切り部材の温度分布均一性が向上
しウエハ面内温度分布均一性が向上する。このため、膜
厚等が均一で良質な半導体が得られるという効果があ
る。
【0099】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るガスシール部内側の溝を排気しているから、ガスシー
ル部から反応室までの上下フランジ面の隙間部分の圧力
を、Oリング冷却のため低下した温度における反応副生
成物の飽和蒸気圧以下にすることができる構成としたの
で、反応副生成物を個体として付着させることなく排出
することができる。このため、反応副生成物のガスシー
ル部への目詰り等の不具合が回避されるという効果があ
る。
【0100】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るガスシール部内側のガスシール部に近い方の溝を排気
し、他方の溝には不活性ガスを導入できる構成としたの
で、ガスシール部から反応室までの上下フランジ面の隙
間部分の圧力を、Oリング冷却のため低下した温度にお
ける反応副生成物の飽和蒸気圧以下にすることができる
うえに、反応室から流入する反応ガスの流入量を抑制し
つつ、反応副生成物を個体として付着させることなく、
排出することができる。このため、反応副生成物のガス
シール部への目詰り等の不具合をさらに信頼性高く回避
できるという効果がある。
【0101】この発明によれば、半導体製造装置におけ
る反応ガスとして副生成物を発生しやすいガス、例えば
塩素系ガスとアンモニアガスを用いているため、反応副
生成物を個体として付着させることなく排出して目詰り
等を防止する効果が特に顕著となるという効果がある。
【0102】この発明によれば、半導体製造装置におけ
るガスシール部内側に設けた溝を真空排気するためのポ
ンプを真空チャック用のポンプと兼ねた構成としたの
で、反応副生成物を個体として付着させることなく排出
して目詰り等を防止する効果があるとともに、構成が簡
単になるという効果がある。
【0103】この発明によれば、ガスノズルの手前に反
応ガス混合用のツイスト状流路を設けるように構成した
ので、反応ガスの流れベクトルや線流速を急激に変化さ
せることにより、せん断力を働かせ、渦を形成して反応
ガスの混合を促進できるとともに、前記流路をコンパク
トな容積の中に納めることができ、これにより複数種の
反応ガスの十分な混合をガスノズル手前の小スペースの
中に実現して、均一な膜厚分布を有する薄膜を形成する
ことができる。このため、生産コストを低く維持しつつ
半導体の品質向上に貢献できるという効果がある。
【0104】この発明によれば、ガスノズルの手前に、
拡大部と狭小部を有する第1の反応ガス流路と、この第
1の反応ガス流路に交差する方向から第2の反応ガスを
導入する噴射口を設けるように構成したので、反応ガス
の流れベクトルや線流速を急激に変化させることによ
り、せん断力を働かせ、渦を形成して反応ガスの混合を
促進できるとともに、前記流路をコンパクトな容積の中
に納めることができ、これにより複数種の反応ガスの十
分な混合をガスノズル手前の小スペースの中に実現し
て、均一な膜厚分布を有する薄膜を形成することができ
る。このため、生産コストを低く維持しつつ半導体の品
質向上に貢献できるという効果がある。
【0105】この発明によれば、第1の反応ガスに比べ
流量が少ない第2の反応ガスを、これに交差する方向か
ら導入するための噴射口を設け、特に流量の多い反応ガ
スの流れの中に流量の少ない反応ガスを導入するように
構成したので、双方の反応ガスが安定的に反応空間に供
給される。このため、生産コストを低く維持しつつさら
なる半導体の品質向上に貢献できるという効果がある。
【0106】この発明によれば、ガスノズル手前の流路
を100℃以上600℃以下に加熱するように構成した
ので、反応ガス混合時における副生成物の発生を阻止す
ることができ、このため、生産コストを低く維持しつつ
半導体の品質向上に貢献できるとともに、副生成物の除
去等のメンテナンス作業の容易化も図れるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による半導体製造装
置を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による半導体製造装
置の要部を示す拡大断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態5による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態6による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態7による半導体製造装
置の要部を示す断面図である。
【図9】 参考例1の半導体製造装置を示す断面図であ
る。
【図10】 参考例2の半導体製造装置を示す断面図で
ある。
【図11】 この発明の実施の形態8による半導体製造
装置のガスシール部を示す断面図である。
【図12】 塩化アンモニウム(NH4 Cl)の飽和蒸
気圧線図である。
【図13】 この発明の実施の形態9による半導体製造
装置のガスシール部を示す断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態10による半導体製
造装置のガスシール部を示す断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態11による半導体製
造装置が備えたガスノズルを示す断面図である。
【図16】 6インチウエハに形成したシリコン窒化膜
の膜厚分布の測定結果を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態12による半導体製
造装置が備えたガスノズルを示す断面図である。
【図18】 第1従来例の半導体製造装置を示す断面図
である。
【図19】 第2従来例の半導体製造装置の概要を示す
断面図である。
【図20】 第3従来例の半導体製造装置における反応
室のガスシール部の構造を示す断面図である。
【図21】 従来の半導体製造装置により6インチウエ
ハに形成したシリコン窒化膜の膜厚分布の測定結果を示
す図である。
【符号の説明】 1 半導体ウエハ、2,2a,2b 反応室、3 反応
空間、4 ウエハ加熱源、5 仕切り部材(真空チャッ
ク)、5a 凹型溝、5b,5c 凸部、5d,5e
仕切り部材、6 ガスノズル、7 反応ガス排気路、8
真空チャック排気路、9 後段トラップ、51 サセ
プタ、204a,204b 真空排気孔、208 リン
グ状空間隔離板、209a,209b 圧力の低い領
域、210,210a,210b 圧力制御器、21
1,211a,211b 圧力測定器、212 ガス供
給部、214 空間、215 熱源室、216 保持
具、220 ヒータ回転機構、304 フランジ、30
5 Oリング、306 水冷部、307 真空排気用
溝、308 ガス流路、311 真空排気用溝、313
空気操作弁、314,315 手動弁、316 真空
ポンプ、604 第1の反応ガス流入口、605 第2
の反応ガス流入口、606 混合ガス輸送路、610ツ
イスト状流路、611 反応ガス流路、612 噴射
口、703 反応室、705 半導体ウエハ、711
混合装置、718 補集装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 勝久 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 吉田 和夫 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 大西 寛 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 山西 健一郎 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 佐々木 茂雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 古森 秀樹 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 江島 泰蔵 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 蔦原 晃一郎 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 野口 利彦 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 高浜 享 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 草壁 嘉彦 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 岩本 猛 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 小坂 宣之 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応室内に半導体ウエハを保持するウエ
    ハ保持機構と、前記半導体ウエハを加熱するウエハ加熱
    源とを有し、前記反応室に反応ガスを供給して半導体ウ
    エハ上に薄膜形成を行う半導体製造装置において、前記
    ウエハ加熱源のある熱源室と前記反応室内の反応空間と
    を分離する仕切り部材を設け、この仕切り部材に熱源室
    と反応空間よりも低い領域を設けたことを特徴とする半
    導体製造装置。
  2. 【請求項2】 前記熱源室の圧力を可変としたことを特
    徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
  3. 【請求項3】 前記ウエハ保持機構が真空チャック方式
    であり、真空チャックの排気を前記仕切り部材の低圧領
    域の排気と兼ねたことを特徴とする請求項1記載の半導
    体製造装置。
  4. 【請求項4】 前記ウエハ保持機構が真空チャック方式
    であり、前記仕切り部材を真空チャック板で兼ねたこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
  5. 【請求項5】 前記ウエハ保持機構が真空チャック方式
    であり、真空チャック板ウエハ面側とウエハ間の圧力を
    前記反応空間よりも低圧に可変としたことを特徴とする
    請求項1記載の半導体製造装置。
  6. 【請求項6】 前記仕切り部材を熱伝導率の高い部材で
    構成したことを特徴とする請求項1記載の半導体製造装
    置。
  7. 【請求項7】 前記仕切り部材を赤外線透過部材で構成
    したことを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
  8. 【請求項8】 前記仕切り部材に凹凸を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
  9. 【請求項9】 前記ウエハ加熱源がヒータであり、この
    ヒータと前記仕切り部材との距離を可変としたことを特
    徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
  10. 【請求項10】 前記仕切り部材を少なくとも分離され
    た2部材で構成したことを特徴とする請求項1記載の半
    導体製造装置。
  11. 【請求項11】 反応室内に半導体ウエハを保持するウ
    エハ保持機構と、前記半導体ウエハを加熱するウエハ加
    熱源とを有し、前記反応室に反応ガスを供給して半導体
    ウエハ上に薄膜形成を行う半導体製造装置において、前
    記ウエハ加熱源のある熱源室と前記反応室内の反応空間
    とを分離する仕切り部材を設け、この仕切り部材と前記
    ウエハ加熱源の少なくとも一方を回転駆動可能としたこ
    とを特徴とする半導体製造装置。
  12. 【請求項12】 反応室内に装填された半導体ウエハに
    反応ガスを用いて薄膜形成を行う半導体製造装置におい
    て、前記反応室のガスシール部内側全周にわたって溝を
    設け、この溝を真空排気する構成としたことを特徴とす
    る半導体製造装置。
  13. 【請求項13】 反応室内に装填された半導体ウエハに
    反応ガスを用いて薄膜形成を行う半導体製造装置におい
    て、前記反応室のガスシール部内側全周にわたって2重
    の溝を設け、これら溝のうちガスシール部に近い第1の
    溝を真空排気すると同時に他の第2の溝には不活性ガス
    を導入する構成としたことを特徴とする半導体製造装
    置。
  14. 【請求項14】 前記反応ガスとして副生成物を発生し
    やすいガスを用いたこと特徴とする請求項12または1
    3記載の半導体製造装置。
  15. 【請求項15】 前記溝を真空排気するためのポンプを
    真空チャック用のポンプと兼ねたことを特徴とする請求
    項12または13記載の半導体製造装置。
  16. 【請求項16】 半導体ウエハが装填された反応室にガ
    スノズルを介して複数種の反応ガスを供給して薄膜を形
    成する半導体製造装置において、前記ガスノズルの手前
    に、前記反応ガスを混合するツイスト状流路を設けたこ
    とを特徴とする半導体製造装置。
  17. 【請求項17】 半導体ウエハが装填された反応室にガ
    スノズルを介して複数種の反応ガスを供給して薄膜を形
    成する半導体製造装置において、前記ガスノズルの手前
    に、拡大部と狭小部を有する第1の反応ガス流路と、こ
    の第1の反応ガス流路に交差する方向から第2の反応ガ
    スを導入する噴射口とを設けたことを特徴とする半導体
    製造装置。
  18. 【請求項18】 前記第1の反応ガスに比べ流量が少な
    い第2の反応ガスを、これに交差する方向から導入する
    噴射口とを設けたことを特徴とする請求項17記載の半
    導体製造装置。
  19. 【請求項19】 前記ガスノズルの手前の流路を100
    ℃以上600℃以下に加熱する構成としたことを特徴と
    する請求項17または18項記載の半導体製造装置。
JP2000250266A 1992-09-07 2000-08-21 半導体製造装置 Expired - Fee Related JP3611780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000250266A JP3611780B2 (ja) 1992-09-07 2000-08-21 半導体製造装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23831392 1992-09-07
JP4-238313 1992-09-07
JP4-346456 1992-12-25
JP34645692 1992-12-25
JP2000250266A JP3611780B2 (ja) 1992-09-07 2000-08-21 半導体製造装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19756193A Division JPH06244269A (ja) 1992-09-07 1993-08-09 半導体製造装置並びに半導体製造装置におけるウエハ真空チャック装置及びガスクリーニング方法及び窒化膜形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001118837A true JP2001118837A (ja) 2001-04-27
JP3611780B2 JP3611780B2 (ja) 2005-01-19

Family

ID=27332558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000250266A Expired - Fee Related JP3611780B2 (ja) 1992-09-07 2000-08-21 半導体製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3611780B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007096280A (ja) * 2005-09-05 2007-04-12 Japan Pionics Co Ltd 気相成長装置
JP2010229030A (ja) * 2004-04-08 2010-10-14 Saint-Gobain Ceramics & Plastics Inc 単結晶及びその作製方法
CN111748787A (zh) * 2019-03-29 2020-10-09 东京毅力科创株式会社 基板处理装置
US11047650B2 (en) 2017-09-29 2021-06-29 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Transparent composite having a laminated structure

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60127935A (ja) * 1983-12-14 1985-07-08 Fujitsu Ltd ウエハ−チヤツク
JPS6422025U (ja) * 1987-07-29 1989-02-03
JPS6445767U (ja) * 1987-09-17 1989-03-20
JPH01319965A (ja) * 1988-06-21 1989-12-26 Nikon Corp 基板の吸着装置
JPH0323923U (ja) * 1989-07-17 1991-03-12
JPH05148650A (ja) * 1991-11-29 1993-06-15 Shimadzu Corp 薄膜処理装置
JPH05226262A (ja) * 1992-02-14 1993-09-03 Hitachi Ltd 表面処理装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60127935A (ja) * 1983-12-14 1985-07-08 Fujitsu Ltd ウエハ−チヤツク
JPS6422025U (ja) * 1987-07-29 1989-02-03
JPS6445767U (ja) * 1987-09-17 1989-03-20
JPH01319965A (ja) * 1988-06-21 1989-12-26 Nikon Corp 基板の吸着装置
JPH0323923U (ja) * 1989-07-17 1991-03-12
JPH05148650A (ja) * 1991-11-29 1993-06-15 Shimadzu Corp 薄膜処理装置
JPH05226262A (ja) * 1992-02-14 1993-09-03 Hitachi Ltd 表面処理装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010229030A (ja) * 2004-04-08 2010-10-14 Saint-Gobain Ceramics & Plastics Inc 単結晶及びその作製方法
US8685161B2 (en) 2004-04-08 2014-04-01 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Method of forming a sapphire crystal using a melt fixture including thermal shields having a stepped configuration
US9926645B2 (en) 2004-04-08 2018-03-27 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Method of forming a single crystal sheet using a die having a thermal gradient along its length
US9963800B2 (en) 2004-04-08 2018-05-08 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Method of making a sapphire component including machining a sapphire single crystal
JP2007096280A (ja) * 2005-09-05 2007-04-12 Japan Pionics Co Ltd 気相成長装置
US11047650B2 (en) 2017-09-29 2021-06-29 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Transparent composite having a laminated structure
CN111748787A (zh) * 2019-03-29 2020-10-09 东京毅力科创株式会社 基板处理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3611780B2 (ja) 2005-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5976260A (en) Semiconductor producing apparatus, and wafer vacuum chucking device, gas cleaning method and nitride film forming method in semiconductor producing apparatus
US4817558A (en) Thin-film depositing apparatus
US8043431B2 (en) Substrate processing apparatus and method for manufacturing a semiconductor device
US6042654A (en) Method of cleaning CVD cold-wall chamber and exhaust lines
US6503079B2 (en) Substrate processing apparatus and method for manufacturing semiconductor device
US6402850B1 (en) Depositing polysilicon films having improved uniformity and apparatus therefor
US5972114A (en) Film deposition apparatus with anti-adhesion film and chamber cooling means
US7648578B1 (en) Substrate processing apparatus, and method for manufacturing semiconductor device
US20070158026A1 (en) Processing apparatus
US20050011445A1 (en) Apparatus and method for in-situ cleaning of a throttle valve in a CVD system
US5561087A (en) Method of forming a uniform thin film by cooling wafers during CVD
KR20050016156A (ko) 박막제조장치 및 제조방법
JPH02138473A (ja) 縦型熱処理装置
JP3453834B2 (ja) ウエハチャック装置および半導体製造装置
US5711815A (en) Film forming apparatus and film forming method
US8051870B2 (en) Pressure reduction process device, pressure reduction process method, and pressure regulation valve
JP2001118837A (ja) 半導体製造装置
US6194030B1 (en) Chemical vapor deposition velocity control apparatus
JP2001110797A (ja) 窒化膜形成方法
US20220298640A1 (en) Substrate Processing Apparatus, Nozzle Adapter, Method of Manufacturing Semiconductor Device and Substrate Processing Method
JPH07302767A (ja) 縦型熱処理装置
JP2000306856A (ja) 半導体製造装置
JPH0971866A (ja) 減圧cvd装置
JPH06295871A (ja) 化学的気相成長装置
JPH1145858A (ja) 化合物半導体気相成長装置および方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071029

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081029

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091029

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091029

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101029

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees