JP2001118663A - 面状ヒータ、それを利用した暖房便座装置、及び面状ヒータの製造方法 - Google Patents

面状ヒータ、それを利用した暖房便座装置、及び面状ヒータの製造方法

Info

Publication number
JP2001118663A
JP2001118663A JP29646299A JP29646299A JP2001118663A JP 2001118663 A JP2001118663 A JP 2001118663A JP 29646299 A JP29646299 A JP 29646299A JP 29646299 A JP29646299 A JP 29646299A JP 2001118663 A JP2001118663 A JP 2001118663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
electrodes
planar heater
toilet seat
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29646299A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tsuboi
宏之 坪井
Shingo Tanaka
真吾 田中
Takenori Fukushima
武徳 福島
Yumiko Kataoka
由美子 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP29646299A priority Critical patent/JP2001118663A/ja
Publication of JP2001118663A publication Critical patent/JP2001118663A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Toilet Supplies (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、導電性繊維混抄紙と複数の電極と
を備えた面状ヒータにおいて、正方形及び長方形以外の
形状でもヒータの各部の発熱量が略均一になる面状ヒー
タを提供すること。 【解決手段】 面状ヒータ内全面の発熱部が均一に発熱
するよう、抵抗が相対的に大きい部分と小さい部分を導
電性繊維の状態及び電極形状で構成したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性繊維からな
る混抄紙と、この混抄紙に取り付けた複数の電極とを備
えた人体暖房用面状ヒータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、床暖房、ホットカーペット等
の熱源として、導電性の発熱体と電極とで構成されてい
る面状ヒータが知られている。これらの暖房装置は人体
が接する略全面にヒータを配設しているため均一な温度
分布を得やすく、放熱板による温度の平滑化などを必要
としない。また、面状ヒータの種類としてカーボンブラ
ック、酸化チタン、炭素繊維混抄紙等があり、そのヒー
タの性質から遠赤外線放射物質を放射するため、人体が
暖かいと感じる温感点を直接刺激することができ、快適
な暖房装置を提供することができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】しかしながら従来の面状ヒータでは、温度
斑を防止するために電極間の距離を一定に保つ必要があ
ることから、正方形あるいは長方形のような単純な形状
が採用されており、利用範囲が限定されていた。一方、
面状ヒータを平行四辺形、台形、扇形等のような形状に
したい場合には、電極をヒータに合わせた複雑な形状に
して電極間の距離を一定にする必要があり、製造コスト
の増大やヒータの信頼性低下等を招来するおそれがあっ
た。
【0004】本発明の発明者等は、導電性繊維混抄紙の
状態が発熱量に大きく影響する事に着目して本発明を完
成するに至ったものであり、その目的は、導電性繊維混
抄紙と複数の電極とを備えた面状ヒータにおいて、導電
性繊維混抄紙と、ヒータや電極との組み合わせを適宜変
更、調節することにより、発熱量を略均一にできる面状
ヒータを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記の
目的を達成するために請求項1記載の発明は、導電性繊
維からなる混抄紙と、この混抄紙に取り付けた複数の電
極とを備えた人体暖房用面状ヒータにおいて、複数の電
極に挟まれたヒータの各部の発熱量が略均一になるよう
に導電性繊維の状態及び/又はヒータの形状に合わせ
て、電極の配設位置、形状、個数、種類等を調節したこ
とを特徴とする。
【0006】面状ヒータの形状が平行四辺形、台形、扇
形等のように、電極間距離がヒータ全面で均一でない場
合にも、導電性繊維の方向及びヒータ形状に合わせて電
極を配設することにより、面状ヒータ全面で均一な温度
を得ることができる。導電性繊維混抄紙はその製造方法
により混抄紙の巻き取り方向に導電性繊維が配向するこ
とから、同一形状のヒータでもこの繊維の配向に垂直に
電極を配設した場合と平行に配設した場合とでは、抵抗
の発生点である導電性繊維同士の接触点は、前者の方が
少ないため抵抗値が小さくなる。故に、電極を介しヒー
タに電力を供給すると、この繊維の方向にそって電流が
流れようとするため、面状ヒータの形状が平行四辺形、
台形、扇形等のように電極間距離が一定でない形状で
は、その距離の長いところに電流が流れるように導電性
繊維の配向を考慮し電極を配置するとヒータ全面で温度
斑のない暖房装置を提供することができる。一方、この
ように導電性繊維混抄紙を面状ヒータの熱源に利用した
場合には、従来の正方形あるいは長方形の形状のヒータ
でも温度斑を生じることがある。即ち、繊維の配向に対
し垂直あるいは平行以外の方向に電極を配設した場合、
その配向に沿って電流が流れようとするためその流れか
らはずれた部分は、電流が流れにくくなり温度斑を発生
する。本発明では導電性繊維の配向に対し、垂直または
平行になるよう電極を配置することにより、ヒータ全面
の電流分布が一定になり温度斑がない快適な暖房装置を
提供することができる。また、電極の設置位置以外に
も、電極の形状、種類、個数等、及びこれらの組み合わ
せを、導電性繊維の配向、その強さ、形状、大きさ、繊
維の径、長さ、種類、嵩密度等や、ヒータの形状、要求
される性能、大きさ、使用環境等に合わせて適宜変更、
調節することにより、従来より使用されている導電性繊
維をそのまま利用して発熱量が均一な暖房装置を得る事
ができる。
【0007】請求項2記載の発明は、導電性繊維からな
る混抄紙と、この混抄紙に取り付けた複数の電極とを備
えた人体暖房用面状ヒータにおいて、前記複数の電極に
挟まれたヒータの各部の発熱量が略均一になるように導
電性繊維の状態を制御したことを特徴とする。
【0008】かかる構成により、暖房装置の設計上電極
の配設位置や形状に自由度がなく電極間距離を一定にで
きない場合や、暖房装置の構造、使用環境等を考慮し
て、ヒータの形状、性能、分割個数、電極の配設位置、
形状、種類等を種々変更したい場合等でも、導電性繊維
の配向、その強さ、形状、大きさ、繊維の径、長さ、種
類、嵩密度等適宜変更、調整することにより、温度斑の
無い快適な暖房装置を提供することができる。
【0009】請求項3記載の発明は、前記導電性繊維混
抄紙は、抵抗が周囲よりも相対的に大きい部分及び/又
は小さい部分を有することを特徴とする。
【0010】暖房装置のヒータ形状が正方形又は長方形
でなく、電極間距離が場所によって異なる場合において
も、ヒータの発熱量が一定になるように、電極間距離が
短い部分は単位面積あたりの抵抗が大きくなるように形
成し、逆に電極間距離が長くなる部分は単位面積あたり
の抵抗が小さくなるように形成する。つまり電極間距離
によって発生する抵抗成分と、導電性繊維の方向に対し
て発生する抵抗成分との合成抵抗に応じて電極を配設す
れば、発熱点である導電性繊維同士の接触点にかかる電
圧は、ヒータ全面で均一になる。このようにヒータ内部
の抵抗を暖房装置の要求する形状に合わせ抵抗変化を付
けることにより、電極を介し電力を供給すると抵抗加熱
により発熱する面状ヒータ全面で均一な発熱を実現で
き、快適な暖房装置を提供することができる。
【0011】請求項4記載の発明は、前記導電性繊維の
長さ、比重、径、配向の少なくとも何れか1つを制御す
ることにより、抵抗を変化させたことを特徴とする。
【0012】導電性繊維の長さを長くすると、電極間の
導電性繊維同士の接触点が少なくなるため、その抵抗発
生のメカニズムである接触抵抗が減少し、ヒータ抵抗は
低下する。逆に繊維長を短くすると接触抵抗が増加する
ため、ヒータ抵抗は大きくなる。また、繊維経を大きく
しても繊維間の接触抵抗が小さくなるためヒータ抵抗は
小さくなる。その結果ヒータ内の抵抗変化を付けること
ができる。一方、導電性繊維の比重を小さくすると、製
造時に抄紙する方向への繊維の配向が容易になり、繊維
の状態を再現させやすくなり、安定した暖房装置のヒー
タを構成することができる。また、暖房装置のヒータ形
状が正方形あるいは長方形ではなく、電極間距離が場所
によって異なる場合において、複雑な電極形状を必要と
しない。即ち単位面積あたりの抵抗が大きい電極間距離
の長い部分にも電流が流れるよう繊維を配向させ、ヒー
タ全面の温度分布を制御しているため、設計がシンプル
で、信頼性も高く、しかも温度斑の無い快適な暖房装置
を提供することができる。
【0013】請求項5記載の発明は、前記導電性繊維の
長さ、比重、径の少なくとも何れか1つを制御すること
により、繊維の配向を変化させたことを特徴とする。
【0014】抄紙工程において、導電性繊維と非導電性
繊維及び水により分散させているタンクから抄紙する際
の抄紙方向への繊維の配向は、繊維長が長く、繊維の比
重が軽く、繊維径が小さいほど、強くなる。そのため、
電極間距離が場所により異なる形状のヒータにおいて
は、その距離の短い部分に対する長い部分の比が変化し
ても配向の強弱を制御し、距離の比が大きいところは配
向を強く、小さいところは配向を弱くすればヒータ全面
の抵抗変化を任意に制御することができる。その結果電
極を介し電力を供給すると発熱点にかかる電位が一定に
なり快適な暖房装置を提供することができる。
【0015】請求項6記載の発明は、前記の面状ヒータ
を熱源として使用した暖房便座装置であって、該面状ヒ
ータは、便座の前方又は後方の何れかに一対の電極を配
設し、又は前方及び後方に一対の電極を夫々配設したこ
とを特徴とする。
【0016】暖房便座装置は、衣服を介さずに人体が直
接触れるという性質上、温度斑を敏感に感じてしまう
が、前記の面状ヒータを熱源とすることにより均一な暖
房が可能になり快適な使用感が得られる。また、電極を
便座の前方又は後方の何れかに一対配設してU字状の一
の面状ヒータとしたり、又は便座の前方及び後方に一対
の電極を夫々配設して湾曲した二つの面状ヒータとする
ことにより、便座の着座面の略全体を暖房する事ができ
ると共に、便座の最前方又は最後方に電極を配設する事
で、ほとんど暖房効果がない電極近傍が人体との非接触
面となるため、温度斑を感じることのない一層快適な暖
房便座装置とする事ができる。
【0017】請求項7記載の発明は、前記導電性繊維の
配向を便座左右方向に構成したことを特徴とする。
【0018】ヒータ形状が平面視で湾曲した略平面状の
基材であっても、導電性繊維の配向を便座左右方向にな
るよう構成することにより、便座外周部の電極位置に対
する単位面積あたりの抵抗が小さくなり、内周部のそれ
に対する単位面積あたりの抵抗が大きくなる。この原理
を利用し電極間距離によって発生する抵抗成分と導電性
繊維の配向に対して発生する抵抗成分の合成抵抗に応じ
て電極を配設すると、電極を介して電力を供給した場合
に各発熱部である導電性繊維の接触点には一定の電位が
かかり、面状ヒータ全面で温度斑のない快適な暖房便座
を提供することができる。
【0019】請求項8記載の発明は、導電性繊維の配向
を、抄紙速度によって制御した面状ヒータの製造方法で
ある。
【0020】抄紙速度を上げると繊維の配向が強くな
り、速度を下げると繊維の配向が弱まることを利用し、
電極間距離が場所により異なる構造のヒータにおいて、
その距離の短い部分と長い部分との比が変化しても配向
の強弱を抄紙速度の変化で制御し、距離の比が大きい場
合は抄紙速度を速く、小さい場合は遅くすることで、ヒ
ータ全面の抵抗変化を任意に制御できる。その結果電極
を介し電力を供給すると発熱点にかかる電位が一定にな
り快適な暖房装置を提供することができる。
【0021】請求項9記載の発明は、導電性繊維の配向
を、繊維を攪拌するために用いる液体の比重によって制
御した面状ヒータの製造方法である。
【0022】電極間距離が場所により異なる構造のヒー
タにおいて、その距離が変化しても配向及びその強弱を
液体の比重の制御によってヒータ全面の抵抗変化を任意
に制御することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を、図面
により詳細に説明する。
【実施例1】図1は導電性混抄紙の製造工程の概念図で
あり、図2は面状ヒータの第1の実施例を示す概略平面
図である。まず導電性混抄紙の製造工程を説明する。最
初に、混合漕5に導電性繊維、非導電性繊維、補強剤及
び各材料を攪拌し分散させるための液体を投入する。次
にワイヤー2と呼ばれる抄紙するための布状のものが混
合漕からローラ3の動力により20〜70m/minの
速度で引き上げられ、混合漕5内で十分攪拌された液体
の余剰水がワイヤー2の隙間から排水され、あらかじめ
設定された坪量になるべく繊維および補強剤がワイヤー
2上に付着する。その後、混合漕5に補強剤を注入しな
い場合は、バインダーを滴下した後、乾燥工程を経て巻
き取り工程へと移動する。この一連の工程の中で、混合
漕5からワイヤー2が引き上げられる際、混合液にワイ
ヤー2の慣性力が伝わり、各繊維は引き上げ方向になら
って配向される。この繊維の方向を利用し、第1の実施
例では、平面視で湾曲した面状ヒータ20の長手方向に
対し垂直方向Aに導電性繊維が向くようにヒータ20を
構成し、更に面状ヒータ20の長手方向の各端面に一対
の銅箔電極21a、21bをアクリル系導電性接着材に
より積層している。この電極を積層するに当たって、導
電性混抄紙とアクリル系導電性接着剤と銅箔電極のそれ
ぞれの界面で発生する接触抵抗が極力小さくなるよう充
分な押しつけ荷重を与えている。電極材としては、銅の
他、アルミ、ニッケル系のものを使用してもかまわない
が、表面保護層との相性、導電性接着剤との接触抵抗及
びそのもの自身の固有抵抗を考慮して選定することが望
ましい。一般に導電性繊維の方向がない場合、面状ヒー
タの抵抗は電極間距離に依存するところが大きいため、
面状ヒータ20の内周部20aの抵抗が小さくなり、外
周部20bの抵抗が大きくなる。この抵抗変化を回避し
全面の抵抗を一定にするためには、電極間距離が一定に
なるような複雑かつ高精度の電極構造が必要になるた
め、導電性繊維の製造バラツキや、電極の加工バラツキ
が発生した場合対応できなくなる。ところが、図2のA
方向に導電性繊維を配置すると繊維方向Aに電流が流れ
ようとするため、面状ヒータ20の内周部20aよりも
外周部20bの方により電流が流れ易くなる。この原理
を利用し、電極間距離によって生まれる抵抗成分と導電
性繊維の方向に対する抵抗成分を算出し、面状ヒータ2
0の全面の各発熱点である導電性繊維間の接触点にかか
る電圧が一定になるような電極構造にしている。その結
果一対の電極21a、21b間に所定の電圧を印加する
と、抵抗加熱による発熱量が均一になるため快適な暖房
装置を提供することができる。また、電極形状がシンプ
ルになるように、導電性繊維の方向Aは面状ヒータ20
に対し微調整しているため、量産性、品質に優れた面状
ヒータの提供が可能となる。
【実施例2】図3は面状ヒータの第2の実施例を示す概
略平面図である。第1の実施例と同様に平面視で湾曲し
た面状ヒータ30の長手方向に対し垂直に導電性繊維が
配向するようヒータを配設し、面状ヒータ30の長手方
向端面に一対の銅箔電極31a、31bを導電性アクリ
ル系接着剤で接着している。この実施例では、湾曲して
いる部分の曲率半径が比較的大きいため面状ヒータ30
の内側部30aに対する外側部30bの比率が小さい。
このため導電性繊維の方向Bによる抵抗値変化を第1の
実施例ほど強くする必要が無くなる。ここで、導電性繊
維の方向性の強弱を設計通り変化させる方法としては、
図1に示す製造装置1のローラ3の駆動力を弱くし、ワ
イヤー2の速度を遅くするか、混合漕に投入した液体の
比重を軽くするか、導電性繊維の比重を軽くするか、繊
維長を長くするか、繊維径を小さくするかの何れかを適
宜選択すれば良い。この原理を利用すると、湾曲の曲率
に合わせ導電性繊維の配向強度を設計すれば、電極形状
を変えなくても面状ヒータの全ての発熱部にかかる電圧
を制御することができ、温度斑のない快適な暖房装置を
提供することができる。また表面の保護層が厚い部分に
は、表面層の人体に放射する側への熱伝導によるロスを
考慮し、あらかじめヒータのその部分の温度を高めに設
定することもできる。更に、暖房装置の要求する温度が
湾曲した内側と外側とで差があり、その仕様に合わせて
内側の温度を高くしたい場合には、導電性繊維の配向強
度を小さくし、一方外側の温度を高くしたい場合には配
向強度を大きくするだけで簡単に対応できる。
【実施例3】図4は面状ヒータの第3の実施例を示す概
略平面図である。コの字型をした面状ヒータ40の長手
方向端部に一対の電極41a、41bを配設している。
また導電性繊維の配向を矢印Cの方向に設定しているた
め、前記した各実施例と同様に、内側の単位面積あたり
の抵抗40aは大きくなり、外側の抵抗40bは小さく
なるため、ヒータ全体では電極41a、41b間に所定
の電圧を印加すると各発熱点にかかる電圧が一定にな
り、温度斑のない快適な暖房装置を提供することができ
る。なお、第2の実施例と同様に、暖房装置に要求され
る温度分布となるように導電性繊維の配向強度を変える
ことも可能である。
【実施例4】図5は面状ヒータの第4の実施例を示す概
略平面図である。平面視で湾曲した面状ヒータ140
を、両側の湾曲部144、146と、中央部の比較的直
線状の部分45とに3分割し、湾曲部144、146
は、導電性繊維方向をD1、D2にし、面状ヒータ14
4、146の外側の単位面積あたりの抵抗が小さくなる
よう構成している。一方、直線部45では、内側(凹面
側)と外側(凸面側)とで面状ヒータ140の長手方向
の距離が略同一であるため、導電性繊維の方向をE1も
しくはE2になるように構成する。直線部45の導電性
繊維の方向性は、抵抗を大きくするためにはE2の方
向、小さくするためにはE1の方向にする等して、暖房
装置の要求する温度となるように自由に設定できる。こ
のように面状ヒータ140内の繊維の状態を電極間距離
に合わせて変えることにより、電極間の長手方向の並列
抵抗が一定になり、電極141a、141bに電力を供
給すると、面状ヒータ内の各発熱点には一定の電圧がか
かり、温度斑のない快適な暖房装置を実現することがで
きる。もちろん暖房装置の要求に合わせて内側の温度を
調節したい場合には、電極構造を変えることなく繊維の
配向強度を変えるだけで簡単に対応できる。
【実施例5】図6は面状ヒータの第5の実施例を示す概
略平面図である。一面が扇状、他方が矩形状である蒲鉾
形状の面状ヒータ50の両側端面に一対の電極51a、
51bを配設し、これらの電極と平行となるように導電
性繊維の配向Fを制御している。かかる形状のヒータで
は、繊維の方向が一定でないとヒータの抵抗が電極間距
離に大きく依存するため、扇部50aの温度が他の部分
に比べて低くなる。これを解消しヒータ全体が均一に発
熱するよう抵抗値を制御するため、この実施例では、前
述しているように抵抗成分を電極間距離だけでなく繊維
の方向との合成抵抗により制御することにした。かかる
構成により、扇部50aが暖房装置に要求される温度と
なるよう、電極に対する繊維の配向、及びその強度を制
御することで、面状ヒータ50の電極間に対する並列成
分の抵抗が一定になる。即ち電極51a、51bに所定
の電力を供給すると、ヒータ内各発熱点にかかる電圧が
一定になるため、面状ヒータ50の全面の温度が均一に
なり、快適な暖房装置を提供することができる。
【実施例6】図7は面状ヒータの第6の実施例を示す概
略平面図である。台形の面状ヒータ60の両側端面に電
極61a、61bを配設し、台形の上辺(短辺)60a
及び下辺(長辺)60bに対して垂直になるように導電
性繊維の配向Gを制御することにより、前記した第5の
実施例と同様に、温度が高くなるがちな上辺側60aの
単位面積あたりの抵抗を下辺側60bよりも大きくし
て、温度斑のない快適な暖房装置を実現している。
【実施例7】図8は面状ヒータの第7の実施例を示す概
略平面図である。平行四辺形の面状ヒータ70の両側端
面に電極71a、71bを配設し、平行四辺形の対角線
の長辺と平行に導電性繊維の配向Hを制御することによ
り、前記した第5、第6の実施例と同様に、温度が高く
なるがちな短辺側の頂角近傍70aの単位面積あたりの
抵抗を長辺側の頂角近傍70bよりも大きくして、温度
斑のない快適な暖房装置を実現している。
【実施例8】図9は第1又は、第2の実施例にかかる面
状ヒータを暖房便座装置に組み込んだ斜視図であり、図
10は同、図9のA−A’断面図である。暖房便座90
の着座する部分には左右一対の面状ヒータ91a、91
bが配設されており、導電性繊維の配向Iは便座の左右
方向に制御されている。面状ヒータ91a、91bの上
面(便座を介して人体と接触する面)側には、安全性、
防水性を確保するため、保護層92が構成されている。
保護層92は、ポリプロピレン、ABS、PET等の樹
脂で形成されており、面状ヒータ91a、91bから放
射される赤外線を透過させ人体の温感ポイントを直接刺
激して、暖房感を与えられるよう必要最小限の厚さに構
成されている。面状ヒータ91a、91bの下面(便
器)側には、人体が着座する際の加重を吸収するため、
ウレタン等の発泡剤で形成された補強層96が配設さ
れ、面状ヒータ91a、91bで発生させた熱が便器側
に放熱しないように断熱し、人体側である保護層92側
に効率よく伝えられるようになっている。この補強層9
6は保護層92に発泡樹脂を注入して成形しており、ヒ
ータ91a、91bと保護層92とは完全に密着してい
るため、便座を取り外して清掃中に不注意で便器や床面
に落としたり、洗浄水が便座にかかったりしても、防水
され安全性が確保されている。面状ヒータ91a、91
bと補強層96との間には、ヒータ91a、91bから
放出される赤外線を人体側へ反射させるための反射板9
7がヒータ91a、91bと絶縁させるための絶縁フィ
ルム98を介して配設されている。また、暖房装置90
の後方部に制御ボックス99が配設されており、その中
に面状ヒータ91a、91bの発熱量を制御するコント
ローラ100を設けている。更に面状ヒータ91a、9
1bの温度を検知する温度検出機構94及び万が一面状
ヒータ91a、91bが暴走し異常に発熱した場合、強
制的にヒータ91a、91bへの供給電力を遮断する温
度ヒューズ95が面状ヒータ91a、91bと補強層9
6との間に設けられている。面状ヒータ91a、91b
にはあらかじめ制御ボックス99に設定されている目標
温度とヒータ上の温度検出機構94との差をコントロー
ラ100で計算し、その計算結果に基づきできるだけ早
く目標温度に近づけるようケーブル93を介し電力を供
給している。制御ボックス99にトイレブース内に人が
入ってきたことを検知する人体検知機構103を設ける
と、人体検知後面状ヒータに電力を供給し、着座するま
での数秒間で所定の温度になるように制御できるため、
常時ヒータに通電しておく必要がないため、省エネ可能
な暖房便座を提供できる。
【実施例9】図11及び図12は夫々面状ヒータを便座
に組み込んだ変形例を示す平面図である。図11の暖房
便座100は、導電性繊維の方向Jが便座左右方向にな
るよう面状ヒータ110を構成し、その長手方向端面で
ある便座100の後部側に一対の電極111a、111
bを配設している。かかる構成により、面状ヒータ11
0の内側114の単位面積あたりの抵抗は外側115に
比べて大きくなるため、ヒータ全体では電極111a、
111b間に所定の電圧を印加すると各発熱点にかかる
電圧が一定になり、温度斑のない暖房便座装置を提供す
ることができる。また、電極上の発熱のほとんどが電極
材と炭素繊維混抄紙の接着状態によって決まる接触抵抗
に依存しており、通常はヒータ全体の表面抵抗に比べ接
触抵抗は小さく設計されることから、電極上の発熱はほ
とんど起きない。この部分の温度斑を人体に感じさせな
いよう便座後方の人体が接触しない部分に電極を配置し
ているため、快適な暖房便座装置を提供することができ
る。
【実施例10】図12の暖房便座120は、導電性繊維
の方向Kが便座左右方向になるように面状ヒータ130
を構成し、その長手方向端面である便座120の前部側
に一対の電極131a、131bを配設している。かか
る構成によっても、温度斑のない暖房便座装置を提供す
ることができる。また、便座120の前方も人体が接触
しない場合が多いため、この部分に電極を配置しても、
図11の変形例と同様に温度斑を人体に感じさせない快
適な暖房便座装置を提供することができる。
【発明の効果】以上述べたごとく本発明による面状ヒー
タは、導電性繊維の状態と電極の配置を制御することで
あらゆる形状のヒータ全面の温度分布を制御でき快適な
暖房装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性混抄紙の製造工程の概念図である。
【図2】面状ヒータの第1の実施例を示す概略平面図で
ある。
【図3】同、第2の実施例を示す概略平面図である。
【図4】同、第3の実施例を示す概略平面図である。
【図5】同、第4の実施例を示す概略平面図である。
【図6】同、第5の実施例を示す概略平面図である。
【図7】同、第6の実施例を示す概略平面図である。
【図8】同、第7の実施例を示す概略平面図である。
【図9】暖房便座装置の外観斜視図である。
【図10】図9のA−A’断面図である。
【図11】暖房便座装置に面状ヒータを組み込んだ変形
例を示す平面図である。
【図12】同、他の変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
20、30、40、50、60、70、110、13
0、140…面状ヒータ、 21a、21b、31a、31b、41a、41b、5
1a、51b、61a、61b、71a、71b、10
2、111a、111b、131a、131b、141
a、141b…電極、 90…暖房便座装置 92…保護層、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 由美子 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D037 AD03 AD09 3K034 AA09 AA16 BA08 BB08 BB14 BC03 BC16 CA02 CA17 CA26 CA32 FA15 FA28 HA04 HA10 JA01 JA10 3K092 PP05 PP20 QA05 QB18 QB31 QC05 QC20 QC56 RF05 RF22 VV03 VV21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性繊維からなる混抄紙と、この混
    抄紙に取り付けた複数の電極とを備えた人体暖房用面状
    ヒータにおいて、複数の電極に挟まれたヒータの各部の
    発熱量が略均一になるように導電性繊維の状態及び/又
    はヒータの形状に合わせて、電極の配設位置、形状、個
    数、種類等を調節したことを特徴とする面状ヒータ。
  2. 【請求項2】 導電性繊維からなる混抄紙と、この混
    抄紙に取り付けた複数の電極とを備えた人体暖房用面状
    ヒータにおいて、前記複数の電極に挟まれたヒータの各
    部の発熱量が略均一になるように導電性繊維の状態を制
    御したことを特徴とする面状ヒータ。
  3. 【請求項3】 前記導電性繊維混抄紙は、抵抗が周囲
    よりも相対的に大きい部分及び/又は小さい部分を有す
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の面状ヒー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記導電性繊維の長さ、比重、径、配
    向の少なくとも何れか1つを制御することにより、抵抗
    を変化させたことを特徴とする請求項3に記載の面状ヒ
    ータ。
  5. 【請求項5】 前記導電性繊維の長さ、比重、径の少
    なくとも何れか1つを制御することにより、繊維の配向
    を変化させたことを特徴とする請求項4に記載の面状ヒ
    ータ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載の面状ヒータを
    熱源として使用した暖房便座装置であって、該面状ヒー
    タは、便座の前方又は後方の何れかに一対の電極を配設
    し、又は前方及び後方に一対の電極を夫々配設したこと
    を特徴とする暖房便座装置。
  7. 【請求項7】 前記導電性繊維の配向を便座左右方向
    に構成したことを特徴とするに請求項6記載の暖房便座
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項4又は5に記載の面状ヒータの
    製造方法であって、前記導電性繊維の配向を、抄紙速度
    によって制御したことを特徴とする面状ヒータの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項4又は5に記載の面状ヒータの
    製造方法であって、前記導電性繊維の配向を、繊維を攪
    拌するために用いる液体の比重によって制御したことを
    特徴とする面状ヒータの製造方法。
JP29646299A 1999-10-19 1999-10-19 面状ヒータ、それを利用した暖房便座装置、及び面状ヒータの製造方法 Pending JP2001118663A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29646299A JP2001118663A (ja) 1999-10-19 1999-10-19 面状ヒータ、それを利用した暖房便座装置、及び面状ヒータの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29646299A JP2001118663A (ja) 1999-10-19 1999-10-19 面状ヒータ、それを利用した暖房便座装置、及び面状ヒータの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001118663A true JP2001118663A (ja) 2001-04-27

Family

ID=17833877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29646299A Pending JP2001118663A (ja) 1999-10-19 1999-10-19 面状ヒータ、それを利用した暖房便座装置、及び面状ヒータの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001118663A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004321371A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 暖房便座
JP2013008458A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Tsuchiya Co Ltd 面状発熱体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004321371A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 暖房便座
JP4543620B2 (ja) * 2003-04-23 2010-09-15 パナソニック株式会社 暖房便座
JP2013008458A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Tsuchiya Co Ltd 面状発熱体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6476595B2 (ja) 車両用暖房装置
CN101678737B (zh) 车辆加热系统
JP4250866B2 (ja) 暖房装置
WO2019198413A1 (ja) ヒータ装置
JP6432691B2 (ja) ヒータ装置
CN216217599U (zh) 非晶合金发热组件和发热设备
US20090139973A1 (en) Vehicle floor heating device
JP2001118663A (ja) 面状ヒータ、それを利用した暖房便座装置、及び面状ヒータの製造方法
JP4525363B2 (ja) 暖房便座
JPH10335051A (ja) 便座ヒータ
JPH05266965A (ja) 遠赤外線放射積層体
JP6931894B2 (ja) 遠赤外線輻射シート、床暖房システムおよびドーム型温熱機器
JP2002143038A (ja) 暖房便座装置
JP2012147970A (ja) 座席ヒータ
JP2001120462A (ja) 暖房便座装置、及びその製造方法
JP3577691B2 (ja) 面状発熱体
JPH11244093A (ja) 簡易可搬型腰部サポート
JP4633587B2 (ja) ヒーター付車両用ミラーおよびその製造方法
JPH0623862U (ja) 車両用直立面ヒータ
JP6669271B2 (ja) 輻射ヒータ装置
JP4289085B2 (ja) Ptc面状ヒータ及びこれを備えた床暖房パネル
JP2010089628A (ja) 暖房装置
KR200239332Y1 (ko) 탄소섬유 면상발열지를 이용한 돌침대용 면상 발열체
JP2000323262A (ja) ヒータの電極構造及び暖房便座装置
JPH0898896A (ja) いすおよび遠赤外線輻射パネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080526

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080526

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080801