JP2001114631A - 繊維を含む水中油型エマルジョンの形態の組成物及び、特にその美容のための使用 - Google Patents

繊維を含む水中油型エマルジョンの形態の組成物及び、特にその美容のための使用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミド繊維を含み、優れた安定性を有し
て相分離などの問題を伴わなず、優れた化粧品特性を有
するO/Wエマルジョンを提供する。 【解決手段】 生理学的に許容される媒体中に、水相中
に分散された油相を含む水中油型エマルジョンに、繊維
及び、Ｃ8−Ｃ24脂肪酸の少なくとも一のグリセリルエ
ステルとＣ8−Ｃ24脂肪酸の少なくとも一のポリエチレ
ングリコールエステルとを含む界面活性剤系を導入す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維及び特定の界
面活性剤系を含む水中油型エマルジョンの形態の組成
物、及び、特に全身または顔の皮膚、髪、睫毛及び／ま
たは髪の手入れ、処理及び／またはメイクアップのため
の前記組成物の使用に関する。
【０００２】
【従来の技術】文献ＪＰ０７−１９６４４０には、化粧
品組成物が記載されており、これは、前記組成物にベル
ベット様の感触及び優れた化粧品特性を与える、短いポ
リアミド繊維を含んでいる。しかしながら、これらのポ
リアミド繊維の水中油型（O/W）エマルジョンへの導入
は、安定性の問題を含んでおり、すなわち、エマルジョ
ンは室温またはより高温では相分離（dephase）し、繊
維量が多い場合には特にこれが起きる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】繊維、特にポリアミド
繊維を含み、従来品の欠点を持たず、優れた化粧品特性
を有するO/Wエマルジョンが、依然として求められてい
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】予
期せぬことに、出願人は、Ｃ8−Ｃ24脂肪酸の少なくと
も一のグリセリルエステルとＣ8−Ｃ24脂肪酸の少なく
とも一のポリエチレングリコールエステルとを含む界面
活性剤系により、繊維を含む安定な水中油型エマルジョ
ンを調製可能であることを見出した。
【０００５】したがって、本発明は、生理学的に許容さ
れる媒体中に、水相中に分散されてなる油相を含む水中
油型エマルジョン形態の組成物であって、繊維及び、Ｃ
8−Ｃ24脂肪酸の少なくとも一のグリセリルエステルと
Ｃ8−Ｃ24脂肪酸の少なくとも一のポリエチレングリコ
ールエステルとを含む界面活性剤系を含むことを特徴と
する組成物に関する。
【０００６】“生理学的に許容される媒体”なる表現
は、この場合、皮膚、唇、頭皮、睫毛、目及び／または
髪に適合性の媒体を意味する。
【０００７】本発明によって得られる組成物は、クリー
ムの形態である（固体製品に対してソフトな製品）。こ
れは、室温及びさらに高温（例えば４５℃）でさえも経
時的に優れた安定性を有し、適用時に快適に感じるベル
ベット状の肌触りを有する。
【０００８】本発明の組成物において使用可能な繊維に
は、合成または天然の、親水性または疎水性である、無
機または有機起源のものが可能である。これらは短いま
たは長い、単独または編成された、例えば束などである
と良い。これらは、予定する特定の応用によって、あら
ゆる形状の、特に円形または多角形（四角形、六角形ま
たは八角形）の断面を有しても良い。特に、これらは、
怪我を避けるため、鈍化した、及び／または丸みのある
末端を有する。
【０００９】特に、該繊維は、１nmから２０mm、好まし
くは１０nmから５mm、さらには０．１mmから１．５mmの
範囲の長さを有する。これらの断面は、直径が２nmから
１００μm、好ましくは２０nmから２０μm、さらには５
μmから５０μmの範囲の円内に含まれるものであるとよ
い。繊維の重量は、しばしば、デニールまたはデシテッ
クスで表される。
【００１０】該繊維は、織物の製造において使用される
もの、特に絹、綿、羊毛または亜麻の繊維、特に木、植
物または海藻から抽出されたセルロース繊維、ポリアミ
ド（Nylo:R）、レーヨンまたはビスコース繊維、アセテ
ート繊維、特にレーヨンアセテート、ポリ-p-フェニレ
ンテレフタミド繊維、特にKevlaR繊維、アクリル繊維、
特にポリメチルメタクリラートまたはポリ-２-ヒドロキ
シエチルメタクリラート繊維、ポリオレフィン繊維、及
び特にポリエチレンまたはポリプロピレン繊維、ガラ
ス、シリカまたはアラミド繊維、炭素繊維、特にグラフ
ァイト形態のもの、Teflo:R、不溶性コラーゲン、ポリ
エステル、塩化ポリビニルまたは塩化ポリビニリデン、
ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、キトサ
ン、ポリウレタンまたはポリエチレンフタレート繊維、
上述のようなポリマーの混合物から形成される繊維、例
えばポリアミド／ポリエステル繊維であるとよい。
【００１１】外科手術において使用される繊維、例えば
グリコール酸とカプロラクトンとから調製される再吸収
可能な合成繊維（Johnson & Johnson社製、Monocry
l）、例えば乳酸とグリコール酸とのコポリマー等の再
吸収可能な合成繊維（Johnson &Johnson社製、Vicry
l）、テレフタル酸ポリエステル繊維（Johnson & Johns
on社製、Ethibond）及びステンレススチール糸（Johnso
n & Johnson社製、Steel）を用いることもまた可能であ
る。
【００１２】さらにまた、該繊維は表面処理されていて
もいなくてもよく、被覆されていてもいなくても良い。
本発明に使用可能な被覆繊維としては、ポリアミド繊維
であって、帯電防止効果を目的として硫化銅で被覆した
もの（例えばRhodia社製、R-STAT）または繊維の特殊な
編成（特異な表面処理）または色／ホログラム作用を誘
発する表面処理を可能にする他のポリマーで被覆したも
の（例えば、Sildorex社製、Lurex fibre）を挙げるこ
とができる。
【００１３】本発明による組成物において使用可能な繊
維は、好ましくはポリアミド及び／またはポリ-p-フェ
ニレンテレフタミド繊維である。その長さは、０．１か
ら５mm、好ましくは０．２５から１．６mmであり、その
平均直径は５から５０μmの範囲をとりうる。特に、６
μmの平均直径、約０．９dtexの重量及び０．３mmから
１．５mmの範囲の長さを有する、Etablissements P. Bo
nteにより、Polyamide 0.9 Dtex 0.3mmの名で市販のポ
リアミド繊維が使用可能である。１２μmの平均直径及
び約１．５mmの長さを有するポリ-p-フェニレンテレフ
タミド繊維、例えばDu Pont Fibres社製のKevlar Floc
の名で市販のものもまた使用可能である。本発明の特定
の実施態様によれば、これらの繊維は、エマルジョンの
油相に導入される。
【００１４】該繊維は、本発明の組成物中に、組成物全
重量に対して０．１から２０重量％、好ましくは０．５
から１５重量％の範囲の量で存在可能である。
【００１５】本発明のエマルジョン中の界面活性剤系
は、Ｃ8−Ｃ24脂肪酸の少なくとも一のグリセリルエス
テルとＣ8−Ｃ24脂肪酸の少なくとも一のポリエチレン
グリコールエステルとを含む。
【００１６】脂肪酸のグリセリルエステルは、特に８か
ら２４、好ましくは１６から２２の炭素原子を含む飽和
の直鎖状アルキル鎖を含む酸から得られる。脂肪酸のグ
リセリルエステルで、特に挙げることができるのは、ス
テアリン酸グリセリル（グリセリルモノ-、ジ-及び／ま
たはトリステアラート）、リシノール酸グリセリル及び
これらの混合物である。
【００１７】脂肪酸のグリコールエステルは、特に８か
ら２４、好ましくは１６から２２の炭素原子を含む飽和
の直鎖状アルキル鎖を含む酸から得られる。これは一以
上のオキシエチレン化基（ポリエチレングリコール鎖：
ＥＯ）及び、例えば、１から１５０のオキシエチレン化
基を含む。脂肪酸のポリエチレングリコールエステル
で、特に挙げることができるのは、ステアリン酸ポリエ
チレングリコール（ポリエチレングリコールモノ-、ジ-
及び／またはトリステアラート）、特にポリエチレング
リコールモノステアラート５０ＥＯ（ＣＴＦＡ名：ＰＥ
Ｇ−５０ステアラート）である。
【００１８】脂肪酸のグリセリルエステルは、組成物全
重量に対して０．５から５重量％の量で存在可能であ
り、２から３重量％であるとさらによい。
【００１９】脂肪酸のポリエチレングリコールエステル
は、組成物全重量に対して０．５から５重量％の量で存
在可能であり、２から３重量％であるとさらによい。
【００２０】界面活性剤系は、本発明の組成物中全体
に、組成物全重量に対して１から１０重量％、好ましく
は４から６重量％の量で存在する。この界面活性剤系は
一般的に油相中に導入される。
【００２１】本発明の組成物の油相は、一般的に、組成
物全重量に対して１０から５０重量％、好ましくは１５
から３０重量％を占める。該油相は、あらゆる脂肪物
質、特に化粧品または皮膚科において従来より使用され
ているあらゆるオイルからなるものであってよい。
【００２２】本発明のエマルジョン中に使用可能なオイ
ルの中では、例えば、植物油、例えばホホバオイル、ア
ボカドオイル、スウィートアーモンドオイル、アプリコ
ットオイル、コーンオイル及びカリテバターの液体フラ
クション；鉱物油、例えば流動ワセリン及び水素化ポリ
イソブテン（パーリームオイル）；合成油、例えば２-
エチルヘキシルパルミタート、イソプロピルミリスター
ト、水素化イソパラフィン、イソノニルイソノナノアー
トまたはセテアリールオクタノアート；揮発性または不
揮発性のシリコーンオイルまたはフッ化オイルを挙げる
ことができる。油相に存在可能な他の脂肪物質は、例え
ば脂肪酸及びセチルアルコールなどの脂肪アルコールで
ある。
【００２３】本発明の組成物の水相は、組成物全重量に
対して、一般的に５０から９０重量％、好ましくは６０
から８０重量％を構成する。
【００２４】既知の方法では、本発明の組成物は、懸か
る分野では従来使用されている補助剤、例えば親水性ま
たは親油性の活性剤、保存料、ゲル化剤、酸化防止剤、
香料、溶媒、充填剤またはナクレス、スクリーニング
剤、染料（可溶性染料または顔料）、塩基性または酸性
剤、並びに脂質小胞を含有可能である。これらの補助剤
は、化粧品においては通常の割合、例えばエマルジョン
全重量０．０１％から３０％で使用され、その性質によ
ってエマルジョンの水相または油相、あるいはまた小胞
中に導入される。これらの補助剤及びその濃度は、本発
明のエマルジョンに望まれる特性を変性させないもので
あるべきである。
【００２５】挙げることのできる活性剤は、例えばポリ
オールなどの保湿剤、例えばグリセリン及びソルビトー
ル；角質溶解剤；脱色剤；重量削減剤及び本発明の最終
目的に適当なあらゆる活性剤である。
【００２６】該組成物に所望の流動性により、一以上の
親水性または親油性のゲル化剤もまたここに添加可能で
ある。挙げることのできる親水性ゲル化剤は、例えば、
カーボマーなどのカルボキシビニルポリマーである。挙
げることのできる親油性ゲル化剤は、ベントン等の変性
粘土、例えばRheox社よりBentone Gel VS-5の名で市販
の“シクロメチコーン、Quaternium-18、及びSDアルコ
ール40（１０／８５／５）（ＣＴＦＡ名）”の混合物；
Shin-Etsu社よりKSG6の名で市販の架橋エラストマーポ
リオルガノシロキサン、Dow Corning社製のTrefil E-50
5CまたはTrefilE-506C、Grant Industries製のGransil
(SR-CYC、SR DMF10、SR-DC556)、あるいはゲル形態で市
販のもの：Shin-Etsu社製のKSG15、KSG17、KSG16及びKS
G18、General Electric製のGransil SR 5CYC gel、Gran
sil SR DMF 10 gel、Gransil SRDC 556 gel及びSF 1204
及びJK 113である。
【００２７】これらが存在する場合は、これらのゲル化
剤は一般的に、組成物全重量に対して０．１から７重量
％の活性物質の濃度で使用され、０．１から５重量％で
あると好ましい。
【００２８】本発明の主題である組成物は、多数の処
理、特に美容処理、特に皮膚、唇及び／または髪の処
理、保護、手入れ、メイクアップ除去及び／またはクレ
ンジング、及び／または皮膚、唇、睫毛及び／または全
身のメイクアップにおいてその応用を見出すものであ
る。
【００２９】本発明による組成物は、例えば、クリーム
または乳剤の形態で、顔用のケア製品、メイクアップ除
去製品及び／またはクレンジング製品として、もしくは
顔料または染料を導入することによって（皮膚、睫毛及
び唇用の）メイクアップ製品、例えばファンデーション
等として使用可能である。
【００３０】したがって、本発明の主題は、上述の組成
物の、皮膚、唇及び／または髪の処理、保護、手入れ、
メイクアップ除去及び／またはクレンジング、及び／ま
たは皮膚、唇、睫毛及び／または全身のメイクアップを
目的とする、美容のための使用である。
【００３１】本発明の主題はまた、上述の組成物を皮
膚、睫毛及び／または唇に適用することを特徴とする、
頭皮を含む皮膚、髪、睫毛及び／または唇のための美容
処理方法である。
【００３２】下記の実施例により、本発明が、その本質
を制限することなくよりよく理解されるであろう。示し
た量は、特記のない限り重量パーセントである。
【００３３】
【実施例】 （実施例１：日中用保護クリーム） 油相 流動ワセリン ６．２％ イソプロピルミリスタート ３％ セチルアルコール ７％ グリセリルステアラート ２．５％ ＰＥＧ−５０ステアラート ２．５％ 水相： 保存料 ０．３％ 脱塩水 １００％とする残量 ポリアミド繊維 １０％ （ポリアミド０．９Dtex、０．３mm - Paul Bonte社）
【００３４】操作：油相を均質になるまで加熱し、ここ
に繊維を添加した。得られた混合物を、同様の温度に予
め加熱した水相中に、激しく攪拌しつつ注入した。
【００３５】経時的に安定で、４５℃における貯蔵の後
でさえも安定なクリームが得られた。皮膚に適用したと
ころ、これは非常な滑らかさを供し、特に皮膚をしなや
かにするのに好適であった。
【００３６】 （実施例２：日中用保護クリーム） 油相 パーリームオイル ６．２％ イソプロピルミリスタート ３％ セチルアルコール ７％ グリセリルステアラート ２．５％ ＰＥＧ−５０ステアラート ２．５％ 水相： 保存料 ０．３％ 脱塩水 １００％とする残量 ポリアミド繊維 １０％ （ポリアミド０．９Dtex、０．３mm - Paul Bonte社）
【００３７】操作は実施例１と同様とした。皮膚に潤い
を与えるクリームが得られた。
【００３８】 （実施例３：日中用保護クリーム） 油相 アプリコットオイル ６．２％ イソプロピルミリスタート ３％ セチルアルコール ７％ グリセリルステアラート ２．５％ ＰＥＧ−５０ステアラート ２．５％ 水相： 保存料 ０．３％ 脱塩水 １００％とする残量 ポリアミド繊維 １０％ （ポリアミド０．９Dtex、０．３mm - Paul Bonte社）
【００３９】操作は実施例１と同様とした。皮膚を滑ら
かにするクリームが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｋ 7/025 Ａ６１Ｋ 7/025 7/032 7/032 7/06 7/06 7/42 7/42

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 生理学的に許容される媒体中に、水相
    中に分散されてなる油相を含む水中油型エマルジョン形
    態の組成物であって、繊維及び、Ｃ8−Ｃ24脂肪酸の少
    なくとも一のグリセリルエステルとＣ8−Ｃ24脂肪酸の
    少なくとも一のポリエチレングリコールエステルとを含
    む界面活性剤系を含むことを特徴とする組成物。
  2. 【請求項２】 繊維が、０．１mmから５mmの範囲の長
    さを有することを特徴とする請求項１に記載の組成物。
  3. 【請求項３】 繊維が、直径が５μmから５０μmの範
    囲の円内に含まれる断面を有することを特徴とする請求
    項１または２に記載の組成物。
  4. 【請求項４】 繊維が、ポリアミド繊維、ポリ-p-フェ
    ニレンテレフタミド繊維及びこれらの混合物から選択さ
    れることを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に
    記載の組成物。
  5. 【請求項５】 繊維が、組成物全重量に対して０．１
    から１５重量％の量で存在することを特徴とする請求項
    １から４のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 【請求項６】 脂肪酸のグリセリルエステルが、グリ
    セリルモノ-、ジ-及び／またはトリステアラート及びグ
    リセリルリシノレアート、及びこれらの混合物から選択
    されることを特徴とする請求項１から５のいずれか一項
    に記載の組成物。
  7. 【請求項７】 脂肪酸のポリエチレングリコールエス
    テルが、１から１５０のオキシエチレン化基を含むこと
    を特徴とする請求項１から６のいずれか一項に記載の組
    成物。
  8. 【請求項８】 界面活性剤系が、組成物全重量に対し
    て１から１０重量％の量で存在することを特徴とする請
    求項１から７のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 【請求項９】 油相が、組成物全重量に対して１０か
    ら５０重量％の量で存在することを特徴とする請求項１
    から８のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 【請求項１０】 化粧品組成物を構成することを特徴
    とする請求項１から９のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 【請求項１１】 皮膚、唇及び／または髪の処理、保
    護、手入れ、メイクアップ除去及び／またはクレンジン
    グ、及び／または皮膚、唇、睫毛及び／または全身のメ
    イクアップのための、請求項１から１０のいずれか一項
    に記載の組成物の美容のための使用。
  12. 【請求項１２】 請求項１から１０のいずれか一項に
    記載の組成物を、皮膚、髪、睫毛及び／または唇に適用
    することを特徴とする、皮膚、髪、睫毛及び／または唇
    のための美容処理方法。
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DE (1) DE60000223T2 (ja)
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