JP2001114593A - ベータバリウムボレイト単結晶の製造方法 - Google Patents

ベータバリウムボレイト単結晶の製造方法

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JP2001114593A JP29153799A JP29153799A JP2001114593A JP 2001114593 A JP2001114593 A JP 2001114593A JP 29153799 A JP29153799 A JP 29153799A JP 29153799 A JP29153799 A JP 29153799A JP 2001114593 A JP2001114593 A JP 2001114593A
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bbo
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observed
scattering
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Tsutomu Okamoto
勉 岡本
Kaoru Kimura
馨 木村
Koichi Tatsuki
幸一 田附
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光散乱が少ないベータバリウムボレイト単結
晶を得る。 【解決手段】 ベータバリウムボレイト(以下、単にB
BOと称する。)単結晶3を引き上げ法によって製造す
るときに、融解液2からBBO種結晶1引き上げる。こ
のときのBBO種結晶1の引き上げ方位を<001>方
位とする。これにより、光散乱体の含有量が少ないBB
O単結晶3を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引き上げ法を用い
たベータバリウムボレイト単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベータバリウムボレイト(β−BaB2
4、以下、BBOと称する。)単結晶は、レーザ発振
器などにおける波長変換素子として広く利用されてい
る。
【0003】このBBO単結晶の製造方法としては、一
般にフラックス法と、引き上げ法(チョクラルスキー
法)とが用いられている。フラックス法は、融解したB
BOに対して他の成分(以下、フラックス成分と称す
る。)を混合し、融点を下げることによってBBO単結
晶を育成する方法である。また、引き上げ法は、BaO
とB23とが含まれる融解液中にBBO種結晶を所定時
間入れた後に引き上げて、BBO単結晶を育成する方法
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような波長変
換素子においては、レーザ光が透過したときに生じる損
失が少ないことが望まれる。このような損失が生じる原
因としては、結晶内部に含まれるインクルージョン、及
びサブミクロンオーダーの光散乱体などにより光散乱が
生じることが挙げられる。
【0005】また、これらのインクルージョン及び光散
乱体は、BBO単結晶中に歪みをもたらしてクラックを
発生させたり、熱伝導を悪化させたりする。このことに
よっても波長変換素子の性能が低下する。
【0006】しかしながら、フラックス法でBBO単結
晶を製造した場合には、フラックス成分がインクルージ
ョンとしてBBO単結晶に混入してしまうことが避けら
れない。このため、光散乱が生じてしまう。
【0007】また、引き上げ法によってBBO単結晶を
製造した場合には、フラックス成分がインクルージョン
として含まれることはないが、光学顕微鏡で観察が不可
能なサブミクロンオーダーの光散乱体が存在する。この
ような光散乱体が含まれる原因の詳細は不明であるが、
BBO単結晶を製造するときに生じるO2欠損、及び不
純物の混入などが原因であると考えられている。
【0008】特開平10−170965号公報には、引
き上げ方位を<110>方位又は<100>方位として
BBO結晶を育成するとともに、925℃以下の熱処理
を施すことにより、光散乱体の低減を図る方法が示され
ている。しかしながら、この方法では、熱処理を施す必
要性があることから、製造装置が複雑化するとともに製
造工程が煩雑となるため、高コスト化を招いてしまう。
【0009】本発明は、このような従来の実状に鑑みて
提案されたものであり、熱処理を施さずに、引き上げ方
位と、引き上げ速度とを変えることにより、光散乱体が
少ないベータバリウムボレイト単結晶の製造方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るベータバリウムボレイト単結晶の製
造方法は、引き上げ方位を<001>方位とすることを
特徴とする。
【0011】したがって、本発明に係るベータバリウム
ボレイト単結晶の製造方法によれば、光散乱体の含有量
が少ないベータバリウムボレイト単結晶を、熱処理を施
さずに製造することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したベータバ
リウムボレイト(以下、単にBBOと称する。)単結晶
の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0013】先ず、図1に示す棒状であるBBO種結晶
1を、BaOとB23とを含む融解液2(以下、単に融
解液2と称する。)につけて所定時間保持する。このと
き、融解液2の表面直上の温度勾配は、250℃/cm
に設定されている。次に、図1に示すようにBBO種結
晶1を回転させながら引き上げることで、図2に示すよ
うなBBO単結晶3を得る。
【0014】このとき、引き上げ方位は、<001>方
位とする。例えば、<110>方位など、<001>方
位以外の方位で引き上げた場合には生成したBBO単結
晶3に含まれる光散乱体の量が多くなり、光散乱が観察
される。
【0015】また、このとき、引き上げ速度は、1.5
mm/hr以上且つ6.0mm/hr以下とすることが
望ましい。引き上げ速度を1.5mm/hr未満とした
場合には、生成したBBO単結晶3に含まれる光散乱体
の量が多くなり、散乱強度が大きくなる。
【0016】また、引き上げ速度を4.0mm/hrと
した場合には、BBO単結晶3の中心部に黒ずみが生じ
てしまう。この黒ずみを光学顕微鏡で観察したところ、
インクルージョンとして気泡が含まれていることがわか
った。このように黒ずみが生じた部分は、波長変換素子
として使用することが困難である。
【0017】しかしながら、黒ずみが生じたBBO単結
晶3の外周部には、黒ずみが生じていない透明部分があ
り、この部分には、光散乱が観察されない。このため、
黒ずみが全体に広がっていない場合には、この部分をカ
ットし、研磨することによって、波長変換素子として使
用することが可能である。
【0018】この黒ずみは、引き上げ速度が速くなるほ
ど全体に広がる。引き上げ速度が6.0mm/hr以下
である場合には、外周部をカットし、研磨することによ
って、波長変換素子として使用することが可能となる。
【0019】また、融解液2に含まれるBaOの割合
は、48.5mol%以上且つ50.5mol%以下と
する。BaOの割合を48.5mol%未満とする場合
には、生成したBBO単結晶3はほぼ全体にわたって白
濁している。また、このBBO単結晶3には、クラック
が多数発生しているるために、波長変換素子として使用
することが困難となる。
【0020】また、BaOの割合を50.5mol%以
上とする場合には、生成したBBO単結晶3の中心部に
赤みがかった着色が見られる。この部分には、光学顕微
鏡で観察できる気泡がインクルージョンとして混入して
いる。赤みが生じたBBO単結晶3の外周部には、赤み
が生じていない透明部分がある。
【0021】BaOの割合を50.5mol%とする場
合、この透明部分をカットして研磨した部分は、光散乱
体が観察されない。また、この透明部分の散乱強度は小
さい。このため、この透明部分は、波長変換素子として
使用することが可能となる。
【0022】しかしながら、BaOの割合が50.5m
ol%より大きい場合、この透明部分をカットして研磨
した部分は、光学顕微鏡で観察されるようなインクルー
ジョンはないが、光散乱体は観察され、散乱強度は大き
い。このため、この透明部分は、波長変換素子として使
用することが困難となる。
【0023】以上の説明からも明らかなように、本発明
を適用したBBO単結晶3の製造方法においては、光散
乱体の含有量が少ないBBO単結晶3を得ることが可能
となる。また、BBO単結晶3中に歪みをもたらしてク
ラックを発生させること、及び熱伝導を悪化させること
などを防ぐことが可能となる。これにより、高性能であ
る波長変換素子を得ることができる。また、BBO単結
晶3の歩留まりも向上する。
【0024】また、熱処理工程を必要としないため、B
BO単結晶の製造時間を短縮することが可能となり、生
産性を向上させることも可能となる。
【0025】
【実施例】つぎに、上述したBBO単結晶の製造方法を
適用した際の、引き上げ速度及び引き上げ方位と、BB
O単結晶の光散乱及び散乱強度との関係について実施例
に基づいて説明する。また、融解液中に含まれるBaO
の割合と、BBO単結晶の光散乱及び散乱強度との関係
について実施例に基づいて説明する。
【0026】実施例1 純度99.99%のBaCO3と、純度99.999%
のB23とを、秤量する。このとき、加熱反応後に生成
するBaOとB23とが、それぞれ50mol%となる
ように秤量し、混合した後仮焼した。仮焼して得た生成
物を直径80mm、高さ40mmの白金るつぼ内に、約
700g充填した。これを加熱して融解した後、融解液
中に種結晶を下ろし、引き上げ方位を<001>方位と
してBBO種結晶を引き上げてBBO単結晶を製造し
た。
【0027】このとき、引き上げ速度を2mm/hrと
し、種結晶の回転数を6rpmとした。これにより、直
径が50mmであり、直胴部の長さが20mmであるB
BO単結晶を得た。この結晶について、内部に含まれる
インクルージョン及び光散乱体による光散乱を観察する
とともに、散乱強度を測定した。
【0028】<光散乱の観察方法>まず、得られたBB
O単結晶をXYZ方位に10mm角にカットした後、後
述するような測定においてレーザ光が入射するX面と、
光散乱を観察するZ面とを鏡面研磨した。
【0029】光散乱の観察に使用した装置は、図3に示
すように、パルス紫外線レーザ光源10と、レンズ11
と、顕微鏡12と、紫外線撮像カメラ13と、可動であ
る試料台14と、コンピュータ15とを備える。
【0030】先ず、波長が266nmであり、繰り返し
周波数が7KHzであるパルス紫外線レーザ光源10に
よりレーザ光を矢印Aで示すように出力した。このと
き、平均出力が100mWとなるようにした。次に、こ
の紫外線レーザ光をレンズ11によって集光して、BB
O単結晶3のX面に入射した。
【0031】このとき、BBO単結晶3の内部におい
て、レーザ光のスポットサイズは、約100μmまで集
光していた。結晶内部に光散乱体及びインクルージョン
などが含まれている場合にはこれらが散乱源となり、入
射したレーザ光が散乱した。
【0032】散乱した光を光軸と垂直であるZ面から観
察して、10倍の紫外線対物レンズを有する顕微鏡12
で拡大するとともに結像し、紫外線撮像カメラ13によ
って撮像した。
【0033】また、BBO単結晶3をのせた試料台14
の位置をコンピュータ15によって制御し、レーザ光を
入射しながらBBO単結晶3をY軸方向に移動させた。
移動位置に対応した散乱画像情報を、コンピュータ15
のメモリに蓄積してコンピュータ15の画面上で再生す
ることにより、光散乱の分布を2次元的に観察した。
【0034】<散乱強度の測定>図3に示した装置にお
いて、紫外線撮像カメラ13の代わりに光電子倍増管を
設置して散乱光量を測定することにより、生成したBB
O単結晶3の散乱強度を測定した。
【0035】比較例1 BBO種結晶の引き上げ方位を<110>方位として引
き上げた以外は、実施例1と同様にしてBBO単結晶を
製造し、光散乱を観察した。
【0036】比較例2 BBO種結晶の引き上げ方位を<100>方位として引
き上げた以外は、実施例1と同様にしてBBO単結晶を
製造し、光散乱を観察した。
【0037】実施例1、比較例1、比較例2において光
散乱を観察した結果を、それぞれ図4、図5、図6に示
す。
【0038】図4に示すように、引き上げ方位を<00
1>方位として引き上げを行った実験例1においては、
光散乱が観察されなかった。しかしながら、図5及び図
6に示されるように、引き上げ方位を<110>方位と
して引き上げを行った場合、及び<100>方位として
引き上げを行った場合には、光散乱が観察された。
【0039】実施例1、比較例1、比較例2の結果よ
り、BBO単結晶を引き上げ法により製造する場合に
は、BBO種結晶の引き上げ方位を<001>方位とし
て引き上げることにより、インクルージョン及び光散乱
体の含有量が少なく、光散乱が少ないBBO単結晶が得
られることが判明した。
【0040】実施例2 引き上げ速度を1.5mm/hrとした以外は、実施例
1と同様にしてBBO単結晶を製造し、光散乱を観察し
た。また、散乱強度を測定した。
【0041】実施例3 引き上げ速度を3.0mm/hrとした以外は、実施例
1と同様にしてBBO単結晶を製造し、光散乱を観察し
た。また、散乱強度を測定した。
【0042】実施例4 引き上げ速度を4.0mm/hrとした以外は、実施例
1と同様にしてBBO単結晶を製造し、光散乱を観察し
た。また、散乱強度を測定した。
【0043】実施例5 引き上げ速度を0.5mm/hrとした以外は、実施例
1と同様にしてBBO単結晶を製造し、光散乱を観察し
た。また、散乱強度を測定した。
【0044】実施例6 引き上げ速度を1.0mm/hrとした以外は、実施例
1と同様にしてBBO単結晶を製造し、光散乱を観察し
た。また、散乱強度を測定した。
【0045】実施例2、実施例3、実施例4、実施例
5、実施例6において光散乱を観察した結果を、それぞ
れ図7、図8、図9、図10、図11に示す。
【0046】なお、実施例4で生成したBBO単結晶に
は、中心部に黒ずみが見られた。この部分を光学顕微鏡
で観察したところ、インクルージョンとして気泡が観察
された。このため、外周部の透明部分について、散乱強
度の測定と、光散乱の観察とを行った。
【0047】図7乃至図9に示すように、引き上げ速度
を1.5mm/hr以上とするときには、光散乱が観察
されなかった。また、図10及び図11に示されるよう
に、引き上げ速度を1.5mm/hr未満とするときに
は、光散乱が観察された。
【0048】また、実施例2〜実施例6について、引き
上げ速度と散乱強度の相対値との関係をグラフにまとめ
た結果を、図12に示す。図12から明らかであるよう
に、引き上げ速度を1.5mm/hr以上とするときに
は、散乱強度は小さいが、引き上げ速度を1.5mm/
hr未満とするときには、散乱強度が大きくなる。この
ことから、引き上げ速度を1.5mm/hr以上とする
ときには、引き上げ速度を1.5mm/hr未満とする
ときに比べて散乱強度の減少が見られることが判明し
た。
【0049】以上の結果から、BBO単結晶を引き上げ
法により製造する場合には、種結晶が、引き上げ方位を
<001>方位とするとともに、引き上げ速度を1.5
mm/hr以上として引き上げられることにより、光散
乱体の含有量が少なく、光散乱が少ないBBO単結晶が
得られることが判明した。
【0050】なお、引き上げ速度を4.0mm/hr以
上とした場合には、得られるBBO単結晶の中心部に黒
ずみが生じてしまうが、外周部を波長変換素子などに利
用することが可能となる。しかしながら、この黒ずみ
は、種結晶の引き上げ速度を6.0mm/hrより速く
した場合には、BBO単結晶全体に広がってしまう。こ
のため、引き上げ速度は、6.0mm/hrとすること
が望ましい。
【0051】実施例7 加熱反応後に生成するBaOの割合が48.5mol%
となり、B23の割合が51.5mol%となるよう
に、純度99.99%のBaCO3と、純度99.99
9%のB23とを秤量した以外は、実施例1と同様にし
てBBO単結晶を製造し、光散乱を観察した。また、散
乱強度を測定した。
【0052】実施例8 加熱反応後に生成するBaOの割合が49.0mol%
となり、B23の割合が51.0mol%となるよう
に、純度99.99%のBaCO3と、純度99.99
9%のB23とを秤量した以外は、実施例1と同様にし
てBBO単結晶を製造し、光散乱を観察した。また、散
乱強度を測定した。
【0053】実施例9 加熱反応後に生成するBaOの割合が50.5mol%
となり、B23の割合が49.5mol%となるよう
に、純度99.99%のBaCO3と、純度99.99
9%のB23とを秤量した以外は、実施例1と同様にし
てBBO単結晶を製造し、光散乱を観察した。また、散
乱強度を測定した。
【0054】実施例10 加熱反応後に生成するBaOの割合が51.0mol%
となり、B23の割合が49.0mol%となるよう
に、純度99.99%のBaCO3と、純度99.99
9%のB23とを秤量した以外は、実施例1と同様にし
てBBO単結晶を製造し、光散乱を観察した。また、散
乱強度を測定した。
【0055】実施例11 加熱反応後に生成するBaOの割合が48.0mol%
となり、B23の割合が52.0mol%となるよう
に、純度99.99%のBaCO3と、純度99.99
9%のB23とを秤量した以外は、実施例1と同様にし
てBBO単結晶を製造し、光散乱を観察した。また、散
乱強度を測定した。
【0056】実施例7、実施例8、実施例9、実施例1
0において光散乱を観察した結果を、それぞれ図13、
図14、図15、図16に示す。
【0057】なお、実施例11で生成したBBO単結晶
は、ほぼ全体にわたって白濁するとともに、クラックが
多数発生していたため、波長変換素子として使用するこ
とは困難である。そのため、散乱強度の測定と、光散乱
の観察とを行わなかった。
【0058】また、実施例9及び実施例10で生成した
BBO単結晶には、それぞれ中心から直径約10mm及
び20mmの範囲でやや赤みがかった着色が見られた。
この部分を光学顕微鏡で観察したところ、インクルージ
ョンとして気泡が観察された。このため、外周部の透明
部分について、散乱強度の測定と、光散乱の観察とを行
った。
【0059】図13乃至図15に示すように、融解液中
に含まれるBaOの割合を48.5mol%以上且つ5
0.5%以下とするときには、光散乱が観察されなかっ
た。また、図16に示すように、融解液中に含まれるB
aOの割合を51.0mol%以上とするときには、光
散乱が観察された。
【0060】また、実施例7〜実施例10について加熱
反応後に生成するBaOの割合と、散乱強度の相対値と
の関係をグラフに表したところ、図17に示すように、
融解液中に含まれるBaOの割合を48.5%以上且つ
50.5mol%以下とするときには、散乱強度は小さ
くなった。しかし、融解液中に含まれるBaOの割合が
50.5mol%より多くなると、散乱強度は大きくな
った。
【0061】このことから、融解液中に含まれるBaO
の量を48.5%以上且つ50.5mol%以下とする
ときには、50.5mol%より多いときに比べて、散
乱強度が小さくなることが判明した。したがって、融解
液中に含まれるBaOの量は、48.5%以上且つ5
0.5mol%以下とすることが望ましい。
【0062】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用したBBO単結晶の製造方法においては、光散
乱が少ないBBO単結晶を得ることが可能となる。ま
た、BBO単結晶中に歪みをもたらしてクラックを発生
させること、及び熱伝導を悪化させることを防ぐことが
可能となる。これにより、高性能である波長変換素子を
得ることができる。また、BBO単結晶の歩留まりが向
上するとともに、生産性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したBBO単結晶の製造過程を示
す模式図である。
【図2】本発明を適用して製造されたBBO単結晶の図
である。
【図3】光散乱を観察する装置を示した図である。
【図4】<001>方位で引き上げられるとともに、引
き上げ速度を2.0mm/hrとして製造したBBO単
結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図5】<110>方位で引き上げられるとともに、引
き上げ速度を2.0mm/hrとして製造したBBO単
結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図6】<100>方位で引き上げられるとともに、引
き上げ速度を2.0mm/hrとして製造したBBO単
結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図7】<001>方位で引き上げられるとともに、引
き上げ速度を1.5mm/hrとして製造したBBO単
結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図8】<001>方位で引き上げられるとともに、引
き上げ速度を3.0mm/hrとして製造したBBO単
結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図9】<001>方位で引き上げられるとともに、引
き上げ速度を4.0mm/hrとして製造したBBO単
結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図10】<001>方位で引き上げられるとともに、
引き上げ速度を0.5mm/hrとして製造したBBO
単結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図11】<001>方位で引き上げられるとともに、
引き上げ速度を1.0mm/hrとして製造したBBO
単結晶の光散乱の状態を示した模式図である。
【図12】引き上げ速度と散乱強度との関係を示した図
である。
【図13】<001>方位で引き上げられるとともに、
融解液中に含まれるBaOの量を48.5mol%とし
て製造したBBO単結晶の光散乱の状態を示した模式図
である。
【図14】<001>方位で引き上げられるとともに、
融解液中に含まれるBaOの量を49.0mol%とし
て製造したBBO単結晶の光散乱の状態を示した模式図
である。
【図15】<001>方位で引き上げられるとともに、
融解液中に含まれるBaOの量を50.5mol%とし
て製造したBBO単結晶の光散乱の状態を示した模式図
である。
【図16】<001>方位で引き上げられるとともに、
融解液中に含まれるBaOの量を51.0mol%とし
て製造したBBO単結晶の光散乱の状態を示した模式図
である。
【図17】融解液中に含まれるBaOの量と、散乱強度
との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 BBO種結晶、2 融解液、3 BBO単結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田附 幸一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AB12 CA02 FA12 HA20 4G077 AA02 BB10 CF01 CF10 EH09 5F072 KK12 QQ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベータバリウムボレイト単結晶を引き上
    げ法によって製造するに際し、 引き上げ方位を<001>方位とすることを特徴とする
    ベータバリウムボレイト単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ベータバリウムボレイト単結晶の引
    き上げ速度を、1.5mm/hr以上且つ6.0mm/
    hr以下とすることを特徴とする請求項1記載のベータ
    バリウムボレイト単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ベータバリウムボレイト単結晶を製
    造するときに使用する融解液における(BaO)/(B
    aO+B23)の値が、0.485以上且つ0.505
    以下であること(ここで、(BaO)は融解液中におけ
    るBaOのmol濃度であり、(BaO+B23)は融
    解液中におけるBaOのmol濃度と、B23のmol
    濃度との合計である。)を特徴とする請求項1記載のベ
    ータバリウムボレイト単結晶の製造方法。
JP29153799A 1999-10-13 1999-10-13 ベータバリウムボレイト単結晶の製造方法 Pending JP2001114593A (ja)

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