JP2001114511A - βゼオライトおよびその製造方法 - Google Patents

βゼオライトおよびその製造方法

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JP2001114511A
JP2001114511A JP29602699A JP29602699A JP2001114511A JP 2001114511 A JP2001114511 A JP 2001114511A JP 29602699 A JP29602699 A JP 29602699A JP 29602699 A JP29602699 A JP 29602699A JP 2001114511 A JP2001114511 A JP 2001114511A
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bea
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Masahiko Matsukata
正彦 松方
Mitora Anupamu
ミトラ アヌパム
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Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べ3価金属含量が多く微細な結晶粒
径を有するBEA型メタロシリケートを提供する。また
その効率の良い製造方法を提供する。 【解決手段】 3価の金属塩と、テトラアルキルオルソ
シリケート等のシリカ源と、テトラエチルアンモニウム
イオン等を有する非揮発性の構造指示剤とを含有する粉
末状原料組成物を、50〜140℃で水蒸気のみと接触
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、BEA型メタロシ
リケートおよびその製造方法に関するものである。BE
A型メタロシリケートは、各種反応の触媒や吸着剤等と
して有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトβ(格子中に取り込まれる金
属がアルミニウムであるBEA型メタロシリケート)
は、米国特許3,308,069号明細書で初めて開示
された12員環細孔を有するゼオライトである。従来、
ゼオライトβは、例えば、Applied Catalysis 31巻3
5〜64頁(1987)に示されているように構造指示剤とし
てテトラエチルアンモニウムイオンを用いた水性反応ス
ラリーを原料とし、その均一混合スラリーを調製し、そ
れを加熱することによってゼオライトβを結晶化させる
方法、いわゆる水熱合成法により合成されている。しか
しながら得られるゼオライトβは、Alの含有量の少な
いものであり、また結晶粒径も100nm以上と大きい
ものであった。
【0003】また、特開平9−175818号公報等に
は、いわゆるドライゲルコンバージョン(DGC)法に
よるゼオライトβの合成法が提案されている。すなわち
50℃以上の温度で乾燥した粉末状原料組成物を180
℃前後で自生する水蒸気とのみ接触させることを特徴と
するゼオライトβの合成方法である。この乾燥粉体は、
化学組成が酸化物のモル比で表してSiO2 /Al2
3 =30〜600、M 2 O/SiO2 =0.0〜0.
1、TEA2 O/SiO2 =0.15〜0.25(ここ
でMはアルカリ金属,TEAはテトラエチルアンモニウ
ムを表す)である。
【0004】しかしながら、その方法で得られるゼオラ
イトβは、ゼオライトβ中のAlに対するSiの原子比
は15以上で、Alの含有量が少ないものであり、また
結晶粒径もそれほど小さいものではなかった。以上のよ
うに、従来の方法では、Siに対するアルミニウムの含
有量の大きいゼオライトβは合成されていなかった。ま
た、数十nmオーダー以下の超微粒子のゼオライトβは
合成されていなかった。
【0005】さらに、触媒分野においては、触媒反応に
有利な結晶粒径の小さいゼオライトβおよび/またはA
lの含有量の多いゼオライトβが要望されている。ま
た、上記した従来の水熱合成法では、加熱時に原料成分
の一部は水に溶解するため、結晶へ転化する成分の割合
は必然的に低下するとともにアルカリ成分が希釈される
ため、結晶化時間が長くなる問題点があった。また、水
性スラリーを加熱するため、生成結晶の重量に対して比
較的大きな容積の密閉容器を必要とする等の欠点を有し
ている。
【0006】また、従来の水熱合成法では例えばApplie
d Catalysis 31巻35〜64頁(1987)に示されている
ように、ゼオライトβの生成するSiO2 /Al2 3
の範囲が狭く特にアルミニウムの含有量の多いゼオライ
トβを合成することは困難であった。また、従来のDG
C法では、処理温度が180℃程度と比較的高く結晶化
時間は短いものの、Si/Al原子比は15以上とアル
ミニウムの含有量の大きいゼオライトβは得られていな
い。
【0007】また、Chemical Communication1996
625〜626頁(1996)では、仕込み組成のアルミニウ
ムが多いと安定したゼオライトβ合成ができないことが
示されており、合成法としてはまだ不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、以上の様な状況に鑑みてなされたものであり、その
課題は、ケイ素/3価金属比で2以上5未満の、従来に
比べ3価金属含量の多いBEA型メタロシリケートを提
供することにある。本発明の他の課題は、従来に比べ微
細な結晶粒径を有するBEA型メタロシリケートを提供
することにある。
【0009】本発明のさらに別の課題は、前記BEA型
メタロシリケートを安定的にかつ効率良く製造する方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のBEA型メタロ
シリケートは、CuKα線を用いた粉末X線回折スペク
トルの主ピークである(h,k,l)=(3,0,2)
面のピークの半価幅が0.7°以上である。本発明の他
のBEA型メタロシリケートは、結晶中に取り込まれた
ケイ素と3価金属M1 との原子比Si/M1 が2以上5
未満である。
【0011】本発明のさらに別のBEA型メタロシリケ
ートは、CuKα線を用いた粉末X線回折スペクトルの
主ピークである(h,k,l)=(3,0,2)面のピ
ークの半価幅が0.7°以上であり、かつ結晶中に取り
込まれたケイ素と3価金属M 1 との原子比Si/M1
2以上5未満である。また、本発明のBEA型メタロシ
リケートの製造方法は、3価の金属塩とシリカ源と非揮
発性の構造指示剤とを含有する粉末状原料組成物を、5
0〜140℃で水蒸気のみと接触させるようにする。
【0012】前記構造指示剤は、テトラエチルアンモニ
ウムイオンを有する化合物であることが好ましい。また
前記粉末状原料組成物は、シリカ源としてテトラアルキ
ルオルソシリケートを含有し、該テトラアルキルオルソ
シリケートを加水分解させながら調製してなるものであ
ることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のBEA型メタロシリケートの製造方法は、3価
の金属塩とシリカ源と非揮発性の構造指示剤とを含有す
る粉末状原料組成物を、50〜140℃で水蒸気のみと
接触させることを特徴とする。
【0014】前記粉末原料組成物は、3価の金属塩とシ
リカ源と非揮発性の構造指示剤とを含有するものであれ
ば特に限定されないが、3価の金属塩、シリカ源、アル
カリ成分および非揮発性の構造指示剤より成るものが好
ましい。該組成物中には水分は多量に含有する必要がな
い。前記3価金属としては、アルミニウム、鉄、ホウ
素、ガリウム、コバルト、クロムなど、特にアルミニウ
ムが好適に用いられる。3価の金属塩としては、上記3
価金属の硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、水酸化物など
が用いられる。3価金属が、アルミニウムの場合は、ア
ルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、アルミノシ
リケートゲルなどを例示することができる。
【0015】前記シリカ源としてはコロイダルシリカ、
無定形シリカ、珪酸ナトリウム、アルミノシリケートゲ
ル、テトラアルキルオルソシリケートなどが用いられる
が、特にテトラアルキルオルソシリケート、中でもテト
ラエチルオルソシリケートが好ましい。これらの原料
は、他の成分とも十分均一に混合できる形態のものが望
ましい。
【0016】前記アルカリ成分としては苛性ソーダ、ア
ルミン酸ソーダおよびケイ酸ソーダの中のアルカリ成
分、またはアルミノシリケートゲル中のアルカリ成分な
どが好適に用いられる。また、水酸化カリウム、アルミ
ン酸カリウムなどを用いても良い。構造指示剤とはメタ
ロシリケートを合成する際に、その目的の結晶構造を誘
導するために用いられる物質であり、各種アミン類、各
種4級アンモニウム塩などが用いられる。非揮発性の構
造指示剤としては、テトラアルキルアンモニウムイオン
をカチオンとし、ヒドロキシドイオンやハロゲンイオン
を対アニオンとする物質が好ましく用いられる。トリア
ルキルアミン類などが揮発性であるのに対し、テトラア
ルキルアンモニウムイオンがカチオンとなっている場合
は、分解する温度よりも低温の沸点を示さず実質的に非
揮発性である。分子中のアルキル基としては、エチル基
のテトラエチルアンモニウムイオンが好ましく用いられ
る。具体的な化合物としてはテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムクロリドなど
が挙げられる。
【0017】前記粉末原料組成物の調製方法は、特に限
定されないが、具体例を以下に示す。まず水の存在下で
各原料を十分に混合し、均一なスラリーとする。この場
合の水の量は特に限定されない。シリカ源の一部または
全てにテトラアルキルオルソシリケートを用いる場合
は、加水分解を行いながらスラリーを形成させることが
好ましい。
【0018】次にこの均一スラリーを攪拌しながら乾燥
し、粉末状原料組成物を得る。このときの乾燥温度の上
限は特に限定されないが、水分が沸騰しない温度範囲が
好ましく、その温度での平衡水分量になるまで均一に乾
燥する。また、乾燥する方法は特に限定されないが、原
料混合物の水性スラリーを攪拌下で乾燥することが望ま
しい。乾燥温度が低い場合は減圧下での乾燥なども用い
ることができる。
【0019】得られる粉末状原料組成物の化学組成は元
素のモル比で表してSi/M1 =1〜20、M2 /Si
=0.01〜0.6、TAA/Si=0.1〜5の範囲
が好ましく、より好ましくは、Si/M1 =2〜10、
2 /Si=0.01〜0.3、TAA/Si=0.1
〜3である。(ここでM1 は3価金属、M2 はアルカリ
金属、TAAはテトラアルキルアンモニウムを表す)こ
のようにして調製された粉末状原料組成物は、50〜1
40℃で水蒸気のみと接触させる。その方法は特に限定
されず、例えば、密閉容器の中に入れ、水と直接接触す
ることなく、反応温度で自生する水蒸気とのみ接触させ
て結晶化する。あるいは粉末状原料組成物を容器内に入
れ、その外側に水を入れた密閉容器を用いてもよい。ま
た、水蒸気と接触させながら粉末状原料組成物を連続的
に移動させる方法でもよい。
【0020】結晶化させる温度は、通常50〜140℃
の範囲であり、好ましくは80〜120℃の範囲であ
る。50℃未満の温度では結晶化速度が非常に遅く経済
合理性に欠ける場合がある。また、140℃を超える温
度では3価金属が十分取り込まれなかったり、結晶粒子
径が大きくなったりする場合がある。また前記粉末状原
料組成物を水蒸気のみと接触させて加熱する場合の装置
は特に限定されるものではない。実施例で用いた装置を
図1に示すが、実施態様はこれに限定されない。図1の
装置では、熱電対(b)を備えた密閉容器(a)内に、
PolyTetraFluorEthylene(PTFE)でライニングした
容器(c)が配置されている。前記容器(c)はある高
さにおいてPTFE製支持板(d)を保持することがで
きるようになっている。この支持板(d)の上に粉末状
原料組成物(e)を置き、容器(c)の底に水(f)を
入れ、熱電対(b)により加熱することで、前記粉末状
原料組成物(e)を水蒸気のみと接触させて加熱するこ
とができる。
【0021】前記した本発明の製造方法によって、合成
後の結晶中に取り込まれたケイ素と3価金属M1 との原
子比Si/M1 が2以上5未満、特に2以上4.5未満
という従来得られなかった原子比のBEA型メタロシリ
ケートが合成できる。また、前記した本発明の製造方法
によって生成するBEA型メタロシリケートは非常に微
細な結晶である。結晶径を示すパラメータであるCuK
α線を用いた粉末X線回折スペクトルの主ピークである
(h,k,l)=(3,0,2)面のピークの半価幅
は、従来の合成法では高々0.3〜0.4°であるのに
対して、前記した本発明の製造方法によって生成するB
EA型メタロシリケートは、0.5°以上であり、中に
は0.7゜以上、さらには1°以上の半価幅を示すもの
も合成できる。
【0022】本発明のBEA型メタロシリケートは、C
uKα線を用いた粉末X線回折スペクトルの主ピークで
ある(h,k,l)=(3,0,2)面のピークの半価
幅が0.7°以上であることを特徴とする。一般に、X
線回折パターンの半価幅は結晶子の大きさに起因する因
子、格子歪等の結晶性に起因する因子及び装置固有の因
子(装置定数)の3因子に影響される。本発明では、回
折装置に起因する外因効果(装置定数)も含んだ半価幅
を意味する。ただし、装置定数は装置の主たるパラメー
タにより決まってくるので、以下に本発明の規定に用い
た半価幅を測定したX線回折装置のパラメータを示す。 縦型ゴニオメータ ゴニオ半径185mm スリットDS(DivergenceSlit)=S
S(ScatteringSlit)=1° RS(R
eceivingSlit)=0.3mm グラファイト湾曲モノクロメータ使用 ターゲットCu 測定条件 加速電圧40kV、電流20mA 本発明の他のBEA型メタロシリケートは、結晶中に取
り込まれたケイ素と3価金属M1 との原子比Si/M1
が2以上5未満であることを特徴とする。金属の含有量
は、一般的な化学分析(ICP、蛍光X線、原子吸光な
ど)や29SiMASNMRの解析などから決定すること
ができる。
【0023】また本発明の他のBEA型メタロシリケー
トは、CuKα線を用いた粉末X線回折スペクトルの主
ピークである(h,k,l)=(3,0,2)面のピー
クの半価幅が0.7°以上であり、かつ結晶中に取り込
まれたケイ素と3価金属M1との原子比Si/M1 が2
以上5未満であることを特徴とする。本発明のBEA型
メタロシリケートは、従来のものより結晶粒径が小さく
および/または3価金属の含有量が多いので、各種反応
の触媒や吸着剤等として有用な物質である。
【0024】また、本発明のBEA型メタロシリケート
は、例えば、前記のBEA型メタロシリケートの製造方
法等により、簡便に効率良く製造できる。
【0025】
【実施例】以下の実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明は、これらの実施例により何等限定され
るものではない。 実施例1 1.274gのアルミン酸ナトリウムを10.05gの
イオン交換水に溶解させた。この溶液に20重量% のテ
トラエチルテトラエチルヒドロキシド水溶液50.51
8gを加え、この混合溶液を60℃の湯浴上で数時間加
熱し、水分が19.8gになるまで加熱した。ここへ1
4.534gのテトラエチルオルソシリケートを加え、
ゲルを生成させた。
【0026】このゲルを氷で冷却したウオーターバス上
へ移し、バス温を15〜20℃に保って24時間攪拌し
ながら熟成させた。熟成後のゲルを60℃で乾燥し、粉
末状の原料組成物を得た。乾燥した粉末状原料組成物
(e)を、図1に示した熱電対を備えた密閉容器(a)
にPolyTetraFluorEthylene(PTFE)でライニングし
た容器(c)内の、PTFE製支持板(d)上に置き、
容器の底に水(f)を入れ、100℃で6〜12日加熱
した。用いる水は内容積55mlの容器の場合、粉末状
原料組成物1.5gに対し0.5gである。加熱後の生
成物を水洗後、80℃で乾燥した。
【0027】前記したパラメータを有するX線回折装置
を用いて、この生成物のCuKα粉末X線回折測定を行
った結果、図2に示すようにBEA型メタロシリケート
(M1 :アルミニウムなのでゼオライトβ)であった。
29Si MASNMRの解析からそのSi/M1 比は
4.9であった。また2θで22〜23°の(h,k,
l)=(3,0,2)面によるピークの半価幅は1.9
°であった。
【0028】図3には、走査型電子顕微鏡の写真を示
す。半価幅から予想されるように非常に微細な超微粒子
となっており、10nm程度の結晶粒子も見られる。図
4には、27Al MASNMRのスペクトルを示した。
4配位のアルミニウム種しか観測されず、ア ルミニウ
ムは全て結晶に取り込まれていることがわかる。
【0029】実施例2 各原料の使用量を、アルミン酸ナトリウム1.997
g、テトラエチルアンモニウムテトラエチルヒドロキシ
ド36.829g、テトレエチルオルソシリケート1
0.521gおよびイオン交換水22.43gに変えた
以外は、実施例1と同様にして乾燥した粉末状原料組成
物を調製し、100℃で14〜45日加熱してBEA型
メタロシリケートを合成した。その化学分析(試料をK
OH溶液に溶解後ICPで分析)およびNMRで測定し
たSi/M1比は3.5であった。また、実施例1と同
様の装置を用いてCuKα粉末X線回折測定を行ったと
ころ、BEA型メタロシリケートであった。また2θで
22〜23°の(h,k,l)=(3,0,2)面によ
るピークの半価幅は0.71°であった。
【0030】実施例3 0.809gの水酸化ナトリウムと1.506gの水酸
化アルミニウムとを12.7gのイオン交換水の存在下
でホットプレート上で高温に加熱した。この混合物が高
温で不透明になったら、20重量%のテトラエチルヒド
ロキシド水溶液47.24gを加え、加熱温度を60℃
とした。最終的な混合物の水分を25.6gまで濃縮
し、13.64gのテトラエチルオルソシリケートを加
えゲルを生成させた。
【0031】このゲルを氷で冷却したウオーターバス上
へ移し、バス温を15〜20℃に保って24時間攪拌し
ながら熟成させた。熟成後のゲルを60℃で乾燥し、粉
末状の原料組成物を得た。乾燥した粉末状原料組成物
を、図1に示した熱電対を備えた密閉容器(a)にPT
FEでライニングした容器(c)内の、PTFE製支持
板(d)上に置き、容器の底に水(f)を入れ、100
℃で6〜12日加熱した。用いる水は内容積55mlの
容器の場合、粉末状原料組成物1.5gに対し0.5g
である。加熱後の生成物を水洗後、80℃で乾燥した。
【0032】生成物について、実施例1と同様の装置を
用いてCuKα粉末X線回折測定を行った結果、BEA
型メタロシリケートであった。その化学分析(試料をK
OH溶液に溶解後ICPで分析)およびNMRで測定し
たSi/M1 比は3.48であった。 比較例1 ゲルを乾燥する前の段階までは、実施例1と同様に操作
を行った。得られた粉末状原料組成物を、通常の水熱合
成の方法で100℃の温度で14日結晶化させた。
【0033】得られた物質について、実施例1と同様の
装置を用いてCuKα粉末X線回折測定を行ったとこ
ろ、BEA型メタロシリケートは生成しておらず、ZS
M−20が生成していた。 比較例2 以下の(1)から(5)に示される手順の、従来から知
られているドライゲルコンバージョン法でゼオライトβ
を合成した。 (1)無水A12 (SO4 3 O.57gをイオン交換
水20cm3 に懸濁,約80℃にて溶解させた。溶解後
放冷し、攪拌しながら20℃の冷蔵庫に保存した。 (2)4mo1/L NaOH水溶液0.9cm3 と2
0重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
13.6gをPTFE製ビーカー内で混合した。攪拌し
ながら20℃の冷蔵庫に保存した。 (3)コロイダルシリカ(SiO2 :30重量%)l0
gをPTFE製ビーカーに分取し、20℃の冷蔵庫に保
存した。 (4)それぞれの試料溶液を一気に混合し、20℃の冷
蔵庫内で攪拌,熟成を2時間行なった。 (5)混合液を熟成後,80℃のホットプレート上にて
加熱概枠し、約2時間かけて乾燥させた。 (6)乾燥ゲルを乳鉢にて粉砕し、粉末1.5gをPT
FE製カップに入れた。 (7)45cm3 のPTFE製容器底に1cm3 のイオ
ン交換水を注入し、PTFE製カップを容器内に入れ
た。PTFE製カップ内の粉末には容器底の水が直接触
れないようにした。 (8)PTFE製容器をステンレス製のジャケット(耐
圧力容器)に入れ蓋をし、175℃オーブン内にて約5
時間結晶化させた。
【0034】得られた生成物について、実施例1と同様
の装置を用いてCuKα粉末X線回折測定を行ったとこ
ろ、粉末X線回折測定からゼオライトβが生成している
ことが確認された。(h,k,l)=(3,0,2)面
によるピークの半価幅は0.29°と小さく、結晶径が
大きいことを示している。また、その化学分析(試料を
KOH溶液に溶解後ICPで分析)およびNMRで測定
したところ、Si/M 1 比は15であり、結晶中のアル
ミニウム含有量が小さいことがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明のBEA型メタロシリケートは、
従来のものより結晶粒径が小さく、および/またはAl
の含有量が多いので、各種反応の触媒や吸着剤等として
有用な物質である。本発明の方法によれば、非揮発性の
構造指示剤を含有する粉末状原料組成物を用い、従来結
晶化しにくいと考えられてきた低い温度範囲で水蒸気と
接触させることにより、3価金属を多く含有し非常に微
細な結晶のBEA型メタロシリケートを得ることができ
る。
【0036】また前記粉末状原料組成物の容積を減少さ
せることができるので、容積あたりの反応効率を高める
ことができる。また、前記粉末状原料組成物を用いるた
め、原料成分が水に溶解することがなく、ほとんどが結
晶に転移するので反応収率を高めることができるととも
に結晶化時間を大幅に短縮できる。
【0037】したがって、水蒸気と接触させながら粉末
状原料組成物を連続的に移動させる方式を採用すれば、
BEA型メタロシリケートの連続合成が可能である。ま
た、廃液がほとんど発生しないため、回収、廃液処理の
必要がなく経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で粉末状原料組成物と水蒸気とを接触
するために使用した装置を示す。
【図2】 実施例1の生成物のCuKα粉末X線回折ス
ペクトルを示す。
【図3】 実施例1の生成物の走査電子顕微鏡写真を示
す。
【図4】 実施例1の生成物の27Al MASNMRス
ペクトルを示す。
【符号の説明】
(a):密閉容器 (b):熱電対 (c):PTFE製容器 (d):支持板 (e):粉末状原料組成物 (f):水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G066 AA13A AA20A AA61B AB13D AB18A BA31 FA20 FA21 FA37 4G073 AA02 BA14 BA36 BA40 FB11 FB12 FB14 FB19 FB26 FC06 FC25 FC27 FD02 FD15 FD21 GA02 GA11 UA01 UA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKα線を用いた粉末X線回折スペク
    トルの主ピークである(h,k,l)=(3,0,2)
    面のピークの半価幅が0.7°以上であるBEA型メタ
    ロシリケート。
  2. 【請求項2】 結晶中に取り込まれたケイ素と3価金属
    1 との原子比Si/M1 が2以上5未満であるBEA
    型メタロシリケート。
  3. 【請求項3】 CuKα線を用いた粉末X線回折スペク
    トルの主ピークである(h,k,l)=(3,0,2)
    面のピークの半価幅が0.7°以上であり、かつ結晶中
    に取り込まれたケイ素と3価金属M1 との原子比Si/
    1 が2以上5未満であるBEA型メタロシリケート。
  4. 【請求項4】 3価の金属塩とシリカ源と非揮発性の構
    造指示剤とを含有する粉末状原料組成物を、50〜14
    0℃で水蒸気のみと接触させる工程を含むBEA型メタ
    ロシリケートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記構造指示剤がテトラエチルアンモニ
    ウムイオンを有する化合物である請求項4記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記粉末状原料組成物が、シリカ源とし
    てテトラアルキルオルソシリケートを含有し、該テトラ
    アルキルオルソシリケートを加水分解させながら調製し
    てなるものである請求項4または5記載の製造方法。
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