JP2001112486A - 遺伝子解析結果の記録方法 - Google Patents

遺伝子解析結果の記録方法

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JP2001112486A
JP2001112486A JP2000235709A JP2000235709A JP2001112486A JP 2001112486 A JP2001112486 A JP 2001112486A JP 2000235709 A JP2000235709 A JP 2000235709A JP 2000235709 A JP2000235709 A JP 2000235709A JP 2001112486 A JP2001112486 A JP 2001112486A
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JP2000235709A
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Masahiko Fujino
政彦 藤野
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B30/00ICT specially adapted for sequence analysis involving nucleotides or amino acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

Abstract

(57)【要約】 【課題】遺伝子解析結果の記録方法の提供。 【解決手段】特定の遺伝子に関して、基準となる遺伝子
の塩基配列に対するドナーの遺伝子の塩基配列の変化の
有無を解析し、該遺伝子に固有の識別情報及び解析結果
を携帯可能な記録媒体に光学的な記録方法により記録す
ることを特徴とする遺伝子解析結果の記録方法など。 【効果】 本発明によれば、染色体ゲノムまたはミトコ
ンドリアゲノム上に存在する遺伝子の変化(変異、変
種、多型など)およびこれに基づく疾患罹患リスク、薬
剤の応答性及び副作用などに関する情報を系統的にかつ
自動的に記号化することができ、さらに、患者のプライ
バシーを守り、かつ、これらの情報を正確かつ迅速に活
用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色体ゲノムまた
はミトコンドリアゲノム上に存在する遺伝子の変化(変
異、変種、多型など)およびこれに基づく疾患罹患リス
ク、薬剤の応答性及び副作用などに関する情報を系統的
にかつ自動的に記号化することにより、患者のプライバ
シーを守り、かつ、これらの情報を正確かつ迅速に活用
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトゲノムは30億塩基対からなり、各個
人により多様な変化を示している。この多様性は、生殖
細胞において染色体複製時に起こるごく稀なDNA複製の
エラーが人類誕生以来蓄積・遺伝されてきたものと考え
られている。この多様性は、塩基置換、挿入あるいは欠
失などによる変化(変異)に分類され、それぞれ1塩基
だけに起こったもの、数塩基にわたるもの、さらに相当
の長さに渡るものなどがある。遺伝子の塩基配列の変化
((変異)以下、単に遺伝子の変化ということもある)
が集団の1%以上(研究者により10%以上)の場合は多型
(polymorphism)と呼ばれ、1%未満の場合は変種(vari
a nt)と呼ばれることが多いが、区別は明確でない。遺
伝子の変化の一部分が、単一あるいは複数個が組み合わ
さることにより、何らかの個人差、体質の違いとして生
物学的機能の差として表れる。例えば、特定の疾患に対
するリスクの差や種々の治療方法/治療薬に対する応答
性の差や特定の薬剤に対する副作用の差と密接に関係し
ていると思われる。
【0003】これらの遺伝子の変化(変異、変種や多
型)と糖尿病、肥満、高血圧、動脈硬化、ガン、高脂血
症、心疾患、免疫アレルギー、喘息、骨疾患、神経疾
患、アルツハイマー等の疾病の発症また発症リスクと密
接に関係することが知られてきている。遺伝病などのよ
うに単一遺伝子の変化が発症と直接関与する場合は疾患
原因遺伝子と呼ばれ、複数の遺伝的素因が関与し、個々
の遺伝子の変化が発症リスクを高める場合は疾患感受性
遺伝子と呼ばれることが多い。以下にその例を記載す
る。糖尿病に関する遺伝子変化と発症については、例え
ば、β3アドレナリンレセプターの多型(64番目のTrp
残基がArgに変化、以下Trp64Argのように略す)がピマ
インデイアンに多く見出され、肥満(糖尿病)の危険因
子となることが知られている(N. Engl. J.Med., 33
3:343、1995)。また、ミトコンドリアゲノムのtRNALe
u(UUR)遺伝子におけるA3243G変異と糖尿病の関係も報告
されている(Nat.Genet. 1:368,1992)。高血圧症にお
ける遺伝子変化と発症との関係では次のような例が知ら
れている。アンジオテンシンノーゲン遺伝子上の一塩基
置換による変異(Met235Thr)が高血圧症と有意に相関
することが示されている(Cell、71:169、1992)。ま
た、アンジオテンシンII 1型受容体遺伝子の3'非翻訳
領域の一塩基多型(A1166C)が高血圧と相関するという
報告もある(Hypertension, 24:63,1994)。神経疾患と
遺伝子変異の例としては、アポリポタンパク質E遺伝子
の多型(ApoE4, Cys112Arg)はアルツハイマー病の遺伝的
な危険因子として報告されている(Science, 261:921,
1993)。また、CAGの3塩基対の繰り返し配列(triple
t repeat)の伸長がハンチントン病(Cell 72:971、19
93)等の神経疾患の原因として知られている。動脈硬化
性疾患と遺伝子の変化の例では、lipoprotein lipase
(LPL)のプロモーターの変異(Proc. Natl. Acad. Sci
e., U.S.A.、1995, 92:4462)やアポリポタンパク質E
遺伝子の多型(ApoE2, Arg158Cys)と高脂血症の相関が認
められることが報告されている。ガンにおいては、例え
ば全乳がんの5-10%を占めるといわれている家族性乳が
んの多くはBRCA1(Nat. Genet. 8:387, 1994)とBRCA2
(Nature 378:789, 1 995)と名づけられた2つの原因遺
伝子の変化によることが明らかになっている。この遺伝
子の変化はタンパク質コード領域内の塩基置換や欠失に
よるnonsense変異やframeshift変異であることが知られ
ている。また、生殖細胞以外でのゲノムの変化は体細胞
変異と呼ばれており、子孫に受け継がれることはない
が、悪性腫瘍等においては体細胞変異が原因で発症する
ことがよく知られている。ガン抑制遺伝子であるp53の
変異では、例えば、骨肉腫(Lys120Ter、Arg282Trp、Gl
y245Ser:New Eng. J. Med. 326:1301、1992)や乳がん
(Arg181His、Cancer Res., 52:3234,1993)などが報告
されている。関節疾患においては、例えば、主要組織適
合性遺伝子複合体(major histocompatibility comple
x、MHC)の対立遺伝子であるHLA-DRB1*0401が慢性関節
リウマチの発症と関係していることが報告されている
(J. Clin. invest., 89:2033, 1992)。また変形性関節
症においても、aggrecanのVNTR多型の一つであるallele
27との相関が報告されている(Osteoarthritis Cartil
age、6:245,1998)。喘息では、例えば、IL-4受容体のα
鎖の変異(Ile50Val)による事例(Nat. Genet. 19:11
9,1998)やFcεRIβ鎖の変異(Ile18Leu)の事例(Cli
n. Genetics46:228、1994)などが知られている。糖原病
I型はグリコーゲンからグルコースへの糖代謝異常を示
すため、低血糖をしめす疾患であり、原因遺伝子として
glucose-6- phosphatase(G6Pase)が同定されている。
mRNAのスプライシング異常を伴うG273T変異やタンパク
質を変化させるTrp118Argなども報告されている(Am.
J. Hum. Genet., 57:549,1995; Biochem. Biophys. Re
s. Commun. 248:426,11998)。
【0004】また、遺伝子の変化は各種疾患の治療薬に
対する応答性の差や、特定の薬剤に対する副作用の差と
も密接に関係していることも明らかになっている。例え
ば、白人の40-60%に認められるN-アセチルトランスフェ
ラーゼの多型ではisoniazid、phenelzine, procainami
de等の薬剤のクリアランスが悪く、そのための副作用が
生じることが知られている(Science 281:1820、199
8;Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 37:268、199
7)。また、白人の5-10%に認められる薬剤低代謝表現型
が、チトクローム P450スーパーファミリーに属す
る薬剤代謝酵素であるCYP2D6に起因することが知られて
いる(Science 281:1 820、1998;Annu. Rev. Pharmac
ol. Toxicol. 37:268、1997)。5-HT2Aセロトニン受容
体遺伝子のタンパク質コード領域あるいはプロモーター
領域の多型が神経安定薬clozapineの有効性と関係して
いることが知られている(Neurosci. Lett.217:177,19
96)。また、ミトコンドリアゲノムの変化が疾病や薬剤
の副作用と密接に関連することも知られている。例え
ば、ストレプトマイシンなどのアミノグリコシド系抗生
物質の副作用で起こる聴覚障害は、ミトコンドリアゲノ
ムの変化(12SRNAのA15 55G)を持つ家系に認められ
ることが知られている(Nat. Genet., 4:289, 1993)。
【0005】また、これまでは、多型マーカーを連鎖解
析のマーカーとして用いて、遺伝病などの原因遺伝子が
同定されてきている。すなわち、制限酵素断片長多型
(restriction fragment length polymorphism、RFLPと
も呼ばれる)、ミニサテライト多型(minisatellite po
lymorphism;variable number of tandem repeat、VNTR
とも呼ばれる)、マイクロサテライト多型(microsatel
lite polymorphism)などの多型性マーカーがヒト染色
体の遺伝子の場所を同定する(マッピング)ために用い
られてきた。制限酵素断片長多型は制限酵素処理により
生じる断片長による多型であり、最初に連鎖解析に用い
られた多型である。多くは1塩基置換によるため、対立
遺伝子が2つのことが多く、主にサザンハイブリダイゼ
ーションで解析された。ミニサテライト多型はゲノム中
に数百から数千コピー存在する7塩基から40塩基を1ユ
ニットとする繰り返し配列で、この繰り返しの数が個々
の対立遺伝子で異なり、複数の対立遺伝子を有してい
る。RFLPと同様にサザンハイブリダイゼーションあるい
はPCRによるTaq Man法などで解析するのが一般的であ
る。マイクロサテライト多型は1から4塩基対の配列が
繰り返しゲノム上で出現する多型であり、ヒトゲノム上
に5-10万個存在する。対立遺伝子が複数個存在し、PCR
法により同定できることから、現在の連鎖解析マーカー
の主流になっている。特にCAの繰り返し配列によるマイ
クロサテライト多型は約6,000種がヒトゲノム上にマッ
ピングされ、連鎖解析のマーカーとして遺伝病の原因遺
伝子などの同定によく用いられている。しかし、遺伝病
と異なり多くの生活習慣病が疾患感受性遺伝子が複数組
み合わさる多因子性疾患と考えられ、その疾患感受性遺
伝子の同定には、マイクロサテライト多型より高密度な
連鎖解析マーカーの存在が必要とされてきている。ヒト
ゲノムの全塩基配列を決定するヒトゲノム計画の進展と
ヒト組織・細胞由来のmRNAに由来するcDNAの部分塩基配
列情報であるEST(expression seq uencetag)計画など
により、ヒト遺伝子の塩基配列が莫大な情報として収集
されてきた。その結果、ヒトゲノム上で平均約1,000塩
基対(研究者により300-500塩基対)に1個所見出され
るSNP(single nucleotide polymorphism、一塩基多
型)がマイクロサテライト多型に代わる高密度かつ有効
な染色体位置情報のマーカーとして注目されてきた。通
常、SNPは対立遺伝子(allele)が2つしかないが、連続
するSNPの組み合わせ(haplotype)で解析することによ
り、連鎖解析が可能とされている。ヒト全ゲノム上で30
0万個以上存在すると予想されるSNPのうち、15万-30万
のSNPマーカーのマッピングを行い、これを指標として
疾患感受性遺伝子などを発見しようとする動きが活発化
している。これにより、家系分析(遺伝病など明らかな
家族性疾患の場合で、家系構成員のDNAを用いて行う連
鎖解析)や罹患同胞対法(affected sib pair method、
病気の兄弟・姉妹のDNAだけを用いて行う)などの血縁者
の集団を用いた解析に限定されることなく、他人同士を
比較するassociation study法により、生物学的機能
(疾患原因遺伝子や疾患感受性遺伝子、あるいは薬剤の
応答性や副作用など)に関する遺伝子の同定が可能にな
ると考えられている。SNPを用いた場合、指標に用いたS
NPが認められる遺伝子の質的・量的な変化が直接的に、
生物学的機能に関係していることが期待される。それ以
外であっても、生物学的機能に密接に関係する遺伝子と
密接に連鎖していることになる。この場合でも、マイク
ロサテライト多型に比べてゲノム上で高密度であるた
め、目的の遺伝子の同定がより迅速に行える。このた
め、疾患原因遺伝子や疾患感受性遺伝子、薬剤の応答性
や副作用に関する遺伝子の情報が加速度的に蓄積されて
いくものと思われる。一方、遺伝子変化の検出法(遺伝
子検査法)としては、例えば、塩基配列決定法、SSCP
(single strand conformation polymorphism)法、DNA
チップなどを用いたハイブリダイゼーション法などがあ
る。いずれの方法も被験者の血液細胞等から採取したDN
Aを用いて検査が可能である。塩基配列決定法は、PCR法
などで増幅後、塩基配列を決定することによりDNAの変
化を検出する。SSCP法はPCR後、非変成条件下での一本
鎖DNAの泳動度の違いにより変異が検出できる。ハイブ
リダイゼーション法は遺伝子の変化により、ハイブリダ
イゼーションの効率が異なることを利用して、変異を検
出するものである。これらの検査技術の進歩により、大
量処理化は比較的容易になりつつある。
【0006】このように、各個人の特徴を知る上でも遺
伝子の変化を調べ、それを医療に用いることは、きわめ
て重要な指標となりうる。生活習慣病などの疾病は多因
子疾患で10ないし20個ほどの疾患感受性遺伝子が関与す
ると推定されており、それぞれの感受性遺伝子について
数種類の遺伝子の変化(変異、変種、多型)が存在する
と考えられている。100個から数百個程度の遺伝子検査
が近い将来には日常的になると考えられている(メビ
オ、6月号、p79、1999)。
【0007】一方、バーコードは商品管理、販売管理等
に幅広く用いられている。バーコードは国際自動認識工
業会では「情報を幅が変化する平行かつ長方形のバーと
スペースの配列にコード化する自動認識技術」と定義
し、米国標準規格協会は「長方形のバーまたはスペース
の列で、あらかじめ決められたパターンになっているも
の」と定義している。バーコードの種類は非常に多く、
それぞれに特徴があり、使用目的や製品特性に適したシ
ンボルを選択し、規格化されている。数字情報に加えア
ルファベットやカナ・漢字などを表現できるものがあ
る。通常のバーコードは、シンボルキャラクターを直線
的に並べた1次元コードであり、例えばJANコード(JIS-
X0501)、ITFコード(インターリーブ2of5、JIS-X050
2)、CODE39(JIS-X-0503)、Code 2of5、Matrix 2of5、Co
de128などがある。これらに対し、シンボルキャラクタ
ーまたはそれに相当する情報単位を縦横に配置した2次
元バーコードがある。二次元バーコードには1次元バー
コードを積み重ねたスタック形(例、Code49、PDF417な
ど)と碁盤上に石を並べたマトリックス型(例、DataMat
rix、DataCode、QR Code、MaxiCode、AztecCode、Veri
Code等)の2種類がある。広く使われているバーコードと
しては、JAN(Japanese article number)標準タイプが
小売業界を中心に使用されている。また、米国の医療機
器業界では、健康医療産業標準化協会(HIBCC)が
Code39を採用し、製品番号や製造番号、有効期限などの
マーキングを行っていたが、最近ではCode128をベース
にしたUCC/EAN128を使用することが多くなっている。日
本の医療業界でも、バーコードの標準化が検討され、HI
BCCやEHIBCC(欧州健康医療産業標準化協会)が標準化
したUCC/EAN128を採用することとなっている(知っ
ておきたいバーコード・二次元コードの知識、日本工業
出版、平本純也著、1997年)。また、京都大学病院では
IDカードにバーコードが使用されている(バーコードの
秘密、小塚洋司著、裳華社、1996年)。このように、医
療業界においてもバーコードの普及は著しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】(1)個体の遺伝子変化
の解析結果を正確かつ迅速に特徴づける分類法、 (2)病
院等の医療現場における患者の疾患罹患予測や最適治療
法予測、例えば治療薬の応答性及び副作用を予見する遺
伝子の変化(変異、変種、多型など)の正確で迅速な記
録・管理方法、さらに、(3)この方法の実施において患
者のプライバシーを保護することができる方法や、(4)
患者自身が個人情報を携帯できる方法などの開発が望ま
れていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、患者の疾患罹
患予測、治療薬の応答性、及び副作用に関係するヒトSN
P等の多型情報を光学的に記録することにより、病院等
の医療現場で迅速かつ適切な診断・治療が可能となるこ
とを見出した。
【0010】すなわち、本発明は、(1)特定の遺伝子
に関して、基準となる遺伝子の塩基配列に対するドナー
の遺伝子の塩基配列の変化の有無を解析し、該遺伝子に
固有の識別情報及び解析結果を携帯可能な記録媒体に光
学的な記録方法により記録することを特徴とする遺伝子
解析結果の記録方法、(2)さらに、該遺伝子のドナー
に固有の識別情報を携帯可能な記録媒体に光学的、磁気
的および/または電子的な記録方法により記録すること
を特徴とする前記(1)記載の方法、(3)さらに、該
遺伝子の塩基配列の変化によって生じうる生物学的機能
の変化に関するデータを携帯可能な記録媒体に光学的
に、磁気的に、および/または電子的に記録することを
特徴とする前記(1)記載の方法、(4)光学的な記録
方法がバーコードに記録する方法である前記(1)、
(2)または(3)記載の方法、(5)遺伝子の塩基配
列の変化が変異である前記(1)記載の方法、(6)遺
伝子の塩基配列の変化が多型または変種である前記
(1)記載の方法、(7)遺伝子の塩基配列の変化が一
塩基多型である前記(1)記載の方法、(8)遺伝子の
塩基配列の変化がその個体を特徴づけるものである前記
(1)記載の方法、(9)遺伝子の塩基配列の変化が特
定の疾患の原因あるいは罹患リスクの分類を可能にする
ものである前記(1)記載の方法、(10)遺伝子の塩
基配列の変化が疾患治療薬の有効性の分類を可能にする
ものである前記(1)記載の方法、(11)遺伝子の塩
基配列の変化が特定の薬剤の副作用発現リスクの分類を
可能にするものである前記(1)記載の方法、(12)
当該遺伝子が染色体ゲノムに由来するものである前記
(1)記載の方法、(13)当該遺伝子がミトコンドリ
アゲノムに由来するものである前記(1)記載の方法、
(14)当該遺伝子が哺乳類由来のものである前記
(1)記載の方法、(15)当該遺伝子がヒト由来のも
のである前記(1)記載の方法、(16)特定の遺伝子
に関する遺伝子解析データ記録システムであって、遺伝
子に固有の識別情報および遺伝子の解析結果を入力する
ための入力手段と、入力されるデータを管理するデータ
管理手段と、入力されるデータを携帯可能な記録媒体に
光学的な記録方法により記録するための出力手段とを備
えたシステム、(17)特定の遺伝子に関して、基準と
なる遺伝子の塩基配列に対するドナーの遺伝子の塩基配
列の変化の有無を解析し、該遺伝子に固有の識別情報及
び解析結果を光学的な記録方法により記録した携帯可能
な媒体等に関する。
【0011】「遺伝子の変化」とは、例えば染色体ゲノ
ム上あるいはミトコンドリアゲノム上に1塩基だけに起
こったもの、数塩基にわたるもの、さらに相当の長さに
わたる変化があり、変化には、欠失、挿入、置換、転座
などがある。これらの遺伝子の変化は遺伝子の変種(va
riant)であっても、遺伝子多型であってもよい。ここ
でいう遺伝子多型としてはRFLP、VNTR多型、マイクロサ
テライト多型、SNP等が挙げられる。これらの遺伝子の
変化は父母からの遺伝によるものであって、母性遺伝で
あっても、体細胞変異であってもよい。この遺伝子の変
化は、医療現場で必要な情報に関係するものが望まし
い。とりわけ、疾患罹患との関連、薬剤の応答性、薬剤
の副作用等に関連する遺伝子の変化が望ましい。この遺
伝子の変化には、1)遺伝子産物(タンパク質、RNA)
に対応する構造遺伝子の変化であって、RNA、タンパク
質、ペプチドなどの生体成分との結合反応性、遺伝子産
物の細胞内局在性、遺伝子産物の触媒作用、遺伝子産物
の安定性、薬剤に対する親和性などが正常遺伝子産物と
は異なる場合、2)プロモーター/エンハンサーなどの
遺伝子の発現に関与する領域の変化であって、正常な遺
伝子の発現と異なる場合、3)非翻訳部分などの変化で
あって、翻訳効率やm RNAの安定性が正常な遺伝子と異
なる場合、4)イントロンなどの変化であって、スプラ
イシングが異常になる場合、など遺伝子の変化が直接、
遺伝子産物の質や量などに影響を与え、その結果、個人
差(疾患罹患のリスク、薬剤の応答性、薬剤の副作用
等)として生物学的機能の差として表れる場合が望まし
い。しかし、遺伝子の変化が直接的に生物学的機能に関
係しない場合であっても、連鎖解析により、生物学的機
能に影響を与える遺伝子の変化と密接に連鎖しているこ
とが明らかなものであってもよい。
【0012】ドナーの遺伝子の変化を解析する際に用い
られる基準となる遺伝子の塩基配列としては、例えば、
正常な塩基配列、異常な塩基配列などが挙げられる。正
常な塩基配列とドナーの遺伝子の塩基配列とに差異があ
るか、あるいは、異常な塩基配列とドナーの遺伝子の塩
基配列に差異がなければドナーの塩基配列が変異してい
ると判定することができる。「疾病」または「疾患」と
しては、神経疾患、アルツハイマー病、精神分裂病、う
つ病、高血圧症(例、本態性高血圧など)、糖尿病
(例、インスリン依存および非依存型糖尿病など)、肥
満、心臓疾患(例、心筋梗塞など)、ガン(例、大腸ガ
ン、前立腺ガンなど)、骨疾患(例、骨粗鬆症など)、
関節疾患(例、変形性関節症、慢性関節リウマチな
ど)、アレルギー性疾患(例、アトピーなど)、喘息、
高脂血症、動脈硬化症などが挙げられる。
【0013】「携帯可能な記録媒体」としては、紙、シ
ール、テープ、カードなどの光学的記録のための記録媒
体、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気カードなど
の磁気的記録のための記録媒体、ICカード、ICチッ
プなどの電子的記録のための記録媒体などが挙げられ
る。「光学的な記録方法」とは人間が視覚により認識で
きるように記録する方法、または光学的な読み取り機器
(例、バーコードリーダー等)によって読み取ることの
できる記録媒体に記録する方法であればいかなる方法で
あっても良いが、バーコードとして記録する方法が好ま
しい。「バーコード」とは、長方形のバーまたはスペー
スの列で、あらかじめ決められたパターンになっている
一次元バーコード、あるいは1次元バーコードを積み重
ねたスタック型2次元バーコード、正方形あるいは点に
より構成されているセルを縦・横にならべた2次元マトリ
ックス型バーコードなどが挙げられる。これらのバーコ
ードは、クワイエットゾーン、スタートコード、デー
タ、ストップコード等から形成され、データにはパリテ
ィチェック機能を持たせたものがよい。またより誤読率
を下げる目的で、チェックデジットを必要に応じて加え
てもよい。例えば、一次元バーコード(例、JANコー
ド、ITFコード、CODE39、Code 2of5、Matrix 2of5、Cod
e128など)、2次元スタック型(例、Code49、PDF417な
ど)、2次元マトリックス型(例、DataMatrix、DataCod
e、QR Code、MaxiCode、AztecCode、VeriCodeなど)な
どの規格に合わせたものであっても、これらを基に改良
した規格であっても、新たに作成した規格であってもよ
い。バーコードの色はバーコードリーダー(マニュアル
スキャン方式、CCDスキャン方式、レーザースキャン方
式、イメージ方式等)で認識できるものであれば、可視
できるもの、可視できないもののいずれであっても良
い。例えば可視できる場合は、黒、青、赤、緑等のいず
れであってもよい。また、可視できない場合は、例えば
赤外光のみを吸収するインクを使用してバーコードを印
刷すれば、可視できないが赤外光のスキャナで読み取る
ことができる。バーコードは携帯可能な記録媒体に直接
印刷されていてもよく、シールなどに印刷されていても
よい。シールなどに印刷されている場合は、該シールを
自動車運転免許証、クレジットカード、定期券、携帯電
話などの携帯可能な物に貼付して携帯することができ
る。
【0014】磁気的な記録方法としては、例えば、フロ
ッピーディスク、磁気カードなどに記録する方法が挙げ
られ、磁気カードに記録する方法が好ましい。電子的な
記録方法とは、例えば、ICカード、ICチップなどに
記録する方法が挙げられ、ICカードに記録する方法が
好ましい。
【0015】光学的に記録するデータとしては、検査項
目(遺伝子名と変化の位置など)と検査結果(遺伝子の
変化、すなわち正常型、異常型など)などが挙げられ
る。ヒトは2倍体であり、同じ染色体を1対(2本)を
持つ。そのため、常染色体における遺伝子変化の検査結
果は、例えば、Wを正常、mを異常とすると(W/W)、
(W/m)、(m/W)、(m/m)の4つの組み合わせが考えられ
る。(W/m)と(m/W)は等価なため、3つの組み合わせで
表すことができる。従って、(W/W)、(W/m)、(m/m)
をそれぞれ例えば「0」,「1」,「2」と数値化すること
により区別できる。性染色体の場合は、女性ではXXであ
り常染色体と同じ扱いにすればよい。男性ではXYと2本
の異なる染色体で形成されるので、1本の染色体の変化
を表現すればよい、すなわち、男性のX染色体あるいは
Y染色体では、(W)と(m)の2通りの組み合わせしか
ない。この場合は、それぞれ「0」、「2」と数値化す
ればよい。常染色体、性染色体のいずれの遺伝子変化で
あっても、「0」,「1」,「2」の3つ数値で表現でき
る。遺伝子の変化は多様性に富むため、正常とも異常と
も判断できない場合もありうる。その場合はその検査結
果をその他として「3」と数値化すればよい。また、検
査に失敗し再検査ができなかった場合もその他としても
良い。その他の場合は、正常・異常の判断ができないこ
とから、未検査と同等として、その他あるいは未検査を
まとめて「3」と数値化してもよい。従って、それぞれ
の遺伝子の変化は、例えば、「0」,「1」,「2」,「3」
と4つの数字で数値化できる。また、バイナリー形式で
記載することも可能であり、例えば正常ホモ(W/W)、
ヘテロ(W/m)、異常ホモ(m/m)をそれぞれ「00」、「0
1」、「11」として、未検査及びその他をまとめて「1
0」と表記してもよい。検査項目と検査結果に対応する
生物学的機能(疾患罹患の危険度、薬剤の応答性、副作
用等)に関する情報は、光学的記録、磁気的記録あるい
はICカードリーダー(光学的記録や磁気的記録などでは
読取りスキャナ−)と直接あるいは間接的に接続したコ
ンピューター側に入力すればよい。対立遺伝子が3個以
上あり、それぞれの対立遺伝子により生物学的機能(疾
患罹患の危険度、薬剤の応答性、副作用等)が異なる場
合は、それぞれの対立遺伝子に番号を付与し、検査結果
として現れる全ての組み合わせが表現できるように桁数
を決めれば良い。また、その他と未検査を分ける必要が
あれば、例えばその他を「3」、未検査を「4」と数値
で表現してもよい。
【0016】このほか、必要に応じて、ドナーに固有
の識別情報、例えば、被験者の氏名、保険証番号、住
所、生年月日などの個人情報や、検査日、検査機関、
検査方法などの検査に関する情報を光学的、磁気的およ
び/または電子的に記録しても良い。個人情報、生物学
的機能に関する情報等を磁気的および/または電子的に
携帯可能な記録媒体に記録する場合には、検査項目、検
査結果等を記録したバーコード・シールを該記録媒体に
貼付することが好ましい。
【0017】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commis s ion on Biochemical Nomenclatureによる略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン R :アデニン(A)またはグアニン(G) Y :チミン(T)またはシトシン(C) M :アデニン(A)またはシトシン(C) K :グアニン(G)またはチミン(T) S :グアニン(G)またはシトシン(C) W :アデニン(A)またはチミン(T) B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T) D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T) V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C) RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Ter :終止コドン Gly :グリシン(G) Ala :アラニン(A) Val :バリン(V) Leu :ロイシン(L) Ile :イソロイシン(I) Ser :セリン(S) Thr :スレオニン(T) Cys :システイン(C) Met :メチオニン(M) Glu :グルタミン酸(E) Asp :アスパラギン酸(D) Lys :リジン(K) Arg :アルギニン(R) His :ヒスチジン(H) Phe :フェニルアラニン(F) Tyr :チロシン(Y) Trp :トリプトファン(W) Pro :プロリン(P) Asn :アスパラギン(N) Gln :グルタミン(Q) pGlu :ピログルタミン酸
【0018】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕実施例2で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕実施例2で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕実施例3で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕実施例3で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例4で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例4で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕実施例5で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕実施例5で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕実施例5で用いられたプライマー(合
成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕実施例5で用いられたプライマー
(合成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕実施例5で用いられたプライマー
(合成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕実施例6で用いられたプライマー
(合成)DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例6で用いられたプライマー
(合成)DNAの塩基配列を示す。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図10に基づき本発
明の実施の形態について記述する。 1-1構成 本発明は通常の臨床検査の手法により用意された、姓
名、生年月日、などの個人情報と検査項目が記載された
検査申込書など、検査申込書と対応可能なサンプル(血
液など)を出発材料とした遺伝子検査システム(図1)
及び検査結果表示システム(図2)の2つのシステムから
構成される。
【0020】1-2 遺伝子検査システム 姓名、生年月日、などの個人情報と遺伝子検査項目が記
載され、サンプルIDが記入された検査申込書など(サン
プルIDはサンプル間で重複のない数字あるいは文字列)
と、サンプルID番号と同一のID番号が記入された容器に
保管(必要に応じて冷蔵・冷凍される)したサンプルを
検査する。次に図1の機能ブロック図に基づいて、遺伝
子検査システムの構成を説明する。例えば、パーソナル
コンピューターやワークステーションなどで構成される
管理装置1は、被験者の個人データ、遺伝子検査項目、
及びサンプルID番号を入力する検査登録部2、登録され
たデータを基に検査プロトコールの設定及び検査結果の
検定を行う検査管理部3、検査結果を出力する検査出力
部4及び、データを格納する記憶部5を備えている。ま
た、管理装置1には、表示部6とデータ入力部7、及び
印刷部8を備えている。検査部9はサンプル処理機器及
び検査機器及びそれを管理するパーソナルコンピュータ
ーやワークステーションなどで構成され、管理装置1と
ネットワークで連結されている。検査登録部2の登録部
10では、図3で示したフローに従い、データを入力す
る。まず、検査申込書などに記載されている被験者の氏
名などの個人情報、サンプルID、及び検査項目を入力す
る。これらの入力は手入力でも良いし、スキャナなどを
利用して自動的に読み込んでもよい。入力が正しいこと
を確認し、これらのデータから構成されるサンプルシー
トを作成し、記憶部に登録する。また、検索部11は登
録したデータを検索できる機能を有している。検査管理
部3は遺伝子検査の検査プロトコールの作成と検査結果
の判定を行う。検査制御部12では、図4で示したフロ
ーに従い、登録部10で入力されたサンプルシート読み
取り、それを基に遺伝子検査のプロトコールを作成、印
刷、表示、あるいは検査部9へネットワークを介し出力
する。検査プロトコールは検査部における検査方法によ
り異なるが、サンプルID、検査項目が検査結果と対応す
るように出力する。例えばPLACE-SSCP法(Genome Resea
rch 7:1094, 1997)で検査を行う場合は、(1)PCRに
用いるプレートID、(2)PCRに用いるプライマー、
(3)PCRの反応条件、及び(4)サンプルのID番号とP
CRプレートの各ウエルの対応、などが情報として含まれ
る。この検査プロトコールは記憶部5に保存する。検定
部13では、図5に示したフローに従い、新しいデータ
があれば検査部9から検査データを読み取り、図5に記
載した方法で検査データの合否と遺伝子型の判定を行
う。すなわち、まず、結果が基準値を満足するかどうか
の判定を行う。基準値は検査におけるコントロール値を
基に設定してもよいし、あらかじめ設定しておいてもよ
い。基準値を満足したデータについては、検査における
コントロールデータなどを基に遺伝子型の判定をおこな
う(W/W、W/m、m/m、及びその他)を行う。該
当する検査プロトコールを記憶部5から読み取り、これ
を基にサンプルID、検査項目を対応させて遺伝子型の判
定結果を記憶部5に登録する。基準値を満足しない検査
についてはエラー表示を行うと共に判定結果として記憶
部5へ登録する。検査出力部4では図6に示したフロー
に従い、検査が全て完了したデータがあれば結果判定部
で検査結果を記憶部5から読み取り、検査結果を表示す
る。記録媒体に記録(印刷)する場合、発行部15にお
いて、遺伝子型の数値化(例、W/W=0、W/m=1、m/m=
2、その他/未検査=3など)をおこなう。これをもと
にあらかじめ決められた順番に従い、数値化した検査結
果をバーコード作成及び印刷ソフト(例えばBarStar、L
abelStar Pro、いずれもアイニックス株式会社 など)
を利用してバーコード化し、印刷部8で印刷する。この
時、必要に応じてドナー同定に必要な情報を含めバーコ
ード化する。この時用いるバーコードは情報量の大きい
二次元バーコードが望ましい。あるいは、遺伝子検査項
目に対応しかつ重複がない、あらかじめ決めた検査記号
への変換を行い、それと数値化した遺伝子型を併記する
こともできる。この場合は、未検査項目は検査記号を記
録しないことにより、明確に区別できる。例えば、検査
記号を2文字の英数字で表すと1000以上の検査が区別で
きる。この場合、2文字の検査記号と1文字の数値化した
遺伝子型から検査結果は構成されるため、1検査は3文字
で表現できる。二次元バーコードは英数文字で1000文字
以上のデータ量を有しており、ドナーを同定する情報に
加え約300種類以上の遺伝子検査を記録することができ
る。また、より多くの情報を記録する必要があれば、複
数のバーコードを使用すればよい。あるいは、二次元バ
ーコードのサイズを大きくすることで対応ができる。個
人情報、生物学的機能に関する情報等はバーコード化し
て記録してもよく、また、検査項目や検査結果とは別に
磁気的および/または電子的に携帯可能な記録媒体に記
録してもよい。
【0021】検査部におけるPLACE-SSCP法(Genome Res
earch 7:1094, 1997)での検査操作のフローを図7に示
す。後述の実施例1に記載の方法などで被験者のサンプ
ル(例えば血液など)からゲノムDNAを抽出する。この
時、ゲノムDNAにはサンプルIDと同一あるいは対応可能
なIDを付与する。次に検査制御部の作成した検査プロト
コール(図7)に従い実験を行う。すなわち、指定され
たPCRプレートの所定の位置に被験者由来のゲノムDNAを
分注する。次に、指定されているプライマーセットを含
むPCR反応液を加える。指定されている反応条件に従いP
CR反応を行う。反応終了後、同一プレートで蛍光標識と
過剰の蛍光ヌクレオチドの除去などを行う。泳動間のバ
ラツキを補正するために全てのサンプルに内部標準を加
えてもよい。シークエンサー(ABI Prism 310 Genetic
Analyzer、PE Applied Biosystems)を用いGeneScan(P
E Applied Biosystems)で使用説明書に従い解析する。
なお、GenScanでの解析結果を表形式で管理装置1へネ
ットワークを介して出力する。
【0022】1-3.検査結果表示システム 検査結果表示システムの構成を図2の機能ブロック図に
用いて説明する。パーソナルコンピューターやワークス
テーションなどで構成される管理装置21には検査結果
管理部22、記憶部23、通信制御部24から構成され
る。管理装置21には,表示部25、データ入力部26、
検査結果検出部27、及び印刷部28を備えている。バ
ーコード化した遺伝子検査結果をバーコードリーダーな
どの光学的読み取り機器からなる検査結果検出部27に
より入力する。判定部30はバーコードの破損やリーダ
ーの故障あるいは誤操作などで入力に異常が認められた
場合は、エラー表示を行う。入力が正しく行われた場
合、判定部30では遺伝子検査結果を記憶部23に入力
された検査記号と多型に関する情報を基にウエブブラウ
ザ29を介して表示部25(例えばCRT)に表示する。こ
れらのデータは印刷部31により印刷部28に出力する
ことにより印刷できる。通信制御部42は、ネットワー
ク100を経て、ウェブサーバー機能47を有するデー
タベース46から種々の多型に関する情報を入手する機
能を有している。
【0023】図8および図9には本検査結果表示システ
ムの画面構成の例を示す。図8はメニュー画面の構成を
示している。メニュー画面では疾病、薬剤応答性、副作
用などに分類し、遺伝子検査の有無及び検査数を表示す
る。詳細表示ボタンを押すことにより、例えば表示画面
2(図9)のような結果表示画面になる。検査プロトコー
ルのイメージ図を図10に示した。
【0024】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳し
く説明するが、これらは単なる例であって、本発明を何
ら限定するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝
子操作法は、モレキュラー・クローニング(Molecular
cloning)に記載されている方法に従う。
【実施例】実施例1ヒトDNA用検体 血液を主に、核酸を含む任意の検体を用いる。細胞を破
壊してその核酸を、それらの分解を防止する媒質中に遊
離させる。全血液からの核酸抽出 ヒト全血からゲノムDNAを抽出するためのキットが色
々なメーカーから販売されているが、ここではDNA Extr
actor WB Kit (Nippon Gene)を用いてプロトコールに従
い高純度のDNAを回収する。まず全血0.5mlに溶解液
0.5mlを加え混合後、遠心分離して上清を除去する。沈
殿を溶解液1mlにもう一度懸濁させ、遠心分離後、上清
を除く。この操作をもう一度繰り返して得られた沈殿に
200μlの酵素反応液と10μlのタンパク質分解酵素液を
加え37℃、1時間インキュベーションした後300μlのヨ
ウ化ナトリウム溶液を加える。ついで0.5mlのイソプロ
パノールを加え混合後、遠心分離して上清を除去し、得
られたDNAの沈殿を洗浄液(A)および(B)でそれぞれ1回
ずつ洗浄する。軽く減圧乾燥した後20μlのTE溶液に溶
解する。
【0025】実施例2リポプロテイン・リパーゼ(LPL)遺伝子プロモータ
一部分領域での変異の解析 PCR法によってヒトLPLプロモータ遺伝子断片(+44から
−519までのLPLプロモータの563-bpセグメント)を増幅
させるため、既報の方法[W-S, Yangら, プロシーディン
グ・オブ・ナショナル・アカデミック・サイエンス(Pro
c.Natl.Acad.Scie., U.S.A.)、第92巻、第4462頁(19
95)]に従い、以下に示すプライマー(IおよびII)を合
成する。 センス・プライマー I: 5'-GCTGATCCATCTTGCCAATGTTA-3' (配列番号:1) アンチセンス・プライマー II: 5'-GCAGCTTTCCCTTGAGGAGGAGGAAG-3' (配列番号:2)TaKaRa Ex Taq [宝酒造(株)]および
添付のバッファーを用い、以下のPCR反応を行う。実施
例1で得られた全血由来ゲノムDNA溶液2μlを鋳型に添
付のPCR反応バッファー(10倍濃度)5μl、2μCiの
[α-32P]dCTP(3000 Ci/mmol;1 Ci= 37 GBq)、dNTP混合
液4μl、 TaKaRa Ex Taq0.5μl(2.5U)、2種のプライマ
ー(IとII;各100pmol)を添加し、95℃、2分間加熱
後、94℃、30秒間、55℃、30秒間、72℃、1分間のPC R
反応を30回繰り返す。PCR産物を1%アガロースゲル電
気泳動で分離し、予想される大きさ(564bp)に相当する
位置に増幅されたDNA断片を確認する。この増幅されたD
NA断片をSau3AIでさらに断片化した後、主にオリタらの
方法[Oritaら、Genomics誌 5巻:874頁(1989年)]
に従いSSCP解析法を用いて多型解析を行う。酵素消化
後、生成物を5〜10分の1に0.1%SDS/10mM EDTAで希
釈し、等量のローディング・バッファー[95%(v/v)ホル
ムアミド/20mM EDTA/0.0 5%ブロモフェノール・ブル
ー/0.05%キシレン・シアノール]と混合後、98℃で3分
間加熱、次いで氷上急冷する。2μlの各サンプルを10%
(w/v)のグリセロールを含む5%の未変性ポリアクリル
アミドゲルにロードし、各サンプルを2つのゲル温度
(30-31℃と40-41℃)で泳動する。上記の方法に従い数
十例のサンプルの探索を行うことにより、異なるシング
ル・ストランド・コンフォーマーを持ち変異があると予
測されるサンプルを見い出され得る。該サンプルは、そ
のゲノムDNAからラジオラベル体を除いた前述の条件でP
C R法により564bpのプロモーター・フラグメントを
増幅し、得られる増幅セグメントは1%アガロースゲル
電気泳動から該バンド部分を切り出し、キアクィック・
ゲル・イクストラクション・キット[(株)キアゲン]を
用いて回収する。次いでABI PRISM Dye Terminator C
ycle Sequencing Ready Kit with AmpliTaq DNA polym
erase, FS(パーキンエルマー社)を用い直接その塩基
配列を決定し変異を同定できる。この様な探索を行うこ
とにより、例えば、プロモーター領域内の転写因子Oct-
1の結合サイトに生じるT―39→CやT―93→G等の変
異( W-S, Yangら記載、 Proc. Natl. Acad. Scie.,
U.S.A.、1995, 92:4462)を見い出すことができる。
【0026】実施例3ヒト p53 遺伝子エクソン領域の SNP 解析 PLACE-SSCP 法 [Inazukaら、Genome Research 誌、11
巻、1093頁 (1997年)]を用いて、以下のようにしてヒト
p53 遺伝子エクソン4の SNP を検出することができ
る。既報のヒト p53 遺伝子エクソン用プライマー配列
[Mashiyamaら、Oncogene誌、6巻、1313頁 (1991年)]
を参考に、蛍光ポストラベルするために 5'末端の配列
を修飾したPCR プライマー(IIIおよびIV)を合成す
る。 エクソン4センスプライマー III: 5'-ATTATCTACAGTCCCCCTTGCCG-3' (配列番号: 3) エクソン4アンチセンスプライマー IV: 5'-GTTGCAACTGACCGTGCAAGTCA-3' (配列番号: 4)Taq DNA polymerase [PE アプライドシ
ステムズ社] 及び antiTaq antibody[クロンテック社]
を用い、以下の PCR 反応を行う。前記全血由来ゲノム
DNA 50 ng を鋳型として、PCR Buffer II [PE アプライ
ドシステムズ社]、1.5 mM MgCl2、0.2 mM 4 dNTPs、0.5
mM 上記各プライマー、Taq/AntiTaq (0.125U) を含む5
μl の PCR 反応液を調製し、95℃ で 1 分間加熱後、9
5℃ 30 秒間、60℃ 30秒間、72℃ 1 分間の温度サイク
ルを 30 回繰り返し、最後に 72℃ で 7 分間加熱す
る。続いてPCR 産物を蛍光標識するため、各0.4 mM R11
0-dUTP、R6G-dCTP [いずれもPE アプライドシステムズ
社]、2U Klenow 酵素 [NEB社]、20 mM MgCl2、10 mM Tr
is-HCl を含む標識反応液を調製し、PCR 反応液に等量
加えて 10μlとし、37℃ で 15 分間反応させる。標識
反応後 0.2 M EDTA を 1μl 加えて Klenow 酵素を失活
させ、余剰の蛍光ヌクレオチドを分解するため、アルカ
リ性ホスファターゼを 2U 加えて 37℃ で 30 分間反応
させる。蛍光標識した PCR 産物をホルムアミドで希釈
し、95℃で 3 分間加熱変性させ、5% ポリマー [PE ア
プライドシステムズ社]、10% グリセロール、1x TBE Bu
ffer から成る分離溶液を充填したキャピラリーで電気
泳動する[ABI Prism 310 Genetic Analyzer, PEアプラ
イドシステムズ社]。電気泳動の波形パターンから SNP
の存在が示唆されたサンプルは再度PCR で増幅し、PCR
産物のダイレクトシークエンシングを行うことによっ
て SNP を同定する。この様な探索を行うことにより、
例えば、Arg 72Pro等のSNP(CGC→CCC)[Araら、Nucleic
Acids Res.誌、18巻、 4961頁(1990年)] を見い出す
ことができる。
【0027】実施例4ヒトアンジオテンシンII 1型(A II 1型)レセプター
のエクソン5領域内の SNP解析 既報のヒトアンジオテンシンII 1型(A II 1型)レセ
プター 遺伝子塩基配列 [Fu rutaら、Biochem. Biophy
s. Res. Commun.誌、183巻:8頁(1992年)]を参照して
エキソン5の領域に対応し、5'側にT7あるいはSP6の配列
を持たせた PCRプライマー(VおよびVI)を合成する。 センス・プライマー V: 5'- AATTGTAATACGACTCACTATAGGGCCAGCTATAATCCATCGAAA
-3' (配列番号:5) アンチセンス・プライマー VI: 5'-AAGCTATTTAGGTGACACTATAGCGAACATGTCACTCAACCTC -
3' (配列番号:6)PCR反応は実施例1で得られたゲノムD
NA約500ngを鋳型に添付のPCR反応バッファー(1
0倍濃度)5μl、混合dNTP 10 nmol、 KlenTaq 1 μl、
2種のプライマー(上記VとVI;各20 pmol)を滅菌蒸留
水で50μlとする。95℃で5分間加熱後、95℃、30秒間、
60℃、45秒間、72℃、45秒間を35回繰り返し、72℃、7
分間処理する。得られたPCR産物をPCR product pre-seq
uencing kit (アマーシャム)を用いて余分なプライマー
とdNTPを分解する。すなわち、PCR反応液10μlに2μ
lのExonuclease溶液(10 U/μl)と2μlのAlkaline Phosp
hatase溶液(2 U/μl)を加え、37℃、15分間、次いで80
℃、15分間処理する。この様にして得られたPCR産物
は直接、ABI Prism Dye Primer Cycle Sequencing Kit
を用い、市販のT7やSP6のプライマーで反応する。塩基
配列決定はABI 377を用いて行う。この様な探索を行う
ことにより、例えば、T573→C等のSNP [Bonnardeaux
ら、Hypertension誌、24巻:63頁(1994)]を見い出す
ことができる。
【0028】実施例5N-アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)のSNP解析 既報のヒトNAT2 遺伝子塩基配列 をもとに デザインさ
れたPCRプライマー(VIIからXI)[Okumuraら、Clin Pha
rmacol Ther.誌、61巻:509頁(1997)]5種を合成す
る。 センス・プライマー VII: 5'-TCAGCCTCAGGTGCCTTGCA-3' (配列番号:7) アンチセンス・プライマー VIII: 5'-AGCATGAATCACTCTGCTTC-3' (配列番号:8) センス・プライマー IX: 5'-CTTAATTCTCATCTCCTGCC-3' (配列番号:9) アンチセンス・プライマー X: 5'-TGTTGGAGACGTCTGCAGGT-3' (配列番号:10) センス・プライマー XI: 5'-ACAATACAGATCTGGTCGAG-3' (配列番号:11)Gene Amp Reagent Kit (TaKaRa酒造)
を用いPCR反応を行う。実施例1で得られたゲノムDNA
約500ngを鋳型に、Kit添付のPCR反応バッファー(1
0倍濃度)5μl、dNTP混合液8μl、TaKaRa Ex Taq 0.5
μl、2種のプライマー(上記VIIとVIII,あるいはIXと
X、あるいはXIとXIIの組み合わせ;各20 pmol)を各
々、別のチューブに添加し、滅菌蒸留水で50μlとす
る。94℃で3分間、60℃で2分間、72℃で3分間処理後、
94℃、1分間、60℃、1.5分間、72℃、1.5分間を40回繰
り返し、72℃、7分間処理する。RFLPは次のようにして
調べる。 2μlの各PCR産物に各制限酵素に至適なバッ
ファー(10倍濃度)2μlと制限酵素液0.5μl(プラ
イマーVIIとVIIIのPCR産物ではKpnI、プライマーIXと
XのPCR産物ではTaq I、プライマーXIとVIIIのPCR産物
ではBam HI)を添加し、滅菌蒸留水で20μlとし各々至
適温度で1時間インキュベーションする。消化されたフ
ラグメントの解析は1.5%あるいは2%アガロースゲル電気
泳動で行う。この様な探索を行うことにより、例えば、
KpnI消化では切断されないフラグメントがあれば、C
48 1→T(コドン161、サイレント)等のSNPを、またTa
q I消化ではG590→A(Arg179Gln)等のSNPを、またBa
m HI消化ではG857→A(Gly286Glu)等のSNPを見い出
すことができる[ Okumuraら、Clin Pharmacol Ther.
誌、61巻: 509頁(1997年)]。
【0029】実施例6アポリポプロティンEのSNP解析 エクソン4のLDLレセプターとの結合に重要だとされて
いる領域をコードする配列をPCR法で増幅する。まず、
既報のヒトアポリポプロティンE遺伝子の塩基配列 を
もとに デザインされたPCRプライマー(XIIからXIII)
[Hixsonら、J. Lipid Res.誌、31巻:545頁( 1990)]2
種を合成する。 センス・プライマー XII: 5'- TAAGCTTGGCACGGCTGTCCAAGGA-3' (配列番号:12) アンチセンス・プライマー XIII: 5'- ACAGAATTCGCCCCGGCCTGGTACAC-3' (配列番号:13)Gene Amp Reagent Kit (TaKaRa酒造)
を用いPCR反応を行う。実施例1で得られたゲノムDNA
約250ngを鋳型に、Kit添付のPCR反応バッファー(1
0倍濃度)5μl、dNTP混合液8μl、TaKaRa Ex Taq 0.5
μl、2種のプライマー(上記XIIとXIII; 20 pmol)
を、滅菌蒸留水で50μlとする。97℃で30秒間処理後、
95℃、1分間、60℃、1分間、70℃、2分間を35回繰り返
し、70℃、7分間処理する。SNPは次のようにして解析で
きる。得られた244bpのPCR産物を制限酵素Cfo I (ベー
リンガー・マンハイム)で消化後、8%ポリアクリルアミ
ドゲルで解析を行う。生じるバンドの長さを調べること
で、アポE3(Cys112, Arg158)、アポE2(Cys112,Cy
s158)、アポE4(Arg112, Arg158)を同定することができ
る。さらに他の1塩基変異を調べる目的で、得られた24
4bpのPCR産物を制限酵素Taq Iで消化すれば、Gly127Asp
を検出できるし、Hph Iで消化すれば、Arg136Serを検出
することができる[Civeiraら、Atherosclerosis誌、127
巻:273頁(1996)]。
【0030】実施例7検査項目と検査記号の対応 実施例2から6に記載した多型・変異を下記のように検
査記号を対応させることができる。
【表1】
【0031】実施例8検査結果 実施例2から6に記載した方法で、被験者の遺伝子の変
化を調べることができる。多くのSNPは対立遺伝子が2つ
(biallelic)であることから、正常型と異常型に容易
に分類できる。その結果を実施例7に記載した検査記号
に対応させて次の表のように記載することができる。
【表2】検査結果 正常型をW、異常型をm、その他をOで示した。
【0032】実施例9ヒト遺伝子検査(1検査結果)のバーコード化 実施例7で示すように、被験者1はLPL遺伝子プロモー
ターについて正常型のホモ、被験者2はヘテロ、被験者
3は異常型のホモである。例えば、表3に示した様に、
検査記号を英数字からなる2文字、その検査結果を1文
字で表わす。正常遺伝子を2組持つ(正常ホモ)を
「0」、正常遺伝子と異常遺伝子をそれぞれ1つずつ持
つ(ヘテロ)を「1」、異常遺伝子を2組持つ(異常ホ
モ)を「2」で表わすこととした。従って、被験者1は
「AA0」、被験者2は「AA1」、被験者3は「AA2」と表す
ことができる。この結果をバーコード化する。
【表3】
【0033】実施例10検査結果の規格化とバーコード化 検査を下記の様に規格化して、結果のみをバーコード化
する。検査AAを1桁目、ABを2桁目、ACを3桁目、ADを4桁
目及びAEを5桁目に記載する。検査結果は実施例9と同
様に、正常ホモを「0」、ヘテロを「1」、異常ホモを
「2」と表し、その他を「3」と表すことにする。その
結果は表に示すように数値化できる。すなわち、被験者
1は「01230」、被験者2は「10010」、被験
者3は「00100」、被験者4は「02000」で表
される。この数字をバーコード化すればよい。
【表4】検査結果の数値化
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、染色体ゲノムまたはミ
トコンドリアゲノム上に存在する遺伝子の変化(変異、
変種、多型など)およびこれに基づく疾患罹患リスク、
薬剤の応答性及び副作用などに関する情報を系統的にか
つ自動的に記号化することができ、さらに、患者のプラ
イバシーを守り、かつ、これらの情報を正確かつ迅速に
活用することができる。
【0035】
【配列表】 [Seq uence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Method of Recording Results of Gene Analysis <130> B00192 <150> JP 11-222501 <151> 1999-08-05 <160> 13 <210> 1 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 GCTGATCCAT CTTGCCAATG TTA 23 <210> 2 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 GCAGCTTTCC CTTGAGGAGG AGGAAG 26 <210> 3 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <4 00> 3 ATTATCTACA GTCCCCCTTG CCG 23 <210> 4 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 4 GTTGCAACTG ACCGTGCAAG TCA 23 <210> 5 <211> 45 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <2 23> <400> 5 AATTGTAATA CGACTCACTA TAGGGCCAGC TATAATCCAT CGAAA 45 <210> 6 <211> 43 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 6 AAGCTATTTA GGTGACACTA TAGCGAACAT GTCACTCAAC CTC 43 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 7 TCAGCCTCAG GTGCCTTGCA 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 8 AGCATGAATC ACTCTGCTTC 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Seq uence <220> <223> <400> 9 CTTAATTCTC ATCTCCTGCC 20 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 10 TGTTGGAGAC GTCTGCAGGT 20 <210> 11 <211> 20 <212> DNA <213> Artif icial Sequence <220> <223> <400> 11 ACAATACAGA TCTGGTCGAG 20 <210> 12 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 12 TAAGCTTGGC ACGGCTGTCC AAGGA 25 <210> 13 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 13 ACAGAATTCG CCCCGGCCTG GTACAC 26
【図面の簡単な説明】
【図1】遺伝子検査システムの構成を示すブロック図で
ある。
【図2】検査結果表示システムを示すブロック図であ
る。
【図3】データ入力処理を示すフローチャートである。
【図4】サンプルシートの読み取り、遺伝子検査のプロ
トコールの作成、出力および、保存を示すフローチャー
トである。
【図5】検査データの合否と遺伝子型の判定を示すフロ
ーチャートである。
【図6】検査結果の読み取りおよび検査結果の表示を示
すフローチャートである。
【図7】検査プロトコールを示すフローチャートであ
る。
【図8】画面構成の一例を示す説明図である。
【図9】画面構成の一例を示す説明図である。
【図10】検査プロトコールの一例を示すイメージ図で
ある。
【符号の説明】
1 管理装置 2 検査登録部 3 検査管理部 4 検査出力部 5 記憶部 6 表示部 7 データ入力部 8 印刷部 9 検査部 10 登録部 11 検索部 12 検査制御部 13 検定部 14 結果検索部 15 結果発行部 16 印刷部 21 管理装置 22 検査結果管理部 23 記憶部 24 通信制御部 25 表示部 26 データ入力部 27 検査結果検出部 28 印刷部 29 ウエブブラウザ 30 判定部 31 印刷部 41 管理装置 42 通信制御部 43 データ管理部 44 登録部 45 検索部 46 データベース 47 ウエブサーバー機能 100 ネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06K 19/06 G06K 19/00 A

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定の遺伝子に関して、基準となる遺伝子
    の塩基配列に対するドナーの遺伝子の塩基配列の変化の
    有無を解析し、該遺伝子に固有の識別情報及び解析結果
    を携帯可能な記録媒体に光学的な記録方法により記録す
    ることを特徴とする遺伝子解析結果の記録方法。
  2. 【請求項2】さらに、該遺伝子のドナーに固有の識別情
    報を携帯可能な記録媒体に光学的、磁気的および/また
    は電子的な記録方法により記録することを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】さらに、該遺伝子の塩基配列の変化によっ
    て生じうる生物学的機能の変化に関するデータを携帯可
    能な記録媒体に光学的に、磁気的に、および/または電
    子的に記録することを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】光学的な記録方法がバーコードに記録する
    方法である請求項1、請求項2または請求項3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】遺伝子の塩基配列の変化が変異である請求
    項1記載の方法。
  6. 【請求項6】遺伝子の塩基配列の変化が多型または変種
    である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】遺伝子の塩基配列の変化が一塩基多型であ
    る請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】遺伝子の塩基配列の変化がその個体を特徴
    づけるものである請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】遺伝子の塩基配列の変化が特定の疾患の原
    因あるいは罹患リスクの分類を可能にするものである請
    求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】遺伝子の塩基配列の変化が疾患治療薬の
    有効性の分類を可能にするものである請求項1記載の方
    法。
  11. 【請求項11】遺伝子の塩基配列の変化が特定の薬剤の
    副作用発現リスクの分類を可能にするものである請求項
    1記載の方法。
  12. 【請求項12】当該遺伝子が染色体ゲノムに由来するも
    のである請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】当該遺伝子がミトコンドリアゲノムに由
    来するものである請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】当該遺伝子が哺乳類由来のものである請
    求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】当該遺伝子がヒト由来のものである請求
    項1記載の方法。
  16. 【請求項16】特定の遺伝子に関する遺伝子解析データ
    記録システムであって、遺伝子に固有の識別情報および
    遺伝子の解析結果を入力するための入力手段と、入力さ
    れるデータを管理するデータ管理手段と、入力されるデ
    ータを携帯可能な記録媒体に光学的な記録方法により記
    録するための出力手段とを備えたシステム。
  17. 【請求項17】特定の遺伝子に関して、基準となる遺伝
    子の塩基配列に対するドナーの遺伝子の塩基配列の変化
    の有無を解析し、該遺伝子に固有の識別情報及び解析結
    果を光学的な記録方法により記録した携帯可能な媒体。
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