JP2001112202A - 永久磁石回転電機およびそれを用いた電動車両 - Google Patents

永久磁石回転電機およびそれを用いた電動車両

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JP2001112202A JP2000290339A JP2000290339A JP2001112202A JP 2001112202 A JP2001112202 A JP 2001112202A JP 2000290339 A JP2000290339 A JP 2000290339A JP 2000290339 A JP2000290339 A JP 2000290339A JP 2001112202 A JP2001112202 A JP 2001112202A
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Fumio Tajima
文男 田島
Koji Kobayashi
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Shoichi Kawamata
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Suetaro Shibukawa
末太郎 渋川
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小泉  修
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  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】永久磁石回転電気における誘起電圧のピーク値
を抑える。 【解決手段】永久磁石回転電気において、前記永久磁石
の固定子側の面の周方向長さを設定することにより、誘
起電圧の波形を正弦波に近似させ、誘起電圧のピーク値
を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石回転電機お
よび電動車両に係り、特に複数個の永久磁石を回転子の
周方向に配置固定することによって構成される永久磁石
回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から回転電機の一種として、回転子
の磁界発生手段として永久磁石を用いた永久磁石回転電
機が使用されている。
【0003】従来の永久磁石回転電機としては、高トル
ク化及び高効率化を図ったものとして、永久磁石埋め込
み型の回転子を用いた永久磁石回転電機が特開平5−761
46号公報に記載されている。
【0004】この公報には、固定子として、環状の固定
子鉄心に形成された複数個のスロットに三相の固定子巻
線を配置したものが開示されている。また回転子として
は、回転軸に嵌合固着された略円形の回転子鉄心の内周
部に軸方向に伸びる収納部を複数個形成し、この収納部
に断面が長方形をなす永久磁石を、隣り合った任意の永
久磁石同士が回転子表面に向かって互いに逆極性の磁束
を発生するように挿入する構成が開示されている。また
この回転子は、環状の固定子の中に固定子鉄心の内周部
と所定の回転空隙を有する状態で回転可能に配置されて
いる。
【0005】上記のような長方形の永久磁石を用いた回
転電機は、高速回転時に弱め界磁が効き易く、効率が良
い。よって、性質上高速回転を要求されるもの、例えば
電動車両用の駆動モータ等に有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の永久磁石回転電機においては、誘起電圧波形に関
し次のような問題点がある。
【0007】外力によって回転子が回転されると、回転
電機内に誘起電圧が発生し、通電回路または制御回路に
電流が流れる。よって、制御回路をより安全に保護する
ために、所定の回転速度における誘起電圧の実効値をあ
らかじめ測定し、その値に耐え得るよう、またはその値
を抑制するよう制御回路が設計される。
【0008】しかし、実際の誘起電圧は、正弦波にいく
つかの波形が重畳された形で現れる。実効値はその波形
の平均値であることから、必ず実効値の√2倍を上回る
ピーク値が存在する。よって、実効値の√2倍に対応す
るよう設計されている制御回路をより確実に保護するた
めには、ピーク値を実効値の√2倍に近づける必要があ
る。
【0009】ピーク値を下げるためには、永久磁石によ
って発生する磁束量自体を低減することが考えられる
が、磁束量が低減すれば当然に回転電機を電動機として
動作させたときの駆動トルクも低下する。
【0010】そこで本発明は、上記の事情に鑑み、永久
磁石回転電機において駆動トルクを下げることなく、実
効値に対する誘起電圧のピーク値を抑えることを目的と
する。
【0011】また本発明の他の目的は、車両のブレーキ
ング時または降坂時に永久磁石回転電機が発生する誘起
電圧のピーク値を抑え、より安全な電動車両を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、巻線を有す
る固定子と、該固定子に回転空隙をもって配置され、複
数個の永久磁石を周方向に配置固定した回転子とを備え
た永久磁石回転電機において、誘起電圧の波形が正弦波
に近似していることを特徴とする永久磁石回転電機によ
り達成される。
【0013】また上記目的は、巻線を有する固定子と、
該固定子に回転空隙をもって配置され、複数個の永久磁
石を周方向に配置固定した回転子とを備えた永久磁石回
転電機において、誘起電圧の波形が正弦波に近似するよ
うに、前記永久磁石の固定子側の面の周方向長さを設定
したことを特徴とする永久磁石回転電機により達成され
る。
【0014】また前記他の目的は、永久磁石回転電機を
駆動モータとして用いた電動車両において、車両のブレ
ーキング時または降坂時に前記永久磁石回転電機が発生
する誘起電圧の波形を正弦波に近似させることにより達
成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
永久磁石回転電機を図を用いて説明する。
【0016】図1は、三相8極,48スロットのインナ
ロータ形永久磁石回転電機に本発明を適用した実施形態
の周方向断面図であり、図はそのうち一のポールペアを
示している。図2は図1の磁束密度分布図である。
【0017】永久磁石回転電機は固定子1および回転子
6から構成され、回転子6は固定子1に回転空隙5(ギ
ャップ)をもって図のように回転可能に配置されてい
る。
【0018】固定子1は、ほぼ環状をなす固定子鉄心2
に形成された48個のスロット3にU相の固定子巻線U
1,V相の固定子巻線V1、およびW相の固定子巻線W
1が挿入配置される。固定子鉄心の内周部には、各スロ
ットに対応して開口部4が形成されている。
【0019】一方回転子6は、回転軸9に回転子鉄心7
を嵌合固着し、この回転子鉄心7にネオジウム製の8個
の永久磁石8(図では8a,8b)を軸方向に挿入,固
着する収納部を形成している。永久磁石8は、図のよう
に隣り合ったものが互いに逆極性になるように配置さ
れ、また回転子鉄心7は硅素鋼板を多数枚積層して構成
されている。
【0020】このとき、永久磁石8としては、その周方
向の断面において、固定子側の辺すなわち外周面幅が軸
に対してなす角度をθ,反固定子側の辺すなわち内周面
幅が軸に対してなす角度をφとしたとき、θがφよりも
小さくなるような形状のものを用いる。
【0021】なお、永久磁石8が図のような台形形状で
はなく、他の形状のときも同様にθとφを定義できる。
例えばアーチ形のときは、θ,φはそれぞれ固定子側の
アーチの端点と他端点が軸に対してなす角度、反固定子
側のアーチの端点と他端点が軸に対してなす角度を示
す。
【0022】この場合、θの大きさを変化させると、回
転子が外力によって回転したときに発生する誘起電圧の
波形が変化する。またφの大きさを変化させると、φが
永久磁石8の周方向最大幅を規定することから、回転電
機の駆動トルクの大きさが変化する。
【0023】ここでθ(度)は、永久磁石の極数が8で
あることから、0<θ<45の範囲の値を取り得るが、
θが45度に近いときは、補助突極の周方向幅が極端に
小さいことからリラクタンストルクを得ることが困難に
なる。また逆に0に近いときは、誘起電圧の波形がθで
なくφに依存することになるが、後述する理想波形の実
現と駆動トルクの最大化の双方を同時に達成するφの値
は存在しない。
【0024】そこでθをサンプリングすると、θを2
4,26,28度とした場合、また32,34,36度
とした場合の最高回転数における誘起電圧波形は、それ
ぞれ図3,図4のようになる。
【0025】図を見ると、誘起電圧波形は正弦波に5つ
の山が重畳された凸波形と、凹凸が比較的少なく正弦波
に近似する波形と、5つの谷が重畳された凹波形が以下
に述べる規則性をもって現れることがわかる。
【0026】すなわち、θが18.75<θ<26.25
および33.75<θ<41.25の範囲内にあるとき凹
波形が現れ、θが26.25<θ<33.75の範囲内に
あるときは凸波形が現れる。またθがおよそ26.25
度および33.75度のとき、凹凸が比較的少なく正弦
波に近似する波形が現れる。
【0027】さらに詳しく分析すると、τsを固定子の
スロットピッチ、nを自然数としたとき、θが {(2n−1)+0.5}×τs<θ<(2n+0.5)×
τs の範囲内にあるとき凸波形が現れ、θが (n+0.5)×τs のときに凹凸が少なくなり、θが (2n+0.5)×τs<θ<{(2n+1)+0.5}×
τs の範囲内にあるとき凹波形が現れることがわかる。
【0028】これらの波形のピーク値は、凸波形のとき
は電気角が90度の凸部頂点の値、凹波形のときは電気
角が90度の凹部を挟む2つの凸部頂点の値となる。従
って、ピーク値が最小となるのは、凹凸のない波形、す
なわち正弦波に近似した波形が現れたときである。
【0029】この実施形態では、誘起電圧波形が正弦波
にそれぞれ最も近くなるのは、θが約26度または約3
4度のときであることが図より分かる。
【0030】次に、実際の誘起電圧波形が正弦波にどの
程度近似しているかを定量的に評価するため、波形狂い
率を定義し、θによる波形狂い率を図5にグラフとして
表す。
【0031】ここで波形狂い率は、
【0032】
【数1】
【0033】と定義する。この式は、誘起電圧波形が正
弦波であれば、電機角90度における電圧は実効値の√
2倍であることに基づいたものである。すなわちこの値
が1より大きい場合は凸波形、1より小さい場合は凹波
形であり、1に近いほど正弦波に近いということにな
る。
【0034】このグラフからも、θが26度および34
度付近において、誘起電圧波形が正弦波に近似すること
がわかる。
【0035】ところで、この角度をスロットピッチτs
=7.5度のn+0.5倍(nは自然数)である26.2
5度,33.75度と比較すると、図3,図4、および
図5において少なくとも誤差±1度の範囲内にて一致し
ている。
【0036】すなわち、θ(度)が θ≒(n+0.5)×τs (nは自然数) で表される値のとき、誘起電圧の波形が正弦波に近似す
る。
【0037】さらに図6にθを変化させた場合の誘起電
圧のピーク値と実効値を示す。
【0038】図6において実効値はθが大きくなるに従
って増加している。これはθが大きくなれば永久磁石が
大きくなり、当然に主磁束も大きくなることが原因であ
る。
【0039】一方ピーク値は、θが大きくなるに従って
階段状の変化を示していることがわかる。すなわちθが
26度よりも小さいときはθが増加するに従って僅かな
がら下降し、26度を越えると急激に上昇している。さ
らに約32度を頂点としてまた緩やかに下降しているこ
とがわかる。
【0040】一般的に実効値が大きいほど主磁束は大き
くなり、駆動トルクをより多く得ることができる。一方
ピーク値は、制御回路等はその永久磁石回転電機特有の
実効値に合わせて設計されることから、できるだけ実効
値の√2倍に近い方がよい。
【0041】従ってθは、図6においてピーク値が実効
値の√2倍に近く、しかも実効値が大きいという観点か
ら、26度付近が最も優れていると考えられる。
【0042】次に、θを26度に固定しながらφを変化
させ、磁束量の補正を行うことで主磁束によるトルクと
リラクタンストルクの和が最大となる角度φを求める。
【0043】回転電機の駆動トルクTは、永久磁石によ
る磁束をψ,q軸インダクタンスをLq,d軸インダク
タンスをLd,q軸巻線電流をIq,d軸巻線電流をI
dとすると、 T=ψIq+(Lq−Ld)Iq×Id で表される。
【0044】この式において右辺の第1項は永久磁石の
主磁束によるトルクであり、第2項は隣り合った永久磁
石間の回転子部材、すなわち補助突極によるリラクタン
ストルクである。これら二つの値は、それぞれ永久磁
石,補助突極がなす回転子の周方向の角度に依存するこ
とから、駆動トルクを最大とする永久磁石の周方向の角
度は個々の回転子において一義的に定まる。
【0045】図7にφと(モータの使用頻度を考慮し
た)加重平均効率(インバータ損失含む)の関係を示
す。図からφは36度が最も大きいことがわかる。
【0046】従って、本実施形態の場合、θが26度で
φが36度の永久磁石を用いれば、誘起電圧の波形が正
弦波に近似し、誘起電圧のピーク値を抑えながら、かつ
最大の駆動トルクを得ることができる永久磁石回転電機
の設計が可能である。
【0047】さらに、上記のθとφの角度による永久磁
石の形状の汎用性を確認するため、半径や積厚,出力な
どが異なる回転電機について検討した磁束密度分布を図
8に、誘起電圧波形を図9に、φと加重平均効率(イン
バータ損失含む)の関係を図10に示す。この実施形態
においても、図9よりθが26度のとき誘起電圧波形が
正弦波に近く、図10よりφが36度のとき駆動トルク
が最大になることがわかる。
【0048】さらに上記θは、通常よく用いられる固定
子ティース部がなす角αと固定子スロット部がなす角β
がほぼ等しい場合にはスロットピッチτsのn+0.5
倍(nは自然数)の場合が優れているが、αとβが大き
く異なる場合には、nを自然数として、 θ≒n×τs+α または θ≒n×τs+β とした方が誘起電圧波形は正弦波に近くなる。特に後者
がより正弦波に近い。
【0049】さらに、固定子スロット部をなす角βと固
定子開口部をなす角γが大きく異なる場合、すなわちテ
ィースの突起が大きい場合には、 θ≒n×τs+γ とした方が誘起電圧波形は正弦波に近くなる。
【0050】ここで突起部の径方向長さが小さい場合、
突起部の磁束が飽和し、γがほとんどθに影響しなくな
る。そこでγがθに対して影響する度合いを係数A(0
<A≦1)とすると、 θ≒n×τs+γ×A と表わすことができる。
【0051】また、永久磁石8はネオジウム磁石以外で
もよく、たとえば図5の波形狂い率の検討をフェライト
磁石で行った場合を図11に示す。
【0052】ネオジウム磁石を用いて検討した図5と比
較するとθが機械角で2度ほど小さくなっているが、こ
の理由はフェライト磁石がネオジウム磁石と比べて磁石
の強さが約1/3のため、固定子スロットの突起部を十
分に飽和できないからである。よって、フェライト磁石
を用いた場合、誘起電圧波形を正弦波に近似させるθは θ≒n×τs+γ (nは自然数) となる。
【0053】なお、本発明において、誘起電圧波形を正
弦波に近似させる角度θは磁石形状によらない。図12
に他の実施形態として磁石形状が長方形の場合の磁束密
度分布を、図13に図12の実施形態における誘起電圧
波形を、図14に他の実施形態として磁石形状がアーク
形の場合の磁束密度分布を、図15に図14における誘
起電圧波形を、図16に他の実施形態として磁石形状が
円弧状の台形の場合の磁束密度分布を、図17に図16
における誘起電圧波形を、図18に他の実施形態として
磁石形状がV字形の場合の磁束密度分布を、図19に図
18における誘起電圧波形を、図20に他の実施形態と
して磁石形状がU字形の場合の磁束密度分布を、図21
に図20における誘起電圧波形を示す。いずれの場合も
図のようなθ=26度で誘起電圧波形が正弦波に近似し
ていることがわかる。
【0054】一方、永久磁石が回転子内に一部埋め込ま
れている場合は、永久磁石部と鉄部の磁束の疎密が大き
くなるため、 θ≒n×τs+γ (nは自然数) の場合が誘起電圧波形を正弦波に近似できる。この場合
θは、永久磁石8が回転子鉄心7の表面に露出している
部分が回転子周方向になす角度となる。
【0055】図22に本発明の他の実施形態として磁石
形状がアーク形で一部埋め込まれている場合の磁束密度
分布を、図23に図22における誘起電圧波形を、図2
4に他の実施形態として磁石形状が円弧状の台形で一部
埋め込まれている場合の磁束密度分布を、図25に図2
4における誘起電圧波形を、図26に他の実施形態とし
て磁石形状が概略台形で一部埋め込まれている場合の磁
束密度分布を、図27に図26における誘起電圧波形を
示す。いずれの場合も図のようなθ=24度で誘起電圧
波形を正弦波に近似できることがわかる。
【0056】また、誘起電圧のピーク値を抑えながら、
コギングトルクや騒音を低減するためには、磁石の両端
に図28のような磁気的な空隙を設けることが有効であ
る。ここで磁気的な空隙とは、物体が存在しない空間と
してもよいし、非磁性体の物質を挿入または充填し、ワ
ニスや接着剤などで固定したものでもよい。
【0057】さらに、本発明による永久磁石回転電機
は、電動車両の駆動モータとして用いた場合に有効であ
る。
【0058】永久磁石回転電機を駆動モータとして用い
た電動車両のブレーキ動作時、または降坂時には、回転
電機が発電機として動作し、制御回路に誘起電圧が発生
する。通常、制御回路は回転電機の誘起電圧の実効値に
合わせて設計されているので、波形のピーク値によって
誘起電圧が実効値の√2倍を大きく超過しないよう、本
発明のように誘起電圧の波形を正弦波に近似させ、ピー
ク値を抑えることによって、より安全性の高い電動車両
を得ることができる。
【0059】なお本発明は、永久磁石の個数(極数)は
8極以外でもよく、固定子のスロット数も48個以外で
もよい。さらに永久磁石8はネオジウム磁石以外でもよ
く、永久磁石を構成する角度は製作誤差の範囲内である
幅を持つことは言うまでもない。また、波形改善が有効
となるものは、内転型,外転型などの回転電機に限ら
ず、リニアモータなどにも応用できる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、誘起電圧の波形が正弦
波に近似していることにより、誘起電圧のピーク値を実
効値に対して抑えることができる。
【0061】また本発明によれば、誘起電圧の波形が正
弦波に近似するように、前記永久磁石の固定子側の面の
周方向長さを設定したことにより、誘起電圧のピーク値
を抑えながら、大きな駆動トルクを得ることができる。
【0062】また本発明によれば、誘起電圧の波形を正
弦波に近似させることにより、車両のブレーキング時ま
たは降坂時に永久磁石回転電機が発生する誘起電圧のピ
ーク値を抑え、より安全な電動車両を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態をなす永久磁石回転電機の
周方向断面図の一部を示す。
【図2】図1の磁束密度分布図を示す。
【図3】図1のθを24,26,28度とした場合の最
高回転数における誘起電圧波形を示す。
【図4】図1のθを32,34,36度とした場合の最
高回転数における誘起電圧波形を示す。
【図5】図1のθと波形狂い率の関係図を示す。
【図6】図1のθと誘起電圧ピーク値および実効値の関
係図を示す。
【図7】図1のφと(モータの使用頻度を考慮した)加
重平均効率(インバータ損失含む)の関係図を示す。
【図8】図1のθとφを、半径や積厚,出力などが異な
る他の実施形態に適用した場合の磁束密度分布図を示
す。
【図9】図8における誘起電圧波形を示す。
【図10】図8におけるφと加重平均効率(インバータ
損失を含む)の関係図を示す。
【図11】フェライト磁石を用いた本発明の他の実施形
態をなす永久磁石回転電機のθと波形狂い率の関係図を
示す。
【図12】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図13】図12の誘起電圧波形を示す。
【図14】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図15】図14の誘起電圧波形を示す。
【図16】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図17】図16の誘起電圧波形を示す。
【図18】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図19】図18の誘起電圧波形を示す。
【図20】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図21】図20の誘起電圧波形を示す。
【図22】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図23】図22の誘起電圧波形を示す。
【図24】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図25】図24の誘起電圧波形を示す。
【図26】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の磁束密度分布図を示す。
【図27】図26の誘起電圧波形を示す。
【図28】本発明の他の実施形態をなす永久磁石回転電
機の周方向断面図を示す。
【符号の説明】
1…固定子、2…固定子鉄心、3…スロット、4…開口
部、5…回転空隙、6…回転子、7…回転子鉄心、8
a,8b…永久磁石、9…回転軸、10…空隙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 21/14 H02K 21/14 M (72)発明者 田島 文男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小林 孝司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 川又 昭一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 渋川 末太郎 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 小泉 修 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 小田 圭二 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻線を有する固定子と、該固定子に回転空
    隙をもって配置され、複数個の永久磁石を周方向に配置
    固定した回転子とを備えた永久磁石回転電機において、
    誘起電圧の波形が正弦波に近似していることを特徴とす
    る永久磁石回転電機。
  2. 【請求項2】巻線を有する固定子と、該固定子に回転空
    隙をもって配置され、複数個の永久磁石を周方向に配置
    固定した回転子とを備えた永久磁石回転電機において、
    誘起電圧の波形が正弦波に近似するように、前記永久磁
    石の固定子側の面の周方向長さを設定したことを特徴と
    する永久磁石回転電機。
  3. 【請求項3】請求項2記載において、前記固定子のスロ
    ットピッチをτs(度)としたとき、前記永久磁石の固
    定子側の面の周方向幅が前記回転子の軸に対してなす角
    度θ(度)が、 θ≒(n+0.5)×τs (nは自然数) であることを特徴とする永久磁石回転電機。
  4. 【請求項4】請求項2記載において、前記永久磁石は前
    記回転子鉄心の表面に露出し、かつ前記露出部分が軸に
    対してなす角度θ(度)が θ≒(n+0.5)×τs (nは自然数) であることを特徴とする永久磁石回転電機。
  5. 【請求項5】請求項2記載において、前記固定子のスロ
    ットピッチをτs(度)、前記固定子におけるティース
    部の角度をα(度),スロット部の角度をβ(度),開
    口部の角度をγ(度)としたとき、前記永久磁石の固定
    子側の面の周方向幅が前記回転子の軸に対してなす角度
    θ(度)が、 θ≒n×τs+α (nは自然数) または θ≒n×τs+β (nは自然数) もしくは θ≒n×τs+γ (nは自然数) のいずれかであることを特徴とする永久磁石回転電機。
  6. 【請求項6】請求項2記載において、前記固定子のスロ
    ット数が48、前記永久磁石の極数が8であり、かつ前
    記永久磁石の固定子側の面の周方向幅が前記回転子の軸
    に対してなす角度が26±1度の範囲内、前記永久磁石
    の反固定子側の面の周方向幅が前記回転子の軸に対して
    なす角度が36±1度の範囲内であることを特徴とする
    永久磁石回転電機。
  7. 【請求項7】請求項2記載において、前記永久磁石の固
    定子側の面の周方向幅が前記回転子の軸に対してなす角
    度をθ(度)、前記永久磁石の反固定子側の面の周方向
    幅が前記回転子の軸に対してなす角度をφ(度)とした
    とき、θがφよりも小さいことを特徴とする永久磁石回
    転電機。
  8. 【請求項8】請求項7記載において、前記永久磁石の周
    方向断面の形状は台形であることを特徴とする永久磁石
    回転電機。
  9. 【請求項9】請求項2記載において、各永久磁石の両端
    に磁気的な空隙を設けたことを特徴とする永久磁石回転
    電機。
  10. 【請求項10】永久磁石回転電機を駆動モータとして用
    いた電動車両において、車両のブレーキング時または降
    坂時に前記永久磁石回転電機が発生する誘起電圧の波形
    を正弦波に近似させたことを特徴とする電動車両。
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