JP2001111897A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

Info

Publication number
JP2001111897A
JP2001111897A JP29201999A JP29201999A JP2001111897A JP 2001111897 A JP2001111897 A JP 2001111897A JP 29201999 A JP29201999 A JP 29201999A JP 29201999 A JP29201999 A JP 29201999A JP 2001111897 A JP2001111897 A JP 2001111897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smear
exposure
imaging
signal
image pickup
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP29201999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Yoshida
英明 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP29201999A priority Critical patent/JP2001111897A/ja
Publication of JP2001111897A publication Critical patent/JP2001111897A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数回の露光を行うような複雑な制御を行う
ことなしに、スミア補正を行いつつ画面全体が暗くなる
不具合を生じさせないようにした撮像装置を提供する。 【解決手段】 CCD撮像素子5と、該CCD撮像素子
からの撮像信号に重畳されるスミア成分を検出するスミ
ア検出部8−1と、該スミア検出部の検出したスミア成
分に基づいて撮像信号を補正するスミア補正部8−2
と、被写体輝度情報に基づいてCCD撮像素子における
露出を制御することが可能な露出制御部12−1と、該露
出制御部のシャッタ速データなどの露出制御データに基
づいてスミアの代表値を算出するスミア代表値検出部12
−2とを備え、前記スミア補正部はスミア検出部の検出
したスミア成分に基づくスミア補正を実行すると共に、
前記スミア代表値に基づいて撮像信号の被写体成分に対
する実効的なゲインを可変設定して、ゲイン補正を行う
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スミア低減機能
を有する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CCD撮像素子等を用いた固体撮像装置
においては、固体撮像装置特有の現象として、強烈な光
が入射したときに発生するスミア現象(より正確には、
スミア及びブルーミングによって総合的に生じる現象で
あるが、本明細書においては当業者における慣用になら
って、これを単にスミアと称している)による画質劣化
が問題となっている。すなわち、このスミア現象は本来
の電荷蓄積領域に捕捉されなかった電荷がポテンシャル
障壁を乗り越えて垂直転送路に漏れ込んだり、入射光の
回折成分や多重反射成分が遮光膜下の垂直転送路に漏れ
込んで電荷発生することなどにより生じるものであり、
通常の定常的な光に起因する場合は、これが垂直転送期
間にわたって発生するため、例えばスポット光の場合
は、その上下に伸びる縦筋が生じ、画質を著しく損ねて
いた。
【0003】これを低減する方法としては、信号の補正
を行なうものや光学シャッタを用いるものなどいくつか
の提案があるが、信号補正を行うものでは効果が不充分
であったり、一方、機械式シャッタを用いるものでは制
御性や信頼性が不充分であったり、液晶シャッタを用い
るものでは偏光を利用するため、透過率が理論上50%以
下(実際はさらに低い)しか確保できないなどの欠点を
有している。
【0004】これに対して、実用新案登録第25246
34号公報には、撮影光学系とCCD撮像素子との間に
介挿した、光拡散状態を切り換え可能な(偏光板を必要
としない故に高透過率の)液晶素子を制御して、スミア
発生の原因となる信号読み出し(CCD転送)期間にお
いては、スポット光を拡散させることで板面照度を平均
化してピーク値を低下させ、スミアを低減する技術(以
下ではこれをスミア低減撮像と称する)が記載されてい
る。
【0005】また、上記信号補正を行なう技術として
は、スミアがその発生原理から垂直方向にほぼ同レベル
で生じることに着目して、有効画素領域外の遮光された
蓄積画素領域である垂直OB(オプティカルブラック:
光学的黒)の出力レベルをスミア除去基準信号とし、こ
れを有効画面の画素出力信号から減じる方法が、例えば
特開平7−067038号公報等に開示されていて公知
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記実用新
案登録公報に記載の従来技術は機械的シャッタの欠点を
有さないから、例えば高速連写等にも適用可能で、且つ
高透過率を維持したままスミア低減効果を得ることがで
きる優れたものであるが、なお以下のような問題点を有
するものである。すなわち、拡散手段によるスミアの低
減は、スポット光起因のような局所的高輝度による局所
スミアに対しては極めて有効に働くが、板面(撮像面)
照度が全体的に高くなった場合、すなわち高速シャッタ
(短時間露光)使用時に生じる遍在スミアに対しては効
果が不充分である。
【0007】この点について詳述すると、シャッタ速自
身はスミアレベルと直接相関はないものの、一般的な撮
影時においてはいわゆる適正露出を与えることが前提に
なるから、高速シャッタを使用する場合とは、すなわち
それだけ短時間の露光であっても充分な露光量が得られ
る板面照度の場合ということになる。この意味におい
て、平均的板面照度Lと露光時間Tとの間には、L=k
/T(kは撮像素子の感度によって決まる定数)の関係
がある。したがって、上記拡散手段により局所スミアが
低減されていても、所定のシャッタ速以上(より短時
間)の露光に関しては、画面全体が極めて高輝度になっ
てしまうためスミアが発生して、レンズのフレア効果に
類似の全体に白けた画像になってしまうという問題があ
った。
【0008】そこで新規な提案として、上記スミア低減
撮像技術に上記特許公開公報開示の技術を組み合わせて
使用することが考えられる。それぞれ単独では公知であ
るこれら2つの技術の特徴に着眼し、相補的に組み合わ
せることで総合的にスミアを低減する効果が得られる。
すなわち、スミア低減撮像においてもなお生じるスミア
を除去するために、スミア成分を検出して撮像信号から
減じることで、真の被写体輝度に対応した被写体成分の
みを得ることができる。
【0009】しかしながら、この場合にもなお、次のよ
うな問題が生じるものである。すなわち、現実のカメラ
に使用される撮像素子の出力レンジは限られているた
め、スミア成分が大きい場合は、補正によって却って画
質劣化を来す不具合があった。具体例として、極端な例
を挙げると、画面全体にほぼ一様に高いレベル(撮像素
子の飽和レベルの50%とする)のスミアが発生していた
とすれば、スミア補正によるスミア成分の減算によって
スミアは除去されるものの、得られる出力信号は本来の
被写体輝度レベルの50%で飽和した極めて暗い画像にな
ってしまうことになる。
【0010】次に、この事情を、上記態様を一般的に示
した図2の(A),(B)に基づいて説明する。図2の
(A),(B)において、横軸は撮像素子出力のAD変
換値すなわちスミア補正回路の入力値、縦軸はスミア補
正回路の出力値である。入力値については、撮像素子自
身の飽和レベルか又はAD変換の最大レベルのいずれか
で飽和してしまうが、このいずれによるかは本質的では
ないので、ここでは撮像素子出力信号の飽和はAD変換
の最大レベルによる場合を想定して、記号Satで表わし
ている。なお、縦軸のSatは数値的には同じであるが出
力ディジタル値の最大値であって、概念的にはスミア補
正出力の飽和レベル(出力可能最大値)に対応するもの
である。図2の(A)に示す特性は、参照のため無補正
の場合を示したものであるが、飽和レベルSatを超える
信号は有り得ないから、スミアSm を減じて得られた図
2の(B)に示す従来のスミア補正の出力信号の特性
は、確かにスミアが除去された被写体輝度を反映したも
のではあるが、最大レベルはSat−Sm しか得られな
い。
【0011】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、スミア補正を行なう際に撮像素子やシステ
ムの飽和に起因して生じる上記問題点を解決し、良好な
画像の得られる撮像装置を提供することを目的とする。
請求項毎の目的を述べると、請求項1に係る発明は、複
数回の露光を行うような複雑な制御を行うことなしに、
スミア補正を行いつつ画面全体が暗くなる不具合を生じ
させないようにした撮像装置を提供することを目的とす
る。請求項2に係る発明は、請求項1に係る撮像装置に
おいて、撮像系のレンジを最大限に利用することができ
るようにすることを目的とする。請求項3に係る発明
は、スミアの影響が除去されて且つ撮像レンジが充分に
確保された高画質の画像が得られるようにした撮像装置
を提供することを目的とする。請求項4に係る発明は、
別途事前に測定した特性に基づいて高精度のゲイン設定
を行うことが可能な撮像装置を提供することを目的とす
る。請求項5に係る発明は、スミア特性関数のばらつき
に対する対応が極めて容易な撮像装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に係る発明は、撮像素子と、該撮像素子の
出力信号である撮像信号に重畳されるスミア成分を検出
するスミア検出手段と、該スミア検出手段の検出した前
記スミア成分に基づいて前記撮像信号を補正するスミア
補正手段と、被写体輝度情報に基づいて前記撮像素子に
おける露出を制御することが可能な露出制御手段とを有
し、前記スミア補正手段は、前記露出制御手段における
露出制御情報を用いて算出されたスミアの代表値に基づ
いて前記撮像信号の被写体成分に対する実効的なゲイン
を可変設定するようにして撮像装置を構成するものであ
る。
【0013】このように、露出制御手段における露出制
御情報を用いて算出されたスミアの代表値に基づいて、
撮像信号の被写体成分に対する実効的なゲインを可変設
定するように構成することにより、複数回の露光を行う
ような複雑な制御を行うことなく、スミア補正を行いつ
つ画面全体が暗くなる不具合を生じさせない撮像装置を
実現することができる。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1に係る撮
像装置において、前記撮像信号の被写体成分に対して可
変設定される実効的なゲインの値は、前記スミア補正手
段の出力飽和レベルを前記撮像信号の飽和レベルと前記
スミアの代表値との差で除した結果値であることを特徴
とするものである。このように、撮像信号の被写体成分
に対する実効的なゲインを設定することにより、撮像系
のレンジを最大限有効に利用することが可能となる。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る撮像装置において、前記スミア補正手段における前
記ゲイン設定に応じて、前記撮像素子における露出を補
正する露出補正手段を有していることを特徴とするもの
である。このように、被写体成分に対する実効的なゲイ
ンに応じて露出を補正するように構成することにより、
スミアの影響が除去されて且つ撮影レンジが充分確保さ
れた高画質な画像が得られる。
【0016】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に係る撮像装置において、前記スミアの代表
値を算出するために用いる当該撮像系に関するスミア特
性関数データを記憶する記憶手段を有していることを特
徴とするものである。このよに、スミアの代表値を算出
するために用いる当該撮像系に関するスミア特性関数デ
ータを記憶する記憶手段を備えることにより、別途事前
に測定した特性に基づいて高精度のゲイン設定を行うこ
とができる。
【0017】請求項5に係る発明は、請求項4に係る撮
像装置において、前記記憶手段は書き換え可能であるこ
とを特徴とするものである。このように、スミア特性関
数データの記憶手段を書き換え可能なもので構成するこ
とにより、スミア特性関数のばらつきに対する対応が極
めて容易となる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、実施の形態について説明す
る。図1は、本発明に係る撮像装置の主たる実施の形態
のディジタルカメラを示すブロック構成図である。1は
前玉1aと後玉1bとからなる撮像レンズ、2はフォー
カスアクチュエータ2aとズームアクチュエータ2bと
からなるレンズ駆動機構、3は可動絞り、4はローパス
フィルタ及び赤外カットフィルタからなる光学フィル
タ、5はCCD撮像素子、6はCCDドライバ、7はA
Dコンバータを含むプリプロセス回路、8はディジタル
プロセス回路で、ハードとしてメモリを含み、全てのデ
ィジタルプロセス処理を行うものであり、スミア検出部
8−1とスミア補正部8−2とを備えている。9はメモ
リカードインターフェース、10はメモリカード、11はL
CD画像表示系、12は主たる構成としてマイコンを含む
システムコントローラで、露出制御部12−1、スミア代
表値検出部12−2、露出補正部12−3を備えている。13
は操作スイッチ系、14は表示用LCDを含む操作表示
系、15は絞りアクチュエータ、16はアクチュエータドラ
イバ、17は光拡散素子、18は光拡散素子ドライバ、19は
EEPROMである。
【0019】そして、本実施の形態のディジタルカメラ
においては、局所的スミア発生を低減させるスミア低減
撮像を行なうことができる構成としてあり、そのための
構成として、いわゆる高分子分散型(ポリマーネットワ
ーク型)液晶を透明電極付き光学ガラスの板状セルに封
入した構造の光拡散素子17が、図1に示すように撮像レ
ンズ1の内部の可動絞り3の近傍に設けられている。次
に、この光拡散素子17について更に詳述する。光拡散素
子17は2枚の光学ガラスを貼り合わせた、全体としては
厚さが 0.9mmの平行平板ガラスを備え、貼り合わせ部に
厚さ10μmの平坦な液晶封入部(セル)を有している。
この封入部に液晶が分散された透明樹脂が封入されて、
素子としての能動部分が形成されているものである。そ
して透明電極から引出された接続線は、光拡散素子ドラ
イバ18に接続され、所定電圧の公知の交流駆動によって
駆動されるようになっている。
【0020】なお、電圧印加時と非印加時(残留電荷排
出のため本実施の形態では0電圧印加)に対して、拡散
と非拡散(素通し)状態をどのように割り当てるかは本
来任意であるが、TTL光学ファインダと組合わせた場
合に、カメラ電源OFFでもファインダが見えるように
する、あるいはスミア低減撮像を必要としない場合に電
力を消費する必要が生じないようにするなどの効果を得
る目的で、本実施の形態では特に電圧非印加時に非拡散
となるようにしており、一旦0電圧印加して残留電荷を
排出した後には、ドライバへの電源供給を停止しても素
通し状態が保たれるようになっている。このためには媒
質に相当する液晶と媒体に相当する樹脂の実効的な屈折
率が、電圧非印加状態で等しくなるように構成されてい
ることは言うまでもない。
【0021】続いて、このスミア低減撮像の制御に関す
る説明を行なう。本実施の形態のディジタルカメラにお
いては、システムコントローラ12が全ての制御を統括的
に行なっており、可動絞り3と、CCDドライバ6によ
るCCD撮像素子5の駆動(電子シャッタ)を制御し
て、露光(電荷蓄積)及び信号の読み出しを行ない、そ
れをプリプロセス回路7を介してディジタルプロセス回
路8に格納し、このディジタルプロセス回路8の中で全
ての必要な各種信号処理を施した後に、メモリカード10
に記録するものである。なお、上記各種信号処理には、
後述する本発明の要部であるところのスミア補正処理が
含まれている。
【0022】また、上記露光及び信号読み出しのタイミ
ングに合わせて光拡散素子ドライバ18を駆動し、光拡散
素子17の拡散特性を変化させることで、スミア低減撮像
を行なうことができるようになっている。すなわち、撮
影対象である当該被写体像の光電変換電荷を蓄積中は、
光拡散素子17を非拡散(素通し)状態のままとしてお
り、CCD転送路(垂直シフトレジスタ)への転送パル
スTGが出ると同時に、拡散状態にすべく電圧印加を開
始する。ただし駆動を開始してから光拡散素子17が現実
に充分な拡散状態に転移するまでは、かなりの時間を要
する。この転移時間は、素子の材料、印加電圧や駆動周
波数にも依存するが、通常数ms〜数 100ms程度であ
る。そして素子(能動部)の厚さにも大きく依存する。
本実施の形態では厚さが10μmと薄いため、転移時間は
10ms以下と高速であって、これに対応して撮像信号の
読み出し(信号電荷のCCD転送)は、転送パルスTG
の出力後10msの時点から開始される。そして、信号読
み出しが終了した後は次の撮影に備え、また無駄な駆動
電力をなくす意味で、速やかな適時に光拡散素子17への
電圧印加を0電圧として素通し状態に転移させる。この
後、光拡散素子ドライバ18への通電を停止してもよい。
【0023】このとき、もしも転移時間が異なる値であ
れば、これに合わせた読み出し開始時刻を設定すればよ
い。また、このとき更に遅らせて読み出しを開始しても
よいが、それに伴う暗電流ノイズの増加を避けるため、
本実施の形態では不要な遅延はさせていない。
【0024】以上のようなスミア低減撮像を行なえば、
被写体のスポット光による局所的スミアは信号読み出し
時に像が拡散されていることにより、かなりの程度低減
される。しかしながら、高速シャッタ(短時間露光)使
用時の遍在スミアは発生するし、また上記のように応答
性の要請から、厚みの薄い拡散素子を使用するため拡散
性を充分確保できなかったり、あるいはレンズの周辺光
量落ちのため、発生するスミアは完全に均一ではない場
合がある。したがって、上記のようなスミア低減撮像に
よっても、なお撮像素子出力に重畳されているスミア成
分を除去するために、本実施の形態のカメラではスミア
補正手段を有しており、このスミア補正手段によるスミ
ア補正は、前記スミア低減撮像とは相補的に作用するよ
うになっている。
【0025】次に、上記スミア補正について詳述する。
本実施の形態において使用されているスミア補正処理の
方式は、「撮像素子の出力信号の垂直ブランキング期間
に対応する出力に基づいて撮像素子のスミア成分を検出
するスミア検出手段の検出したスミア成分に基づいて、
有効信号出力期間の撮像素子出力である有効画像信号を
補正する」ものであって、具体的にはVOB(垂直光学
的黒検出用画素)の出力から算出したスミア除去基準信
号を、有効画像信号から減じる方式である。
【0026】すなわち、上記スミア低減撮像によって得
られた1画面に対応する撮像出力信号をディジタルプロ
セス回路8の所定メモリ領域に格納すると、スミア検出
部8−1において、まずVOBの出力を用いてスミア除
去基準信号を算出する。すなわち、複数ライン(ここで
は仮に12ラインとする)あるOB画素のデータのうち同
じ水平アドレスを持つ12画素毎の和をとり、画素数12で
除することで平均値を得る。言い換えれば、このスミア
除去基準信号は複数のVOBラインの平均値に相当す
る、1ライン分の画像信号である。これをSm(i)とす
る。但しi は水平アドレス、後出のjは垂直アドレスで
ある。
【0027】このようにして得られたスミア除去基準信
号を用いて、スミア補正部8−2において、有効画素信
号に関するスミア補正が行なわれる。処理の内容は概念
的に2つに分けて説明できる。第1の処理は、従来公知
のものと同様であって、すなわち有効画素部分から読み
出された画素信号の各ラインデータから、このスミア除
去基準信号を減じたものを補正後の出力とする。言うま
でもなく、減算は同じ水平アドレスを持つデータ間で行
われる。
【0028】この処理概念を数式で示すと、スミア補正
部8−2における入力画像信号(すなわち有効画像領域
に対応する撮像素子出力のディジタル値)をSig(i,j)
、スミア成分を減じた段階の中間データ(概念上のも
のであり、処理上の実在は問わない)をSdif(i,j)とす
ると、次式(1)のように表される。 Sdif(i,j)=Sig(i,j) −Sm(i) ・・・・・・・・・・(1) この段階では撮像信号の被写体成分が抜き出されてはい
るものの、上記従来例の、すなわち図2の(B)に相当
する特性であり、画像が暗くなってしまう。本実施の形
態のスミア補正部8−2によるスミア補正は、最終的に
は更に定数を乗じる補正(これをゲイン補正と称する)
を伴うものである。補正後の出力をSout(i,j)とする
と、次式(2)ので表される。 Sout(i,j)=Sdif(i,j)× Sat/(Sat−Sm ) ={Sig(i,j) −Sm(i)}× Sat/(Sat−Sm ) ・・・・・・・・(2) ただし、上記(2)式の分子分母の各Sat は、この実施
の形態の場合数値的には等しいが、概念的には分子のそ
れは最大出力レベル(出力信号の飽和レベル)に、分母
のそれは最大入力レベル(撮像信号の飽和レベル)に対
応するものである。
【0029】ここで、Sm はSm(i)の1画面代表値に相
当するものであって、後述するように露出制御データを
用いて算出されたものである。「代表値」という意味
は、次のようなものである。すなわち、上述のようにス
ミアは必ずしも充分均一ではない場合もあるので、一般
的には水平アドレスによって異なる値を持つ。しかし、
画像のゲインは当然1画面については同一の値である必
要があるため、ゲイン項はi,jに関する定数でなけれ
ばならない。
【0030】この代表値Sm を決定するための方法とし
て、撮像出力信号から求めた上記Sm(i)データを用いて
算出することも考えられるが、その場合ゲインに応じて
露出を補正することが困難になる。すなわち、Sm(i)が
求められた時点では既に露光が完了している訳であるか
ら、再度露光を行なうという極めて複雑な制御を別にす
れば、これは不可能である。そこで、これを露光に先立
って算出する方法として、本実施の形態のカメラでは露
出制御データを使用する。
【0031】上記のようにスミア低減撮像の手法を用い
ているから、発生するスミアに若干の不均一性が残留し
ている可能性はあるものの、それは僅かであり、その殆
どは一様なスミアであるので、上記スミア代表値は露出
制御データから算出可能である。具体的には、本実施の
形態のカメラでは、CCD撮像素子5の露出を制御する
システムコントローラ12内の露出制御部12−1における
シャッタ速(露出時間)データを利用し、同じくシステ
ムコントローラ12内のスミア代表値検出部12−2におい
て、上記スミア代表値が算出される。すなわち、当該撮
像系のスミア特性関数〔板面照度Lに対応して発生する
スミアレベルSm(L)〕については、別途事前に測定
によって求めることができるから、この関数データをE
EPROM19に予め格納しておく。撮像に際しては、図
示しない公知の測光手段によって求めた適正露光の露光
時間がTmeasであったとすると、適正露光時の平均的板
面照度Lと露光時間Tとの間の関係L=k/T(kは撮
像素子の感度によって決まる定数)を用いて、代表値S
m =Sm (k/Tmeas)とすればよい。
【0032】この時のスミア補正処理後の特性を図3に
示す。ただし図3の各軸や記号等の定義は図2と同じで
あり、また簡略化のためスミアが一様な場合(すなわち
Sm(i)=const =Sm の場合)を示すものである。図3
より判るように、入力信号から被写体成分だけを抜き出
した後、この被写体成分に対する実効的なゲインアップ
を行なったのと等価な特性となっている。これは、被写
体成分のレンジを出力レンジ一杯に対応させているか
ら、系のレンジを最大限有効に利用しているものであ
る。
【0033】さて、このようなスミア補正を行なった場
合、ゲイン補正によって画面は明るくなるが、これだけ
では被写体輝度域に着目した場合に再現域は改善されて
いない。すなわち、スミアによって狭くなった撮像レン
ジは狭いままで改善されていない。この原因は、ゲイン
を上げたにも係らず、露出はゲインを上げる以前の撮像
系に対して適正となるようになされたものであるから、
露出オーバー状態を来たしているためである。本実施の
形態のカメラでは、この露出オーバー状態を生じないよ
うに適正露光を得るべく、露出を補正する露出補正部12
−3をシステムコントローラ12内に更に有している。具
体的には、実際の露光時間Texp は、次式(3)で示す
ように、ゲイン項の逆数を乗ずることによって決定され
る。 Texp =Tmeas×(Sat−Sm )/Sat ・・・・・・・(3) なお、このスミアに関する露出補正を行なう際に、必要
に応じてその他の情報による露出の補正を伴ってもよい
ことは勿論である。
【0034】このように構成した実施の形態のカメラに
よれば、極めて高速なシャッタを用いた場合も含めて全
ての場合に、スミアの影響が除去されて且つ撮像レンジ
が充分確保された高画質な撮像を行なうことができる。
【0035】なお、上記実施の形態の他にも様々な実施
の形態が考えられる。例えば、上記実施の形態におい
て、説明を省略した公知の測光手段については、例えば
フォトダイオードなどの専用の測光素子を用いたものが
そのまま使用できるのは勿論、撮像素子の出力信号の出
力レベルを解析して測光情報を得る、いわゆるイメージ
ャ測光も使用できる。ただし、後者のイメージャ測光に
おいては、従来公知の通常の解析アルゴリズムを単純に
用いた場合は、解析対象たる信号にスミア成分が含まれ
ているから、測光時に高速シャッタを使用した時には適
正露光情報に誤差を生じる場合があるから、そのときの
露光時間に応じた誤差を見込んだ演算を行なって、本来
の適正露光条件を求めるようにする。
【0036】また上記実施の形態における露出の補正
は、露光時間を変更することで行なっているが、これを
絞りで行うようにしてもよい。
【0037】更に、上記実施の形態のカメラでは、スミ
ア補正の効果をより高いものにするために、光拡散素子
を用いたスミア低減撮像を行なっているが、これは必須
ではない。すなわち、スミア低減撮像はスミアの均一性
を格段に高める効果があるから、本発明の利用にとって
極めて有効な技術ではあるが、少なくとも上記実施の形
態のカメラのようなスミア補正処理を行なえば、スミア
低減撮像を採用しない場合においても、従来技術に比し
て格段の画質向上を図ることができる。
【0038】そして、スミア補正に際して用いるスミア
検出部8−1についても、上記実施の形態のカメラの方
式に限られないことは言うまでもなく、例えば上記露出
制御情報(シャッタ速データなど)から求めたスミア代
表値Sm に相当するものを検出して用いるものであって
もよい。(この場合、絵柄依存性のあるスミアの除去は
困難である。)
【0039】また、上記実施の形態のカメラにおいて
は、該撮像系のスミア特性関数〔板面照度Lに対応して
発生するスミアレベルSm(L)〕の関数データは、E
EPROM19に格納するようにしたものを示したが、こ
れは任意の記憶手段を用いることができる。ただし、一
般にスミアの発生原因のうちいくつかのもの、例えば回
折や多重反射による遮光膜下への入射光の直接的漏れ込
みなどは、撮像素子製造時の露光ムラの影響などによっ
て、また他のいくつかのもの、例えばポテンシャル障壁
を乗り越えた漏洩電荷などは、カメラ製造時のバイアス
電圧ばらつきなどによって、それぞればらつき要素をも
っているために、このスミア特性関数についても、カメ
ラの個体毎に異なるものを必要とする場合がある。上記
実施の形態のカメラは書き換え可能な記憶手段であるE
EPROMを使用することで、この技術的要請に対する
対応を極めて容易にしている。
【0040】更にまた、本発明は、静止画撮影、動画撮
影のいずれに対しても適用することができる。
【0041】以上本発明のいくつかの実施の形態を具体
的に示したが、本発明はこれらに限られることなく、特
許請求の範囲に記載の限りにおいて如何なる態様をも取
り得るものであることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1に係る発明によれば、露出制御手段におけ
る露出制御情報を用いて算出したスミアの代表値に基づ
いて撮像信号の被写体成分に対する実効的なゲインを可
変設定するように構成しているので、複数回の露光を行
なうような複雑な制御を行なうことなしに、スミア補正
を行ないつつ画面全体が暗くなる不具合を生じさせない
撮像装置を実現することができる。また請求項2に係る
発明によれば、撮像信号の被写体成分に対する実効的な
ゲインを、スミア補正手段の出力飽和レベルを撮像信号
の飽和レベルとスミアの代表値との差で除した値に設定
するようにしているので、撮像系のレンジを最大限有効
に利用することができるという優れた効果が得られる。
また請求項3に係る発明によれば、被写体成分に対する
実効的なゲインに応じて露出を補正するように構成して
いるので、スミアの影響が除去されて且つ撮像レンジが
充分確保された高画質な画像が得られる。また請求項4
に係る発明によれば、スミアの代表値を算出するために
用いる当該撮像系に関するスミア特性関数データを記憶
する記憶手段を備えているので、別途事前に測定した特
性に基づいて高精度なゲイン設定を行なうことができ
る。また請求項5に係る発明によれば、スミア特性関数
データの記憶手段を書き換え可能なもので構成している
ので、スミア特性関数のばらつきに対する対応が極めて
容易であるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の実施の形態のディジタ
ルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】従来のスミア補正前後の入出力特性を示す図で
ある。
【図3】図1に示した本発明の実施の形態におけるスミ
ア補正処理後の入出力特性を示す図である。
【符号の説明】
1 撮像レンズ 1a 前玉 1b 後玉 2 レンズ駆動機構 2a フォーカスアクチュエータ 2b ズームアクチュエータ 3 可動絞り 4 光学フィルタ 5 CCD撮像素子 6 CCDドライバ 7 プリプロセス回路 8 ディジタルプロセス回路 8−1 スミア検出部 8−2 スミア補正部 9 メモリカードインターフェース 10 メモリカード 11 LCD画像表示系 12 システムコントローラ 12−1 露出制御部 12−2 スミア代表値検出部 12−3 露出補正部 13 操作スイッチ系 14 操作表示系 15 絞りアクチュエータ 16 アクチュエータドライバ 17 光拡散素子 18 光拡散素子ドライバ 19 EEPROM

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像素子と、該撮像素子の出力信号であ
    る撮像信号に重畳されるスミア成分を検出するスミア検
    出手段と、該スミア検出手段の検出した前記スミア成分
    に基づいて前記撮像信号を補正するスミア補正手段と、
    被写体輝度情報に基づいて前記撮像素子における露出を
    制御することが可能な露出制御手段とを有し、前記スミ
    ア補正手段は、前記露出制御手段における露出制御情報
    を用いて算出されたスミアの代表値に基づいて前記撮像
    信号の被写体成分に対する実効的なゲインを可変設定す
    るように構成されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 前記撮像信号の被写体成分に対して可変
    設定される実効的なゲインの値は、前記スミア補正手段
    の出力飽和レベルを前記撮像信号の飽和レベルと前記ス
    ミアの代表値との差で除した結果値であることを特徴と
    する請求項1に係る撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記スミア補正手段における前記ゲイン
    設定に応じて、前記撮像素子における露出を補正する露
    出補正手段を有していることを特徴とする請求項1又は
    2に係る撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記スミアの代表値を算出するために用
    いる当該撮像系に関するスミア特性関数データを記憶す
    る記憶手段を有していることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に係る撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記記憶手段は書き換え可能であること
    を特徴とする請求項4に係る撮像装置。
JP29201999A 1999-10-14 1999-10-14 撮像装置 Withdrawn JP2001111897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29201999A JP2001111897A (ja) 1999-10-14 1999-10-14 撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29201999A JP2001111897A (ja) 1999-10-14 1999-10-14 撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001111897A true JP2001111897A (ja) 2001-04-20

Family

ID=17776487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29201999A Withdrawn JP2001111897A (ja) 1999-10-14 1999-10-14 撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001111897A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019076331A (ja) * 2017-10-23 2019-05-23 Necエンベデッドプロダクツ株式会社 認証装置、認証システム、遊技機、認証方法、プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019076331A (ja) * 2017-10-23 2019-05-23 Necエンベデッドプロダクツ株式会社 認証装置、認証システム、遊技機、認証方法、プログラム
JP7131791B2 (ja) 2017-10-23 2022-09-06 Necエンベデッドプロダクツ株式会社 認証装置、認証システム、遊技機、認証方法、プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6414718B2 (ja) 撮像装置
JP2014230020A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理用プログラム
JP2011151740A (ja) 撮像装置
JP5957925B2 (ja) 暗露光制御装置
KR101119969B1 (ko) 디지털 카메라에서 고정 패턴 노이즈 제거 장치 및 방법
JP6572524B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP4144012B2 (ja) 電子カメラのメカシャッター調整方法、及び電子カメラ
JP2017118342A (ja) 撮影装置
JP4503740B2 (ja) 撮像装置
JP2001111897A (ja) 撮像装置
JP2002320236A (ja) 撮像装置
JP4503733B2 (ja) 撮像装置
JP2001111896A (ja) 撮像装置
JPH11234573A (ja) 電子カメラの撮像方法
JP4388177B2 (ja) 撮像装置
JP2019186852A (ja) 撮像装置およびその制御方法
JP2014165785A (ja) 撮像装置およびその制御方法、カメラシステム、プログラム、記憶媒体
JPH11234552A (ja) 電子カメラ及び電子カメラの露光量制御方法
US20240064401A1 (en) Light receiving element, imaging device, and correction processing method
JP2001024951A (ja) 撮像装置
JP2006325067A (ja) 撮像装置、撮像装置の制御方法
JP2579159B2 (ja) 撮像装置
JP3171662B2 (ja) 顕微鏡用画像情報入力装置
JPH02134986A (ja) 撮像装置
JP5247922B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070109