JP2001111129A - 圧電素子及びその加工方法 - Google Patents

圧電素子及びその加工方法

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JP2001111129A
JP2001111129A JP32449299A JP32449299A JP2001111129A JP 2001111129 A JP2001111129 A JP 2001111129A JP 32449299 A JP32449299 A JP 32449299A JP 32449299 A JP32449299 A JP 32449299A JP 2001111129 A JP2001111129 A JP 2001111129A
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善昭 長浦
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 圧電素子、及びシリコン、又はガリウムヒ素
などの電子材料の加工方法を提供する。 【解決手段】 水晶板、シリコン、ガリウムヒ素などの
電子材料を、研磨加工機械を用いて研磨加工した水晶板
(水晶板の厚さを80μmとして、水晶板の直径を2イ
ンチとする)を、片面又は両面から、RIE加工などの
化学的なエッチング加工を行って、数10μm前後(例
えば、62μmとする)を除去した後、Dry Etc
hing加工、又は、化学的なWetエッチング加工に
よって発生する数μm(例えば、RIE加工にて、62
μm除去すると、約0.2μmから3μmの凸凹が発生
する)を、再度研磨加工をする水晶板などの圧電素材、
又はシリコン、ガリウムヒ素などの、電子材料を加工す
ることを特徴とする、圧電素子の加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン酸バリウム
や、水晶や、加速度センサー又は、角速度センサーに用
いる、ニオブ酸リチウム又は、ニオブ酸カリウム又は、
その他の単結晶又は、圧電セラミックス又は、その他の
セラミックスなどの圧電素子又は、シリコン、ガリウム
ヒ素、又はその他の電子材料、光学レンズ又は、その他
の物質を、加工するための、加工工具及び、その加工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子の一種である水晶振動子は、通
信機器や計測機器の基準周波数の発振源をはじめ、汎用
コンピュータ、OA情報機器、家電製品用のマイコンの
クロック発生など、その用途は多岐にわたっているが、
情報の処理・伝達能力の高性能化のため、振動子の厚さ
を薄くし、その固有振動周波数を上昇させることが求め
られている。また高品質の振動子を得る目的で、レンズ
形状に仕上げることが提案され、比較的低い周波数領域
では実績を上げている。
【0003】しかしながら、振動子の厚さを薄くする場
合の問題として、両面ラップ盤による製造法では、現在
24.0μm(=70MHz)に製造の限界がある。ま
た、振動子を、レンズ形状に仕上げる場合では、薄片上
に、曲面を創成することは非常に困難であり、今まで製
作された例がなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決し
ようとする課題は、従来困難とされた、製造限界の厚み
よりも、薄い、電子材料、圧電素子及びその加工方法を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の圧電素子の加工方法は、超鋼又は、鉄又
は、硬質ガラス又は、ガラス又は、その他の素材で、出
来ている、第1の加工補助具の上面に、リング形状又は
4角形状又はその他の形状の溝又は段差を形成し、その
溝又は段差の深さよりも、やや高い、円筒形状又はその
他の形状をした、硬質ガラス又は、超鋼又は、鉄又は、
その他の素材でできている、第2の加工補助具を、前記
溝又は段差にはめ込み、前記第2の加工補助具の、第1
の加工補助具上面からの、突出高さと同じか、又は、突
出高さよりも少し低いか、又は、高い円板状又は、その
他の形状の、圧電素子被研磨物を設置し、前記圧電素子
被研磨物の、下面にある、下部ラッピングプレート(下
の上板)と、前記第1の加工補助具の、上にある、上部
ラッピングプレート(上の上板)の、上下2枚のラッピ
ングプレートを使用し、極く薄い加工物を研磨加工する
ことを特徴とする。
【0006】第1の加工補助具と、円板状又はその他の
形状の、圧電素子被研磨物との固着方法としては、前記
第1の加工補助具の、上面に形成した円形状又は、その
他の形状の溝又は、段差に水溶液、又は粘性物質(例え
ば、界面活性剤などの物質)の液体を入れ、この液体に
前記圧電素子被研磨物下面の、周囲が密着するように、
前記圧電素子被研磨物を、前記第1の加工補助具上に載
置し、前記液体の表面張力を使用するか、または氷結さ
せることで、前記第1の加工補助具の上面に、載置し
た、水を含ませた親水性薄板の上に、前記圧電素子被研
磨物を載置し、前記親水性薄板に含ませた、水の表面張
力を使用すること、あるいは前記第1の加工補助具に、
複数の孔を形成し、この孔に水飴、蜂蜜、接着剤のボン
ドまたはグリースなどの、粘性物質又はその他の接着剤
(たとえば、ゴム系の接着剤)を充填することで、前記
圧電素子被研磨物の下面を、前記粘性物質で、密着させ
る方法を採ることもできるが、第1の加工補助具の上
に、圧電素子被研磨物を、ただ置くだけとするか、又は
真空の吸着力を使用して吸着させる。さらに、硬質ガラ
ス又は、超鋼又は、鉄又は、その他の金属などでできて
いる、前記第1の加工補助具と、第2の加工補助具を、
松脂、パラフィン、澱粉糊又は、その他の接着剤を使用
して固定することもできるが、固定して使用しなくても
よい場合もある。
【0007】また、本発明の圧電素子は、円筒の中央部
に、水晶又は、チタン酸バリウム又は、ニオブ酸リチウ
ム又は、その他のセラミックスなどの、圧電効果を有す
る材質からなる受圧面を形成し、その受圧面に、一対の
電極を形成したことを特徴とする。前記の円筒と、受圧
面を、圧電効果を有する一体の材質とすることができ
る。
【0008】さらに、本発明の圧電素子の加工方法は、
圧電効果を有する材質からなる、丸棒の両端部から、そ
れぞれ、研削手段を用いて、円筒形状の穴を開け、前記
丸棒の、中央部に、所定の厚みの受圧面を形成し、その
受圧面に、一対の電極を設けて外部の空気振動を、増幅
した電気信号に変換する構成としたことを特徴とする。
研削手段は、樽状の砥石の表面に溝を形成し、その溝
に、圧縮空気又は液体を噴射することで、前記砥石を回
転させるか、またはその他の機械的な手段を使用して、
前記樽状の、砥石を回転させるものとすることができ
る。又、真球に近い鋼球を使用して、樽状の砥石を形成
することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明者は、研削加工法に分類される、新
しい加工法を開発し、厚さ9μmの片凸レンズ状(Pl
ano−convex型)水晶振動子の製作に成功し
た。さらに、水晶振動子の高性能化を目的として、厚さ
500μm以下の振動子について、厚さと電気的特性の
関係を調査した。
【0010】水晶は硬脆材料であるため、適応できる加
工法は、機械的なラッピング加工あるいは、化学的なW
etエッチング加工に限定されると考えられていた。そ
のため、高周波用水晶振動子の加工には、研削加工法
は、ほとんど用いられていない。
【0011】本発明者が開発した研削加工法は、図1に
示すように、鋼球にダイヤモンド砥粒を、電着固定した
ボール砥石1を用いる方法である。すなわち、超精密旋
盤の主軸2に、取り付けた円筒形状磁石3上に、水晶板
4を張り付け、研削スピンドル5の先端には、球が乗る
座を設けた、工具保持具6を取り付けている。これを円
筒形状磁石3に近づけると、磁気誘導によって、鋼球は
工具保持具6に吸引保持される。工具保持具6が、円筒
形状磁石3の、直径よりも小さくなっているがため、磁
束密度が、ボール砥石1と、円筒形状磁石3間よりも、
ボール砥石1と、工具保持具6間の方が、大きくなって
いる。このため、ボール砥石1は、工具保持具6に、強
く吸引され、高速回転しても外れずに、強力に一体化す
る。
【0012】この鋼球には、ダイヤモンド砥粒が、電着
固定され、ボール砥石1となっており、円筒形状の工具
保持具6に、鋼球は,磁力で保持されているので、容易
に砥石の交換ができる。しかも、円筒形状の工具保持具
6と、精度のよい鋼球を用いて、鋼球を保持しているの
で、交換時必要であった、砥石1の、芯合わせの作業
も、不要であるため、粗加工から、仕上げ加工に使用す
る、ボール砥石1の交換を、迅速に行える特長を持って
いる。このボール砥石1の運動は、NC装置で制御され
るので、曲面の創成も可能である。又、ボールベアリン
グなどに使用する、鋼球で出来ている、ボール砥石1
に、電着固定される、ダイヤモンド砥粒57の、直径の
太さが、例えば、荒加工に使用する、30μmの場合
と、中仕上に使用する、16μmの場合と、仕上に使用
する、4μmの場合では、ボール砥石1の、直径が、そ
れぞれ、ダイヤモンド砥粒57の、直径の太さの分だけ
異なる、此のダイヤモンド砥粒57の直径が異なると、
ボール砥石1を、円筒形状の工具保持具6に、主軸2側
の円筒形状磁石3の、磁気誘導を使用して、吸着保持さ
せると、それぞれの、ダイヤモンド砥粒57の直径が異
なる分だけ、工具保持具6に、磁力にて保持されてい
る、ボール砥石1の、中心点が縦方向に移動する。この
問題点の、解決手段としては、図1(b)に示している
ように、工具保持具6にて、ボール砥石1を保持する、
ボール砥石1の保持部分56の、面積だけを、ダイヤモ
ンド砥粒57を、電着固定していない、ボール砥石1を
使用すれば、図1(c)に示しているように、ダイヤモ
ンド砥粒57の太さに関係なく、ボール砥石1の縦及び
横方向のχ、γ軸特に縦方向のχ軸の、中心軸は、常に
不動となるので、荒仕上用の、砥石の、ボール砥石1
と、中仕上用の、砥石の、ボール砥石1と、又、仕上用
の、砥石の、ボール砥石1の交換を、それぞれ行なって
も、ボール砥石1の、縦及び横方向の中心軸の、χ、γ
軸は、図1(c)に示しているように、常に変化するこ
とがないので、ボール砥石1の、交換が容易となる。
【0013】本発明者は、この加工法を使って、図2
(a)に示すように、保持部分51と、溝52を一体成
型した、Plano−convex型の加工に成功し
た。保持部分51と、溝52を結ぶ曲線は、スムーズラ
イン53と呼ばれる。その形状は、図2(b)に示すよ
うに、水晶円板の中央部を研削加工し、厚さ25μm、
曲率半径3mm、形状誤差0.1μm以下のレンズ形状
である。従来、この形状の水晶振動子は、副振動を伴い
易く、十分な性能が発揮できないとされていた。しか
し、図2(c)から明らかなように、そのリアクタンス
周波数特性は、鋭い共振曲線を描き、副振動を全く伴わ
ないことから、水晶振動子として、理想に近いことが理
解される。
【0014】更に薄い、水晶振動子の製作を試み、厚さ
9μm、曲率半径200mmの、水晶振動子の加工に成
功した。これに、酸化セリウムによる、研磨加工を加え
て、表面をさらに0.5μm程度除去した結果、図3
(a)に示すような素子を得た。そのリアクタンス周波
数特性は、図3(b)に示すように、共振曲線は、やや
鋭さを欠き、図2の水晶振動子と比較すると、Qが、や
や小さいことを示唆しているが、副振動は全く伴ってい
ない。共振曲線が鋭さを欠く原因として、水晶振動子表
面下には、加工によるダメージを内在していることが予
想され、水晶振動子の厚さが、薄くなることによって、
相対的に、ダメージ層の、厚さの、比率が増したためと
考えられる。しかし、このダメージ層をエッチング法で
除去することにより、特性の改善は可能である。
【0015】次に、Plano−convex型の曲率
半径を、30mm一定の条件で、レンズ部分の厚さを、
増加することを試みた。厚さ125μmに達するまで、
図2と類似な副振動を伴わない、鋭い共振曲線が維持さ
れた。しかし、それを越えると、副振動を伴ったり、振
動しなくなる現象が現れた。
【0016】一方、図4(a)に示すような、振動部分
の厚さが、27μmの平面形状、又は凹レンズ形状とも
いう(Inverted mesa型)も製作した。同
程度の共振周波数を持つ、Plano−convex型
と比較すると、図4(b)のように、多少電気的特性は
劣るが、やはり副振動を伴わないことが分かる。さらに
Inverted mesa型の、平板部分の厚さを増
加させると、厚さが30μmを越えると、振動を起こさ
ない現象が出現した。Inverted mesa型
は、レンズ部分の曲率半径が、無限大のPlano−c
onvex型と考えられ、リングサポートを持つ、この
形状の水晶振動子は、振動部分の厚さと曲率により、良
好な振動特性を示す領域と、振動できない領域があると
言える。
【0017】本発明の方法により、次の結論を得た。こ
れまでBi−convex型の形状でなければ、副振動
を伴わない、良好な水晶振動子は得られないとされてい
た。しかし、Plano−convex型でも、リング
サポートを設けて、厚さを30μm程度に薄くすると、
副振動を伴わない、理想的なリアクタンス周波数特性を
持つ、水晶振動子が得られることが判明した。
【0018】以上述べたように、厚さの薄い領域で、水
晶振動子の高性能化が期待できる結果を得た。しかし、
厚さが125μmを越えると、副振動が発生するか、あ
るいは振動しなくなることも判明した。尚、図2(a)
に示している、Plano−Convex型形状、及び
図4(a)に示している凹レンズ型形状(Invert
ed mesa型形状)のものでも、ある一定の厚さ、
及びある一定の極率半径に研磨加工しておけば、Pla
no−Convex型形状、及び凹レンズ型形状を形成
している裏面から、RIE加工、プラズマエッチング、
(以下、RIE加工、イオンミーリング及びプラズマエ
ッチングの加工手段を、化学的な、Dry Etchi
ngとする)、又は化学的な、Wetエッチング手段
と、片面研磨加工機械、又は両面研磨加工機械、又はそ
の他の研磨加工手段を併用、又は単独にて使用して、P
lano−Convex型形状の裏面、又は凹レンズ型
形状の裏面を加工、又は研磨加工することで、極限ま
で、極く薄い、Plano−Convex型形状、及び
凹レンズ型形状の、研磨加工を行うことが出来る。尚、
図1に示している加工手段は、Plano−Conve
x型形状以外に、Concavo−Convex型形
状、又はBi−Convex型形状の加工を行うことも
出来る。
【0019】また、本発明者は、できるだけ、水晶振動
子の厚みを薄くするための、加工方法について研究を重
ねてきた。図5及び図6は、ポリッシュポイントの、直
径と厚みが、それぞれ5mm、76.7μm及び、10
0μmの場合の、リアクタンス周波数特性を示すもので
ある。これによれば、主振動の周波数の近傍に、副振動
が存在することがわかる。図7は厚みが、33μmの水
晶振動子の、リアクタンス周波数特性を示すもので、±
5MHzの、周波数領域には副振動は存在していない。
尚、図8に示すように、約6MHz離れた周波数領域
に、複雑な副振動が見られる。図9は厚みが、31μm
の水晶振動子の、リアクタンス周波数特性を示すもの
で、主振動の、±5MHzの領域には副振動は存在しな
いが、図10に示すように、副振動の周波数は、主振動
の周波数よりも、約8MHz離れている。これより、副
振動は水晶振動子の厚みが、薄くなればなるほど、主振
動の周波数から離れることがわかる。
【0020】図11〜図19は超薄型の、水晶振動子の
加工装置を示すものである。この加工装置においては、
図11に示すように、第1の加工補助具11の上面に、
リング形状又は4角形状又はその他の形状の溝又は段差
12を形成し、図12に示すような、リング形状又はそ
の他の形状の溝又は段差12の深さよりも、やや高い円
筒形状又は、その他の形状の、第2の加工補助具19を
はめ込み、図13に示すように、第1の加工補助具12
の内部に、第2の加工補助具19をはめ込み、第1の加
工補助具11からの突出高さ(例えば40μm)と同じ
か、又は突出高さよりも、少し低いか、又は高い円板状
又は、その他の形状の圧電素子被研磨物、本例では水晶
板13を設置する。さらに、他の加工順序としては、下
記のようにすると、水晶板13を加工する段階にて発生
する、歪みを是正するのでなおよい。水晶板13を、第
1の加工補助具11の上に設置する前に、前処理とし
て、水晶板13の片面に、金又は、銀又は、アルミニウ
ムなどの、金属を使用して蒸着し、水晶板13の片面
に、金属被膜を形成するか、又はその他の手段を使用し
て、水晶板13の、表面と裏面の、区別が出来るよう
に、水晶板13の片面を、表面処理したあと、例えば、
極く薄い、金属被膜を形成した場合には、金属被膜を形
成した面を、下側にして、水晶板13を、第1の加工補
助具11の上に設置し、水晶板13の、最初の厚さが、
例えば、両面研磨加工した、厚さが、40μmならば、
20μm程度の、厚さまで、研磨加工した段階でも、水
晶板13の研磨加工面には、かなりの歪みが発生する、
此の歪みを除去するがために、此の段階にて、第1の加
工補助具11と、第2の加工補助具19を使用して形成
した、加工補助具と、加工途中の、水晶板13を、両面
研磨加工機械より、取り出して、よく洗浄したあと、再
度、水晶板13の表面上に形成した、金属被膜の表面
を、上に向けて、加工途中の、水晶板13を、第1の加
工補助具11の表面上に設置して、金属被膜を行なって
いる、表面上から、水晶板13を、研磨加工すると、最
終目標とする、厚さ10μm内外の、水晶板13を、容
易に、研磨加工することが出来ると同時に、水晶板13
を、両面から、研磨加工したことになるので、水晶板1
3を、片面から、研磨加工することで発生する、歪みの
発生を、最小限に、抑圧することが出来ることになり、
水晶の特性を変化させることなく、極く薄い、水晶板1
3を研磨加工することが出来る。ちなみに、金を使用し
て、蒸着をした場合の、蒸着層の厚さは、100Å(オ
ングスローム)から200Åの厚さにて、水晶板13の
片面に、均一に、蒸着層を形成することが出来るので、
蒸着層の厚さ自体は、水晶板13の、研磨を行なう厚さ
に、比較すると、厚さとしては、問題にならない厚さで
ある。水晶板13の、片面に、金などの金属を使用し
て、蒸着することで、水晶板13を、途中まで加工して
も、酸化セリウムなどの、研磨剤65の内部に混入して
いる、水晶板13を研磨剤65と、水晶板13とを、水
洗いすることで、水晶板13だけを、分離して取り出す
ことが出来る。さらに、水晶板13の、最初の厚さが、
例えば、40μmならば、RIE加工などの加工手段を
使用して、25μm程の厚さを荒加工して除去した後、
残りの15μmの内、5μm程を、上記にて説明した、
加工補助具を使用して、両面研磨加工機械、又は片面研
磨加工機械、又はその他の加工手段を使用して、研磨加
工するならば、上記にて説明した加工手段を使用する必
要性はなくなり、上記の加工手段よりも、一段と簡便
で、なおよい。尚、上記にて説明した加工補助具を使用
しなくてもよい、研磨加工手段の場合には、加工補助具
を使用することなく、水晶板13を単体にて研磨加工す
るとよい。
【0021】水晶板13と、第1の加工補助具11の上
面とは、接着剤59などで固定するか、又は、接着剤5
9を使用することなく、研磨加工を行うのが通常である
が、接着剤59を用いて、第1の加工補助具11の上面
に、全面に、接着剤59を塗布して貼り付けると、薄板
(例えば、厚さが10μm)の、水晶板では、接着剤5
9が固まるときの、収縮力による影響により、水晶板1
3が、外側に強い、応力を受けて、歪むことになり、水
晶板13の電気的な特性が低下して、水晶板13として
の、特性がなくなるので、水晶板13の下面の、全面
に、接着剤59を塗布しての、接着を行うことは出来な
い。そこで、図14に示すように、第1の加工補助具1
1′の上面に形成した、円形状又はその他の形状をし
た、溝14に純水を入れるか、又は松脂又はその他の接
着剤59などを入れて、この純水に水晶板13の、下面
の周囲が密着するように、水晶板13を載置し、水の表
面張力を使用するか、又は水を氷結させるか、又は松脂
又はその他の接着剤59、又は真空吸着などを使用し
て、第1の加工補助具11’の、上面に形成した円形状
又はその他の形状をした、溝14の外周部分だけの、一
部分を利用して、第1の加工補助具11’と水晶板13
とを固着することができる。
【0022】他の例としては、図15に示すように、第
1の加工補助具11を使用せずに、第2の加工補助具1
9だけを使用して、水晶板13を、研磨加工することも
できる。
【0023】さらに、他の例としては、図17に示すよ
うに、第1の加工補助具11に、複数の孔16を形成す
る、孔16の数は、2個又は3個が適当で、この孔16
に水飴、蜂蜜、接着剤59のボンド又は、グリース又
は、その他の接着剤59などの粘性物質を充填すること
で、水晶板13の下面を、粘性物質で密着させ、第1の
加工補助具11と、水晶板13とを、孔16の面積だけ
で、点付けして固着する。又は孔16を使用して、真空
吸着を使用してもよい。なお、孔16の配置としては、
17(a)に示すように、同一円周上に配置したり、図
17(b)に示すように、同心円状に配置する場合があ
るが、これらの例に限定されるものではない。又、第1
の加工補助具11に形成している、孔16を使用して、
第1の加工補助具11と、水晶板13とを、孔16の面
積だけの、面積を使用して、第1の加工補助具11と、
水晶板13とを、点付けして、極く一部分だけ、固着す
る場合には、第2の加工補助具19は、使用しなくても
よい場合がある。尚、真空吸着を使用して、水晶板13
を、加工補助具11’の上面に吸着させて使用する場合
には構造的に、両面研磨加工機械を使用することが出来
ないので、片面研磨加工機械を使用する構造となる。た
だし、真空吸着にて、加工補助具11’の上面に吸着さ
せる構造の図面は省略する。
【0024】尚、上記の、第1の加工補助具11を、図
16(a)に示すように、上部ラッピングプレート18
(上の上板)と、下部ラッピングプレート17(下の上
板)の、上下2枚のラッピングプレート17及び18を
使用し、下部のラッピングプレート17は、水晶と円筒
形状又はその他の形状を加工し、上部のラッピングプレ
ート18は、リング形状、又は4角形状、又は六角形
状、又はその他の形状の溝又は段差12を形成した、裏
面を研磨加工して、両面研磨加工機械により、極く薄い
加工物を研磨加工する。又、上記の第1の加工補助具1
1を、研磨加工がしにくい、超鋼又は、鉄などの金属又
は、硬質ガラスを使用して製作し、第2の加工補助具1
9を、硬質ガラス又は、超鋼又は、鉄などの金属を使用
して製作すると、鉄などの金属で出来ている、上部のラ
ッピングプレート18は、鉄などで出来ている、第1の
加工補助具11を研磨加工し、下部のラッピングプレー
ト17は、硬質ガラス又は超鋼又は鉄などの金属で出来
ている、第2の加工補助具19と、水晶板13を加工す
るか、又は、図16(b)に示すように、図16(a)
にて説明した手段とは、逆の状態に、第2の加工補助具
19と、水晶板13を配置し、上部ラッピングプレート
18で、第2の加工補助具19と、水晶板13を、研磨
加工し、第1の加工補助具11を、下部ラッピングプレ
ート17を使用して、研磨加工してもよい。
【0025】図18及び図19に示しているのは、図1
3に示している、第1の加工補助具11と、第2の加工
補助具19を使用して、形成した、加工補助具を使用し
て、研磨加工して出来た、水晶板13の、研磨加工され
た形状を示している。何故、図18に示している、水晶
板13の形状と、図19に示している、水晶板13の形
状が、異なるのかの理由は、図18に示している、第2
の加工補助具19を製作している材質と、図19に示し
ている、第2の加工補助具19を製作している、材質が
異なる材質を使用して、加工補助具を製作しているがた
めである。ただし、スウェード15(パッド、又はバ
フ)を貼ったラッピングプレート17及び18を、使用
した場合のみで、鉄、又は錫などで出来ている、錫板の
ラッピングプレート17及び18の場合は、(ただし、
錫板のラッピングプレート17及び18を使用した場合
には、研磨剤65として、極く小さい、酸化セリウム、
ダイヤモンド、GCなどの研磨剤65を使用する必要性
がある)図18の形状と同じ形状となる、図18に示し
ている、第2の加工補助具19は、水晶板13の、硬さ
とほぼ同じ硬さの、石英を原料とした、硬質ガラスを使
用して、第2の加工補助具19を、製作しているのに対
して、図19に示している、第2の加工補助具19は、
水晶板13よりも、よりもっと、研磨加工がしにくい、
プラスチックス、又は硬い金属である、超鋼又は鉄など
を使用して、第2の加工補助具19を、製作しているこ
との相違による。ただし、研磨剤65として、酸化セリ
ウム、又はその他の、研磨剤65を使用することが、条
件となる。理由は、酸化セリウムなどの、研磨剤65を
使用すると、水晶板13及び硬質ガラスなどは、同じ石
英なので、酸化セリウムを使用すると、両方ともに、良
く研磨加工することが出来る。だけども、超鋼又は鉄な
どの金属は、酸化セリウムを使用しては、ほとんど、研
磨加工することが出来ない、けれども、酸化セリウムな
どの、研磨剤65を使用すると、水晶板13は、良く研
磨加工することが出来るので、超鋼又は、鉄などの金属
で出来ている、第2の加工補助具19の研磨加工を、水
晶板13の研磨加工よりも、遅延させることが出来るか
らである。此の相違点が、図18に示している、水晶板
13の形状と、図19に示している、水晶板13の形状
が異なる理由である。図19に示している、水晶板13
の出来上がりの、寸法図は、図18に示している水晶板
13よりも、図19に示している水晶板13のほうが、
図中にて示しているように、厚さが5μm前後、図18
と比較して、図19のほうが薄く加工することが出来る
ので、下記のような利点もある。 第2の加工補助具19を、超鋼などの金属を使用し
て製作することで、第2の加工補助具19の高さより
も、水晶板13を、数μm、例えば、5μm程度、低く
(薄く)加工することが出来るので、両面研磨加工機械
を使用して、研磨加工を行っても、加工途中において、
水晶板13が、第2の加工補助具19より離脱して、破
損することがなくなる。 水晶板13の直径が1inchから2inch以上
の直径の、大口径の水晶板13の加工が出来る。 RIE加工、又はその他の化学的なWetエッチン
グ加工を行ったあとに出来る、0.2μmから数μmの
凸凹面の、加工変質層を除去して鏡面に研磨加工を行
う、修正加工に利用することが出来る。 極く薄い、水晶板13(例えば、5μm前後の厚
さ)の研磨加工を行うことが出来る。 図18に示している手段よりも、図19に示してい
る手段のほうが、極く薄い、水晶板13の加工を行うこ
とが出来るが、図18に示している手段を使用しても、
極く薄く加工が出来るので、どちらの手段を使用しても
よい。 第1の加工補助具11に、第2の加工補助具19を
固定するには、松脂又はパラフィンなどの、低温にて溶
解する接着剤を使用して、第1の加工補助具11に第2
の加工補助具19を固定すると、たとえ、第1の加工補
助具11の上面に、接着剤60を使用することなく、た
だ水晶板13を置くだけでも、水ばりの効果にて、研磨
加工が終了したあと、水晶板13を第1の加工補助具1
1より離脱させる場合、70℃前後に、加工補助具を加
熱して、図中に示している、穴64より矢印の方向に、
棒を挿入して、第2の加工補助具19を突き上げて、第
1の加工補助具11より、第2の加工補助具19を離脱
させると、第1の加工補助具11の上面に置いている水
晶板13も、容易に第1の加工補助具11より離脱させ
ることが出来る。 水晶板13の外周部分である、外側の部分が、周辺
ダレを生じることがないので、中心部分の厚さと、外周
部分の厚さに、図18及び図19にて示している手段で
ある、硬質ガラス及び超鋼を使用することで、周辺ダレ
がなくなり、平行精度がよくて、平行精度にバラツキが
発生しない利点があるので、歩留まりがよくなる。
【0026】もう1点、上記の研磨加工を行なう場合
の、重要なポイントは、研磨加工を行なうときには、通
常、両面ともに、パッド、又はスウェード、又は不織布
(以後、スウェード15とする)を、貼った、ラッピン
グプレート17及び18を使用して、研磨加工するので
あるが、図19に示している、凹レンズ形状の、水晶板
13を製作する場合には、例えば、片面が、鉄などの金
属板で出来ている、ラッピングプレート17を使用し
て、もう一方の片面は、スウェードを15貼ったラッピ
ングプレート18を使用して、研磨加工することで、図
16(b)に示しているように、上部ラッピングプレー
ト18にスウェード15を張った、ラッピングプレート
18を使用し、下部ラッピングプレート17を、鉄など
の金属板で出来ている、ラッピングプレート17を使用
した構成にして、研磨加工することで、超鋼又は鉄など
の金属で出来ている、第1の加工補助具11の裏面を、
金属板で出来ている、ラッピングプレート17を使用し
て研磨加工する、条件になるので、ラッピングプレート
17を形成している、金属板の硬さと、第1の加工補助
具11を形成している、金属の硬さを、ほぼ同等とする
ことで、第1の加工補助具11の裏面は、出来るだけ、
研磨加工が出来にくい、条件となる、条件に設定して、
上部ラッピングプレート18に張っている、スウェード
15を使用して、研磨加工すると、水晶板13の出来上
り精度を、容易に高めることが出来る。尚、両面研磨加
工機械を使用して、図19に示している形状の、水晶板
13を研磨加工することが出来ることで、水晶板13の
出来上がりの、再現性又は、精度が、極限まで高い精度
の、水晶板13を、安いコストにて、多量に生産するこ
とが出来る利点もある。
【0027】尚、図面は省略しているけれども、上記に
て説明した、研磨加工手段である、第1の加工補助具1
1と第2の加工補助具19を使用して、形成した、加工
補助具の、他の使用方法としては、両面研磨加工機械以
外の機械である、片面研磨加工機械、又はその他の研磨
加工機械を使用しても、図18及び図19に示してい
る、平板形状、又は図26に示している形状の、凹レン
ズ形状の水晶板13を、容易に、多量に、研磨加工する
ことが出来る。
【0028】さらに、第1の加工補助具11と、第2の
加工補助具19を使用して、形成した、加工補助具を使
用して、図19に示しているような形状に、水晶板13
を、両面研磨加工機械、又は、片面研磨加工機械を使用
して、研磨加工する場合、図25又は、図32に示して
いるような、加工手段を使用して、あらかじめ凹レンズ
形状、又は平板形状に研削加工し、図26に示している
ような、凹レンズ形状に、水晶板13を、研削加工を行
なうか、又は、水晶板13の、中心部分に、マスクをか
けて、中心部分だけに、エキシマレーザーなどの、レー
ザー照射を行ない、最初の厚さが、例えば、40μmの
水晶板13の、中心部分だけを、例えば、1回の熱照射
パルスで、0.1μm程度の加工層を除去し、合計で、
200パルス程度の熱照射パルスを行ない、図4(a)
に示しているような、深さが、例えば、20μm程度
の、凹レンズ形状(逆MESA型)の形状に、レーザー
を使用して、加工するか、又は、フッ化水素酸、塩化ア
ンモニウムなどの、化学薬品を使用して、水晶板13を
化学的なWetエッチング加工し、水晶板13の、中心
部分だけを、凹レンズ形状に、加工を行うか、又は、フ
ッ素系ガスなどを使用した、イオンミーリング、又はプ
ラズマエッチングなどの加工手段を使用して、水晶板1
3の、中心部分だけを、凹レンズ形状に加工を行うか、
又は砂かけなどの加工手段を使用するか、又は、その他
の加工手段を使用して、水晶板13を、凹レンズ形状
に、加工を行った後、その後の加工行程として凹レンズ
形状に、加工した、水晶板13を、図13に示している
ような、加工補助具を使用して、研磨加工するか、又
は、図13に示しているような、加工補助具を使用する
ことなく、図20に示している、キャリア37を、直接
に使用して、水晶板13に、キャリア37を使用して、
水晶板13を、遊星運動させる、両面研磨加工機械を使
用して、水晶板13に形成している、加工変質層を除去
するために行う、仕上げの、研磨加工を行なう加工行程
とすると、図26、図45及び図46に示しているよう
な、精度の高い、凹レンズ形状又は平板形状の、水晶板
13を、短時間に、多量に、製造することが出来る。
【0029】上部及び下部のラッピングプレート17及
び18は、図20及び図21に示すように、スラリー
(遊離砥粒)の供給とともに回転させることで、第1の
加工補助具11を、載せたキャリア37を、太陽ギア3
9と、インターナルギア38の間に設置し、第1の加工
補助具11を太陽ギア39の回りに、公転するととも
に、自転する、遊星運動をさせて、片面は、水晶板13
の上の面を、下部ラッピングプレート17を使用して研
磨加工し、第1の加工補助具11の、もう一方の片面
は、上部ラッピングプレート18を使用して研磨加工す
ると、極く薄い水晶板13を、容易に研磨加工すること
ができる。片面研磨加工機械を使用する場合も、上記の
研磨加工手段と、同じ手段にて、水晶板13を、研磨加
工することが出来る。
【0030】さらに、上記の手段にて、極く薄い水晶板
13を加工したあと(例えば、厚さが10μmの場合)
では、水晶板13が、極く薄いが為に、取り扱いに苦労
することと、水晶板13に電極を形成するのにも、困難
をともなうので、図22に示すように、絶緑体、又は非
絶縁体で出来ている、固定用枠48の中心に、水晶板1
3を設置し、ボンデイングマシンを使用して、極く細
い、金線49(例えば、18μm程度)を使用して、固
定用枠48に、水晶板13を固定する。水晶板13を、
固定用枠48に固定したあとは、図23(a)に示して
いるように、金線49に弛みがあるので、図23(b)
に示しているように、水晶板13の全面を、下から持ち
上げるか、又は、その他の手段にて、金線49の弛みを
是正して、金線49を、直線状態にはると、なおよい。
又、図22に示しているのは、図23に示しているよう
な手段にて、固定用枠48に、金線49を使用して、最
低、3つの方向から、水晶板13を固定すると、極く細
い、金線49を使用して、空中に、水晶板13を、固定
しているような状態になることで、水晶板13の振動
を、金線49が吸収するので、水晶の、特性を、極限ま
で、高めることが出来る。
【0031】さらに、図23に示しているように、水晶
板13を、固定用枠48に、金線49を使用して固定し
たあと、図24に示すように、水晶板13の中心部分に
電極を設けるために、水晶板13の中心部分の、極く一
部分だけを、金などを使用して、蒸着を行った後、その
蒸着した、水晶板13の中心部分に両面から、ボンデイ
ングマシンを使用して、水晶板13と、固定用枠48の
間を、金線49を使用して、結線し、此の金線49を、
水晶板13の中心に取り付ける、電極50として使用す
ることで、従来、使用している電極(例えば、水晶板の
表裏に蒸着して形成している電極)と、比較すると、水
晶板13の中心部分だけに、極く、細い金線49(18
μm位)を使用して、電極50を、形成することが出来
るので、水晶の特性を低下させることがない。
【0032】図25は、片側凹面の水晶板13を製造す
る装置を示すものである。図25において、11は第1
の加工補助具、19は第2の加工補助具、41は加工補
助具11,19を低速回転(例えば100〜300rp
m)させるモータ、43は研磨具44を高速回転(例え
ば5000rpm)させるモータである。研磨具44と
しては、フェルト、綿棒、バフ等の柔らかい器具を用
い、酸化セリウム又はGC又はダイヤモンド等の研磨剤
65を使用して、1分間に1μm位、研磨していく。最
初の厚みが40μm程度の、円板状の水晶板を、図26
に示すように、中心が10〜2μmの厚みの、凹レンズ
形状の水晶板13に仕上げる。又、図25に示している
ような、構造の装置を使用して、水晶板13を、凹レン
ズ形状に、加工することも出来る、此の場合に使用す
る、研磨具44としては、ダイヤモンド砥粒を、電気メ
ッキしたホイルで出来ている、研磨具44を使用する
と、容易に、凹レンズ形状に、水晶板13を、加工する
ことが出来る。その後、凹レンズ形状に、加工した後
の、水晶板13の仕上げ工程を、両面研磨加工機械、又
は片面研磨加工機械を使用して、研磨加工すると、図4
3(b)に示しているような、凹レンズ形状の水晶板1
3に、研磨加工して、仕上ることが出来る。
【0033】加工補助具としては、図25に示した構造
のほか、図27、図28及び図29に示すように、水
晶、超鋼、プラスチックス、石英、ガラス又はその他の
金属板を使用して、図中に示している平板形状の加工補
助具11a、又は加工補助具11bを製作して、斜線、
又は黒塗りにて示している部分を、松脂、パラフィンな
どを使用して、接着剤層59を形成して、平板形状、又
は凹レンズ形状を形成した、水晶板13を加工補助具に
固定して、水晶板13と加工補助具を、一体化した水晶
板13と加工補助具を、図16に示している、両面研磨
加工機械(ラップ盤)を使用して、片面のラッピングプ
レート17は加工補助具を研磨加工して、もう一方の片
面の、ラッピングプレート18は水晶板13を研磨加工
した後、水晶板13を加工補助具より剥離する構成に
て、水晶板13を研磨加工するならば、ラップ盤にて使
用する、キャリア37の厚さに関係なく、水晶板13
を、極く薄く、精度の高い加工が出来る、両面研磨加工
が出来る、両面研磨加工機械を使用して、片面研磨加工
を行なう手段とするか、又は片面研磨加工機械を使用す
るか、又は手作業による研磨加工を行なうか、又はその
他の研磨加工手段としてもよい。又、水晶板13を貼り
つけて研磨加工を行なうのに使用する、加工補助具11
a、11b及び11cを製作する素材としては、熱膨張
が同じ素材である、水晶を使用して加工補助具11a、
11b及び11cを製作すると、松脂、パラフィン、A
garoseなどを使用して貼り付ける場合に、70℃
から100℃前後に加熱しても、加工補助具11a、1
1b及び11cと、水晶板13の熱膨張率が全く同じな
ので、70℃から100℃に加熱しても、又急速に、常
温に冷却しても、水晶板13に応力が発生して、歪が発
生することがなくなる。水晶と、ほぼ熱膨張率が同じ素
材である、石英ガラスを使用して、加工補助具11a、
11b及び11cを製作してもよいが、出来るだけ、水
晶板13と熱膨張率が同じ、水晶を使用して、加工補助
具11a、11b及び11cを製作したほうが良い。
尚、加工補助具の構造としては、図27に示している加
工補助具11aよりも、図28に示している加工補助具
11bの形状のほうがよい、何故ならば、接着剤層59
(斜線の部分)を形成しているのが、加工補助具11a
は、水晶板13を加工補助具11aに固定するのに、水
晶板13の裏面の全面に塗布しているのに対して、加工
補助具11bの形状の場合には、水晶板13を加工補助
具11bに固定するのに、水晶板13の側壁の部分に接
着剤層59を形成して、水晶板13を加工補助具11b
に固定することで、水晶板13の側壁を保護することが
出来ることと、加工補助具11bと水晶板13との間に
接着剤層59が存在しないので、水晶板13を加工補助
具11bに密着させることが出来ることで、精度の高い
水晶板13の研磨加工を行うことが出来る。
【0034】また、図29に示している構造の形状の、
加工補助具11cを、水晶、石英ガラス、又は超鋼など
を使用して、溝52を形成した加工補助具11cの構造
の、加工補助具11cを使用すると、図28に示してい
る加工補助具11bよりも、下記の点でなおよい。 平板形状、又は凹レンズ形状を形成した水晶板13
の厚さが、10μmから80μm前後と、極く薄いの
で、溝52を形成した加工補助具11cを使用したほう
が、接着剤層59の厚さを厚く形成することが出来る構
造なので、極く薄い、水晶板13でも、水晶板13の側
壁を使用して、水晶板13を、加工補助具11cに固定
することが出来る構造であるからである。 加工補助具11cの構造は、接着剤層59の厚さ
を、いくらでも厚くすることが出来る構造であるので、
水晶板13が、極限まで、薄くなっても、加工補助具1
1cに固定することが出来る構造である。
【0035】次に、本発明の圧電素子の応用例として、
音響−電気変換器について説明する。従来の、地震探査
・予知には、現在、海洋観測、地下構造探査、地球磁気
観測、GPSによる観測、2点間の距離のレーザ測定に
よる、地核の移動測定などが行われているが、地震や津
波による、空気の振動を観測することも、一つの予知方
法である。
【0036】空気の振動を、記録や分析が、容易な電気
信号に変換する手段として、集音マイクがあるが、雑音
を拾いやすく、目的の振動数の音波を検出することが困
難である。
【0037】図30(a)〜(e)は、本発明の圧電素
子を利用した、音響−電気変換器の、各実施例を示すも
のであり、水晶又は、ニオブ酸リチウム又は、その他の
単結晶又は、チタン酸バリウム又は、その他のセラミッ
クスなどの、圧電効果を有する材質からなる、円筒21
又は、円筒54の中央部に、受圧面22を形成し、その
受圧面22に、一対の電極23,24を形成し、電極2
3,24間の、誘起電圧を測定するための、増幅器25
を接続している。(電極23,24及び増幅器25は図
30(a)のみ図示している)。図30(a)は両凸レ
ンズ(bi−convex)型、(b)は両凹レンズ
型、(c)は平面型、(d)は周囲にRを形成した平面
型、(e)は片凸(plano−convex)型を示
している。図30(a)に示しているように、栓55
を、2個使用して密封し、円筒21内部を密封して、A
室を形成し、円筒54内部を密封して、B室を形成し、
円筒21内部を密封した、A室内部も、又、円筒54内
部を密封した、B室内部も、ともに、減圧(出来れば真
空状態)した構造の、円筒21及び円筒54の、左右の
円筒21及び円筒54が、横軸方向及び縦軸方向の振動
を、キャッチすることで、円筒21及び円筒54の中心
部分に形成している、受圧面22を、円筒21及び円筒
54を形成しない場合に、比較すると、より強く受圧面
22が、振動をキャッチする構造になっている。なお、
上記の理由から、円筒21及び円筒54の、直径が小さ
くて、長さが長いほど、外部からの、振動を、受圧面2
2が、受けやすくなるので、精度の高い、圧力センサー
が出来ることになる。尚、A室、及びB室内部を減圧さ
せない場合には、不活性ガスを注入するとよい。
【0038】図31は、図30(a)及び(e)に示し
ている、上面図で、穴又は空間部分47を形成して、円
筒21及び円筒54の、左右の円筒21及び円筒54を
振動させた振動が、図30(a)及び(e)に示してい
る、Aの部分からBの部分に、又は、Bの部分からAの
部分に、円筒21及び円筒54を、振動させた振動が、
両端から、自由に移動することで、円筒21及び円筒5
4を振動させた振動(Aの部分を、振動させた振動と、
Bの部分を振動させた振動)が、円筒21及び円筒54
の、両端から、自由に、移動することで、Aの部分を振
動させた振動と、Bの部分を振動させた振動が、中心部
分において、共鳴して、共鳴現象を起すことで、穴又は
空間部分47を形成しない場合に、比較すると、より強
く、中心部分に形成している、受圧面22を振動させる
構造をしている。
【0039】次に、受圧面22の形成方法について説明
する。基本的には、図32に示すように、水晶又は、チ
タン酸バリウム又は、ニオブ酸リチウム又は、その他の
セラミックスなどの、圧電効果を有する材質からなる、
材質の丸棒30を、旋盤などの加工機械のチャック31
で把持し、また金属球の表面に、ダイヤモンド砥粒を付
着させた、砥石32を先端に、回転自在に設けた、加工
工具33を、ツール保持具34で把持する。砥石32
は、図33に示すように、対向面がカットされた球体で
あり、支持アーム35の先端に、軸受け36を介して、
回転自在に取り付けられている。砥石32の周面には、
図34(a)及びそのA−A拡大断面図である、図34
(b)に示すように、V字状溝32aが形成されてお
り、溝32aの内壁の一方が、砥石32の中心を通る面
に含まれるような、方向性を有している。この砥石32
は、エアノズル40から、砥石32の周面に対して、接
線方向に噴射される、空気のジェット流により高速回転
(好ましくは8.000〜50.000rpm)され、
被研削面をゆっくりと時間を掛けて(例えば毎分1μ
m)削っていく。この研削時に、噴水ノズル41から、
水を噴射して、砥石32の冷却と、削り屑の排出を行
う。丸棒30は、砥石32が回転駆動されるとき、図3
2に示すように、軸心の回りに回転駆動され、従って砥
石32により、円形形状又は、円筒形状の穴が形成され
る。又、上記にて説明した、研削又は研磨加工の手段
の、他の利用方法としては、図36(e)に示している
ような、砥石32”を使用することで、図2、図3及び
図4に示しているような形状又は、その他の形状の、研
削又は研磨加工に応用することが出来る。
【0040】尚、受圧面22の研磨面が凸状の場合は、
図36((a)は正面図、(b)は平面図)に示すよう
に、鼓型の砥石32’を使用する。受圧面22の研磨面
がフラットな場合は、図36(c)に示すような、フラ
ットな砥石32”を使用する。あるいは、図37に示す
ように、穴径よりもずっと小さい径の砥石32を用い、
図33に示す加工工具33と同じ、回転駆動を砥石32
に与える加工工具33を、NC装置などで受圧面の、曲
面に沿って移動させながら砥石32を回転させる。同時
に、チャック31を回転させて丸棒30を回転させなが
ら受圧面を加工する。又、穴又は空間部分47を形成す
る手段としては、図36(d)に示すような形状の砥石
32”を使用すると、保持部分47を残して、容易に、
穴又は空間部分47を加工することが出来る。又、穴又
は空間部分47を形成する手段としては、通常のダイヤ
モンドを電着した、ドリルを使用しても、穴又は、空間
部分47を形成することは、可能である。
【0041】尚、円形形状の穴の加工には、通常の軸の
回りに回転する工具も使用でき、図38に示すような球
面形状の砥石や、図39に示す円板面形状の砥石も使用
できる。又、砥石32を使用して、研削加工が終了した
ならば、砥石32と同じ構造をした、研磨用の研磨用砥
石32””を、フェルト又は、バフなどの素材を使用し
て製作し、研磨用砥石32””と、砥石32を取り換え
て、研磨用砥石32””を使用して、研磨加工すると、
仕上加工が出来る。フェルト又は、バフで出来ている、
研磨用砥石32””の回転駆動の手段も、砥石32を回
転駆動させる手段と同じく、フェルト又は、バフに溝3
2(a)を形成して、エアノズル40を使用しての、回
転駆動とすると、容易に、研磨加工を行うことが出来
る。
【0042】図40及び図41に示しているのは、図3
3に示している構造をした、研削及び研磨装置の製作図
である。実際に製作した、砥石32の直径は20mm
で、溝32(a)の深さは、1mmで、溝の数は、16
個形成した構造の、研削及び研磨装置に、エアノズル4
0から、砥石32の周面に対して、接線方向に、噴射し
た空気圧と、砥石32の回転数を、実測した実測値の、
回転数が下記の数字でる。 空気圧が、0.5気圧の場合の、砥石32の回転数
は、約12.200回転の回転数である。 空気圧が、1.0気圧の場合の、砥石32の回転数
は、約22.000回転の回転数である。 空気圧が、2.0気圧の場合の、砥石32の回転数
は、約37.500回転の回転数である。 空気圧が、3.0気圧の場合の、砥石32の回転数
は、約47.800回転の回転数である。 空気圧が、4.0気圧の場合の、砥石32の回転数
は、ベアリングが耐えることが出来る限界である、約5
0.000回転の回転数である。
【0043】なお、図40及び図41に示している構造
の、研削及び研磨装置に、研削用の砥石32の変わり
に、鉄、アルミニウム、銅などの金属又は、バフ又は、
フェルト又は、ガラス又は、プラスチック又は、セラミ
ックス又は、その他の研磨用材質で、図36に示してい
る、研磨用砥石32””(e)を製作して、研磨用砥石
32””(e)と、研磨剤として、ダイヤモンドペース
ト又は、酸化セリウム又は、アルミナ又は、GC又は、
その他の研磨剤を使用して、図2(a),図3(a)及
び図4(a)に示しているような形状に、図32に示し
ている、加工方法を使用して、水晶などの圧電素材を、
研削と研磨加工を、同時に行う構成とする。研削と研磨
を、同時に行うことが出来る、理由としては、研磨用砥
石32””(e)の回転数を、ベアリングが耐えること
が出来る、限界である、50.000回転までの回転数
にて、研磨用砥石32””(e)を容易に、駆動させる
ことが出来るがために、研磨加工だけでも、極く短い時
間に、能率よく、研磨加工が出来るがために、極く薄
い、水晶などの圧電素材であれば、フェルト、バフ、鉄
などで出来ている、研磨用砥石32””(e)を使用し
て、研削と研磨加工の、2つの加工を、同時に行うこと
が出来る。
【0044】図42(a)に示しているのは、角速度セ
ンサー又は、角速度センサーを製作するために、ニオブ
酸リチウム、又はニオブ酸カリウムなどの、圧電素材で
出来ている、圧電板57で出来ている、圧電板57の厚
い板、例えば、350μm位の、厚い板と、薄い圧電板
57、例えば、25μm位の板を、絶縁体で出来てい
る、接着剤層59を使用して、両面から、貼り合わせ
て、合板した、圧電板57を示している。
【0045】図42(b)に示しているのは、図1に示
している、加工手段を使用して、圧電板57の、厚い板
の中心部分に、直径が3mm位の、円形形状の、凹レン
ズ形状(Inverted mesa型)に加工し、そ
の厚さを、25μmとして、接着剤層59を、挟んで、
合計50μmとした、静電容量型の、角速度センサーに
使用する、加工に成功した、例を示している。このニオ
ブ酸リチウム又は、ニオブ酸カリウムは大変に、加工が
難しい素材であるけれども、図1に示している、加工手
段を使用すれば、素材に、熱による影響を与えることな
く、高い精度にて、容易に加工することが出来る、こと
が判明した。ニオブ酸リチウムの場合、許容温度差とし
ては、20℃以内の温度差しか、許容温度差が許されな
い点が、加工が難しいところである。
【0046】図43(a)に示しているのは、水晶板1
3にレジストを塗布してマスキングして金属被膜、又は
その他の材質で出来ている被膜などを形成し、水晶板1
3にマスクをかけて、フッ化水素酸などを使用しての、
化学的なwetエッチング、又はC又はCHF
などのフッ素系ガス、又は塩素系ガスを使用したRIE
加工、又はその他の化学薬品を使用しての、エッチング
加工を行なった水晶板13の中心部分に、例えば、直径
が1.5mmの、凹レンズ形状(逆MESA形状)に、
化学的なwetエッチング加工,又はRIE加工を行っ
て形成した、水晶板13の形状を図示している。水晶板
13、又はその他の圧電素材を、フッ化水素酸などの、
化学薬品を使用してエッチング加工すると斜線にて示し
ている、外周部分の形状が、ムの字の形状(床掘り形
状)となり、蒸着を使用して、電極を形成する場合、斜
線の部分が、影となり、電極を形成することが出来にく
いという、欠点が、化学的なwetエッチング加工の欠
点である。又、RIE加工の場合でも、ムの字の形状に
はならないけれども、エッチング加工した表面に対し
て、ほぼ、直角となるので、RIE加工の場合でも、蒸
着を使用しての、電極を形成することが出来にくいとい
う欠点がある。
【0047】図43(b)に示しているのは、図43
(a)にて説明した、化学的なwetエッチング加工の
欠点を修正するためと、化学的なWet Etchin
g加工、又はRIE加工の加工手段にて発生した、加工
変質層(フッ素化合物)を除去する目的のために、図2
0に示している、両面研磨加工機械を使用して、例え
ば、上部ラッピングプレート18は、パッド、又はスウ
エード15を貼った、ラッピングプレートを使用し、下
部ラッピングプレート17は、錫板、又は鉄などの、金
属製のラッピングプレートを使用するか、又は、両面と
も、パッド、又はスウェード15を貼った、ラッピング
プレート17及びラッピングプレート18を使用して、
図43(a)に示している、水晶板13を凹レンズ形状
にエッチング加工した、水晶板13の凹レンズ形状部分
を、パッド、又はスウェード15を使用して、酸化セリ
ウム、ダイヤモンド、GCなどの研磨剤65を使用し
て、研磨加工すると、図43(b)に示しているよう
な、スムーズライン53を形成することが出来ること
が、第1の利点である。さらに、第2の利点は,研磨剤
65が、凹レンズ形状の内部に、上下のラッピングプレ
ート17及び18の研磨圧力を受けて、溜まるがために
凹レンズ形状の内部を、上部ラッピングプレート18を
使用して、どんどんと、段階的に、研磨加工することが
出来ることと、下部ラッピングプレート17の、両面か
ら、凹レンズ形状を形成している表面と裏面を、同時
に、研磨加工することが出来ることで,極限まで,薄
い、例えば、0.5μm程度(固有振動周波数約3GH
z)までの、極く薄い、水晶板13を、研磨加工して
も,保持部分51の、厚さは、40μmから、30μm
位の、厚さを、維持することが出来ることになり、極限
まで薄くしても、凹レンズ部分の、強度の維持、および
ハンドリングに困難を、伴うことがない。さらに,第3
の利点は、両面研磨加工機械を使用して、凹レンズ形状
の研磨加工を行うことが出来る。上記3つの利点が、化
学的なWetエッチング加工と、両面研磨加工機械、又
は片面研磨加工機械又はその他の研磨加工手段を併用し
た、化学的なWetエッチング・ポリシング(機械的な
研磨加工)を併用、又は化学的なWetエッチング・ポ
リシング・エッチング(化学的なWet Etchin
g)を併用した、加工手段より、生まれる。尚、パッ
ド、又はスウェード15を使用して、図43(a)に示
している、凹レンズ形状の水晶板13を、両面研磨加工
機械を使用して、研磨加工した場合、ラッピングプレー
トにかける圧力により異なるけれども、30μm位の段
差のある、凹レンズ形状の振動部分を、機械的に研磨加
工を行なうことが出来る。
【0048】図44(a)、(b)、(c)及び(d)
に示しているのは、RIE加工、又はプラズマエッチン
グ、又は化学的なWet Etching、又はその他
の手段を使用して、水晶板13に凹レンズ形状を形成し
た、加工面を、図13に示している、第1の加工補助具
11と、第2の加工補助具19を使用して形成した、加
工補助具11を使用して、水晶板13を保持し、第2の
加工補助具19を、超鋼、又は石英で出来ている、硬質
ガラスなどで製作した、加工補助具11を使用して、片
面は、凹レンズ形状に加工した水晶板13の裏面を、も
う一方の片面は、加工補助具11の一面を、図20及び
図21に示している、両面研磨加工機械、又は片面研磨
加工機械、又はその他の加工手段を使用して、上と下
の、両面から、同時に、研磨加工している状態を示して
いる。又、図44(d)に示しているのは、出来上がり
の寸法図を示している。尚、片面研磨加工機械を使用し
て、凹レンズ形状を形成した水晶板13を研磨加工する
場合には、凹レンズ形状を形成した面を、第1の加工補
助具11を使用して保持するか、又は直接に、ケンビ
(研磨盤)に、凹レンズ形状を形成した面を、接着剤な
どを使用して貼りつけるか、又はその他の手段を使用し
て、ケンビに取り付けて、凹レンズ形状を形成した裏面
を、片面研磨加工機械を使用して研磨加工すると、容易
に、極く薄い水晶板13を、研磨加工することが出来
る。
【0049】図44に示しているのを順番に説明する
と、下記の通りである。 図44(a)に示しているのは、水晶板13に、R
IE加工、又は化学的なwetエッチング手段を使用し
て、深さが15μmの凹レンズ形状を形成している。 図44(b)に示しているのは、図13に示してい
る、第1の加工補助具11を使用して、凹レンズ形状を
形成した面を、第1の加工補助具11を使用して、水晶
板13を保持している。 図44(c)に示しているのは、機械的な研磨加工
手段を使用して、59.5μm削り取っている状態を示
している。この場合、機械的な手段だけで、59.5μ
mの、全てを、削り取ると、水晶板13に、歪が発生す
るので、最初に、RIE加工、又はプラズマエッチング
などのエッチング手段を使用して、59.0μm程の厚
さを、化学的な手段を使用して、削り落とした後、残り
の、0.5μm程を、機械的な、研磨加工手段を使用し
て削り落とすと、一切の歪が発生することがない、又R
IE加工にて発生した加工変質層を除去することが出来
る。 図44(d)に示しているのは、最終段階として、
再度、wetエッチング加工を使用して、微調整の修正
を行って、出来上がりとなる。
【0050】図45、又は図46に示しているのは、直
径が1.0inchで、厚さが80μmの厚さに、機械
研磨加工された水晶板13の基盤を、最初に、図45
(b)に示しているように、RIE加工、又はwetエ
ッチング加工にて、62μmを除去して、その後、図4
5(c)、及び図45(d)に示しているように、第1
の加工補助具11と、両面研磨加工機械、又は片面研磨
加工機械を使用して、RIE加工、又はその他の化学的
なエッチング加工を行うことで、発生した、数μmの凸
凹、例えば、6μmを、機械的な研磨加工を行うこと
で、精度が高くて、極く薄い、例えば、10μm内外
の、水晶板13を加工することが出来る状態を示してい
る。尚、最終仕上げ工程では、出来るだけRIE加工は
使用せずに、化学的なWetエッチング加工、又は機械
研磨加工を最終仕上げの加工とすると、水晶板13の電
気的な特性が低下することなく、水晶板13の電気的な
特性がよい。又、極く薄く(厚さが14μm前後)水晶
板13を、機械的な研磨加工を使用して加工した水晶板
13ならば、フッ化水素酸、NHHF、又はNFな
どを使用した、化学的なWet Etchingを使用
して、両側面から数μm除去しても、化学的なWet
Etchingの欠点である、ピンホール(穴)が出来
ることはない利点がある。厚さが10μm内外となる
と、化学的なWet Etchingを使用して加工す
ると、すぐに、ピンホールが出来るのが、化学的なWe
tEtchingの欠点であるからである。
【0051】図45(c)、及び図46(c)に示して
いる、第1の加工補助具11、及び11”は、鉄などの
金属を使用して製作し、第2の加工補助具19は、超鋼
などの金属を使用して製作するとよい。又、研磨加工機
械としては、片面研磨加工機械を使用してもよいし、両
面研磨加工機械、超音波加工機、又はその他の研磨加工
機械を使用してもよい。さらに、水晶板13を第1の加
工補助具11、又は11”に固定する手段としては、第
1の加工補助具11、又は11”に形成している孔16
を使用して、図面に示している矢印の方向に、真空吸着
にて、第1の加工補助具11、又は11”の表面上に水
晶板13を吸着させる構造としてもよい。尚、真空吸着
を使用して、水晶板13を、吸着させる構造とするに
は、片面研磨加工機械を使用する以外には、構造上真空
吸着にて、水晶板13を、第1の加工補助具11、又は
11”に吸着させて、機械的な研磨加工を行うことは出
来ない。ただし、真空吸着を使用して、第1の加工補助
具11、又は11”の上面に、水晶板13を吸着させる
構造は、図面を省略している。
【0052】図45、又は図46に示しているのを加工
の順番に、実際に、行った実験結果から説明すると、図
45(b)及び、図46(b)に示しているように、R
IE加工にて、62μm除去すると、第1に、1μmか
ら6μm内外の加工変質層、又は凸凹が発生する、この
凸凹が発生する原因は、RIE加工を行なう以前の加工
である、図45(a)に示している、厚さが80μm
で、直径が1inchの水晶板13を、機械的な研磨加
工を行なうときに出来た、極く小さなキズ(例えば、、
0.01μm位)と、第2に、水晶板13に含まれてい
る、極く小さな不純物に対して、RIE加工によるイオ
ン粒子が激突を繰り返すことで、極く小さなキズと、極
く小さな不純物が、イオン粒子の激突により拡大した凸
凹である。又、この凸凹とは別に、RIE加工による加
工変質層の発生が起こる、これは水晶板13の表面上
が、イオン粒子の激突による高温にて、厚さとして0.
2μmから1μm内外、溶解するがために、石英となる
か、又はシリコンの単結晶となるか、又は使用したイオ
ン粒子と化合して化合物となるか、又は酸化物となっ
て、非晶質すなわちアモルファスとなって、水晶板13
としての結晶性がなくなる。上記2つの原因からなる加
工変質層を除去する目的にて、0.2μmから6μm内
外の凸凹を、機械的な、研磨加工を行って除去する目的
にて、第1の加工補助具11、又は11”と、第2の加
工補助具19を使用して製作した、加工補助具を使用す
る場合、第2の加工補助具19を製作する材質を、酸化
セリウムなどの研磨剤では、研磨加工が出来にくい材質
である、超鋼などの金属材料を使用して製作すると、水
晶板13の外周部分である、円型形状部分の円周部分
が、超鋼にて出来ている、第2の加工補助具19により
保護されて、研磨加工されるが為に、片面研磨加工機械
を使用して研磨加工しても、例えば、ラッピングプレー
ト盤として、錫盤などの金属板に倣うと同時に、超鋼な
どで出来ている、第2の加工補助具19が錫板の平行
度、面積度を、常時、修正しながら研磨加工を行なう効
果があるので極限まで、平行度、及び面精度のよい加工
を行うことが出来る。例えば、ラッピングプレートとし
て、錫板を使用して、第2の加工補助具19を、超鋼を
使用して製作した、加工補助具19を使用して、水晶板
13を図45(d)、又は図46(d)に示しているよ
うに、6μm内外を、片面研磨加工機械、又は両面研磨
加工機械を使用して研磨加工した場合の、平行度、及び
面精度は、1/100以内の誤差の範囲内にて加工が出
来ることが判明した、この加工方法を使用することによ
り、例えば、2inch(約5.8cm)の基盤の研磨
加工を、厚さ5μmの、厚さの加工を行っても、平行度
(傾斜負度)は、5μm×1/100→0.05μm以
内の誤差の範囲内にて加工することが出来るので、水晶
板13の電気的な特性に影響を与えるほどの誤差ではな
い。さらに、金属などの、鉄、又は超鋼などの金属材料
を使用して、水晶板13の外周を保護するので、水晶板
13の周辺部分に亀裂、又は破損が発生しなくなる、加
工方法の状態を図示している。尚、RIE加工にて、水
晶板13を62μm除去すると、第1に、0.1μmか
ら6μm内外の凸凹が発生するが、この凸凹を除去する
のは、機械的な研磨加工手段を使用して除去するのが最
も良いけれども、第2の原因にて発生する、イオン粒子
が水晶板13に激突することで発生する、第2の原因に
て発生する、加工変質層を除去する手段としては、非晶
質の厚さの部分が、せいぜい0.2μmから1μm内外
なので、フッ化水素酸などを使用した化学的なWet
Etching加工の手段にて、非晶質を除去してもよ
いが、機械的な、研磨加工の手段にて除去するほうが良
い。
【0053】上記の研磨加工に関しての説明は、片面研
磨加工機械を使用しての説明を行ったけれども、両面研
磨加工機械を使用して研磨加工する場合には、図44、
図45及び図46に示しているように、水晶板13を上
のラッピングプレート18(図16(B)参照)を使用
して研磨加工し、第1の加工補助具11及び11”の下
の面を下のラッピングプレート17を使用して、上下方
向の両面から研磨加工を行うので、水晶板13を、第1
の加工補助具11及び11”に固定する手段としては、
接着剤を使用することなく、ただ、第1の加工補助具1
1及び11”の上に置くだけで、第1の加工補助具11
及び11”を形成している、第2の加工補助具19を使
用して、水晶板13の外周を保護して、水晶板13を、
第1の加工補助具11及び11”の上面に置くだけで、
固定して研磨加工を行うことが出来る。尚、この両面研
磨加工機械を使用しての研磨加工を行うときに使用す
る、加工補助具11及び11”には、真空吸着を使用す
ることが出来ないので、第1の加工補助具11及び1
1”に形成している孔16は必要ないことになる。
【0054】さらに、両面研磨加工機械を使用して、研
磨加工する場合のラッピングプレート17及び18の材
質は、鉄などの金属で出来ている、第1の加工補助具1
1及び11”を研磨加工する、ラッピングプレート17
は、第1の加工補助具11及び11”と同じ材質の、鉄
などの金属を使用して製作し、水晶板13を研磨加工す
るラッピングプレート18は、スウェード15(パッ
ド)などを貼ったラッピングプレート18を使用して、
研磨加工を行うと、図45に示しているように、超鋼な
どの金属で出来ている、第2の加工補助具19は研磨加
工されることなく、例えば、水晶板13だけが6μm前
後、第2の加工補助具19よりも、深く、研磨加工され
るので、研磨加工の途中の水晶板13が、第1の加工補
助具11より、飛び出すことがなくなる。図45と図4
6に示している、水晶板13の相違点は、図45及び図
46に示している、水晶板13の研磨加工を行う、ラッ
ピングプレート18は、両方共に、パッド、又はスウェ
ード15を貼っているラッピングプレート18を使用し
ているけれども、図45に示している、第1の加工補助
具11を形成している、第2の加工補助具19の材質
が、超鋼などの金属であるのに対して、図46に示して
いる、第1の加工補助具11”を形成している、第2の
加工補助具19の材質は、石英などを素材とした、硬質
ガラスを使用していることによる相違により、第1の加
工補助具11及び11”を形成している、第2の加工補
助具19の、高さ方向が異なる、図45に示している、
第2の加工補助具19は、全く研磨加工されないのに対
して、図46に示している、第2の加工補助具19は、
水晶板13の高さと同じ高さに研磨加工されている。た
だし、研磨剤65として酸化セリウムを使用することと
する。その理由は、水晶板13の材質と、第2の加工補
助具19の材質が同じ石英で出来ているからである。
【0055】図45及び図46に示している加工手段を
使用して、現在、両面研磨加工機械(ラップ盤ともい
う)を使用して製作することが出来ない、厚さである2
7μm(現在、製造することが出来る厚さの限界は24
μmから27μmとされているけれども、29μm位が
限界である)以下の、薄い水晶板13を製作する場合、
第1の加工手段として、図45(b)及び図46(b)
に示しているように、RIE加工を使用して、図45
(a)及び図46(a)に示しているように、80μm
の厚さに、機械研磨加工された、基盤の厚さの水晶板1
3の厚さを、62μm除去して、水晶板13の厚さを1
8μmの厚さにした後、第2の加工手段として、RIE
加工にて発生した、加工変質層、例えば、RIE加工に
て62μm除去した場合には、約0.2μmから6μm
の加工変質層が発生する、この約0.2μmから6μm
の加工変質層を、ラップ盤、又は片面研磨加工機械、又
はその他の機械研磨加工などの加工手段を使用して、機
械研磨加工にて除去するか、又は化学的なWet Et
chingの手段を使用して除去すると、水晶板13の
電気的な特性が改善される。
【0056】Reactive Ion Etchin
g(RIE)加工とは、真空中、又はほぼ真空中におい
て、イオン粒子を、数10kmから数100kmの速さ
に加速して、イオン粒子が水晶板13などの圧電素材、
又はその他の電子材料に激突することで発生する、運動
エネルギーを使用して、水晶板13などの表面を、極く
少量ずつ削り取る加工手段なので、イオン粒子が激突す
る水晶板13などの表面上においては、イオン粒子が激
突した瞬間には、水晶板13の表面上では、温度の上昇
が起こり、その高温の影響により、水晶板13の表面上
では、水晶板13が、極く少量ずつ溶解して、水晶板1
3の表面上では、キュリー温度(495℃位)以上の温
度上昇が起こり、水晶板13の表面上では、ガス化して
気化し、吹き飛んでいる現象が起こっている。上記のこ
とから、水晶板13などの結晶性、又は結晶方向のある
材質の場合、イオン粒子が激突した表面上では、極く薄
い非晶質、すなわちアモルファスとなって石英、又はシ
リコンの多結晶、又は使用したガスとの化合物である、
例えば、フッ素、又はアルゴンガス、又は塩素系ガスと
の化合物、又はその他の酸化物(結晶ではなくなるこ
と)の膜、又は水晶板13の表面上に酸化膜(例えば、
RIE加工にて10μm削除した場合、1/10から1
/100(0.1μmから1.0μm位の膜と考えると
よい)が形成されるが為に、圧電素材である、水晶板1
3などの電気的な特性が、極端に低下するので、RIE
加工を行なって加工を行なった後、その後の加工手段と
して、機械的な研磨加工、又は化学的なWet Etc
hing加工の手段を行わないと、電気的な特性が良
い、圧電素材及び電子材料を加工することは出来ない。
だけども、図45(e)及び図46(e)に示している
ように、両面から、1.0μmずつ位ずつ、RIE加工
を使用して削り取るのであれば、許容される範囲内であ
るけれども、仕上げ工程としてはなるべく、RIE加工
は使用せずにwetエッチングの加工手段を使用するほ
うがよい。尚、RIE加工の利点は、図45(b)及び
図46(b)に示しているような、62μm荒加工する
手段と、0.1μmから1μm内外を削り取る微調節用
の加工手段として使用するか、又は、図45(d)及び
図46(d)に示している、加工補助具11及び11”
と、RIE加工手段を組み合わせて、電気的な特性が良
い、機械的な研磨加工手段の利点と、欠点のあるRIE
加工の加工手段と、化学的なWet Etchingの
加工手段を交互に併用することで、機械的な研磨加工で
は出来なかった、図45(e)及び図46(e)に示し
ている段階にて、化学的なWet Etchingを使
用して、斜線の部分を、最終的に除去して出来た、水晶
板13の厚さが、10μm内外の1inch×1inc
h、又は2inch×2inchの丸形状、又は角形状
の、水晶板13の基盤を多量に安く量産することが出来
ることが、RIE加工と、加工補助具11及び11”を
併用しての、研磨加工を行なうことによる利点である。
上記の加工を可能としているのは、図45(b)及び図
46(b)に示しているように、第1の加工手段とし
て、RIE加工にて、水晶板13の、厚さが80μmの
基盤を、基盤に歪を一切、発生させることなく、62μ
m削り取って、荒加工ではあるが、厚さが、18μmの
厚さの、水晶板13を製作することが出来ることと、第
2の加工手段として、図45(d)及び図46(d)に
示している、加工補助具11及び11”を使用して、R
IE加工にて発生した、RIE加工の欠点である、加工
変質層(例えば、62μm削り取った場合、約0.2μ
mから6μm)を、(ただし、RIE加工にては、歪
は、ほとんど、発生しない)機械的な研磨加工手段に
て、研磨加工を行なって除去することにより、電気的な
特性を改善して、電気的な特性が良好な水晶板13を製
作することが出来る。さらに、電気的な特性が良好な、
水晶板13の基盤が出来れば、図51、図52、図53
及び図54に示している凹レンズ形状、又はPlano
−Convex型形状、Concavo−Connve
x型形状、又はBi−Convex型形状、又はその他
の形状の、水晶板13の精度の高い製作にも利用するこ
とが出来る。
【0057】図44、図45及び図46に示している、
第1の加工補助具11を使用して、平板形状、又は凹レ
ンズ形状を形成した水晶板13の、平板形状、又は凹レ
ンズ形状を形成した面を保持して、平板形状、又は凹レ
ンズ形状を形成した、水晶板13の裏面と、第1の加工
補助具11の一面を、両面研磨加工機械を使用して、上
と下の,両面から,同時に研磨加工すると、平板形状、
又は凹レンズ形状を形成した、水晶板13の一面は、一
切、研磨加工することがなく、平板形状、又は凹レンズ
形状を形成した、裏面だけを研磨加工することが出来る
ので、下記のような利点がある。 両面研磨加工機械を使用して、極く薄く、平板形
状、又は凹レンズ形状を形成した、水晶板13の研磨加
工を行うことが出来る。 両面研磨加工機械を使用して、研磨加工しても、第
1の加工補助具11を使用することで水晶板13に、平
板形状、又は凹レンズ形状を形成した一面は、一切、研
磨加工することなく、平板形状、又は凹レンズ形状を形
成した裏面だけを、研磨加工することが出来るので、平
板形状、又は凹レンズ形状部分の、加工寸法精度が変化
しない。 第1の加工補助具11を使用することで、両面研磨
加工機械を使用して、片面研磨加工が出来るので、荒加
工である、ラップ加工から、ポリッシング加工である、
研磨加工をしても、平板形状、又は凹レンズ形状部分
の、加工寸法の精度が変化することがない。 第1の加工補助具11を使用することで、片面研磨
加工でありながら、両面研磨加工機械の利点である、平
行精度、平面精度を出すことが出来る。 第1の加工補助具11を使用することで、RIE加
工、又は化学的な、エッチング加工の利点と、片面研磨
加工機械の利点と、両面研磨加工機械の利点の、両方の
利点を利用することが出来る。 第1の第1の加工補助具11を使用して、片面研磨
加工を行うことで、片面研磨加工機械の欠点がなくな
る。
【0058】図47に示しているのは、水晶板13の両
側から、RIE加工、プラズマ、又はその他の化学的
な、Wetエッチング加工を行って製作した、両面が凹
レンズ形状をした、水晶板13を、図13に示してい
る、第1の加工補助具11を使用することなく、両面研
磨加工機械を使用して、図20に示している、キャリア
37を使用して、直接に、遊星運動をさせて、化学的
な、Wetエッチング加工などによる、加工変質層(フ
ッ素化合物層、又は酸化膜)を、機械加工で除去するこ
とにより、水晶板13の、電気的な、特性を向上させて
いる状態を示している。尚、図47(c)に示している
のは、出来上がりの寸法図の一例である。又、両面を凹
レンズ形状に形成した水晶板13を、パッド、又はスウ
ェード15を貼った、ラッピングプレート17及びラッ
ピングプレート18を使用して、上下の方向から、研磨
圧力をかけて、両面が凹レンズ形状をした水晶板13
を、両面研磨加工機械を使用して研磨加工すると、図4
7(a)に示している形状の、水晶板13の形状を、図
47(c)に示している形状の、水晶板13の形状に研
磨加工を行なうことが出来ることも判明した。
【0059】図48に示しているのは、実際に、水晶板
13を製作する場合、2.0インチウエハーの、水晶板
13の表面上に、マスキングしてマスクを形成し、化学
的なWetエッチングを使用して、数百個から、数千個
の、平板形状、又は片面が凹レンズ形状、又は両面が凹
レンズ形状の水晶板13を形成し、その後、水晶板13
を切断して、水晶板13を、四角形状のままの状態にて
使用するか、又は丸の形状に、水晶板13を、切断加工
して使用する状態を示している。尚、図48(a)及び
(b)に示しているのは、丸の形状であるが、実際上は
4角の形状にて使用する場合もある。
【0060】図44、図45及び図46にて説明してい
る加工手段は、一個ずつの加工方法に関しての説明を行
っているけれども,実際には,図48に示しているよう
に、2.0インチウエハーの表面上に、レジストを塗布
してマスキングして、水晶板13にマスクをかけて、そ
の後、化学的なWet Etchingなどのエッチン
グ加工を行なって、一度に、多量のエッチングを行い、
多量にエッチングを行なって出来た、片面が凹レンズ形
状、又は両面が凹レンズ形状、又は平板形状、又はその
他の形状をした、水晶板13を、保持することが出来
る、加工補助具11、又は加工補助具11”、又は図4
9に示している、第3の加工補助具61を使用するか、
又はその他の形状をした、加工補助具を使用して、加工
するか、又は、第1の加工補助具11、又は、第1の加
工補助具11”を使用することなく、直接に、図20に
示している、キャリア37を使用して、遊星運動をさせ
て、両面研磨加工機械を使用して、両面から研磨加工を
行なうか、又は片面研磨加工機械を使用して研磨加工を
行ったままとするか、又は周波数の微調節を行なう目的
にて、再度、化学的なWetエッチング加工などのエッ
チング加工を行った後、水晶板13を,1個ずつ、切断
して、製作すると、安いコストにて、精度の高い、水晶
板13を、短時間に、多量に、製作することが出来る。
【0061】図48(a)、(b)、(c)及び(d)
に示している、水晶板13を、1個ずつ、又は数100
個、又は数1,000個の凹レンズ形状を形成している
2インチの基盤(wafer)を研磨加工するときに
は、図49(a)及び(d)に示しているような、第3
の加工補助具61を、プラスチック、超鋼、鉄、又はそ
の他の金属、又はその他の素材を使用して、第3の加工
補助具61を製作して、第3の加工補助具61の空間部
分62に、水晶板13を、図49(c)及び(e)に示
しているように、空間部分62に、水晶板13を挿入し
た後、図20に示している、キャリア37を、直接に使
用して、水晶板13を、遊星運動をさせて、両面研磨加
工を行う加工工程としてもよい。尚、図49に示してい
るのは1個ずつの、水晶板13の研削加工と研磨加工を
併用した加工手段についての説明をしているけれども、
凹レンズ形状を、数10個から数100個、又は数1,
000個形成している、水晶板13の研削加工も、研磨
加工も、図49に示している場合の、水晶板13の研削
加工と研磨加工を併用した加工手段と全く同じである。
図49に示している、水晶板13の研磨加工の条件は、
凹レンズ形状を形成している裏面の研磨加工には、パッ
ド、又はスウェード15を貼っているラッピングプレー
ト18を使用して研磨加工を行ない、凹レンズ形状を形
成している表面の研磨加工は、鉄、又は錫板などの金属
板のラッピングプレート17を使用して、研磨剤65と
しては、極く小さい、ダイヤモンド、GC、又は酸化セ
リウムなどの研磨剤65を使用して研磨加工を行なう
と、水晶板13を、第3の加工補助具61の空間部分6
2に挿入(填め込む)することで、水晶板13と、第3
の加工補助具61が一体となって合体する、合体した水
晶板13と、第3の加工補助具61を、図20に示して
いるキャリア37を使用して、水晶板13と合体してい
る、第3の加工補助具61を、遊星運動させることで水
晶板13の外周に位置している、超鋼などの金属で出来
ている、第3の加工補助具61が、常時、水晶板13と
遊星運動することにより、鉄、又は錫板などの金属で出
来ている、下部のラッピングプレート17の平行度、面
精度を常時、修正して高めているので、水晶板13の出
来あがりの精度が、極限まで高い、精度の水晶板13の
研磨加工が出来る効果が、超鋼などで出来ている、第3
の加工補助具61を使用することにより生まれる。又、
研磨剤65として酸化セリウムを使用した場合、下部の
ラッピングプレート17の材質を、鉄、錫板などの金属
で出来ている、ラッピングプレート17を使用すること
で、ほとんど研磨加工が出来ない条件として、上部のラ
ッピングプレート18はパッド、又はスウェード15を
貼った、ラッピングプレート18を使用することで、水
晶板13と相性が良い酸化セリウムを使用して、上下の
ラッピングプレート17及び18を使用して研磨加工を
行なうと、9/10以上の厚さが、パッド、又はスウェ
ード15を貼っている上部のラッピングプレート18の
面だけが研磨加工されることになるので、図49(b)
にて示しているように、凹レンズ形状をしている水晶板
13の、凹レンズ形状の裏面(フラット面)だけが研磨
加工されるが為に、水晶板13の振動部分だけが、段階
的に、極く薄く研磨加工されることになる。さらに、第
3の加工補助具61の高さと、凹レンズ形状をした水晶
板13の高さが同じでも、ウレタン、又は不織布などで
出来ている。パッド、又はスウェード15を貼ったラッ
ピングプレート18を使用して研磨加工を行なうと、第
3の加工補助具61は超鋼で出来ているので、全く研磨
加工されなくても、第3の加工補助具61の内部に挿入
している水晶板13は、深さとして、15μm前後の厚
さまでの深さまでは研磨加工される、例えば、凹レンズ
形状の水晶板13の厚さが、当初80μmの厚さであれ
ば、80μm―15μm=65μm位の厚さまでは、第
3の加工補助具61と水晶板13の高さが同じでも、水
晶板13だけを厚さが65μm位までの厚さに研磨加工
を行なうことが出来ることになる状態を示している。
【0062】図49(c)に示している、水晶板13の
形状が、四角の形状で、この四角形状の、水晶板13を
挿入している、第3の加工補助具61も、四角形状の空
間部分62を形成している、第3の加工補助具61を使
用して、研磨加工を行うほうが、図49(e)に示して
いる、丸い形状の空間部分62を形成している、第3の
加工補助具61よりも、四角形状の、第3の加工補助具
61を使用して、キャリア37を、直接に、使用して、
遊星運動させたほうが、より効果的に研磨加工すること
が出来る場合もある。
【0063】図50に示しているのは、水晶板13の真
上に、例えば、0.5mmの穴を形成した水晶板13で
出来ているマスク板63、又は石英又はタングステンシ
ーサイド又はその他の材質にて出来ている、マスク板6
3に、超音波加工機械などを使用して、0.5mmの穴
を形成したマスク板63を、水晶板13の真上に置い
て、水晶板13の上の方向から、RIE(Reacti
ve Ion Etching)加工を行い、深さが1
5μmの凹レンズ形状を、水晶板13に形成している状
態を示している。何故、マスキング(金属被膜)の変わ
りに、マスク板63をマスキングの変わりに使用して、
水晶板13に、15μmから25μm以上の凹レンズ形
状を形成するかというと、水晶板13に、15μmから
25μm以上の、凹レンズ形状を形成する場合、露光手
段を使用したマスキングでは、金属被膜の厚さが、せい
ぜい、1μm前後の為に、水晶板13に15μm内外の
凹レンズ形状を形成する段階でも、マスキングの金属被
膜の厚さが、全くなくなり、0となるが為に役にたたな
いので、マスク板63に穴、例えば、0.5mmの穴を
形成した、マスク板63を使用して、水晶板13にマス
クをかけて、RIE加工を行う以外に、RIE加工を使
用して、水晶板13に、深さが15μm以上の凹レンズ
形状を形成することは不可能である。又、マスク板63
の素材としては、水晶、又は水晶と、同じ素材である石
英で出来ている、石英などが、水晶板13をRIE加工
する場合の、マスク板63として適当な素材である。何
故ならば、水晶、又は石英以外の素材を使用して、マス
ク板63を製作すると、水晶板13の表面上に、RIE
加工にて使用するフッ素ガスにより分解されて、プラズ
マ状態となった、他の物質が、水晶板13の表面上に付
着して、水晶板13の表面上に、凸凹が出来る現象が発
生するが為に、水晶板13の、精度の高い加工が不可能
となるので、マスク板63として、水晶、又は石英を使
用して、水晶板13の、マスク板63として使用してい
る状態を示している。悪い例として、例えば、パイレッ
クスで出来ている板などを、マスク板63として使用す
ると、パイレックスに含まれている、アルミニュウムな
どの物質が、フッ素ガスにて分解されて、アルミナなど
が出来て、水晶板13の表面上に付着して化合するよう
な、現象が起こるので、パイレックスなどは、使用する
ことが出来ない。尚、上記の手段以外に、ドライフィル
ム(デュポンMRCドライフィルム社の商品)を使用し
て、水晶板13の表面上に、レジストを貼りつける方法
でも、容易にマスキングすることは可能である、又、そ
の他の手段としては、直接に、水晶板13の表面上に、
レジストを塗布する方法でもマスキングすることは可能
である。
【0064】図51及び図52に示しているのは、水晶
板13を、両面が凹レンズ形状、又は両面が凸レンズ形
状に、RIE加工、プラズマエッチング、又はその他
の、化学的なエッチング手段、を使用して、水晶板13
を凹レンズ形状に加工した後、その後の加工手段とし
て、機械的な研磨加工である、両面研磨加工機械、又は
片面研磨加工機械、又はその他の研磨加工手段を使用し
て、凹レンズ形状に、化学的なWetエッチング手段を
使用して形成した加工面の、加工変質層を、機械的な研
磨加工手段にて除去して、両面の平行精度及び面精度を
出したままとするか、再度、RIE加工、プラズマエッ
チングなどの、化学的なWetエッチング手段を使用し
て、エッチング加工すると、エッチングの欠点である、
極く小さい、数μmの、凸凹が発生する、この凸凹を、
さらに、再度、機械的な、研磨加工にて除去すること
と、凹レンズ形状を形成している、水晶板13の裏面
を、エッチング加工と、機械的な研磨加工を併用するこ
とで、容易に、極限まで、水晶板13を、極く、薄く加
工することが出来る状態を示している。尚、図中、斜線
の部分は、エッチング加工と、両面研磨加工機械、又は
片面研磨加工機械を併用して、削り落としている部分を
図示している。上記のことを要約すると、水晶板13
を、RIE加工、又はその他の化学的なWetエッチン
グ手段、又は機械的な研削手段を使用して、凹レンズ形
状、又は凸レンズ形状に加工した後、機械的な、研磨加
工を行なうことにより、RIE加工、又は化学的なエッ
チング手段にて出来た、微小な凸凹を、除去して、平行
精度及び面精度を向上させることが出来る。RIE加
工、又は化学的なWetエッチング加工と、機械的な、
研磨加工と、エッチング加工を併用して水晶板13を、
極限まで、薄くしても、面精度を低下させることがな
く、水晶板13を、極限まで薄くしても、水晶板13
が、過度のエッチングにより、不純物が原因となって穴
があいたり、破損することがない。尚、図51及び図5
2に示している、片面又は両面が凹レンズ形状の、水晶
板13の加工手段としては、下記のような加工手段とし
てもよい。水晶板13を、片面又は両面から、ウエット
エッチングである、化学的なWetエッチング手段、又
は機械的な研削、又は研磨加工手段を使用して、水晶板
13を凹レンズ形状に加工した後、片面又は両面から、
図中、斜線にて示している部分を、Reactive
Ion Etching(RIE)加工を行って、両側
から、相似形状、又は相対的に縮小した後、RIE加工
によって発生した加工変質層を除去するために、機械的
な研磨加工を行なって、化学的なWet Etchin
g、又はRIE加工によって発生した加工変質層を除去
することにより、電気的な特性が良好で、しかも、水晶
板13の厚さを、1μm以下の薄さに加工することが出
来る。
【0065】さらに、図52(a)に示しているような
形状に、図1に示している、研削加工手段を使用して加
工した後、例えば、、図52(b)、(c)、(d)及
び(e)に示しているように、両面から、RIE加工の
加工手段を使用して、図中、斜線にて示している部分
を、RIE加工にて除去することにより、図52(a)
に示している形状と、全く同じ形状の相似形状に、両側
面からだけ、縮小して、極く薄くて、精度の高い、Bi
−Convex型形状に、図52(a)に示している寸
法の形状である、保持部分51の厚さが74,5μm
で、溝52の部分の厚さが24.5μmで、振動部分の
一番厚いところの厚さが26.5μmの形状を、図52
(f)に示しているように、保持部分51の厚さが5
0.5μmで、溝52の部分の厚さが0.5μmで、振
動部分の一番厚いところの厚さが1.5μmの形状に、
相似形状に縮小することが出来る状態を示している。
尚、その後の加工手段として、RIE加工によって発生
した加工変質層を、機械的な研磨加工を使用して除去す
る必要性はある。
【0066】図53及び図54に示しているのは、第1
の加工手段として、図53(a)、又は図54(a)に
示している水晶板13に、マスキングして金属被膜を形
成して、水晶板13の中心部分に、直径が0.5mm
の、凹レンズ形状に、中心部分だけを、RIE加工、又
はその他の化学的なWetエッチング手段を使用して形
成した後、第2の加工手段として、図1(a)に示して
いる、機械研磨加工手段を、仕上げの第2の加工手段と
するならば、第2の加工手段である、研削手段にて研削
を行う取りしろが少なくてすむので、短い時間で、片面
が凸レンズ型形状、又は両面が凸レンズ型形状で、しか
も、図中に示しているように、保持部分51とスムーズ
ライン53を形成している、両面が凸レンズ型形状、又
は一面が凹面で、他の一面が凸面の、凹凸レンズ型形状
を製作することが出来る状態を示している。さらに、図
54(c)に示している、Bi−Convex型形状
に、研削加工と、研磨加工を併用して加工した後、図5
4(c)に示しているBi−Convex型形状の両側
面から、各々、9.25μmずつRIE加工にて、両側
面からエッチング加工にて、相似形状に縮小すると、図
54(d)の形状、又は図54(d’)の形状の、極く
薄くて、高精度のBi−Convex型形状の水晶共振
子を容易に製作することが出来る。さらに、RIE加工
にて、Bi−Convex型形状を、相似形状に縮小し
た後の、Bi−Convex型形状を両面研磨加工機械
などの、機械的な研磨加工手段を使用して、Bi−Co
nvex型形状両側面から、研磨加工を行なうか、又は
化学的なWet Etchingなどの加工手段にて、
RIE加工による加工変質層を除去すると、電気特性が
よい水晶振動子が出来る。尚、図53及び図54に示し
ている加工手段の説明は、直径が2.0mmの水晶板1
3に関しての説明を行ったけれども、実際の加工は、直
径が1”inch×1”inch、又は2”inch×
2”inchの角形状、又は丸形状の水晶板13を使用
して、一度に多量に、製造することになる。
【0067】図55(a)及び図56(a)に示してい
るのは、両面研磨加工機械を使用して、厚さが80μm
で、直径が1inchの角型形状の、両面が鏡面状態に
研磨加工された水晶板13を示している。図55(b)
及び図56(b)に示しているのは、図55(a)及び
図56(a)に示している、厚さが80μmの水晶板1
3の厚さを、RIE加工の加工手段を使用して、水晶板
13の片側面から68μm削り落として、水晶板13の
残りの厚さが12μm残っている状態を示している。図
55(c)に示しているのは、RIE加工の加工手段を
使用して、当初、厚さが80μmあった水晶板13の厚
さを、厚さが12μmの厚さに加工した水晶板13を、
RIE加工を行なった片側面からだけ、フッ化水素酸、
NHHF,又はHFなどを使用した、化学的なWe
t Etchingを行なって、RIE加工にて発生し
た加工変質層(非晶質の部分)を、1.5μm除去し
て、厚さが10.5μmで、直径が1inchの水晶板
13を加工している状態を示している。図56(c)に
示しているのは、RIE加工の加工手段を使用して、当
初、厚さが80μmあった水晶板13の厚さを、12μ
mの厚さに加工した水晶板13を、フッ化水素酸、NH
HF、又はHFなどの溶液中に入れて、RIE加工
を行なった片側面から1.5μmと、RIE加工を行な
わない、片側面から1.5μmの、両側面からトータル
で3μmを、化学的なWet Etchingを行なっ
て除去することにより、RIE加工にて発生した加工変
質層を、1.5μm除去することになり、結果として、
厚さが9μmで、直径が1inchの水晶板13を加工
している、その後、ラップ盤を使用して、機械的な研磨
加工を行なう、仕上げ加工、工程を行なっている状態を
示している。
【0068】図55及び図56に示しているように、当
初、厚さが80μmあった水晶板13の厚さを、RIE
加工の加工手段を使用して68μm削り落として、水晶
板13の厚さを12μmとすると、RIE加工による、
フッ素系、又は塩素系の、イオン粒子が水晶板13に激
突するときに発生する高熱にて、水晶板13の表面上よ
り、0.2μmから1.0μm位までの深さの部分まで
の厚さの、水晶板13の表面上の表面層が、キュリー温
度以上の、高熱による影響によりダメージ層、加工変質
層(非晶質)となって、水晶板13の、電気的な特性が
大幅に低下する、この水晶板13の、電気的な特性を改
善する目的にて、当初、機械研磨加工にて出来ている、
厚さが80μmの水晶板13を、図55に示しているよ
うに、RIE加工を行なって68μm削り落として、厚
さを12μmとした水晶板13の、RIE加工を行なっ
た片側面から、又は図56に示しているように、RIE
加工を行なった片側面、及び機械研磨加工を行なったま
まの片側面の両面の全面を、フッ化水素酸などの溶液中
に入れて、化学的なWet Etchingを行なう
か、又は化学的なEtching溶液を霧の状態にし
て、噴霧することによる、化学的なWet Etchi
ngを行なって、RIE加工にて発生した、加工変質層
を厚さとして1.5μm程を、片側又は両側面から除去
したあと、ラップ盤を使用して、機械的な研磨加工をす
ることで、水晶板13が本来、持っている電気的な特性
を取り戻すことが出来ることが判明した。尚、RIE加
工にて発生した加工変質層を除去する手段としては、図
45及び図46に示しているように、機械的な研磨加工
手段を使用して、加工変質層を除去してもよいし、又は
小さく裁断、例えば、厚さが10μmの場合には、直径
が1.2mm、又は2.0mmの丸形状、又は角形状に
裁断して、超音波振動を使用した研磨加工、又はバレル
研磨加工などを使用してもよい。
【0069】図57、図58、図59及び図60に示し
ているのは、まず、第1に、図57に示しているのは、
直径が2.89mmの、円型形状で、厚さが29.5μ
mで、両面ともに、両面研磨加工機械を使用して、鏡面
状態に研磨加工(ポリシング)した、平板形状の水晶板
13の周波数(56.595MHz)の特性を測定した
実測図を示している。第2に、図58に示しているの
は、RIE加工の加工手段を使用して、図57に示して
いる、水晶板13の片側面から、12.13μmを除去
して、水晶板13の厚さが、17.36μmとなった、
水晶板13の周波数(96.1599MHz)の特性を
測定した実測図を示している。第3に、図59に示して
いるのは、RIE加工の加工手段を使用して加工した、
水晶板13の表面上に発生した、凹凸及び加工変質層
(非晶質の部分)を除去する目的にて、図58に示して
いる水晶板13の、RIE加工を行なった片側面からだ
け、研磨剤65として、酸化セリウムを使用して、機械
的に研磨加工を行ない、厚さとして、RIE加工の加工
手段にて発生した、加工変質層を除去するために、0.
12μmを除去して、水晶板13の厚さが、17.24
μmとなった後の、水晶板13の周波数(96.854
7MHz)の特性を測定した実測図を示している。第4
に、図60に示しているのは、図59に示している、水
晶板13の厚さが、17.24μmの、水晶板13の、
加工変質層を、より一段と除去する目的にて、再度、図
59に示している水晶板13を、研磨剤65としては、
第3の場合と同じく、酸化セリウムを使用して、再度、
4.96μmの厚さを除去して、水晶板13の厚さが、
12.26μmとなった後の、水晶板13の周波数(1
36.1149MHz)の特性を測定した実測図であ
る。
【0070】上記のことを説明すると、まず、第1に、
図57に示している周波数の実測図は、副振動の発生も
少なく、平板形状の水晶板13としては、大変にすばら
しい波型の周波数を発振している。第2に、図58に示
しているのは、、RIE加工の加工手段を使用して、図
57に示している、厚さが29.5μmの水晶板13
を、12.13μmを除去した場合の、水晶板13の周
波数の波型を見ると、副振動が主振動の、すぐ近くに接
近しているが為に、水晶振動子としては、全く使用する
ことが出来ない、波型の水晶振動子としての発振状態を
示している。第3に、図59に示しているのは、図58
に示している、RIE加工の加工手段を使用して、1
2.13μmを除去したあとの水晶板13の、RIE加
工を行なった表面上から、研磨剤65として、酸化セリ
ウムを使用して、0.12μmを機械的な研磨加工手段
を使用して、水晶板13の研磨加工を行なった後の、周
波数を測定した実測図である、図56に示している場合
の波型とは異なり、図59に示している波型は、副振動
が主振動より離れていることが判る。第4に、図60に
示しているのは、図59に示している水晶板13を、再
度、研磨剤65として、酸化セリウムを使用して、RI
E加工を行なった表面上から、厚さとして、4.96μ
mを機械的な研磨加工手段を使用して、RIE加工の加
工にて発生した、加工変質層を除去した、水晶板13の
周波数を測定した実測図であるが、図60に示している
周波数の測定図と、図59に示している周波数の測定図
を比較すると、図59に示している副振動が、図60に
示している、周波数の測定図から消滅していることが判
る。上記の結果から、RIE加工の加工手段を使用し
て、もともと、良い波型形状の周波数を発振していた、
水晶板13を加工すると、副振動が発生して、水晶振動
子としては使用することが出来ない、周波数の波型を発
振することが判った、だけども、RIE加工を行なっ
た、水晶板13の加工面を、再度、機械的な研磨加工を
行なうことにより、水晶板13の電気的な特性を改善す
ることが出来ることが判明した。
【0071】上記のことから判断することが出来るの
は、両面研磨加工機械を使用して研磨加工した、図55
に示している水晶板13の波型は、すばらしく、良い波
型の周波数を、発振している、だけども水晶板13の、
周波数を高めるために、水晶板13の厚さを薄くする目
的にて、RIE加工の加工手段を使用して、水晶板13
を薄くすると、RIE加工による、加工変質層(水晶板
13の表面上が、極く一部分非晶質の膜となって、石
英、又はシリコンの多結晶、又はシリコンの酸化物、又
はその他の酸化物、又はその他の化合物となる)が発生
して、振動子としては、全く使用することが出来ない波
型の周波数の発振をすることになる。だけども、RIE
加工によって発生した、0.2μmから1.0μm内外
の加工変質層を、再度、機械的な研磨加工の加工手段を
使用して、除去することで、再度、すばらしく良い、周
波数の波型を発振する水晶振動子となることが判明し
た。このことにより、RIE加工の加工手段の欠点を補
う、機械的な研磨加工手段、又、化学的なWet Et
chin加工手段を使用しても、RIE加工の加工手段
の欠点を補うことは出来るが、化学的なWet Etc
hing加工の加工手段よりは、機械的な研磨加工手段
を使用して、加工変質層を除去したほうが、より一段と
水晶本来の電気的な特性は良い。上記のことから、RI
E加工を併用する、ポリシング(機械的な研磨加工)→
RIE加工→ポリシング、又は化学的なWet Etc
hing加工、又はRIE加工(微調節に使用する)と
いう、加工手段を使用することにより、かぎりなく薄く
て、かぎりなく、波型が良くて、かぎりなく、周波数が
高い、水晶振動子が、安い価格にて製作することが出来
ることになった、この加工技術は簡単な、加工技術であ
るが故に、地球上における、最後の、産業革命を起こす
ことになる技術でもある。尚、水晶板13の表面上に、
例えば、CF又はCなどのフッ素系のイオン粒
子、又は塩素系のイオン粒子を、超高速にて水晶板13
に激突させると、例えば、フッ素イオン粒子、又は炭素
粒子イオンが、水晶板13の表面上にて水晶(Si
)のO(酸素)と化学反応を起こして、水晶(S
iO)から酸素(O)を、珪素(Si)よりも、イ
オン化傾向が高く、さらに、超高速に加速されて、運動
エネルギーを与えられてポテンシャルの高い、フッ素イ
オン粒子が酸素(O又はO)を奪って、フッ素イオン
粒子と酸素(O又はO)が化学反応を起こして、フッ
素化合物、又はフッ素酸化物が、水晶板13の表面上に
出来て、水晶板13の表面上より、酸素(O又はO
が飛び出すことにより、水晶板13の表面上に、0.2
μm位から数μm位の、極く薄い、使用したガスとSi
の化合物、例えば、フッ素とSiOの化合物、又
はシリコンの単結晶、又はシリコンの多結晶(Si)、
又はシリコンの酸化物の膜が出来る、又イオン粒子が水
晶板13に激突するときの運動エネルギーによって発生
する高熱の影響により、水晶板13が溶解して石英(S
iO)となる場合もある。又、水晶板13の表面上に
出来るシリコン(Si)の単結晶、又はシリコンの多結
晶の膜、又は石英(SiO)、又はその他の、酸化物
の膜(加工変質層)の厚さは、イオン粒子が、秒速、数
kmの場合と、数10kmの場合と、数100kmの場
合と、数1,000kmの場合とでは、水晶板13の表
面上に出来る、加工変質層(膜)の厚さは異なるけれど
も、膜の厚さは、だいたい0.2μm位から5μm位ま
でである。
【0072】図61及び図62に示しているのは、凹レ
ンズ形状に、化学的なWet Etching加工、又
は機械的な加工、又はその他の加工手段にて、凹レンズ
形状に加工した、厚さが80μmで、凹レンズ形状の深
さが60μmで、直径が1inch以上の角形状の水晶
板13を、同じ厚さの、厚さが80μmで、直径が1i
nch以上の、水晶、又は金属板、又はその他の素材で
出来ている、第4の加工補助具66の上に、松脂などの
接着剤59を使用して貼り合わせた後、図16、図20
及び図21に示している、両面研磨加工機械(ラップ
盤)を使用して、上下のラッピングプレート17及び1
8を使用して、研磨加工を行なうか、又は図63に示し
ているように、全く同じ形状の、凹レンズ形状に加工し
た水晶板13の、凹レンズ形状を形成した表面と表面
を、松脂などの接着剤59を使用して貼り合わせた後、
凹レンズ形状を形成した水晶板13の裏面を、上下のラ
ッピングプレート17及び18を使用して研磨加工する
と、貼り合わせる素材が、同じ水晶なので、熱膨張率が
同一なことにより、加工途中において、歪が発生しな
い。さらに、凹レンズ形状を形成した水晶板13に貼り
合わせる素材としては、水晶以外に、水晶の熱膨張率に
近い石英ガラスでもよいし、その他の素材でもよい。
尚、図62及び図63に示している、黒塗りの部分は、
凹レンズ形状を形成している凹レンズ形状の内部に、松
脂などの接着剤層59を注入して、水晶板13に形成し
た、凹レンズ形状内部の部分を松脂などを使用して、補
強している状態を示しているが、松脂などの接着剤層5
9を注入して水晶板13に形成した、凹レンズ形状内部
を補強しなければ、研削、研磨加工が出来ないわけでは
ない、松脂などの接着剤層59を形成しなくても、十分
に加工に耐えられる。又、水晶板13に形成している、
凹レンズ形状の表面を、水晶板13などに貼り付けてい
るので、凹レンズ形状内部の方向からの支持が出来ない
ので、極く小さい研磨圧力でも、図61(d)に示して
いるような、Plano−Convex型形状、又はC
oncavo−Convex型形状に研磨加工すること
が出来るが、凹レンズ形状内部から補強することが出来
ていないので、すぐに破れる欠点もある。
【0073】図64に示しているのは、水晶、硬質ガラ
ス、金属、又はその他の素材で出来ている板形状の、穴
64を形成した、第4の加工補助具66の上に、松脂な
どの接着剤を使用して貼り合わせた後、凹レンズ形状を
形成している水晶板13の裏面と第4の加工補助具66
の一面を、両面研磨加工機械を使用して、上下のラッピ
ングプレート17及び18を使用して、研磨加工する
と、第4の加工補助具66に形成している穴64の内部
に、酸化セリウムなどの研磨剤65が穴64の内部に、
上下のラッピングプレート17及び18の研磨圧力によ
り、閉じ込められて、上下のラッピングプレート17及
び18の研磨圧力と、研磨剤65が穴64の内部に閉じ
込められることによる、穴64内部の内部圧力は均衡状
態となるが為に、水晶板13の振動部分の厚さを、1.
0μmから0.1μm以下の、極限まで薄くしても、破
損することなく研磨加工を行なうことが出来る。尚、図
64の図中にて、うすく黒く塗っている部分が、研磨剤
65が閉じ込められて、図64(b)の上下からの矢印
にて示すように研削、又は研磨加工圧力と、凹レンズ形
状内部の、内部圧が均衡状態となっている部分である
が、凹レンズ形状を形成していない、裏面からの研磨加
工圧力が内部圧力より強くなると、図61(d)に示し
ているような、Plano−Convex型形状、又は
Concavo−Convex型形状となる。
【0074】図64に示している、水晶板13に形成し
ている凹レンズ形状と、ほぼ同じ穴を形成した、第4の
加工補助具66に、凹レンズ形状を形成した水晶板13
を貼りつけて加工する理由は、水晶板13だけで研削、
研磨加工を行なうと、水晶板13に凹レンズ形状を形成
している表面と、裏面とでは上下のラッピングプレート
17及び18の研磨圧力が、全く異なるが為に、条件に
より異なるが、例えば、図中に示す条件の場合、水晶板
13の裏面を1μm削り取るのに対して、凹レンズ形状
を形成している表面は、10倍の10μm位の割合にて
削り取ることになるので、凹レンズ形状を形成している
表面に、第4の加工補助具66を貼り付けて加工しなけ
れば、凹レンズ形状を形成している表面が、全くなくな
るので、第4の加工補助具66を使用して、凹レンズ形
状を形成している、水晶板13の表面が、研磨加工され
ないように、保護する必要性がある。尚、図71から図
78にて説明しているように、振動部分の直径を一定、
例えば、0.5mmとした場合、外径の直径を、大きく
すればするほど、凹レンズ形状を形成している表面と裏
面の研磨圧力の差は小さくなるので、第4の加工補助具
66を使用して、凹レンズ形状を形成している、水晶板
13の表面が研磨加工されないように、保護する必要性
がなくなる。
【0075】図65、図66、図67、図68、図69
及び図70に示しているのは、図61に示している水晶
板13と同じ形状の、厚さが80μmで、凹レンズ形状
の深さが60μmで、直径が2.0mmの角形状の場合
と、直径が1inchの角形状の場合の2種類の、凹レ
ンズ形状を形成した水晶板13を、水晶、硬質ガラス、
金属、又はその他の素材で出来ている、第1の加工補助
具11及び11‘と、第2の加工補助具19を使用して
形成した、第1の加工補助具11の上に、凹レンズ形状
を形成した加工面を、第1の加工補助具11及び11’
の真上に、そのままの状態にて載置(ただ置くだけ)す
るか、又、図66及び図68に示しているように、松
脂、又はパラフィン、又は寒天などのAgaroseな
どの接着剤を使用して、第1の加工補助具11及び1
1’の真上に、凹レンズ形状を形成した水晶板13を、
松脂などの接着剤を使用して貼りつけた後、(図面状に
おいては、上下のラッピングプレート17及び18は省
略している)図16に示している、両面研磨加工機械を
使用して、上下のラッピングプレート17及び18を使
用して、片面は凹レンズ形状を形成している水晶板13
の裏面を研磨加工し、もう一方の片面は、第1の加工補
助具11及び11’の裏面を研磨加工することで、凹レ
ンズ形状を形成している、水晶板13の裏面だけを研磨
加工することが出来るので、水晶板13に形成してい
る、凹レンズ形状の寸法を変化させることなく、極く薄
く、小さい口径から、大口径の基盤まで、研磨加工する
ことが出来る。尚、図66及び図68に示している、黒
塗りの部分は、凹レンズ形状を形成している凹レンズ形
状の内部に、松脂などの接着剤層59を注入して、水晶
板13に形成した、凹レンズ形状内部を補強している状
態を示している。
【0076】図65及び図66に示しているのは、1個
ずつの加工に関しての説明をしているけれども、図6
7、図68、図69及び図70に示しているのは、直径
が1inchの角形状の基盤の形状を使用した場合の加
工に関しての説明をしている。尚、1inchの角形状
の基盤を使用した場合には、図中に示している、厚さが
61μmで、直径が2.0mmの角形状で、振動部分の
厚さが10μmから0.5μm位の、水晶振動子が、1
枚の1inchの基盤から、約56個の水晶振動子が出
来るので、基盤の直径が大きくなればなるほど、1個当
りの製造コストは安くなる。
【0077】図67、図68、図69及び図70が異な
る相違点は、第2の加工補助具19の高さと、第2の加
工補助具19の材質が超鋼で出来ているのか、又は硬質
ガラスなどの材料にて出来ているのか、又は硬質ガラス
などの材料にて出来ているのかの相違点を示している。
図69及び図70に示しているのは、凹レンズ形状を形
成した水晶板13の、凹レンズ形状を形成した裏面と、
第2の加工補助具19を一緒に研磨加工している状態を
示しているのに対して、図67及び図68に示している
のは、凹レンズ形状を形成した水晶板13の高さより
も、第2の加工補助具19のほうを低くすることによ
り、第2の加工補助具19は研磨加工することなく、凹
レンズ形状を形成した水晶板13の裏面と、第1の加工
補助具11の裏面を研磨加工している状態を示してい
る。尚、図69に示している、第2の加工補助具19
は、水晶と同じ材質の石英などで出来ている、硬質ガラ
スを使用して出来ているのに対して、図70に示してい
る、第2の加工補助具19は、超鋼などの金属で出来て
いることによる、相違点を示している。超鋼を使用する
利点は、水晶板13の直径が大口径になっても、研磨加
工による、周辺のダレが起こらない。又、図67、図6
8、図69及び図70の、図中(b)に示しているよう
に、RIE加工にて18μmを除去した後、残りの1μ
mを、図中(d)に示しているように、機械的な研磨加
工を行なう構成としてもよい。図中(c)に示している
ように、機械的な研磨加工だけで、19μmの全部を研
磨加工してもよいのはもちろんである。又、図64にて
説明したと同じように、図65、図69及び図70の図
中、うすく黒く塗っている部分が、研磨剤65が閉じ込
められて、上下のラッピングプレート17及び18の研
磨圧力と内部圧力が均衡状態になるように、第1の加工
補助具11及び11’に穴64を形成している、第1の
加工補助具11及び11’を使用することにより、凹レ
ンズ形状を形成している水晶板13の、凹レンズ形状を
形成している、凹レンズ形状の内部に研磨剤65が閉じ
込められることで、研磨圧力と、凹レンズ形状内部の内
部圧力が均衡状態となるがために、振動部分を、1.0
μmから0.1μm以下の、極限まで薄くしても、水晶
板13が破損しない状態を示している。又、水晶板13
の出来あがりの形状としては、図61(d)、及び図6
4(d)に示しているような、Plano−Conve
x型形状、又はConcavo−Convex型形状と
なる。尚、穴64を形成した、第1の加工補助具11及
び11’に、凹レンズ形状を形成した水晶板13を固定
する手段としては、ただ置くだけでもよいし、松脂など
を使用して貼り付けてもよいが、出来るだけ、ただ置く
だけにて、研削、研磨加工するほうがよい。
【0078】図71、図72、図73、図74、図7
5、図76、図77及び図78に示しているのは、厚さ
が80μmで、直径が2.0mm、3.0mm、4.0
mm、5.0mm、6.0mm又は1inch以上の角
形状で、凹レンズ形状の深さが60μmの水晶板13
を、図16、図20及び図21に示している、両面研磨
加工機械を使用して、上下のラッピングプレート17及
び18を使用して、キャリア37を直接に使用して、荒
研削加工から、仕上げの研磨加工を行なっている状態を
示している。図71及び図72に示しているのは、厚さ
が80μmで、直径が6.0mmの角形状で、凹レンズ
形状の深さが60μmで、振動部分の直径が0.5mm
×0.5mmの角形状か、又は直径が0.5mmの丸形
状の水晶板13を、上下のラッピングプレート17及び
18を使用して、荒研削加工から、仕上げの研磨加工を
行なうと、上部のラッピングプレート18にて加工する
面積が4mm(2mm×2mm→4mm)であるの
に対して、下部のラッピングプレート17にて加工する
面積が3.75mm(4mm−0.25mm
3.75mm)であるので、上下のラッピングプレー
ト17及び18にて、研磨加工を行なう研磨加工の取り
しろが、水晶板13に形成している、凹レンズ形状を上
にむけている場合と、凹レンズ形状を下に向けている場
合とでは、研磨圧力が、少々異なる状態を示している。
尚、上下のラッピングプレート17及び18にての、研
磨加工の取りしろを、出来るだけ同じ取りしろにするに
は、図中にて示しているように、振動部分の面積が、
0.5mm×0.5mmと一定なので、凹レンズ形状を
形成している、水晶板13の直径2.0mmを、例え
ば、3.0mmとか、又は4.0mmとか、又は5.0
mm、又は6.0mmと水晶板13の直径を、大きくす
ることで、上下のラッピングプレート17及び18に加
わる加重を、ほぼ同じような加重とすることが出来る。
例えば、水晶板13の直径を6.0mm×6.0mmと
した場合には、凹レンズ形状を形成した、水晶板13の
表面と裏面の面積の割合は、下記のような面積の割合と
なる。凹レンズ形状を形成した水晶板13の裏面の面積
は、6.0mm×6.0mm→36mmで、凹レンズ
形状を形成した表面の面積は、(6.0mm×6.0m
m)−(0.5mm×0.5mm)→35.75mm
となるので、裏面を100とすると、表面は99.3と
なるので、研削、研磨における取りしろに関しては、表
面も、裏面も、ほとんど差がなくなる。
【0079】図71と、図72の図面が異なる相違点
は、図72に示しているのは、凹レンズ形状を形成した
水晶板13の、凹レンズ形状の内部に研磨加工を行なう
ことで、酸化セリウムなどの研磨剤65が水晶板13
の、凹レンズ形状の内部に、研磨圧力により、閉じ込め
られて、凹レンズ形状の内部を、自然に補強してくれる
が為に水晶板13の振動部分が、極く薄くなっても、破
損することなく補強した後、研削研磨加工を行なってい
るところが異なる状態を示している。
【0080】図73、図74、図75及び図76に示し
ているのは、図16、図20及び図21に示している、
両面研磨加工機械を使用して、上下のラッピングプレー
ト17及び18を使用して、研削研磨加工を行なう場合
に、上下のラッピングプレート17及び18に同じ加重
が加わり、上下のラッピングプレート17及び18にて
加工する、取りしろがほぼ同じ、取りしろになるように
するがために、凹レンズ形状を形成した水晶板13の、
凹レンズ形状を形成した表面が、上部のラッピングプレ
ート18と、下部のラッピングプレート17に、均等に
なるように割り振っている状態を示している。又、ラッ
ピングプレート17及び18の上に、凹レンズ形状を形
成した水晶板13の、凹レンズ形状を形成した表面と、
凹レンズ形状を形成している裏面を交互に並べること
で、上下のラッピングプレート17及び18に加わる、
加重が同一となるがために、凹レンズ形状を形成してい
る表面と、凹レンズ形状を形成している裏面の、取りし
ろが同一となる状態を示している。尚、図74に示して
いるのは、図72にて説明したように研磨剤65が、研
磨圧力により、自然に水晶板13に形成している凹レン
ズ形状内部に閉じ込められて、凹レンズ形状内部を補強
している状態を示しているのに対して、図76に示して
いるのは、凹レンズ形状内部に接着剤層59(黒く塗っ
ている部分)を形成して、凹レンズ形状内部を補強して
いる状態を示している。加工手段としては、接着層59
を形成するよりも、研磨剤65を閉じ込めるほうがよ
い。尚、この研磨剤65が凹レンズ形状内部に閉じ込め
られて、研磨剤65の遊離砥粒の、動圧による摩擦抵抗
により、凹レンズ形状内部が、段々と、研磨加工される
状態は、フロートポリシング加工方法、そのものの加工
方法の変形と考えると、よく理解することが出来る。両
面研磨加工機械を使用して、容易に、フロートポリシン
グ加工方法を、再現することが出来ることになったこと
は、大変に効果のある利点である。
【0081】図73及び図74に示しているように、最
初に、水晶板13に、凹レンズ形状を形成した後、その
後の加工手段として、両面研磨加工機械を使用して、上
下のラッピングプレート17及び18に、同一の加重が
加わるように、凹レンズ形状を形成した面と、凹レンズ
形状を形成した裏面を、交互に並べて研磨加工すると、
凹レンズ形状を形成した水晶板13だけを加工している
条件とはことなり、上下のラッピングプレート17及び
18に、同一の加重が加わることで、上下のラッピング
プレート17及び18にて加工した水晶板13の、振動
部分の厚さが均一となり、極く薄くて、精度が高い、振
動子を多量に、安いコストにて製造することが出来る。
だけども、図77及び図78に示しているように、凹レ
ンズ形状を形成した水晶板13を、同じ方向に並べて、
研削及び研磨加工を行なっても別に問題は起こらない。
【0082】図71、図72、図73及び図74に示し
ているように、水晶板13に凹レンズ形状を形成してい
る表面と、凹レンズ形状を形成していない裏面の水晶板
13に、上下のラッピングプレート17及び18を使用
して研磨加工すると、凹レンズ形状を形成していない裏
面の、研磨圧力の圧力分布と凹レンズ形状を形成してい
る表面の部分の圧力分布とが、極くわずか、異なるがた
めに、図72(c)に示しているように、振動部分が凹
レンズ形状を形成している表面の方向に、上からの圧力
を受けて撓(たわ)む現象が起こる。研磨剤65が凹レ
ンズ形状を形成した表面に閉じ込められることで、上下
の研磨圧力は、ある程度、均衡状態となるけれども、あ
る圧力以上の研磨圧力を加えると、図72(c)に示し
ているような形状の圧力分布の状態にて研磨加工するこ
とになるので、研磨加工の圧力を開放すると、図71
(e)、図72(g)、図73(d)及び図74(d)
に示しているように、逆に、外側に凸レンズ形状が飛び
出すので、図71(a)及び図74(a)に示している
ように、水晶板13に、化学的なWet Etchin
g加工、又は機械的な加工手段にて、凹レンズ形状の切
り込み部分を平面形状に加工しておけば、水晶板13
に、加圧する研磨圧力の強さを弱くすると、図71
(e)に示しているように、平板形状とすることが出来
る、又水晶板13に、加圧する研磨圧力を強くすること
により、図74(d)に示しているように、形成される
形状としてはPlano−Convex形状が形成さ
れ、又図72に示しているように、化学的な、Wet
Etching加工、又は機械的な加工手段にて、水晶
板13の切り込みの部分に、凸レンズ型形状を、最初、
形成しておけば、形成される形状としては、Bi−Co
nvex型形状が形成され、又、図73に示しているよ
うに、水晶板13の切り込みの部分に、凹レンズ形状
を、最初、形成しておけば、形成される形状としては、
Concavo−Convex型形状が形成されるがた
めに、図2(a)に示している形状と、全く同じ形状
で、しかも極く小さいレンズ(Convex型形状)形
状のために、水晶振動子としては、発振周波数の、電気
的な特性が理想的に良くて、Qが高い、厚みスベリ振動
モードで、波型が良くて、周波数が高い振動子及び共振
子を加工することが出来る状態を示している。尚、上記
の加工手段を使用すれば、水晶板13に、化学的な、W
et Etching加工、又は機械的な加工手段を使
用して、切り込み部分に、平面型形状、又は凸レンズ型
形状、又は凹レンズ型形状を形成しておけば、水晶板1
3に形成している平面型形状、又は凸レンズ型形状、又
は凹レンズ型形状の中心軸と全く同一の中心軸線上のレ
ンズ型形状となり、左右が、完全に対称の、Bi−Co
nvex型形状、又はConcavo−Convex型
形状、又はPlano−Convex型形状を形成する
ことが出来る、理由は、水晶板13に形成している凹レ
ンズ形状、又は凸レンズ型形状、又はその他のレンズ型
形状の圧力分布と全く同じ、圧力分布にて、凹レンズ形
状、又は凸レンズ型形状、又はその他のレンズ型形状が
形成されるからである。結果として、全く左右対称のレ
ンズ型形状が出来ることになる。
【0083】図75に示しているのは、水晶板13の片
側面だけに、化学的な、Wet Etching加工の
加工手段を使用して、凹レンズ形状(Single I
nverted Mesa Type)を形成して、も
う一方の片側面は平面形状とした、水晶板13の実物の
測定図を示している。尚、図面としては、図74(d)
の形状を参照することとする。
【0084】図76に示しているのは、図74に示しで
いる、水晶板13を、両面研磨加工機械を使用して、機
械的な研磨加工手段を使用して研磨加工を行なった、図
75に示している、水晶板13の凹レンズ形状を形成し
た裏面の、加工後の、振動部分の厚さ方向の形状を干渉
縞で示している。図75に示しているように、凹面側は
加工されず、加工前の状態である平面を維持しているよ
うに、みえるけれども、極く僅かに、化学的に、Wet
Etching加工された、凹レンズ形状内部に、遊
離砥粒の状態の、研磨剤65が、上下からの研磨圧力で
ある、動圧を受けて、凹レンズ形状内部に研磨剤65が
閉じ込められて研磨剤65が流動状態となることによ
り、フロートポリシング加工方法の原理の応用にて、凹
レンズ形状内部が、動圧の影響を受けて、加工変質層
(フッ素化合物層)を、例えば、0.2μm前後、除去
している。それに対して、その反対側は、図76からわ
かるように曲面が形成されている。その高低差は約5μ
mであり、Inverted mesa typeを研
磨加工することにより、Plano−Convex t
ype に加工できたことになる。これは加工時の圧力
により振動部分がたわみ、この形状が形成されたもので
ある。また、そのリアクタンス周波数特性を図78に示
すが、図77に示している加工素材である、化学的なW
et Etchingだけを使用して形成した、水晶板
13のときよりも特性が向上している。これは加工品質
に優れる、機械的な研磨加工の長所と、化学的な、We
t Etchingにより発生する、加工変質層(フッ
素化合物層)を、機械研磨加工により除去したことと、
Plano−Convex型形状のレンズ型形状が形成
されたことによるものである。周波数から厚さを計算す
ると、中央部分は約2μm、周辺部分は7μm研磨加工
されている。尚、加工変質層、例えば、0.06μm前
後を除去するだけでも、電気的特性を改善することが出
来る。この場合には、Plano−Convex型形状
にはならないで、かぎりなく平板形状に、極く近い凸レ
ンズ形状となる。上記のことから、水晶板13を、化学
的な、Wet Etching加工の加工手段にて、凹
レンズ形状などの、レンズ型形状に加工した後、両面研
磨加工機械(ラップ盤)を使用しての、上下のラッピン
グプレート17及び18を使用して研磨加工を行なえ
ば、電気的特性のすぐれた水晶振動子の製作が出来るこ
とが判明した。尚、フロートポリシング加工方法の原理
とは、遊離状態の砥粒である、研磨剤65が、被研磨物
である、例えば、水晶板13などの表面上に、研磨圧力
を受けて、衝突することにより、被研磨物の表面上を、
極く穏やかに研磨加工を行なう方法であるので、水晶板
13を、化学的な、Wet Etching加工の加工
手段にて形成した、凹レンズ形状内部に、パット、又は
スウェード15が接触をしなくても、上下からのラッピ
ングプレート17及び18の研磨圧力である、動圧の作
用により、凹レンズ形状内部を遊離砥粒が流動化するが
ために、凹レンズ形状内部が研磨加工される。
【0085】図79及び図80に示しているのは、化学
的な、Wet Etching加工の加工手段を使用し
て、両面に凹レンズ形状(Double Inverd
edMesa Type)を形成した水晶板13を、図
71に示しているように、図16、図20及び図21に
示している、両面研磨加工機械を使用して、上下のラッ
ピングプレート17及び18を使用して、研磨加工して
いる状態を示している。図72にて説明したように、図
80に示しているのは、水晶板13に形成している、両
面の凹レンズ形状内部に、上下のラッピングプレート1
7及び18の研磨圧力により、酸化セリウムなどの研磨
剤65が閉じ込められて、凹レンズ形状内部に、閉じ込
められた研磨剤65の遊離砥粒の、摩擦抵抗により、凹
レンズ形状内部が、段々と、上と下から研磨加工されて
いる状態を示している。この研磨剤65が凹レンズ形状
内部に閉じ込められている状態は、フロートポリシング
方法、そのものの加工方法の変形と考えてよい。又、化
学的な、Wet Etching加工にて発生した、約
0.2μmから0.5μmの加工変質層(フッ素化合物
層)を、図71にて説明しているように、両面研磨加工
機械を使用して除去したがために、一段と、電気的な特
性が、すぐれている水晶振動子(水晶共振子)の製作が
出来る状態を示している。
【0086】図81、図82及び図83に示しているの
は、化学的なWet Etching加工の加工手段、
又は機械的な加工手段、又はその他の加工手段を使用し
て、凹レンズ形状を形成した水晶板13の、凹レンズ形
状を形成した裏面からか、又は凹レンズ形状を形成した
表面からRIE加工、又は化学的なWet Etchi
ng加工の加工手段を使用して、19μm除去した後、
RIE加工、又は化学的なWet Etching加工
を行なうことにより発生した、約0.1μmから0.5
μmの加工変質層(酸化膜、又は化合物層、又は非晶質
層)を、図71にて説明しているように、両面研磨加工
機械を使用して除去するために、上下のラッピングプレ
ート17及び18を使用して研磨加工している状態を示
している。尚、図81及び図82に示しているように、
水晶板13に形成した凹レンズ形状を、上に向けて、凹
レンズ形状を形成した表面を、上部のラッピングプレー
ト18を使用して、又凹レンズ形状を形成ている水晶板
13の裏面を、下部のラッピングプレート17を使用し
て研磨加工を行なう場合には、研磨加工を行なう、取り
しろが0.5μmと、極く少ないので、上下のラッピン
グプレート17及び18ともに、スウェード15を貼っ
たラッピングプレート17及び18でもよいが、出来れ
ば、下部のラッピングプレート17を、鋳物などで出来
ている金属板を使用するか、又は錫、又はプラスチック
板、又はセラミックス板などの金属板で出来ているラッ
ピングプレート17を使用して、上部のラッピングプレ
ート18は、パッド、又はスウェード15などを貼った
ラッピングプレート18を使用して、研磨剤65として
は酸化セリウムなどの研磨剤65を使用して研磨加工し
ても、振動部分の厚さが、0.5μmと、極く薄いの
で、破損することなく、研磨加工することが出来るが、
上下のラッピングプレート17及び18ともに、パッ
ド、又はスウェード15などを貼ったラッピングプレー
ト17及び18を使用してもよいが、上下のラッピング
プレート17及び18ともに、金属板、又はその他の素
材で出来ているものでもよい。又、図83に示している
ように、水晶板13に形成した凹レンズ形状の、凹レン
ズ形状を形成している表面と、裏面を交互に並べた場合
には、上下のラッピングプレート17及び18ともに、
パッド、又はスウェード15を貼ったラッピングプレー
ト17及び18を使用して研磨加工するとよい。図8
2、図83に示しているのは、図72にて説明している
ように、酸化セリウムなどの研磨剤65が水晶板13に
形成している凹レンズ形状の内部に、上下のラッピング
プレート17及び18の、上下からの研磨圧力により、
研磨剤65が閉じ込められて、極く薄い振動部分、厚さ
が0.5μmの、凹レンズ形状内部の、内部圧力と研磨
圧力の均衡状態が維持されるがために、上下のラッピン
グプレート17及び18に、パッド、又はスウェード1
5を貼ったものを使用しても、又はセラミックス板、又
はプラスチック板、又はその他の金属板の、ラッピング
プレート17及び18を、使用しても、凹レンズ形状を
形成した水晶板13を、極限まで、例えば、1.0μm
から0.1μm以下の厚さにまで、加工しても破損する
ことはない。尚、上下のラッピングプレート17及び1
8を使用して研磨加工を行なった場合には、図64、図
71、図72、図73及び図74に示しているような、
Plano−Convex型形状、又はConcavo
−Convex型形状のレンズ形状に加工することが出
来るが、図81、図82及び図83に示している場合
は、取りしろが0.5μmと小さいので、極く小さい、
Plano−Convex型形状、又はConcavo
−Convex型形状、又はBi−Convex型形状
にしか加工が出来ないが、極く小さくて、極く薄い形状
のPlano−Convex型形状、又はConcav
o−Convex型形状、又はBi−Convex型形
状の振動子及び共振子を加工することが出来るので、水
晶本来の電気的な特性が良い波形の発振が出来て、周波
数の高い振動子と共振子を容易に加工することが出来
る。
【0087】図84に示しているのは、化学的な、We
t Etching加工の加工手段を使用して形成し
た、Inverted Mesa Type(凹レンズ
形状)に加工した水晶板13の、リアクタンス周波数特
性の測定図である。使用した水晶板13の素材はATカ
ットなので、図84に示している水晶板13の、振動部
分の厚さは、リアクタンス周波数特性から計算すると、
リアクタンス周波数特性が91.4MHzなので、水晶
板13の振動部分の厚さは、18.271μmとなる。
【0088】図85に示しているのは、図84に示して
いる、化学的な、Wet Etching加工の加工手
段を使用して形成した、Inverted Mesa
Type(凹レンズ形状)に加工した水晶板13を、両
面研磨加工機械(ラップ盤)を使用して、水晶板13の
両側面から0.02μmの厚さを除去した段階での、リ
アクタンス周波数特性の測定図である。図85に示して
いる振動部分の厚さは、リアクタンス周波数特性図から
計算すると、リアクタンス周波数特性が91.4995
なので、水晶板13の振動部分の厚さは、18.25μ
mとなる。
【0089】図86に示しているのは、図85に示して
いる、Inverted MesaTypeの水晶板1
3を再度、両面研磨加工機械を使用して、両側面から、
厚さとして、0.217μm除去した段階での、リアク
タンス周波数特性の測定図である。図86に示している
振動部分の厚さは、18.034μmとなる。
【0090】図84、図85及び図86に示している、
3つの周波数の測定図を比較すると、図84に示してい
る、化学的な、Wet Etching加工だけの加工
手段にて形成した、水晶板13のリアクタンス周波数特
性の測定図には、主振動の横に、かなり複雑な副振動が
存在しているけれども、図84に示している水晶板13
の両側面から、0.02μmを、両面研磨加工機械を使
用して、機械的な研磨加工にて除去した、水晶板13の
リアクタンス周波数特性の測定図を、図85に示してい
るけれども、主振動の横に存在していた、複雑な副振動
が、かなり小さくなっているのが判る。図85に示して
いる水晶板13を、再度、両面研磨加工機械を使用し
て、機械的な研磨加工にて、両側面から0.217μm
除去した、リアクタンス周波数特性の測定図を、図86
に示しているのであるが、図85に示している周波数の
測定図よりも、より一段と、主振動の横にあった副振動
が小さくなっていることが判る。
【0091】図84、図85及び図86に示している、
リアクタンス周波数特性の測定図から判断することが出
来るのは、化学的な、Wet Etching加工の加
工手段にて形成しただけの、Single Inver
ted Mesa Type(片側面が凹レンズ形
状)、又はDouble Inverted Mesa
Type(両側面が凹レンズ形状)の状態では、主振動
の横に、かなり複雑な副振動が存在するので、高度な電
子器機、又は通信機器用の水晶振動子としては使用する
ことが出来ないが、図85及び図86に示しているよう
に、両面研磨加工機械を使用しての、機械的な研磨加工
にて、水晶板13の振動部分の両側面から、0.02μ
mから0.237μmを除去するだけで、主振動の横に
存在していた、副振動が、極く小さくなることにより、
高度な電子機器、又は通信機器用の、水晶振動子(水晶
共振子)として使用することが出来ることが判明した。
【0092】図87に示しているのは、図86に示して
いる、リアクタンス周波数特性図の、振動部分の表面を
拡大した形状の測定図を示している。この振動部分の形
状測定図から判断することが出来ることは、0.8μm
程の盛り上がりが出来ていることが判る。もともとの形
状は、図74に示している形状であるので、凹レンズ形
状を形成した水晶板13を、両面研磨加工機械を使用し
て、機械的に研磨加工を行なうと、極く僅かに、限り無
く、平面形状に近い、凸レンズ形状に、盛り上がること
が判った。水晶板13の素材をATカットとした場合、
厚みスベリ振動モードとなるので、限り無く、平面形状
に近い、凸レンズ形状に研磨加工が出来ることは、限り
無く、高精度で、リアクタンス周波数特性が良い、波型
の発振子(共振子)を製作することが出来ることが証明
されたことになる。
【0093】図88及び図89に示しているのは、水晶
板13の、両面を、凹レンズ形状(Double In
verted Mesa Type)に、化学的な、W
etEtching加工、又はその他のRIEなどの加
工手段を使用して、凹レンズ形状を形成した、水晶板1
3を、両面研磨加工機械を使用して、機械的に研磨加工
を行なっている状態を示している。
【0094】図88及び図89が、図79、図80、図
90及び図91に示しているのとの相違点は、図79及
び図80に示しているのは、振動部分の位置を、水晶板
13の中心部分に形成しているのに対して、図88及び
図89に示しているのは、振動部分の位置を、水晶板1
3の中心部分より、ずらして形成しているのが、異なる
相違点である。
【0095】図88及び図89に示しているように、水
晶板13に形成している振動部分を、水晶板13の中心
部分より、ずらして形成すると、上下のラッピングプレ
ート17及び18の、それぞれの、研磨圧力が異なる、
研磨圧力となるが為に、図88(e)及び図89(e)
に示しているように、研磨加工を行なう前の、振動部分
の形状が、平面形状であった、振動部分の形状が、研磨
加工を行なったあとの振動部分の形状は、レンズ形状と
なる状態を示している。尚、図中、うす黒く塗っている
ところが、研磨剤65が遊離砥粒の状態となって、研磨
圧力(動圧)が高くなり、研磨剤65が閉じ込められ、
研磨剤65が流動化しているところである。
【0096】図88、図89、図90及び図91に示し
ているのは、水晶板13の、両面を、凹レンズ形状に、
化学的な、Dry Etching、又は化学的な、W
etEtching加工、又はその他の加工手段を使用
して、凹レンズ形状を形成した、水晶板13を、両面研
磨加工機械を使用して、機械的に研磨加工を行なうと、
通常でも、上下のラッピングプレート17及び18に、
かかる加重は、下のラッピングプレート17に、かかる
加重が55%で、上のラッピングプレート18に、かか
る加重が45%となるが為に、55、45の割合にて、
水晶板13に加わる加重が異なるので、極く僅かではあ
るが、図88(e)、図89(e)及び図91(e)に
示しているような、凸レンズ形状又は凹レンズ形状とな
る状態を示している。尚、図88及び図89に示してい
るように、振動部分を、水晶板13の中心部分より、ず
らしていると、両側面からの動圧が異なるが為に、図8
8(e)及び図89(e)に示しているような、レンズ
形状になりやすい。
【0097】
【発明の効果】片面(Single Inverted
Mesa Type)、又は両面(Double I
nverted Mesa Type)を、凹レンズ形
状に、RIE加工、プラズマエッチングなどのDry
Wet Etching加工、又は 化学的なWet
Etching加工、又は機械的な加工、又はその他の
加工手段を使用して、凹レンズ形状に加工した水晶板
を、直接に、キャリアを使用して遊星運動させて、上下
2枚のラッピングプレートを使用して、凹レンズ形状を
形成した表面と、凹レンズ形状を形成している裏面を上
下から同時に、両面研磨加工機械を使用して、研削及び
研磨加工を行なうと、下記のような利点がある。第1点
は、凹レンズ形状を形成している深さの寸法だけ、水晶
板の厚さが厚くなったことと、同じことになるので、振
動部分だけは、極限まで薄く加工することが容易に出来
る。第2点は、振動部分以外の、外周部分である保持部
分は、凹レンズ形状を形成した深さの寸法だけ、厚い形
状となることになるので、例えば、振動部分が、0.1
μm位と薄くても、直接に、キャリアを使用して、ラッ
プ盤を使用しての、両面研磨加工が出来ることになる
(キャリアの限界は30μm前後)。第3点は、凹レン
ズ形状に加工している水晶板の、凹レンズ形状を加工し
ている表面(おもてめん)と、凹レンズ形状を加工して
いる裏面を交互に、上下2枚のラッピングプレート上
に、同じ割合の、加重が、上下2枚のラッピングプレー
ト上に加わるような、割合にて、凹レンズ形状を形成し
ている水晶板を、表面と、裏面を交互に並べることで、
上下のラッピングプレートに加わる加重は、全く同じ加
重となるので、加工したときの取りしろの測定が容易に
なることと、精度が高い、均一な加工が出来る。第4点
は、上下2枚のラッピングプレートに、同じ割合の加重
が加わるように、交互に並べて、加重を調節すること
で、凹レンズ形状を、形成した水晶板の、凹レンズ形状
を形成した表面の、取りしろと、凹レンズ形状を形成し
た裏面の、取りしろを、同じ寸法とすることが出来るの
で、外周部分である保持部分(例えば、60μm位)の
厚さが厚くて、振動部分は、極限まで薄い(例えば、
0.1μm位までの薄い)、凹レンズ形状を形成した水
晶振動子を、安いコストにて、多量に加工することが出
来る。第5点は、凹レンズ形状を形成した、水晶板の凹
レンズ形状内部に、研磨剤が研磨圧力の作用により、自
然に閉じ込められるが為に、凹レンズ形状内部を補強す
ることになり、極限まで薄い、例えば、0.1μm以下
(基本波で、16GHZ以上の発振が出来る)の水晶振
動子を、精度よく製作することが出来る。第6点は、上
下2枚のラッピングプレートに、ある一定以上の研磨圧
力をかけると、凹レンズ形状を形成している表面の研磨
圧力と、凹レンズ形状を形成していない裏面の、研磨圧
力に相違が出来るがために、凹レンズ形状を形成してい
る部分と、凹レンズ形状を形成していない外周の保持部
分とでは、圧力が異なる圧力分布となるために、容易
に、平面研磨加工機械である、両面研磨加工機械を使用
して、極く直径が小さくて、かぎりなく薄い、例えば、
直径が0.1mm以下のレンズ形状である、Plano
−Convex型形状、又はConcavo−Conv
ex型形状、又はBi−Convex型形状の加工を行
なうことが出来る。Plano−Convex型形状、
又はConcavo−Convex型形状、又はBi−
Convex型形状などの、レンズ形状の振動子の場
合、水晶振動子としては、理想的な厚みスベリ振動モー
ドだけの振動となり、他の輪郭振動を伴わなくなるの
で、電気的な特性が良くて、周波数が高い、振動子及び
共振子を、安いコストで、多量に加工することが出来
る。第7点は、上下2枚のラッピングプレートを使用し
て、凹レンズ形状を形成している水晶板を研磨加工する
場合、上下2枚のラッピングプレートにかける、研磨圧
の圧力を調節することで、レンズ形状(R)の大きさ
を、自由に調節することが出来る、又Rを発生させな
い、フラットの加工も出来る、又はPlano−Con
vex型形状にするか、又はConcavo−Conv
ex型形状、又はBi−Convex型形状に加工する
かは、研磨圧を調節することにより、加工形状を変える
ことが出来る利点もある。第8点は、両面研磨加工機械
を使用して、Plano−Convex型形状、又はC
oncavo−Convex型形状、又はBi−Con
vex型形状などの、レンズ形状を形成するので、平行
精度、及び平面精度が、他の加工手段より、格段に良
い、出来あがりの加工を行なうことが出来る。第9点
は、各種の輪郭振動を伴わない、厚みスベリ振動モード
の、中心軸が同一軸線上の、左右が、完全に対称形状
の、Plano−Convex型形状、又はConca
vo−Convex型形状、又はBi−Convex型
形状の、レンズ形状の振動子を容易に加工することが出
来るので、振動子理想に近い、振動子の加工が出来る。
第10点は、水晶本来の電気的な特性を発揮することが
出来る、片面が凸レンズ形状で、もう一方の片面が平面
形状(Plano−Convex型形状)又は、片面が
凸レンズ形状で、もう一方の片面が凹レンズ形状(Co
ncavo−Convex型形状)、又は両面凸レンズ
形状(Bi−Convex型形状)、又はその他のレン
ズ型形状物体を加工することが、自然界の原理を使用す
ることにより、容易に加工が出来る。第11点は、水晶
には光軸があり、その光軸と加工軸を合致させる必要性
がある、Bi−Convex型形状、又はConcav
o−Convex型形状の場合には、2つの加工軸が発
生する、この2つの加工軸と光軸の、計3つの中心軸
を、かぎりなく0に合致させなければ、Qがかぎりなく
高い水晶振動子を製作することは不可能である。本考案
の加工手段は、水晶板に形成した、凹レンズ形状(逆M
ESA)、又は凸レンズ型形状、又はその他のレンズ型
形状に加工した形状に、上下のラッピングプレート2枚
を使用して、圧力をかけて研磨加工を行なうので、水晶
板に形成している、レンズ形状に基ずいた、圧力分布と
全く同じ圧力分布にて、反対側に、全く同じレンズ形状
を形成することが出来るので、上記の条件を満足させる
加工手段となる。以上、11点の効果が発生する。尚、
凹レンズ形状を形成した水晶板の、表面と裏面を交互に
並べなければ、研削、研磨加工が出来ないわけではな
い、表面どうしでもよいし、裏面どうしでもよい。又、
凹レンズ形状を形成した内部に、松脂、Agarose
などの接着剤を注入することで、凹レンズ形状内部の、
強度の補強を行なうことも出来るが、Plano−Co
nvex型形状のレンズ形状の振動子とはならない。
又、凹レンズ形状内部に研磨剤を閉じ込めることが出来
ない構造、すなわち、凹レンズ形状内部を空(から)に
しておくと、上下からの研磨圧力により、振動部分が薄
いので、すぐに破損することになる欠点もあるが、加工
することが出来ないわけではない。
【0098】広く普及している両面ラップ盤(両面研磨
加工機械)を使用して、HighFrequency,
Plano−Convex Type Quartz
Osillator の製作を行なうことが出来た。ま
た、Chemical Etching 時に生じると
考えられる電気的特性を損なう加工変質層(フッ素化合
物層、又は酸化膜)を、Mechanical Pol
ishing で除去すれば、大幅な電気的特性の向上
が図られることが判明した。両面ラップ盤を使用したM
echanical Polishing の場合、約
60MHz(ATカットの場合、厚さが30μm)以上
の水晶振動子の製作は出来ない製造の限界があった。し
かし、Chemical Etchingされた、Si
ngle Inverted Mesa Type、又
は Double Inverted Mesa Ty
pe のものを加工素材とすれば、フレーム部分(保持
部分)が30μm(ATカットの場合、約60MHz)
になるまで加工を行なうことが出来る。その上、加工時
に生じる振動部分の撓(たわむ)みが原因でConve
x形状を創成することが出来ることが判明した。又、
0.1μm以下の除去量でも、Chemical Et
ching されている表面を、Mechanical
Polishing にて除去すれば、大幅な電気的
特性の向上が図られることから、電気的特性を損なう層
(加工変質層)の存在、ならびにChemical E
tchingを行なった後の電気的特性を改善する方法
が判明したことは、今後の電子機器業界に与える影響
は、はかりしれないほど大きい。
【0099】凹レンズ形状を形成した水晶板の、凹レン
ズ形状部分の長さを長くするために、水晶、又は金属、
又はその他の素材に穴を形成した板状の、第4の加工補
助具を、凹レンズ形状を形成した水晶板に、接着剤など
を使用して貼り付けるか、又は穴を形成した第1の加工
補助具を使用することで、研磨圧力と凹レンズ形状内部
に閉じ込められる研磨剤の内部圧力とが、自然界の原理
にて、均衡状態となるが為に、水晶板の振動部分を、
1.0μmから0.1μm以下の極限まで薄く研削、研
磨加工しても破損しないことが判明したことは、大変な
現象の発見である。
【0100】平板形状、又は凹レンズ形状に加工してい
る水晶板を、第1の加工補助具と、第2の加工補助具を
使用して組み立てた加工補助具を使用して加工するか、
又は第3、及び第4の加工補助具を使用して加工する
か、又はその他の形状の加工補助具と、両面研磨加工機
械を組み合わせて使用し、研削、研磨加工を行なうと、
極く薄い、平板形状、又は振動部分が、極く簿い、凹レ
ンズ形状に形成している精度の高い水晶板を、安いコス
トにて、多量に製作することが出来る。
【0101】溝を形成している、第1の加工補助具と、
円筒形状の形状をした、第2の加工補助具の、上記2つ
の部品を使用して組み立てた加工補助具であれば、2つ
の部品ともに、平板形状なので、両面研磨加工機械など
を使用した、平面研磨加工の研磨加工手段を使用して
の、研磨加工が容易に出来るので、かぎりなく、平行精
度が良くて、コストが安い、加工補助具を、簡単に製作
することが出来る。尚、加工補助具は消耗品なので、精
度が良くて、コストが安いことは重要なことである。
又、第3の加工補助具も、第2の加工補助具と同じ形状
なので、上記の理由と同様である。
【0102】RIE加工の加工手段を使用することな
く、水晶板の片側面上に、化学的なWet Etchi
ng加工の加工手段を使用して、凹レンズ型形状(逆M
ESA型形状)を形成した後、第1の加工補助具と、第
2の加工補助具を使用して形成した加工補助具を使用す
るか、又は第3の加工補助具を使用するか、又はその他
の形状の加工補助具を使用して、凹レンズ型形状を形成
した裏面と、加工補助具の一面の両面を、両面研磨加工
機械を使用して研磨加工すると、極限まで薄く、水晶板
に形成している振動部分を、研磨加工をすることが出来
ることになり、下記のような利点がある。 水晶板の振動部分を極限まで薄く研磨加工しても、
最初に化学的なWetEtching加工の加工手段に
て、凹レンズ型形状を形成しているので、外周部分が振
動部分より厚いので、ハンドリングに困難を伴うことが
ない、これにより極く薄い振動部分の研磨加工が出来
る。 RIE加工の加工手段を使用しなくても、水晶板に
歪を発生させることなく、1inchから2inch以
上の大口径の水晶板の研磨加工が出来る、歪が発生しに
くいのは、加工補助具に載置(ただ置くだけ)して研磨
加工が出来るからである。 RIE加工の加工手段では、イオン粒子が水晶板上
に、激突するときに発生する高熱による影響、及びイオ
ン粒子が、水晶板上に激突するときの衝撃による振動
で、水晶板上に、極く小さい罅(ヒビ)が発生すること
により、水晶板の結晶構造にダメージを与えるが、機械
的な研磨加工の加工手段は、水晶板の結晶構造に与える
ダメージは、ほとんど発生しない利点がある、又化学的
なWet Etching加工の加工手段は、RIE加
工の加工手段ほど、水晶板の結晶構造に、悪い影響は与
えない、けれども、機械的な研磨加工ほど電気的な特性
は良くない加工方法である。 上記の加工手段は、水晶板を極く薄く、研磨加工す
ることが出来る加工手段なので、加工補助具に載置する
だけでなく、加工補助具の表面上に、Agaroseな
どの寒天、松脂、又はパラフィンなどの接着剤を使用し
て貼り付けて研磨加工しても、極く薄く(例えば、1μ
m内外の厚さ)研磨加工する ことが出来るので、振動
部分の直径は1μmの100倍あれば振動するの で、
長さ方向の歪が、少々発生しても、問題とはならない。
当然、振動部 分が厚いと、長さ方向の直径が大きくな
るので、歪の影響も大きくなるの で、歪は問題とな
る。これも振動部分を、極限まで薄くすることが出来る
利点でもある。 Agaroseなどの寒天、松脂、又はパラフィン
などを使用して、凹レンズ型形状を形成した表面を、加
工補助具の表面上に貼り付ける場合、1枚の水晶板の表
面上に、複数個以上(例えば、数10個から数100
個)の、凹レンズ型形状を形成している水晶板を、加工
補助具の表面上に貼り付けるのでなければ、凹レンズ型
形状の内部の空気が、熱(70℃位)の影響により膨張
するので、1個ずつ加工補助具に貼り付けるのは、大変
に困難である。 化学的なWet Etching加工の加工手段
と、機械的な研磨加工の加工手段の2つの加工手段だけ
を使用して、水晶板を研磨加工するのであれば、水晶振
動子、又は水晶共振子としての、電気的な特性が良い、
周波数の波型を発振する。なるべくRIE加工の加工手
段は出来るだけ、使用しないほうがよいけれども、短い
時間使用するのであれば、別に問題はないし、又RIE
加工の加工手段を荒加工の加工手段と、微調節用の加工
手段として使用するのであれば、RIE加工の加工手段
は、すばらしい加工手段である。 上記の加工手段は、1inchから2inch以上
の水晶板(基盤)に対応することが出来るので、1枚の
水晶板から、数100個から数1、000個を、1枚の
水晶板より製作することが出来る加工技術でもある。
【0103】圧電素子被研磨物を、化学的な、Wet
Etching加工して、Single Invert
ed Mesa形状(片面が凹レンズ形状)、又はDo
uble Inverted Mesa形状(両面が凹
レンズ形状)の、凹レンズ形状の形状に加工し、その
後、両面研磨加工機械、又は片面研磨加工機械、又はそ
の他の、機械的な研磨加工手段を使用して、仕上げの研
磨加工することで、エッチング加工で作ることが出来な
い、スムーズラインを形成することが出来るので、蒸着
による電極の形成が容易となる。さらに、これにより、
化学的な、WetEtching加工、例えば、フッ化
水素酸、又はNHHF、又はHFなどの溶液を使用
して、水晶板を加工すると、水晶板の表面上に、例え
ば、0.01μmから0.1μm位の、極く薄い、フッ
素化合物層(加工変質層)が、RIE加工の加工手段を
使用したときと同様に、化学的な、Wet Etchi
ng加工の加工手段を使用しても、水晶板の表面上に加
工変質層(フッ素化合物層)が出来ることにより、水晶
本来の、電気的な特性を低下させるので、RIE加工の
加工手段の場合と同じく、化学的な、Wet Etch
ing加工の加工手段を行なったあとも、極く薄い、加
工変質層、例えば、0.01μmから0.1μm位を除
去する目的にて、機械的な研磨加工手段を使用して、加
工変質層を除去すると、水晶本来の、電気的な、特性が
発揮出来て、Qが高い発振子を加工することが出来るこ
とが判明した。又、これにより、平板形状、又は凹レン
ズ形状、又は凸レンズ型形状、又はその他のレンズ型形
状に加工した表面と裏面の両面から、研磨加工すること
で、極く、薄くて、周波数が高い水晶振動子の加工が出
来ることと、副振動が減少する利点がある。
【0104】圧電材料、特に水晶は硬脆材料であるため
に、加工方法は、ラッピング加工方法と、RIE加工に
よるエッチング、又は化学的なWetエッチング加工方
法、特に、化学的なWet Etchingに、限定さ
れ、薄片化に限度があった、そこで、両者の長所を活用
して、新しいRIE加工による、エッチング・ポリッシ
ング、又は化学的なWet Etchingを併用した
加工方法、又はRIE加工を使用した、エッチング・ポ
リッシング・化学的なWetエッチング併用の加工方法
の、水晶などの圧電素子加工技術を開発することで、厚
さが0.125μm(固有振動周波数約12.0GH
z)の超高性能、高周波用振動子の開発を行なうことが
出来た。さらに、RIE加工による、エッチング・ポリ
ッシング、又は化学的なWetEtching加工の併
用、又はRIE加工による、エッチング・ポリッシング
・化学的なWetエッチング加工、又はRIE加工の併
用を繰り返す、加工技術を使用することで、将来,0.
06μm台(固有振動周波数約24,0GHz)の発振
素子の開発も可能である。尚、水晶板を、極限まで、薄
くして、固有振動周波数を高めると、水晶板の、振動部
分の、直径は、振動部分の厚さの、100倍以上あれば
振動するので、固有振動周波数を高めれば、高めるほ
ど、振動部分の直径は小さくなるので、水晶板の面積
は、固有振動周波数に、比例して小さくなる。というこ
とは、振動数を高めれば、高めるほど、水晶板の面積当
りのコストは、安いコストにて、製作することが出来る
ことになる。さらに、振動数を、高めれば高めるほど、
高い付加価値の商品となる利点がある。
【0105】凹レンズ形状、又は凸レンズ形状、又は平
板形状に、RIE加工、プラズマエッチング加工、又は
イオンミーリングなどの、化学的なDry Etchi
ng加工、又はWetエッチング加工を行い、凹レンズ
型形状、又は平板形状、又はその他の形状を形成した面
の裏面の加工を、RIE加工によるエッチング加工、又
はその他のエッチング手段にて、凹レンズ型形状、又は
平板形状を形成した裏面から、裏面の全面をある一定の
厚さに、薄くした後、その後の加工手段として、機械研
磨加工を行って、水晶板を加工するのであれば、例え
ば、水晶板の厚さが、75μmの水晶板に、深さが25
μmの凹レンズ型形状を形成し、振動部分の厚さを10
μm残すと、残りが40μm残る、この残りの40μm
の内、35μmを、凹レンズ型形状の裏面から、裏面か
らだけ、RIE加工、又はプラズマエッチング、又は化
学的なWetエッチングなどの手段にて、残っている4
0μmの内の、35μmを削り取った後、残りの5μm
を、機械加工で研磨加工することで、RIE加工、化学
的なWet Etching、又はプラズマエッチング
などで加工した後に出来る、数μmの凸凹(加工変質
層)を、機械加工にて、削り落として、加工面を、鏡面
に研磨加工することが出来る。上記の加工方法であれ
ば、機械加工を行う部分は、5μm前後だけ、研磨加工
を行うことになるので、歪が、全く、又はほとんど、発
生しない利点がある。さらに、厚さが75μm以上の場
合、例えば、厚さが100μmの場合でも、RIE加工
による、エッチングにて削り落とす、取りしろの部分
が、厚さが75μmの場合には、35μmであったの
が、厚さが100μmの場合では、60μmの厚さにな
るだけなので、RIE加工による、エッチングにて削り
落とす、厚さが35μmから60μmになっても、さほ
どの影響はない。何故ならば、RIE加工による、エッ
チング加工で出来た数μmの凸凹を、その後の機械研磨
加工にて、鏡面加工を使用して、削り落とすことが、出
来るからである。この水晶板の厚さが、75μmの場合
よりも、厚さが厚い、100μm以上の厚さの水晶板の
ほうが(例えば、直径が2.0inch以上の直径が大
きい基盤)加工が、容易に出来る。水晶板の、直径が大
きくなれば、なるほど、水晶板の、厚さが、厚くなる。
ということは、本考案の利点は、下記の4点に要約する
ことが出来る。 大口径2.0インチから3インチ以上の、水晶板の
基盤に対応することが出来るので、コストが安くて、し
かも付加価値の高い、高い周波数を発振する、発振子が
出来る。 水晶板の厚さが厚くなっても、全くか、ほとんど、
歪を発生させることなく、極く薄く加工する加工方法で
あるので、大口径2.0インチから3インチ以上薄い水
晶板(基盤)を製造することが出来る。 RIE加工による、エッチング・ポリシング併用、
又はRIE加工を使用した、エッチング・ポリシング・
化学的なWetエッチング、又はRIE加工を併用した
加工方法なので、極限まで、薄く、加工が出来る。 片面(Single Inverted Mesa
Type)、又は両面(Double Invert
ed Mesa Type)の形状に、精度の高い、凹
レンズ形状、又は凸レンズ形状を形成した加工を行うこ
とが出来る、又平板形状の加工も出来る。 上記の技術を達成可能とするには、出来上がりの、
水晶板の厚さが50μmから10μm前後の厚さなの
で、本考案の加工補助具を使用しなくてもよいが、精度
が高くて、コストが安い、水晶板を製作しようとすれ
ば、本考案の加工補助具を使用するほうが、容易に、極
く薄い、大口径の基盤である、2.0インチから3イン
チ以上の加工を行なうことが出来る。
【0106】Plano−Convex型形状の場合
も、ある一定の形状の、Plano−Convex型形
状を形成しておけば、Plano−Convex型形状
を形成している面の、裏面から、RIE加工などのエッ
チング加工を行ない、エッチング加工と、片面研磨加工
機械、又はその他の研磨加工手段を併用して、Plan
o−Convex型形状の裏面を、加工、及び研磨加工
することで、容易に、極く薄い、Plano−Conv
ex型形状を形成することが出来る。さらに、Bi−C
onvex型形状の場合も、ある一定形状の、Bi−C
onvex型形状を形成しておけば、Bi−Conve
x型形状を形成している面の、両面から、RIE加工、
又は化学的な、Wet Etchingの加工手段など
のエッチング加工を行うことで、相似形状に、両面か
ら、縮小して、極く薄い、Bi−Convex型形状を
形成した後、Bi−Convex型形状の、両側面か
ら、両面研磨加工機械を使用して、機械的に研磨加工を
行なって、RIE、又は化学的なWet Etchin
gなどにて発生した、加工変質層を削り取ることで、電
気的な特性の良い、振動子を作ることが出来る。
【0107】Cなどのフッ素系ガス、又は塩素系
のガス、又はアルゴンなどのガスを使用して、RIE加
工技術にて、水晶板を、凹レンズ形状に加工する場合、
レジストを塗布し、マスキングして、厚さが厚い、金属
被膜を形成するか、又はその他の材質で出来ている、被
膜を形成するか、又は水晶板、又は石英板、又はタング
ステンシーサイド、又は鉄、又はその他の素材に超音波
加工などを使用して、例えば、0.5mm前後の穴を形
成した、水晶板、又は石英をマスク板として使用して、
水晶に15μm以上の凹レンズ形状を形成した後、RI
E加工にて発生した加工変質層(非晶質である、石英、
又はシリコンの単結晶、又はシリコンの多結晶、又はシ
リコンの酸化物、又はその他の酸化物に変化した、アモ
ルファス部分)を除去する為の、機械的な研磨加工を行
なうことで、RIE加工技術の欠点を補うことが出来る
ことにより、RIE加工技術を使用しても、水晶の電気
的な特性が、すばらしく良好で、周波数の高い水晶振動
子及び水晶共振子の製作が出来ることになった。尚、現
在の技術では、金属被膜のマスキングを使用して、RI
E加工を行うと、金属被膜の限界から、深さが、15μ
mの凹レンズ形状を形成することが限界であるけれど
も、本考案の、水晶板又は石英板又はその他の素材に、
例えば、0.5mm前後の、穴を形成した水晶板などを
マスク板として使用するならば、深さに限界がなくな
り、如何なる深さの凹レンズ形状でも形成することが出
来る利点がある。
【0108】水晶板の表面上にレジストを塗布して被膜
を形成する場合、デュポンMRCドライフィルム(株)
が発売している、商品名がリストンFRA063−50
(レジストの厚さ50μm)、リストンFRA063−
50×2(レジストの厚さ100μm)、又はリストン
FX−150(レジストの厚さ50μm)のドライフィ
ルムを、水晶板に貼り付けて、水晶板の表面上にレジス
トすると、簡単に水晶板の表面上にレジストを形成する
ことが出来る、その後、必要である部分、又は不必要な
部分を残すために、マスクをかけて、露光装置を使用し
て露光し、露光したあと必要な部分、又は不必要な部分
を炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムなどの溶液を使
用して現像して除去した後、RIE加工の加工手段を使
用してエッチング加工した後、再度、仕上げの研磨加
工、又は化学的なWet Etchingの加工を行う
加工方法ならば、設備投資の資金が、極く、少ない資金
にて、多量に、極く薄くて、精度が高い、水晶振動子、
及び水晶共振子を製造することが出来る、ことになる利
点もある。
【0109】現在、ATカットの水晶で、直径が1in
ch、又は2inchの場合、水晶板の厚さは、最も薄
いもので、75μm位が、製造の限界で、この75μm
が、最も薄い、厚さのものである、多量生産にて、極く
薄い水晶振動子を製作しようとすれば、ATカットの場
合、直径が2インチの基盤を使用することになる。ここ
で問題が起こる、極く薄くて、精度が高くて、周波数が
高い、水晶振動子を製作することと、多量生産にて、水
晶振動子を安く製作することとは、相反する関係にあ
る。上記の問題を、解決する手段として、水晶板を、極
く薄く加工するのに、本考案の加工補助具を単独にて使
用するか、又は水晶板を、極く薄く加工する目的のため
に、加工補助具とRIE加工を併用して、RIE加工
と、機械的な研磨加工を、併用して、RIE加工と、機
械的な研磨加工を行うことで、直径が2インチの場合
で、厚さが75μmに、製造の限界がある、基盤の厚さ
を、10μmから20μm以下の厚さで、直径が、2イ
ンチの基盤を作ることが出来ると、その後の加工で、凹
レンズ形状を形成する場合に、化学的なWetエッチン
グ、又はRIE加工により、除去する凹レンズ形状を形
成するときの深さを、浅くすることが出来ることで、凹
レンズ形状に形成する、水晶振動子を形成する振動部分
の面精度が一段と向上する。又、本考案の加工補助具を
使用することで、基盤の厚さが、10μm程度の、直径
が2インチの基盤を作ることが、容易に出来るので、片
面又は両面が凹レンズ形状の形状に加工することなく、
平板形状のままの形状にて、高い周波数(例えば、AT
カットで、水晶板の厚さが10μmの場合、167MH
Z)の水晶振動子が、安価に、多量に、RIE加工、又
は化学的なウェットエッチング加工と、ポリシング加工
を併用した加工方法にて製造することが出来る利点もあ
る。
【0110】現在の時点では、水晶板の直径が、1イン
チから2インチの場合、水晶の厚さは約75μmに、製
造の限界がある、又、水晶の直径が3mm前後の場合
の、水晶の厚さは、約24μmに製造の限界があるが、
本考案の加工補助具を使用しての、両面研磨加工機械、
又は片面研磨加工機械などの、機械的な研磨加工と、R
IE加工、又は化学的なWetエッチングである、化学
的なエッチング手段を併用することで、上記の限界を解
決することが出来る。上記のような製造の限界を、本考
案の加工補助具を使用した、機械研磨加工の手段を使用
するか、又は加工補助具を使用しないでもよい、機械研
磨加工手段である、例えば、フロートポリシング研磨加
工方法、又はその他の研磨加工方法と、RIE加工、又
は化学的なWetエッチングを併用して、(機械研磨加
工→RIE加工→機械研磨加工)、(又は機械研磨加工
→RIE加工→機械研磨加工→化学的なWet Etc
hin加工)行うことで、直径が1インチから2インチ
の場合の基盤でも、容易に、厚さが10μm前後の、厚
さの水晶板を製作することが出来るので、下記のような
利点がある。 1インチから2インチ以上の基盤でも、厚さが10
μm内外の、平板の水晶板が加工出来るので、167M
Hz以上の水晶振動子を多量に安く製造することが出来
る。現在は、直径が3mmの場合でも、24μmに製造
の限界があるので、せいぜい、約70MHz前後に、製
造の限界がある。 機械的な研磨加工と、RIE加工と、化学的なWe
t Etchingを交互に併用する加工方法なので、
研磨加工による歪が発生しない利点もある。 水晶板の出来上がりの、平行度、及び面精度がよ
い。 この加工手段は、水晶以外の圧電素材にも利用する
ことが出来る。
【0111】現在、直径が1インチから2インチの場合
の水晶板の場合、水晶の厚さは、75μm以下の、水晶
板を製作することは出来ない。水晶板の厚さが、75μ
mに製造の限界があるが為に、その後の、加工手段であ
る、化学的なwetエッチングにて、無理な、過度のエ
ッチングを行うので、穴(ピンホール)が発生したりす
るけれども、直径が2インチの場合で、水晶板の厚さが
10μmから20μm内外の厚さの、水晶板を製造する
ことが出来ると、その後の、エッチング加工による取り
しろが少ないので、水晶板に与える影響が小さくなるこ
とにより、極く薄くて、精度が高い加工が出来る。さら
に、直径が、1インチから2インチの場合で、水晶板の
厚さが、10μmから20μm内外の、極く薄い水晶板
を製造するには、加工補助具を使用しての、両面研磨加
工機械、又は片面研磨加工機械、又はその他の研磨加工
手段と、Cなどのフッ素ガスを使用した、RIE
加工、又は化学的なwetエッチング加工を併用して、
交互に繰り返すことで、機械研磨加工による、取りしろ
(研磨加工を行う厚さ)を、出来るだけ、小さくして、
RIE加工などのエッチング加工にて、出来るだけ、取
りしろを、大きくすることで、革命的に、極く薄くて、
直径が大きくて、精度の高い、水晶板である、水晶振動
子を、容易に、多量に製作することが出来る。さらに、
水晶板の直径が、例えば、1インチで、厚さが10μm
の水晶板(基盤)が出来ると、厚さが10μmの場合だ
と、水晶板の直径は、100倍の直径があれば、振動子
として振動するので、1mm×1mmの面積があればよ
いことになり、厚さが、10μmで、直径が1インチの
水晶板(基盤)が出来ると、167MHzの水晶振動子
が、1インチの水晶板、1枚の水晶板から、400個以
上の水晶振動子が出来ることになるので、極端に、安く
て、精度が高い、水晶振動子の製造が出来ることにな
る。尚、水晶板の厚さが、10μmで、直径が1インチ
から2インチの基盤が出来ると、ダイシングソーなどの
機械を使用して、切断することなく、半導体を製造する
手段と同じく、レジストを塗布するか、又はドライフィ
ルム(デュポンMRCドライフィルム社製)を使用して
レジストし、直径が1mmの、丸型形状にレジストし
て、露光したあと、必要な部分のレジストを残して、そ
の後、RIE加工の加工手段を使用して、直径が1mm
の丸型形状に刳り貫く加工手段を使用するならば、直径
が如何に小さくても、如何に、出来上がりの個数が多く
ても、簡単に丸型形状、又は4角型形状、又はその他の
形状に刳り貫くことが出来る、これも、水晶板が、極く
薄い(厚さが10μm前後)が為に、RIE加工を使用
して、短い時間にて、刳り貫くことが可能となる加工方
法である、又水晶振動子及び水晶共振子としての形状と
しては、丸型形状の形状が、最も良い波型の周波数を発
振する形状でもある。
【0112】水晶板、又はシリコン、又はガリウムヒ
素、又はその他の電子材料を、機械的な研磨加工を行な
う場合、本考案の加工補助具を使用して、横方向の保
持、及び動きは、加工補助具を形成している、第2の加
工補助具、又は第3の加工補助具の側壁部分を、ストッ
パーとして、使用して保持し、縦方向の保持、及び動き
を、真空の吸着力を使用して、水晶板などを加工補助具
に固定するのであれば、極く弱い、真空の吸着力を使用
しても、水晶板などを、加工補助具に、加工補助具の保
持力と真空吸着の吸着力を併用して保持することが出来
るので、極く弱い、真空の吸着力にて、水晶板などを、
加工補助具に吸着することが出来ることで、真空の吸着
力による、応力の発生が、極く小さいので、水晶板に与
える歪が、極く小さくなることになり、真空の吸着力を
使用することが出来る。これも、加工補助具と、真空の
吸着力の、2つの効果を併用することで、水晶板を加工
補助具に固定して、水晶板を片面研磨加工機械を使用し
て、機械的に、研磨加工することが出来る利点となる。
【0113】極く薄い、水晶板を研磨加工するのに、溝
を形成した、加工補助具を使用して、水晶板を固定する
場合、水晶板の側壁に接着剤層を形成して、水晶板を加
工補助具に固定するならば、水晶板の厚さに関係なく、
接着剤層の厚さを、厚くすることが出来るので、接着剤
層が薄くなっても剥離することがない。
【0114】第1の加工補助具と、第2の加工補助具を
使用して形成した、加工補助具を使用して、水晶板を研
磨加工すると、水晶板を加工補助具に、全く接着剤を使
用することなく、加工補助具に水晶板を固定して、両面
研磨加工機械を使用して研磨加工することが出来るの
で、接着剤を使用することにより起こる、歪の発生が起
こらないので、精度の高い加工を行うことが出来る。
【0115】水晶などの圧電素材を、RIE加工にて加
工を行う場合には、フッ素系ガスとしては、C
使用すると、加工表面の出来上がりの精度は、CF
どよりも、Cを使用したほうが、一段と表面精度
の出来上がり精度がよい、又最後のRIE加工として、
を使用してクリーニングを行なうと、水晶板の表面
上の不純物を除去する効果がある。
【0116】RIE加工を使用して水晶板などの圧電素
材、又はその他の電子材料を加工すると、イオン粒子が
激突する、水晶板などの表面上においては、イオン粒子
が激突した瞬間には、イオン粒子の運動エネルギーの作
用により、水晶板の表面上においては、極く少量ずつ、
水晶板が溶解して、水晶板の表面上では、キュリー温度
(495℃位)以上の温度上昇が起こり、水晶板の表面
上では、水晶板が、ガス化して気化し、水晶板の粒子
が、フッ素系のイオン粒子、又は塩素系のイオン粒子、
又はアルゴンなどのイオン粒子、又はその他のイオン粒
子などと、化学的に反応して、吹き飛んでいる現象が起
こっているが為に、水晶板などの結晶軸、及び結晶方向
のあるものが、イオン粒子が加速されて激突した、水晶
板の表面上では、極く薄い非晶質(結晶ではなくなるこ
と)の膜が、水晶板の表面上に形成されるので、圧電素
材である、水晶板などの電気的な特性が、極端に低下す
る現象が起こる、この現象を解決する手段としては、イ
オン粒子が激突して水晶板上に発生した、極く薄い非晶
質の膜、又は酸化膜(部分)である、加工変質層を、化
学的なWet Etchingなどの、化学的なエッチ
ング手段を使用して除去するよりも、機械的な研磨加工
手段を使用して、水晶板の表面上に形成されている、加
工変質層(非晶質)の部分を除去するほうが、水晶板の
電気的な特性を、一段と改善して、水晶板、本来の電気
的な特性を発揮することが出来る。尚、水晶板の表面上
に発生した、非晶質の部分を除去する手段としては、化
学的なWet Etchingよりも、機械的な研磨加
工手段を使用して、非晶質の部分を除去するほうが、製
造工程上から考えると、歩留まりはよいけれども、歩留
まりを考えなければ、化学的なWet Etching
を使用して、非晶質の部分を除去するほうが容易であ
る。だけども、周波数を、微調節する、微調節の手段と
しては、RIEの加工手段、又は化学的なWet Et
chingの手段も利用して、微調節をする必要性はあ
る、けれども、水晶板の電気的な特性が最もよい加工手
段としては、機械的な研磨加工手段が、水晶板の電気的
な特性を発揮することが出来るので、出来るだけ、最終
仕上げ工程にては、機械的な研磨加工手段を使用するほ
うがよいが、極く少量の取りしろならば、化学的なWe
tEtchingを使用しても、又RIE加工を使用し
て微調節しても、水晶板の電気的な特性は、ほとんど低
下しないので、最終仕上げ工程にては、化学的なWet
Etching、又はRIE加工を使用してもよい
が、出来るだけ、最終仕上げ工程は、機械的な加工手段
を使用するほうがよい。
【0117】現在の時点まで、RIE加工の加工手段
は、すばらしい、加工技術であるけれども、RIE加工
の加工手段が、電子材料、及び圧電材料業界、特に圧電
業界である、水晶業界において使用されていなかった原
因は、例えば、水晶板に、RIE加工を行なうと、イオ
ン粒子を光の速さに近い速さまでに、速くは加速出来な
いが、通常、RIE加工にて使用するイオン粒子は、電
極間に600V位の電圧で、電流としては240Wから
300W位の電流をかけて、イオン粒子を秒速数10k
mから数100kmの速さに、フッ素系、又は塩素系の
イオン粒子を加速して、水晶板の表面上に激突させる加
工手段であるが為に、イオン粒子が激突する、水晶板
の、極く薄い、表面上においては、イオン粒子が激突し
た瞬間においては、イオン粒子の運動エネルギーにより
発生する、数1、000℃(例えば、1、500℃から
3、000℃位の高温になる、ちなみに、水晶及び石英
が溶解する、溶解温度は1、140℃である)に達す
る、熱の影響で水晶板の表面上においては、水晶板の表
面上は溶解して、極く一部分ではあるが、水晶板の表面
上では、極く薄い、数μm(例えば、0.2μmから
1.0μm程度)の非晶質(結晶ではなくなり、非晶質
の石英、又はフッ素イオンが、水晶の酸素と化学反応を
起こすことにより出来る、シリコンの膜、又はその他の
酸化膜となる)の部分の、ダメージ層が出来ることで、
水晶本来の電気的な特性が、極端に、低下して、周波数
の、発振の波型の形状が悪くなる現象がおこる。さら
に、RIE加工を使用して、水晶板を加工したときに発
生する、加工変質層(非晶質の部分)は、水晶板を加工
した厚さには、少しは比例するけれども、ほとんど比例
しないで、例えば、水晶板を60μm削り取ったとき
も、10μmのときも、数μmのときも、加工変質層の
厚さは0.2μmから数μm前後で、全くといってもよ
いくらい、同じ厚さの加工変質層が発生する。ただし、
当初、機械研磨加工を行なったときに出来た、微小なキ
ズ、及び不純物が拡大して出来た凸凹は、削り取る厚さ
に比例して大きくなる、その割合は、RIE加工を使用
して、10μm削り取ったときに、約0.1μmから
1.0μm位の凸凹が出来るけれども、面積に対して5
%位の面積の割合なので、無視することが出来る面積で
もある、又、RIE加工の加工手段を使用して、水晶板
を加工したときに発生する凸凹(加工変質層)の太さ
は、イオン粒子を加速して、水晶板に激突させる速さ
が、秒速数kmの場合と、秒速数10kmの場合と、秒
速100kmの場合では、それぞれに凸凹の発生する太
さは異なるので、面精度を高めたい場合(加工変質層を
小さくしたい場合)には、イオン粒子の加速を、低速に
したイオン粒子を、水晶板に激突させると良い。だけど
も、イオン粒子を激突させることには変わりはないの
で、大なり小なり、凸凹(加工変質層)は発生する。上
記のことを解決する手段として、RIE加工、又は化学
的なWet Etchingの加工手段により発生し
た、水晶板の表面上に出来た、非晶質(加工変質層)の
部分を、機械的な研磨加工手段、を使用して除去するこ
とにより、本来、水晶が持っている電気的な特性を発揮
することが出来る、ということが判明したことは、今後
の水晶振動子、及び水晶共振子などの、薄片化などの高
精度の加工を行なう加工技術の進展となるばかりでな
く、電子材料、及び圧電素材を加工する業界に与える影
響は、はかりしれない、加工技術の発展となり、ひいて
は、今後の通信、電子業界に対して、基本波で、数10
GHZ以上の発振が出来る、水晶振動子及び水晶共振子
を、容易に製作することが出来ることが判明したこと
は、今後、起こる革命的な、産業革命の、もととなる影
響を与えることになる加工技術である。
【0118】Dry Etching加工である、RI
E加工、イオンミーリング及びプラズマエッチング加工
手段などの、Dry Etchingの加工手段、又は
化学的な、Wet Etching加工の加工手段、又
はその他の化学的な、Etchingの加工手段にて、
水晶板の表面上に発生した、加工変質層(非晶質、又は
酸化膜、又は化合物層)を除去する手段としては、機械
的な研磨加工手段として使用する機械は、如何なる機械
を使用してもよいし、又、水晶板の厚さとして、0.1
μmから0.5μm程度を除去すれば良いので、小さく
裁断、例えば、厚さが10μmの場合には、直径が1.
2mm、又は2mmの丸形状、又は角形状に裁断する
か、又は1インチ、又は2インチの基盤のままの状態に
て、超音波振動、又はバレル研磨などを使用するか、又
は人間の手作業でも、十分に、加工変質層を除去するこ
とは出来る作業でもある。又、遊離砥粒を使用した、そ
の他の加工手段を使用しても、簡単に、加工変質層を除
去することが出来る作業でもあるが、水晶本来の電気的
な特性を、十分に発揮することが出来るのは、機械的な
研磨加工手段を使用して加工変質層を除去するほうが、
一段と電気的な特性が良い。
【0119】上記の加工手段はSingle Inve
rted Mesa Type(片面が凹レンズ形状)
でも、又はDouble Inverted Mesa
Type(両面が凹レンズ形状)でも、又は、平板形
状でも、又は、その他、如何なる形状の水晶板にでも応
用することが出来る。又、加工変質層とは、非晶質で、
フッ素の化合物層である、又は、その他の酸化物で出来
ている膜なので、加工変質層とは、すなわち、電気的に
は絶縁層である。この絶縁層が水晶板の両側面の、表面
上に出来ているが為に、水晶板の両側面に、コンデンサ
ーが出来ている状態となっているのと同じことなので、
水晶板の表面上に加工変質層が存在すると、水晶板の電
気的な特性が、極端に低下して、発振の波型が悪くな
り、Q値が低下する原因となる。この加工変質層(例え
ば、0.06μm前後)を除去することにより、水晶、
又は水晶板本来の、電気的な特性が、極端に向上して、
リアクタンス周波数特性の、発振の波型が良くなり、Q
値が高くなる現象が判明した。
【0120】上述したように、本発明によれば、従来困
難とされた厚みよりも、薄い、圧電素子及び、その加工
方法を提供することができ、これにより副振動の少な
い、振動子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加工方法の概略を示す説明図であ
る。
【図2】 水晶振動子の製作例1を示すもので、(a)
は振動子の断面形状、(b)は振動子のノマルスキマイ
クログラフ、(c)はリアクタンス周波数特性を示すも
のである。表材はATカットで、素材の厚みは103μ
m、径は5mm、加工寸法は厚さ25μm、曲率半径は
30mmである。
【図3】 水晶振動子の製作例2を示すもので、(a)
は振動子の断面形状、(b)はリアクタンス周波数特性
を示すものである。表材はATカットで、素材の厚みは
103μm、径は5mm、加工寸法は厚さ9μm、曲率
半径は200mmである。
【図4】 水晶振動子の製作例3を示すもので、(a)
は振動子の断面形状、(b)はリアクタンス周波数特性
を示すものである。表材はATカットで、素材の厚みは
77μm、径は5mm、加工寸法は厚さ27μmであ
る。
【図5】 表材はATカットで、厚みが厚い水晶振動子
のリアクタンス周波数特性図である。
【図6】 表材はATカットで、厚みが厚い水晶振動子
のリアクタンス周波数特性図である。
【図7】 表材はATカットで、厚みが薄い水晶振動子
のリアクタンス周波数特性図である。
【図8】 表材はATカットで、厚みが薄い水晶振動子
のリアクタンス周波数特性図である。
【図9】 表材はATカットで、厚みがさらに薄い水晶
振動子のリアクタンス周波数特性図である。
【図10】表材はATカットで、厚みがさらに薄い水晶
振動子のリアクタンス周波数特性図である。
【図11】本発明の加工方法における第1の加工補助具
の断面図である。
【図12】本発明の加工方法における第2の加工補助具
の断面図である。
【図13】第1の加工補助具に第2の加工補助具と水晶
板をセットした状態の断面図である。
【図14】本発明の加工装置の他の例を示す断面図であ
る。
【図15】本発明の加工装置の他の例を示す断面図であ
る。
【図16】本発明の加工装置をラッピングプレートに挟
んだ状態を示す断面図である。
【図17】本発明の加工装置における、他の加工補助具
の平面図である。
【図18】図13の加工補助具で製作された水晶板の断
面図である。
【図19】図13の加工補助具で製作された水晶板の断
面図である。
【図20】ラッピングプレートの運動を示す平面図であ
る。
【図21】ラッピングプレートの運動を示す平面図であ
る。
【図22】本発明の実施例を示す上面図である。
【図23】本発明の実施例を示す断面図である。
【図24】本発明の実施例を示す断面図である。
【図25】本発明の加工装置の例を示す断面図である。
【図26】図25、又はその他の装置で製作された水晶
板の断面図である。
【図27】加工補助具の他の例を示す断面図である。
【図28】加工補助具の他の例を示す断面図である。
【図29】加工補助具の他の例を示す断面図である。
【図30】本発明の実施例を示す断面図である。
【図31】本発明の実施例を示す上面図である。
【図32】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図33】本発明の実施例における加工工具を示す側面
図である。
【図34】本発明の実施例における砥石の実施例を示す
側面図及びそのA−A断面図である。
【図35】本発明の実施例における加工された実施例を
示す断面図である。
【図36】本発明の実施例における砥石の他の例を示す
側面図及び平面図である。
【図37】本発明の実施例における加工工具の他の例を
示す断面図である。
【図38】本発明の実施例における加工工具の他の例を
示す断面図である。
【図39】本発明の実施例における加工工具の他の例を
示す断面図である。
【図40】本発明の実施例における加工工具の、実際の
製作図を示す側面図及び上面図である。
【図41】本発明の実施例における加工工具の、実際の
製作図を示す拡大図の断面図及び側面図である。
【図42】本発明の実施例における加工された実施例を
示す断面図である。
【図43】本発明の実施例における加工された実施例を
示す断面図である。
【図44】図13の加工補助具で製作された水晶板の断
面図である。
【図45】図13の加工補助具で製作された水晶板の断
面図である。
【図46】図14の加工補助具で製作された水晶板の断
面図である。
【図47】本発明の実施例を示す断面図である。
【図48】本発明の実施例を示す上面図である。
【図49】本発明の実施例を示す上面図である。
【図50】本発明の実施例を示す断面図である。
【図51】本発明の実施例を示す断面図である。
【図52】本発明の実施例を示す断面図である。
【図53】本発明の実施例を示す断面図である。
【図54】本発明の実施例を示す断面図である
【図55】本発明の実施例を示す断面図である。
【図56】本発明の実施例を示す断面図である。
【図57】素材はATカットで、厚みが、薄い、水晶振
動子のリアクタンス周波数特性図である。
【図58】素材はATカットで、厚みが、一段と薄い、
水晶振動子のリアクタンス周波数特性図である。
【図59】素材はATカットで、厚みが、一段と薄い、
水晶振動子のリアクタンス周波数特性図である。
【図60】素材はATカットで、厚みがさらに、一段と
薄い、水晶振動子のリアクタンス周波数特性図である。
【図61】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
及び上面図である。
【図62】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図63】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図64】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図65】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
及び上面図である。
【図66】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
及び上面図である。
【図67】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
及び上面図である。
【図68】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
及び上面図である。
【図69】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
及び上面図である。
【図70】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
及び上面図である。
【図71】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図72】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図73】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図74】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図75】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状を形成した表面の形状を測定した測定図であ
る。
【図76】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状を形成した裏面の形状を測定した測定図であ
る。
【図77】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状をWetEtching加工にて形成した水
晶板のリアクタンス周波数特性図である。
【図78】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状をWetEtching加工にて形成した水
晶板を、機械的な研磨加工手段を使用して加工したあと
のリアクタンス周波数特性図である。
【図79】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図80】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図81】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図82】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図83】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図84】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状をWetEtching加工にて形成した水
晶板を研磨加工したあとのリアクタンス周波数特性図で
ある。
【図85】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状をWetEtching加工にて形成した水
晶板を、機械的な研磨加工手段を使用して加工したあと
のリアクタンス周波数特性図である。
【図86】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状をWetEtching加工にて形成した水
晶板を、機械的な研磨加工手段を使用して加工したあと
のリアクタンス周波数特性図である。
【図87】素材はATカットで製作した水晶振動子の凹
レンズ形状を形成した表面の形状を測定した測定図であ
る。
【図88】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図89】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図90】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【図91】本発明の実施例による加工方法を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 ボール砥石、2 主軸、3 円筒形状磁石、4 水
晶板、5 研削スピンドル、6 工具保持具、11 第
1の加工補助具、12 リング形状又は4角形状又はそ
の他の形状の溝又は段差、13 水晶板、14 円形状
又はその他の形状をした溝、15 ポリウレタン、又は
不織布などで出来ている、パッド、又はスウェード、1
6 孔、17 下部ラッピングプレート、18上部ラッ
ピングプレート、19 第2の加工補助具、21及び5
4 円筒、22受圧面、23及び24 電極、25 増
幅器、30 丸棒、31 チャック、32,32’,3
2”,32”’及び32”” 研削又は研磨用砥石、3
2(a)溝、33,33’及び33” 加工工具、34
ツール保持具、35 支持アーム、36 軸受、37
キャリア、38 インターナルギア、39 太陽ギ
ア、40 エアノズル、41 噴水ノズル、42及び4
3 モータ、44 研磨具、45 接着テープ、46
穴又は空間部分、47 保持部分、48 固定用枠、4
9 金線、50電極、51 保持部分、52 溝、53
スムーズライン、55 栓、56保持部分、57 ダ
イヤモンド砥粒、58 圧電板、59 接着剤層、60
松脂、61 第3の加工補助具、62 空間部分、6
3 穴を形成したマスク板、64 穴、65 研磨剤、
66 第4の加工補助具、

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶板を、両面研磨加工機械、又は片面
    研磨加工機械、又はその他の研磨加工機械を使用して、
    研磨加工した水晶板(例えば、水晶板の厚さを80μm
    として、水晶板の直径を2インチとする)を、片面、又
    は両面から、RIE(Reactive Ion Et
    ching)加工、又は化学的なWetエッチング加工
    を行って、数10μm前後(例えば、60μmとする)
    を、除去した後、化学的な、DRY Etching
    加工(以下、RIE、又はプラズマエッチングとする、
    又は)Wetエッチング加工によって発生した数μmの
    凸凹(例えば、RIE加工にて、60μm除去すると、
    約0.2μmから3μmの、ダメージ層、又は加工変質
    層、又は凸凹が発生する)を、再度、両面研磨加工機
    械、又は片面研磨加工機械、又はその他の研磨加工手段
    によって研磨加工をする、水晶板などの圧電素材、又は
    シリコンなどの電子材料を加工することを特徴とする、
    圧電素子の加工方法。
  2. 【請求項2】 第1の加工補助具の上面に、リング形状
    又は4角形状又はその他の形状の溝又は段差を形成し、
    その溝又は段差の、深さよりも、やや高い、円筒形状又
    はその他の形状の、硬質ガラス、又は鉄、又はその他の
    素材などで出来ている、第2の加工補助具を、前記溝又
    は段差に、はめ込み、前記第2の、加工補助具の、第1
    の加工補助具、上面からの、突出高さと、同じか、又は
    突出高さよりも、少し低いか、又は高い、円板状又はそ
    の他の形状の、圧電素子被研磨物を設置し、前記圧電素
    子被研磨物の上面にある上部ラッピングプレート(上の
    上板)と、前記第1の加工補助具の下面にある下部ラッ
    ピングプレート(下の上板)の、上下2枚のラッピング
    プレートを使用し、極く、薄い加工物を、研磨加工する
    ことを特徴とする、圧電素子の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の加工補助具の、上面に形成し
    た、円形状又はその他の形状の溝又は段差に水溶液など
    の液体を入れ、この液体に、前記圧電素子被研磨物下面
    の、周囲が密着するように、前記圧電素子被研磨物を、
    前記第1の加工補助具上に載置(ただ置くだけ)し、前
    記液体の、表面張力を使用するか、又は氷結させること
    で、前記第1の加工補助具と、前記圧電素子被研磨物と
    を、固着することを特徴とする請求項2記載の圧電素子
    の加工方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の加工補助具の、上面に載置し
    た水を含ませた、親水性薄板の上に、前記圧電素子被研
    磨物を載置し、前記親水性薄板に含ませた、水の表面張
    力を使用することで、前記第1の加工補助具と、前記圧
    電素子被研磨物とを、固着することを特徴とする請求項
    2ないし3のいずれかの項に記載の圧電素子の加工方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1の加工補助具に、複数の孔を形
    成し、この孔に、水飴、蜂蜜、接着剤のボンド又はグリ
    ース又はその他の接着剤などの、粘性物質を充填するこ
    とで、前記圧電素子被研磨物下面を、前記粘性物質で密
    着させるか、又は真空の吸着力を使用して、前記第1の
    加工補助具と、前記圧電素子被研磨物とを、孔の面積だ
    けで、接着剤、又は真空の吸着力を使用して、固着する
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかの項に記
    載の圧電素子の加方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の加工補助具と、第2の加工補
    助具を、松脂、パラフィン、澱粉糊又はその他の接着剤
    を使用して、固定することを特徴とする請求項2ないし
    4のいずれかの項に記載の圧電素子の方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の加工補助具を、硬質ガラス、
    又は鉄などの、金属を使用して製作し、第2の加工補助
    具を、超鋼又は、鉄又は、硬質ガラス又は、ガラスに類
    似の素材を使用して、製作することを特徴とする、請求
    項2ないし6のいずれかの項に記載の圧電素子の加工方
    法。
  8. 【請求項8】 圧電素子被研磨物にマスクをかけてマ
    スキングし、中心部分だけを、例えば、CF、C
    又はCHFなどを使用して、RIE加工、イオンミ
    ーリング、又はプラズマエッチング、又はその他の化学
    的なWetエッチング手段を使用して、平板形状、Bi
    −Convex型形状又は凹レンズ形状(逆MESA形
    状)に、加工した後、その後の加工手段として、両面研
    磨加工機械、又は片面研磨加工機械又はフロートポリシ
    ング機械又はその他の研磨加工手段を使用して、エッチ
    ング加工を行った、加工面の表面、又は裏面の加工面
    を、機械的に研磨加工を行うことを特徴とする圧電素子
    の加工方法。
  9. 【請求項9】 加工補助具に、水晶版を保持させて、片
    面は水晶板の一面を研磨加工し、もう一方の片面は、加
    工補助具の一面を、両面研磨加工機械を使用して、上と
    下から、同時に研磨加工することで、両面研磨加工機械
    を、片面研磨加工機械として使用する、圧電素子の研磨
    加工方法。
  10. 【請求項10】 凹レンズ形状に加工した水晶板の表
    面、又は裏面を、加工補助具を使用して保持し、片面は
    水晶板の凹レンズ形状の表面、又は裏面を、もう一方の
    片面は、加工補助具の一面を、両面研磨加工機械を使用
    して、上と下から、同時に研磨加工する、圧電素子の研
    磨加工方法。
  11. 【請求項11】 水晶板を凹レンズ形状に加工し、凹レ
    ンズ形状に加工した面を、加工補助具を使用して保持
    し、片面は凹レンズ形状に加工した裏面を、もう一方の
    片面は、加工補助具の一面を、両面研磨加工機械を使用
    して、上と下から、同時に研磨加工する、極く薄い、圧
    電素子を加工する、圧電素子の研磨加工方法。
  12. 【請求項12】 一面又は両面を、凹レンズ形状、Co
    ncavo−Convex型形状、又はBi−Conv
    ex型形状に加工した水晶板を、両面研磨加工機械を使
    用して、上と下から、同時に研磨加工し、極く薄い、圧
    電素子を加工する、圧電素子の研磨加工方法。
  13. 【請求項13】 凹レンズ形状に加工した水晶板の、凹
    レンズ形状の内部に、松脂又はパラフィン又はその他の
    樹脂を注入して、凹レンズ形状内部の強度を補強した、
    水晶板を、両面研磨加工機械、又は片面研磨加工機械を
    使用して、上と下から、同時に研磨加工するか、又は片
    面研磨加工機械を使用して研磨加工する、圧電素子の研
    磨加工方法。
  14. 【請求項14】 加工補助具の材質を、酸化セリウムな
    どの研磨剤では研磨が出来にくい、硬質ガラス、プラス
    チックス、又は超鋼、又は鉄などの金属を使用して作
    り、加工補助具の一面の加工が出来にくい条件とするこ
    とを特徴とする請求項2ないし13のいずれかの項に記
    載の圧電素子の研磨加工方法。
  15. 【請求項15】 水晶板などの圧電素材を、凹レンズ形
    状に、化学的なWet Etching、プラズマエッ
    チング、又は機械加工などを使用して、凹レンズ形状に
    加工した水晶板の凹レンズ形状部分に,松脂又はパラフ
    ィン又は膠又はその他の樹脂を注入して、凹レンズ形状
    内部の強度を補強した後、凹レンズ形状を形成している
    表面と裏面を同時に、両面研磨加工機械を使用して研磨
    加工する、圧電素子の研磨加工方法。
  16. 【請求項16】 円筒の中央部に、水晶又は、ニオブ酸
    リチウム、ニオブ酸カリウム又は、その他の単結晶又
    は、チタン酸バリウム又は、圧電セラミックス又は、そ
    の他のセラミックスなどの、圧電効果を有する材質から
    なる受圧面を形成し、その受圧面に、一対の電極を形成
    することを特徴とする圧電素子の加工方法。
  17. 【請求項17】 円筒と受圧面が、圧電効果を有する一
    体の材質である請求項16記載の圧電素子の加工方法。
  18. 【請求項18】 圧電効果を有する、材質からなる丸棒
    の、両端部分から、それぞれ研削手段を用いて穴を開
    け、前記丸棒の、中央部に、所定の厚みの受圧面を形成
    し、さらに、その受圧面に、円筒の、左右から進入し
    た、空気振動が、中央部分にて、共鳴することが出来る
    ように、受圧面の外周部分に、左右から進入した、空気
    振動が、行き来することが出来るように、穴又は空間部
    分を形成して、円筒の左右から進入した、空気振動が、
    円筒の中心部分にて、共鳴して、共鳴現象を起こし、中
    心部分に位置する、受圧面を、より強く、振動させるこ
    とを特徴とする圧電素子の加工方法。
  19. 【請求項19】 圧電効果を有する、材質からなる丸棒
    の、両端部から、それぞれ研削手段を用いて、円筒形状
    の穴を開け、前記丸棒の、中央部に、所定の厚みの受圧
    面を形成し、その受圧面に、一対の電極を設けて、外部
    の空気振動を増幅した、電気信号を得ることを特徴とす
    る圧電素子の加工方法。
  20. 【請求項20】 研削手段は、樽状の砥石の表面に溝を
    形成し、その溝に空気、又は液体を噴射することで前記
    砥石を回転させるか、またはその他の機械的な手段を使
    用して、前記樽状の砥石を回転させるものである請求項
    19記載の圧電素子の加工方法。
  21. 【請求項21】 真球に近い鋼球を使用して、樽状の砥
    石を形成する請求項19または20記載の圧電素子の加
    工方法。
  22. 【請求項22】 水晶板の中心部分に、金などの金属を
    使用して、蒸着、又はメッキを行い、蒸着などの手段を
    使用して、金属部分を形成している、水晶板の中心部分
    に、細い金線を結線し、水晶板の電極として使用し、金
    線を使用して、水晶板に電圧を印加する、圧電素子の加
    工方法。
  23. 【請求項23】 水晶板に、Bi−Convex型形
    状、Plano−Convex型形状、及び凹レンズ型
    形状(inverted−mesa型形状)に、機械研
    磨加工、又は化学的なWetエッチング手段にて加工し
    た後、Bi−Convex型形状、Plano−Con
    vex型形状、Concavo−Convex型形状、
    及び凹レンズ型形状を形成している面の、裏面、又は両
    面から、再度、RIE加工、又は化学的なWetエッチ
    ング加工を行って、Bi−Covex型形状、Plan
    o−Convex型形状、及び凹レンズ型形状を、相似
    形状、又は相対的に、縮小して、極く、薄く加工した
    後、仕上げ工程の加工として、機械研磨加工をする、圧
    電素子の加工方法。
  24. 【請求項24】 水晶板を、平板形状、又は凹レンズ型
    形状、又はその他の形状に、RIE加工、又はその他の
    化学的なWetエッチング加工手段にて加工した後、平
    板形状、又は凹レンズ型形状を形成している面の、裏面
    から、RIE加工、プラズマエッチング、又はその他の
    化学的なエッチング手段にて、数10μm、削り落と
    し、平板形状、又は凹レンズ型形状の裏面を、数10μ
    m、RIE加工、又はその他のエッチング手段にて、削
    り落とした加工面に出来た、1μmから数μmの凸凹
    を、機械加工を使用して、0.2μmから数μm程、研
    磨加工して、平板形状、又は凹レンズ型形状を形成して
    いる裏面を、鏡面に研磨加工するために、加工補助具を
    使用して加工するか、又は加工補助具を使用することな
    く、平板形状、又は凹レンズ型形状の裏面を、片面研磨
    加工機械、又は両面研磨加工機械、又はその他の研磨加
    工手段を使用して、0.2μmから数μm、研磨加工し
    て、鏡面仕上げの加工を行う、圧電素子の加工方法。
  25. 【請求項25】 水晶板、又は石英にて出来ている石英
    板に穴を形成した、マスク板を、水晶板の上に置いて、
    マスキング(金属被膜))の変わりとして使用し、Re
    active Ion Etching(RIE)加工
    を行い、水晶板に凹レンズ形状を形成することを特徴と
    する圧電素子の加工方法。
  26. 【請求項26】 水晶などの圧電材料を、RIE加工に
    て加工する場合、CF、CHF又はCなどの
    フッ素系ガスとアルゴンガスの混合ガスを使用すると、
    水晶などの表面精度の加工精度がよいことを特徴とする
    圧電素子の加工方法。
  27. 【請求項27】 一面又は両面を、凹レンズ形状に加工
    した水晶板を、両面研磨加工機械を使用して、上と下か
    ら、同時に研磨加工し、極く薄い、圧電素子を加工す
    る、圧電素子の研磨加工方法。
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JP2004349365A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Japan Science & Technology Agency 圧電材料の加工方法

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