JP2001110898A - 半導体装置及びその材料 - Google Patents

半導体装置及びその材料

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JP2001110898A JP29001599A JP29001599A JP2001110898A JP 2001110898 A JP2001110898 A JP 2001110898A JP 29001599 A JP29001599 A JP 29001599A JP 29001599 A JP29001599 A JP 29001599A JP 2001110898 A JP2001110898 A JP 2001110898A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理後の冷却時に発生する残留応力を低く
抑え、かつ耐水接着性、耐薬品性、耐熱性を兼ね備える
等半導体用途として必要な種々の特性を満足する耐熱性
有機材料と、これと無機材料からなる半導体装置を提供
すること。 【解決手段】 弾性率が4.5GPa以上10GPa以
下であり、かつ塗膜の100℃から200℃の線熱膨張
係数が25ppm/℃以上45ppm/℃以下、熱機械
試験機(TMA)によって測定したガラス転移温度(T
g)が300℃以下であることを特徴とする耐熱性有機
高分子材料と無機材料を積層してなる半導体装置を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規耐熱性有機高
分子材料とこれを用いた半導体装置及びその製造法に関
する。さらに詳しく言えば、本発明は、低い残留応力を
示し、高い耐薬品性、高い基材への接着力を合わせ持つ
耐熱性有機高分子材料、およびこれを応力吸収膜として
用いた半導体装置とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の表面保護膜や、
層間絶縁膜として耐熱性有機材料が注目されている。従
来半導体集積回路における多層配線構造の製造には、パ
ターンの形成された配線層を有する基板上に真空蒸着、
CVD(ケミカルベーパーデポジッション)等の気相成
長法によりSiO2、SiN等からなる層間絶縁膜を形
成し、パターンを開口した後、上層配線層を形成する方
法が用いられていた。しかし、気相成長法によって層間
絶縁膜を形成する方法では、上記段差部分で配線層が薄
くなり配線切れが起こりやすいという問題があった。そ
のため、現在ではポリイミドに代表される耐熱性有機材
料が広く使われている(特公昭51−44871号公
報)。
【0003】しかし、半導体集積回路の表面保護膜ある
いは層間絶縁膜として有機材料を用いる場合は、基板、
パッシベーション膜などの装置構成無機材料と有機材料
との熱収縮率差が異なるため、熱処理後の冷却過程で残
留応力が発生することが問題となる。有機材料と無機材
料では、一般に前者の方が熱収縮率は大きく、両者界面
において冷却時の熱収縮率の差により有機材料には引っ
張りの力が、無機材料には収縮する力が働くことにな
る。この残留応力が大きいと異種材料界面あるいは材料
内部にクラックや剥離が発生し、半導体装置の信頼性低
下を引き起こす。また、近年半導体製造に用いるシリコ
ンウエハーを、歩留り向上、あるいは低コスト化のため
に大径化する動きが活発であるが、この基材の径が大き
いほど装置構成無機材料と有機材料間での熱収縮力、す
なわち残留応力の影響が大きくなり、半導体製造プロセ
ス上で不具合が発生する確率が高くなる。そのため、残
留応力の低い有機材料が求められている。この残留応力
(σ)は、下記式(1)に従うとされている
【0004】
【式1】
【0005】これまで、ポリイミド膜の剛直な骨格を用
いてσPI(ポリイミドの熱膨張係数)を下げるというア
プローチがなされている(金城徳幸、日経マイクロデバ
イス第4刊、第133頁(1987年))が、基材との
接着力が不十分であり、かつ接着力を上げようとすると
応力値が十分に下がらないという問題があった。別にこ
の原理に沿った低応力グレードも検討されているが(特
開平2―153934号公報)、半導体装置の保護膜、
層間絶縁膜として用いる際、膜厚増加に伴ない応力値が
大きくなるという問題のほか、硬化温度が高いなどの問
題があった。
【0006】また、半導体装置に使用するためには、3
50℃以上の高温下でも形状および膜質の変化がおこら
ない耐熱性が、さらには耐水接着性が必要である。その
ほか多層配線構造を有する層間絶縁膜として用いる場合
は、ことのほか耐薬品性を有する材料が求められる。こ
れらの特性を合わせ持つ耐熱性有機材料が求められてい
る。
【0007】耐熱性有機高分子としては、ポリイミド、
ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポ
リベンゾチアゾール、ポリアミドイミド、アラミドなど
が知られている。たとえば、ポリイミドは、その高い熱
的及び化学的安定性、低い誘電率及び優れた平坦化能の
ために、半導体の封止材とチップの間の表面保護膜(バ
ッファーコート膜)、層間絶縁膜、あるいはマルチチッ
プモジュールなどの材料として広く使われている。さら
に、膜加工プロセスを合理化する目的でポリイミド前駆
体に光重合性の感光基を導入し、ポリイミド前駆体膜に
直接パターンを形成する方法などが研究され、例えば、
エステル結合、アミド結合、イオン結合などを介して二
重結合を有する化合物を結合したポリイミド前駆体を、
光開始剤等によって不溶化させ現像処理した後、加熱し
て感光基成分を除去して熱安定性を有するポリイミドに
変換する方法などが提案されている[山岡、表、「ポリ
ファイル」、第27巻、第2号、第14〜18頁(19
90年)]。この技術を一般に感光性ポリイミドと称す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、耐熱
性、耐薬品性、耐水接着性を兼ね備え、かつ低い残留応
力を有する膜を与える耐熱性有機高分子組成物およびこ
の耐熱性有機高分子組成物の塗膜を加熱硬化して得られ
る応力吸収膜を構成材料とする半導体装置とその製造法
を提供することを目的として鋭意研究を行った。
【0009】本発明者らは、これらの事情により、前記
式(1)のTgに相当する部分を下げることに着目して
種々の検討を行った。従来、Tgを下げるためには、ポ
リマーを柔らかくする必要があり、それに伴ない弾性率
も低くなりポリイミドとしての物性を損なうと考えられ
ていた。また、熱膨張係数を小さくする分子設計をして
かつ電子材料用途として必要とされる応力以外の特性を
持たせようという試みがなされているが(鍛冶、廣、小
島、荻原1996年度 第5回ポリマー材料フォーラム
第275〜276頁)、応力値が十分に下がらないと
いう問題があった。
【0010】本発明者らは、前記式(1)のTgに相当
する部分を下げ、弾性率や熱膨張係数は通常値あるいは
高い値になるよう分子構造を制御することに成功し、こ
れによって熱処理後の冷却時に発生する残留応力を低く
抑え、かつ耐水接着性、耐薬品性、耐熱性を兼ね備える
等半導体用途として必要な種々の特性を満足する耐熱性
有機高分子材料と、これと無機材料からなる半導体装置
を提供することができた。また、上記記載の特徴を有す
る半導体装置の製造法を提供する。さらに、上記記載の
特徴を有する耐熱性有機高分子材料を得るための樹脂組
成物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願は、以下の発明を提
供する。 (1)弾性率が4.5GPa以上10GPa以下であ
り、かつ100℃から200℃の線熱膨張係数が25p
pm/℃以上45ppm/℃以下、熱機械試験機(TM
A)によって測定したガラス転移温度(Tg)が240
℃以上300℃以下であることを特徴とする耐熱性有機
高分子材料と無機材料を積層してなる半導体装置。
(2)耐熱性有機高分子材料がポリイミド膜である上記
(1)記載の半導体装置。 (3)ポリイミド膜が感光性ポリイミド前駆体組成物を
用いてパターン形成されたものである上記(2)記載の
半導体装置。
【0012】(4)塗膜を加熱硬化したとき、弾性率が
4.5GPa以上10GPa以下であり、かつ100℃
から200℃の線熱膨張係数が25ppm/℃以上45
ppm/℃以下、熱機械試験機(TMA)によって測定
したガラス転移温度(Tg)が240℃以上300℃以
下である耐熱性有機高分子膜を与えることを特徴とする
樹脂組成物。 (5)塗膜を加熱硬化したとき、弾性率が3.8GPa
以下、100℃から200℃の線熱膨張係数が40pp
m/℃以上であり、ガラス転移温度が280℃以下とな
る耐熱性有機高分子を20から80重量%と、弾性率が
6.5GPa以上であり、ガラス転移温度が320℃以
上、線熱膨張係数が40ppm/℃以下となる耐熱性有
機高分子を80から20重量%含む上記(4)記載の樹
脂組成物。 (6)下記一般式(I)のポリイミド前駆体
【0013】
【化3】 (式中、Xは4価の有機基である。Yは2価の有機基で
あり、Rはオレフィン性二重結合を有する一価の感光性
基または水素、またはアルキル基であり、Rの合計数の
うち少なくとも40モル% 以上がオレフィン性二重結合
を有する感光性基である)と光開始剤、溶媒からなる上
記(4)又は(5)記載の樹脂組成物。 (7)下記一般式(II)の繰り返し単位を有するポリ
イミド前駆体
【0014】
【化4】
【0015】(式中、X1 、X2 は4価の有機基であっ
て、Y1 、Y2 は2価の有機基であり、Rはオレフィン
性二重結合を有する一価の感光性基または水素、または
アルキル基であり、Rの合計数のうち少なくとも40モ
ル% 以上がオレフィン性二重結合を有する感光性基で
あり、上記一般式(II)のポリイミド前駆体は上記A
構造単位と上記B構造単位からなる共重合体のポリイミ
ド前駆体であり、上記A構造単位単独のポリイミド前駆
体を環化させて得られるポリイミドの弾性率が3.8G
Pa以下、100℃から200℃の線熱膨張係数が40
ppm/℃以上であり、ガラス転移温度が280℃以下
であり、上記B構造単位単独のポリイミド前駆体を環化
させて得られるポリイミドの弾性率が6.5GPa以上
であり、ガラス転移温度が320℃以上、線熱膨張係数
が40ppm/℃以下、弾性率が6.5GPa以上であ
り、かつ上記A構造単位の繰り返し単位が20〜80mo
l %の範囲に、上記B構造単位の繰り返し単位が80〜
20mol %の範囲にある。)と光開始剤、溶媒を含む上
記(4)記載の樹脂組成物。 (8)耐熱性有機高分子組成物溶液を基材に塗布、乾
燥する工程、活性光線または化学線を用いて塗膜を露
光し、続いて現像することによりパターンを得る工程、
パターン化された塗膜を加熱して硬化パターンを得る
工程を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいず
れかに記載の半導体装置の製造方法。
【0016】本発明において耐熱性有機高分子材料と無
機材料を積層してなる半導体装置は、たとえばシリコン
基板やガリウムヒ素基板のような半導体の基板上に集積
回路を形成し、その上面に、外部よりの水分、イオン成
分の侵入を防ぐために、無機膜よりなるパッシベーショ
ン膜を有するもので、該パッシベーション膜は窒化ケイ
素、酸化ケイ素、リンガラス(PSG)、ホウ素添加リ
ンガラス(BPSG)のようなものよりなり、一般には
CVD(Chemical Vapor Deposi
tion)法により形成することができる。このパッシ
ベーション膜は一種類のものより形成されても良いし、
2種類以上のものより構成しても良い。
【0017】上記記載の公知技術などを用いて下層配線
層を形成した基板に、本発明の樹脂組成物から得られる
表面保護膜、層間絶縁膜などとして機能する応力吸収膜
を形成する。その形成方法の一例について説明する。本
発明の樹脂組成物は、スピンコーター、バーコーター、
ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷
機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する
方法等を用いて塗布することができる。塗膜の乾燥方法
としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる
加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。こうして得
られた塗膜は、所望のパターンマスクを通して活性光線
または化学線を照射する。照射する活性光線又は化学線
としては、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシ
ミティ露光装置、ミラープロジェクション露光装置、g
線ステッパー、i線ステッパー、その他の紫外線、可視
光源や、X線、電子線を用いることができる。照射後、
ネガ型においては未露光部を、ポジ型においては露光部
を現像液で溶解除去することによりパターンが形成され
る。
【0018】現像に使用される現像液としては、溶剤現
像で行う場合は、本発明の樹脂組成物から得られる塗膜
に対する良溶媒または良溶媒と貧溶媒の組み合わせが好
ましく、この良溶媒としては、N−メチルピロリドン、
N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N、N′−ジメ
チルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノ
ン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−プチロラ
クトン等が、また、貧溶媒としてはトルエン、キシレ
ン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテル
アセテート及び水等が用いられる。良溶媒に対する貧溶
媒の割合は使用するポリマーの溶解性により調整され、
各溶媒を数種類組み合わせて用いることもできる。アル
カリ現像を行う場合は、塩基性水溶液によりネガ型の場
合未露光部を、ポジ型の場合露光部を溶解除去して、所
望のレリーフ・パターンを得る。なお、現像液は、塩基
性を呈する水溶液であれば、一つの化合物の水溶液でも
よく、2以上の化合物の水溶液でもよい。塩基性水溶液
は、通常、塩基性化合物を水に溶解した溶液である。塩
基性化合物の濃度は、通常0.1〜50重量%とするの
が、支持基板等への影響などから好ましく、0.1〜3
0重量%とすることがより好ましい。また、現像液は、
塗膜の溶解性を改善するため、メタノ−ル、エタノ−
ル、プロパノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルホルムアミド、
N、N−ジメチルアセトアミド等の水溶性有機溶媒を、
さらに含有していてもよい。上記塩基性化合物として
は、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはア
ンモニウムイオンの、水酸化物または炭酸塩や、アミン
化合物などが挙げられ、具体的には、2−ジメチルアミ
ノエタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノー
ル、4−ジメチルアミノ−1−ブタノ−ル、5−ジメチ
ルアミノ−1−ペンタノ−ル、6−ジメチルアミノ−1
−ヘキサノ−ル、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1
−プロパノ−ル、3−ジメチルアミノ−2、2−ジメチ
ル−1−プロパノ−ル、2−ジエチルアミノエタノ−
ル、3−ジエチルアミノ−1−プロパノ−ル、2−ジイ
ソプロピルアミノエタノ−ル、2−ジ−n−ブチルアミ
ノエタノ−ル、N、N−ジベンジル−2−アミノエタノ
−ル、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノ−
ル、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノ−ル、
1−ジメチルアミノ−2−プロパノ−ル、1−ジエチル
アミノ−2−プロパノ−ル、N−メチルジエタノ−ルア
ミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N−n−ブチル
ジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミ
ン、N−ラウリルジエタノールアミン、3−ジエチルア
ミノ−1、2−プロパンジオール、トリエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルエタノー
ルアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチ
ルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノー
ル、4−アミノ−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘ
キサノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミ
ノ−2、2−ジメチル−1−プロパノール、1−アミノ
ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、N−(2−
アミノエチル)エタノールアミン、2−アミノ−2−メ
チル−1、3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エ
チル−1、3−プロパンジオール、3−アミノ−1、2
−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチ
ル−1、3−プロパンジオール、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラ
メチルアンモニムウヒドロキシド、テトラエチルアンモ
ニムウヒドロキシド、テトラプロピルアンモニムウヒド
ロキシド、テトライソプロピルアンモニムウヒドロキシ
ド、アミノメタノ−ル、2−アミノエタノ−ル、3−ア
ミノプロパノ−ル、2−アミノプロパノ−ル、メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルア
ミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピル
アミンなどを用いることが好ましいが、水に可溶であ
り、水溶液が塩基性を呈するものであれば、これら以外
の化合物を用いても構わない。現像によって形成したレ
リーフ・パターンは、次いでリンス液により洗浄して、
現像溶剤を除去する。リンス液には、現像液との混和性
の良いメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、水などが好適な例としてあげられる。
【0019】本発明において、耐熱性有機高分子材料を
得るための樹脂組成物としては、感光性を有するポリイ
ミド前駆体組成物(感光性ポリイミド)が好適である
が、そのほか, 感光性ポリイミドを使わずに本発明の半
導体装置を得る技術もあり、この例としては、たとえば
ポジレジストをマスクにしてポジレジストの現像と同時
に耐熱性有機高分子のエッチングを行う方法(例えば
R.A.Dine−Hart,他Br.Polym.
J.3,222(1971)),ネガレジストをマスク
にし,ネガレジストの現像後にポリイミドをヒドラジン
のような有機アルカリでエッチングする方法(例えば特
開昭53−49701号公報)などにより,配線のため
のパターンを加工する方法などがあるが,これらに限定
されるものではない。
【0020】現像は、従来知られているフォトレジスト
の現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波
処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選んで行な
うことができる。このようにして得られた本発明の樹脂
組成物のパターンフィルムは加熱硬化される。加熱変換
させる方法としては、ホットプレートによるもの、オー
ブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式
オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができ
る。加熱変換させる際の雰囲気気体としては空気を用い
ても良く、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いること
ができる。
【0021】また、層間絶縁膜用途に用いる場合は、形
成したパターンの応力吸収膜上に上層配線層を真空蒸
着、スパッタリング、CVD(ケミカルベーパーデポジ
ション)等の既に知られた方法を用いて形成することが
できる。さらに、上層配線層をパターニングし、上記の
製造法を2回以上繰り返すことにより、配線層と絶縁層
のより多層化された配線構造を有するデバイスが得られ
る。本発明において使用する樹脂としては、得られる硬
化膜の弾性率が4.5GPa以上10GPa以下であ
り、かつ塗膜の100℃から200℃の線熱膨張係数が
25ppm/℃以上45ppm/℃以下、熱機械試験機
(TMA)によって測定したガラス転移温度(Tg)が
240℃以上300℃以下からなる樹脂組成物であれば
如何なるものを用いても良い。弾性率が4.5GPa未
満、あるいはガラス転移温度が240℃未満では、耐薬
品性が劣り好ましくない。また、線熱膨張係数が25p
pm以下では、耐水接着性が劣り好ましくない。さらに
は、弾性率が10GPa超またはガラス転移温度が30
0℃超、または線熱膨張係数が45ppm/℃超では応
力値が大きくなり好ましくない。
【0022】半導体装置のパッケージとしては、PQF
P(Plastic quad flat packa
ge)、SOP(Small outline pac
kage)、SOJ(Small outline J
−leaded)、PLCC(Plasticlead
ed Chip carrier)、TQFP(Thi
n Quadflat package)、DCA(D
irect Chip Attach)、CSP(Ch
ip Size Packege)、さらにはDIP
(dual in line package)、TC
P(Tape carrierpackage)、PP
GA(Plasticpingridarray)、C
PGA( Ceramicpingridarray) 、
PBGA( Plastic ballgridarra
y ) 、CBGA(Ceramic ballgrid
array)TBGA( Tapeballgrida
rray) 、MBGA( Metalballgrida
rray) などの技術を採用することができる。さらに
は、エリアアレイの半田バンプフリップチップ接続技術
を用いてパッケージをしても良いが、これらに限定され
るものではない。なお、ウエハーレベルCSPプロセス
における再配線の保護膜として本発明の耐熱性有機高分
子組成物を用いることができるが、その場合封止樹脂と
しての機能を持たせることも可能である。
【0023】本発明の耐熱性有機材料としてポリイミド
を用いる場合、ポリイミド前駆体は、たとえば特開昭6
1−127731号公報や、特開昭61−72022号
公報における実施例5に示された、有機の脱水材の存在
下縮合反応によって合成する、あるいは同公報比較例1
に示されたテトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物を経
由する方法によって合成することができる。ただし、酸
塩化物を経由する方法を用いる場合、上記比較例におい
ては酸無水物基に対して1.06当量用いている塩基
(この場合はピリジン)の量を0.5当量以下用い、0
℃以下でゆっくりと反応させる。ポリマー・エンジニア
リング・アンド・サイエンス(Polym.Eng.S
ci)第28巻、第12号815頁に記載されたミネマ
等による方法や、特開昭58−120636号公報の例
I、IIに示されたグリシジル化合物を用いる方法など
を用いることができるが、これらの技術を用いた場合に
は、完全なポリイミド前駆体を生成することが出来ず一
部ポリイミド前駆体成分が残ることなどから好ましくな
い点もある。
【0024】ポリイミド前駆体の合成には、一般にテト
ラカルボン酸二無水物、及びジアミン類を原料として用
いる。本発明におけるテトラカルボン酸二無水物として
は、ピロメリット酸二無水物、4、4−オキシジフタル
酸二無水物、3、3’、4、4−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、3、3、4、4−ジフェニルスル
フォンテトラカルボン酸二無水物、1、1、1、3、
3、3−ヘキサフルオロプロパン−2、2−ジフタル酸
二無水物、3、3−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物などの公知のテトラカルボン酸二無水物を用いること
ができる。本発明に用いるジアミン類に特に制限はない
が、ジアミンの具体的な好ましい例としては、パラフェ
ニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4、4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、4、4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、3、4’−ジアミノジフェニルエーテル、4、4’
−ジアミノジフェニルスルフォン、3、3’−ジアミノ
ジフェニルスルフォン、4、4’−ジアミノジフェニル
スルフォキシド、3、3’−ジメチル−4、4’−ジア
ミノビフェニル、2、2’−ジメチル−4、4’−ジア
ミノビフェニル、3、3’−ジメトキシ−4、4’−ジ
アミノビフェニル、3、3’−ジクロロ−4、4’−ジ
アミノビフェニル、1、4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1、3−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1、3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルフォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフォン、4、4’−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、4、4’−ビス(3−アミノフェノ
キシビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕エーテル、1、4−ビス(4−アミノフェニ
ル)ベンゼン、9、10−ビス(4−アミノフェニル)
アントラセン、1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオ
ロ−2、2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロ−2、2−ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロ−2、2
−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、
1、4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベ
ンゼン、あるいはこれらのジアミン類の芳香族上の水素
原子が一部メチル基、エチル基、ハロゲン基で置換され
たもの等を挙げることができる。これらのうちで、4、
4’−ジアミノジフェニルエーテル、3、3’−ジメチ
ル−4、4’−ジアミノビフェニルのような2個のベン
ゼン環を有するものが性能のバランスがとりやすくより
好ましい。これらのジアミンは単独であるいは2種以上
を混合して用いることができる。また、耐熱性を低下さ
せない範囲で下記一般式(a)
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R1 及びR2 は二価の炭化水素基
を表し、各々同一でも異なってもよく、R3 及びR
4 は、一価の炭化水素基を表し各々同一でも異なっても
良い。tは1以上、好ましくは1〜10の整数である)
で示されるジアミノポリシロキサン等の脂肪族ジアミン
を用いても良い。R1 およびR2 としては、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェ
ニレン基等のアリーレン基などが挙げられ、R3 及びR
4 としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェ
ニル基等のアリール基などが挙げられる。これらの脂肪
族ジアミンを用いる場合、全アミン成分に対して、1〜
30mol %とすることが好ましい。
【0027】本発明の弾性率が4.5GPa以上10G
Pa以下であり、かつ100℃から200℃の線熱膨張
係数が25ppm/℃以上45ppm/℃以下、熱機械
試験機(TMA)によって測定したガラス転移温度(T
g)が300℃以下である耐熱性有機材料を与えるポリ
イミド前駆体が、ここに記載したテトラカルボン酸二無
水物のうちの一種とジアミン類のうち一種から得られる
例は知られていない。このようなポリイミド前駆体は、
請求項5に記述のように塗膜を加熱硬化したとき、弾性
率が3.8GPa以下、100℃から200℃の線熱膨
張係数が40ppm/℃以上であり、ガラス転移温度が
280℃以下となる耐熱性有機高分子を20から80重
量%と、弾性率が6.5GPa以上であり、ガラス転移
温度が320℃以上、線熱膨張係数が40ppm/℃以
下となる耐熱性有機高分子を80から20重量%混合す
ることにより得ることができる。弾性率が3.8GPa
以下、100℃から200℃の線熱膨張係数が40pp
m/℃以上であり、Tgが280℃以下となる耐熱性有
機高分子が80重量%超及び、20重量%未満では、弾
性率4.5Gpa以上10Gpa未満であり、かつ10
0℃から200℃の線熱膨張係数が25ppm/℃以上
45ppm/℃未満、熱機械試験機(TMA)によって
測定したガラス転移温度(Tg)が240℃以上、30
0℃未満というバランスを取れないので好ましくない。
弾性率が6.5Gpa以上であり、ガラス転移温度が3
20℃以上、線熱膨張係数が40ppm/℃未満となる
耐熱性有機高分子を80重量%超及び、20重量%未満
では、弾性率4.5GPa以上10GPa以下であり、
かつ100℃から200℃の線熱膨張係数が25ppm
/℃以上45ppm/℃以下、熱機械試験機(TMA)
によって測定したガラス転移温度(Tg)が240℃以
上、300℃以下というバランスを取れないので好まし
くない。あるいは請求項7に記述の通り下記一般式(I
I)の繰り返し単位を有するポリイミド前駆体
【0028】
【化6】
【0029】(式中、X1 、X2 は4価の有機基であっ
て、Y1 、Y2 は2価の有機基であり、Rは前記一般式
(I)におけるのと同じであり、上記一般式(II)の
ポリイミド前駆体は上記A構造単位と上記B構造単位か
らなる共重合体のポリイミド前駆体であり、上記A構造
単位単独のポリイミド前駆体を環化させて得られるポリ
イミドの弾性率が3.8GPa以下、100℃から20
0℃の線熱膨張係数が40ppm/℃以上であり、ガラ
ス転移温度が280℃以下であり、上記B構造単位単独
のポリイミド前駆体を環化させて得られるポリイミドの
弾性率が6.5GPa以上であり、ガラス転移温度が3
20℃以上、線熱膨張係数が40ppm/℃以下、弾性
率が6.5GPa以上であり、かつ上記A構造単位の繰
り返し単位が20〜80mol %の範囲に、上記B構
造単位の繰り返し単位が80〜20mol %の範囲に
ある。)を用いることができる。上記A構造単位の繰り
返し単位が80mol%超及び、20mol%未満で
は、弾性率4.5GPa以上10GPa以下であり、か
つ100℃から200℃の線熱膨張係数が25ppm/
℃以上45ppm℃以下、熱機械試験機(TMA)によ
って測定したガラス転移温度(Tg)が240℃以上、
300℃以下というバランスを取れないので好ましくな
い。上記B構造単位の繰り返し単位が80mol%超、
及び20mol%未満では、 弾性率4.5GPa超1
0GPa以下であり、かつ100℃から200℃の線熱
膨張係数が25ppm/℃以上45ppm/℃以下、熱
機械試験機(TMA)によって測定したガラス転移温度
(Tg)が240℃以上、300℃以下というバランス
を取れないので好ましくない。
【0030】ポリイミド前駆体に感光性基を導入する場
合の方法としては、例えばポリイミド前駆体の側鎖に、
エステル結合、アミド結合、尿素結合等の共有結合によ
り、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等を
導入する方法、ポリイミド前駆体のカルボキシル基に、
アミノ基と感光性基とを有する化合物をイオン結合で導
入する方法などが挙げられる。エステル結合を介して感
光性基を導入するために用いられるアルコール類の具体
的な好ましい例としては、2−メタクリロイルオキシエ
チルアルコール、2―アクリロイルオキシエチルアルコ
ール、1−アクリロイルオキシ−2−プロピルアルコー
ル、2−メタクリルアミドエチルアルコール、2−アク
リルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン
及び2−ヒドロキシエチルビニルケトン等を挙げること
ができる。これらのアルコール類は1種あるいは2種以
上を混合して用いることができる。これらのオレフィン
性二重結合を有する感光基は40mol%以上である必
要がありそれ以下では、パターニング性が悪くなるので
好ましくない。また、特開平6―80776号公報に記
載のように、上記のアルコールに一部混合してメチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール及びアリルアルコールなど
を用いることもできる。また、アルカリ溶解性を持たせ
るために、感光性基を一部水素に置換することもでき
る。イオン結合で感光性基を導入するために用いられる
化合物としては、2−(N、N、ジメチルアミノ)エチ
ルアクリレート、2−(N、N、ジメチルアミノ)エチ
ルメタクリレート、3−(N、N、ジメチルアミノ)プ
ロピルアクリレート、3−(N、N、ジメチルアミノ)
プロピルメタクリレート、4−(N、N、ジメチルアミ
ノ)ブチルアクリレート、4−(N、N、ジメチルアミ
ノ)ブチルメタクリレート、5−(N、N、ジメチルア
ミノ)ペンチルアクリレート、5−(N、N、ジメチル
アミノ)ペンチルメタクリレート、6−(N、N、ジメ
チルアミノ)ヘキシルアクリレート、6−(N、N、ジ
メチルアミノ)ヘキシルメタクリレート、2−(N、
N、ジメチルアミノ)エチルシンナメート、3−(N、
N、ジメチルアミノ)プロピルシンナメート、ソルビタ
ン酸−2−(N、N、ジメチルアミノ)エチル、ソルビ
タン酸−3−(N、N、ジメチルアミノ)プロピル、ソ
ルビタン酸−4−(N、N、ジメチルアミノ)ブチル、
2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタ
クリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−ア
ミノプロピルメタクリレート、4−アミノブチルアクリ
レート、4−アミノブチルメタクリレート、5−アミノ
ペンチルアクリレート、5−アミノペンチルメタクリレ
ート、6−アミノヘキシルアクリレート、6−アミノヘ
キシルメタクリレート、2−アミノエチルシンナメー
ト、3−アミノプロピルシンナメート、ソルビタン酸−
2−アミノエチル、ソルビタン酸−3−アミノプロピ
ル、ソルビタン酸−4−アミノブチルなどが挙げられ
る。これらを用いる場合、ポリマー成分中のカルボキシ
ル基に対して、0.1〜3当量配合することが好まし
く、0.5〜2.2当量配合することがより好ましい。
【0031】本発明の感光性を有する樹脂組成物の成分
として用いる光開始剤としては、例えばベンゾフェノ
ン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−
4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フ
ルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2、2’−ジエ
トキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、
2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサ
ントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘
導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル
−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、
ベンゾインベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘
導体、2、6−ジ(4’−ジアジドベンザル)−4−メ
チルシクロヘキサノン、2、6′−ジ(4’−ジアジド
ベンザル)シクロヘキサノン等のアジド類、1−フェニ
ル−1、2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボ
ニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−
(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキ
シム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−ベン
ゾイル)オキシム、1、3−ジフェニル−プロパントリ
オン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−
フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o
−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニル
グリシンなどのN−アリールグリシン類、ベンゾイルパ
ーオキシドなどの過酸化物類、芳香族ビイミダゾール
類、チタノセン類などが用いられるが、光感度の点でオ
キシム類が好ましい。これらの光重合開始剤の添加量は
前記のポリイミド前駆体100重量部に対し、1〜15
重量部が好ましい。
【0032】本発明の感光性を有する樹脂組成物におい
て用いる溶媒としては、溶解性の点で極性溶媒が用いら
れ、例えばN、N’−ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N、N’
−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、
α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿
素、1、3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N―シク
ロヘキシル−2−ピロリドンなどが好ましく用いられ
る。これらは単独または二種以上の組合せで用いること
ができる。これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、
ポリイミド前駆体100重量部に対し、100〜400
重量部の範囲で用いることができる。また、溶解性を損
なわない範囲でプロピレングリコールメチルエーテルア
セテート、乳酸エチル、エチレングリコールモノブチル
エーテルアセテート、2−ヒドロキシブタン酸メチル等
の補溶媒を、塗膜の平かつ性向上目的で用いることもで
きる。
【0033】本発明の感光性を有する樹脂組成物には、
前記したポリマー、光開始剤、溶媒の必須成分に加え、
光感度向上のために反応性炭素−炭素二重結合を有する
化合物を加えることもできる。このような化合物として
は、例えば1、6−ヘキサンジオールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジアクリレート、付加モル数2〜20のポリエチ
レングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール
ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
メチレンビスアクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド及び上記のアクリレートまたは相当するメタクリ
レート、メタクリルアミド等がある。これらの化合物
は、前駆体ポリマー100重量部当り、1〜50重量部
の範囲で添加するのが好ましい。
【0034】次に、本発明の感光性を有する樹脂組成物
には、光感度向上のための増感剤を添加することができ
る。このような増感剤としては、例えばミヒラーズケト
ン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、2、5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シ
クロペンタン、2、6−ビス(4’−ジエチルアミノベ
ンザル)シクロヘキサノン、2、6−ビス(4’−ジメ
チルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、
2、6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−
メチルシクロヘキサノン、4、4’−ビス(ジメチルア
ミノ)カルコン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)カ
ルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノ
ン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−
(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾ
チアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレ
ン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェ
ニルビニレン)イソナフトチアゾール、1、3−ビス
(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1、3−
ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3、
3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3
−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、
3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマ
リン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノク
マリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノ
クマリン、N−フェニル−N′−エチルエタノールアミ
ン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリル
ジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、
4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香
酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2
−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−
メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキ
サゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズ
チアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフ
ト(1、2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミ
ノベンゾイル)スチレン等が挙げられ、感度の点で、メ
ルカプト基を有する化合物と、ジアルキルアミノフェニ
ル基を有する化合物を組み合わせて用いることが好まし
い。これらは単独でまたは2ないし5種類の組み合わせ
で用いられ、その添加量は前記の前駆体ポリマー100
重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましい。
【0035】また、本発明の感光性組成物には、基材と
の接着性向上のため接着助剤を添加することもできる。
この接着助剤としては、例えばγ−アミノプロピルジメ
トキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリ
ジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプ
ロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリ
ルプロピル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキ
シシリル)プロピル〕フタルイミド酸、ベンゾフェノン
−3、3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プ
ロピルアミド)−4、4’−ジカルボン酸、ベンゼン−
1、4−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピ
ルアミド)−2、5−ジカルボン酸等が用いられる。こ
れらの接着助剤の添加量は前記の前駆体ポリマー100
重量部に対し、0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0036】また、本発明の感光性を有する樹脂組成物
には、保存時の組成物溶液の粘度や光感度の安定性を向
上させるために熱重合禁止剤を添加することができる。
この熱重合禁止剤としては、例えばヒドロキノン、N−
ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテ
コール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミ
ン、エチレンジアミン四酢酸、1、2−シクロヘキサン
ジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、
2、6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノー
ル、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニト
ロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトー
ル、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプ
ロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニ
ルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−
N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩
等が用いられる。その添加量は前記の前駆体ポリマー1
00重量部に対し、0.005〜5重量部の範囲が好ま
しい。
【0037】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本願発明の範囲はこれらによって
限定されるものではない。なお、各例中の特性は以下の
ようにして測定した。 (1)残留応力の測定 5インチシリコンウエハーに実施例および比較例で得ら
れた樹脂組成物を硬化後の膜厚が約10μmとなるよう
に回転塗布し、350℃、2時間加熱して、ポリイミド
膜を得た。ただし、比較例7は物性値を改善するため4
50℃1時間キュアを行った。ポリイミド膜による基板
の曲率半径の変化を薄膜ストレス測定装置(FLX−2
320)を用いて測定した。そして下記式(2)を用い
て基板の曲率半径からポリイミドの膜の残留応力を求め
た。応力値は、30MPa以下であることが好ましい。
【0038】
【式2】
【0039】(2)耐薬品性試験 オルトジクロロベンゼン55重量%、フェノール25重
量%、アルキルベンゼンスルフォン酸20重量%溶液
(東京応化工業(株)製剥離液710)、およびプロピ
レングリコール55重量%、N−メチルピロリドン41
重量%、テトレメチルアンモニウムハイドロオキサイド
4重量%溶液(クラリアント(株)製AZ−300T)
を用い、シリコンウエハー上に形成したポリイミドパタ
ーンを、70℃で1時間浸漬した。水洗、乾燥後膜厚測
定と目視観察を行い、±3%以上の膜厚変動が見られる
もの、及びクラックが発生しているものを不良、膜厚変
動とクラック発生のないものを良好と判定した。
【0040】(3)耐水接着試験 熱処理後のシリコンウエハー上のポリイミド膜をプレッ
シャークッカー中で133℃、2kg/mm2 、100
%Rhの条件下に100時間保持したあと、50℃のオ
ーブン中で2時間乾燥後、シリコンウエハー上のポリイ
ミド膜にエポキシ樹脂接着剤(昭和高分子社製、アラル
ダイトスタンダード)を用いて、直径2mmのピンを接
合した。このサンプルを引取試験機(クワッドグループ
社製、セバスチャン5型)を用いて引き剥がし試験を行
った。 評価:引き剥がし強度 6kg/mm2 以上…接着力良好 6−4kg/mm2 …やや不良 4kg/mm2 未満…不良
【0041】(4)膜の弾性率の測定 (1)と同様にして得られたポリイミド膜をフッ化水素
酸によりウエハーから剥がしてポリイミドのテープを作
り、膜の弾性率をASTM−D−882−88に従って
測定した。 (5)膜のガラス転移温度と熱膨張係数の測定 ガラス転移温度、熱膨張係数は(4)と同様にして得ら
れたポリイミドのテープを用い、島津製作所製 熱機械
試験機(TMA−50型)を用い、昇温10℃/分、 2
00g/mm2 の荷重をかけて、 窒素雰囲気下で測定し
た。
【0042】(比較例1)2リットル容のセパラブルフ
ラスコに4、4’−オキシジフタル酸二無水物(ODP
A)159.9g、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA)138.1g及びγ−ブチロラクトン4
00gを入れ、室温攪拌下ピリジン81.5gを加え
た。発熱終了後室温まで放冷し16時間放置した後、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)208.4g
をγ−ブチロラクトン180gに溶かした溶液を氷冷
下、攪拌しながら40分間で加え、続いて4、4’−ジ
アミノジフェニルエーテル95.8gをγ−ブチロラク
トン350mlに懸濁したものを氷冷下、攪拌しながら
60分間で加えた。室温で2時間攪拌後、エチルアルコ
ール30mlを加えて1時間攪拌し、γ−ブチロラクト
ン400mlを加えた後、沈殿をろ過により除いて得ら
れた反応液を3リットルのエチルアルコールに加え、生
成した沈殿をテトラヒドロフラン1.5リットルに溶解
して28リットルの水に滴下し、得られた粉末を濾別し
た後、真空乾燥してポリマー粉末を得た。
【0043】(比較例2−9)以下の表1(比較例2−
9は、No.2−9に対応する。)に示したテトラカル
ボン酸二無水物類(TCD)の種類と量、HEMAの
量、DCCの量、ジアミン類(DA)の種類と量で、比
較例1と同様にしてポリマー粉末を得た。 (比較例10)NMP溶媒に重量比20%の個体の溶液
として重合体を調製した。NMP溶媒に、DADPE9
5.8gを攪拌溶解後、ODPA 159.9gを添加
し、40℃の条件下8時間攪拌して重合体を調製した。 (比較例11−15)以下の表1(比較例11−15
は、No.11−15に対応する。)に示したTCDの
種類と量、DAの種類と量を用い、比較例10と同様に
してポリマー粉末を得た。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例1−6)以下の表2(実施例1−
6は、No.1−6に対応する。)に示したTCDの種
類と量、HEMAの量、DCCの量、DAの種類と量を
用い、比較例1と同様にしてポリマー粉末を得た。
【0046】
【表2】
【0047】比較例1−15、実施例1−6で得られた
ポリマーを100g、ジフェニルプロパントリオン−2
−(o−エトキシカルボニル)オキシム4g、テトラエ
チレングリコールジメタクリレート4g、1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール2g、N−フェニルジエ
タノールアミン4g、N−[3−(トリエトキシシリ
ル)プロピル]フタルアミド酸3g、2−ニトロソ−1
−ナフトール0.02gをN−メチルピロリドン約15
0.0gに溶解し、N−メチルピロリドンを少量加えて
約40ポイズに粘度を調整して感光性を有する樹脂組成
物を調製した。樹脂組成物を5インチシリコンウエハー
上にスピン塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成さ
せた。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてi
線ステッパーNSR1755i7B(ニコン製)によ
り、300mJ/cm2のエネルギーを照射した。次い
でこのウエハーをシクロペンタノンにより現像機(大日
本スクリーン製造社製D−SPIN636型)でスプレ
ー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテ
ートでリンスしたところ、パターンが得られた。
【0048】このウエハーを昇温プログラム式キュア炉
(光洋リンドバーグ社製VF−2000型)を用いて、
窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて350℃で2
時間熱処理することにより5μm厚のポリイミドの硬化
パターンが得られた。ただし、比較例7は、物性値を改
善するため450℃1時間キュアを行った。得られた各
硬化パターンについて、パターン形状やパターン部の幅
を目視で観察し、解像度を求めた。各比較例、実施例に
おけるポリイミド膜の残留応力値、弾性率、熱膨張係
数、ガラス転移温度、パターン解像性、耐薬品性、耐水
接着性は以下の表3に示す。ガラス転移温度は、TMA
測定結果のプロファイルの第一変曲点とし、熱膨張係数
は、100℃から200℃の平均熱膨張係数を記載し
た。
【0049】
【表3】
【0050】(実施例7−16)比較例あるいは実施例
で得られたポリマーを以下の表4に示した量を混合して
用いる以外は実施例と同様にしてポリイミド膜を得た。
このポリイミド膜の残留応力値、弾性率、熱膨張係数、
ガラス転移温度、パターン解像性、耐薬品性、耐水接着
性は以下の表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】(比較例16)比較例7で得られた感光性
を有する樹脂組成物を硬化後の膜厚が5μm、10μ
m、30μmとなるように回転塗布し、450℃、1時
間加熱して、ポリイミド膜を得た。これを前述の方法に
て残留応力を求めたところ、膜厚増加に伴ない、残留応
力値が大きくなった(図1)。 (実施例17)実施例11で得られた感光性を有する樹
脂組成物を硬化後の膜厚が5μm、10μm、30μm
となるように回転塗布し、350℃、2時間加熱して、
ポリイミド膜を得た。これを前述の方法にて残留応力を
求めたところ、膜厚によらず応力値が一定の膜を得るこ
とが出来た(図2)。
【0053】(比較例17)シリコンウエハーの上にア
ルミの配線(図3−a)を取り付け、プラズマ法で窒化
ケイ素の膜(図3−b)を5000オングストローム形
成したものの上に、比較例2の感光性を有する樹脂組成
物を硬化後の膜厚が10μmになるように塗布し、前述
の方法によりパターニングし、硬化することによりポリ
イミド絶縁膜層(図3−c)を得た。さらに基板を切断
し、封止樹脂(図3−d)として住友ベークライト
(株)製のEME7530を用いてを用い、金型成型
し、その後、175℃で5時間のポストキュア条件で樹
脂封止を行い、半導体装置を得た(図3)。その後、8
5℃、85%湿度の条件下に366時間放置し、260
℃の半田バスに10s間浸漬した。このときのモールド
樹脂とポリイミド樹脂、あるいはポリイミド樹脂の剥
離、クラックの状況を超音波顕微鏡で観察したところ、
モールド樹脂とポリイミドの界面およびポリイミド内部
に剥離、クラックが観察された。
【0054】(実施例18)比較例17と同様の方法に
て、実施例11の感光性を有する樹脂組成物からなる半
導体装置を製造し、超音波顕微鏡で観察したところ、モ
ールド樹脂とポリイミドの界面およびポリイミド内部に
剥離、クラックが観察されなかった。 (実施例19)下層配線上に実施例11の感光性を有す
る樹脂組成物を前述の方法によりパターニングし、硬化
することによりポリイミド絶縁膜層(図4−a)を得
た。その後、上層銅配線層(図4−b)をスパッタリン
グおよび電解銅メッキ法などによって形成し、二層配線
構造を得、比較例17の方法により樹脂封止(図4−
c)を行い半導体装置を得た(図4)。さらに比較例1
7の方法により半導体装置の信頼性試験を行い、超音波
顕微鏡で観察したところ、クラック、剥離が発生しない
ことがわかった。
【0055】(実施例20)シリコンウエハーの上にア
ルミの配線を取り付け、プラズマ法で窒化ケイ素の膜を
5000オングストローム形成したものの上に、実施例
11の感光性を有する樹脂組成物を硬化後の膜厚が10
μmになるように塗布し、前述の方法によりパターニン
グし、硬化することによりポリイミド絶縁膜層(図5−
a)を得た。再配線(図5−b)を施した後、さらに第
二層目の保護膜(図5−c)として実施例11の感光性
樹脂組成物を硬化後の膜厚が15μmとなるように塗布
し、350℃で2時間のポストキュア条件で樹脂硬化を
行い、機能テストを行い半田バンプ(図5−c)を形成
した後切断し半導体装置を得た(図5)。その後、比較
例17と同様の方法にて半導体装置の信頼性試験を行い
超音波顕微鏡で観察したところ、ポリイミドの界面およ
びポリイミド内部に剥離、クラックが観察されなかっ
た。また、機能テストの結果も良好であった。 (参考例1)シリコン基板上に下部電極を作成後、実施
例1および比較例1、3、4、7に記載のポリイミド前
駆体をコーティングし、上部電極(主電極およびガード
電極)を形成したものをサンプルとして、ヒューレット
パッカー社製のHP4280を用いてシールドマイクロ
プローブ法にて誘電率を測定した結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【発明の効果】本発明の耐熱性有機高分子材料よりなる
膜は、前記式(1)のTgに相当する部分だけを下げ、
膜の弾性率や熱膨張率は通常値あるいは高い値とするパ
ラメーター設定をすることによって従来は得られなかっ
た低い残留応力を提供することができる。その結果とし
て、半導体装置に発生するクラック、剥離を著しく低減
でき信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
また、本発明で得られた耐熱性有機高分子材料よりなる
膜は、高い耐薬品性、高い耐水接着力、耐熱性、すぐれ
たリソグラフィー特性も兼ね備える。さらに、膜厚によ
る応力値の変動がない膜を提供することができる。本発
明の耐熱性有機高分子材料を応力吸収膜として用いるこ
とにより、従来より信頼性の高い半導体装置、多層配線
基板などの電子材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例7の感光性を有する樹脂組成物から得ら
れるポリイミドを膜厚に対して残留応力値をプロットし
たものである。
【図2】実施例11の感光性を有する樹脂組成物から得
られるポリイミドの膜厚に対して残留応力値をプロット
したものである。
【図3】下層配線層を形成した基板上に感光性を有する
樹脂組成物からなる塗膜を加熱硬化して得られたポリイ
ミド絶縁層を有する半導体装置の断面図である。
【図4】二層配線構造を有する半導体装置の断面図であ
る。
【図5】再配線型半導体装置の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 179/08 H01L 23/30 B 5F058 C09J 179/08 Fターム(参考) 4J038 DJ021 MA13 NA04 NA11 NA14 NA21 PA17 PB09 PC03 4J040 EH031 JB02 JB07 KA12 KA13 KA15 LA02 LA06 LA08 MA04 MB09 NA20 4M104 DD20 EE06 EE12 EE17 EE18 HH09 HH20 4M109 AA02 BA01 CA05 CA12 CA21 DB17 EA07 EA15 EC01 EC02 EC04 EC05 ED03 ED06 ED07 EE03 5F033 HH08 HH11 PP06 PP15 PP19 PP27 RR06 RR22 RR27 SS22 TT04 WW03 XX00 XX12 XX17 XX19 5F058 AA02 AA04 AD04 AD08 AD10 AD11 AF04 AG03 AH03 BA04 BA07 BC01 BC07 BD07 BD09 BF02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性率が4.5GPa以上10GPa以
    下であり、かつ100℃から200℃の線熱膨張係数が
    25ppm/℃以上45ppm/℃以下、熱機械試験機
    (TMA)によって測定したガラス転移温度(Tg)が
    240℃以上300℃以下であることを特徴とする耐熱
    性有機高分子材料と無機材料を積層してなる半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 耐熱性有機高分子材料がポリイミド膜で
    ある請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 ポリイミド膜が感光性ポリイミド前駆体
    組成物を用いてパターン形成されたものである請求項2
    記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 塗膜を加熱硬化したとき、弾性率が4.
    5GPa以上10GPa以下であり、かつ100℃から
    200℃の線熱膨張係数が25ppm/℃以上45pp
    m/℃以下、熱機械試験機(TMA)によって測定した
    ガラス転移温度(Tg)が240℃以上300℃以下で
    ある耐熱性有機高分子膜を与えることを特徴とする樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 塗膜を加熱硬化したとき、弾性率が3.
    8GPa以下、100℃から200℃の線熱膨張係数が
    40ppm/℃以上であり、ガラス転移温度が280℃
    以下となる耐熱性有機高分子を20から80重量%と、
    弾性率が6.5GPa以上であり、ガラス転移温度が3
    20℃以上、線熱膨張係数が40ppm/℃以下となる
    耐熱性有機高分子を80から20重量%含む請求項4記
    載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 下記一般式(I)のポリイミド前駆体 【化1】 (式中、Xは4価の有機基である。Yは2価の有機基で
    あり、Rはオレフィン性二重結合を有する一価の感光性
    基または水素、またはアルキル基であり、Rの合計数の
    うち少なくとも40モル% 以上がオレフィン性二重結合
    を有する感光性基である)と光開始剤、溶媒からなる請
    求項5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 下記一般式(II)の繰り返し単位を有
    するポリイミド前駆体 【化2】 (式中、X1 、X2 は4価の有機基であって、Y1 、Y
    2 は2価の有機基であり、Rはオレフィン性二重結合を
    有する一価の感光性基または水素、またはアルキル基で
    あり、Rの合計数のうち少なくとも40モル% 以上が
    オレフィン性二重結合を有する感光性基であり、上記一
    般式(II)のポリイミド前駆体は上記A構造単位と上
    記B構造単位からなる共重合体のポリイミド前駆体であ
    り、上記A構造単位単独のポリイミド前駆体を環化させ
    て得られるポリイミドの弾性率が3.8GPa以下、1
    00℃から200℃の線熱膨張係数が40ppm/℃以
    上であり、ガラス転移温度が280℃以下であり、上記
    B構造単位単独のポリイミド前駆体を環化させて得られ
    るポリイミドの弾性率が6.5GPa以上であり、ガラ
    ス転移温度が320℃以上、線熱膨張係数が40ppm
    /℃以下、弾性率が6.5GPa以上であり、かつ上記
    A構造単位の繰り返し単位が20〜80mol %の範囲
    に、上記B構造単位の繰り返し単位が80〜20mol %
    の範囲にある。)と光開始剤、溶媒を含む請求項4記載
    の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 耐熱性有機高分子組成物溶液を基材に
    塗布、乾燥する工程、活性光線または化学線を用いて
    塗膜を露光し、続いて現像することによりパターンを得
    る工程、パターン化された塗膜を加熱して硬化パター
    ンを得る工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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