JP2001110461A - 亜鉛−臭素電池 - Google Patents

亜鉛−臭素電池

Info

Publication number
JP2001110461A
JP2001110461A JP28740299A JP28740299A JP2001110461A JP 2001110461 A JP2001110461 A JP 2001110461A JP 28740299 A JP28740299 A JP 28740299A JP 28740299 A JP28740299 A JP 28740299A JP 2001110461 A JP2001110461 A JP 2001110461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
separator
cylindrical
zinc
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28740299A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Ando
保雄 安藤
Hironori Oba
裕規 大場
Masayuki Nishizaki
賢之 西崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP28740299A priority Critical patent/JP2001110461A/ja
Publication of JP2001110461A publication Critical patent/JP2001110461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な臭化亜鉛濃度に保つことができ、設計
性およびメンテナンス性が良好で簡略化された円筒型の
亜鉛−臭素電池を提供する。 【解決手段】 炭素から成り円筒状の容器に成形された
円筒型電極11を用い、その円筒型電極11内には、そ
の内周面と所定間隔を隔てて位置するように、円筒状で
一端側の開口部が封止されるセパレータ12を設ける。
前記セパレータ12内には、そのセパレータ12の内周
面と所定間隔を隔てて位置するように、棒型に成形され
炭素から成る棒型電極13を設ける。前記セパレータ1
2と棒型電極13との間または前記円筒型電極11とセ
パレータ12との間には、電極補助材を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液静止型の亜
鉛−臭素電池で、円筒型に構成された亜鉛−臭素電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に知られている電解液循環型の亜
鉛−臭素電池(以下、循環型電池と称する)の電極は主
にバイポーラ型(中間電極)とし、その中間電極とセパ
レータとを重ねて成る単電池(単セル)を複数個電気的
に直列に積層して成る電池ユニット(電池本体)、電解
液タンク、前記電池本体と電解液タンクとの間に電解液
(正極用電解液,負極用電解液)を循環させるためのポ
ンプ、配管(マニホールド等)系等により構成される。
正極用電解液および負極用電解液は、臭化亜鉛と臭素錯
化物(QBr;臭素コンプレックス)との混合水溶液か
ら成る。なお、前記中間電極およびセパレータ板は、矩
形状のものが用いられている。また、前記中間電極およ
びセパレータ板の枠体には、絶縁性のものが用いられ
る。
【0003】図6は、一般的に知られた循環型電池(単
電池を3個積層した場合)の動作原理図を示すものであ
る。図6において、符号61は中間電極を示すものであ
り、絶縁性を有する枠体61aに電極板61bを設けて
成る。符号62aは正極62aaを設けた端板電極を示
し、符号62bは負極62bbを設けた端板電極を示す
ものであり、それぞれ集電極板(電気取り出し部分)か
ら成っている。
【0004】中間電極61の正極側および正極62aに
は正極室63a、中間電極61の負極側および負極62
bには負極室63bがそれぞれ設けられる。符号64は
セパレータ板を示すものであり、絶縁性を有する枠体6
4aに多孔質のセパレータ本体64bを設けて成る。こ
のセパレータ板64により前記正極室63aと負極室6
3bとが仕切られる。
【0005】符号65aは正極側の電解液タンク、符号
65bは負極側の電解液タンクを示すものであり、それ
ぞれ正極用電解液、負極用電解液が貯蔵されている。正
極用電解液は、ポンプ66a,正極用配管67a1(排
出側),正極マニホールド68a1を介して正極室63
a内に循環される。その正極室63a内に循環された正
極用電解液は、正極マニホールド68a2,正極用配管
67a2(帰還側)を介して電解液タンク65aに帰還
する。なお、図6中の符号69は四方コックを示すもの
である。負極用電解液は、ポンプ66b,負極用配管6
7b1(排出側),負極マニホールド68b1を介して負
極室63b内に循環される。その負極室63b内に循環
された負極用電解液は、負極マニホールド68b2,負
極用配管67b2(帰還側)を介して電解液タンク65
bに帰還する。
【0006】前記電極板61a,正極62aa,負極6
2bbの電極材料としては、ポリエチレン,導電性を付
与するカーボンブラック,グラファイトを適宜混合およ
び成形して得たものが用いられる。また、正極62a
a,電極板61aの正極側表面には、臭素の反応過電圧
を低減させるために、熱圧着によりカーボンクロスが張
り付けられる。
【0007】以上示したように構成する循環型電池を充
放電させた際、正極側および負極側で起こる化学反応を
下記の化学式に示す。
【0008】 充電時…正極側:2Br-→Br2+2e-,負極側:Zn2++2e-→Zn … … (1) 放電時…正極側:2Br-←Br2+2e-,負極側:Zn2++2e-←Zn … … (2) 前記化学式に示すように、充電時に正極側で臭素が発生
し、負極側の亜鉛と速やかに反応して自己放電を起こ
し、電池の容量が低下する恐れがある。そのため、セパ
レータ本体64bにより、前記のような自己放電を防止
するようにしている。このセパレータ本体64bには、
一般的にポリオレフィン系の微細多孔質膜が用いられ、
イオン電導を確保しつつ臭素の移動を抑えることができ
る。
【0009】充電時に負極側で発生する臭素において
は、負極用電解液に含有する臭素錯化剤(例えば、四級
アンモニウム塩)と反応してオイル状の臭素錯体(臭素
コンプレックス)65aaとなり、電解液タンク65a
の底に貯蔵される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図6に示したような循
環型電池を充放電する場合、ポンプによって常に電解液
を電池本体内に循環させているが、例えば以下に示す
(a)〜(e)のような問題が起こる。
【0011】(a)電解液を循環させるポンプ等の補機
が用いられるため補機エネルギーが必要となり、その循
環型電池全体のエネルギー効率が低下してしまう。特
に、低電力で長時間充放電する場合、エネルギー効率は
急激に低下してしまう。
【0012】(b)補機の増加に伴って、循環型電池に
おける故障の確率が増加する。
【0013】(c)電解液循環用の配管(例えば、図6
に示す正極用配管67a1,67a2および負極用配管6
7b1,67b2)が必要であるが、その配管の組み立て
は複雑であり、配管故障による液漏れが起こる恐れもあ
る。
【0014】(d)電池本体が故障した場合、循環型電
池全体を解体してから修理する必要があり、メンテナン
ス性が欠ける。
【0015】(e)電池本体のシール性を確保するため
に、その電池本体の構成部材(例えば、中間電極61お
よびセパレータ64)において成形精度が要求され、大
型化に対応することが困難である。
【0016】前記のような問題を解決する亜鉛−臭素電
池として、電解液を循環させずに動作させることが可能
な電解液静止型の亜鉛−臭素電池(以下、液静止型電池
と称する)の開発が行われているが、この液静止型電池
においては、例えば以下に示す(f)〜(h)ような問
題があった。
【0017】(f)亜鉛−臭素電池に用いられる電解液
の臭化亜鉛濃度の適性値は略1mol/dm3〜3mo
l/dm3であり、その臭化亜鉛濃度が適性値の範囲を
超えてしまうと電解液の抵抗が著しく上昇し、亜鉛−臭
素電池としての機能を果たせなくなる。
【0018】(g)亜鉛−臭素電池の電池抵抗を抑える
ために、その電池構造を可能な限り薄肉にしなければな
らない。
【0019】(h)電池容量を実用的に十分にするた
め、活物質として臭化亜鉛を十分に添加しなければなら
ない。
【0020】前記の(f)〜(h)を考慮すると共に、
臭化亜鉛濃度を適切にする事と電池容量を大きくする事
とを両立するために、一般的には循環型電池が多く採用
されている。
【0021】図6に示したような循環型電池の臭素極
側、すなわち正極側には、臭素の反応性を低下させオイ
ル状の臭素錯化合物を形成させるための臭素錯化剤が添
加されているが、充電時に発生する臭素は臭素化合物と
して電解液タンクに貯蔵され、放電時に電極表面(例え
ば、図6に示す正極62aaおよび電極板61aの正極
側の表面)にて臭素イオンに還元される。
【0022】その際、臭素錯化合物は、通常の電解液の
密度と比較して高いため、電池の上方(例えば、図6に
示す電解液タンク65aの上方)から導入され、その電
池の下方(例えば、図6に示す電解液タンク65aの下
方)から排出される。このため、液静止型電池のように
循環型電池ではない場合、その電池の底部に臭素錯化合
物が沈殿してしまい、電池の反応面積を有効に利用する
ことができなかった。
【0023】本発明は、前記課題に基づいて成されたも
のであり、液静止型電池において、適切な臭化亜鉛濃度
に保つことができ、設計性およびメンテナンス性が良好
で簡略化された亜鉛−臭素電池を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るために、第1発明は亜鉛−臭素電池において、
炭素から成り円筒状の容器に成形された円筒型電極を正
極として用いる。前記円筒型電極内には、その内周面と
所定間隔を隔てて位置するように、円筒状で一端側の開
口部が封止されるセパレータを設ける。前記セパレータ
内には、そのセパレータの内周面と所定間隔を隔てて位
置するように、負極として棒型に成形され炭素から成る
棒型電極を設ける。そして、前記セパレータと棒型電極
との間に電解液を充填し、前記円筒型電極とセパレータ
との間に電極補助材を充填して構成したことを特徴とす
る。
【0025】第2発明は、前記第1発明において、前記
円筒型電極を負極,前記棒型電極を正極として用い、前
記セパレータと棒型電極との間に電極補助材を充填し、
前記円筒型電極とセパレータとの間に電解液を充填して
構成したことを特徴とする。
【0026】第3発明は、前記第1発明において、前記
棒型電極は、その棒型電極内に電解液を充填することが
可能な中空部を有することを特徴とする。
【0027】第4発明は、前記第1乃至第3発明におい
て、前記電極補助材は、カーボンブラック,グラファイ
ト,シリカのうち1種類以上を電解液に添加して成るこ
とを特徴とする。
【0028】第5発明は、前記第4発明において、前記
電極補助材は、カーボンブラックまたはシリカを電解液
100cm3当たり7g以上添加することを特徴とす
る。
【0029】第6発明は、前記第4発明において、前記
電極補助材は、グラファイトを電解液100cm3当た
り50g以上添加することを特徴とする。
【0030】第7発明は、前記第1乃至第6発明におい
て、前記電解液は、臭化亜鉛水溶液に4級アンモニウム
塩を添加すると共に、必要に応じて塩化アンモニウム,
塩化ナトリウム,塩化カリウム等を添加したことを特徴
とする。
【0031】第8発明は、前記第1乃至第7発明におい
て、前記セパレータは、矩形平板状の微細多孔質膜にお
ける一端面で一短辺側にポリオレフィンから成る溶着部
材を溶着し、その微細多孔質膜における他端面で前記溶
着部材と対向する短辺側にもポリオレフィンから成る溶
着部材を溶着し、前記微細多孔質膜を湾曲させて円筒状
にして、前記の2つの溶着部材を互いに重ね合わせ溶着
して成ることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0033】一般的に知られている液静止型電池では、
例えば平板型,円筒型等に構成されたものが知られてい
るが、その正極に用いられる炭素材料において、充電時
に正極側にて発生する臭素錯化合物をトラップさせるの
に適した材料および組成が不明であった。また、円筒型
の液静止型電池の場合、そのセパレータ(例えば、セパ
レータ本体)を円筒型に成形する必要があるが、現在で
は平膜状のセパレータを円筒型にする技術がなかった。
さらに、円筒型の液静止型電池の場合、その電池構成,
形状において具体的なものがなかった。
【0034】そこで、本実施の形態では、図1に示すよ
うに液静止型電池(詳細を後述する)を構成し、その構
成材料,電池構造を種々変化させると共に電池特性を調
べることにより、適切な臭化亜鉛濃度に保つことがで
き、設計性およびメンテナンス性が良好で簡略化された
亜鉛−臭素電池を検討した。
【0035】図1は、本実施の形態における液静止型電
池の概略断面図を示すものである。図1において、符号
11は円筒型で炭素製の容器から成る電極(以下、円筒
型電極と称する)、符号12は外径が円筒型電極11の
内径よりも小さい円筒型のセパレータを示すものであ
る。なお、前記セパレータ12の一端面は、前記円筒型
電極11内の底部に接している、または前記セパレータ
12の一端面側の開口部は底板(図示省略)で封止され
ているものとする。符号13は前記セパレータ12内に
配置される棒型の電極(以下、棒型電極と称する)を示
すものであり、前記セパレータ12に対して直に接触し
ないように配置される。前記セパレータ12と正極(円
筒型電極11または棒型電極13)との間には、臭素錯
化合物をトラップするための電極補助材が充填される。
【0036】図1に示した液静止型電池において、電極
補助材には、電子伝導性を持たせて電極の役割をさせる
と共に活物質を保持させる必要がある。そのため、電子
伝導性を付与する材料として、活性炭素繊維,カーボン
ブラック,グラファイト,微細シリカ(電解液(活物
質)を保持するもの)を混合して粉体を得、その粉体に
電解液を含侵させてゲル状またはペースト状にしたもの
を電極補助材として用いる。
【0037】電解液には、亜鉛−臭素電池の活物質であ
る臭化亜鉛の水溶液が用いられ、その臭化亜鉛の水溶液
には、臭素とポリブロマイドとを形成するための4級ア
ンモニウム塩を添加する。また、電解液の電導度を向上
させるために、塩化アンモニウム,塩化ナトリウム,塩
化カリウム等を添加する場合もある。
【0038】正極(炭素電極;円筒型電極11または棒
型電極13)は、電極であると共に電極補助材中の電気
化学反応により得た電気を集める、すなわち集電体の役
割をする。
【0039】次に、以下に示す第1〜第6実施例によ
り、電極補助材の組成,セパレータの成形方法,電極材
質,電池構造の改良を検討した。
【0040】(第1実施例;電極補助材の検討)電極補
助材は、その形状をペースト状あるいはゲル状にするこ
とにより、発生した臭素錯化合物を電極補助材中に取り
込むことができる。そこで、下記表1に示すように、1
00cm3の電解液に対しそれぞれ所定量のカーボン
(カーボンブラック,グラファイト,活性炭),シリカ
を加えて電極補助材S1〜S12を作製し、それら電極
補助材S1〜S12の形状を調べた。その結果を同じく
下記表1に示した。
【0041】なお、前記電解液には、2.5mol/d
3のZnBr2と、0.75mol/dm3のメチル・
エチル・ピロリジニウムブロミドと、1mol/dm3
のNH 4Clとから成る水溶液(以下、電解液Lと称す
る)を用いた。また、カーボンブラックには三菱化学製
のケッチェンブラックEC、シリカには日本シリカ製の
LP、グラファイトには光和製のキッシュグラファイト
を用いた。さらに、下記表1中の記号において、記号
「〇」は電極補助材の形状がペースト状あるいはゲル状
になった場合、記号「×」は電極補助材の形状がペース
ト状あるいはゲル状にならなかった場合を示すものとす
る。
【0042】
【表1】
【0043】前記表1に示す結果から、カーボンブラッ
クまたはシリカを添加した電極補助材の場合、その電極
補助材をペースト状にするために必要な電解液に対する
カーボンブラック,シリカの混合比はそれぞれ略同様で
あり、電解液100cm3に対してカーボンブラックま
たはシリカを7gより多く添加する必要があることを判
明した。また、グラファイトのみ添加した電極補助材に
おいては、その電極補助材をペースト状にするために、
電解液100cm3に対してグラファイトを50gより
多く添加する必要があることを判明した。
【0044】(第2実施例;セパレータの製造方法の検
討)円筒型のセパレータの材料として、一般的なポリオ
レフィン系の微細多孔質膜を用いることができる。この
場合、円筒型のセパレータを製造するには、ブロー成形
法,射出成形法,押し出し成形法などを用いることがで
きるが、樹脂(セパレータに用いる材料)の性質を考慮
すると、ブロー成形法または押し出し成形法を用いるこ
とが好ましい。
【0045】平板状の膜から円筒型のセパレータを製造
する場合、図2A(平面図)の説明図に示すように、ま
ず矩形平板状の微細多孔質膜21における一端面で一短
辺側に、ポリオレフィンから成る短冊状の溶着部材22
aを溶着する。また、微細多孔質膜21における他端面
で前記溶着部材22aと対向する短辺側に、ポリオレフ
ィンから成る短冊状の溶着部材22bを溶着する。そし
て、図2B(概略図)に示すように、前記溶着部材22
aと22bとを重ね合わせるように前記微細多孔質膜2
1を湾曲させて円筒状にし、前記溶着部材22aと22
bとを互いに溶着することにより、円筒型のセパレータ
23を完成させる。
【0046】前記セパレータ23の一端面側開口部に底
板(図示省略)を設けるには、その底板が塩化ビニル等
から成る場合(接着剤を使用できる場合)、接着剤を用
いて底板を設ける。また、底板がポリオレフィン等から
成る場合(接着剤を使用できない場合)には、溶着によ
り底板を設ける。
【0047】(第3実施例;電極材質の検討)液静止型
電池の電極(正極および負極)に用いられる材質には、
亜鉛−臭素電池の性質を考慮すると耐臭素性であること
が要求されるため、前記電極に金属材料等を用いること
はできない。このため、前記電極には、カーボン系の材
料、またはカーボンを混練させたカーボンプラスチック
材料が適している。液静止型電池の内部に用いられる棒
型電極の場合、集電性を考慮すると、緻密なカーボン材
料が適している。また、液静止型電池の外周側で容器と
して用いられる円筒型電極の場合、カーボンのみを用い
ても良いが、成形性を考慮するとカーボンプラスチック
が適している。
【0048】(第4実施例;電池構造の検討)図3は、
第4実施例における液静止型電池の概略断面図を示すも
のである。図3において、符号31は、円筒状部材31
aの一端側の開口部に円板状部材31bを形成して成
り、負極として用いられる円筒型電極を示すものであ
る。その円筒型電極31内の底部には、その底部表面を
覆うように円板状の絶縁キャップ32a(底蓋)が設け
られる。前記絶縁キャップ32上の中央部には円柱状で
正極として用いられる棒型電極33が設けられ、その棒
型電極33の一端面中央部には突出部33aが形成され
る。
【0049】符号34は、前記円筒型電極31と前記棒
型電極33との間に設けられる円筒状のセパレータを示
すものであり、そのセパレータ34の一端面側は前記絶
縁キャップ32の外周部を貫通し、前記円筒型電極31
内底部と接触する。このため、前記絶縁キャップ32
は、前記セパレータ34の一端面側開口部を封止する底
板の役割をする。符号35は、前記円筒型電極31の開
口部側に設けられる円板状の絶縁キャップを示すもので
あり、その絶縁キャップ35の中央部には前記突出部3
3aを貫通させることが可能な孔35aが穿設される。
【0050】符号36aは円筒型電極31用の集電部
材、符号36bは棒型電極33用の集電部材を示すもの
である。前記円筒型電極31とセパレータ34との間に
形成された空間37には負極用の電解液が充填され、前
記セパレータ34と棒型電極33との間に形成された空
間38には正極用の電解液すなわち正極用電極補助材が
充填される。
【0051】次に、図3に示した液静止型電池で、電解
液として第1実施例に示した電解液Lを用い正極用電極
補助材として表1に示した電極補助材S6を用いて充放
電させ、電池効率(電圧効率,電流効率,エネルギー効
率)を測定して電池性能試験を行い、その試験結果を下
記表2に示した。
【0052】なお、図3に示す液静止型電池において、
円筒型電極31(有効部)は内径が61mm,深さ(軸
方向の長さ)が50mmの容器(ガラス状カーボン容
器)から成るものとし、棒型電極33(有効部)の直径
は30mm,長さ(軸方向の長さ)は47mmとし、セ
パレータ34の厚さ(膜厚)は0.8mmとする。円筒
型電極31内周面とセパレータ34外周面との間の間隔
は0.8mmとし、棒型電極33外周面とセパレータ3
4内周面との間の間隔は13.9mmとする。また、充
電は円筒型電極31面積における電流密度換算10mA
/cm3で行い、放電も同様とした(電流0.98
A)。
【0053】
【表2】
【0054】表2に示すように、高い電圧効率,電流効
率,エネルギー効率が得られたことから、図3に示した
ような液静止型電池が十分運用可能であることを確認で
きた。なお、図3に示した液静止型電池において、2.
3時間(充電電気量2.25Ah)以上の充電を試みた
が、充電電圧上昇により不可能であった。
【0055】(第5実施例;電池構造の検討)図4は、
第5実施例における液静止型電池の概略断面図を示すも
のである。なお、図3に示すものと同様なものには同一
符号を付して、その詳細な説明を省略する。図4におい
て、符号41は、円筒型電極31と棒型電極33との間
に設けられる円筒状のセパレータを示すものであり、そ
のセパレータ41の一端面側は前記絶縁キャップ32の
外周部を貫通し、前記円筒型電極31内の底部と接触す
る。前記セパレータ41の内径は、図3に示したセパレ
ータ34の内径と比較して短くなっている。
【0056】図4中の円筒型電極31は正極として用
い、棒型電極33は負極として用いられる。前記円筒型
電極31とセパレータ41との間に形成された空間42
には正極用の電解液すなわち正極用電極補助材が充填さ
れ、前記セパレータ41と棒型電極33との間に形成さ
れた空間43には負極用の電解液が充填される。
【0057】次に、図4に示した液静止型電池で、電解
液として第1実施例に示した電解液Lを用い正極用電極
補助材として表1に示した電極補助材S6を用いて充放
電させ、電池効率(電圧効率,電流効率,エネルギー効
率)を測定して電池性能試験を行い、その試験結果を下
記表3に示した。
【0058】なお、図4に示す液静止型電池において、
円筒型電極31(有効部)の内径は61mm,深さ(軸
方向の長さ)は50mmとし、棒型電極33(有効部)
の直径は30mm,長さ(軸方向の長さ)は47mmと
し、セパレータ41の厚さ(膜厚)は0.8mmとす
る。円筒型電極31内周面とセパレータ41外周面との
間の間隔は13.9mmとし、棒型電極33外周面とセ
パレータ41内周面との間の間隔は0.8mmとする。
また、充電は円筒型電極31面積における電流密度換算
10mA/cm3で行い、放電も同様とした(電流0.
44A)。
【0059】
【表3】
【0060】表3に示すように、高い電圧効率,電流効
率,エネルギー効率が得られたことから、図4に示した
ような液静止型電池が十分運用可能であることを確認で
きた。なお、図4に示した液静止型電池において、6時
間(充電電気量2.2Ah)以上の充電を試みたが、充
電電圧上昇により不可能であった。
【0061】(第6実施例;電池構造の検討)図5は、
第6実施例における液静止型電池の概略断面図を示すも
のである。なお、図4に示すものと同様なものには同一
符号を付して、その詳細な説明を省略する。図5におい
て、符号51は、円柱状で負極として用いられる棒型電
極を示すものであり、その棒型電極51の中心部には電
解液を充填することが可能な円柱状の中空部51aが形
成される。また、前記棒型電極51の一端面中央部には
突出部51bが形成される。図5中の円筒型電極31は
正極として用いられる。
【0062】前記円筒型電極31とセパレータ41との
間に形成された空間42には正極用の電解液すなわち正
極用電極補助材が充填され、前記セパレータ41と棒型
電極51との間に形成された空間43および中空部51
aには負極用の電解液が充填される。
【0063】次に、図5に示した液静止型電池で、電解
液として第1実施例に示した電解液Lを用い正極用電極
補助材として表1に示した電極補助材S6を用いて充放
電させ、電池効率(電圧効率,電流効率,エネルギー効
率)を測定して電池性能試験を行い、その試験結果を下
記表4に示した。
【0064】なお、図5に示す液静止型電池において、
円筒型電極31(有効部)の内径は61mm,深さ(軸
方向の長さ)は50mmとし、棒型電極51(有効部)
の直径(外径)は42mm,長さ(軸方向の長さ)は4
7mmとし、その棒型電極51の中空部51aの直径は
32mmとし、セパレータ41の厚さ(膜厚)は0.8
mmとする。円筒型電極31内周面とセパレータ41外
周面との間の間隔は7.9mmとし、棒型電極51外周
面とセパレータ41内周面との間の間隔は0.8mmと
する。また、充電は円筒型電極31面積における電流密
度換算10mA/cm3で行い、放電も同様とした(電
流0.78A)。
【0065】
【表4】
【0066】表4に示すように、高い電圧効率,電流効
率,エネルギー効率が得られたことから、図5に示した
ような液静止型電池が十分運用可能であることを確認で
きた。また、図5に示した液静止型電池は充電電気量3
Ah以上の充電が可能であったことから、負極として用
いた棒型電極に中空部を形成し、その中空部に電解液を
充填することは、電池の充電電気量を増加させるのに有
効であることが確認できた。
【0067】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば、循環
型電池のように電解液を循環させる補機が必要ではない
ため、電池のエネルギー効率を向上させることが可能と
なる。また、前記のような補機を用いないため、複数個
の単セルを用いた群電池を自由な設計で容易に構成する
ことができると共に、そのメンテナンス性を向上させる
ことが可能となる。さらに、本発明の液静止型電池は導
電性の炭素を用いて成るため放熱性が良好であり、冷却
する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における液静止型電池の概
略断面図。
【図2】本実施の形態におけるセパレータの製造方法を
示す説明図。
【図3】第4実施例における液静止型電池の概略断面
図。
【図4】第5実施例における液静止型電池の概略断面
図。
【図5】第6実施例における液静止型電池の概略断面
図。
【図6】一般的に知られている電解液循環型の亜鉛−臭
素電池の動作原理図。
【符号の説明】
11,31…円筒型電極 12,34,41…セパレータ 13,33,51…棒型電極 51a…中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西崎 賢之 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 5H021 BB11 CC14 EE04 5H032 AA04 AS03 BB04 CC16 EE01 EE02 HH02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素から成り円筒状の容器に成形された
    円筒型電極を正極として用い、 前記円筒型電極内には、その内周面と所定間隔を隔てて
    位置するように、円筒状で一端側の開口部が封止される
    セパレータを設けて、 前記セパレータ内には、そのセパレータの内周面と所定
    間隔を隔てて位置するように、負極として棒型に成形さ
    れ炭素から成る棒型電極を設け、 前記セパレータと棒型電極との間に電解液を充填し、前
    記円筒型電極とセパレータとの間に電極補助材を充填し
    て構成したことを特徴とする亜鉛−臭素電池。
  2. 【請求項2】 前記円筒型電極を負極,前記棒型電極を
    正極として用い、前記セパレータと棒型電極との間に電
    極補助材を充填し、前記円筒型電極とセパレータとの間
    に電解液を充填して構成したことを特徴とする請求項1
    記載の亜鉛−臭素電池。
  3. 【請求項3】 前記棒型電極は、その棒型電極内に電解
    液を充填することが可能な中空部を有することを特徴と
    する請求項1記載の亜鉛−臭素電池。
  4. 【請求項4】 前記電極補助材は、カーボンブラック,
    グラファイト,シリカのうち1種類以上を電解液に添加
    して成ることを特徴とする請求項1乃至3記載の亜鉛−
    臭素電池。
  5. 【請求項5】 前記電極補助材は、カーボンブラックま
    たはシリカを電解液100cm3当たり7g以上添加す
    ることを特徴とする請求項4記載の亜鉛−臭素電池。
  6. 【請求項6】 前記電極補助材は、グラファイトを電解
    液100cm3当たり50g以上添加することを特徴と
    する請求項4記載の亜鉛−臭素電池。
  7. 【請求項7】 前記電解液は、臭化亜鉛水溶液に4級ア
    ンモニウム塩を添加すると共に、必要に応じて塩化アン
    モニウム,塩化ナトリウム,塩化カリウム等を添加した
    ことを特徴とする請求項1乃至6記載の亜鉛−臭素電
    池。
  8. 【請求項8】 前記セパレータは、矩形平板状の微細多
    孔質膜における一端面で一短辺側にポリオレフィンから
    成る溶着部材を溶着し、その微細多孔質膜における他端
    面で前記溶着部材と対向する短辺側にもポリオレフィン
    から成る溶着部材を溶着し、前記微細多孔質膜を湾曲さ
    せて円筒状にして、前記の2つの溶着部材を互いに重ね
    合わせ溶着して成ることを特徴とする請求項1乃至7記
    載の亜鉛−臭素電池。
JP28740299A 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池 Pending JP2001110461A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28740299A JP2001110461A (ja) 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28740299A JP2001110461A (ja) 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001110461A true JP2001110461A (ja) 2001-04-20

Family

ID=17716883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28740299A Pending JP2001110461A (ja) 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001110461A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017142990A1 (en) * 2016-02-17 2017-08-24 Eos Energy Storage, Llc Halogen-based electrolyte containing carbon
JP2019511097A (ja) * 2014-10-06 2019-04-18 エオス エナジー ストレージ, エルエルシー 再充電可能な電気化学セルのための電解質
US10892524B2 (en) 2016-03-29 2021-01-12 Eos Energy Storage, Llc Electrolyte for rechargeable electrochemical cell

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019511097A (ja) * 2014-10-06 2019-04-18 エオス エナジー ストレージ, エルエルシー 再充電可能な電気化学セルのための電解質
WO2017142990A1 (en) * 2016-02-17 2017-08-24 Eos Energy Storage, Llc Halogen-based electrolyte containing carbon
US10892524B2 (en) 2016-03-29 2021-01-12 Eos Energy Storage, Llc Electrolyte for rechargeable electrochemical cell
US11942606B2 (en) 2016-03-29 2024-03-26 EOS Energy Technology Holdings, LLC Electrolyte for rechargeable electrochemical cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3353999A (en) Conductive film battery
US3507703A (en) Alkali metal-air high energydensity fuel cell
US20070141450A1 (en) Rechargeable fuel cell with double cathode
US20070141432A1 (en) Third electrode frame structure and method related thereto
CN105098291B (zh) 液态金属‑气体电池及其制备方法
KR20040035680A (ko) 스택 웨이퍼 셀의 바이폴라 전기화학적 배터리
US4957830A (en) Rechargeable metal oxide-hydrogen battery
KR20170042155A (ko) 전지 모듈
JPH0586633B2 (ja)
US3647542A (en) Solid-fluid battery
EP3422454A1 (en) Bipolar battery
US3625764A (en) Electrode for electric storage batteries containing zinc halide in aqueous solution, of the type having a soluble cathode and a dissolved anode
JPH10223250A (ja) 電 池
US6878482B2 (en) Anode structure for metal air electrochemical cells
JP7169959B2 (ja) 電極構造体、その製造方法およびこれを含む二次電池
JP2002141101A (ja) 三次元電池
EP1385229A1 (en) Granular anode for metal-air fuel cell battery
JP2001110461A (ja) 亜鉛−臭素電池
KR20210039568A (ko) 리튬 공기전지 패키지
KR101793907B1 (ko) 공기-아연 이차전지
JP2001110460A (ja) 亜鉛−臭素電池
US3468711A (en) Metal-oxygen fuel cell
US20190393559A1 (en) Bipolar lead acid battery cells with increased energy density
KR20210034917A (ko) 양극, 이를 포함하는 금속-공기전지 및 이의 제조방법
JP2005183132A (ja) 燃料電池