JP2001110460A - 亜鉛−臭素電池 - Google Patents

亜鉛−臭素電池

Info

Publication number
JP2001110460A
JP2001110460A JP28740199A JP28740199A JP2001110460A JP 2001110460 A JP2001110460 A JP 2001110460A JP 28740199 A JP28740199 A JP 28740199A JP 28740199 A JP28740199 A JP 28740199A JP 2001110460 A JP2001110460 A JP 2001110460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
battery
separator
zinc
bromine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28740199A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Oba
裕規 大場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP28740199A priority Critical patent/JP2001110460A/ja
Publication of JP2001110460A publication Critical patent/JP2001110460A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な臭化亜鉛濃度に保つことができ、設計
性およびメンテナンス性が良好で簡略化され、電池効率
の高い円筒型の亜鉛−臭素電池を提供する。 【解決手段】 炭素から成り円筒状の容器に成形された
円筒型電極11を用い、その円筒型電極11内には、そ
の内周面と所定間隔を隔てて位置するように、円筒状で
一端側の開口部が封止されるセパレータ14を設ける。
前記セパレータ14内には、そのセパレータ12の内周
面と所定間隔を隔てて位置するように、棒型に成形され
炭素から成る棒型電極13を設ける。前記セパレータ1
4と棒型電極13との間の陰極側空間21には陰極用電
極補助剤、前記円筒型電極11とセパレータ14との間
の陽極側空間15には陽極用電極補助剤を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液静止型の亜
鉛−臭素電池で、円筒型に構成された亜鉛−臭素電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に知られている電解液循環型の亜
鉛−臭素電池(以下、循環型電池と称する)の電極は主
にバイポーラ型(中間電極)とし、その中間電極とセパ
レータとを重ねて成る単電池(単セル)を複数個電気的
に直列に積層して成る電池ユニット(電池本体)、電解
液タンク、前記電池本体と電解液タンクとの間に電解液
(陽極用電解液,陰極用電解液)を循環させるためのポ
ンプ、配管(マニホールド等)系等により構成される。
陽極用電解液および陰極用電解液は、臭化亜鉛と臭素錯
化物(QBr;臭素コンプレックス(活物質))との混
合水溶液から成る。なお、前記中間電極およびセパレー
タ板は、矩形状のものが用いられている。また、前記中
間電極およびセパレータ板の枠体には、絶縁性のものが
用いられる。
【0003】図3は、一般的に知られた循環型電池(単
電池を3個積層した場合)の動作原理図を示すものであ
る。図3において、符号31は中間電極を示すものであ
り、絶縁性を有する枠体31aに電極板31bを設けて
成る。符号32aは陽極(正極)32aaを設けた端板
電極を示し、符号32bは陰極(負極)32bbを設け
た端板電極を示すものであり、それぞれ集電極板(電気
取り出し部分)から成っている。
【0004】中間電極31の陽極側および陽極32aに
は陽極室33a、中間電極31の陰極側および陰極32
bには陰極室33bがそれぞれ設けられる。符号34は
セパレータ板を示すものであり、絶縁性を有する枠体3
4aに多孔質のセパレータ本体34bを設けて成る。こ
のセパレータ板34により前記陽極室33aと陰極室3
3bとが仕切られる。
【0005】符号35aは陽極側の電解液タンク、符号
35bは陰極側の電解液タンクを示すものであり、それ
ぞれ陽極用電解液、陰極用電解液が貯蔵されている。陽
極用電解液は、ポンプ36a,陽極用配管37a1(排
出側),陽極マニホールド38a1を介して陽極室33
a内に循環される。その陽極室33a内に循環された陽
極用電解液は、陽極マニホールド38a2,陽極用配管
37a2(帰還側)を介して電解液タンク35aに帰還
する。なお、図3中の符号39は四方コックを示すもの
である。陰極用電解液は、ポンプ36b,陰極用配管3
7b1(排出側),陰極マニホールド38b1を介して陰
極室33b内に循環される。その陰極室33b内に循環
された陰極用電解液は、陰極マニホールド38b2,陰
極用配管37b2(帰還側)を介して電解液タンク35
bに帰還する。
【0006】前記電極板31a,陽極32aa,陰極3
2bbの電極材料としては、ポリエチレン,導電性を付
与するカーボンブラック,グラファイトを適宜混合およ
び成形して得たものが用いられる。また、陽極32a
a,電極板31aの陽極側表面には、臭素の反応過電圧
を低減させるために、熱圧着によりカーボンクロスが張
り付けられる。
【0007】以上示したように構成する循環型電池を充
放電させた際、陽極側および陰極側で起こる化学反応を
下記の化学式に示す。
【0008】 充電時…陽極側:2Br-→Br2+2e-,陰極側:Zn2++2e-→Zn … … (1) 放電時…陽極側:2Br-←Br2+2e-,陰極側:Zn2++2e-←Zn … … (2) 前記化学式に示すように、充電時に陽極側で臭素が発生
し、陰極側の亜鉛と速やかに反応して自己放電を起こ
し、電池の容量が低下する恐れがある。そのため、セパ
レータ本体34bにより、前記のような自己放電を防止
するようにしている。このセパレータ本体34bには、
一般的にポリオレフィン系の微細多孔質膜が用いられ、
イオン電導を確保しつつ臭素の移動を抑えることができ
る。
【0009】充電時に陰極側で発生する臭素において
は、陰極用電解液に含有する臭素錯化剤(例えば、四級
アンモニウム塩)と反応してオイル状の臭素錯体(臭素
コンプレックス)35aaとなり、電解液タンク35a
の底に貯蔵される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上示したような循環
型電池を充放電する場合、ポンプによって常に電解液を
電池本体内に循環させているが、例えば以下に示す
(a)〜(e)のような問題が起こる。
【0011】(a)電解液を循環させるポンプ等の補機
が用いられるため補機エネルギーが必要となり、その循
環型電池全体のエネルギー効率が低下してしまう。特
に、低電力で長時間充放電する場合、エネルギー効率は
急激に低下してしまう。
【0012】(b)補機の増加に伴って、循環型電池に
おける故障の確率が増加する。
【0013】(c)電解液循環用の配管(例えば、図3
に示す陽極用配管37a1,37a2および陰極用配管3
7b1,37b2)が必要であるが、その配管の組み立て
は複雑であり、配管故障による液漏れが起こる恐れもあ
る。
【0014】(d)電池本体が故障した場合、循環型電
池全体を解体してから修理する必要があり、メンテナン
ス性が欠ける。
【0015】(e)電池本体のシール性を確保するため
に、その電池本体の構成部材(例えば、中間電極31お
よびセパレータ34)において成形精度が要求され、大
型化に対応することが困難である。
【0016】前記のような問題を解決する亜鉛−臭素電
池として、電解液を循環させずに動作させることが可能
な電解液静止型の亜鉛−臭素電池(以下、液静止型電池
と称する)の開発が行われているが、この液静止型電池
においては、例えば以下に示す(f)〜(h)ような問
題があった。
【0017】(f)亜鉛−臭素電池に用いられる電解液
の臭化亜鉛濃度の適性値は略1mol/l〜3mol/
lであり、その臭化亜鉛濃度が適性値の範囲を超えてし
まうと電解液の抵抗が著しく上昇し、亜鉛−臭素電池と
しての機能を果たせなくなる。
【0018】(g)亜鉛−臭素電池の電池抵抗を抑える
ために、その電池構造を可能な限り薄肉にしなければな
らない。
【0019】(h)電池容量を実用的に十分にするた
め、活物質として臭化亜鉛を十分に添加しなければなら
ない。
【0020】前記の(f)〜(h)を考慮すると共に、
臭化亜鉛濃度を適切にする事と電池容量を大きくする事
とを両立するために、一般的には循環型電池が多く採用
されている。
【0021】図3に示したような循環型電池の臭素極
側、すなわち陽極側には、臭素の反応性を低下させオイ
ル状の臭素錯化合物を形成させるための臭素錯化剤が添
加されているが、充電時に発生する臭素は臭素化合物と
して電解液タンクに貯蔵され、放電時に電極表面(例え
ば、図3に示す陽極32aaおよび電極板31aの陽極
側の表面)にて臭素イオンに還元される。
【0022】その際、臭素錯化合物は、通常の電解液の
密度と比較して高いため、電池の上方(例えば、図3に
示す電解液タンク35aの上方)から導入され、その電
池の下方(例えば、図3に示す電解液タンク35aの下
方)から排出される。このため、液静止型電池のように
循環型電池ではない場合、その電池の底部に臭素錯化合
物が沈殿してしまい、電池の反応面積を有効に利用する
ことができなかった。
【0023】本発明は、前記課題に基づいて成されたも
のであり、液静止型電池において、適切な臭化亜鉛濃度
に保つことができ、設計性およびメンテナンス性が良好
で簡略化された電池効率の高い亜鉛−臭素電池を提供す
ることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るために、第1発明は、炭素から成り円筒状の容
器に成形された円筒型電極を陽極として用いる。前記円
筒型電極内には、その内周面と所定間隔を隔てて位置す
るように、円筒状で一端側の開口部が封止されたセパレ
ータを設ける。前記セパレータ内には、そのセパレータ
の内周面と所定間隔を隔てて位置するように、陰極とし
て棒型に成形され炭素から成る棒型電極を設ける。そし
て、前記セパレータと棒型電極との間に陰極用電極補助
剤を充填し、前記円筒型電極とセパレータとの間に陽極
用電極補助剤を充填して構成したことを特徴とする。
【0025】第2発明は、前記第1発明において、前記
陽極用電極補助剤および陰極用電極補助剤は、カーボン
ブラック,グラファイト,炭素繊維,球状活性炭のうち
何れかを電解液に添加して成り、活物質を保持すること
が可能なことを特徴とする。
【0026】第3発明は、前記第1発明において、前記
陽極用電極補助剤および陰極用電極補助剤は、ケッチェ
ンブラックを電解液に添加して成り、活物質を保持する
ことが可能なことを特徴とする。
【0027】第4発明は、前記第1乃至第3発明におい
て、前記電解液は、1.0mol/lの臭化亜鉛を活物
質とした水溶液を用い、伝導度向上剤として0.5〜
4.0mol/lの塩化アンモニウムを添加し、発生す
る臭素をオイル状の臭素錯化合物にする4級アンモニウ
ム塩メチルエチルブロマイドを0.5〜2.0mol/
l添加したことを特徴とする。
【0028】第5発明は、前記第1乃至第4発明におい
て、前記セパレータは、膜厚が0.2〜1.0mmの微
細多孔質膜から成ることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0030】図1は、液静止型電池として円筒型に成形
された液静止型電池の概略断面図を示すものである。図
1において、符号11は、円筒状部材11aの一端側の
開口部に円板状部材11bを形成して成り、陽極として
用いられる円筒型電極を示すものである。この円筒型電
極11は、電極であると共に、後述する電極補助剤中の
電気化学反応で得られる電気を集める、すなわち集電体
の役割をする。その円筒型電極11内の底部には、その
底部表面を覆うように円板状の絶縁底12(底蓋)が設
けられる。
【0031】前記絶縁底12上の中央部には円柱状で陰
極として用いられる棒型電極13が設けられ、その棒型
電極33の一端面中央部には突出部13aが形成され
る。符号14は、前記円筒型電極11と前記棒型電極1
3との間に設けられる円筒状のセパレータ(例えば、膜
厚0.8mmのセパレータ)を示すものであり、そのセ
パレータ14の一端面側は前記絶縁底12の外周部を貫
通し、前記円筒型電極11内底部(円盤状部材11b
上)と接触する。なお、前記セパレータ14の一端面側
(図示下側)の開口部は、そのセパレータ14と同様の
材料から成る部材で封止しても良い。
【0032】前記円筒型電極11とセパレータ14との
間に形成された陽極側空間15には陽極用の電解液すな
わち陽極用電極補助剤が充填され、前記セパレータ14
と棒型電極13との間に形成された陰極側空間16には
陰極用の電解液が充填される。前記電極補助剤は、電子
伝導性を持たせ電極の役割をさせると共に、活物質を保
持させる必要があるため、通常の電解液に捕捉剤として
カーボンブラックを添加し、混練してゲル状にしたもの
を使用する。
【0033】前記電解液には、例えば亜鉛−臭素電池の
活物質である臭化亜鉛の水溶液が用いられ、その臭化亜
鉛の水溶液には、臭素とポリブロマイドとを形成するた
めの4級アンモニウム塩を添加する。また、電解液の電
導度を向上させるために、塩化アンモニウム,塩化ナト
リウム,塩化カリウム等を添加する場合もある。
【0034】図1に示したような円筒型電池を実際に充
放電したところ、陰極側での亜鉛電着が不均一になって
しまい、化学反応が均一に進まなかった。このため、放
電末期には陰極表面に亜鉛が不均一に残留してしまって
いた。この残留亜鉛を残したまま次工程の充電を開始し
てしまうと残留亜鉛が電極の一部として積層され、最終
的にはセパレータを突き破って陰極と陽極とをショート
させてしまう。
【0035】この残留亜鉛を反応させるために、放電末
期において、電力を下げた状態で電池を完全放電しなけ
ればならない。この完全放電が電池の運転を複雑にし、
エネルギー効率を低下させる原因となっていた。この円
筒型電池の場合、完全放電を不要とする電池構成,形状
について具体的な物がなかった。
【0036】そこで、本実施の第1形態では、図2に示
すように円筒型電池を構成し、放電の際に亜鉛が不均一
に残留することを抑えると共に、エネルギー効率の低下
を抑えた円筒型電池を検討した。
【0037】(本実施の第1形態)図2は、本実施の第
1形態における液静止型電池の概略断面図を示すもので
ある。なお、図1に示すものと同様なものには同一符号
を付して、その詳細な説明を省略する。図2に示すよう
に、前記セパレータ14と棒型電極13との間に形成さ
れた陰極側空間21には、陰極用の電解液が充填する代
わりに、陰極側電極補助剤を充填する。この陰極側電極
補助剤には、電解液に捕捉剤としてカーボンブラック等
を添加し、混練してゲル状にしたものを使用する。
【0038】なお、前記円筒型電極11には例えばグラ
ッシーるつぼ(東海カーボン製のC−150等)、棒型
電極には例えばカーボン丸棒(日本カーボン製のSEG
−X等)が用いられる。セパレータ14は、例えば、マ
トリクスにおいて高密度PE(ポリエチレン)/超高分
子量PEが1.5〜4.0の範囲内にあり、フィラーを
シリカに限定し、そのフィラーの添加量を55〜65w
t%とし、膜厚が0.2〜1.0mmの微細多孔質膜を
用いる。
【0039】電解液においては、1.0mol/lの臭
化亜鉛を活物質とした水溶液を用い、伝導度向上剤とし
て0.5〜4.0mol/lの塩化アンモニウムを添加
し、発生する臭素をオイル状の臭素錯化合物にする4級
アンモニウム塩メチルエチルブロマイドを0.5〜2.
0mol/l添加したものを用いる。
【0040】次に、第1〜第8実施例により、図2に示
すように構成された液静止型電池をそれぞれ作製し、そ
れら液静止型電池の電池効率等を調べた。
【0041】(第1実施例)第1実施例における液静止
型電池(以下、電池S1と称する)は、陽極側電極補助
剤および陰極側電極補助剤には、電解液に捕捉剤として
カーボンブラック(三菱化学製のケッチェンブラックE
C)を添加し、混練してゲル状にしたものを使用した。
セパレータ14には、旭化学製のPEセパレータ(膜厚
が1.0mm)を用いた。
【0042】(第2実施例)第2実施例における液静止
型電池(以下、電池S2と称する)は、陽極側電極補助
剤には、電解液に捕捉剤としてカーボンブラック(三菱
化学製のケッチェンブラックEC)を添加し、混練して
ゲル状にしたものを使用した。陰極側電極補助剤には、
電解液に捕捉剤としてグラファイト粉(光和製のキッシ
ュグラファイト)を添加し、混練してゲル状にしたもの
を使用した。セパレータ14には、旭化学製のPEセパ
レータ(膜厚が1.0mm)を用いた。
【0043】(第3実施例)第3実施例における液静止
型電池(以下、電池S3と称する)は、陽極側電極補助
剤には、電解液に捕捉剤としてカーボンブラック(三菱
化学製のケッチェンブラックEC)を添加し、混練して
ゲル状にしたものを使用した。陰極側電極補助剤には、
電解液に捕捉剤として炭素繊維(日本カイノール製のカ
イノール)を添加し、混練してゲル状にしたものを使用
した。セパレータ14には、旭化学製のPEセパレータ
(膜厚が1.0mm)を用いた。
【0044】(第4実施例)第4実施例における液静止
型電池(以下、電池S4と称する)は、陽極側電極補助
剤には、電解液に捕捉剤としてカーボンブラック(三菱
化学製のケッチェンブラックEC)を添加し、混練して
ゲル状にしたものを使用した。陰極側電極補助剤には、
電解液に捕捉剤として球状活性炭(呉羽化学製のA−B
AC−SP)を添加し、混練してゲル状にしたものを使
用した。セパレータ14には、旭化学製のPEセパレー
タ(膜厚が1.0mm)を用いた。
【0045】(第5実施例)第5実施例における液静止
型電池(以下、電池S5と称する)は、陽極側電極補助
剤および陰極側電極補助剤には、電解液に捕捉剤として
カーボンブラック(三菱化学製のケッチェンブラックE
C)を添加し、混練してゲル状にしたものを使用した。
セパレータ14には、旭化学製のPEセパレータ(膜厚
が0.2mm)を用いた。
【0046】(第6実施例)第6実施例における液静止
型電池(以下、電池S6と称する)は、陽極側電極補助
剤には、電解液に捕捉剤としてカーボンブラック(三菱
化学製のケッチェンブラックEC)を添加し、混練して
ゲル状にしたものを使用した。陰極側電極補助剤には、
電解液に捕捉剤としてグラファイト粉(光和製のキッシ
ュグラファイト)を添加し、混練してゲル状にしたもの
を使用した。セパレータ14には、旭化学製のPEセパ
レータ(膜厚が0.2mm)を用いた。
【0047】(第7実施例)第7実施例における液静止
型電池(以下、電池S7と称する)は、陽極側電極補助
剤には、電解液に捕捉剤としてカーボンブラック(三菱
化学製のケッチェンブラックEC)を添加し、混練して
ゲル状にしたものを使用した。陰極側電極補助剤には、
電解液に捕捉剤として炭素繊維(日本カイノール製のカ
イノール)を添加し、混練してゲル状にしたものを使用
した。セパレータ14には、旭化学製のPEセパレータ
(膜厚が0.2mm)を用いた。
【0048】(第8実施例)第8実施例における液静止
型電池(以下、電池S8と称する)は、陽極側電極補助
剤には、電解液に捕捉剤としてカーボンブラック(三菱
化学製のケッチェンブラックEC)を添加し、混練して
ゲル状にしたものを使用した。陰極側電極補助剤には、
電解液に捕捉剤として球状活性炭(呉羽化学製のA−B
AC−SP)を添加し、混練してゲル状にしたものを使
用した。セパレータ14には、旭化学製のPEセパレー
タ(膜厚が0.2mm)を用いた。
【0049】以上示したように第1〜第8実施例により
作製した電池S1〜S8を充放電させたところ、残留亜
鉛が電極表面の一部に集中することがなかった。このこ
とから、液静止型電池の陰極側空間にも電極補助剤を充
填することにより、完全放電が不要になることを確認で
きた。
【0050】また、電池S1〜S8は、陰極側空間にも
電極補助剤を充填したことにより、電極間距離が短くな
り電池内の抵抗が減少した。このことから、例えば電池
S1〜S3のようにセパレータ14の膜厚が比較的厚い
場合においても、自己放電量が抑えられる、すなわち電
流効率を向上できることが確認できた。
【0051】さらに、電池S1〜S8は、陰極側空間に
も電極補助剤を充填したことにより、陰極側の臭素拡散
速度が遅くなり、自己放電量が減少した。このことか
ら、例えば電池S4〜S8のようにセパレータ14の膜
厚が比較的薄い場合においても、電流効率を維持した状
態で抵抗成分を減少させることが可能、すなわち電圧効
率を向上できることが確認できた。
【0052】(本実施の第2形態)本実施の第2形態で
は、図2に示したように構成された液静止型電池におい
て、陽極側電極補助剤および陰極側電極補助剤による電
池効率等の変化を第9〜第12実施例により調べた。な
お、本実施の第1形態に示したものと同様なものには同
一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0053】また、電解液には、臭化亜鉛2.50mo
l/lと、塩化アンモニウム1.00mol/lと、N
メチルNエチルピロリジニウムブロマイド0.75mo
l/lとの混合溶液(液状)を用いた。陽極側電極補助
剤および陰極側電極補助剤には、前記電解液に所望の捕
捉剤を添加したもの(ペースト状)を用いた。
【0054】(第9実施例)第9実施例では、陽極側空
間15に陽極側電極補助剤を充填し陰極側空間21に電
解液を充填して成る液静止型電池(以下、電池S9aと
称する)と、陽極側空間15に陽極側電極補助剤を充填
し陰極側空間21に陰極側電極補助剤を充填して成る液
静止型電池(以下、電池S9bと称する)とを用い、充
電率に対するエネルギー効率を調べ、その結果を図3の
エネルギー効率特性図に示した。なお、前記陽極側電極
補助剤,陰極側電極補助剤の捕捉剤には、ケッチェンブ
ラックを用いた。
【0055】図3に示すように、電池S9bのエネルギ
ー効率(図3中の記号「■」)は、電池S9aのエネル
ギー効率(図3中の記号「□」)と比較して約8%低く
なっていることが読み取れた。なお、一般的な循環型電
池の電池効率が83%(液利用率35%時)であるのに
対して、電池S9aの電池効率は75%,電池S9bの
電池効率は63%であった。
【0056】(第10実施例)第10実施例では、第9
実施例に示した電池S9a,S9bにおいて電圧効率お
よび電流効率をそれぞれ調べ、その結果を図4の充電率
に対する電池効率特性図に示した。
【0057】図4に示すように、電池S9aの電流効率
(図4中の記号「〇」)と電池S9bの電流効率(図4
中の記号「●」)とを比較すると、殆ど同様であった。
電池S9bの電圧効率(図4中の記号「■」)において
は、電池S9aの電圧効率(図4中の記号「□」)と比
較して、若干低い程度であった。
【0058】(第11実施例)電池の電圧効率は、反応
抵抗,体積抵抗,電極間距離(陽極と陰極との間の距
離)等によって影響される。前記反応抵抗,体積抵抗の
場合は、捕捉剤の材料特性によって大きく変化し、電池
効率に大きく影響する。
【0059】そこで、第9実施例に示した電池S9aに
おける陽極側電極補助剤の捕捉剤としてケッチェンブラ
ック,グラファイト,粒子状炭素を用い、各捕捉剤によ
る電池効率(電流効率,電圧効率,エネルギー効率)の
影響を調べ、その結果を図5の各捕捉剤による電池効率
特性図に示した。図5に示す結果から、ケッチェンブラ
ック>粒子状炭素>グラファイトの順で電池効率が高か
ったことが読み取れる。
【0060】(第12実施例)第12実施例では、前記
の各捕捉剤ケッチェンブラック,グラファイト,粒子状
炭素を用いた場合で、陽極側空間15内(下層部,中層
部,上層部)における陽極側電極補助剤中の臭素錯化合
物の濃度を調べ、その結果を図6の各捕捉剤による臭素
錯化合物の濃度分布図に示した。
【0061】図6に示すように、捕捉剤としてグラファ
イトを用いた場合、殆どの臭素錯化合物が上層部に分布
し浮上してしまった。捕捉剤として粒子状炭素を用いた
場合には、殆どの臭素錯化合物が下層部に分布し沈殿し
てしまった。一方、捕捉剤としてケッチェンブラックを
用いた場合には、臭素錯化合物が陽極側空間15内で均
一に分布していることが解った。ゆえに、前記の各捕捉
剤ケッチェンブラック,グラファイト,粒子状炭素のう
ち、ケッチェンブラックが最も適していることが確認で
きた。
【0062】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば、循環
型電池のように電解液を循環させる補機が必要ではない
ため、電池のエネルギー効率を向上させることが可能と
なる。また、前記のような補機を用いないため、複数個
の単セルを用いた群電池を自由な設計で容易に構成する
ことができると共に、そのメンテナンス性を向上させる
ことが可能となる。さらに、本発明の液静止型電池は導
電性の炭素を用いて成るため放熱性が良好であり、冷却
する必要がない。さらにまた、残留亜鉛が電極表面の一
部に集中することがなく完全放電が不要になり、セパレ
ータの膜厚に影響することなく電池効率を向上できるこ
とが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】液静止型電池の説明図。
【図2】本実施の第1形態における液静止型電池の概略
断面図。
【図3】第9実施例における充電率に対するエネルギー
効率特性図。
【図4】第10実施例における充電率に対する電池効率
特性図。
【図5】第11実施例における各捕捉剤による電池効率
特性図。
【図6】第12実施例における各捕捉剤による臭素錯化
合物の濃度分布図。
【図7】一般的に知られた亜鉛−臭素電池の動作原理
図。
【符号の説明】
11…円筒型電極(陽極) 12…絶縁底 13…棒型電極(陰極) 14…セパレータ 15…陽極側空間 21…陰極側空間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素から成り円筒状の容器に成形された
    円筒型電極を陽極として用い、 前記円筒型電極内には、その内周面と所定間隔を隔てて
    位置するように、円筒状で一端側の開口部が封止された
    セパレータを設けて、 前記セパレータ内には、そのセパレータの内周面と所定
    間隔を隔てて位置するように、陰極として棒型に成形さ
    れ炭素から成る棒型電極を設け、 前記セパレータと棒型電極との間に陰極用電極補助剤を
    充填し、前記円筒型電極とセパレータとの間に陽極用電
    極補助剤を充填して構成したことを特徴とする亜鉛−臭
    素電池。
  2. 【請求項2】 前記陽極用電極補助剤および陰極用電極
    補助剤は、カーボンブラック,グラファイト,炭素繊
    維,球状活性炭のうち何れかを電解液に添加して成り、
    活物質を保持することが可能なことを特徴とする請求項
    1記載の亜鉛−臭素電池。
  3. 【請求項3】 前記陽極用電極補助剤および陰極用電極
    補助剤は、ケッチェンブラックを電解液に添加して成
    り、活物質を保持することが可能なことを特徴とする請
    求項1記載の亜鉛−臭素電池。
  4. 【請求項4】 前記電解液は、1.0mol/lの臭化
    亜鉛を活物質とした水溶液を用い、伝導度向上剤として
    0.5〜4.0mol/lの塩化アンモニウムを添加
    し、発生する臭素をオイル状の臭素錯化合物にする4級
    アンモニウム塩メチルエチルブロマイドを0.5〜2.
    0mol/l添加したことを特徴とする請求項1乃至3
    記載の亜鉛−臭素電池。
  5. 【請求項5】 前記セパレータは、膜厚が0.2〜1.
    0mmの微細多孔質膜から成ることを特徴とする請求項
    1乃至4記載の亜鉛−臭素電池。
JP28740199A 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池 Pending JP2001110460A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28740199A JP2001110460A (ja) 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28740199A JP2001110460A (ja) 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001110460A true JP2001110460A (ja) 2001-04-20

Family

ID=17716871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28740199A Pending JP2001110460A (ja) 1999-10-07 1999-10-07 亜鉛−臭素電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001110460A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100468837C (zh) * 2003-09-08 2009-03-11 中国科学院大连化学物理研究所 多硫化钠/溴储能电池的多孔碳基电极制备方法
JP2017535045A (ja) * 2014-10-06 2017-11-24 エオス エナジー ストレージ, エルエルシー 再充電可能な電気化学電池のための電解質
US11942606B2 (en) 2016-03-29 2024-03-26 EOS Energy Technology Holdings, LLC Electrolyte for rechargeable electrochemical cell

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100468837C (zh) * 2003-09-08 2009-03-11 中国科学院大连化学物理研究所 多硫化钠/溴储能电池的多孔碳基电极制备方法
JP2017535045A (ja) * 2014-10-06 2017-11-24 エオス エナジー ストレージ, エルエルシー 再充電可能な電気化学電池のための電解質
JP2018206784A (ja) * 2014-10-06 2018-12-27 エオス エナジー ストレージ, エルエルシー 再充電可能な電気化学電池のための電解質
JP2021061242A (ja) * 2014-10-06 2021-04-15 エオス エナジー ストレージ, エルエルシー 再充電可能な電気化学電池のための電解質
JP7084975B2 (ja) 2014-10-06 2022-06-15 エオス エナジー ストレージ, エルエルシー 再充電可能な電気化学電池のための電解質
US11942606B2 (en) 2016-03-29 2024-03-26 EOS Energy Technology Holdings, LLC Electrolyte for rechargeable electrochemical cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Iwakura et al. The possible use of polymer gel electrolytes in nickel/metal hydride battery
CN105098291B (zh) 液态金属‑气体电池及其制备方法
US10411286B2 (en) Alkali/oxidant battery
US3625764A (en) Electrode for electric storage batteries containing zinc halide in aqueous solution, of the type having a soluble cathode and a dissolved anode
CN107949947B (zh) 双极性电池
WO2013077863A1 (en) Lithium battery with charging redox couple
Yu et al. The importance of the dissolution of polysulfides in lithium-sulfur batteries and a perspective on high-energy electrolyte/cathode design
Rana et al. Scientific issues of zinc‐bromine flow batteries and mitigation strategies
JP2001110460A (ja) 亜鉛−臭素電池
US3317349A (en) Ambipolar battery including electrodes of identical nickelous composition
US20140038000A1 (en) Flow-Through Metal Battery with Ion Exchange Membrane
JP2002141101A (ja) 三次元電池
JP2001110461A (ja) 亜鉛−臭素電池
JP2853271B2 (ja) 電解液静止型亜鉛―臭素電池
CN111180777A (zh) 一种锌溴单液流电池用正极电解液
Feng et al. A high-performance tri-electrolyte aluminum-air microfluidic cell with a co-laminar-flow-and-bridging-electrolyte configuration
US20220013864A1 (en) Metal-air battery
US11631903B1 (en) Zinc bromine electrochemical cell
US20220407102A1 (en) Zinc-bromine flow battery including conductive interlayer
JP6874806B2 (ja) 水溶液系二次電池および水溶液系二次電池システム
KR101343416B1 (ko) 연료전지 및 이를 구비하는 연료전지 시스템
JP2819201B2 (ja) リチウム二次電池
Kumar et al. Construction, Working, and Applications of Different Zn‐Based Batteries
JP2967634B2 (ja) 亜鉛−臭素電池
JP2581450Y2 (ja) 筒形アルカリ電池