JP2001108660A - 被膜検査方法および装置 - Google Patents

被膜検査方法および装置

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JP2001108660A
JP2001108660A JP29093099A JP29093099A JP2001108660A JP 2001108660 A JP2001108660 A JP 2001108660A JP 29093099 A JP29093099 A JP 29093099A JP 29093099 A JP29093099 A JP 29093099A JP 2001108660 A JP2001108660 A JP 2001108660A
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coating
metal material
voltage
partial discharge
film
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JP29093099A
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English (en)
Inventor
Hisao Kitagawa
尚男 北川
Masaharu Honda
正春 本田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材の表面に形成した塗装または防食用被
膜の内部欠陥および被膜と金属材表面との間に存在する
欠陥を、容易に正確にしかも短時間に検出することがで
きる。 【解決手段】 金属材2金属材2の面に形成された被膜
3の間に電圧を印加し、印加電圧値の上昇に伴って被膜
3内部および被膜3と金属材2の表面との間の内の少な
くとも一方に生じた部分放電に基づいて、被膜3の内部
および被膜3と金属材2の表面との間に存在する欠陥を
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被膜検査方法お
よび装置、特に、金属材の表面に形成した塗装または防
食用被膜の内部欠陥および被膜と金属材表面との間に存
在する欠陥を、容易に正確にしかも短時間に検出するこ
とが可能な被膜検査方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】鋼矢板や被覆鋼管等の金属材の表面に防
食または美観を目的として、ポリエチレン等の被膜を形
成する場合、被膜内部および被膜と金属材表面との間に
欠陥が存在することがある。
【0003】なお、被膜内部に存在する欠陥とは、ボイ
ド(空隙)等である。被膜内部にこのような欠陥が存在
すると、被膜による絶縁性が低下したり、水の浸透が容
易になって、金属材の腐食を招く。一方、被膜と金属材
表面との間の欠陥とは、うき、ふくれ、空気ボイド、水
等である。被膜と金属材表面との間にこのような欠陥が
存在すると、金属材と被膜との密着性が低下して、被膜
の単位面積当たりの接着力が低下して、被膜が金属材か
ら剥離することによる欠陥が生じ、金属材の腐食を招
く。
【0004】そこで、従来、上述した欠陥を検出する手
段として、以下の手段がとられていた。 (1)指触検査法 実際に指で被膜表面を触って、うき、ふくれ等の有無を
検査する。 (2)目視検査法 被膜を目で見て、うき、ふくれ等の有無を検査する。 (3)絶縁抵抗測定法 欠陥の有無により電気抵抗が変化することを利用するも
ので、被膜に電流を流して被膜の電気抵抗を測定し、抵
抗値の大きさで欠陥の有無を検出する。 (4)ピンホール試験 金属材と被膜との間に高電圧(1万から2万V)をか
け、ピンホール個所で電流が流れることを利用して、欠
陥の有無を検査する。 (5)剥離検査法 被膜に剥離試験治具を取り付け、この治具を試験機によ
って引っ張り、被膜が剥離する際の力の大きさによっ
て、うき、ふくれ等の有無を検査する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術は、以下のような問題を有していた。
【0006】(1)および(2)の方法は、比較的大き
な欠陥しか検出することができないと共に検出精度に個
人差によるバラツキが生じる。(3)および(4)の方
法は、微小欠陥や内部欠陥を検出することができない。
そして、(5)の方法は、検査後の補修が必要となるの
で、時間がかかりコスト高となる。
【0007】従って、この発明の目的は、金属材の表面
に形成した被膜の内部欠陥および被膜と金属材表面との
間に存在する欠陥を容易に正確にしかも短時間に検出す
ることが可能な被膜検査方法および装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】次に、部分放電を利用し
た、この発明の原理について説明する。
【0009】部分放電とは、次のような現象をいう。絶
縁物を挟んだ電極は、コンデンサと見なせる。図6に示
すように、その絶縁物中に欠陥としてのボイドが存在し
て、絶縁物の組成が一様でない場合には、図7の等価回
路図に示すように、種々の容量を持つコンデンサの集合
と見なせる。図7において、Cvがボイドの静電容量を
示す。
【0010】通常、ボイドは、空気等の気体で形成され
ており、その大きさは微小である。従って、Cvも小さ
く、他のコンデンサC2、C3に比べて小さい。電極間に
電圧を印加すると、静電容量の小さいボイドにかかる。
静電容量が小さいボイドは、比較的低い電圧で放電する
が、ボイド間で放電が発生しても絶縁物があるので、電
極間を短絡する放電には至らない。
【0011】このように、絶縁物中のボイドで放電が発
生しても、電極間を短絡する放電には至らない放電を部
分放電という。
【0012】部分放電に限らず、通常、放電現象は、ラ
ンダムに発生するので、同じ被試験物に同じ電圧を印加
しても、常に同じ量の部分放電が生じるとは限らない。
また、部分放電は、パルス状に電流が流れる現象である
ので、その大きさを電流の実効値で表わすことが困難で
ある。従って、部分放電量は、電流値ではなく、電流を
積分した電荷量(C)で表わすのが一般的である。
【0013】図8に電極間に印加された電圧と放電との
関係を示す。図8に示すように、電圧を徐々に上昇させ
て行くと、先ず、部分放電が開始される(A)。次に、
(B)から(C)の安定領域に入り、この領域におい
て、絶縁物中の複数のボイドで部分放電が発生する。そ
の後、(C)から(D)の部分放電の急増域を経て、各
ボイド間の絶縁が破壊されてアーク放電に移行する
(E)。
【0014】本願発明者等は、上述した部分放電を、金
属材の表面に形成された被膜の欠陥検出に利用すれば、
被膜の内部に存在するボイド等の欠陥、および、被膜と
金属材表面との間に存在する、うき、ふくれ等の欠陥を
容易に正確にしかも短時間に検出することができるとい
った知見を得た。
【0015】この発明は、上述した知見に基づきなされ
たものであって、請求項1記載の発明は、金属材と前記
金属材の表面に形成された被膜との間に電圧を印加し、
印加電圧値の上昇に伴って前記被膜の内部および前記被
膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一方に生
じた部分放電に基づいて、前記被膜の内部および前記被
膜と前記金属材の表面との間に存在する欠陥を検出する
ことに特徴を有するものである。
【0016】請求項2記載の発明は、金属材と前記金属
材の表面に形成された被膜との間に交流電圧を印加し、
前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との
間の内の少なくとも一方に生じた部分放電による電流
を、印加電圧の所定サイクル毎に積分して、印加電圧を
上昇させながら印加電圧毎に部分放電電荷量を測定し、
部分放電が開始する印加電圧値と予め設定した閾値とを
比較し、そして、この比較結果に基づいて、前記被膜の
内部および前記被膜と前記金属材の表面との間に存在す
る欠陥の有無を検出することに特徴を有するものであ
る。
【0017】請求項3記載の発明は、金属材と前記金属
材の表面に形成された被膜との間に交流電圧を印加し、
前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との
間の内の少なくとも一方に生じた部分放電による電流
を、印加電圧の所定サイクル毎に積分して、印加電圧を
上昇させながら印加電圧毎に部分放電電荷量を測定し、
このようにして測定した部分放電電荷量と予め設定した
閾値とを比較し、そして、この比較結果に基づいて、前
記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との間
に存在する欠陥の有無を検出することに特徴を有するも
のである。
【0018】請求項4記載の発明は、金属材と前記金属
材の表面に形成された被膜との間に交流電圧を印加し、
前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との
間の内の少なくとも一方に生じた部分放電による電流
を、印加電圧の所定サイクル毎に積分して、印加電圧を
上昇させながら印加電圧毎に部分放電電荷量を測定し、
このようにして測定した部分放電電荷量が予め設定した
閾値(Cs)以上になる印加電圧(Vo)と予め設定し
た判定基準印加電圧の閾値(Vs)とを比較し、そし
て、この比較結果に基づいて、前記被膜の内部および前
記被膜と前記金属材の表面との間に存在する欠陥の種類
を判定することに特徴を有するものである。
【0019】請求項5記載の発明は、前記印加電圧(V
o)が前記閾値(Vs)より小さい場合には、前記被膜
の内部および前記被膜と前記金属材の表面との間の内の
少なくとも一方に水が存在する欠陥であると判定し、一
方、前記印加電圧(Vo)が前記閾値(Vs)より大き
い場合には、前記被膜の内部および前記被膜と前記金属
材の表面との間の内の少なくとも一方に空気ボイドが存
在する欠陥であると判定することに特徴を有するもので
ある。
【0020】請求項6記載の発明は、金属材と前記金属
材の表面に形成された被膜との間に交流電圧を印加し、
前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との
間の内の少なくとも一方に生じた部分放電による電流
を、印加電圧の所定サイクル毎に積分して、印加電圧を
上昇させながら印加電圧毎に部分放電電荷量を測定し、
そして、印加電圧と部分放電電荷量との関係に基づい
て、前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面
との間の内の少なくとも一方に存在する、前記被膜に対
する欠陥の割合を検出することに特徴を有するものであ
る。
【0021】請求項7記載の発明は、金属材と前記金属
材の表面に形成された被膜との間に電圧を印加するため
の電源と、前記電源による印加電圧値の上昇に伴って前
記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との間
の内の少なくとも一方に生じた部分放電を検出するため
の部分放電検出器と、前記部分放電検出器からの検出信
号に基づいて、前記被膜の内部および前記被膜と前記金
属材の表面との間に欠陥が存在するか否かを判定するた
めの欠陥判定器とを備えたことに特徴を有するものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、この発明の被膜検査方法お
よび装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明す
る。
【0023】図1は、この発明の被膜検査装置を示すブ
ロック図、図2は、印加電圧値と印加電圧の閾値とを比
較して、欠陥の有無を検出する場合の部分放電電荷量と
印加電圧との関係を示す図、図3は、部分放電電荷量と
部分放電電荷量の閾値とを比較して、欠陥の有無を検出
する場合の部分放電電荷量と印加電圧との関係を示す
図、図4は、部分放電電荷量が予め設定した閾値(C
s)以上になる印加電圧(Vo)と判定基準印加電圧の
閾値(Vs)とを比較して、欠陥の種類を判定する場合
の部分放電電荷量と印加電圧との関係を示す図、図5
は、印加電圧と部分放電電荷量との関係に基づいて、被
膜に対する欠陥の割合を検出する場合の部分放電電荷量
と印加電圧との関係を示す図である。
【0024】図1において、1は、交流電源であり、鋼
板等の金属材2と金属材2の表面に形成されたポリエチ
レン等の被膜3との間に電極4を介して交流電圧を上昇
させながら印加する。5は、後述する部分放電によるパ
ルス電流が電源1側に流れるのを防止するためのブロッ
キングインピーダンス、6は、部分放電検出器であり、
電源1による印加電圧値の上昇に伴って被膜3の内部お
よび被膜と金属材2の表面との間の内の少なくとも一方
に生じた部分放電を検出する。7は、部分放電検出器6
からの検出信号に基づいて、被膜3の内部および被膜3
と金属材2の表面との間に欠陥が存在するか否かを判定
するための欠陥判定器である。
【0025】欠陥判定器7は、図2に示すように、被膜
3の内部および被膜3と金属材2の表面との間の内の少
なくとも一方に生じた部分放電による電流を、印加電圧
の所定サイクル毎(例えば、1サイクル毎)に積分し
て、印加電圧毎に部分放電電荷量(C1)を測定し、部
分放電が開始する印加電圧値(V1)と予め設定した印
加電圧の閾値(VS1)とを比較し、そして、この比較
結果に基づいて、被膜3の内部および被膜3と金属材2
の表面との間に存在する欠陥の有無を検出する。(請求
項2) 図2において、C2は、無欠陥の場合の部分放電電荷
量、V2は、無欠陥の場合の部分放電の開始印加電圧で
ある。V2は、欠陥有の場合の部分放電の開始印加電圧
V1に比べて高くなっている。
【0026】欠陥判定器7は、図3に示すように、被膜
3の内部および被膜3と金属材2の表面との間の内の少
なくとも一方に生じた部分放電による電流を、印加電圧
の所定サイクル毎に積分して、印加電圧毎に部分放電電
荷量(C1)を測定し、このようにして測定した部分放
電電荷量(C1)と予め設定した部分放電電荷量の閾値
(CS1)とを比較し、そして、この比較結果に基づい
て、被膜3の内部および被膜3と金属材2の表面との間
に存在する欠陥の有無を検出するものであっても良い。
(請求項3) 図3に示すように、無欠陥の場合の部分放電電荷量(C
2)は、欠陥有の場合の部分放電電荷量(C1)に比べ
て低くなっている。
【0027】欠陥判定器7は、図4に示すように、被膜
3の内部および被膜3と金属材2の表面との間の内の少
なくとも一方に生じた部分放電による電流を、印加電圧
の所定サイクル毎に積分して、印加電圧毎に部分放電電
荷量(C1)、(C3)を測定し、このようにして測定
した部分放電電荷量(C1)、(C3)が予め設定した
閾値(Cs)以上になる印加電圧(Vo1)、(Vo
2)と予め設定した判定基準印加電圧の閾値(Vs)と
を比較し、そして、この比較結果に基づいて、被膜3の
内部および被膜3と金属材2の表面との間に存在する欠
陥の種類を判定するものであっても良い。
【0028】この例では、 欠陥判定器7は、印加電圧
(Vo1)が閾値(Vs)より小さいので、被膜3の内
部および被膜3と金属材2の表面との間の内の少なくと
も一方に水が存在する欠陥であると判定し、一方、印加
電圧(Vo2)が閾値(Vs)より大きいので、被膜3
の内部および被膜3と金属材2の表面との間の内の少な
くとも一方に空気ボイドが存在する欠陥であると判定す
る。(請求項4) 更に、欠陥判定器7は、図5に示すように、被膜3の内
部および被膜3と金属材2の表面との間の内の少なくと
も一方に生じた部分放電による電流を、印加電圧の所定
サイクル毎に積分して、印加電圧毎に部分放電電荷量を
測定し、そして、印加電圧と部分放電電荷量との関係に
基づいて、被膜3の内部および被膜3と金属材2の表面
との間の内の少なくとも一方に存在する、被膜3に対す
る欠陥の割合(欠陥率)を判定する。(請求項5) なお、欠陥率とは、被膜内部に欠陥がある場合には、被
膜3の単位体積当たりの欠陥数(体積)であり、被膜3
と金属材2の表面との間に欠陥がある場合には、被膜3
単位面積当たりの欠陥数である。
【0029】図5から明らかなように、欠陥率が大きな
場合と小さな場合との差は明らかである。
【0030】以上は、交流印加電圧を連続的に上昇させ
て、部分放電電荷量を測定した場合であるが、被膜の材
質等によって予め部分放電の開始電圧が分かっている場
合には、予め設定した所定電圧から交流電圧の印加を開
始しても良い。また、交流印加電圧を上昇させる代わり
に、下降させて部分放電電荷量を測定しても良い。
【0031】次に、この発明を実施例により更に説明す
る。
【0032】200A用のシュリンクチューブを30×
30mmに切断し、30×30×3.2mmの鋼板の一
方の表面に付着させた。シュリンクチューブ付着時にシ
ュリンクチューブと鋼板との間に、欠陥となる空気、水
を介在させた試料および無欠陥の試料を用意した。そし
て、各試料の両面に電極を接触させ、20V/minの
割合で最大2KVまで交流電圧を印加して部分放電開始
電圧(Ui)を測定した。なお、部分放電開始電圧(U
i)は、1サイクルの部分放電電圧積算値が100pC
を超えた電圧である。この結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、無欠陥と欠陥と
は部分放電開始電圧(Ui)の値が明らかにが異なり、
確実に欠陥の有無を検出できることが分かった。即ち、
部分放電開始電圧(Ui)の閾値を1.88KV程度の
値に設定すれば、欠陥の有無を容易且つ確実に検出する
ことが可能となる。しかも、空気ボイドと水の部分放電
開始電圧(Ui)の値が異なることから、部分放電開始
電圧(Ui)の値から欠陥の種類を判定することができ
ることも確認した。
【0035】次に、シュリンクチューブ付着時にシュリ
ンクチューブと鋼板との間に、欠陥となる空気層を設け
た上記試料を用いて、最大部分放電積算値(Pdmax)を
測定し、無欠陥の場合と比較した。なお、最大部分放電
積算値(Pdmax)は、印加電圧を2KVに、5秒間保持
したときの最大部分放電電荷量の積算値である。この結
果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかなように、無欠陥と欠陥と
は最大部分放電積算値(Pdmax)部分放電開始電圧(U
i)の値が明らかにが異なり、確実に欠陥の有無を検出
できることが分かった。
【0038】次に、シュリンクチューブ付着時にシュリ
ンクチューブと鋼板との間に、欠陥となる空気層を、1
0×10mmおよび15×15mmの大きさで設けた上
記試料を用いて、最大部分放電積算値(Pdmax)を測定
し、欠陥の大きさによるPdmaxの差を調べた。この結果
を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3から明らかように、空気ボイドの大き
さによりPdmaxの値が明らかに相違することから、Pdm
ax値から欠陥の大きさを判定することができることが分
かった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、金属材と前記金属材の表面に形成された被膜との間
に電圧を印加し、印加電圧値の上昇に伴って前記被膜の
内部および前記被膜と前記金属材の表面との間の内の少
なくとも一方に生じた部分放電に基づいて、前記被膜の
内部および前記被膜と前記金属材の表面との間に存在す
る欠陥を検出することによって、金属材の表面に形成し
た塗装または防食用被膜の内部欠陥および被膜と金属材
表面との間に存在する欠陥を、容易に正確にしかも短時
間に検出することができるといった有用な効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の被膜検査装置を示すブロック図であ
る。
【図2】印加電圧値と印加電圧の閾値とを比較して、欠
陥の有無を検出する場合の部分放電電荷量と印加電圧と
の関係を示す図である。
【図3】部分放電電荷量と部分放電電荷量の閾値とを比
較して、欠陥の有無を検出する場合の部分放電電荷量と
印加電圧との関係を示す図である。
【図4】部分放電電荷量が予め設定した閾値(Cs)以
上になる印加電圧(Vo)と判定基準印加電圧の閾値
(Vs)とを比較して、欠陥の種類を判定する場合の部
分放電電荷量と印加電圧との関係を示す図である。
【図5】印加電圧と部分放電電荷量との関係に基づい
て、被膜に対する欠陥の割合を検出する場合の部分放電
電荷量と印加電圧との関係を示す図である。
【図6】ボイドの説明図である。
【図7】絶縁物の等価回路図である。
【図8】部分放電が生じる際の電流と電圧の関係を示す
図である。
【符号の説明】
1:交流電源 2:金属材 3:被膜 4:電極 5:ブロッキングインピーダンス 6:部分放電検出器 7:欠陥判定器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材と前記金属材の表面に形成された
    被膜との間に電圧を印加し、印加電圧値の上昇に伴って
    前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との
    間の内の少なくとも一方に生じた部分放電に基づいて、
    前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との
    間に存在する欠陥を検出することを特徴とする被膜検査
    方法。
  2. 【請求項2】 金属材と前記金属材の表面に形成された
    被膜との間に交流電圧を印加し、前記被膜の内部および
    前記被膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一
    方に生じた部分放電による電流を、印加電圧の所定サイ
    クル毎に積分して、印加電圧を上昇させながら印加電圧
    毎に部分放電電荷量を測定し、部分放電が開始する印加
    電圧値と予め設定した閾値とを比較し、そして、この比
    較結果に基づいて、前記被膜の内部および前記被膜と前
    記金属材の表面との間に存在する欠陥の有無を検出する
    ことを特徴とする被膜検査方法。
  3. 【請求項3】 金属材と前記金属材の表面に形成された
    被膜との間に交流電圧を印加し、前記被膜の内部および
    前記被膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一
    方に生じた部分放電による電流を、印加電圧の所定サイ
    クル毎に積分して、印加電圧を上昇させながら印加電圧
    毎に部分放電電荷量を測定し、このようにして測定した
    部分放電電荷量と予め設定した閾値とを比較し、そし
    て、この比較結果に基づいて、前記被膜の内部および前
    記被膜と前記金属材の表面との間に存在する欠陥の有無
    を検出することを特徴とする被膜検査方法。
  4. 【請求項4】 金属材と前記金属材の表面に形成された
    被膜との間に交流電圧を印加し、前記被膜の内部および
    前記被膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一
    方に生じた部分放電による電流を、印加電圧の所定サイ
    クル毎に積分して、印加電圧を上昇させながら印加電圧
    毎に部分放電電荷量を測定し、このようにして測定した
    部分放電電荷量が予め設定した閾値(Cs)以上になる
    印加電圧(Vo)と予め設定した判定基準印加電圧の閾
    値(Vs)とを比較し、そして、この比較結果に基づい
    て、前記被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面
    との間に存在する欠陥の種類を判定することを特徴とす
    る被膜検査方法。
  5. 【請求項5】 前記印加電圧(Vo)が前記閾値(V
    s)より小さい場合には、前記被膜の内部および前記被
    膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一方に水
    が存在する欠陥であると判定し、一方、前記印加電圧
    (Vo)が前記閾値(Vs)より大きい場合には、前記
    被膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との間の
    内の少なくとも一方に空気ボイドが存在する欠陥である
    と判定することを特徴とする、請求項4記載の被膜検査
    方法。
  6. 【請求項6】 金属材と前記金属材の表面に形成された
    被膜との間に交流電圧を印加し、前記被膜の内部および
    前記被膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一
    方に生じた部分放電による電流を、印加電圧の所定サイ
    クル毎に積分して、印加電圧を上昇させながら印加電圧
    毎に部分放電電荷量を測定し、そして、印加電圧と部分
    放電電荷量との関係に基づいて、前記被膜の内部および
    前記被膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一
    方に存在する、前記被膜に対する欠陥の割合を検出する
    ことを特徴とする被膜検査方法。
  7. 【請求項7】 金属材と前記金属材の表面に形成された
    被膜との間に電圧を印加するための電源と、前記電源に
    よる印加電圧値の上昇に伴って前記被膜の内部および前
    記被膜と前記金属材の表面との間の内の少なくとも一方
    に生じた部分放電を検出するための部分放電検出器と、
    前記部分放電検出器からの検出信号に基づいて、前記被
    膜の内部および前記被膜と前記金属材の表面との間に欠
    陥が存在するか否かを判定するためのための欠陥判定器
    とを備えたことを特徴とする被膜検査装置。
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