JP2004342476A - 二次電池の検査方法及び検査装置 - Google Patents

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万郷 藤川
Shuji Tsutsumi
修司 堤
Toshiro Kume
俊郎 久米
Mikiya Shimada
幹也 嶋田
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Abstract

【課題】正常電池の電極体にダメージを与えることなく、内部短絡もしくはその可能性のある電池を精度良く判別する、二次電池の不良検出方法及び不良検査装置を提供すること。
【解決手段】電極体に電圧をかけたときに回路に流れる電流が、正常な電極体に電圧を印加したときに回路に流れる電流よりも大きい場合に、電極体を不良と判定する検査方法において、電極体に印加する電圧を正常な電極体において部分放電の起きない範囲の電圧振幅を有する交流電圧とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池の製造における電極体、もしくは前記電極体を外装缶に挿入した、電解液の注液前電池の不良検出方法及び不良検査装置に関し、具体的には、正常電池にダメージを与えることなく内部短絡、もしくはその可能性のある電池を精度良く判別する、二次電池の不良検査方法及び不良検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、正極と負極とからなる少なくとも一対の電極をセパレータを介して巻回もしくは積層した電極体、もしくは前記電極体を外装缶に挿入した電解質注液前の二次電池の不良検出方法において、注液前の電池の電極間に正常電池では絶縁破壊が起こらない電圧を加え、電極間を流れる電流を検出することにより、ショート電池及び将来的に内部短絡を引き起こす可能性のある潜在ショート電池を検出している(特許文献1参照)。なお、ここでいう正常電池とは、セパレータが正常である電池、すなわち、異物等の存在によるセパレータへの傷や、セパレータに裂け目、ピンホール等のない電池のことを意味する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−195565号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような方法で電解液の注液前に、ショート電池、及び潜在ショート電池を検出することができる。この方法は、正常電池が絶縁破壊するよりも低い電圧をかけることにより潜在ショート電池を絶縁破壊させ、検出する方法である。しかし、電極間に印加する電圧を高くしていくと、絶縁破壊に至るアーク放電が起こるよりも低い電圧で、局所的な放電が起こる(これを部分放電という)。この部分放電は、絶縁物中に不均一な部分(欠損、ボイド等)が存在すると、その部分の静電容量が小さいために、電圧を印加したときに他の部分よりも低い電圧で放電が起きるために生じる。例えば、セラミック焼結体中に気泡が存在すると、気泡部分の誘電率はセラミックの誘電率よりも小さいために、この気泡部分の静電容量が小さくなる。このため、気泡部分は、セラミック焼結体が放電するよりも低い電圧で放電する。これと同様のことが二次電池のセパレータ内でも発生する。部分放電が起こると、オゾンや窒素酸化物等が発生し、絶縁物(セパレータ)は劣化する。
【0005】
従って、正常電池の電極体が絶縁破壊するよりも低い電圧であっても、上記のようにセパレータ内では部分放電が起きる可能性があり、前記従来の方法では、正常電池の電極体のセパレータにダメージを与える可能性がある。このため、正常電池の電極体にダメージを与えることなく、内部短絡もしくはその可能性のある二次電池の電極体を精度よく判別する不良検査方法および不良検査装置を提供することが望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、二次電池の電極体の不良を検査するための方法に関し、この方法は、
(1)セパレータを介して対向する少なくとも一対の電極からなる電極体に電圧Vxを印加する工程、
(2)前記電極体を含む回路に流れる電流を計測する工程、および
(3)前記計測された電流を、正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流と比較することにより、前記電極体の品質を判定する工程、
を包含する。ここで、電圧Vxは、正常な電極体において部分放電が起きない範囲の振幅Eを有する交流電圧であり、正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流は、正常な電極体がコンデンサとして機能するときの充放電電流である。
【0007】
上記方法において、交流電圧の振幅Eは、dを正常な電極体のセパレータの厚み(単位はμm)とした場合、200ボルト〜(300+25×d)ボルトの範囲にあることが好ましい。
【0008】
本発明は、また、二次電池の電極体の不良を検査するための装置に関し、この装置は、
(a)セパレータを介して対向する少なくとも一対の電極からなる電極体に電圧を印加するための電圧印加手段、および
(b)前記電極体を含む回路に流れる電流を計測するための電流計測手段、
を備える。ここで、前記電圧は、正常な電極体において部分放電が起きない範囲の振幅を有する交流電圧である。
【0009】
上記装置において、電流計測手段は、計測された電流と正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流とを比較して、二次電池の電極体の品質を判定する機能を備えることが好ましい。
【0010】
電流計測手段がそのような機能を有さない場合には、上記装置は、さらに、計測された電流と正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流とを比較して、二次電池の電極体の品質を判定するための手段を備えることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の検査方法を、図1を参照しながら、説明する。
図1は、本発明の検査装置の1つの実施の形態を示す回路図である。
【0012】
本発明は、電極体において、セパレータの欠陥や異物の存在によって実質的に接近した電極間において発生する、セパレータ内でのアーク放電による絶縁破壊電流を計測し、不良電極体を判定するための方法である。
工程1において、例えば、電圧印加手段10によって、セパレータを介して対向する少なくとも一対の電極からなる電極体14の正負極間に交流電圧Vxが印加される。このとき、正常な電極体のセパレータにおいて部分放電が起きない範囲の振幅を有する交流電圧が印加される。
【0013】
一般に、電極体のセパレータにおいては、部分放電が起こる電圧よりも、さらに高い電圧において絶縁破壊が起こり、この絶縁破壊が、回路に流れる電流を計測することによって観測される。一方、部分放電が起きても回路に流れる電流に変化が生じるが、その変化は、絶縁破壊による場合よりも非常に小さい。さらに、この部分放電はセパレータを劣化させる原因となる。これらのことは、正常な電極体においても、不良電極体においても、同じである。特に、不良電極体においては、セパレータがアーク放電により絶縁破壊する電圧およびセパレータ内で部分放電が生じる電圧の両方が、正常な電極体と比較して、低くなることが知られている。これは、セパレータがアーク放電により絶縁破壊する電圧、もしくはセパレータ内で部分放電が生じる電圧が、同一のセパレータでは、セパレータを介した電極間の距離に比例するからである。不良電極体においては、セパレータの欠陥や異物の存在等によって、正常な電極体のセパレータと比較して、局部的に電極間の距離が短くなっている。
【0014】
また、電極体の不良を検査するために、直流電圧を使用する場合にも、正常な電極体の絶縁破壊電圧と比較して、不良電極体の絶縁破壊電圧は低くなっている。しかし、その電圧が正常な電極体に部分放電が起こる電圧よりも大きいと、検査によって、正常な電極体が部分放電を起こしてしまう。一方、不良電極体に絶縁破壊を起こさせるために、交流電圧を使用する場合、直流電圧を印加する場合と比較して、電極体のセパレータが絶縁体として機能する耐電圧を低くし、絶縁破壊を起こりやすくすることができる。これは、交流電流を印加することによって、セパレータの欠陥部に、交流電圧の周波数に応じた回数だけ、部分放電を生じて、セパレータが劣化するために、セパレータの絶縁破壊電圧が低下するからである。従って、交流電圧が印加される場合には、正常な電極体のセパレータ内において部分放電が生じないような低い電圧でも、不良電極体のセパレータに絶縁破壊を生じさせることができる。また、絶縁破壊電圧は、印加される交流電圧の周波数にも影響される。このため、正常な電極体において部分放電が起きない交流電圧を印加し、その周波数を変化させることによって、不良電極体のセパレータに絶縁破壊を起こさせることもできる。
【0015】
工程2において、電極体14を含む回路に流れる電流が、例えば、抵抗11aおよびオシロスコープ11bからなる電流計測手段11によって計測される。
【0016】
工程3において、電極体14を含む回路に流れる電流を、正常な電極体を含む回路に流れる電流と比較して、前記電極体の品質が判定される。
【0017】
一般的に、不良電極体を含む回路に流れる電流と正常な電極体を含む回路に流れる電流は、その時間変化(以下、波形という)が、異なっている。図2に、正常な電極体における印加電圧、電流波形および正常閾値(斜め線の範囲)の模式図を示す。
【0018】
電極体14の絶縁が保たれている場合、この電極体14は回路内でコンデンサとして機能するので、交流電圧を印加すると、電極体14において、この交流電圧の周波数に応じて充放電が繰り返される。このとき、電極体14の抵抗(リアクタンス)は、1/2πfCで表される。ここでfは周波数、Cは電極体14のコンデンサ容量である。回路に流れる電流は、抵抗11aの抵抗値Rと電極体14のリアクタンスによって決まる。特に抵抗11aの抵抗値Rが電極体14のリアクタンスに比べて十分小さい場合、回路に流れる充放電電流は、2πfC×Eとなる。ここで、Eは、電圧印加手段10により印加される交流電圧の振幅を表す。また、このとき、回路に流れる電流の位相は、図2に示すように、電極体14にかかる電圧の位相に対して90°進む。このため、電圧印加手段により印加される交流電圧がピークとなる時、電流値は0となり、抵抗11aには電圧がかからず、電圧印加手段10により印加された電圧は、そのまま電極体14の電極間にかかる。
例えば、注液前電池の電極体がコンデンサとして機能する場合のコンデンサ容量が約20nFであり、正常な電極体でのリアクタンスが約130kΩであり、抵抗11aの抵抗値が10kΩであるとする。この場合、印加される電圧と電流との位相差は90°ではなく、約86°になり、ほぼ交流電圧の振幅と同じ大きさ(sin 85.6°=0.997倍)の電圧が電極体にかかることになる。従って、正常な電極体の場合には、振幅Eの交流電圧が印加される場合、回路には、最大で約7.5E×10Aの充放電電流が流れることになる。
【0019】
一方、交流電圧の印加によって、電極体14の電極間でアーク放電が起こり、セパレータの絶縁が破壊された場合、この電極体14は、コンデンサとしての機能を失い導体となり、電極間に電流が流れる。図3に、不良電極体における印加電圧、電流波形および正常閾値(斜め線の範囲)の模式図を示す。セパレータの絶縁が破壊された時点で、回路に流れる電流(=Vx/R)は、セパレータの絶縁が破壊される前の電流より大きくなる。ここで、Vxは、電圧印加手段10により印加される振幅Eの交流電圧を示す。従って、回路に充放電電流2πfC×Eより大きい電流が流れた場合に、不良電極体であると判定することができる。
【0020】
この判定は、例えば、オシロスコープに表示される電流波形を、観測者が観測することによって行ってもよいし、特定の判定機器を用いて行ってもよい。
【0021】
さらに、回路に流れる電流と電極体14にかかる電圧の位相差はなくなる。正常な電極体の場合、電流の位相は、電圧の位相に対して90°進むために、回路に流れる電流と電極体14にかかる電圧の位相差を見ることによっても、電極体の品質を判定することができる。
【0022】
また、正常な電極体を含む回路に流れる電流としては、複数の電流波形を採取し、その平均値を電流値として用いることができる。
【0023】
また、上記のように、正常な電極体を含む回路に流れる電流として、複数の電流波形からの平均値を用いることができるので、本発明の方法を、将来的に内部短絡を起こす可能性のある電極体の不良の判定に使用することもできる。
【0024】
将来的に内部短絡を起こす可能性のある電極体は、放電による絶縁破壊が起こった後に絶縁が復帰することがあるため、電圧印加の一定時間後の電流値を計測するだけでは、放電後に絶縁が復帰する電極体を不良として検出することはできない。このため、電極体の不良の判定については、正常な電極体の電流波形に基づいてある一定の良品閾値を設けておき、実際の検査時にその良品閾値から一測定点でもはずれるものを不良と判定することが好ましい。このような判定は、
(2’)セパレータを介して対向する少なくとも一対の電極からなる電極体を含む回路に流れる電流を、所定の時間間隔で測定する工程、および
(3’)前記所定の間隔で測定された少なくとも1つの電流値を、良品閾値と比較して、前記電極体の品質を判定する工程、
を包含する。
【0025】
上記良品閾値としては、例えば、500個の正常な電極体について、その電流波形を採取し、その平均波形を求める。図2または図3に示されるように、この平均波形の値を中心として、この平均波形の電流の最大値の0.2倍の値をその上下の幅に有する範囲を良品閾値として使用することができる。
【0026】
また、本発明の検査方法において、電極体に印加する交流電圧の振幅Eは、dを正常なセパレータの厚み(μm)とした場合、200V〜(300+25×d)Vの範囲にあることが好ましい。200V未満では、セパレータ内に異物などによる欠陥があったとしても、セパレータにおいて部分放電が起こりにくくなるので、検出の精度が低くなる。一方、(300+25×d)Vを超えると、正常な電極体のセパレータにおいても部分放電が発生するため、正常な電極体にダメージを与える可能性がある。
【0027】
また、絶縁体としてのセパレータの部分放電が起こり始める電圧は、材質、厚み等セパレータの物性値によって変化するため、電極体に印加するべき電圧の振幅は、使用される電極体の仕様によって適切な値を決める必要がある。また、交流電圧の周波数及び印加時間は一条件に限られるものではなく、任意に選択することができる。
【0028】
次に、本発明の検査方法を実施するための装置を、再度、図1を参照しながら説明する。
本発明の検査方法を実施するための1つの実施の形態の装置は、電圧印加手段10、電流計測手段11、リード線12、およびスイッチ13を備える。本実施形態において、電流計測手段11は、抵抗11aおよびオシロスコープ11bからなる。
【0029】
本実施形態の装置において、抵抗11aがリード線12を介して電圧印加手段に接続されており、さらに、オシロスコープ11bが抵抗11aに並列に接続されてる。抵抗11aの他方の一端に、リード線12を介して電極体14の一端を接続する。電圧印加手段10の他方の一端と電極体14の他方の一端とを、リード線12及びスイッチ13を介して接続する。このような回路を作製し、抵抗11aにかかる電圧をオシロスコープ11bにより測定することによって、回路に流れる電流を計測することができる。実際の測定では、電圧を印加した状態でスイッチ13をオンする、もしくはスイッチ13をオンにした状態で電圧を印加することにより、回路に電流が流れる。この回路に流れる電流がオシロスコープ11bに表示される。
【0030】
本発明において使用される電圧印加手段としては、特に限定されることなく、回路に交流電圧を印加できるものであればよい。
【0031】
電流計測手段としては、特に限定されることなく、回路に流れる電流を計測できるものであればよい。例としては、回路に直列に接続された抵抗およびこの抵抗に並列に接続されたオシロスコープからなる装置が挙げられる。この抵抗およびオシロスコープは、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができる。このオシロスコープに電流波形が表示され、電極体が絶縁破壊を起こした場合には、その電流波形の変化が表示される。
【0032】
また、この電流計測手段は、計測された電流と、正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流とを比較して、電極体の品質を判定する機能を備えてもよい。
また、この電流計測手段は、正常電極体の電流波形に基づいてある一定の良品閾値を設けておき、検査時にその良品閾値と計測された電流を比較して、電極体の品質を判定する機能を備えてもよい。例えば、電流計測手段が、抵抗およびこの抵抗に並列に接続されたオシロスコープからなる場合、このような機能を有するオシロスコープとしては、IWATSU製 DS−4262が挙げられる。
【0033】
リード線およびスイッチとしては、特に限定されることなく、当該分野で一般的に使用されるものを使用できる。
【0034】
さらに、本発明の装置は、電流計測手段とは別に、二次電池の電極体の品質を判定するための手段を有してもよい。この不良判定手段は、上記のような、計測された電流と、正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流とを比較して、電極体の品質を判定する機能、および/または正常電極体の電流波形に基づいてある一定の良品閾値を設けておき、検査時にその良品閾値と計測された電流を比較して、電極体の品質を判定する機能を備える。
この判定手段としては、検査された二次電池の電極体の品質を判定できるものであれば、特に限定されることなく使用することができる。例としては、コンピュータ等が挙げられる。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例として、注液前のリチウムイオン二次電池の電極体の検査について、図1および図4を参照しながら説明する。
図4は、電解液を注液する前のリチウムイオン二次電池の一例の一部を切り欠いた部分斜視図である。
【0036】
最初に、リチウムイオン二次電池の作製について、説明する。
【0037】
(正極板の作製)
正極活物質としてコバルト酸リチウムを用い、導電剤としてアセチレンブラックを用い、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂を用いた。コバルト酸リチウム100重量部に対して、アセチレンブラックを3重量部、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散したディスパージョンを固形分で4重量部を添加し、混練して、ペースト状の正極合剤を作製した。このペースト状の正極合剤を、厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗着し、乾燥した。この得られたものを圧延し、正極板を得た。この正極板にアルミニウム製正極リードをスポット溶接して取り付け、こののち、110℃で15分間、真空乾燥した。
【0038】
(負極板の作製)
負極活物質として鱗片状黒鉛を用い、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を用いた。鱗片状黒鉛100重量部に対して、SBRの水性ディスパージョンを固形分として4重量部を添加し、混練して、ペースト状の負極合剤を作製した。このペースト状の負極合剤を、厚さ10μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両面に塗着し、乾燥した。このようにして得られたものを圧延して、負極板を得た。この負極板にニッケル製負極リードをスポット溶接して取り付け、こののち、110℃で15分間、真空乾燥した。
【0039】
(電池の組み立て)
次に、図4に示すような、電解液を注液していないリチウムイオン二次電池を作製した。
上記のようにして得られた正極板と負極板とを、厚さ20μmのポリプロピレン製セパレータを介して捲回して電極体70を作製した。この電極体の上部にポリエチレン樹脂製の枠体73を装着し、アルミニウム製の外装缶74内に収納した。正極リードの他端は、安全弁77を有する封口板78の下面にスポット溶接した。負極リードの他端を、封口板78の中心部にある端子孔に絶縁材料76を介して挿入されたニッケル製負極端子75の下部と電気的に接続した。外装缶74の開口端部と封口板の周縁部とをレーザー溶接した。このようにして作製された、注液前のリチウムイオン二次電池を、正常電池とした。
また、正常な電極体に対する不良電極体として、正極板とセパレータとの間に、45μm以上75μm未満のステンレス鋼の研磨粉を5粒混入した電極体を使用した。この不良電極体を使用して、上記と同様にして、電解液が注入されていないリチウムイオン二次電池を作製し、これを不良電池とした。
【0040】
(電極体の検査)
次に、検査を以下のような手順で行った。
電圧印加手段として耐電圧試験器(菊水電子工業(株)製TOS5051)を使用し、電流計測手段として、抵抗(抵抗値10kΩ)およびこの抵抗に並列に接続されたオシロスコープ(IWATSU製 DS−4262)を使用した。電圧印加手段と、電流計測手段と、正常電池または不良電池とを、リード線とスイッチを用いて接続して、図1に示すような回路を作製した。次に、スイッチをオンにして、電池に交流電圧を1秒間印加した。抵抗にかかる電圧をオシロスコープで読み取り、電流値に換算することによって、回路に流れる電流を計測した。
【0041】
回路に流れる電流を、100μsの間隔で測定し、電流値が良品閾値を超えるものが1測定点でもあった場合に、検査した電池が不良と判定した。1つの電池に対して、このような測定を、200V、400V、600V、800V、1000V、および1500Vの電圧振幅Eで行った。さらに、これらの交流電圧の周波数をすべて60Hzとした。
【0042】
上記測定を、正常電池および不良電池の各々100セルに対して行い、不良電池の検出数を調べた。
【0043】
また、比較として、200V、400V、600V、800V、1000V、1200V、および1500Vの直流電流を印加し、その各電圧において、100セルの不良電池を検査し、不良検出数を調べた。
【0044】
さらに、検査後の正常電池については、交流電圧の印加による電池へのダメージを調べるために、この検査後の正常電池を完成させた。これを、再び、図4を参照しながら説明する。
まず、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(重量比1:1)中に、溶質としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を1モル/lの濃度で溶解して、電解液を得た。この電解液を、封口板に設けてある注入孔から注液した。この注入孔をアルミニウム製の封栓79で塞ぎ、レーザー溶接で注入孔を密封して、電池を完成した。
【0045】
次に、この電池を、1時間率で4.2V〜3.0V間で充放電するサイクル試験を行い、500サイクル後の不良率を調べた。ここで、不良率とは、100個の電池のうち、500サイクル後に、4.2Vに充電した後の開回路電圧が3Vからはずれた電池の割合を意味する。
【0046】
検査結果を表1に示す。なお、表1中の交流電圧の印加電圧は、その振幅を意味する。
【0047】
【表1】
Figure 2004342476
【0048】
表1より明らかなように、印加電圧を1500Vとすると、正常な電極体の場合を含めて、全てにおいて電流波形が異常波形となった。この結果から、正常な電極体の耐電圧が、1500V以下であることが分かる。また、印加電圧が1000Vまたは1200Vの場合には、正常な電極体において、正常な電流波形のものでも、500サイクルのサイクル試験後にOCV不良(電圧降下不良)となるものがあった。これは、1000Vまたは1200Vのような高い電圧を印加したために、正常な電極体のセパレータにおいて部分放電が発生した。このため、セパレータがダメージを受けて局所的に絶縁劣化が発生し、極板の膨張収縮を伴うサイクル試験後に異常な電圧降下を起こしたと考えられる。しかし、電圧が800Vである場合には、異常波形数および500サイクル後のOCV不良率は0であった。この結果により、本実施例において使用したセパレータの厚みは20μmであることから、300+25×20=800Vよりも高い電圧を印加すると正常な電極体においても部分放電が起こると考えられる。
【0049】
不良電極体の場合においては、印加する電圧を上げるに従って異常波形率は上昇した。さらに、800V以上の振幅の交流電圧を印加すると、すべての異常電極体を検出することができた。従って、交流電圧を使用する場合には、800Vにおいて、すべての不良電池を検出することができるので、正常な電極体に部分放電を起こして、セパレータを劣化させることがない。一方、直流電圧を印加した場合では、800Vにおいて、すべての不良電池を検出することができなかった。このように、交流電圧を印加することによって、すべての不良電池を検出することができたのは、交流を印加することによってセパレータがダメージを受けた部分に部分放電が多数発生し、不良電極体の異物混入部のセパレータの耐電圧が低下して絶縁破壊が起こりやすくなったためと考えられる。
【0050】
さらに、印加する交流電圧を一定にし、その周波数を数kHzまで上げても同様の傾向が見られた。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明の二次電池の電極体の不良検査法および検査装置によれば、電極体に印加する電圧を、正常な電極体において部分放電の起きない振幅を有する交流電圧とすることによって、正常な電極体にダメージを与えることなく、精度良く内部短絡、もしくはその可能性のある電極体を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査方法において使用される装置の1つの実施形態を示す回路図である。
【図2】正常な電極体における印加電圧波形、電流波形および正常閾値(斜め線の範囲)を示す模式図である。
【図3】不良電極体における印加電圧波形、電流波形および正常閾値(斜め線の範囲)を示す模式図である。
【図4】電解液を注液する前のリチウムイオン二次電池の一例の一部を切り欠いた部分斜視図である。
【符号の説明】
10 電圧印加手段
11 電流計測手段
11a 抵抗
11b オシロスコープ
12 リード線
13 スイッチ
14 注液前電池の電極体
70 電極体
71 正極リード
72 負極リード
73 枠体
74 外装缶
75 負極端子
76 絶縁材料
77 安全弁
78 封口板
79 封栓

Claims (5)

  1. 二次電池の電極体の不良を検査するための方法であって、前記方法は、
    (1)セパレータを介して対向する少なくとも一対の電極からなる電極体に電圧Vxを印加する工程、
    (2)前記電極体を含む回路に流れる電流を計測する工程、および
    (3)前記計測された電流を、正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流と比較することにより、前記電極体の品質を判定する工程、
    を包含し、
    ここで、前記電圧Vxは、正常な電極体において部分放電が起きない範囲の振幅Eを有する交流電圧であり、前記正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流は、前記正常な電極体がコンデンサとして機能するときの充放電電流である、方法。
  2. 前記交流電圧の振幅Eが、dを正常な電極体のセパレータの厚み(単位はμm)とした場合、200ボルト〜(300+25×d)ボルトの範囲にある、請求項1に記載の方法。
  3. 二次電池の電極体の不良を検査するための装置であって、前記装置は、
    (a)セパレータを介して対向する少なくとも一対の電極からなる電極体に電圧を印加するための電圧印加手段、および
    (b)前記電極体を含む回路に流れる電流を計測するための電流計測手段、
    を備え、
    ここで、前記電圧は、正常な電極体において部分放電が起きない範囲の振幅を有する交流電圧である、装置。
  4. 前記電流計測手段が、前記計測された電流と前記正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流とを比較して、二次電池の電極体の品質を判定する機能を備える、請求項3に記載の装置。
  5. 前記計測された電流と前記正常な電極体を含む回路に流れる所定の電流とを比較して、二次電池の電極体の品質を判定するための手段をさらに備える、請求項3に記載の装置。
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