JP2001107695A - ケーブルボルト定着金具及びその定着方法 - Google Patents
ケーブルボルト定着金具及びその定着方法Info
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Abstract
作業を容易に行えるようにした。 【解決手段】 ボルト孔4に収容されたケーブルボルト
1の口元端をナット締めにより地山3にネジ定着させる
本体ネジ部12と、本体ネジ部12と軸線方向に連接さ
れた圧着部11とからなる。定着具内に軸線方向に形成
されたケーブル挿通孔内に挿通されたケーブルボルト1
の所定位置で、圧着部11を外方からかしめることで、
定着具全体をケーブルボルト1に固定するようにした。
Description
金具及びその定着方法に係り、特殊工具等を用いずに定
着作業を容易に行えるようにしたケーブルボルト定着金
具及びその定着方法に関する。
ル50を多段分割してNATMで施工する場合、その掘
削段階に応じて地山補強に設計上必要とされる多数のロ
ックボルト51が打設される。地山状態にも依るがこの
ような大断面を支保するには、打設ボルトが長尺ボルト
となる場合が多い。長尺ボルトでは、ジョイントスリー
ブ等を利用して単位長さのロックボルト51を接続して
継ぎボルトとして使用している。
階では、先進導坑52から引き続き拡幅される上半部分
の天端53を補強するには、長さ10m程度の上向きの
長尺ボルト54が必要となることが多い。この場合、複
数本のロックボルトを上向きの状態で継いで使用するこ
とになるが、先進導坑のように小断面のトンネル内では
ロックボルトを継ぎ足していくのも困難な場合がある。
の取り扱い上の問題を解消するために、ロックボルトの
代替補強線材として、所定長さのケーブル状の補強鋼線
あるいは繊維補強樹脂線材等を用い、これらの線材をボ
ルト孔内に挿入し、その口元端を地山に定着するように
したケーブルボルト(本明細書では、以下、ケーブル状
の補強線材をケーブルボルトと呼ぶものとする。)を開
発している。このケーブルボルトは通常、ドラム等に巻
回された荷姿で現場等に搬入され、あらかじめ設計上必
要な長さに切断して使用する。したがって、ボルト継ぎ
作業に相当する現場作業を省略できるという利点があ
る。
トの定着方式としては、あらかじめロックボルト後端に
ネジ切りしておき、ベアリングプレートを地山とナット
との間に介在させた状態で、このネジ部にナットを螺合
して定着するタイプが多い。これに対してケーブルボル
トでは、ケーブル表面にネジ切りが施せないため、地山
に当接して配置されたベアリングプレート61上に簡易
な緊張ジャッキ(図示せず)を設置し、この緊張ジャッ
キを用いてケーブル61に所定の緊張力を導入した状態
でくさび状チャック62をケーブル61の表面に噛合さ
せる方式の定着具を利用している(図9参照)。
着作業を容易にするために、2〜3等分割されたくさび
状チャック62を仮組みして、ケーブルボルト60の定
着端に装着している。しかし、実際に使用した場合、ケ
ーブルボルト60の運搬時に仮組されたくさび状チャッ
ク62が分解して散逸してしまうという問題がある。ま
た、ボルト孔口元の地山部分に凹凸があると、定着時に
ベアリングプレート61が地山に密着せず、緊張ジャッ
キのケーブル緊張方向が傾いて緊張作業がうまく行えな
いという問題もある。
術が有する問題点を解消し、部品をケーブルボルトの一
部に一体的に取り付けておくことができ、さらに緊張作
業も容易に行えるようにしたケーブルボルト定着金具及
びその定着方法を提供することにある。
に、本発明はボルト孔に収容されたケーブルボルトの口
元端をナット締めにより地山にネジ定着させる本体ネジ
部と、該本体ネジ部と軸線方向に連接された圧着部とか
らなり、軸線方向に形成されたケーブル挿通孔内に挿通
された前記ケーブルボルトの所定位置で、前記圧着部が
外方からかしめられ、全体が前記ケーブルボルトに固定
されるようにしたことを特徴とする。
くはその両方に、半径方向スリットを形成することが好
ましい。
径が前記本体ネジ部の外径より大きい場合に、より有効
である。
方法として、ケーブルボルトボルト孔に収容可能な長さ
にケーブルボルトを切断し、該ケーブルボルト口元端に
定着金具を、圧着部をかしめて取り付けておき、前記ケ
ーブルボルトを前記ボルト孔に収容させて充填材を前記
ボルト孔に充填し、該充填材が所定強度に達した後に、
前記ケーブルボルトの口元端に位置する定着金具の本体
ネジ部に、ベアリングプレートを介装させてナットを所
定トルクで螺合し、前記定着金具を地山に定着させるよ
うにしたことを特徴とする。
着金具及びその定着方法の一実施の形態について、添付
図面を参照して説明する。図1は本発明の定着金具10
を用いてケーブルボルト1の口元端部2を地山3に定着
した状態を示した概略説明図である。同図にはボルト孔
4の削孔深さ全体に挿入され、口元部分で所定の余長を
加えた長さに切断されたケーブルボルトが示されてい
る。このケーブルボルト1の口元端部2には定着金具1
0が固着されている。この定着金具10は図2に示した
ように、外径φ1の圧着部11と、外径φ3の本体ネジ部
12とが同心的に軸方向に一体的に連接された雄ネジ部
材で、部材内部には内径φ2のケーブルボルト挿通孔1
3が外径と同心的に軸線方向に貫通して形成されてい
る。このケーブルボルト挿通孔13の内径φ2は対応す
るケーブルボルト1が挿通可能な寸法に設定されてい
る。ケーブルボルト1の一般的な直径としては15.2
mmが使用されているため、このケーブルボルト1を挿通
し、口述したようにカシメにより定着金具10をケーブ
ルボルト1に固着に固定できる程度の内径とすることが
好ましい。また本体ネジ部12の長さとしては100mm
程度とし、圧着部11の長さは70〜80mm程度が好ま
しい。
金属製一体加工品であるが、カシメ効果を高め、ネジ部
の強度向上を目的として、圧着部11に、高強度の本体
ネジ部12を溶接接合して一体化してもよい。
着されるナット20を、図4はベアリングプレート21
を示している。ナット20は当初は手回しで本体ネジ部
12に取り付けることができるが、本締めする場合には
専用のトルクレンチあるいはナット回しを使用すること
が好ましい。ベアリングプレート21の中央には定着金
具10の本体ネジ部12より十分大きな直径の円孔22
が形成されている。このベアリングプレート21をナッ
ト20と地山との間に介装させ、ナット20による締め
込みを行う。この際、ナット20の締め込みにより変形
しない程度の厚さとする。通常は厚さ12〜15mm程度
が好ましい。
説明図である。同図に示したように、圧着部11を図示
しない圧着ツールにより所定の範囲を押圧することで定
着金具10の圧着部11をわずかに塑性変形させ、ケー
ブルボルト1にかしめる。このとき圧着部11の内周面
には縦溝(図示せず)が形成されているので、定着金具
10はケーブルボルト1に対して回転しないようになっ
ている。このため、ナット20締めした際に定着金具1
0がケーブルボルト1に対して共回りするのを防止する
とともに固定力(すべり抵抗)を増加できる。
定着金具10の説明図である。本変形例では圧着部11
のねじり剛性を大きくしてナット20締めの際の圧着部
のねじれ変形を抑えるようにしている。部材厚が大きい
のでカシメ作業の際にケーブルボルト1に確実にかしめ
られるように、同図(b)に示したスリット14が半径
方向に形成されている。このスリット14によってたと
えば同図(b)に示したように、側方から図示しない圧
着ツールで圧着部11の外周部分をかしめると同図
(c)のように、圧着部11はスリット14が閉じるよ
うに塑性変形し、ケーブルボルト1に確実に噛み込む。
カシメ作業完了状態を同図(c)に示す。この形状の定
着金具10ではナット締めに本体ネジ部12に加わるね
じり力に対して圧着部11が確実に抵抗するので、定着
金具10がケーブルボルト1と定着金具10とを確実に
一体化させることができる。このスリット14は圧着部
11の他、本体ネジ部12に設けることもでき、また圧
着部11、本体ネジ部12の両方にわたって設けてもよ
い。
を補助するために定着金具10とケーブルボルト1との
隙間にエポキシ樹脂接着剤等を充填し、固定力を増すよ
うにすることも好ましい。
ブルボルト1の定着方法の手順についてケーブルボルト
1の打設段階から説明する。まず、ボルト打設パターン
に従って公知の削孔装置によって地山にボルト孔を削孔
する。削孔した各ボルト孔の深さに加え所定の余長をと
ってケーブルボルト1を切断する。このときケーブルボ
ルト1はドラム等に巻回されており、ドラムからの引き
出し作業及び切断作業は容易に行える。このため、あら
かじめトンネル坑外で準備せずに、現場合わせ作業でト
ンネル坑内の切羽後方で行うこともできる。この段階で
定着金具10をケーブルボルト1の口元端部位置にかし
めて固定する。この定着金具10の取り付けられたケー
ブルボルト1を、すでに充填材25としてのモルタルが
孔内に充填されているボルト孔に挿入する。このときケ
ーブルボルト1には所定間隔でスペーサーを取り付けて
おき、ケーブルボルト1がボルト孔のほぼ断面の中心位
置に保持されるようにすることが好ましい(以下、図1
を参照)。充填材25、充填方法は各種の公知の材料、
方法を採用すればよい。充填材25が定着に必要な強度
に達したら、ベアリングプレート21を地山3との間に
介在させた状態で定着金具10の本体ネジ部12にナッ
ト20を装着する。そして前述したようにトルクレンチ
等で所定トルクを導入してナット締めを行う。ナット2
0を締め付けるにしたがって定着金具10が孔側からト
ンネル内空側に進行し、ケーブルボルト1に所定の緊張
力(引張力)が導入される。このときナット締めのトル
ク値とケーブルボルト1の伸び量との関係をキャリブレ
ーションしておくことにより、ケーブルボルト1の長さ
に見合った適正導入トルクを設定しておくことが好まし
い。
けたケーブルボルトでは、特別な機材、工具を必要とし
ないで緊張作業を容易に行うことができる。また、ケー
ブルボルトに定着金具が確実に固着されているので、部
品の紛失等の事故も防止することができる。
定着方法の一実施の形態を示した部分断面図。
態を示した正面図、側面図。
面図、断面図。
示した正面図、断面図。
態を示した説明図。
面図。
た概略説明図。
示した概略説明図。
た説明図。
Claims (4)
- 【請求項1】ボルト孔に収容されたケーブルボルトの口
元端をナット締めにより地山にネジ定着させる本体ネジ
部と、該本体ネジ部と軸線方向に連接された圧着部とか
らなり、その内部に軸線方向に形成されたケーブル挿通
孔内に挿通された前記ケーブルボルトの所定位置で、前
記圧着部が外方からかしめられ、全体が前記ケーブルボ
ルトに固定されるようにしたことを特徴とするケーブル
ボルト定着金具。 - 【請求項2】前記本体ネジ部あるいは圧着部の一方もし
くはその両方に、半径方向スリットが形成されたことを
特徴とする請求項1記載のケーブルボルト定着金具。 - 【請求項3】前記圧着部の外径は、前記本体ネジ部の外
径より大きいことを特徴とする請求項2記載のケーブル
ボルト定着金具。 - 【請求項4】ボルト孔に収容可能な長さにケーブルボル
トを切断し、該ケーブルボルト口元端に請求項1に記載
の定着金具を、圧着部をかしめて取り付けておき、前記
ケーブルボルトを前記ボルト孔に収容させて充填材を前
記ボルト孔に充填し、該充填材が所定強度に達した後
に、前記ケーブルボルトの口元端に位置する定着金具の
本体ネジ部に、ベアリングプレートを介装させてナット
を螺合し、前記定着金具を地山に定着させるようにした
ことを特徴とするケーブルボルトの定着方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28757299A JP3512358B2 (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | ケーブルボルト定着金具 |
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JP2001107695A true JP2001107695A (ja) | 2001-04-17 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019065483A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 金森藤平商事株式会社 | ロープアンカー及びその施工方法 |
-
1999
- 1999-10-08 JP JP28757299A patent/JP3512358B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019065483A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 金森藤平商事株式会社 | ロープアンカー及びその施工方法 |
JP7004967B2 (ja) | 2017-09-29 | 2022-02-04 | 金森藤平商事株式会社 | ロープアンカー及びその施工方法 |
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